JP2013087228A - 紫外線・近赤外線遮断水性塗料、該塗料からなる塗膜が形成された遮熱処理ガラス及び該塗料を用いた窓ガラスの遮熱処理方法 - Google Patents

紫外線・近赤外線遮断水性塗料、該塗料からなる塗膜が形成された遮熱処理ガラス及び該塗料を用いた窓ガラスの遮熱処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】既設の窓ガラス等に塗布するだけで、迅速に、かつ、簡便に、窓ガラス等に、優れた紫外線・近赤外線の遮断機能を付与することができ、しかも、形成される塗料塗膜は、密着性が高く、かつ、耐薬品性、耐候性に優れたものとなる、優れた紫外線・近赤外線遮断水性塗料を提供すること。
【解決手段】被塗布物に、紫外線・近赤外線を遮断する機能を示す塗料塗膜を形成するための水性塗料であって、ポリカーボネートポリウレタン水性エマルジョン樹脂を主成分とし、硬化助剤として、水性イソシアネート硬化剤、ポリカルボジイミド硬化剤、オキサゾリン硬化剤又はエポキシ硬化剤の少なくとも1種以上を外添して併用する常温硬化型の塗膜形成樹脂と、紫外線吸収剤と、無機系の近赤外線吸収剤とが水性媒体中に分散含有されてなり、且つ、該無機系の近赤外線吸収剤が、アンチモンドープ酸化錫、アンチモンドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛及び錫ドープ酸化インジウムからなる群から選択される1種以上の微粒子であることを特徴とする紫外線・近赤外線遮断水性塗料、該塗料からなる塗膜が形成された遮熱処理ガラス及び該塗料を用いた窓ガラスの遮熱処理方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、例えば、建装材用ガラスや車両用ガラスに塗布するだけで、紫外線及び近赤外線を効果的に遮断することが可能になる、室内昇温の抑制効果を示し、室内調度品や車両内装設備の変色防止効果をも示す紫外線・近赤外線遮断水性塗料、該塗料を用いた遮熱処理ガラス及び窓ガラスの遮熱処理方法に関する。
近年、産業の発達による化石資源燃料の大量消費に伴い、二酸化炭素等の温室効果ガスの発生量が急増しており、これら温室効果ガスによると考えられる地球温暖化が急激に進み、地球規模での課題となっている。気温の上昇は、干ばつや豪雨の多発、海水面の上昇に関連し、また生態系にも影響を及ぼすと言われており、化石資源燃料の消費を抑える「環境対策」が急がれている。さらに、都市部においては、夏季はいわゆるヒートアイランド現象により、日中だけでなく夜間の気温も高いため冷房に頼らざるを得なくなっており、冷房機器からの排熱によりさらに気温が上昇する悪循環が生じている。すなわち、冷房電力使用量の増大に伴う温室効果ガスの増大が地球温暖化に拍車をかけ、さらなる気温の上昇の原因となっていると考えられ、「省エネ対策」が急務とされている。これに対し、特に都市部では建物の断熱性を高める等、冷房による電気使用量をできるだけ減らす様々な「省エネ対策」がなされるようになってきている。
現行の建築基準法では、住宅及び商用ビルは、壁に床面積の1/7以上の面積の開口部を設ける必要があるが、一般的には、採光の見地から壁面の面積の30〜80%を窓ガラスとされている。日本の夏季における室内への熱の侵入は窓ガラスからが約70%以上であると言われており、同じく日本の冬季における室内からの熱放出は、窓ガラスからが約50%以上とも言われている。窓ガラスを透過する太陽光線は、紫外線、可視光線、および近赤外線(熱線)から成り、そのエネルギー比率は、紫外線が5%、可視光線が45%、近赤外線が50%である。このことは、窓ガラスを透過する紫外線と近赤外線とを簡便な方法で遮断できる技術が開発できれば、採光については何らの問題もなく、太陽エネルギーを55%遮断することができることを意味する。そして、窓ガラスを透過する近赤外線を遮断できれば、住宅や商用ビル内の気温を快適に保つことができ、冷暖房電力の使用量の抑制につながる。また、紫外線は、化学線とも呼ばれるように、化学反応を引き起こして室内装飾の変色や劣化を招く原因となっており、近赤外線と同様に窓ガラスからの侵入を遮断できれば、室内装飾の変色や劣化を有効に抑制できる。さらに、自動車等の車両の窓ガラスにおいても同様の問題があり、特に、狭い空間であることから、夏季や冬季に屋外に駐車した場合の車内における温度上昇や温度降下は著しく、また、室内に精密な電子機器が搭載されることが必須となっている自動車等においては、ガラスを透過する近赤外線と紫外線とを簡便な方法で遮断できれば非常に有用である。
窓ガラスを透過する太陽光に対する遮熱対策として、近年、ガラスメーカーにより、断熱ガラスや熱遮断性合わせガラス等の遮熱ガラスが開発されている。また、フィルムメーカーにより、既存の窓ガラスに貼る方式の遮熱フィルムも開発されている。しかし、遮熱ガラス、特に熱遮断性合わせガラスは高コストであるため、「省エネ」が叫ばれている現在でも、一部の新築物件にしか普及していないのが現状である。他方、遮熱フィルムは簡便であるものの、耐久性や清掃等のメンテナンスに問題があったり、あるいは既存の窓ガラスに高い耐久性を満足した状態で貼る必要があるため、凹凸面のある型ガラスや網ガラスには適用が困難であったりして、やはり十分普及していないのが現状である。
上記課題に対し、従来の遮熱ガラスや遮熱フィルムよりも簡便に窓ガラスに遮熱性を付与する方法として、遮熱塗料(遮光塗料)を窓ガラスに塗布することが考えられ、種々の開発がされている。例えば、アクリル樹脂とアクリル系シロキサン架橋型反応性ポリマーに、塗膜形成副要素として紫外線吸収剤と近赤外線吸収剤とを添加してなる溶剤系の塗料についての提案がある(特許文献1)。また、アクリル樹脂とアクリル系シロキサン架橋型反応性ポリマー中に、紫外線吸収剤と無機系近赤外線吸収剤が分散溶解され、その無機系近赤外線吸収剤が、酸化インジウム、酸化錫及び酸化亜鉛の群から選択される1種以上の微粒子からなることを特徴とした溶剤系の塗料についての提案がある(特許文献2)。そして、特許文献2では、無機系近赤外線吸収剤に、錫ドープ酸化インジウム微粒子や酸化亜鉛微粒子を用いることが記載されている。
また、熱線遮断効果がある伝導性微粒子を利用して、可視光線透過率が高く、熱線遮断の特性が非常に優れた被膜を安価で量産可能とした技術に関する、熱線遮断組成物およびその製造方法についての提案がある(特許文献3)。特許文献3に記載の技術では、伝導性微粒子の表面を疎水化処理する別途の粉末製造工程なしに、両親媒性の溶媒に高濃度で分散させて製造された分散ゾルは含水・アルコール系、無水樹脂バインダと、常用性、安定性が優れた熱遮断性の被膜および成形体を安価で製造することができるとしている。
特開平10−088039号公報 特開2007−106826号公報 特許第4347814号公報
しかしながら、通常、使用されている近赤外線吸収剤は、アンフラ系化合物、有機アミニウム系化合物(930〜960nm)、シアニン系化合物(600〜1,000nm)、ナフタロシアニン系化合物、アントラキノン系化合物(700〜1,300nm)、ポリメチン系化合物、ジイモニウム系化合物(1,080〜1,110nm)等の有機系のものである。特許文献2には、微粒子からなる近赤外線吸収剤が記載されているものの、特許文献2に記載の塗料は、特許文献1に記載の塗料と同様に、有機溶剤であるトルエン、キシレン等の有機溶剤を使用した溶剤系のものであり、屋内の窓ガラスに塗工した場合、臭気の問題が大きく、さらに、芳香族系有機溶剤は健康を害する恐れがあり、安全性の面からも改善する余地があった。
また、先に挙げた特許文献3に記載の技術は、熱線遮断の特性が非常に優れた被膜を安価で量産可能であるとしているが、基材に熱線遮断組成物を塗布後、加熱や、紫外線を照射し硬化塗膜にしており、単にガラス等に塗布後、自然放置状態ではいつまでも塗膜を形成しないので、一般家庭用の簡便に利用できる塗料としては使用上の問題がある。さらに、特許文献3に記載の塗料は、水/油に親媒性の有機溶剤、具体的には揮発性の溶媒であるエーテルを主成分として使用しており、上記した特許文献1、2に記載の塗料と同様に、臭気、健康阻害の問題があり、改善することが求められる。
したがって、本発明の目的は、上記課題を解決するものであり、窓ガラス等に塗布するだけで、窓ガラス等に迅速かつ簡便に、優れた紫外線・近赤外線の遮断機能を付与することができ、しかも、形成される塗料塗膜は、密着性が高く、かつ、耐薬品性、耐候性に優れたものとなる、紫外線・近赤外線遮断水性塗料を提供するものである。また、本発明の目的は、単に窓ガラス等に塗布するだけで、迅速かつ簡便に、優れた紫外線・近赤外線遮断効果が得られる塗膜を簡便に形成でき、しかも、有機溶剤を含まないため、作業環境および塗布後の安全衛生にも優れた遮熱処理技術を提供することにある。
上記の課題は、下記の本発明によって達成される。すなわち、本発明は、被塗布物に、紫外線・近赤外線を遮断する機能を示す塗料塗膜を形成するための水性塗料であって、ポリカーボネートポリウレタン水性エマルジョン樹脂を主成分とし、硬化助剤として、水性イソシアネート硬化剤、ポリカルボジイミド硬化剤、オキサゾリン硬化剤又はエポキシ硬化剤の少なくとも1種以上を外添して併用する常温硬化型の塗膜形成樹脂と、紫外線吸収剤と、無機系の近赤外線吸収剤とが水性媒体中に分散含有されてなり、且つ、該無機系の近赤外線吸収剤が、アンチモンドープ酸化錫、アンチモンドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛及び錫ドープ酸化インジウムからなる群から選択される1種以上の微粒子であることを特徴とする紫外線・近赤外線遮断水性塗料を提供する。
本発明の好ましい形態としては、下記のものが挙げられる。
上記無機系の近赤外線吸収剤が、100nm以下の微粒子が水中に分散している水分散体として添加されてなり、その含有量が、前記塗膜形成樹脂分100質量部に対して10質量部〜200質量部である紫外線・近赤外線遮断水性塗料。
前記ポリカーボネートポリウレタン水性エマルジョン樹脂が、3〜70質量%の範囲で含有されている紫外線・近赤外線遮断水性塗料。
前記紫外線吸収剤の含有量が、微粒子が水中に分散している水分散体として添加されてなり、前記塗膜形成樹脂分100質量部に対して5質量部〜50質量部である紫外線・近赤外線遮断水性塗料。
前記紫外線吸収剤が、ベンゾトリアゾール系及び/又はヒドロキシフェニルトリアジン系と、ヒンダードアミン系のラジカル捕捉剤とを併用した有機系の紫外線吸収剤である紫外線・近赤外線遮断水性塗料。
前記紫外線吸収剤が、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化鉄又は酸化チタンのいずれかを含む、50〜100nmの粒度分布を有する無機系の水系分散体である紫外線・近赤外線遮断水性塗料。
また、本発明は、別の実施形態として、板状の無機ガラス又は有機ガラスの少なくとも一方の面に、上記いずれかの紫外線・近赤外線遮断水性塗料からなる塗膜が形成されていることを特徴とする遮熱処理ガラスを提供する。
さらに、本発明は、別の実施形態として、既設の窓ガラスの内面又は外面に、上記いずれかの紫外線・近赤外線遮断水性塗料を塗布して塗膜を形成することを特徴とする窓ガラスの遮熱処理方法を提供する。
本発明の紫外線および近赤外線遮断水性塗料は、ポリカーボネートポリウレタン水性エマルジョン中に、微粒子状の紫外線吸収剤および近赤外線吸収剤が良好に分散されており、これを窓ガラス等に塗布するだけで、外添された硬化剤によって常温で迅速に架橋構造を有する塗膜を簡便に形成することができ、しかも、該塗膜は、密着性、耐水性及び耐薬品性に優れると同時に、紫外線吸収剤および近赤外線吸収剤が塗膜中に良好に分散されたものになる。このため、本発明の紫外線および近赤外線遮断水性塗料を窓ガラス等に塗布した場合に、密着性、耐水性及び耐薬品性に優れる塗膜の形成が簡便にできると同時に、該塗膜は、紫外線・赤外線吸収剤が良好な状態に微分散されたものとなるため、ガラス本来の機能を損なうことがなく透明で景観視認性に優れ、しかも、窓ガラスを透過する太陽光線中の紫外線および近赤外線が有効に遮断されるものとなる。すなわち、本発明によれば、本発明で提供される紫外線・近赤外線遮断水性塗料を既設の窓ガラスの内面又は外面に塗布するだけで、ガラス面に、透明で良好な景観視認性を維持した状態で、密着性、耐水性及び耐薬品性に優れる塗膜を迅速かつ簡便に形成することができ、該塗膜によって達成される、特に赤外線−近赤外線が遮断されることによる遮熱効果と、さらに紫外線が遮断されることによる、紫外線を好む昆虫類を防ぐ防虫効果や、建物内の家具等の調度品や車両の内装設備等の変色防止効果が期待できる。
本発明の紫外線および近赤外線遮断水性塗料を塗布した塗布物の分光光度スペクトルを示す図である。
以下、本発明の好ましい実施形態を挙げて、本発明を詳細に説明する。
本発明の紫外線・近赤外線遮断水性塗料(以下、単に「塗料」と略すことがある。)は、塗膜形成要素が、ポリカーボネートポリウレタン水系エマルジョンを必須成分とし、硬化助剤が外添され併用される構成であり、さらに塗膜形成副要素として、有機系/無機系の紫外線吸収剤と無機系赤外線吸収剤とが必須成分として添加されて、これらが水性媒体中に微分散含有されたものであることを基本的な構成とする。
本発明者らは、先述した従来技術の課題を解決するために鋭意検討した結果、塗膜を形成する樹脂成分として、ポリカーボネートポリウレタン樹脂の水系分散体を必須成分として用い、該水系分散体に、無機系の近赤外線吸収剤として、アンチモンドープ酸化錫、アンチモンドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛及び錫ドープ酸化インジウムの群から選ばれる1種以上の微粒子を微分散させ、さらに、有機系又は無機系の紫外線吸収剤を1種以上添加して分散させ、さらに、これらに加えて、上記樹脂の硬化助剤として、水性イソシアネート硬化剤、ポリカルボジイミド硬化剤、オキサゾリン硬化剤又はエポキシ硬化剤の少なくとも1種以上を併用することによって、有用な紫外線・近赤外線遮断水性塗料となることを見出して本発明に至った。
本発明の紫外線・近赤外線遮断水性塗料は、塗膜形成樹脂成分としてポリカーボネートポリウレタン水性エマルジョンと、その硬化助剤として硬化剤を含むため、そのまま窓ガラス等に塗布することで、透明で景観視認性に優れ、しかも密着性や耐候性等に優れた塗膜を、迅速かつ簡便に形成することができる。また、本発明の塗料は、前記水性エマルジョンに紫外線吸収剤および近赤外線吸収剤が良好に分散されており、形成された塗膜中にも両者が良好な状態で分散されるため、該塗膜は、紫外線および近赤外線を好適に吸収して遮断できるものとなり、この結果、優れた遮熱性等が実現できる。以下、本発明を構成材料について説明する。
<塗膜形成要素>
(ポリカーボネートポリウレタン水性エマルジョン樹脂)
本発明では、塗膜形成要素として、ポリカーボネートポリオールとポリイソシアネートとを乳化重合させることで得られるポリカーボネートポリウレタン水性エマルジョン樹脂を使用する。ポリカーボネートポリオールとしては、ポリカーボネートジオールが好ましく、より具体的には、低分子ジオール類とジアルキルカーボネートとの脱アルコール縮合反応、低分子ジオール類とジフェニルカーボネート類の脱フェノール縮合反応、または低分子ジオール類とアルキレンカーボネート類やジアルキルカーボネート類との脱グリコール縮合反応等で得られるものが挙げられる。また、本発明の紫外線・近赤外線遮断水性塗料中には、上記のようにして得られるポリカーボネートポリウレタン水性エマルジョン樹脂が、3質量%〜70質量%の範囲で、より好ましくは20質量%〜50質量%の範囲で含有されているとよい。
上記反応に用いる低分子ジオール類としては、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。また、ジアルキルカーボネートとしては、ジメチルカーボネートやジエチルカーボネートが挙げられる。また、アルキレンカーボネート類としては、エチレンカーボネートが挙げられる。本発明においては、ポリカーボネートポリオールとして、1,6−ヘキサンジオールとジエチルカーボネートとの縮合反応によって得られるポリ(ヘキサメチレンカーボネート)ジオールが特に好ましい。本発明で用いるポリカーボネートポリオールの数平均分子量は、500〜4,000であることが好ましく、1,000〜2,000であることが特に好ましい。
上記反応に用いるポリイソシアネートとしては特にイソシアネート基を2個有するジイソシアネートが好ましい。ジイソシアネートには芳香族、脂肪族および脂環族等のジイソシアネートがある。具体的には、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,4/2,6−トリレンジイソシアネート混合物、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、イソプロピリデン−ビス(4−フェニルイソシアネート)、ナフタレンジイソシアネート等が挙げられる。これらは、単独または2種以上の混合で使用できる。
本発明に好適なポリカーボネートポリウレタン水性エマルジョン樹脂を得るためには、さらに、鎖伸長剤も併用することができる。鎖伸長剤としては、アミノ基、水酸基等の活性水素含有基を2個以上含む、分子量500未満の化合物が好ましく、分子量300以下の化合物が特に好ましい。例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等の2価アルコール類、トリメチロールプロパン、グリセリン等の3価アルコール類、エタノールアミン、アミノプロピルアルコール、3−アミノシクロヘキシルアルコール、p−アミノベンジルアルコールのようなアミノアルコール類、エチレンジアミン、1,2−プロピレンジアミン、1,4−ブチレンジアミン、2,3−ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、シクロヘキサンジアミン、ピペラジン、キシリレンジアミン、トリレンジアミン、フェニレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、3,3’−ジクロルジフェニルメタンジアミン等のジアミン類、ヒドラジン、モノアルキルヒドラジン、1,4−ジヒドラジノジエチレン等のヒドラジン類、カルボヒドラジド、アジピン酸ヒドラジド等のジヒドラジド類等が用いられる。これらの中でも多価アルコール類が好ましく、特に2価アルコール類が好ましい。
本発明で使用するポリカーボネートポリウレタン水性エマルジョン樹脂は、上記したような材料を用い、先に挙げたような従来公知の方法で作製することができるが、下記に挙げるような市販品を適宜に使用することもできる。例えば、タケラックW−635(三井化学社製〉、エテルナコールUW−3100(宇部興産社製)、エテルナコールUW−5502(宇部興産社製)等が挙げられる。
(硬化助剤)
本発明の紫外線・近赤外線遮断水性塗料は、上記で説明したポリカーボネートポリウレタン水性エマルジョン樹脂を主成分とし、これに硬化助剤を添加してなる常温硬化型の塗膜形成樹脂を含有してなることを特徴とする。すなわち、本発明の塗料は、ポリカーボネートポリウレタン水性エマルジョン樹脂のみを塗膜形成成分とするのではなく、上記した樹脂に下記に挙げるような硬化助剤を外添混合し、その後にこれを塗布する構成としたことで、窓ガラス等に密着性や耐候性等に優れる塗膜を、加熱等の処理を行うことなく容易に形成することができる。硬化助剤としては、水性イソシアネート硬化剤、ポリカルボジイミド硬化剤、オキサゾリン硬化剤又はエポキシ硬化剤等が挙げられ、これらの中から少なくとも1種以上を外添し、ポリカーボネートポリウレタン水性エマルジョン樹脂と併用する。その添加量としては、ポリカーボネートポリウレタン水性エマルジョン樹脂中の固形分100質量部に対して、1質量部〜50質量部の範囲、より好ましくは、5質量部〜20質量部の範囲で添加することが好ましい。上記した硬化助剤を併用することで、本発明の塗料を窓ガラス等に塗布後、これを室温に放置しておくだけで、水系ウレタン樹脂と硬化助剤とが容易に架橋構造を形成する結果、密着性に優れると同時に、膜硬度や耐薬品性や耐水性等の各種の特性に優れる塗膜が形成される。上記した硬化助剤は、例えば、窓ガラスに塗布する直前に、その他の構成材料からなる塗料中に後添加する形態とすることが好ましい。
<塗膜形成副要素>
本発明の紫外線・赤外線遮断水性塗料は、上記のようにして調製した水系分散体からなる塗膜形成要素に、塗膜形成副要素として、下記に挙げるような紫外線吸収剤および無機系の赤外線吸収剤が良好に分散されてなる。
(紫外線吸収剤)
本発明において使用可能な有機系紫外線吸収剤としては、例えば、サリチル酸メチル、p−t−ブチルフェニル−サリシレート、p−オクチルフェニル−サリシレート(以上、サリチル酸誘導体)、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ドデシロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン(以上、ベンゾフェノン系)、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール(以上、ベンゾトリアゾール系)、3−フェニル−7−(4’−メチル−5’−n−ブトキシベンゾトリアゾリル−2−)クマリン(クマリン系)、2’−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート等を挙げることができる。これらは、1種または2種以上を混合して使用することができる。特に、ベンゾトリアゾール系とヒドロキシフェニルトリアジン系との組み合わせ、さらに、これらのいずれかとヒンダードアミン系酸化防止剤とする組み合わせが望ましい。ベンゾトリアゾール系は紫外線吸収効果が高いとともに、ヒドロキシフェニルトリアジン系と組み合わせることにより、紫外線吸収領域が広がり、これらとヒンダードアミン系の酸化防止剤(ラジカル捕捉剤)と組み合わせることで、紫外線吸収剤の安定性(耐久性)が増大するためである。
本発明では、特に水系の紫外線吸収剤を用いることが好ましく、例えば、市販されているものとしては下記のものが挙げられる。シャインガードTA−04、シャインガードTA−22(以上、ヒドロキシフェニルトリアジン系、センカ社製)、シャインガードBZ−24、シャインガードBZ−07、シャインガードBZ−08(以上、ベンゾトリアゾール系、センカ社製)、アデカノールUC−3140(ベンゾトリアゾール系、株式会社アデカ製)、チヌビン477DW(ベンゾトリアゾール系、株式会社BASF社製)、
また、本発明において使用可能な無機系紫外線吸収剤としては、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化プラセオジム、酸化セリウム、酸化鉄、酸化チタン等の無機系微粒子を挙げることができる。上記したような紫外線吸収剤の添加量は、質量基準で、樹脂分100質量部に対して、有機系紫外線吸収剤の場合であれば、5〜50質量部、望ましくは10〜20質量部を用い、無機系の紫外線吸収剤の場合であれば、20〜50質量部、望ましくは、30〜40質量部用いると、良好な紫外線吸収効果が得られる。しかし、紫外線吸収剤の添加量が多すぎる場合は、本発明の塗料を窓ガラス等に塗布した場合に、その透明性を阻害するおそれがあったり、諸物性の低下をきたすおそれがあったりするので好ましくない。また過少すぎる場合には、十分な紫外線吸収効果が発揮されないおそれがあるので好ましくない。本発明に用いる紫外線吸収剤としては、特に50〜100nmの粒度分布を有する無機系の水系分散体が好適である。
(無機系の近赤外線吸収剤)
本発明の紫外線・赤外線遮断水性塗料は、塗膜形成副要素として、下記の無機系の赤外線吸収剤が含有されていることを要する。すなわち、本発明の紫外線・赤外線遮断水性塗料は、無機系の赤外線吸収剤として機能する、アンチモンドープ酸化錫、アンチモンドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛及び錫ドープ酸化インジウムからなる群から選択される1種以上の微粒子を含有してなる。これらのうち2種以上を混合して使用することもできる。上記した無機系の赤外線吸収剤の添加量は、特に限定されないが、質量基準で、樹脂分100質量部に対して、10〜200質量部、望ましくは20〜50質量部を用いるとよい。本発明に用いる無機系の近赤外線吸収剤としては、特に、特に100nm以下の微粒子が水中に分散している水分散体が好適である。このような特性を有する微粒子の市販品としては、例えば、下記のものが挙げられる。アンチモンドープ酸化錫微粒子を水に分散させた小粒径タイプのATO水分散体としては、三菱マテリアル社製のTDL−S(商品名、メジアン径50〜85nm、固形分濃度17〜18%)等がある。また、水に分散可能なガリウムドープ酸化亜鉛微粒子のGZOとしては、ハクスイテック株式会社製のパゼットGK(商品名、粉体一次粒子径20〜40nm)等があり、水に分散可能なITO(錫ドープ酸化インジウム)微粒子としては、EVONIK社製のVP ITO IR5(商品名)等があり、更に、水に分散可能なアンチモン酸亜鉛ゾル(1次粒子径15nm〜20nm)としては、日産化学社製のセルナックスCX−Z330H−F2(商品名)等が挙げられ、いずれも本発明に好適に使用できる。
(その他の添加剤)
本発明の紫外線・赤外線遮断水性塗料は、さらに必要に応じて、レベリング剤、界面活性剤、シランカップリング剤、消泡剤、着色剤、酸化防止剤等の添加剤を適宜に併用してもよい。
<本発明の紫外線・赤外線遮断水性塗料の使用>
(被塗布物)
本発明の塗料を塗布する被塗布物としては、透明基材なら特に限定されないが、通常、無機ガラス、又は、アクリル樹脂、ポリカーボネート等の有機ガラスの窓ガラス用の透明基材に適用することが、本発明の目的とする遮熱による効果(特に省エネルギー)が大きくなり望ましい。また、ポリエステルフィルム、アクリルフィルム、ポリカーボネートフィルム、フッ素フィルム、ポリイミドフィルム等の耐候性を有する50〜200ミクロン厚みのフィルムにコーティングし、粘着加工を施したものをガラス面に貼りつける方法も可能である。
(本発明の塗料の塗布方法)
そして、本発明の塗料の塗布方法は、特に限定されないが、既設の窓ガラスに塗布する場合は、スポンジコート、スプレーコートさらには過剰な塗料を上端部に供給し垂れ流すいわゆる流し塗りとすることが好ましい。また、工場塗布する場合は、それらの塗布方法以外に、カーテンコート(フローコート)も可能である。フィルムにコーティングする場合は、本発明の塗料を適度な粘度に希釈したのち、グラビアコーター、コンマコーター、ロールコーター、マイヤーバーコーター等のコーターで塗工すればよい。
塗布厚は、乾燥後の厚みで、2〜16μm、望ましくは4〜12μm、さらに望ましくは8〜10μmとする。薄すぎては、本発明の塗料によって得られる紫外線・熱線遮断効果を窓ガラスに付与し難く、厚すぎると、コスト高になるとともに、可視光透過率が低下して、窓ガラスの透明性を阻害するおそれがあるので好ましくない。また、上記において塗布面は、通常、片面とするが、両面でもよい。既設の窓ガラスの場合、二階以上では内面(室内面)に塗布することが、施工が容易となり望ましい。
本発明の紫外線・近赤外線遮断水性塗料は、上記のような構成であるため、下記のような作用効果を奏する。
常温硬化型の塗膜形成樹脂を含有してなる水系塗料であるため、従来使用しているガラス等に塗布するだけで簡便に紫外線・近赤外線遮断効果を得ることができ、従来のようにガラスを交換したりする必要がない。さらには、常温硬化型であるため、基材が無機ガラスでなくてもよく、有機ガラスの屋根(例えば、車庫用屋根やサンバイザー)等にも適用でき、広範な被塗布物に適用できるため、用途の拡大が期待される。紫外線および近赤外線(熱線)をも遮断するため、窓ガラス等に塗布した場合、紫外線・熱線の窓ガラスを介しての透過が抑制され、室内の温度変化が従来より緩やかになる。すなわち、夏季における室内の温度上昇、逆に、冬季における室内の温度降下が、従来の窓ガラスを使用した場合に比べて少なく、冷房や暖房の節電が可能となり、省エネにつながる。
以下、本発明の効果を確認するために行なった実施例および比較例について説明する。なお、特に断らない限り、配合単位は質量単位とする。
[実施例1]
本実施例では、無機系近赤外線吸収剤としてアンチモンドープ酸化錫微粒子を水に分散させた小粒径タイプのATO水分散体(商品名:TDL−S、三菱マテリアル社製、メジアン径50〜85nm、固形分濃度17〜18%)を用いた。そして、該ATO水分散体を50部と、塗膜形成樹脂であるウレタンディスパージョン(商品名:タケラックW−635、三井化学社製)40部とを混合し、30分間撹拌した。上記のタケラックW−635は、ポリカーボネートポリウレタンエラストマーを水中に分散させた水系ウレタン樹脂である。その後、得られた撹拌混合液に、合成樹脂エマルション用添加剤として市販されている水分散型光安定剤(ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤の水分散体)であるアデカノールUC−3140(商品名、株式会社アデカ製、粒径90〜150nm)5部と、消泡剤(商品名:BYK−028、BYKケミー社製)を0.5部添加し、さらに30分間撹拌した。
得られた混合液100部に、水性イソシアネート系硬化剤として、水分散性ポリイソシアネート(商品名:タケネートWD−725、三井化学社製)10部を外添し、混合撹拌して実施例1の塗料とし、下記のようにして塗料塗膜を作製した。上記で使用したタケネートWD−725は、ポリイソシアネート化合物にノニオン性の親水性基を付与することにより容易に水に分散するソープフリー型水分散性ポリイソシアネートであり、室温において水中で活性水素基と反応し、上記の水系ウレタン樹脂と架橋構造を形成するものである。塗料塗膜は、上記で混合撹拌して得た塗料をバーコーター#20を用いて板ガラス上に塗布し、乾燥させ、室温下に放置し、1週間後に形成された塗料塗膜の諸物性を評価した。評価方法および結果については後述する。なお、他の例の近赤外線吸収水性塗料についても同様に、塗料を得た後、塗料塗膜を形成し、評価した。
[実施例2]
本実施例では、無機系近赤外線吸収剤としてガリウムドープ酸化亜鉛微粒子を水に分散させた小粒径タイプのGZO水分散体(商品名:パゼットGK 30%液:ハクスイテック株式会社製)を用いた。そして、GZO水分散体を40部と、塗膜形成樹脂であるポリカーボネートポリウレタンディスパージョン(商品名:エテルナコールUW−3100、宇部興産社製)30部とを混合し、30分間撹拌した。その後、得られた撹拌混合液に、合成樹脂エマルション用添加剤として市販されている水分散型光安定剤(紫外線吸収剤の水分散体)であるアデカノールUC−3140(商品名、株式会社アデカ製)5部と、消泡剤(商品名:BYK−028、BYKケミー社製)を0.5部添加し、さらにイソプロピルアルコールを5部添加後、さらに30分間撹拌した。得られた混合液100部に、カルボジイミド系硬化剤であるカルボジライトE−03A(商品名、日清紡ケミカル社製)10部を外添し、混合撹拌して実施例2の塗料とし、実施例1の場合と同様にして塗料塗膜を作製した。上記で使用したカルボジライトE−03Aは、容易に水に分散するソープフリー型のものであり、室温において水中で、上記の水系ウレタン樹脂と架橋構造を形成する。
[実施例3]
無機系近赤外線吸収剤として、実施例1で用いたATO水分散体(商品名:TDL−S、三菱マテリアル社製、メジアン径50〜85nm、固形分濃度17〜18%)を用い、該ATO水分散体50部と、塗膜形成樹脂であるポリカーボネートポリウレタンディスパージョン(商品名:エテルナコールUW−5502、宇部興産社製)30部とを混合し、30分間撹拌した。その後、得られた撹拌混合液に、水系コーティング用の添加剤として市販されている、疎水性のHPT系紫外線吸収剤をポリマー中に包含させて水分散させた水分散体であるチヌビン477−DW(商品名、株式会社BASF製)5部と、消泡剤(商品名:BYK−028、BYKケミー社製)を0.5部添加し、さらにイソプロピルアルコールを5部添加後、さらに30分間撹拌した。得られた混合液100部に、エポキシ系硬化剤として、デナコールEX614B(商品名、ナガセケムテックス社製)5部を外添し、混合撹拌して実施例3の塗料とし、実施例1の場合と同様にして塗料塗膜を作製した。上記で使用したデナコールEX614Bは、容易に水に分散するソープフリー型のものであり、室温において水中で、上記の水系ウレタン樹脂と架橋構造を形成する。
[比較例1]
本比較例では、無機系近赤外線吸収剤として、アンチモンドープ酸化錫微粒子からなる粉体材料であるATO粉(商品名:T−1、三菱マテリアル社製)を用いた。T−1は、一次粒子径が可視光線の波長(400〜800nm)より遥かに小さいとされているものであり、これを分散してなる塗料によっても透明性に優れる塗膜の形成が可能なものである。該ATO粉を20部と、アクリルエマルジョン(ポリゾールAP609N、昭和高分子社製)50部を混合し、さらに、水10部、イソプロピルアルコール10部、消泡剤商品名BYK−028、BYKケミー株式会社製)を0.5部添加し、30分間撹拌した。その後、ペイントシェーカーを用い、1mmφのガラスビーズでATO粉をアクリルエマルジョンに分散させた。得られた分散液に、塗料用添加剤として市販されている紫外線吸収剤の水分散体であるアデカノールUC−3140(商品名、株式会社アデカ製)5部と、消泡剤(商品名:BYK−028、BYKケミー社製)を0.5部添加し、さらにイソプロピルアルコールを5部添加後、さらに30分間撹拌した。得られた混合液100部に、水溶性・多官能エポキシ系硬化剤であるデナコールEX521(商品名、ナガセケムテックス社製)5部を外添し、混合撹拌して比較例1の塗料とし、実施例1の場合と同様にして塗料塗膜を作製した。
[比較例2]
本比較例では、実施例1において、水分散性ポリイソシアネート(商品名:タケネートWD−725、三井化学社製)10部を外添しない以外は実施例1と同様にして塗料を作製した。得られた塗料を用い、実施例1と同様の方法で塗料塗膜を形成し、該塗膜について評価した。しかし、1週間では塗膜面がべたついており、評価できなかった。
[評価]
上記で得た実施例1〜3と、比較例1の各塗料で形成した塗料塗膜を試験片として、下記の方法および基準で評価した。目視で観察したところ、いずれの試験片の塗料塗膜も透明であり、板ガラスの透明性を損なうものではなかった。また、塗膜は有機溶剤のにおいはしなかった。
1)密着性試験
カッターナイフを用いて、試験片表面の塗膜を1mm□に切って格子を100個作り、セロハンテープ(ニチバン製)による脱着を行なった後、剥れた塗膜数を数えた。そして、剥がれた塗膜数が5枚以内である場合を○として評価し、結果を表1に示した。
2)硬度試験
JIS K5600に準拠し、各試験片の表面を、硬度試験用鉛筆(ユニ鉛筆、三菱ユニ社製)を用い、手掻き法により塗膜の傷付きを調べた。そして、各塗膜に傷が付いた鉛筆の硬度で評価し、結果を表1に示した。
3)耐沸騰水試験
試験片を沸騰水に1時間浸漬したのち、引き上げ、塗膜表面の状態を調べ、白化した部分の有無で評価し、結果を表1に示した。
4)耐アルカリ性試験
各試験片に5%NaOH水溶液を滴下し、8時間後の塗膜表面の状態を目視で調べ、変化の有無で評価し、結果を表1に示した。
5)耐酸性試験
各試験片に5%酢酸水溶液を滴下し、8時間後の塗膜表面の状態を目視で調べ、変化の有無で評価し、結果を表1に示した。
6)耐候性試験
各試験片を、アイスーパーUVテスターを用い、100時間暴露と、200時間暴露の2条件でそれぞれ暴露試験を行い、暴露後の塗膜表面の状態を目視で調べ、変色の有無で評価し、結果を表1に示した。実施例で得た塗膜では、いずれの塗膜についても劣化は勿論、200時間暴露後の塗膜も変色が認めらなかった。比較例1で得た塗膜は、100時間暴露で変色が認められ、200時間暴露では膜に劣化が見られた。
[スペクトル測定]
実施例1の塗料で板ガラス上に形成したガラス塗布物を採取し、該塗布物について分光光度計を用いて下記の条件でスペクトル測定を行い、得られたスペクトルを図1に示した。この際に用いた分光光度計は、日立U3410(商品名、日立製作所製)であり、測定波長の範囲は、紫外域から近赤外域までの300nm〜2500nmである。図1に示したように、塗布物は透明であるにもかかわらず、紫外域と、近赤外域における透過が抑制されていることを確認した。
上記した実施例に示したように、本発明によって提供される紫外線・近赤外線遮断水性塗料は、紫外線吸収剤と近赤外線吸収剤が、例えば、100nm以下で水系媒体中に微分散されているため優れた赤外線遮断効果および紫外線遮断効果を示す。本発明によって提供される紫外線・近赤外線遮断水性塗料を窓ガラスに塗布することで、迅速にかつ簡便に塗膜が形成されるが、窓ガラスの透明性を損なうことがないので、従来と同様に良好な景観視認性を示し、これと同時に、窓ガラスに塗布することで特に赤外線−近赤外線が有効に遮断されるので遮熱効果が期待でき、これによって、例えば、エアコンの稼動にかかるエネルギーの抑制効果も期待できる。さらに、本発明によって提供される紫外線・近赤外線遮断水性塗料を窓ガラスに塗布することで、紫外線が遮断されるので、室内において、紫外線を好む昆虫類の繁殖を防ぐ防虫効果や、家具等の日焼け防止効果も得ることができる。

Claims (8)

  1. 被塗布物に、紫外線・近赤外線を遮断する機能を示す塗料塗膜を形成するための水性塗料であって、
    ポリカーボネートポリウレタン水性エマルジョン樹脂を主成分とし、硬化助剤として、水性イソシアネート硬化剤、ポリカルボジイミド硬化剤、オキサゾリン硬化剤又はエポキシ硬化剤の少なくとも1種以上を外添して併用する常温硬化型の塗膜形成樹脂と、紫外線吸収剤と、無機系の近赤外線吸収剤とが水性媒体中に分散含有されてなり、且つ、該無機系の近赤外線吸収剤が、アンチモンドープ酸化錫、アンチモンドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛及び錫ドープ酸化インジウムからなる群から選択される1種以上の微粒子であることを特徴とする紫外線・近赤外線遮断水性塗料。
  2. 前記無機系の近赤外線吸収剤が、100nm以下の微粒子が水中に分散している水分散体として添加されてなり、その含有量が、前記塗膜形成樹脂分100質量部に対して10質量部〜200質量部である請求項1に記載の紫外線・近赤外線遮断水性塗料。
  3. 前記ポリカーボネートポリウレタン水性エマルジョン樹脂が、3質量%〜70質量%の範囲で含有されている請求項1又は2に記載の紫外線・近赤外線遮断水性塗料。
  4. 前記紫外線吸収剤の含有量が、微粒子が水中に分散している水分散体として添加されてなり、前記塗膜形成樹脂分100質量部に対して5質量部〜50質量部である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の紫外線・近赤外線遮断水性塗料。
  5. 前記紫外線吸収剤が、ベンゾトリアゾール系及び/又はヒドロキシフェニルトリアジン系と、ヒンダードアミン系のラジカル捕捉剤とを併用した有機系の紫外線吸収剤である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の紫外線・近赤外線遮断水性塗料。
  6. 前記紫外線吸収剤が、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化鉄又は酸化チタンのいずれかを含む、50〜100nmの粒度分布を有する無機系の水系分散体である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の紫外線・近赤外線遮断水性塗料。
  7. 板状の無機ガラス又は有機ガラスの少なくとも一方の面に、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の紫外線・近赤外線遮断水性塗料からなる塗膜が形成されていることを特徴とする遮熱処理ガラス。
  8. 既設の窓ガラスの内面又は外面に、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の紫外線・近赤外線遮断水性塗料を塗布して塗膜を形成することを特徴とする窓ガラスの遮熱処理方法。
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