JP2013084647A - 多層型撮像素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】色再現性に優れる多層型撮像素子を提供する。
【解決手段】第1透明電極に積層される第1層間絶縁膜と、第1層間絶縁膜の上に配設される第2の信号読み出し部と、第2の信号読み出し部の上に配設され、光の3原色のうち第2の波長の光に感度を有する第2光電変換膜と、第2光電変換膜に積層される第2透明電極と、第2透明電極に積層される第2層間絶縁膜と、第2層間絶縁膜の上に配設される第3の信号読み出し部と、第3の信号読み出し部の上に配設され、光の3原色のうち第3の波長の光に感度を有する第3光電変換膜と、第3光電変換膜に積層される第3透明電極と、第1光電変換膜、第2光電変換膜、及び第3光電変換膜を画素毎に隔離する第1隔壁とを備え、前記第1の信号読み出し部、前記第2の信号読み出し部、及び前記第3の信号読み出し部は、それぞれ複数の画素が2次元方向に配置された画素アレイの各画素の信号読み出し部を形成している。
【選択図】図1

Description

本発明は、光信号を電流信号に変換する撮像素子に関し、特に、光の進行方向で入射光を色分離する多層型撮像素子に関する。
現在、高解像度と高感度が要求される放送用TVカメラでは、レンズを通してカメラに入射された光を色分解プリズムで青・緑・赤の3原色に分けた後、3枚の撮像素子で受光する、3板カラー撮像方式が用いられている。
しかしながら、色分解プリズムと3枚の撮像素子のためにカメラサイズが大きくなり、撮像レンズを含めたカメラ全体の小型軽量化が困難となる。
撮像素子の小型軽量化を実現するためには、分光プリズムの必要がなく、撮像素子が1枚で済む単板式が望まれる。
撮像素子の小型軽量化を実現する手法として、1枚の撮像素子の画素上に3色、もしくは4色の微小なカラーフィルタをモザイク状に配置した単板式のカラー撮像方式があり、家庭用のビデオカメラやデジタルカメラではこの単板式が主流になっている。(例えば、非特許文献1参照)。
代表的な色配列としては、赤、緑、青の色フィルターを用いたベイヤー配列がある。しかし、3板式と比較すると、赤、緑、青のいずれか1色のみで1画素を形成しているため解像度が悪く、加えて所望の色以外の入射光はカラーフィルタに吸収されてしまうため、光の利用効率も低い。
ベイヤー配列等で問題となる低い解像度は、光の進入方向に3層のフォトダイオードを積層した光電変換部を形成することで改善することができる(例えば、特許文献1参照)。
これは、シリコン基板内部への光の進入深さが波長ごとに異なることを利用したものである。すなわち、光照射面から最も浅い位置にあるシリコンフォトダイオードで青色を検知し、中間のシリコンフォトダイオードで緑色を検知し、最も深い位置にあるシリコンフォトダイオードで赤色を検知する。
しかしながら、このように受光部にシリコンフォトダイオードを用いたこの構成では、青色検知用のフォトダイオードにおいても緑色、赤色を一定の割合で吸収しているため、色分解特性が不十分となる。
さらに、信号読み出し部が受光面と同一平面状に形成されるため、受光面に対する受光部の比率(開口率)が100%に至らず、光の利用効率も十分ではない。
以上の問題を解決すべく、波長選択性を有する光電変換膜を積層することにより、すなわち、光の3原色のうち青のみに光感度を有する光電変換膜と、緑のみに光感度を有する光電変換膜と、赤のみに光感度を有する光電変換膜とを積層することで、光の利用効率が高く高解像度な単板式の多層型撮像素子を構築することが提案されている(例えば、特許文献2乃至5参照)。
例えば、有機材料は特定の波長域のみを吸収するといった特徴を有するものが多く、青、緑、赤の3原色それぞれに吸収を持つように分子設計を行なうことにより、それぞれの材料で構成される有機膜を積層することで単板式の撮像素子が構築される。
積層した有機膜からの信号読み出しには、各有機膜に光透過率の高い固体読み出し回路を備え、一つの色における光電変換と信号読み出しを1層の中で行う方法(例えば、特許文献3の図5参照)や、信号読み出し用のCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)回路等を最下層部に集積し、積層した有機膜からの信号は最下層部から伸ばした電極を介して読み出す方法(例えば、特許文献4の図1参照)等が提案されている。これらの方式を用いると、原理的に3板式と同等の色分解特性や光の利用効率が得られる。
多層型撮像素子では、その構造上、受光層の厚さ、すなわち、最上層の光電変換膜から最下層の光電変換膜までの距離が単層型撮像素子に比べて長くなる。
そのため、最上層の1つの画素(画素Aとする)に斜め方向から光が入射した場合、その光が最下層に到達したときに、画素Aの隣の画素領域に光が侵入する可能性がある。このように隣接する画素への光の侵入は混色をもたらす。
混色は、特に、レンズの集光角度が大きくなる、受光エリアの周辺部の画素で生じやすい。さらに、近年では画素縮小化が進み、1画素のサイズが2μm以下のものが主流となりつつあるが、画素サイズが小さくなるほど混色の発生頻度は高まるため、画像・映像の色再現性等が低下しやすい。
このような問題を解決するために、隣接する画素間に光不透過層を設けることが提案されている(例えば、特許文献6参照)。
このような光不透過層を設ける構造により、隣接する画素への光の入射を抑制して、隣接する画素への光の入射による光電変換を防止することができるため、色再現性等の低下を抑制することが可能になる。
「イメージセンサの基礎と応用」、木内雄二著、日刊工業新聞社 1991年12月25日出版、p.145
米国特許第5,965,875明細書 特開2002−217474号公報 特開2005−051115号公報 特開2007−013123号公報 特開2009−071057号公報 特開2005−101354号公報
しかしながら、上述の光不透過層は、積層構造の最上層から最下層まで連続して形成されているうえに、各層の間も層間絶縁膜で分離されているため、撮像素子の1つの単位画素が絶縁層で完全に分離されている。
このような構造では、単位画素内の光電変換膜への電圧の印加(画素の駆動)や、単位画素内の光電変換膜から信号を読み出すことができない。
そこで、本発明は、色再現性に優れ、各画素の駆動及び信号の読み出しを行うことのできる多層型撮像素子を提供することを目的とする。
本発明の一局面の多層型撮像素子は、基板と、前記基板上に配設される第1の信号読み出し部と、前記第1の信号読み出し部の上に配設され、光の3原色のうち第1の波長の光に感度を有する第1光電変換膜と、前記第1光電変換膜に積層される第1透明電極と、
前記第1透明電極に積層される第1層間絶縁膜と、前記第1層間絶縁膜の上に配設される第2の信号読み出し部と、前記第2の信号読み出し部の上に配設され、光の3原色のうち第2の波長の光に感度を有する第2光電変換膜と、前記第2光電変換膜に積層される第2透明電極と、前記第2透明電極に積層される第2層間絶縁膜と、前記第2層間絶縁膜の上に配設される第3の信号読み出し部と、前記第3の信号読み出し部の上に配設され、光の3原色のうち第3の波長の光に感度を有する第3光電変換膜と、前記第3光電変換膜に積層される第3透明電極と、前記第1光電変換膜、前記第2光電変換膜、及び前記第3光電変換膜を画素毎に隔離する第1隔壁とを備え、前記第1の信号読み出し部、前記第2の信号読み出し部、及び前記第3の信号読み出し部は、それぞれ複数の画素が2次元方向に配置された画素アレイの各画素の信号読み出し部を形成している。
また、前記第1層間絶縁膜及び第2層間絶縁膜を画素毎に隔離する第2隔壁を更に備えてもよい。
また、前記第1の隔壁は、前記第1の信号読み出し部、前記第2の信号読み出し部、及び前記第3の信号読み出し部において、各信号読み出し部の一部を構成する画素電極部を画素毎に隔離してもよい。
また、前記第1隔壁または前記第2隔壁は、可視光の反射材、又は不透過材で構成されてもよい。
また、前記第1隔壁の材料が導電性であり、前記第1隔壁と前記第1の信号読み出し部、前記第2の信号読み出し部、及び前記第3の信号読み出し部の画素電極との間、さらに、前記第1隔壁と前記第1透明電極、前記第2透明電極、及び前記第3透明電極との間にそれぞれ絶縁層が形成されてもよい。
本発明によれば、色再現性に優れ、各画素の駆動及び信号の読み出しを行うことのできる多層型撮像素子を提供できるという特有の効果が得られる。
実施の形態の多層型撮像素子の断面構成を示す図である。 実施の形態の多層型撮像素子100に光が入射した場合の動作を示す図である。 多層型撮像素子100に斜めに光が入射した場合の動作を示す図である。 多層型撮像素子100に斜めに光が入射した場合の動作を示す図である。 実施の形態の多層型撮像素子100の受光部内隔壁60の製造工程を示す図である。 実施の形態の多層型撮像素子100の層間絶縁膜40と層間絶縁膜内隔壁70の作製工程を示す図である。 実施の形態の多層型撮像素子100の受光部内隔壁60の上下に形成する絶縁層を示す図である。 多層型撮像素子に入射する光の入射角と相対出力との関係を示す図である。 多層型撮像素子に入射する光の入射角と相対出力との関係を示す図である。
以下、本発明の多層型撮像素子を適用した実施の形態について説明する。
図1は、実施の形態の多層型撮像素子の断面構成を示す図である。
実施の形態の多層型撮像素子100は、基板1、受光部10、20、30、層間絶縁膜40、50、受光部内隔壁60、及び層間絶縁膜内隔壁70を含む。図1には、多層型撮像素子100の一部分の断面を示すが、多層型撮像素子100は、平面視でマトリクス状に画素が配列された画素アレイを有する。
受光部10、層間絶縁膜40、受光部20、層間絶縁膜50、及び受光部30は、基板1の上にこの順で積層されている。受光部内隔壁60は、受光部10、20、30の内部に配設されて、各画素間で受光部10、20、30を隔離している。層間絶縁膜内隔壁70は、層間絶縁膜40、50の内部に配設されて、各画素間で層間絶縁膜40、50を隔離している。
なお、受光部10と層間絶縁膜40との間、及び、受光部20と層間絶縁膜50との間には、それぞれ、紫外光吸収部が設けられていてもよい。
基板1は、多層型撮像素子100の基板であり、受光部10、層間絶縁膜40、受光部20、層間絶縁膜50、及び受光部30がこの順で積層される。基板1としては、例えば、ガラスに代表される透明性基板を用いることが好適であるが、その詳細については後述する。
受光部10は、第1受光部の一例であり、信号読み出し部11、光電変換部12、及び透明対向電極13を含む。受光部10は、基板1に積層される。受光部10の詳細については後述する。
受光部20は、第2受光部の一例であり、信号読み出し部21、光電変換部22、及び透明対向電極23を含む。受光部20は、層間絶縁膜40に積層される。受光部20の詳細については後述する。
受光部30は、第3受光部の一例であり、信号読み出し部31、光電変換部32、及び透明対向電極33を含む。受光部30は、層間絶縁膜50に積層される。受光部30の詳細については後述する。
層間絶縁膜40は、受光部10と受光部20との間に形成され、受光部10と受光部20を絶縁する。層間絶縁膜40の材料等については後述する。
層間絶縁膜50は、受光部20と受光部30との間に形成され、受光部20と受光部30との間を絶縁している。層間絶縁膜50の材料等については後述する。
受光部内隔壁60は、受光部10、20、30の内部に配設されて、平面視でマトリクス状に画素が配列される多層型撮像素子100において、各画素間で受光部10、20、30を隔離している。受光部内隔壁60は、基板1に平行な平面方向における画素間で、受光部10、20、30を隔離している。受光部内隔壁60は、平面視では、各画素の開口率に影響しない位置に配設されている。受光部内隔壁60は、第1隔壁の一例である。
なお、詳細については後述するが、受光部内隔壁60は、受光部10、20、30のうちの光電変換部12、光電変換部22、光電変換部32を隔離しており、信号読み出し部11、信号読み出し部21、信号読み出し部31、透明対向電極13、透明対向電極23、透明対向電極33は隔離されずに平面方向における画素間で接続されている。
すなわち、受光部内隔壁60は、信号読み出し部11、信号読み出し部21、及び信号読み出し部31において、各信号読み出し部の一部を構成する画素電極部を画素毎に隔離している。
層間絶縁膜内隔壁70は、層間絶縁膜40、50の内部に配設されて、各画素間で層間絶縁膜40、50を隔離している。層間絶縁膜内隔壁70は、平面視でマトリクス状に画素が配列される多層型撮像素子100において、層間絶縁膜40、50の内部に形成されることにより、各画素間で層間絶縁膜40、50を隔離している。層間絶縁膜内隔壁70は、平面視では、各画素の開口率に影響しない位置に配設されている。層間絶縁膜内隔壁70は、第2隔壁の一例である。
次に、実施の形態の多層型撮像素子100に含まれる各構成要素について詳細に説明する。
基板1は、ガラスに代表される透明性基板を用いることが好適である。図1には透明対向電極33側から(図中上側から)光(光像)を照射する場合を示すが、これとは逆に光(光像)を基板1側から照射する場合は、透明性基板であることが必須であり、ガラス基板以外であれば、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリエーテルサルフォン、ポリカーボネート等の樹脂製の透明基板を用いてもよい。
また、図2のように、基板1とは反対側にある透明対向電極33側から光(光像)を照射する場合には、基板1は必ずしも透明性基板である必要はなく、シリコン等の金属基板や半導体基板でもよい。基板1の厚さは、一例として、0.1mmから1mm程度が良い。
信号読み出し部11、21、31は、薄膜トランジスタ(TFT(Thin Film Transistor))回路アレイが好適であり、スイッチトランジスタと、スイッチトランジスタのドレイン電極に接続された透明画素電極、スイッチトランジスタのゲート電極に接続された走査配線、スイッチトランジスタのソース電極に接続された信号読み出し配線を含む。
すなわち、信号読み出し部11、信号読み出し部21、及び信号読み出し部31は、それぞれ複数の画素が2次元方向に配置された画素アレイの各画素の信号読み出し部を形成している。
なお、スイッチトランジスタ、透明画素電極等については、図5を用いて受光部内隔壁60の作製方法を説明する際に説明する。図5には、信号読み出し部11の絶縁層11A、スイッチトランジスタ11B、及び透明画素電極11Cを示す。
本実施の形態では、画素内にトランジスタが1つだけ配設される形態について説明するが、多層型撮像素子100の低ノイズ化のために、画素内のトランジスタの数を増やすことも可能である。
ドレイン電極、ゲート電極、走査配線、ソース電極、信号読み出し配線には、アルミニウム、バナジウム、金、銀、白金、鉄、コバルト、炭素、ニッケル、タングステン、パラジウム、マグネシウム、カルシウム、スズ、鉛、チタン、モリブデン、イットリウム、リチウム、ルテニウム、マンガン等の金属及びそれらの合金等各種金属を用いることができる。しかしながら、TFT回路アレイの光の透過率(開口率)を高めたい場合には、インジウムスズ酸化物(ITO)、酸化インジウム・酸化亜鉛(IZO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(TO)等の透明材料を用いることができる。
透明画素電極は、高い光透過率が要求されるため、インジウムスズ酸化物(ITO)、酸化インジウム・酸化亜鉛(IZO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(TO)等の透明材料がよい。
透明画素電極の厚さは、1nm〜30nmの間がよい。トランジスタを構成する半導体層には、半導体上に到達した光を透過することはもちろん、可視域の光吸収により半導体の応答が変化することを防ぐために、およそ3.0eV以上のバンドギャップを有する材料を用いる必要がある。
このような半導体材料としては酸化亜鉛(ZnO)やアモルファス酸化物半導体(インジウム・ガリウム・酸化亜鉛:IGZO)等を挙げることができる。また、各種有機半導体を用いることも可能である。
信号読み出し部11、21、31の作製には、金属製の複数のマスクを利用し、所望の部分への成膜をマスクを交換しながら行うマスク成膜法や、フォトリソグラフィー法等を用いることができる。これらの中でも、現在の撮像素子では画素サイズの微細化が進んでいることから、微細加工が容易なフォトリソグラフィー法を用いることが好適である。
信号読み出し部11、21、31の厚さは0.1μm〜1.0μmの間がよく、特に、受光部内隔壁60を形成する部分の厚さは、極力抑える必要がある。信号読み出し部11、21、31のうち受光部内隔壁60を形成する部分には、走査配線、信号配線、及びそれらを絶縁する絶縁膜が配設されるため、例えば、厚さを0.5μm以下に抑えることが望ましい。
受光部内隔壁60は、可視域の光を透過しない材料で構成する必要があり、材料としては各種樹脂を用いることができる。光の不透過性を向上させるために、樹脂に各種の有機・無機顔料、色素等を添加してもよい。受光部内隔壁60の作製には、フォトリソグラフィー法等を用いる。製造方法については後述する。
また、受光部内隔壁60の可視光の反射率を高め、受光部内隔壁60に到達した光を同じ画素領域の下層へ導くために、受光部内隔壁60をアルミニウムや銀、インジウム等の反射性材料や硫酸バリウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム等の拡散性材料で形成してもよい。
金属等の導電性のある材料で構成される反射性材料を用いる場合は、受光部内隔壁60の下部には信号読み出し部11、21、31の透明画素電極が接し、受光部内隔壁60の上部には対向透明電極13、23、33が接する。このことから、短絡を防ぐために、信号読み出し部11、21、31及び透明画素電極と受光部内隔壁60とが少なくとも5nm以上の絶縁層で絶縁されるとともに、受光部内隔壁60の上部に少なくとも5nmの厚さで絶縁層を形成すればよい。絶縁層としては、例えば、上述の各種樹脂をフォトリソグラフィー手法等によって形成するか、又は、酸化シリコン(SiO2)膜をCVD(Chemical Vapor Deposition)法等によって形成すればよい。
光電変換膜12、22、32は、有機光電変換膜が好適である。光電変換膜12、22、32を構成する有機光電変換材料に求められる条件としては、光の3原色のうちの第1の光に感度があり、第2、第3の光には感度が無く、かつ第2、第3の光を透過する必要がある。
すなわち、受光部30の光電変換膜32が青色の光を検出する場合、この光電変換膜32は青色の光に感度があり、緑色と赤色は透過する必要がある。また、受光部30の光電変換膜32が緑色の光を検出する場合、この光電変換膜32は緑色の光に感度があり、青色と赤色を透過する必要がある。また、受光部30の光電変換膜32が赤色の光を検出する場合、この光電変換膜32は赤色の光に感度があり、青色と緑色を透過する必要がある。
光電変換膜12、22、32を構成する有機材料として、青のみに感度を有し、緑色と赤色は透過する有機材料としてはクマリン誘導体、緑のみに感度を有し、青色と赤色は透過する有機材料としてはキナクリドン誘導体、赤のみに感度を有し、青色と緑色は透過する有機材料としてはフタロシアニン誘導体が一例として挙げられるが、それ以外にも、アクリジン、クマリン、キナクリドン、シアニン、スクエアリリウム、オキサジン、キサンテントリフェニルアミン、ベンジジン、ピラゾリン、スチリルアミン、ヒドラゾン、トリフェニルメタン、カルバゾール、ポリシラン、チオフェン、ポリアミン、オキサジアゾール、トリアゾール、トリアジン、キノキサリン、フェナンスロリン、フラーレン、アルミニウムキノリン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリフルオレン、ポリビニルカルバゾール、ポリチオール、ポリピロール、ポリチオフェン及びこれらの誘導体等を単独で、もしくは、これらに代表される有機材料を2種類以上混合ないし積層することで青、緑、もしくは赤色光のみに感度を有する光電変換膜12、22、32を形成することが可能である。
さらには、光電変換膜12、22、32における暗電流(光未照射時に観測される電流)の低減や光電変換膜の量子効率向上のために、電子輸送材料、正孔輸送材料、電子ブロッキング材料、正孔ブロッキング材料等を混合又は積層することで光電変換膜12、22、32を形成してもよい。
有機膜で構成する光電変換膜12、22、32の膜厚は、50nmから1μmの間が好適であるが、光吸収極大波長での吸収率として、90%以上、すなわち、吸光度A(A=−log(透過率))にして1.0以上を有することが望ましい。
光電変換膜12、22、32の形成には、インクジェット法、真空蒸着法、スピンコート法、ディップ法等、既知の手法を用いることができる。
受光部20の光電変換膜22については、光の3原色のうち受光部10の光電変換膜12とは異なる光の色に感度があり、少なくとも受光部10の光電変換膜12で検出する色の光は透過する必要がある。すなわち、受光部10の光電変換膜12が青色の光を検出する場合、受光部20の光電変換膜22は緑色の光に感度があり、少なくとも青色は透過する、もしくは、赤色の光に感度があり、少なくとも青色は透過する必要がある。また受光部10の光電変換膜12が緑色の光を検出する場合、受光部20の光電変換膜22は青色の光に感度があり、少なくとも緑色を透過する、もしくは、赤色の光に感度があり、少なくとも緑色は透過する必要がある。また、受光部10の光電変換膜12が赤色の光を検出する場合、受光部20の光電変換膜22は青色の光に感度があり、少なくとも赤色を透過する必要がある、もしくは緑色の光に感度があり、少なくとも赤色は透過する必要がある。
受光部10の光電変換膜12については、少なくとも光の3原色のうち受光部30の光電変換膜32、及び受光部20の光電変換膜22とは異なる光の色に感度がある必要がある。すなわち、受光部30及び20の2種類の膜で青色と緑色の光を検出する場合、受光部10の光電変換膜12は少なくとも赤色の光に感度がある必要がある。また、受光部20及び30の2種類の光電変換膜22及び32でそれぞれ青色と赤色の光を検出する場合は、受光部10の光電変換膜12は、少なくとも緑色の光に感度がある必要がある。
また、受光部20及び30の2種類の光電変換膜22及び32でそれぞれ緑色と赤色の光を検出する場合は、受光部10の光電変換膜12は、少なくとも青色の光に感度がある必要がある。
光電変換膜12、22、32の形成には、インクジェット法、真空蒸着法、スピンコート法、ディップ法等、既知の手法を用いることができる。
透明対向電極13、23、33は、光透過性が要求されるため、インジウムスズ酸化物(ITO)、酸化インジウム・酸化亜鉛(IZO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(TO)等を用いて、膜厚1nm〜50nm程度の透明電極を用いてもよい。
また、透明対向電極13、23、33は、アルミニウム、バナジウム、金、銀、白金、鉄、コバルト、炭素、ニッケル、タングステン、パラジウム、マグネシウム、カルシウム、スズ、鉛、チタン、モリブデン、イットリウム、リチウム、ルテニウム、マンガン等の金属及びそれらの合金を用いて膜厚1nm〜100nm程度の半透明電極を形成してもよい。
また、透明対向電極13、23、33は、ポリアセチレン系、ポリアニリン系、ポリピロール系、ポリチオフェン系に代表される導電性高分子を用いることもできる。膜厚は、例えば、1nm〜100nmの間に設定すればよい。
層間絶縁膜40、50は、絶縁性があり可視光透過性の高い材料がよく、封止膜としての性質を併せ持つものが好適である。さらに、層間絶縁膜内隔壁70や、受光部20及び30の信号読み出し部21及び31を形成する際にフォトリソグラフィーを用いる場合には、フォトリソグラフィーで使用する紫外線が光電変換膜12、22の特性に悪影響を及ぼす場合がある。
このため、層間絶縁膜40、50の材料として、可視光の透過性が高い一方、紫外線の透過率が低いことが要求される。一例として、酸化ケイ素、酸化窒素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化タンタル、チッ化ケイ素、チッ化アルミニウム、酸化バナジウム、酸化クロム、酸化セリウム、酸化亜鉛やアモルファス酸化物(インジウム・ガリウム・酸化亜鉛)等の無機材料、ポリシラン、ポリビニルカルバゾール、ポリイミド、ポリパラキシレンビニレン等の有機材料等を用いることができる。
層間絶縁膜40、50には、層間絶縁膜内隔壁70が形成される。層間絶縁膜内隔壁70は、受光部内隔壁60と同様に、可視域の光を透過しない材料で構成する必要があり、材料としては各種樹脂を用いることができる。光の不透過性を向上させるために、樹脂に各種の有機・無機顔料、色素等を添加することもできる。
次に、図2を用いて、実施の形態の多層型撮像素子100に光が入射した場合の動作について説明する。
図2は、実施の形態の多層型撮像素子100に光が入射した場合の動作を示す図である。
実施の形態の多層型撮像素子100の受光部30側から白色光が入射した場合の動作を図2を用いて説明する。なお、既述のように、光は受光部10側から入射してもよいが、ここでは受光部30側から光が入射する場合について説明する。
白色光が受光部30に入射すると、光の3原色のうちの1つの色の光(ここではC3と称す)が光電変換膜32に吸収されるとともに、C3の光量に応じた電荷が光電変換膜32内に生成される。
受光部30の透明対向電極33には一定の電圧が印加されており、生成された電荷のうち電子または正孔がこの印加電圧により信号読み出し部31の画素電極(図示せず)に一定時間蓄積される。
蓄積された電荷は、信号読み出し部31により順次、外部の回路へと読み出される。ここで、透明対向電極33、及び、信号読み出し部31の配線(図示せず)が受光部内隔壁60で分離されていない構造であるために、光電変換膜32で発生した電荷を外部へ読み出すことが可能になる。
一方、受光部30の光電変換膜32に吸収されない、光の3原色のうちの光成分C3の色以外の2色の光成分(ここでは光成分C2、C1と称す)は、受光部30及び層間絶縁膜50を通過し、受光部20へ到達する。
ここで、光成分C2が光電変換膜22に吸収されるとともに、光成分C2の光量に応じた電荷が光電変換膜22内に生成される。
受光部30と同様に、受光部20の透明対向電極23には一定の電圧(電圧の値は受光部30とは異なっていてもよい)が印加されており、生成された電荷のうち電子または正孔がこの印加電圧により信号読み出し部21の画素電極(図示せず)に一定時間蓄積される。蓄積された電荷は、信号読み出し部21により順次、外部へと読み出される。
また、受光部20の光電変換膜22に吸収されない色の光成分C1は、受光部20及び層間絶縁膜40を通過し、受光部10へ到達する。ここでも同様の動作が繰り返され、最終的に、光の3原色すべての情報を1つの画素の領域で得ることが可能になる。
次に、図3及び図4を用いて、実施の形態の多層型撮像素子100の動作について説明する。
図3及び図4は、多層型撮像素子100に斜めに光が入射した場合の動作を示す図である。
ある画素(ここでは画素Aとする)に、画素Aの垂直方向からではなく、斜め方向から白色光が入射した場合を考える。ここでは簡単のため、レーザー光のような線状の光が入射したと仮定する。
図3に示す入射角度の場合、光成分C3と光成分C2に関してはそれぞれ画素Aを構成する受光部30及び受光部20で吸収される。
一方、光成分C1は、仮に受光部内隔壁60及び層間絶縁膜内隔壁70が存在しない場合には(すなわち従来の多層型撮像素子の場合には)、破線で示すように受光部10の画素Aの右隣の画素Bに到達し、隣の画素の情報として出力される(図3破線)。
これは、画素Aでは受光部10での光入射が足りない状況であるとともに、画素Bでは本来入射しない光が入射したことになる。この結果、混色や生成画像の色再現性の低下が生じうる。
これに対して、実施の形態の多層型撮像素子100の場合は、受光部内隔壁60や層間絶縁膜内障壁70により、各画素には隣接画素と光学的な遮蔽が施されているため、光成分C1が画素Aの隣の画素Bへ侵入することはなく、光成分C1は、図4に実線で示すように、受光部20内の受光部内隔壁60で反射され、受光部10に入射する。この結果、混色等の発生を抑えることが可能になる。なお、光が層間絶縁膜内障壁70で反射される場合も同様である。
受光部内隔壁60や層間絶縁膜内障壁70での光の反射は、特に、受光部内隔壁60や層間絶縁膜内障壁70を反射特性の高い材料で構成した場合に効率よく行われることになる。例えば、受光部内隔壁60や層間絶縁膜内障壁70、あるいは少なくとも受光部内隔壁60や層間絶縁膜内障壁70の表面をアルミニウムのような可視光の反射材で構成すれば、例えば、75%程度の高い反射率を得ることができる。
ただし、受光部内隔壁60や層間絶縁膜内障壁70は、可視光の反射材のような必ずしも反射特性の高い材料で構成される必要はなく、到達した光を吸収する材料(不透過材)、もしくは等方的に反射/拡散する材料で構成してもよい。
受光部30側から多層型撮像素子100に光が入射した場合に、最下層となる受光部10の光電変換膜12に光成分C1が入射し、ある程度の色再現性が得られるのであれば、受光部内隔壁60や層間絶縁膜内障壁70の反射率は任意に設定できる。
また、最下層へより効率的に光を導くために、多層型撮像素子100の表面にマイクロレンズを実装してもよい。
次に、図5を用いて、受光部内隔壁60の製造方法について説明する。
図5は、実施の形態の多層型撮像素子100の受光部内隔壁60の製造工程を示す図である。
ここでは、一例として、受光部10の信号読み出し部11の上に形成する受光部内隔壁60の製造工程について説明する。また、信号読み出し部11は、絶縁層11A、スイッチトランジスタ11B、及び透明画素電極11Cを有するものとして説明する。
まず、図5(A)に示すように、信号読み出し部11の上に、受光部内隔壁材料60Aを一様に形成する。
次に、図5(B)に示すように、受光部内隔壁60に対応したレジスト61をパターニングする。受光部内隔壁60に対応したレジスト61は、後に、受光部内隔壁60が形成される場所に形成される。
そして、エッチングにより受光部内隔壁材料60Aの不要部分を除去すれば、図5(C)に示すように、受光部内隔壁60を形成することができる。
受光部内隔壁60の高さは、光電変換膜12の厚さと同じ程度がよく、例えば、0.05μm〜1.0μmに設定すればよい。受光部内隔壁60の幅は、小さければ小さいほどよく、画素ピッチの1/8以下が望ましく、画素ピッチの1/10以下であればなおよい。
次に、図6を用いて、層間絶縁膜40と層間絶縁膜内隔壁70の作製方法について説明する。
図6は、実施の形態の多層型撮像素子100の層間絶縁膜40と層間絶縁膜内隔壁70の作製工程を示す図である。
まず、図6(A)に示すように、透明電極13上に層間絶縁膜材料40Aを一様に形成する。
次に、図6(B)に示すように、層間絶縁膜材料40Aの上にレジスト41を形成する。レジスト41は、層間絶縁膜40を形成しない位置に対応して形成される。
レジスト41を層間絶縁膜材料40Aの上に形成した後にエッチングを行い、図6(C)に示すように、層間絶縁膜40を形成する。層間絶縁膜40が形成されていない位置は、後に、層間絶縁膜内隔壁70を形成する位置である。
その後、図6(D)に示すように、層間絶縁膜内隔壁材70Aを少なくとも層間絶縁膜40よりも厚く積み、ドライエッチング、ウェットエッチング、又は化学機械平坦化法(CMP(Chemical Mechanical Polishing))等を用いて不要部分を除去することで、図6(E)に示すように層間絶縁膜内隔壁70を形成する。
また、受光部内隔壁60の反射率を高め、受光部内隔壁60に到達した光を同じ画素エリアの下層へ導くために、受光部内隔壁60をアルミニウムや銀、インジウム等の反射性材料や、硫酸バリウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム等の拡散性材料で形成してもよい。
金属による反射性材料を用いる場合は、反射性材料と透明対向電極13及び信号読み出し部11の画素電極との短絡を防ぐために、層間絶縁膜内隔壁70の上下に絶縁層を形成することが望ましい。
絶縁層としては、例えば、上述の各種樹脂をフォトリソグラフィー手法等によって形成するか、又は、酸化シリコン(SiO)膜をCVD(Chemical Vapor Deposition)法等によって形成すればよい。絶縁層の厚さは、例えば、少なくとも10nmの厚さにすればよい。
次に、図7を用いて、実施の形態の多層型撮像素子100の受光部内隔壁60の上下に形成する絶縁層について説明する。
図7は、実施の形態の多層型撮像素子100の受光部内隔壁60の上下に形成する絶縁層を示す図である。図7には、一例として、受光部10の内部に形成される受光部内隔壁60を示す。
受光部内隔壁60の下部には、画素電極11Cとの間に絶縁層62が形成される。絶縁層62は、信号読み出し部11の画素電極11Cに凹部を形成した後に、凹部の壁部に沿って形成される第1絶縁層の一例である。絶縁層62を形成した後に、受光部内隔壁60を形成すればよい。
また、受光部内隔壁60の上部には、第2絶縁層の一例としての絶縁層63が形成される。絶縁層63は、例えば、受光部内隔壁材料60A(図5(A)参照)を形成した後に、受光部内隔壁材料60Aの上に絶縁層材料を形成し、レジスト61(図5(A)参照)を用いてエッチングを行うことにより、受光部内隔壁60と同時に形成することができる。絶縁層63により、受光部内隔壁60と透明対向電極13とは絶縁される。このため、受光部内隔壁60がアルミニウム等の金属で構成されてもよく、あるいは、受光部内隔壁60の表面にアルミニウムの薄膜等をスパッタリング法又は蒸着法等によって形成してもよい。
なお、図7には、受光部10の内部に形成する受光部内隔壁60を示したが、受光部20、30の内部に形成される受光部内隔壁60も同様である。
すなわち、受光部20の内部では、受光部内隔壁60は、下部の絶縁層62によって信号読み出し部21の画素電極と絶縁される。また、受光部内隔壁60は、上部の絶縁層63によって透明対向電極23と絶縁される。
同様に、受光部30の内部では、受光部内隔壁60は、下部の絶縁層62によって信号読み出し部31の画素電極と絶縁される。また、受光部内隔壁60は、上部の絶縁層63によって透明対向電極33と絶縁される。
次に、実施の形態の多層型撮像素子100について行ったシミュレーション結果について説明する。
図8及び図9は、多層型撮像素子に入射する光の入射角と相対出力との関係を示す図である。
実施の形態の多層型撮像素子100の効果を検証するために、入射光の入射角を変化させたときの出力変化について、計算によるシミュレーションを行った。なお、入射光の入射角とは、多層型撮像素子100の受光部30の上面が水平になるように多層型撮像素子100を設置した場合に、鉛直方向に対して入射光がなす角度をいう。
シミュレーションでは、多層型撮像素子100の画素ピッチを3.0μm、信号読み出し部11、21、31の厚さを0.3μm、受光部内隔壁60の高さと幅をそれぞれ0.7μm、0.3μm、層間絶縁膜40、50の厚さを1.0μm、透明対向電極13、23、33の厚さを5.0nmに設定した。
また、受光部内隔壁60及び層間絶縁膜内隔壁70は、アルミニウム製とし、その反射率を75%に設定した。なお、マイクロレンズは用いない構造とした。
図8に示す結果は、上述のような多層型撮像素子100の受光部30の1つの画素に一様に光を入射させ、入射角を0°(基板1に垂直な方向)から30°まで変化させたときに得られたものであり、最下層の受光部10において、光が入射した画素(図3、4の画素A参照)の隣の画素(図3、4の画素B参照)の出力を算出したものである。
光が入射した画素の隣の画素から得られる出力は、入射角が0°のときに光が入射した画素(図3、4の画素A参照)の出力信号を100として表した相対出力である。
なお、比較用に、受光部内隔壁60及び層間絶縁膜内隔壁70を透明材料で形成した多層型撮像素子(すなわち、受光部内隔壁60及び層間絶縁膜内隔壁70が形成されていない従来の多層型撮像素子)で得られた特性を白丸のプロットで示す。
受光部内隔壁60及び層間絶縁膜内隔壁70のない多層型撮像素子では、入射角が大きくなるにつれて、隣接画素の出力が増加することが分かった。入射角の増大に伴い、隣接する画素への光の入射量が増えたためと考えられる。これは、混色や色再現性の低下が生じている状態であると考えられる。
一方、実施の形態の多層型撮像素子100では、入射角30°においても隣接画素の出力はゼロであることがわかる。これは、入射角が増大しても、受光部内隔壁60及び層間絶縁膜内隔壁70によって入射光が反射されることにより、光入射のあった画素内に光が留まり、隣接する画素への光の漏れが生じなかったためと考えられる。
また、図9に示す結果は、多層型撮像素子100の受光部30の1画素に、一様に光を入射させ、この入射光の入射角を0°(基板に垂直な方向)から30°まで変化させた場合に、受光部10の同一画素から得られる出力を示す。
光出力は、入射角が0°で受光部30に光を入射させた場合における受光部10の同一画素からの出力信号を100とする相対出力で表す。
なお、比較用に、受光部内隔壁60及び層間絶縁膜内隔壁70を透明材料で形成した多層型撮像素子(すなわち、受光部内隔壁60及び層間絶縁膜内隔壁70が形成されていない従来の多層型撮像素子)で得られた特性を白丸のプロットで示す。
図9に示すように、受光部内隔壁60及び層間絶縁膜内隔壁70のない多層型撮像素子では、入射角が大きくなるにつれて最下層の受光部10の画素の出力が大幅に減少し、入射角30°のときの出力は24%であった。これは、入射角の増大に伴って隣接する画素への光の漏れが増大したためと考えられる。このような状況では、光入射のあった受光部30と同一画素の受光部10では、光の入射量が減少しているため、色再現性の低下が生じると考えられる。
これに対し、実施の形態の多層型撮像素子100では、入射角が増大しても、63%までの低下に留まった。これは、受光部内隔壁60及び層間絶縁膜内隔壁70によって光の漏れが抑制されたためと考えられる。以上より、受光部内隔壁60及び層間絶縁膜内隔壁70を有する実施の形態の多層型撮像素子100の効果が明らかになった。
以上、実施の形態によれば、信号読み出し部11、21、31と、透明対向電極13、23、33とを除いて受光部内隔壁60及び層間絶縁膜内隔壁70で受光部10、20、30を画素毎に区分することにより、隣接する画素、又は、近隣の画素への光の漏れを抑制でき、この結果、色再現性に優れた高精細な単板式の多層型撮像素子を提供することができる。
なお、以上では、受光部内隔壁60が光電変換膜12、22、32の各々の内部で、透明対向電極13、23、33に接する高さにまで形成される形態について説明したが、受光部内隔壁60は、透明対向電極13、23、33に接していなくてもよい。この場合は、光部内隔壁60の高さは、透明対向電極13、23、33に接しない分だけ低くなる。
また、層間絶縁膜内隔壁70が反射材で作製される場合、又は、層間絶縁膜内隔壁70の表面に反射層が形成される場合には、層間絶縁膜内隔壁70と透明対向電極13、23との間に絶縁層を形成してもよい。なお、層間絶縁膜内隔壁70を配設せずに、受光部内隔壁60だけを配設してもよい。
以上、本発明の例示的な実施の形態の多層型撮像素子について説明したが、本発明は、具体的に開示された実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
100 多層型撮像素子
1 基板
10、20、30 受光部
11、21、31 信号読み出し部
12、22、32 光電変換膜
13、23、33 透明対向電極
40、50 層間絶縁膜
60 受光部内隔壁
70 層間絶縁膜内隔壁

Claims (5)

  1. 基板と、
    前記基板上に配設される第1の信号読み出し部と、
    前記第1の信号読み出し部の上に配設され、光の3原色のうち第1の波長の光に感度を有する第1光電変換膜と、
    前記第1光電変換膜に積層される第1透明電極と、
    前記第1透明電極に積層される第1層間絶縁膜と、
    前記第1層間絶縁膜の上に配設される第2の信号読み出し部と、
    前記第2の信号読み出し部の上に配設され、光の3原色のうち第2の波長の光に感度を有する第2光電変換膜と、
    前記第2光電変換膜に積層される第2透明電極と、
    前記第2透明電極に積層される第2層間絶縁膜と、
    前記第2層間絶縁膜の上に配設される第3の信号読み出し部と、
    前記第3の信号読み出し部の上に配設され、光の3原色のうち第3の波長の光に感度を有する第3光電変換膜と、
    前記第3光電変換膜に積層される第3透明電極と、
    前記第1光電変換膜、前記第2光電変換膜、及び前記第3光電変換膜を画素毎に隔離する第1隔壁と
    を備え、
    前記第1の信号読み出し部、前記第2の信号読み出し部、及び前記第3の信号読み出し部は、それぞれ複数の画素が2次元方向に配置された画素アレイの各画素の信号読み出し部を形成している多層型撮像素子。
  2. 前記第1層間絶縁膜及び第2層間絶縁膜を画素毎に隔離する第2隔壁を更に備える請求項1に記載の多層型撮像素子。
  3. 前記第1の隔壁は、前記第1の信号読み出し部、前記第2の信号読み出し部、及び前記第3の信号読み出し部において、各信号読み出し部の一部を構成する画素電極部を画素毎に隔離する請求項1または2に記載の多層型撮像素子。
  4. 前記第1隔壁または前記第2隔壁は、可視光の反射材、又は不透過材で構成される請求項1乃至3のいずれか1項に記載の多層型撮像素子。
  5. 前記第1隔壁の材料が導電性であり、
    前記第1隔壁と前記第1の信号読み出し部、前記第2の信号読み出し部、及び前記第3の信号読み出し部の画素電極との間、さらに、前記第1隔壁と前記第1透明電極、前記第2透明電極、及び前記第3透明電極との間にそれぞれ絶縁層が形成された請求項4に記載の多層型撮像素子。
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