JP2013076905A - ロール金型、ロール金型の製造方法、及び光学シートの製造方法 - Google Patents

ロール金型、ロール金型の製造方法、及び光学シートの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】形成することができる凹凸形状の自由度を高めることが可能なロール金型を提供する。
【解決手段】凹凸形状を有する光学シート(110)の凹凸形状部分を成形するロール金型(10)であって、円筒状又は円柱状の基体(11)と、基体の外周面に積層され、溝が形成される被加工層(13)と、被加工層の表面に沿って積層されて溝部(15)及び突部(14)を形成するメッキ層である表面メッキ層(14)と、を備え、表面メッキ層の溝部の底幅(A)が10μm以下である。
【選択図】図3

Description

本発明は、表面に微細な凹凸形状を有する光学シートを製造する際に用いられるロール金型、ロール金型の製造方法、及び当該ロール金型の製造方法を含む光学シートの製造方法に関する。
プラズマテレビや液晶表示装置のような、映像を観察者に出射する映像表示装置では、映像光源の観察者側に該映像光源からの映像光の質を高めて観察者側に透過する機能を有する光学シートが備えられている。
このような光学シートは通常、各機能を有する層が複数積層されることにより構成されているが、当該層の1つには、その表面に微細な凹凸形状が設けられた層を備えることがある。例えば特許文献1に記載の光学シート(光拡散シート)では、断面形状において微細な台形である単位レンズが複数並べられ、単位レンズ間には単位レンズとは異なる物質を充填された構成が開示されている。これによれば、界面による全反射を利用して視野角制御がおこなわれる。
このように表面に微細な凹凸形状を有する層を形成するに際しては、生産性を高めるために連続して該層を製造することが可能なロール金型を用いることが多い。ロール金型とは、例えば特許文献1の第12図に記載のような円柱状の金型であり、その外周面に上記微細な凹凸形状を転写できる凹凸形状が形成されている。
特許文献2には、外周面に凹凸形状を有するロール金型の表面に微粒子を含むメッキ層を設け、ロール金型の表面を保護するとともに、メッキ層に微粒子を保持する機能を持たせる発明が開示されている。
特開2003−66206号公報 特開2010−169879号公報
ロール金型の外周面の凹凸形状は切削工具であるバイトを用いて切削することにより形成する。しかしながら、表面に形成されるこのような凹凸は非常に微小である。従ってそのためのバイトも細くなり、形成できる凹凸形状の自由度が小さく、限度を超えた凹凸形状を形成しようとすると、バイトが折れたり、折れないまでも長い距離の切削をすることが困難であった。
そこで本発明は、形成することができる凹凸形状の自由度を高めることが可能なロール金型を提供することを課題とする。また、当該ロール金型の製造方法、及びこれによる光学シートの製造方法を提供する。
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
請求項1に記載の発明は、凹凸形状を有する光学シート(110)の凹凸形状部分を成形するロール金型(10)であって、円筒状又は円柱状の基体(11)と、基体の外周面に積層され、溝が形成される被加工層(13)と、被加工層の表面に沿って積層されて溝部(15)及び突部(16)を形成するメッキ層である表面メッキ層(14)と、を備え、表面メッキ層の溝部の底幅(A)が10μm以下である、ロール金型である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のロール金型(10)において、表面メッキ層(14)の厚さが1μm以上であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、凹凸形状を有する光学シート(110)の凹凸形状部分を成形するロール金型(10)を製造する方法であって、被加工層(13)が積層された円柱状又は円筒状の基体(11)を回転させ、被加工層に切削工具(30)により溝を形成する工程と、溝を形成した被加工層の表面にメッキ層(14)を形成する工程と、を含み、表面にメッキ層を形成した後の溝(15)における溝の底幅が10μm以下である、ロール金型の製造方法である。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の製造方法によりロール金型(10)を製造し、ロール金型に形成された溝に光硬化性材料を充填する工程と、充填された状態で光硬化性材料に光を照射して光硬化性材料を硬化させる工程と、ロール金型の表面にシート状の部材を押圧して接触させた後離型することにより、シート状の部材の面に硬化した光硬化性材料を移動させる工程と、を含む光学シートの製造方法である。
本発明によれば、光学シートに形成することができる凹凸の形状の自由度を高めることが可能となる。特に従来よりも細い溝形状を有するものとすることが可能となる。
1つの実施形態を説明する図でロール金型の外観斜視図である。 ロール金型の正面図である。 ロール金型の外周表面に形成された溝部及び突部を説明する図である。 ロール金型の製造方法を説明する図である。 切削の様子を拡大して示した図である。 切削工具の形状を概略的に示した図である。 表面メッキ層の形成を説明する図である。 光学シートの断面を拡大した図である。 図8の一部を拡大して示すとともに、光路例を表した図である。
本発明の上記した作用及び利得は、次に説明する発明を実施するための形態から明らかにされる。以下、本発明を図面に示す実施形態に基づき説明する。ただし、本発明はこれら実施形態に限定されるものではない。
図1は1つの実施形態を説明する図で、ロール金型10の外観を模式的に表した斜視図、図2は同正面図である。また図3は、図2にIIIで示した部位を拡大した断面図で、ロール金型10の外周面に形成された溝部15及び突部16の断面を表している。当該断面はロール金型10の回転軸に沿った方向の断面である。なお、ロール金型10の表面に形成される溝部15及び突部16、及びこれに対応して形成される光学シート110の凹凸は非常に微細なものであるが、ここでは分かりやすさのため誇張して記載している。
図1、図2からわかるように、ロール金型10は、円柱状の金型本体11、及び回転軸20を備えている。回転軸20は、金型本体11の円柱軸を軸とした回転軸部材である。そして、図1〜図3からわかるように、金型本体11の外周面には、形成すべき光学シートの凹凸形状を転写し得る溝15及び凸部16が螺旋状に形成されている。以下に詳しく説明する。
金型本体11は、図3からわかるように、ベースとなる基体12、該基体12の外表面に積層された被加工層13、及び金型本体11の最表面に形成された表面メッキ層14を有している。
基体12は、金型本体11の剛性を確保するための部位で、金型本体11の大部分を占めている。かかる観点から基体12は、機械構造用の鉄系材料が用いられることが好ましい。また、必要な剛性を確保しつつも軽量化をする観点から、基体12は両端に底を有する有底の円筒状であってもよい。また、ロール金型10の表面温度を調節ができるように基体12の内部に冷水や温水、蒸気又は高温の油を循環できるように2重構造にするのが一般的である。
被加工層13は、基体12の外周面を被覆するように積層された層である。基体12は上記したように構造上の観点からその材料が選択されるので、加工が困難である場合が多い。また、実際に加工するのは金型本体11の表面付近のみでよいことから、加工される部分に比較的加工のしやすい被加工層13を設ける。従って、被加工層13は、銅メッキによる層、ニッケルメッキによる層等の加工が容易な材料によるメッキ層であることが好ましい。被加工層13の厚さは、その性質上、加工されるべき形状により決められる。例えば加工後の被加工層13の厚さは、必要な形状の高さ以上あれば問題ないが、通常は0.3mmから1.0mmである。
表面メッキ層14は、被加工層13に形成された凹凸に沿って該被加工層13の表面を被覆するように積層されるメッキ層であり、金型本体11の最外層を構成する。表面メッキ層14を形成する材料は特に限定されることはないが、ロール金型10の表面が腐食することを防止する等の観点からニッケルやクロムにであることが好ましい。
また、表面メッキ層14は後述するように、単にロール金型10の表面を保護するのみでなく、ここに形成される後述する溝15の形状、及び突起16の形状を決めるように積層させる。
表面メッキ層14は、溝15の形状を細く形成する等、積極的に溝15及び突起16の形状を制御し得るように構成する観点から従来の表面メッキ層よりも厚く形成することが好ましい。より具体的には、表面メッキ層14は、1μm以上の厚さであることが好ましい。これより薄いとメッキとしての効果が得られない可能性が高くなるからである。また表面メッキ層14の厚さの上限は特に限定されることはないが、4μm以下であることが好ましい。
また、図3にAで示した溝15の底面の幅の大きさが10μm以下である場合に、特に表面メッキ層14による効果が顕著である。すなわち、溝15を形成するに際して当該底面の幅を10μm以下とするような細い切削工具で溝を形成することには困難がともなう。これに対して、表面メッキ層14により最終的に溝15を形成することにすれば、切削工具はもっと厚いものを用いることが可能となり、切削加工による加工性を向上させることができる。
従って、当該底面の幅を0μmとすることも可能であり、細い溝を適切に形成することができる。
被加工層13には溝が形成され、当該凹凸に沿って表面メッキ層14を積層させることにより、溝15及び突起16となる。より詳しくは次の通りである。
溝15は図2からわかるように、金型本体11の正面視において、円柱状である金型本体11の軸方向に対して角度αで傾斜し、金型本体11の軸方向一端側から他端側に向けて螺旋状に形成されている。そして突起16は、このように螺旋状に形成された溝15間に形成される突起である。従って突起16も同様に螺旋状に形成される。
ここで、αの大きさは、0°より大きく180°より小さければ特に限定されることはなく、製造すべき光学シートの形態により決められる。
溝15は、後述する光学シート110の光学機能層112における光吸収部114のための凹部を形成させ得る形状を有している。また、突起16は同様に光学機能層112における光透過部113を形成させ得る形状を有している。光学機能層112の形状及びその形成方法については後で説明する。
金型本体11の直径は特に限定されることはないが、300mm以上500mm以下であることが好ましい。
次にロール金型10の製造方法についてその一例を説明する。
初めに、基体12上に被加工層13となる材料が積層されたロール金型10を準備し、これを回転軸20により回転させる。基準面を得るための前加工として、所定の切削工具(Rバイト)により、必要な切り込み深さ、及び送りで鏡面加工をおこなう。Rバイトとは、先端の形状が円弧状のバイトであり、曲率半径が2mmから10mmのダイヤモンドバイトがよく用いられる。送りピッチは0.1mmから0.2mmが一般的である。
その後、得られた基準面に基づいて基体12を回転させつつ切削工具により被加工層13の外周端面となる面を加工する。これは、所定の切削工具により、必要な切り込み深さ及び送りで切削加工をおこなう。
次に被加工層13に溝を形成する加工をおこなう。図4にその手順を示した。また図5には、図4にVで示した部分を拡大した図を示した。溝15は、図4、図5からわかるように、基体12を回転軸20を中心に回転させつつ(例えば矢印IVa)、その外周面を切削工具30で切り込んで切削することにより形成する。このとき、図4にIVbで示したように切削工具30を回転軸に沿った方向に送りつつ切削することにより螺旋状に溝15が形成される。そしてこのような螺旋状の溝の間が突起となり、被加工層13の表面に凹凸が形成される。ここで、切削工具30の送りは、溝が、円柱状である金型本体11の軸方向に対して角度α(図2参照)を有するように調整される。
切削の際に用いられる切削工具30は例えば次のような形状を具備している。使用される切削工具の一例である切削チップ30の概略的な図を図6に示した。
図6ではすくい面を符号31、前逃げ面を符号32、横逃げ面を符号33でそれぞれ表わしている。図6(a)は斜視図、図6(b)はすくい面31側から見た図、図6(c)は前逃げ面32側から見た図、及び図6(d)は横逃げ面33側から見た図である。
切削チップ30の主要な寸法は、表面メッキ層14を積層する前の凹凸形状を被加工層に形成できるように設定される。
図6に表わしたバイト角度θa1、θa2、横逃げ角θb、及び前逃げ角θcは、次の通りである。バイト角度θa1とθa2との和を頂角と呼ぶ。図6(b)のwはバイト先端幅である。頂角及びバイト先端幅は被加工層13に形成されべき溝の形状により適宜変更する。
ここで、特にバイト先端幅wは切削チップ30の中で最も狭い部位であり、折れ(欠け)易く、磨耗も激しい部位である。従ってwは可能な限り大きい方が切削チップ30の耐久性、寿命に優れたものとなる。一方wは溝の底面の幅を決めるので、製造すべき光学シートの形状により決まることから、自由に当該幅wを大きくすることはできない。
これに対して本発明では、最終的にな溝15の底面の幅は表層メッキ14層により調整される。従って本発明では切削チップ30の先端幅wを溝15の底面の幅より十分大きくとることができる。これにより、切削工具30(切削チップ30)の耐久性を向上させることが可能となる。
また、横逃げ角θbは、2度以上5度以下が好ましい。当該横逃げ角θbを2度以上にすることにより、切削チップ30の切れ性が向上し、切削チップへの負担が減少するので、摩耗を減らすことができ、耐久性を高めて1つの切削チップで精度良く加工することができる。従って、切削チップを交換することなく、又はその交換回数を抑制してロール金型を製造することが可能となる。すなわち、ロール金型10の製造の効率及び精度を向上させ、最終製品である光学シートの凹凸形状も高精度に製造することが可能となる。また、横逃げ角θbを5度よりも大きくすると、前逃げ角も大きくする必要があり、切削チップ30の強度が低下する懸念が出てくる。
前逃げ角θcは、通常5度以上20度以下にすることが多い。5度より小さいと横逃げ角と同様に切れ性が悪くなる傾向にある。一方、20度よりも大きくすると切削チップ先端の剛性がなくなり、欠けやチッピングが生じやすい。
切削チップ30の材質は被加工層の材質、加工形状等により適宜選択できる。これには例えば超硬合金、CBN(立方晶窒化ホウ素)、ダイヤモンド等を挙げることができる。このなかでも高い精度を得ることができる観点からダイヤモンドであることが好ましい。ダイヤモンドには天然及び合成のものがあるが特に限定されることはない。
切削時における基体12の回転速度は特に限定されるものではないが、300rpm以上600rpm以下であることが好ましい。基体12の直径にもよるが、例えば直径が400mmの場合、300rpm未満だと切削速度が遅いため、切削チップへの負担が大きくなり精度良く加工することができなくなる虞がある。600rpmはおおよそ旋盤の最大回転速度である。基体12の回転速度を上げていくと基体12の振れが生じやすくなり、かかる観点から400rpm程度が好ましい。
次に上記のように凹凸パターンが形成された被加工層13の表面に表面メッキ層14を形成する。図7に模式的に示した。図7(a)は表面メッキ層14が形成される前における被加工層13の断面を表し、図7(b)は被加工層13の凹凸形状に沿って表面メッキ層14が積層され、溝15及び突起16が形成された断面を表す。
表面メッキ層14の積層方法は特に限定されることはなく公知の方法を用いることができる。従って表面メッキ層14は例えば次のように形成することができる。
表面メッキ層14の形成処理は、上記のように凹凸パターンが形成された被加工層13を具備する基体12が、メッキ処理装置に含まれる各槽に順次浸漬されることにより進められる。当該各槽としては、水洗処理、脱脂処理、及び酸活性処理等をおこなう前処理槽、メッキ処理をおこなうメッキ処理槽、並びにメッキ処理後の水洗処理及び乾燥処理等をおこなう後処理槽を挙げることができる。
メッキ処理槽にはメッキ液が貯留され、また電極も具備されている。メッキ処理槽では、電極により基体12に通電させつつメッキ液に浸漬する。このとき基体12は回転軸20を軸に回転される。これにより表面メッキ層14が形成される。
以上のようなロール金型、及びロール金型の製造方法によれば、凹凸形状を有する層を備える光学シートを形成し得るロール金型を得ることができる。
また、本発明では、表面メッキ層によりロール金型に備えられるべき溝形状を調整するので、細い溝も精度よく形成することが可能である。従来のように切削のみでは形成することができなかった溝も形成することが可能となった。
これに加えて、細い溝を形成するに際しても当該溝に対して太い切削工具を用いることができ、工具寿命を向上させることもできる。
次に、上記ロール金型10を用いた光学シート110の製造方法、及びこれにより製造される光学シート110の例について説明する。ここでは分かりやすさのための、先に、製造されるべき光学シート110の構成について説明し、その後、ロール金型10を用いてこれを製造する方法について述べる。
図8は光学シート110の厚さ方向断面図である。また、図9には図8を一部拡大して示すとともに光路例L1〜L4を表した。光学シート110は、当該断面を有して紙面奥/手前方向延在するようにシート状に形成されている。光学シート110は、基材層111と、該基材層111上に形成された光学機能層112とを有している。以下に基材層111及び光学機能層112について説明する。
基材層111は、後で詳しく説明する光学機能層112を形成するための基材となる層である。基材層111は、ポリエチレンテレフタレート(PET)を主成分とした材料で構成されることが好ましい。基材層111がPETを主成分とする場合、基材層111には、他の樹脂が含まれてもよい。また、各種添加剤を適宜添加してもよい。一般的な添加剤としては、フェノール系等の酸化防止剤、ラクトン系等の安定剤等を挙げることができる。ここで「主成分」とは、基材層を形成する材料全体に対して上記PETが50質量%以上含有されていることを意味する(以下、同様とする。)。
ただし、基材層111を構成する材料の主成分は、必ずしもPETであることは必要なく、その他の材料でもよい。これには例えば、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、テレフタル酸−イソフタル酸−エチレングリコール共重合体、テレフタル酸−シクロヘキサンジメタノール−エチレングリコール共重合体などのポリエステル系樹脂、ナイロン6などのポリアミド系樹脂、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体等のスチレン系樹脂、トリアセチルセルロース等のセルロース系樹脂、イミド系樹脂、ポリカーボネート樹脂等を挙げることができる。また、これら樹脂中には、必要に応じて適宜、紫外線吸収剤、充填剤、可塑剤、帯電防止剤等の添加剤を加えても良い。
なお、性能に加え、量産性、価格、入手可能性等の観点からは、PETを主成分とする樹脂によって基材層111を構成することが好ましい。
光学機能層112は、映像光源側からの映像光の光路を制御するとともに、迷光や外光を適切に吸収する機能を有する層である。光学機能層112は、図8に表れているように、光透過部113及び光吸収部114を備えている。
図8からわかるように、光透過部113と光吸収部114とは、光学機能層112の層面方向に沿って交互に配置される。光吸収部113及び光吸収部114の断面形状は、上記したロール金型10に形成された溝15、突起16により形成される凹凸形状に対応し、これが転写された形状である。すなわち、溝15は光吸収部114の形状に対応し、突起16は光透過部113を形成する形状に対応している。
また、図8からわかるように、光透過部113と光吸収部114とが形成する界面は図8に矢印VIIIで表したシート面法線に対して所定の角度で傾斜してもよい。この傾斜角により後述するように(例えば図9の光L2参照。)、出射される映像光の視野角制御の程度が決められる。従って、この場合には、ロール金型10に形成されるこれに対応する部位(溝15、突起16)は当該界面の傾斜に応じて傾斜している。
ここで、本実施形態では、光吸収部114は、光吸収粒子116を含有することにより光吸収性能を有するものとされている。すなわち、光吸収粒子116を分散させたバインダ115(光吸収部構成組成物)が光透過部113間に充填されている。これにより、光吸収部114は、光を吸収させることが可能となる。なお、光を吸収させるための手段は本実施形態のように光吸収粒子による方法に限定されるものではない。他には例えば、顔料や染料により光吸収部全体を着色することもできる。
光吸収部114を形成する材料や方法は後で詳しく説明する。
一方、光透過部113は、光を透過させる物質により構成されている。光透過部113を形成する材料や方法は後で詳しく説明する。
ここで、光吸収部114は、光透過部113の屈折率Npと同じ、又はこれより小さい屈折率Nbを有する所定の材料により構成される。本実施形態ではバインダーが屈折率Nbである物質となる。屈折率Np、Nbの値は特に限定されることはないが、適用する材料の入手性の観点等から1.49〜1.56であることが好ましい。
このような光学機能層112を有する光学シート110によれば、次のような光学的な作用を備える。図9に光路例L1〜L4について示した。ただしこれら光路例は光路を説明するための概念的なものであり、屈折や反射の程度を精密に表したものではない。また、当該光路例は、光学シート110が液晶パネルやプラズマディスプレイパネル等の映像源が図9の紙面下方に備えられ、紙面上方に存する観察者に映像光が提供される場合を想定している。
光L1は、映像源から出射された映像光が光透過部113を透過してそのまま観察者側に提供される。
光L2は、光透過部113の屈折率Npと光吸収部114の屈折率NbとをNp>Nbとしたときに、映像源から出射された映像光が光吸収部114と光透過部113との界面で反射されて観察者側に提供される。界面で反射するか否かはNpとNbとの屈折率差、及び界面への入光角によって決まる。このように光L2は、上記光L1に加えて観察者に提供される映像光であるから、これにより観察者により明るい映像を提供することができる。また、当該界面はシート面法線(図9にIXで示した線)に対して所定の傾斜角を有して構成されているので、この傾斜角を適切な角度にすることにより、映像光の視野角を制御することができる。
光L3は、映像源から出射された映像光が光吸収部114と光透過部113との界面を透過して光吸収部114内の光吸収粒子116で吸収される。このような光は迷光と呼ばれ観察者に出射されるべき映像光ではないので、光吸収部114で吸収されることにより映像光の質を向上させることができる。
光L4は、観察者側から光学シート110に入光した外光であり、これが光吸収部114と光透過部113との界面で反射することなく光吸収部114に入射して吸収される。これによりコントラストが向上し、映像の質の向上が図られる。
次にこのような光学シート110を製造する方法について説明する。
はじめに上記したロール金型10の表面に光吸収部を形成する組成物を過剰に供給し、余分な組成物をブレードで掻き取る。これによりロール金型10の溝15内に光吸収部を構成する組成物が充填される。その後光を照射する等して溝15内に充填した当該組成物を硬化させる。
光吸収部を構成する組成物のうちバインダとして用いられるものは特に限定されないが、これには例えば、光硬化型プレポリマー(P2)に、反応性希釈モノマー(M2)及び光重合開始剤(S2)を配合した光硬化型樹脂組成物が好ましく用いられる。
光硬化型プレポリマー(P2)としては、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、およびブタジエン(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
また、反応性希釈モノマー(M2)としては、例えば、単官能モノマーとして、ビニルモノマー、(メタ)アクリル酸エステルモノマー、(メタ)アクリルアミド誘導体が挙げられる。また、多官能モノマーとして、(メタ)アクリレート系のものが挙げられる。
また、光重合開始剤(S2)としては、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。これらの中から、光硬化型樹脂組成物を硬化させるための照射装置及び光硬化型樹脂組成物の硬化性から任意に選択することができる。
光吸収粒子116としては、カーボンブラック等の光吸収性の着色粒子が好ましく用いられるが、これらに限定されるものではなく、映像光の特性に合わせて特定の波長を選択的に吸収する着色粒子を使用してもよい。具体的には、カーボンブラック、グラファイト、黒色酸化鉄等の金属塩、染料、顔料等で着色した有機微粒子や着色したガラスビーズ等を挙げることができる。特に、着色した有機微粒子が、コスト面、品質面、入手の容易さ等の観点から好ましく用いられる。より具体的には、カーボンブラックを含有したアクリル架橋微粒子や、カーボンブラックを含有したウレタン架橋微粒子等が好ましく用いられる。
次に、プライマーを表面に塗布した基材層となる基材シートを上記金型ロールの外周に押圧して接触させ、剥離させる。これによりロール金型10の溝15内に充填されていた硬化した組成物が、金型ロール10から離脱し、基材シート状に立設するように移動する。従って、基材シートの一方の面状に複数の光吸収部が所定の間隔で並列したような中間部材を得ることができる。
次に、当該中間部材を所定の間隔を有する2つのロール間に供給する。このとき、基材シートの面のうち光吸収部が立設している側の面とロールとの間に、光透過部を構成する組成物を供給する。これにより光吸収部間に光透過部を構成する組成物が充填され、図8と同様の断面形状を構成することができる。その後光を照射する等して光透過部を構成する組成物を硬化させてロールから剥離させる。
ここで、光透過部を構成する組成物としては、例えば、光硬化型プレポリマー(P1)に、反応性希釈モノマー(M1)及び光重合開始剤(S1)を配合した光硬化型樹脂組成物が好ましく用いられる。
上記光硬化型プレポリマー(P1)としては、例えば、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリエーテルアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、ポリチオール系等のプレポリマーを挙げることができる。
また、上記反応性希釈モノマー(M1)としては、例えば、ビニルピロリドン、2−エチルヘキシルアクリレート、β−ヒドロキシアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート等を挙げることができる。
また、上記光重合開始剤(S1)としては、例えば、ヒドロキシベンゾイル化合物(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインアルキルエーテル等)、ベンゾイルホルメート化合物(メチルベンゾイルホルメート等)、チオキサントン化合物(イソプロピルチオキサントン等)、ベンゾフェノン(ベンゾフェノン等)、リン酸エステル化合物(1,3,5−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等)、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。これらの中から、光硬化型樹脂組成物を硬化させるための照射装置及び光硬化型樹脂組成物の硬化性から任意に選択することができる。
以上により、基材層111上に光透過部113及び光吸収部114を形成することによって光学シート110を得ることができる。その際に、上記したロール金型10を用いることにより、ロール金型の溝に対応した光吸収部114を有する光学シート110とすることが可能となる。
上記光学シート110には、さらに必要に応じて他の機能を有する層が積層されてもよい。具体的には、例えば電磁波遮蔽層、波長フィルタ層、防眩層、反射防止層、ハードコート層等を、粘着層を用いて貼合することで構成することができる。これらの層の積層順、及び積層数は、光学シートの用途に応じて適宜決定される。いずれの層も公知のものを適用することができが、以下に各層について説明する。
電磁波遮蔽層は、電磁波を遮断する機能を有する層である。当該機能を有する層であれば、電磁波を遮断する手段は特に限定されるものではない。これには、例えばエッチング方式、印刷方式、蒸着方式、スパッタ方式等の方法で形成された金属メッシュを挙げることができる。
波長フィルタ層は、所定の波長の光を減衰して透過する機能を有する層である。減衰されるべき波長の光は必要に応じて適宜選択することができるが、プラズマディスプレイパネル(PDP)から出射されるネオン線を減衰・遮断する層、赤外線、近赤外線や紫外線を減衰・遮断する層、及び色調を補正する層を挙げることができる。
防眩層は、いわゆるぎらつきを抑制する機能を有する層であり、アンチグレア層、AG層と呼ばれることもある。
反射防止層は最も観察者側に配置され、外光の反射を防止する機能を有する層である。これによれば、外光が光学シートの観察者側面で反射して観察者側へ戻って、いわゆる映り込みが生じて映像が見え難くなることを抑制することができる。
ハードコート層は、保護層やHC層とも呼ばれることもある。これは、画像表示面に傷がつくことを抑えるために耐擦傷性を付与することができる機能を有するフィルムが配置された層である。
粘着層は、粘着剤が配置される層である。該粘着剤としてアクリル系粘着剤を挙げることができる。ただし、必要な光透過性、粘着性、耐候性を得ることができれば粘着剤はこれに限定されるものではない。また、層構成によっては、色素の劣化を防止するために、紫外線を吸収する効果のあるUV吸収剤(ベンゾトリアゾール系など)を粘着剤に含めることが望ましい。また、粘着層にはUV吸収剤、近赤外吸収剤、ネオン線吸収剤、及び調色色素などを粘着剤に含める場合もある。
(実施例)
実施例では、図6にwで示した先端幅を5μmとし、バイト角度θa1、θa2はともに5°としたダイヤモンドバイトで銅メッキにより形成した被加工層に深さ50μmでピッチ31μmで溝を形成した。その後、被加工層に厚さ1.5μmでニッケルの表面メッキ層を形成した。表面メッキ層の形成は電解ニッケルメッキにて10Aの電流で1時間の条件とした。また、ロール金型の径は直径300mm、軸方向長さは600mmである。
その結果、図3にAで示した溝の底面の幅が2μm、その深さが48.5μmの溝を形成することができた。
従来のように切削工具による切削のみで溝の底面の幅が2μmの溝を形成しようとすると、切削工具が折れてしまい、適切に溝を形成することができなかった。
10 ロール金型
11 金型本体
12 基体
13 被加工層
14 表面メッキ層
15 溝
16 突起
20 回転軸
30 切削工具
110 光学シート

Claims (4)

  1. 凹凸形状を有する光学シートの前記凹凸形状部分を成形するロール金型であって、
    円筒状又は円柱状の基体と、
    前記基体の外周面に積層され、溝が形成される被加工層と、
    前記被加工層の表面に沿って積層されて溝部及び突部を形成するメッキ層である表面メッキ層と、を備え、
    前記表面メッキ層の前記溝部の底幅が10μm以下である、ロール金型。
  2. 前記表面メッキ層の厚さが1μm以上であることを特徴とする請求項1に記載のロール金型。
  3. 凹凸形状を有する光学シートの前記凹凸形状部分を成形するロール金型を製造する方法であって、
    被加工層が積層された円柱状又は円筒状の基体を回転させ、前記被加工層に切削工具により溝を形成する工程と、
    前記溝を形成した前記被加工層の表面にメッキ層を形成する工程と、を含み、
    前記表面にメッキ層を形成した後の溝における溝の底幅が10μm以下である、ロール金型の製造方法。
  4. 請求項3に記載の製造方法によりロール金型を製造し、
    前記ロール金型に形成された溝に光硬化性材料を充填する工程と、
    前記充填された状態で前記光硬化性材料に光を照射して前記光硬化性材料を硬化させる工程と、
    前記ロール金型の表面にシート状の部材を押圧して接触させた後離型することにより、前記シート状の部材の面に前記硬化した光硬化性材料を移動させる工程と、を含む光学シートの製造方法。
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