JP2013066153A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】画像の微妙なスキューに起因する重ね合わせずれを抑えつつ、細線画像の太りを抑え、且つ、画像の部分抜けの発生を抑えることができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】オリジナルの画像を重ね合わせずれを抑える画像に補正するための画像情報補正処理にて、画像を構成する複数の画素の一部を、スキューずれ等のずれ量に基づいて画素内に存在する画像箇所の面積に応じた多値の中間調の画素にし、中間調の画素をより小さな書込用画素の集合からなる書込用マトリクスに分割し、前記中間調を書込用マトリクスの複数の書込用画素における2値の階調の組み合わせに変換し、第1階調(濃度あり)の書込用画素の書込用マトリクス内分布を、その書込用マトリクスの周囲に存在する画素の階調に基づいて決定するように、画像データ補正部203を構成した。
【選択図】図4

Description

本発明は、互いに色の異なる複数の画像を重ね合わせることでカラー画像を形成する画像形成装置に関するものである。
この種の画像形成装置としては、例えば特許文献1に記載のものが知られている。この画像形成装置は、表面無端移動体たる無端状の中間転写ベルトを複数の張架ローラによって張架しながら無端移動せしめる転写ユニットを有している。この中間転写ベルトのおもて面には、Y(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン),K(黒)のトナー像を形成するための4つの感光体をそれぞれ当接させて4つの1次転写ニップを形成している。そして、Y,M,C,K用の感光体の表面に形成したY,M,C,Kトナー像を、Y,M,C,K用の1次転写ニップで中間転写ベルトに重ね合わせて転写してから、記録シートに一括2次転写する。これにより、記録シートにフルカラー画像を形成する。
中間転写ベルトを用いる代わりに、無端移動する表面に記録シートを保持しながら搬送する紙搬送ベルトを用いる画像形成装置も知られている。例えば、特許文献2に記載の画像形成装置である。この画像形成装置では、Y,M,C,K用の感光体の表面に形成したY,M,C,Kトナー像を紙搬送ベルト上の記録シートに直接重ね合わせて転写してフルカラー画像を得る。
これらの画像形成装置のように、複数の感光体にそれぞれ形成したトナー像をベルトなどの表面無端移動体の表面、あるいはその表面に保持した記録シート、に重ね合わせて転写する方式は、タンデム方式と呼ばれている。タンデム方式の画像形成装置においては、感光体に潜像を光書込する光学系のレンズやミラーなどの部品の温度変化に伴って書込光の光路が感光体周方向に微妙にずれると、複数の感光体の間で潜像全体の形成位置が副走査方向(感光体表面移動方向)にずれるいわゆるレジストずれを引き起こしてしまう。レジストずれが発生すると、各色のトナー像が互いに副走査方向に位置ずれした状態で転写されることで、色ずれが発生して画像の色調を乱してしまう。
また、ある感光体において、温度変化等によって光学系の走査ラインが傾いてしまったり、感光体の姿勢が何らかの原因によって傾いてしまったりすると、その感光体に形成されるトナー像の姿勢が他のトナー像から傾いてしまういわゆるスキューずれが発生する。スキューずれも色ずれの原因になる。
そこで、特許文献2に記載の画像形成装置においては、色ずれを次のようにして低減する。即ち、スキューずれやレジストずれを定期的に測定してその結果をデータ記憶手段に記憶する。測定においては、まず、各色のトナー像の相対位置ずれを検知するための位置ずれ検知用パターン像(レジストマーク)を中間転写ベルト上に検知し、その位置ずれ検知用パターン像における各色の位置検知用画像を光学センサーによって検知する。それぞれの検知タイミングに基づいて、各色の位置検知用画像の相対位置を把握した後、把握結果に基づいて、各色のレジストずれやスキューずれを算出する。そして、データ記憶手段に記憶しているレジストずれやスキューずれのデータを、算出結果と同じ値に更新する。プリントジョブを行う際には、画像の形成を開始するのに先立って、画像情報の補正により、レジストずれを相殺し得るように画像の位置を全体的にシフトさせたり、スキューずれを相殺し得るように画像を本来の姿勢から傾けたりする。そして、補正後の画像情報に基づいてそれぞれの感光体に静電潜像を書き込むことで、重ね合わせずれを低減し得るトナー像を、それぞれの感光体上に形成することができる。
このようにして画像情報を補正する構成において、僅かなスキューずれに起因する重ね合わせずれを次のようにして抑える。即ち、僅かなスキューずれを補正するために、主走査方向(感光体軸線方向)に延在する1画素分の太さの細線画像を僅かに傾ける場合には、僅かに傾けた姿勢の1画素分の太さの細線画像に対して、副走査方向に連続する2つの画素の境界を跨がせる必要がある。細線画像の長手方向において、前記境界をちょうど跨いでいる領域では、細線画像の副走査方向における一部の箇所を一方の画素内に存在させつつ、他の箇所を他方の画素内に存在させる必要がある。そして、それら2つの画素を何れも通常の濃度にしてしまうと、細線画像における2つの画素を跨いでいる箇所を本来よりも太く視認させてしまうことから、細線画像を良好に再現することができなくなってしまう。このため、細線画像の長手方向における全域のうち、副走査方向に並ぶ2つの画素を跨いでいる領域については、それら2つの画素をそれぞれ画素内に位置させる細線箇所の面積に応じた中間調の画像濃度で表現する。これにより、細線画像を本来よりも太く視認させることなく、細線画像を含む画像全体を微妙に傾けることができる。
この画像形成装置では、このようにして僅かなスキューずれに対応させる補正を行った後の画像情報の画素マトリクスにおける個々の画素をそれぞれ、より小さな複数の書込用画素の集合からなるマトリクスである書込用マトリクスに分割する。そして、元の画素における多値の階調を、書込用マトリクスの複数の書込用画素における2値の階調の組み合わせに変換する。例えば、元の画素の「126」という階調値を、書込用マトリクスにおける8個の書込用画素における「0」(濃度なし)というそれぞれの階調値と、他の8個の書込用画素における「1」(濃度あり)というそれぞれの階調値との組み合わせに変換する。そして、「1」という第1階調の書込用画素に対してのみ、書込解像度の大きさのドットを書き込むのである。このようにすることで、画像の微妙なスキューに起因する色ずれを抑えつつ、細線画像の太りを抑えることができる。
ところが、この画像形成装置においては、次のような問題があった。即ち、元の画素における多値の階調を、複数の書込画素における2値の階調の組み合わせに変換する際に、従来のディザマトリクスのように、書込マトリクス内のドット配設パターンとして、多値の階調に応じて予め決定しているパターンを採用したとする。すると、書込用マトリクス内において、ドットを書き込む第1階調の書込用画素を、画像本体から大きく離れた場所に位置させ、且つ、その書込用画素と画像本体との間に、ドットを書き込まない書込用画素を多く介在させてしまうことがある。すると、画像の部分抜けのようなものが視認されてしまう。
本発明は、以上の背景に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、画像の微妙なスキューに起因する重ね合わせずれを抑えつつ、細線画像の太りを抑え、且つ、画像の部分抜けの発生を抑えることができる画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明は、互いに色の異なる複数の画像におけるずれ量を記憶するずれ量記憶手段と、入力された画像データを前記ずれ量に基づいて補正する画像データ補正手段と、前記画像データ補正手段で補正された画像データに基づいて、前記複数の画像形成部を制御する制御手段と、を備える画像形成装置であって、前記制御手段は、前記ずれ量に基づいて、前記画像データ補正手段で補正される前の画像データを構成する複数の画素をそれぞれ中間調の画素に変換した後、前記中間調の画素を、前記画素よりも小さな複数の書込用画素の集合からなるマトリクスに分割し、当該複数の書込用画素のうち、画像濃度がゼロでない第1階調の書込用画素の前記マトリクス内における分布を、前記マトリクスの周囲に存在する画素の階調に基づいて決定する処理を、複数の前記中間調の画素についてそれぞれ実施するものであり、前記複数の前記画像形成部は、それぞれ、前記書込用画素に対応する解像度で画像を形成することを特徴とするものである。
本発明によれば、複数の書込用画素のうち、第1階調の書込用画素と画像との間に介在させる0階調(濃度なし)の書込用画素の数を低減でき、画像の部分抜けの発生を抑えることができる。
一実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図。 同画像形成装置におけるY用の作像ユニットを示す拡大構成図。 同画像形成装置の開閉扉の動作を説明するための部分構成図。 同画像形成装置のY,M,C,K用の感光体と転写ユニットとを、電気回路の一部とともに示す構成図。 位置ずれ検知用パターン像を示す拡大模式図。 同画像形成装置の第1光学センサーを示す拡大構成図。 サンプリング開始時点における各種の基準距離を説明するための模式図。 同画像形成装置の制御装置によって実施されるずれ量データ更新処理における処理フローを示すフローチャート。 制御装置における各種の処理をソフトウエアで実現する場合のソフトを実行するソフト実行部の回路構成を示すブロック図。 実施形態に係る画像形成装置の中間転写ベルト上における各種の領域を説明するための模式図。 同画像形成装置における各種のタイミングの一例を示すタイミングチャート。 同画像形成装置の印刷ジョブ制御部によって実施される制御の処理フローを示すフローチャート。 中間転写ベルトにおけるパターン形成領域の他の例を説明するための模式図。 入力画像(色分解画像データ)の座標系における座標(x,y)(白丸)と、その近傍点(黒丸)との関係を示す模式図。 画像データ補正部に入力される色分解画像データによって表現される細線画像の一例を示す拡大模式図。 座標変換後及び濃度補間後の色分解画像データによって表現される細線画像の一例を示す拡大構成図。 階調変換処理後の色分解画像データに基づいて形成された細線画像中の各ドットを示す拡大模式図。 実施形態に係る画像形成装置に採用されている8個の分布調整マトリクスを示す模式図。 本発明を適用しない場合における第1比較例の細線画像を示す拡大構成図。 実施形態に係る画像形成装置における階調変換処理後の色分解画像データに基づいて形成された細線画像中の各ドットの他の例を示す拡大模式図。 主走査方向の座標系の主走査方向における光書込位置誤差の特性の一例を示すグラフ。 主走査方向の座標系の副走査方向における光書込位置誤差の特性の一例を示すグラフ。 図21に示される特性が温度変化によって変化した状態を示すグラフ。 図23に示される特性が温度変化によって更に変化した状態を示すグラフ。 図22に示される特性が温度変化によって変化した状態を示すグラフ。 図23に示される特性が温度変化によって更に変化した状態を示すグラフ。 第1光学特性(関数f(x))と区分領域と近似直線式との関係を示すグラフ。 第2光学特性(関数g(x))と区分領域と近似直線式との関係を示すグラフ。 第1実施例に係る画像形成装置における光学特性測定処理で形成されるテストチャート画像を示す模式図。 第2実施例に係る画像形成装置の電気回路の一部を示すブロック図。 同画像形成装置の色ずれ補正部に入力される色分解画像データによって表現される細線画像の一例を示す拡大模式図。 座標変換後及び濃度補間後の色分解画像データによって表現される細線画像の一例を示す拡大構成図。 画像データ変換部による階調変換処理が施された後の色分解画像データによって表現される細線画像の一例を示す拡大構成図。 同画像データ変換部によって用いられる8つの分布調整マトリクスを示す模式図。 同画像形成装置の第2補正部によって補正された後の色分解画像データによって表現される細線画像の一例を示す拡大模式図。 第3実施例に係る画像形成装置の電気回路の一部を示すブロック図。 第5実施例に係る画像形成装置の第1補正部が記憶しているディザマトリクスを示す模式図。 同第1補正部によって実施される多値ディザ処理で用いられる、データテーブルを示す模式図。 Case1におけるディザマトリクスの重ね位置を説明するための模式図。 Case1における多値ディザ処理後の各画素を示す模式図。 Case1における中間画素階調処理後の各中間画素を示す模式図。 Case1における階調変換処理後の各書込用画素を示す模式図。 Case2におけるディザマトリクスの重ね位置を説明するための模式図。 Case2における多値ディザ処理後の各画素を示す模式図。 Case2における中間画素階調処理後の各中間画素を示す模式図。 Case2における階調変換処理後の各書込用画素を示す模式図。 Case1で出力される細線と、Case2で出力される細線とを示す模式図。 第1具体例に係る画像形成装置の第1補正部によって用いられるディザマトリクスを示す模式図。 第1具体例に係る画像形成装置のCaseA、B、C、Dにおけるディザマトリクスの重ね位置を説明するための模式図。 CaseA、B、C、D2における多値ディザ処理後の各画素を示す模式図。 CaseA、B、C、D2における階調変換処理後の各書込用画素を示す模式図。 600[dpi]、256階調の斜線画像を中間画素化処理にかけないで階調変換処理によって4800[dpi]、2階調の斜線画像に変化した場合の例を示す模式図。 第2具体例に係る画像形成装置によって中間画素階調処理が施された直後の斜線画像を示す模式図。 同画像形成装置の第2補正部によって用いられる行列の一例を示す模式図。 同第2補正部によって平滑化処理が施された直後の斜線画像を示す模式図。 同第2補正部によって階調変換処理が施された直後の斜線画像を示す模式図。
以下、本発明を適用した画像形成装置として、電子写真方式の画像形成装置の一実施形態について説明する。
まず、本画像形成装置の基本的な構成について説明する。図1は、本画像形成装置を示す概略構成図である。同図において、この画像形成装置は、イエロー、マゼンタ、シアン、黒(以下、Y、M、C、Kと記す)のトナー像を生成するための4つの作像ユニット6Y,M,C,Kを備えている。これらは、色材として、互いに異なる色のトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっており、寿命到達時に交換される。Yトナー像を作像するための作像ユニット6Yを例にすると、これは図2に示されるように、潜像担持体たるドラム状の感光体1Y、ドラムクリーニング装置2Y、除電装置(不図示)、帯電装置4Y、現像器5Y等を有している。作像手段としての作像ユニット6Yは、ユニットの状態で画像形成装置本体に対して脱着される。
帯電装置4Yは、図示しない駆動手段によって図中時計回り方向に回転せしめられる感光体1Yの表面を一様帯電せしめる。一様帯電した感光体1Yの表面は、レーザー光Lによって露光走査されてY用の静電潜像を担持する。このYの静電潜像は、Yトナーと磁性キャリアとを含有するY現像剤を用いる現像器5Yによって現像されてYトナー像になる。そして、後述する中間転写ベルト8上に1次転写される。ドラムクリーニング装置2Yは、1次転写工程を経た後の感光体1Y表面に付着している転写残トナーを除去する。また、上記除電装置は、クリーニング後の感光体1Yの残留電荷を除電する。この除電により、感光体1Yの表面が初期化されて次の画像形成に備えられる。他色の作像ユニット(6M,C,K)においても、同様にして感光体(1M,C,K)上に(M,C,K)トナー像が形成されて、中間転写ベルト8上に重ね合わせて1次転写される。
現像手段としての現像器5Yは、そのケーシングの開口から一部露出させるように配設された現像ロール51Yを有している。また、互いに平行配設された2つの搬送スクリュウ55Y、ドクターブレード52Y、トナー濃度センサー56Yなども有している。
現像器5Yのケーシング内には、磁性キャリアとYトナーとを含む図示しないY現像剤が収容されている。このY現像剤は2つの搬送スクリュウ55Yによって撹拌搬送されて摩擦帯電せしめられながら、現像ロール51Yの表面に担持される。そして、ドクターブレード52Yによってその層厚が規制されてからY用の感光体1Yに対向する現像領域に搬送され、ここで感光体1Y上の静電潜像にYトナーを付着させる。この付着により、感光体1Y上にYトナー像が形成される。現像器5Yにおいて、現像によってYトナーを消費したY現像剤は、現像ロール51Yの回転に伴ってケーシング内に戻される。
2つの搬送スクリュウ55Yの間には仕切壁が設けられている。この仕切壁により、現像ロール51Yや図中右側の搬送スクリュウ55Y等を収容する第1供給部53Yと、図中左側の搬送スクリュウ55Yを収容する第2供給部54Yとがケーシング内で分かれている。図中右側の搬送スクリュウ55Yは、図示しない駆動手段によって回転駆動せしめられ、第1供給部53Y内のY現像剤を図中手前側から奥側へと搬送しながら現像ロール51Yに供給する。図中右側の搬送スクリュウ55Yによって第1供給部53Yの端部付近まで搬送されたY現像剤は、上記仕切壁に設けられた図示しない開口部を通って第2供給部54Y内に進入する。第2供給部54Y内において、図中左側の搬送スクリュウ55Yは、図示しない駆動手段によって回転駆動せしめられ、第1供給部53Yから送られてくるY現像剤を図中右側の搬送スクリュウ55Yとは逆方向に搬送する。図中左側の搬送スクリュウ55Yによって第2供給部54Yの端部付近まで搬送されたY現像剤は、上記仕切壁に設けられたもう一方の開口部(図示せず)を通って第1供給部53Y内に戻る。
透磁率センサーからなる上述のトナー濃度センサー56Yは、第2供給部54Yの底壁に設けられ、その上を通過するY現像剤の透磁率に応じた値の電圧を出力する。トナーと磁性キャリアとを含有する二成分現像剤の透磁率は、トナー濃度と良好な相関を示すため、トナー濃度センサー56YはYトナー濃度に応じた値の電圧を出力することになる。この出力電圧の値は、図示しない制御部に送られる。この制御部は、トナー濃度センサー56Yからの出力電圧の目標値であるY用Vtrefを格納したRAMを備えている。このRAM内には、他の現像器に搭載された図示しないトナー濃度センサーからの出力電圧の目標値であるM用Vtref、C用Vtref、K用Vtrefのデータも格納されている。Y用Vtrefは、後述するY用のトナー搬送装置の駆動制御に用いられる。具体的には、上記制御部は、トナー濃度センサー56Yからの出力電圧の値をY用Vtrefに近づけるように、図示しないY用のトナー搬送装置を駆動制御して第2供給部54Y内にYトナーを補給させる。この補給により、現像器5Y内のY現像剤中のYトナー濃度が所定の範囲内に維持される。他のプロセスユニットの現像器についても、M,C,K用のトナー搬送装置を用いた同様のトナー補給制御が実施される。
先に示した図1において、作像ユニット6Y,M,C,Kの図中下方には、光書込装置7が配設されている。潜像形成手段たる光書込装置7は、画像情報に基づいて発したレーザー光Lにより、作像ユニット6Y,M,C,Kにおけるそれぞれの感光体を光走査する。この光走査により、感光体1Y,M,C,K上にY,M,C,K用の静電潜像が形成される。なお、光書込装置7は、光源から発したレーザー光(L)を、モータによって回転駆動したポリゴンミラーで走査しながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体に照射するものである。
光書込装置7の図中下側には、シート収容カセット26、これらに組み込まれた給送ローラ27など有するシート収容手段が配設されている。シート収容カセット26は、シート状の記録体たる記録シートPを複数枚重ねて収納しており、それぞれの一番上の記録シートPに給送ローラ27を当接させている。給送ローラ27が図示しない駆動手段によって図中反時計回りに回転せしめられると、一番上の記録シートPがシート供給路70に向けて送り出される。
このシート供給路70の末端付近には、レジストローラ対28が配設されている。レジストローラ対28は、記録シートPを挟み込むべく両ローラを回転させているが、挟み込むとすぐに両ローラの回転を一旦停止させる。そして、適切なタイミングで両ローラの回転を再開して記録シートPを後述の2次転写ニップに向けて送り出す。
作像ユニット6Y,M,C,Kの図中上方には、表面無端移動体たる中間転写ベルト8を張架しながら無端移動せしめる転写ユニット15が配設されている。転写ユニット15は、中間転写ベルト8の他、2次転写バイアスローラ19、クリーニング装置10などを備えている。また、4つの1次転写バイアスローラ9Y,M,C,K、駆動ローラ12、クリーニングバックアップローラ13、2次転写ニップ入口ローラ14なども備えている。中間転写ベルト8は、これら7つのローラにそれぞれ掛け回された状態で、駆動ローラ12の回転駆動によって図中反時計回り方向に無端移動せしめられる。
1次転写バイアスローラ9Y,M,C,Kは、このようにして無端移動せしめられる中間転写ベルト8を感光体1Y,M,C,Kとの間に挟み込んでそれぞれ1次転写ニップを形成している。これら1次転写バイアスローラには、トナーとは逆極性(例えばプラス)の1次転写バイアスが印加される。1次転写バイアスローラ9Y,M,C,Kを除くローラは、全て電気的に接地されている。
中間転写ベルト8は、その無端移動に伴ってY,M,C,K用の1次転写ニップを順次通過していく過程で、感光体1Y,M,C,K上のY,M,C,Kトナー像が重ね合わせて1次転写される。これにより、中間転写ベルト8上に4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像という)が形成される。
駆動ローラ12は、接離部材たる2次転写バイアスローラ19との間に中間転写ベルト8を挟み込んで2次転写ニップを形成している。中間転写ベルト8上に形成された4色トナー像は、この2次転写ニップで記録シートPに転写される。そして、記録シートPの白色と相まって、フルカラートナー像となる。
2次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト8には、記録シートPに転写されなかった転写残トナーが付着している。これは、クリーニング装置10によってクリーニングされる。また、2次転写ニップで4色トナー像が一括2次転写された記録シートPは、転写後搬送路71を経由して定着装置20に送られる。
定着装置20は、内部にハロゲンランプ等の発熱源を有する定着ローラ20aと、これに所定の圧力で当接しながら回転する加圧ローラ20bとによって定着ニップを形成している。定着装置20内に送り込まれた記録シートPは、その未定着トナー像担持面を定着ローラ20aに密着させるようにして、定着ニップに挟まれる。そして、加熱や加圧の影響によってトナー像中のトナーが軟化さしめられて、フルカラー画像が定着せしめられる。
定着装置20内でフルカラー画像が定着せしめられた記録シートPは、定着装置20を出た後、排紙路72と反転前搬送路73との分岐点にさしかかる。この分岐点には、第1切替爪75が揺動可能に配設されており、その揺動によって記録シートPの進路を切り替える。具体的には、爪の先端を反転前送路73に近づける方向に動かすことにより、記録シートPの進路を排紙路72に向かう方向にする。また、爪の先端を反転前搬送路73から遠ざける方向に動かすことにより、記録シートPの進路を反転前搬送路73に向かう方向にする。
第1切替爪75によって排紙路72に向かう進路が選択されている場合には、記録シートPは、排紙路72から排紙ローラ対100を経由した後、機外へと配設されて、画像形成装置筺体の上面に設けられたスタック50a上にスタックされる。これに対し、第1切替爪75によって反転前搬送路73に向かう進路が選択されている場合には、記録シートPは反転前搬送路73を経て、反転ローラ対21のニップに進入する。反転ローラ対21は、ローラ間に挟み込んだ記録シートPをスタック部50aに向けて搬送するが、記録シートPの後端をニップに進入させる直前で、ローラを逆回転させる。この逆転により、記録シートPがそれまでとは逆方向に搬送されるようになり、記録シートPの後端側が反転搬送路74内に進入する。
反転搬送路74は、鉛直方向上側から下側に向けて湾曲しながら延在する形状になっており、路内に第1反転搬送ローラ対22、第2反転搬送ローラ対23、第3反転搬送ローラ対24を有している。記録シートPは、これらローラ対のニップを順次通過しながら搬送されることで、その上下を反転させる。上下反転後の記録シートPは、上述のシート供給路70に戻された後、再び2次転写ニップに至る。そして、今度は、画像非担持面を中間転写ベルト8に密着させながら2次転写ニップに進入して、その画像非担持面に中間転写ベルトの第2の4色トナー像が一括2次転写される。この後、転写後搬送路71、定着装置20、排紙路72、排紙ローラ対100を経由して、機外のスタック部50a上にスタックされる。このような反転搬送により、記録シートPの両面にフルカラー画像が形成される。
転写ユニット15と、これよりも上方にあるスタック部50aとの間には、ボトル支持部31が配設されている。このボトル支持部31は、Y,M,C,Kトナーを収容するトナー収容部たるトナーボトル32Y,M,C,Kを搭載している。トナーボトル32Y,M,C,K内のY,M,C,Kトナーは、それぞれ図示しないトナー搬送装置により、作像ユニット6Y,M,C,Kの現像器に適宜補給される。これらのトナーボトル32Y,M,C,Kは、作像ユニット6Y,M,C,Kとは独立して画像形成装置本体に脱着可能である。
反転搬送路74は開閉扉内に形成されており、この開閉扉は、外部カバー61と揺動支持体62とを有している。具体的には、開閉扉の外部カバー61は、画像形成装置本体の筺体50に設けられた第1回動軸59を中心にして回動するように支持されている。この回動により、外部カバー61は、筺体50の図示しない開口を開閉する。また、開閉扉の揺動支持体62は、図3に示されるように、外部カバー61が開かれることで外部に露出し、外部カバー61に設けられた第2回動軸63を中心にして回動するように外部カバーに支持されている。この回動により、筺体50から開かれた状態にある外部カバー61に対して、揺動支持体62が揺動して、外部カバー61と揺動支持体62とが分かれることで、反転搬送路74が露出する。このようにして反転搬送路74が露出することで、反転搬送路74内のジャムシートが容易に取り除かれる。
温度変動などにより、光書込装置7における光学系部品に伸縮が発生するなどにより、感光体1Y,M,C,Kに対する潜像書込位置が副走査方向(感光体やベルトの表面移動方向)で相対的にずれてしまうと、各色トナー像の副走査方向の位置が各感光体間で相対的にずれる。このレジストずれにより、各色トナー像の重ね合わせずれによる色ずれが発生して画像の色調を乱してしまう。
図4は、感光体1Y,M,C,Kと転写ユニット15とを、電気回路の一部とともに示す構成図である。本画像形成装置は、パターン画像データ生成部201、画像パス切替部202、画像データ補正部203、ずれ量記憶部204、書込制御部205、ずれ量演算部212、印刷ジョブ制御部213、検知信号生成部218等からなる制御手段としての制御装置を備えている。
パターン画像データ生成部1は、テストパターン出力指示信号(後述する)を受信すると、後述される位置ずれ検知用パターン像を形成するためのパターン画像データを画像パス切替部202に送信する。
画像パス切換部202は、図示しないパーソナルコンピュータやスキャナなどの外部機器から送られてくるカラー画像データと、パターン画像データ生成部201から送られてくるパターン画像データとを切り換えて出力するものである。受け取った画像データをそのまま転送するのではなく、Y,M,C,Kの色分解画像データに分解して出力する。
画像パス切換部202から画像データ補正部203に送られたY,M,C,Kの色分解画像データが、外部機器から送られてきたカラー画像データに由来するものであったとする。この場合、画像データ補正部203は、それら色分解画像データに対して、後述するレジストずれやスキューずれを低減するための画像情報補正処理を施した後、補正後のY,M,C,Kの色分解画像データを書込制御部205に出力する。画像情報情報補正処理は、後述するずれ量記憶部204に記憶されているレジストずれ量やスキューずれ量のデータに基づいて行われる。一方、Y,M,C,Kの色分解画像データが、パターン画像データに由来するものであったとする。この場合、画像データ補正部203は、それら色分解画像データを補正することなく書込制御部205に出力する。
光書込装置7は、Y,M,C,K用のレーザー光をそれぞれ主走査方向の一端位置で個別に検知したタイミングで、Y,M,C,K用の主走査同期信号を生成して書込制御部205に出力する同期信号生成部を有している。
印刷ジョブ制御部213は、各ページの画像形成の開始や、テストパターン画像の形成の開始を指示するための印刷ジョブ開始指示信号を書込制御部205に出力する。なお、本稿では、記録シート1枚分の画像を出力するための動作や、テストパターン画像を出力するための動作を、印刷ジョブと称している。
光書込装置7は、印刷ジョブ制御部213から送られてくる印刷ジョブ開始指示信号の受信タイミングを基準とし、各感光体間の距離と中間転写ベルト8の線速とによって決まる各色間の書込タイムラグに基づいて、Y,M,C,K用の副走査同期信号を生成する図示しない同期信号生成回路を具備している。また、図示しない画素クロックを生成する画素クロック生成回路も具備している。そして、Y,M,C,K用の感光体1Y,M,C,Kに対してそれぞれ、主走査方向に延びる画素ラインに対する光書込を次のようにして行う。即ち、画素クロックを基準として、主走査同期信号と副走査同期信号とに同期するタイミングで、画素クロックを基準としたレーザーダイオードの変調信号を生成して、画素ラインにおけるドット書込が必要な画素に対してドットを光書込する。このような光書込により、Y,M,C,K用の感光体1Y,M,C,Kにはそれぞれ、カラー画像を形成するための静電潜像や、テストパターン画像を形成するための静電潜像が書き込まれる。
制御装置は、所定の定期的なタイミングでずれ量データ更新処理を実施するようになっている。このずれ量データ更新処理では、図5に示される位置ずれ検知用パターン像を、中間転写ベルト(8)の幅方向における一端部、中央部、他端部にそれぞれ形成する。位置ずれ検知用パターン像は、それぞれ副走査方向に所定の間隔で並ぶ第1位置検知用画像I1C,I1K,I1Y,I1Mと、それらに続く位置で副走査方向に所定の間隔で並ぶ第2位置検知用画像I2C,I2K,I2Y,I2Mとを具備している。図中矢印x方向は主走査方向(感光体軸線方向)である。また、図中矢印y方向は副走査方向(感光体表面移動方向)である。第1位置検知用画像I1C,I1K,I1Y,I1Mはそれぞれ主走査方向xに延在する姿勢で形成されるのに対し、第2位置検知用画像I2C,I2K,I2Y,I2Mはそれぞれ主走査方向xから45[°]傾いた姿勢で形成される。このような位置ずれ検知用パターン像が、図示しない中間転写ベルト(8)の幅方向(主走査方向と同じ)の一端部、中央部、他端部にそれぞれ形成されるのである。
先に示した図4において、中間転写ベルト8の周方向における全域のうち、駆動ローラ12に対する掛け回し位置を通過した後、押圧ローラ11による押圧位置に進入する前の領域のおもて面(ループ外面)には、光学センサーユニット150が所定の間隙を介して対向している。この光学センサーユニット150は、中間転写ベルト8の幅方向の一端部に対向する第1光学センサーと、中央部に対向する第2光学センサーと、他端部に対向する第3光学センサーとを有している。
図6は、第1光学センサー150aを示す拡大構成図である。第1光学センサー150aは、中間転写ベルト8のおもて面に向けて光を発する発光部151aと、ベルトおもて面で反射した反射光を受光して受光量に応じた信号を出力する受光部152aとを有している。中間転写ベルト8のおもて面のうち、位置検知用画像が形成されていない領域、即ち、トナーが付着していない領域では、比較的多くの反射光が得られる。これに対し、位置検知用画像が形成されている領域、即ち、トナーが付着している領域では、得られる反射光の量が減少する。このように反射光量が減少することに基づいて、位置検知用画像が検知される。
第1光学センサー150aについて説明したが、第2光学センサーや第3光学センサーも、第1光学センサー150aと同様の構成になっている。それぞれの光学センサーの受光部からの信号は、検知信号生成部218に送られる。検知信号生成部218は、受光部から送られてきたアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換回路を具備しており、デジタル変換後の値が所定の閾値を下回ったことに基づいて、位置検知用画像を検知する。そして、直ちに検知信号をずれ量演算部212に出力する。
各色の画像の位置ずれとしては、基準色であるKトナー像に対して、Y,M,Cトナー像の姿勢が傾いてしまうことによるスキューずれ、Kトナー像の形成位置に対して、Y,M,C,Kトナー像の形成位置が全体的に副走査方向にずれてしまうレジストずれ、主走査方向の全体倍率誤差によるずれ、主走査方向のレジストずれなどが挙げられる。なお、位置ずれ検知用パターン像の各位置検知用画像を検知したタイミングに基づいて、前述した各ずれの量を算出する方法は、例えば、特許第3773884号に詳しく開示されているので、本稿では詳細な説明を省略する。
先に示した図5において、Lckは、C第1位置検知用画像I1Cと、K第1位置検知用画像I1Kとの距離であるCK距離を表す符号である。同図には示されていないが、以下、K第1位置検知用画像I1Kと、Y第1位置検知用画像I1Yとの距離を、KY距離Lkyという。また、K第1位置検知用画像I1Kと、M第1位置検知用画像との距離を、KM距離Lkmという。
kkは、K第1位置検知用画像I1Kと、K第2位置検知用画像I2Kとの距離であるKK距離を表す符号である。また、Lccは、C第1位置検知用画像I1Cと、C第2位置検知用画像I2Cとの距離であるCC距離を表す符号である。同図には示されていないが、以下、Y第1位置検知用画像I1Yと、Y第2位置検知用画像I2Yとの距離をYY距離Lyyという。また、M第1位置検知用画像I1Mと、M第2位置検知用画像I2Mとの距離をMM距離Lmmという。
ずれ量演算部212は、検知信号生成部218から各種の位置検知用画像についての検知信号が送られてくるタイミングに基づいて、CK距離Lck、KY距離Lky、KM距離Lkm、CC距離Lcc、KK距離Lkk、YY距離Lyy、MM距離Lmmをそれぞれ算出する。
以下、CK距離Lckの設計上の値を第1基準距離L1refという。KY距離Lkyの設計上の値もCK距離Lckと同様に第1基準距離L1refである。また、KM距離Lkmの設計上の値は、第1基準距離L1refの2倍である。
なお、以下、各種の距離の符号に「_a」という添字を付した場合には、上述した3つの光学センサーのうち、ベルト幅方向の一端位置に配設された第1光学センサー150aに検知される画像に関連する数字であることを表すものとする。また、各種の距離の符号に「_b」という添字を付した場合には、上述した3つの光学センサーのうち、ベルト幅方向の中央位置に配設された第2光学センサーに検知される画像に関連する数字であることを表すものとする。また、各種の距離の符号に「_c」という添字を付した場合には、上述した3つの光学センサーのうち、ベルト幅方向の他端位置に配設された第3光学センサーに検知される画像に関連する数字であることを表すものとする。
CのKに対するスキューずれdについては、
「d=(Lck_c−Lck_a)/Lac」という数式によって求めることができる。なお、Lacは、ベルト幅方向における第1光学センサーと第3光学センサーとの距離であるセンサー間距離を表している。
また、YのKに対するスキューずれdについては、
「d=(Lky_c−Lky_a)/Lac」という数式によって求めることができる。
また、MのKに対するスキューずれdについては、
「d=(Lkm_c−Lkm_a)/Lac」という数式によって求めることができる。
CのKに対するレジストずれfについては、
「f={(0.25Lck_a+0.5Lck_b+0.25Lck_c)−L1ref}κ」という数式によって求めることができる。なお、κは距離の単位である[mm]を画素の単位である[dot]に変換する係数で、例えば1200[dpi]の改造であるならばκは、1200を25.4で除算した値である。
また、YのKに対するレジストずれfについては、
「f={(0.25Lky_a+0.5Lky_b+0.25Lky_c)−L1ref}κ」という数式によって求めることができる。
また、MのKに対するレジストずれfについては、
「f={(0.25Lkm_a+0.5Lkm_b+0.25Lkm_c)−2L1ref}κ」という数式によって求めることができる。
なお、光学センサーをベルト幅方向の両端部付近にそれぞれ設けるだけで、中央部に設けない場合には、第2光学センサーに関連する距離を省く代わりに、第1光学センサーや第3光学センサーに関連する距離の係数を0.25から0.5に変更すればよい。
例えば、CのKに対するレジストずれfについては、
「f={(0.5Lck_a+0.5Lck_c)−L1ref}κ」という数式によって求めることができる。
CのKに対する主走査方向の全体倍率誤差ずれaについては、
「a={(Lcc_c−Lkk_c)−(Lcc_a−Lkk_a)}/Lac」という数式によって求めることができる。
また、YのKに対する主走査方向の全体倍率誤差ずれaについては、
「a={(Lyy_c−Lkk_c)−(Lyy_a−Lkk_a)}/Lac」という数式によって求めることができる。
また、MのKに対する主走査方向の全体倍率誤差ずれaについては、
「a={(Lmm_c−Lkk_c)−(Lmm_a−Lkk_a)}/Lac」という数式によって求めることができる。
CのKに対する主走査方向のレジストずれcについては、
「c={(Lcc_a−Lkk_a)−Lbd×a}κ」という数式によって求めることができる。なお、Lbdは、主走査同期信号を検知する検知部と第1光学センサーとの主走査方向における距離を表している。「Lbd×a」項は主走査方向において走査光が前記検知部から第1光学センサーの位置まで移動する期間での主走査方向の全体倍率誤差によって生じる位置ずれである。
また、YのKに対する主走査方向のレジストずれcについては、
「c={(Lyy_a−Lkk_a)−Lbd×a}κ」という数式によって求めることができる。
また、MのKに対する主走査方向のレジストずれcについては、
「c={(Lmm_a−Lkk_a)−Lbd×a}κ」という数式によって求めることができる。
図7は、サンプリング開始時点における各種の基準距離を説明するための模式図である。制御装置は、ユニット間位置ずれ検知用パターン像の形成のためにY用の感光体1Yに対する光書込を開始した後、所定の時間が経過した時点で、パターン内における各種の位置検知用画像の検知タイミングについてサンプリングを開始する。このサンプリング開始時点では、図示のように、ユニット間位置ずれ検知用パターン像は光学センサー(図示の例では第1光学センサー150a)よりもベルト移動方向上流側に存在している。
同図において、C第1基準距離Lsc1は、C用の感光体1Cにおける1回転あたりの周期位置ずれや各種のずれ量が全くない場合における光学センサーと、C第1位置検知用画像I1Cとの距離である。K第1基準距離Lsk1、Y第1基準距離Lsy1、M第1基準距離Lsm1も、同様に、感光体1回転あたりの周期位置ずれが全くない場合における光学センサーと、K第1位置検知用画像I1K、Y第1位置検知用画像I1Y、M第1位置検知用画像I1Mとの距離である。以下、これらに対し、実測した距離を、C第1実測値Lsc1’、K第1実測値Lsk1’、Y第1実測値Lsy1’、M第1実測値Lsm1’という。
また、C第2基準距離Lsc2は、C用の感光体1Cにおける1回転あたりの周期位置ずれや各種のずれ量が全くない場合における光学センサーと、C第2位置検知用画像I2Cとの距離である。K第2基準距離Lsk2、Y第2基準距離Lsy2、M第2基準距離Lsm2も、同様に、感光体1回転あたりの周期位置ずれが全くない場合における光学センサーと、K第2位置検知用画像I2K、Y第2位置検知用画像I2Y、M第2位置検知用画像I2Mとの距離である。以下、これらに対し、実測した距離を、C第2実測値Lsc2’、K第2実測値Lsk2’、Y第2実測値Lsy2’、M第2実測値Lsm2’という。
また、以下、サンプリング開始時点から、C第1位置検知用画像I1C,K第1位置検知用画像I1K,Y第1位置検知用画像I1Y,M第1位置検知用画像I1Mが光学センサー(図示の例では第1光学センサー150a)によって検知されるまでの時間を、C第1時間t1c、K第1時間t1k、Y第1時間t1y、M第1時間t1mという。また、サンプリング開始時点から、C第2位置検知用画像I2C,K第2位置検知用画像I2K、Y第2位置検知用画像I2Y、M第2位置検知用画像I2Mが光学センサーによって検知されるまでの時間を、C第2時間t2c、K第2時間t2k、Y第2時間t2y,M第2時間t2mという。サンプリングとは、具体的には、これらの時間を計時することを意味する。
ずれ量演算部212は、サンプリングが終了したら、各種のずれ量を演算するにあたり、まず、C第1実測値Lsc1’、K第1実測値Lsk1’、Y第1実測値Lsy1’、M第1実測値Lsm1’C第2実測値Lsc2’、K第2実測値Lsk2’、Y第2実測値Lsy2’、M第2実測値Lsm2’を算出する。例えば、C第1実測値Lsc1’については、次の数式によって算出する。
「C第1実測値Lsc1’=C第1時間t1c×ベルト線速vb」という数式である。
K,Y,Mについても同様にして、
「Lsk1’=t1k×vb」、
「Lsy1’=t1y×vb」、
「Lsm1’=t1m×vb」という数式により、K第1実測値Lsk1、Y第1実測値Lsy1、M第1実測値Lsm1を算出する。
次に、ずれ量演算部212は、C第2実測値Lsc2’を次の数式によって算出する。
「C第2実測値Lsc2’=C第2時間t2c×ベルト線速vb」という数式である。
K,Y,Mについても同様にして、
「Lsk2’=t2k×vb」、
「Lsy2’=t2y×vb」、
「Lsm2’=t2m×vb」という数式により、K第2実測値Lsk2、Y第2実測値Lsy2、M第2実測値Lsm2を算出する。
このようにして各種の実測値を算出したら、次に、それらの算出結果に基づいて、上述したCK距離Lck、KY距離Lky、KM距離Lkm、CC距離Lcc、KK距離Lkk、YY距離Lyy、MM距離Lmm(何れも図5参照)をそれぞれ算出する。
具体的には、CK距離Lckについては、
「CK距離Lck=K第1実測値Lsk1’−C第1実測値Lsc1’」という数式によって算出する。
同様にして、
「Lky=Lsy1’−Lsk1’」、
「Lkm=Lsm1’−Lsk1’」という数式により、KY距離Lky、KM距離Lkmを算出する。
また、CC距離Lccについては、
「CC距離Lcc=C第2実測値Lsc2’−C第1実測値Lsc1’」という数式によって算出する。
同様にして、
「Lkk=Lsk2’−Lsk1’」、
「Lyy=Lsy2’−Lsy1’」、
「Lmm=Lsm2’−Lsm1’」、という数式により、KK距離Lkk、YY距離Lyy、MM距離Lmmを算出する。
算出したCK距離Lck、KY距離Lky、KM距離Lkm、CC距離Lcc、KK距離Lkk、YY距離Lyy、MM距離Lmmに基づいて各種のずれ量を求める方法については、既に述べた通りである。
本画像形成装置においては、各色の重ね合わせずれを、光学系ミラーの面倒れ補正などの機械的手法によって補正するのではなく、画像情報補正処理によって補正する。画像情報補正処理では、ずれ量記憶部204に記憶されている各種のずれ量のデータに基づいて、それらずれ量を相殺し得るように画像の形状や位置を補正する。位置ずれ検知用パターン像における各種の位置検知用画像を検知したタイミングに基づいて検出される各種のずれ量は、ずれ量記憶部204に記憶されている各種のずれ量を補正するための画像情報補正処理を実施してもなお、新たに発生してしまったものである。つまり、ずれ変動量である。本画像形成装置のように、画像情報補正処理によって各色の重ね合わせずれを補正する構成では、検出されたずれ変動量を、ずれ量記憶部204に記憶されている各種のずれ量に加算することによって、各種のずれ量の更新を行う。
画像データ補正部203は、各種のずれ量に基づいて、Y,M,C,Kの色分解画像データを補正して、各種のずれを低減した画像を形成し得るY,M,C,Kの色分解画像データにする。以下、画像データ補正部203に入力される色分解画像データの各画素の座標系を(x,y)と表す。また、画像データ補正部203によって補正された色分解画像データの各画素の座標系を(x’,y’)と表す。また、中間転写ベルト8上に転写された画像の各画素の座標系を(x",y")と表す。
C,Y,MのKに対する各種のずれ量の各成分に基づいて、書込制御部208よりも処理フローの下流側で生じるずれは、それぞれ次の座標変換式によって表される。
Figure 2013066153
この数式における行列Aは、次の数式によって求めることができる。
Figure 2013066153
なお、全体倍率誤差ずれa,a,aは、主走査方向の全体倍率誤差に起因するものであり、主走査方向の全体倍率a',a',a'は、1+a,1+a,1+aとなる。画像データ補正部203は、各色毎に各種のずれ量を参照しながら、数1の数式における行列A(以下、色ずれ変換行列ともいう)の逆行列A−1(以下、色ずれ補正行列ともいう)を求めて、次のような座標変換を行う。
Figure 2013066153
Figure 2013066153
Figure 2013066153
これにより、オリジナルのY,M,C,K色分解画像データを、中間転写ベルト8で各種のずれを低減することができるY,M,C,K画像を形成するためのY,M,C,K色分解画像データに補正する。
図8は、ずれ量データ更新処理における処理フローを示すフローチャートである。この処理フローが実施される前提として、ずれ量記憶部204には、既に各種のずれ量(レジストずれ量、スキューずれ量など)のデータが記憶されている。ずれ量の初期設定は、後述する補正値の初期設定とともに、出荷前の段階でなされている。制御装置は、まず、連続プリントジョブ中の所定枚数出力毎など、ずれ量データ更新処理の実施トリガーとなる定期タイミングについて到来したか否かを判定する(ステップ1:以下、ステップをSと記す)。そして、定期タイミングが到来した場合にのみ(S1でY)、S2以降のフローを実施する。
定期タイミングが到来すると、まず、位置ずれ検知用パターン像を形成する(S2)。このとき、位置ずれ検知用パターン像の各種の位置検知用画像については、ずれ量記憶部204内に記憶されている各種のずれ量のデータに基づいて画像データ補正部203によって補正したY,M,C,K色分解画像データを用いて形成する。位置ずれ検知用パターン像を形成すると、パターン内の各種の位置検知用画像を光学センサーによって検知したタイミングをサンプリングした後(S3)、サンプリング結果に基づいて、各種のずれ変動量(d,d,d,f,f,f,a,a,a,c,c,c)を算出する(S4)。基本的には、ずれ量記憶部204内に記憶されている各種のずれ量のデータをそれぞれずれ変動量の加算によって更新すればよいが、1つの位置ずれ検知用パターン像に基づいて算出したずれ量には、光学センサーの読み取り誤差(ノイズ)などが含まれることがあるので、単純に加算するだけだと不適切な値にしてしまうおそれがある。
そこで、ずれ量を更新する際には(S5、S6)、ノイズを制限するために、例えば、全体倍率誤差ずれa,a,aであれば、次のような数式によって補正を行う。
「a(n)=a(n−1)+K×△a(n)
この数式において、a(n)は、更新後の全体倍率誤差ずれ(a,a,a)である。また、a(n−1)は、ずれ量記憶部204内に記憶されているのデータである。また、△a(n)は、位置ずれ検知用パターン像を光学センサーによって検知した結果に基づいて検出された新たな全体倍率誤差ずれ(ずれ変動量)である。このように、ずれ変動量(△a(n))に所定の係数Kを乗じた値の加算により、ノイズを制限することができる。
前述した数式に代えて、次の数式のように、いわゆる比例積分型(PI)制御によって全体倍率誤差ずれ(a,a,a)を更新してもよい。
「a(n)=a(n−1)+K×Δa(n)+K×ΣΔa(n)
この数式において、ΣΔa(n)は1〜nまでのずれ変動量Δa(n)の積算値である。また、Kは比例ゲイン係数である。また、Kは積分ゲイン係数である。比例ゲイン係数Kと積分ゲイン係数Kとによって制御帯域が決まり、その制御帯域よりも高周波成分のノイズが制限される。こうすることで、複数組の位置ずれ検知用パターン像を形成し、これらの平均値を求める必要がなくなり、1組の短い位置ずれ検知用パターン像でも精度良くずれ量を求めることができる。また、前述の制御帯域以下の変動に対して追従させたずれ量が求めることができる。さらには、ずれ変動量Δa(n)の積算値も反映しているので、定常誤差を低減することもできる。ずれ量データ更新処理では、温度変化などによる緩やかな変動に対して追従させるようにずれ量を求めればよいので、例えばサンプリング周期を数秒オーダーとすれば、制御帯域はサンプリング周期の数十分の1〜数百分の1でよく、このようになるように比例ゲイン係数Kや積分ゲイン係数Kを決めればよい。
なお、全体倍率誤差ずれ(a,a,a)と、スキューずれ(d,d,d)と、副走査方向レジストずれ(f,f,f)と、主走査方向のレジストずれ(c,c,c)とで要求される制御帯域が異なるのであれば(例えば温度変化に敏感な種類のずれがあれば)、それぞれのずれで比例ゲイン係数Kや積分ゲイン係数Kを異ならせてもよい。
全体倍率誤差ずれ(a,a,a)について説明したが、スキューずれ(d,d,d)、副走査方向レジストずれ(f,f,f)、主走査方向のレジストずれ(c,c,c)についても、同様にして、ずれ量記憶部204内のデータを更新する。
ずれ量算出部212、ずれ量記憶部204、検知信号生成部218、印刷ジョブ制御部213を、ハードウエア構成としてではなく、ソフトウエアで実現してもよい。図9は、ソフトウエアで実現する場合のソフトを実行するソフト実行部の回路構成を示すブロック図である。作像ユニットなどの動作タイミングの制御を行うエンジンコントローラの回路構成を利用してもよい。
同図において、A/D変換器240は、各種のセンサーからの信号をアナログ信号からデジタル信号に変換した後、I/Oポート244に出力する。I/Oポート244に直接出力するのではなく、フィルタ処理などの信号処理を行う図示しない信号処理部やバッファメモリなどを介して出力してもよい。
I/Oポート244は、A/D変換器240、CPU241、外部機器などと接続され、CPU241との信号のやり取りを行う。印刷要求信号の入力や印刷ジョブ開始指示信号の発行、画像データ補正部203への各種ずれ量の転送などは、このI/Oポート244を介して行われる。
CPU241は、I/Oポート244を介して外部と信号の交信をしながら、各種のずれ量の演算や印刷ジョブ開始制御などを実行する。また、メモリバス245を介してRAM242やROM243に対するデータ読み書き処理を実施する。ROM234内には、各種のずれ量を演算するためのプログラムや、各種制御プログラムが格納されている。
図10は、実施形態に係る画像形成装置の中間転写ベルト8上における各種の領域を説明するための模式図である。同図において、第1シート対応領域Ap1は、中間転写ベルト8の全域のうち、連続プリントジョブにおける1枚目の記録シートに対応する領域(2次転写ニップで記録シートに密着する領域)である。また、第2シート対応領域Ap2は、第3シート対応領域Ap3、第4シート対応領域Ap4は、中間転写ベルト8の全域のうち、連続プリントジョブにおける2、3、4枚目の記録シートに対応する領域である。先行するシート対応領域と、後続のシート対応領域との間には、シート間対応領域が存在している。このシート間対応領域は、ベルト移動方向において、2次転写ニップで記録シートに密着しない領域である。
同図においては、中間転写ベルト8上におけるシート対応領域とシート間対応領域とについて説明したが、Y,M,C,K用の感光体(1Y,M,C,K)の表面上においても、同様のシート対応領域やシート間対応領域が存在する。制御装置は、第1光学センサー150aによって検知されるユニット間位置ずれ検知用パターン像Ipp、第2光学センサー150bによって検知されるユニット間位置ずれ検知用パターン像Ipp、第3光学センサー150cによって検知されるユニット間位置ずれ検知用パターン像Ippをそれぞれ、感光体の表面における次のような領域に形成する。即ち、シート間対応領域であって、且つ、主走査方向(感光体軸線方向)においてシート対応領域と同じ位置範囲内の領域である。
図10においては、第1シート対応領域(ベルト上ではAp1)と第2シート対応領域(ベルト上ではAp2)との間のシート間対応領域(以下、1−2シート間対応領域という)に3つのユニット間位置ずれ検知用パターン像Ippを形成した例を示している。同図において、第2シート対応領域(ベルト上ではAp2)と第3シート対応領域(ベルト上ではAp3)との間のシート間対応領域(以下、2−3シート間対応領域という)には、ユニット間位置ずれ検知用パターン像Ippは形成されていない。ユニット間位置ずれ検知用パターン像Ippが形成された1−2シート間対応領域と、ユニット間位置ずれ検知用パターン像Ippが形成されていない2−3シート間対応領域とを比較すると、前者の方が後者に比べて副走査方向の長さが大きくなっている。通常のシート間対応領域の長さでは、ユニット間位置ずれ検知用パターン像Ippが収まりきれないからである。
制御装置は、ユニット間位置ずれ検知用パターン像Ippを形成するか否かを、次のようにして決定している。即ち、まず、ずれ量データ更新処理の実施の必要性について判定する。具体的には、連続プリントジョブにおいて、ずれ量データ更新処理を前回実施してからの連続プリント枚数が閾値を超える場合に、ずれ量データ更新処理の実施の必要ありと判定する。この判定は、実際に記録シートに画像を転写するときの枚数ではなく、画像データ補正部203によって画像データを補正するときのタイミングで行われる。つまり、画像データ補正部203は、補正対象となる色分解画像データのページについて、連続プリントが閾値を超えるページであるか否かを判定するのである。そして、閾値を超えるページである場合には、そのページと、それに続くページとの間のシート間対応領域を通常よりも大きくした上で、そのシート間対応領域に3つのユニット間位置ずれ検知用パターン像Ippを形成するための画像データ処理を実施する。
図11は、実施形態に係る画像形成装置における各種のタイミングの一例を示すタイミングチャートである。同図における下向きの矢印は、印刷ジョブ開始タイミングを示している。1行目のチャートにおいて、TP1、TP2は、副走査方向において、1つ目のユニット間位置ずれ検知用パターン像の印刷ジョブ開始タイミング、2つ目のユニット間位置ずれ検知用パターン像の印刷ジョブ開始タイミングを表している。何れも、トリガータイミングである。なお、○で囲まれている数字は、ページ数を表しており、この数字の位置で立ち上がっている信号は、ページ対応領域へのジョブの実施時間を表している。
2行目のチャート(Y)は、Y用の1次転写ニップにおけるジョブタイミングを示している。印刷ジョブ開始信号が生成されてから、タイムラグTdyの後に、1つ目のユニット間位置ずれ検知用パターン像のY第1位置検知用画像I1YがY用の1次転写ニップで中間転写ベルト8に転写され始める。
3行目のチャート(M)は、M用の1次転写ニップにおけるジョブタイミングを示している。印刷ジョブ開始信号が生成されてから、タイムラグTdmの後に、1つ目のユニット間位置ずれ検知用パターン像のM第1位置検知用画像I1MがM用の1次転写ニップで中間転写ベルト8に転写され始める。
4行目のチャート(C)は、C用の1次転写ニップにおけるジョブタイミングを示している。印刷ジョブ開始信号が生成されてから、タイムラグTdcの後に、1つ目のユニット間位置ずれ検知用パターン像のC第1位置検知用画像I1CがC用の1次転写ニップで中間転写ベルト8に転写され始める。
5行目のチャート(K)は、K用の1次転写ニップにおけるジョブタイミングを示している。印刷ジョブ開始信号が生成されてから、タイムラグTdkの後に、1つ目のユニット間位置ずれ検知用パターン像のK第1位置検知用画像I1KがK用の1次転写ニップで中間転写ベルト8に転写され始める。
6行目のチャートは、光学センサー(150a,150b,150c)による画像検知のジョブタイミングを示している。ジョブ開始タイミングは、Y用の1次転写ニップの中心から光学センサーの直下までのベルト移動距離に応じたタイミングになる。ジョブタイミング及びその付近以外では、各光学センサーの発光部の発光をオフにしておくと、省電力化を図ることができる。
7行目のチャートは、光学センサーによる位置ずれ検出用パターン像の検知が完了するタイミング(検知完了タイミング)を表したものである。印刷ジョブ開始タイミングにからのタイムラグTdsは、タイムラグTdyと、前記ベルト移動距離の移動に要する時間との合計に相当する。検知完了タイミングの後、各種のずれ量の演算に必要な時間τが経過した後、ずれ量記憶部204内における各種のずれ量のデータが演算後の値に更新される。この更新タイミングの後に発生する印刷ジョブ(同図の例では1行目のTp2以降)に対して、更新後のずれ量のデータが参照される。タイムラグTdsにずれ量の演算に必要な時間τを加えたものが、ユニット間位置ずれ検知用パターン像の印刷ジョブ開始タイミングからずれ量データ更新までの時間となり、迅速なデータ更新の妨げになる時間となる(以下、無駄時間という)。同図においてユニット間位置ずれ検知用パターン像の形成時間間隔Tsは、1つ目のユニット間位置ずれ検知用パターン像を検知してずれ量データ更新処理を終えた後、次のずれ量データ更新処理について必要と判断されたタイミングの後の基準姿勢タイミングまでの時間と同じ長さになっている(以下、その長さをパターン間隔基準時間という)。即ち、同図では、繰り越しが発生していない例を示している。本画像形成装置においては、前述のパターン間隔基準時間を無駄時間より長く設定している。
各種のずれ量の経時的変動は温度変化が主因となるので、比較的遅く(緩やかに)変化する。例えば数分のオーダーで変化していく。その変化速度に対して、パターン間隔基準時間を短くすればよいので、例えばパターン間隔基準時間を数秒に設定した場合には、毎分60枚の印刷ができる画像形成装置において数枚プリント毎にユニット間位置ずれ検知用パターン像を形成することになる。
8行目のチャートは、二次転写ニップにおける2次転写のジョブタイミングを示している。ユニット間位置ずれ検知用パターン像は、ベルトおもて面に保持されたままの状態で2次転写ニップを通過する。このようにするために、ユニット間位置ずれ検知用パターン像を2次転写ニップに進入させているタイミングでは、2次転写バイアスの印加が中止される。
図12は、印刷ジョブ制御部213によって実施される制御の処理フローを示すフローチャートである。印刷ジョブ制御部213は、まず、位置ずれ検知用パターン像の形成要求についてその有無を判定する(S11)、そして形成要求がある場合には(S11でY)、印刷ジョブ開始指示信号と、テストパターン出力指示信号とを発信する。これにより、ずれ量データ更新処理が開始されて、位置ずれ検知用パターン像が形成される。その後、位置ずれ検知用パターン像の出力に要する時間に相当する時間(図11におけるTtp)だけ待機し、その間、他の印刷ジョブが行われないようにする(S13)。待機が終わると、制御フローを上記S11にループさせる。
位置ずれ検知用パターン像の形成要求がない場合には(S11でN)、通常のプリントジョブに関する印刷要求の有無を判定する(S14)。そして、印刷要求がない場合には(S14でN)、制御フローを上記S11にループさせる。これに対し、印刷要求がある場合には(S14でY)、印刷ジョブ開始指示信号の発信と、画像データ転送要求信号の発信とを行う(S15)。その後、画像データの出力時間に相当する時間(図11におけるTprint:印刷する記録シートのサイズにより異なる)だけ待機して、その間、他の印刷ジョブが行われないようにする(S16)。待機が終わると、制御フローを上記S11にループさせる。
なお、位置ずれ検知用パターン像の形成要求については、図示の処理フローとは別の処理フローにより、印刷ジョブ制御部213が実施する。この処理フローでは、前回のずれ量更新処理実施からの経過時間が所定の閾値を上回ったことに基づいて、形成要求信号を発信する。以上のような処理フローにより、位置ずれ検知用パターン像を画像領域と重ねることなく、中間転写ベルト8上に定期的に形成することができる。
また、位置ずれ検知用パターン像を中間転写ベルト8におけるシート間対応領域に形成する例について説明したが、例えば、図13に示されるように、シート間対応領域とは異なる領域に形成してもよい。図13に示される例では、ユニット間位置ずれ検知用パターン像Ippを、主走査方向における全域のうち、記録シートに対応しないベルト両端部(感光体上では感光体軸線方向両端部)にそれぞれ形成する。それらベルト両端部のユニット間位置ずれ検知用パターン像Ippをそれぞれ検知するように、第1光学センサー150aと、第3光学センサー150cとが配設されている。なお、この例では、第2光学センサーが省かれている。
主走査方向において、記録シートに対応しない位置は、シート対応領域のベルト幅方向の両脇にも存在するので、シート対応領域の潜像を光書込しているときでも、ユニット間位置ずれ検知用パターン像Ippの位置検知用画像の光書込を行うことが可能である。よって、本画像形成装置においては、パターン間隔基準時間と同じ時間間隔でユニット間位置ずれ検知用パターン像Ippを確実に形成して、形成の繰り越しの発生を回避することができる。
次に、実施形態に係る画像形成装置の特徴的な構成について説明する。
本画像形成装置においては、パーソナルコンピュータにインストールされるプリンタドライバーの機能により、600[dpi]の解像度で、且つ個々の画素を8ビットの階調(256階調)で表現した画像情報を取得する。
画像データ補正部203は、入力されたY,M,C,Kの色分解画像データを、上述した座標変換により、入力と同じ600[dpi]の解像度で、且つ個々の画素を8ビットの階調で表現したものに補正する。このとき、補正後の各画素の濃度については、入力画像における対応する座標変換位置の周囲画素に基づいて補間(例えばバイリニア補間やバイキュービック補間)する。これにより、補正後のY,M,C,Kの色分解画像データについてそれぞれ、細線画像を構成する複数の画素の一部を中間調の画素にする。つまり、補間によって中間調化処理を実施するのである。
例えば、バイリニア補間を採用した場合には、補正後の色分解画像データの座標(x’,y’)の濃度データD00’を演算する際に、座標(x’,y’)の属する領域の色ずれ変換用の行列Aを用いて、次式のようにして入力画像の対応座標(x,y)を求める。
Figure 2013066153
図14は、入力画像(色分解画像データ)の座標系における座標(x,y)(白丸)と、その近傍点(黒丸)との関係を示す模式図である。同図においては、「xb=xa+1」という条件のもとで、小数点以下の値を含むxの整数部をxで表し、且つ小数部をαで表している。また、「y=y+1」という条件のもとで、小数点以下の値を含むyの整数部をyで表し、且つ小数部をβで表している。また、座標(x,y)の周囲に存在する近傍点(x,y)、(x,y)、(x,y)、(x,y)の濃度を、Daa、Dab、Dba、Dbbで表している。
画像データ補正部203は、補正後の色分解画像データの座標(x’,y’)について、それに対応する入力画像の座標(x,y)の濃度データD00’を、次式によって求める。
00’=(1−β)((1−α)Daa+αDba)+β((1−α)Dab+αDbb
このようにして、座標変換後の色分解画像データにおける各画素の濃度を計算する。
図15は、画像データ補正部203に入力される色分解画像データによって表現される細線画像の一例を示す拡大模式図である。図中における点線で示される格子の1区画が解像度600[dpi]の1画素区画である。1画素区画内に付されている数値は、その画素の画像濃度を16進数で示すものである。数値の記載のない画素の画像濃度は「0」である。細線画像は、図示のように、副走査方向yにおける長さである太さが1画素であり、主走査方向xに沿って延在している。
図16は、座標変換後及び濃度補間後の色分解画像データによって表現される細線画像の一例を示す拡大構成図である。図15の細線画像を表す色分解画像データに対して、図中右肩下がりになるようにスキュー補正をした色分解画像データによって表現される細線画像である。図示のように、1画素の太さで、副走査方向yに並ぶ2つの画素の境界を跨ぐ細線箇所では、それら2つの画素の画像濃度が中間調によって表現される。これにより、1画素を越える太さに視認されないようにしている。
光書込装置7は、入力画像の解像度(600dpi)よりも高い2400[dpi]の解像度で光書込を行うようになっている。入力画像の1画素を、16画素に分割して光書込を行うのである。
画像データ補正部203は、図16に示される600[dpi]の各画素を、それぞれ16分割にして、1画素内にそれぞれ16個の書込用画素からなる2400[dpi]の書込用マトリクスを構築する。そして、600[dpi]の画素マトリクスにおける個々の画素についてそれぞれ多値の階調を、書込用マトリクスの複数の書込用画素における2値の階調の組み合わせに変換する(階調変換処理)。これにより、600[dpi]の1画素について、変換前の256値の階調が、17値の階調(ドットを書き込む第1階調の書込用画素の個数が0〜16)に変換される。
図17は、階調変換処理後の色分解画像データに基づいて形成された細線画像中の各ドットを示す拡大模式図である。同図において、点線で示される格子の1区画が[600dpi]の1画素区画である。ドットは、2400[dpi]の解像度で書き込まれたものであり、1画素区画内に最大で16個まで書き込みが可能である。16個の書込用画素の全てに対してドットが書き込まれている画素(600dpi)は、画像濃度が100[%]である。これに対し、16個の書込用画素の何れにもドットが書き込まれていない画素は、画像濃度が0[%]である。また、1個〜15個の書込用画素に対してドットが書き込まれる画素は、中間調の画像濃度である。各画素の画像濃度は、0/16〜16/16の17値となる。以下、それらの値の分子を用いて、画像濃度をDw(0〜16)と記す。
画像データ補正部203は、上述した階調変換処理を終えると、次に、個々の画素(600dpi)の書込用マトリクスについて、複数の書込用画素のうち、ドットを書き込む第1階調の書込用画素の書込用マトリクス内における分布を決定する分布決定処理を実施する。この分布決定処理では、注目画素における第1階調の書込用画素の分布を、注目画素の周囲に存在している画素の階調に基づいて決定する。例えば、図16における座標(p,q)の画素(同図中で太線で囲まれている画素)については、階調変換処理と分布決定処理とを以下のようにして実施する。
即ち、まず、座標変換後の色分解画像データにおける座標(p,q)の画素の画像濃度Dc(p,q)のデータを読み込む。図示の例では、「9F」(16進数)である。次に、その256値の値を、17値の値に変換する。このとき、予め定められた閾値ζに基づいて、画像濃度の変換が行われる。以下、画像濃度Dw=iに対応する閾値ζを、ζと記す。なお、iは、1〜15の範囲とする。
画像データ補正部203は、閾値ζとして、次式によって求められるものを採用している。
ζ=8+16×(i−1)
ζの値は10進数である。画像濃度Dw(i=10)に対応する閾値ζ(i=10)を求めると、「152」である。また、画像濃度Dw(i=11)に対応する閾値ζ(i=11)を求めると、「168」である。そして、座標(p,q)の画素の画像濃度Dc(p,q)である「9F」は、10進数に変換すると「159」であり、これは閾値ζ(i=10)と、閾値ζ(i=11)との間の値である。そこで、この場合、画像データ補正部203は、画像濃度Dc(p,q)=「9F」を、画像濃度Dc(p,q)=「10」(10進数)と変換する。
このようにして画像濃度Dc(p,q)を変換したら、次に、座標(p,q)の注目画素における4×4の書込用マトリクス内における16個の書込用画素のうち、画像濃度Dc(p,q)と同数、即ち10個の書込用画素の階調を第1階調(濃度あり)とし、他の6個の書込用画素の階調を第0階調(濃度なし)とする。これにより、注目画素の画像濃度を、オリジナルの画像濃度に近い中間調にする。
10個の第1階調の書込用画素については、注目画素の周囲の画像濃度に基づいて、注目画素の書込用マトリクス内における分布を決定する。より詳しくは、周囲の画素のうち、画像濃度の高い画素に向けて分布を偏らせるようにする。座標(p,q)の注目画素の周囲には、8個の画素が存在している。注目画素よりも副走査方向に「−1画素」だけシフトした位置には、座標(p−1,q−1)の画素と、座標(p,q−1)の画素と、座標(p+1,q−1)の画素とが存在している。画像データ補正部203は、それら3つの画素のそれぞれにおける画像濃度の合計を上方画像濃度として求める。図示(図16)の例では、上方画像濃度は「0」(10進数)である。
また、注目画素よりも副走査方向に「+1画素」だけシフトした位置には、座標(p−1,q+1)の画素と、座標(p,q+1)の画素と、座標(p+1,q+1)の画素とが存在している。画像データ補正部203は、それら3つの画素のそれぞれにおける画像濃度の合計を下方画像濃度として求める。図示の例では、下方画像濃度は「288」(10進数)である。
また、注目画素よりも主走査方向に「−1画素」だけシフトした位置には、座標(p−1,q−1)の画素と、座標(p−1,q)の画素と、座標(p−1,q−1)の画素とが存在している。画像データ補正部203は、それら3つの画素のそれぞれにおける画像濃度の合計を左方画像濃度として求める。図示の例では、左方画像濃度は「255」(10進数)である。
また、注目画素よりも主走査方向に「+1画素」だけシフトした位置には、座標(p+1,q−1)の画素と、座標(p+1,q)の画素と、座標(p+1,q+1)の画素とが存在している。画像データ補正部203は、それら3つの画素のそれぞれにおける画像濃度の合計を右方画像濃度として求める。図示の例では、右方画像濃度は「255」(10進数)である。
画像データ補正部203は、第1階調の書込用画素の書込用マトリクス内における分布を決定するにあたり、副走査方向分布と主走査方向分布とを判断する。そして、副走査方向分布については、上方画像濃度と下方画像濃度との比較に基づいて決定する。具体的には、上方画像濃度が下方画像濃度よりも高い場合には、第1階調の書込用画素の分布を書込用マトリクス内における上方側の領域に偏らせる。逆に下方画像濃度が上方画像濃度よりも高い場合には、第1階調の書込用画素の分布を書込用マトリクス内における下方側の領域に偏らせる。また、上方画像濃度と下方画像濃度とが等しい場合には、副走査方向における分布をほぼ均等にする。
主走査方向分布については、左方画像濃度と右方画像濃度との比較に基づいて判断する。具体的には、左方画像濃度が右方画像濃度よりも高い場合には、第1階調の書込用画素の分布を、書込用マトリクス内における左方側の領域に偏らせる。逆に右方画像濃度が左方画像濃度よりも高い場合には、第1階調の書込用画素の分布を書込用マトリクス内における右方側の領域に偏らせる。また、左方画像濃度と右方画像濃度とが等しい場合には、主走査方向における分布をほぼ均等にする。
画像データ補正部203は、上方画像濃度と下方画像濃度との比較や、左方画像濃度と右方画像濃度との比較に基づく第1階調の書込用画素の具体的な配設態様を、図18(a)〜(h)に示される8個の分布調整マトリクスに基づいて決定する。同図において、8個の分布調整マトリクスは何れも4×4のマス目になっており、それぞれ、4×4のマス目の書込用マトリクスに対応している。よって、分布調整マトリクス内の各区画は、それぞれ2400[dpi]の解像度であり、書込用マトリクス内の各書込用画素に対応している。また、分布調整マトリクスそのものは、600[dpi]の注目画素に対応している。
分布調整マトリクスのマス目(書込用画素)内に付されている数値は、第1階調の書込用画素の配設順序を表している。例えば、第1階調の書込用画素の数が1個である場合には、「1」という数値が付されているマス目(書込用画素)だけが、ドットを打たれる第1階調の書込用画素として選択される。また、第2階調の書込用画素の数が2個である場合には、「1」という数値が付されているマス目(書込用画素)と、「2」という数値が付されているマス目(書込用画素)とが、それぞれドットを打たれる第1階調の書込用画素として選択される。
同図において(a)という符号が付されている分布調整マトリクスは、第1階調の書込用画素の分布を書込用マトリクス内の左上の領域に偏らせるためのものである。上方画像濃度>下方画像濃度であって、且つ、左方画像濃度>右方画像濃度である高い場合に選択され、その配列順序と、第1階調の書込用画素の個数とに基づいて、注目画素内における第1階調の書込用画素の位置が決定される。
また、(b)という符号が付されている分布調整マトリクスは、第1階調の書込用画素の分布を書込用マトリクス内の上方の領域に偏らせるためのものである。上方画像濃度>下方画像濃度であって、且つ、左方画像濃度=右方画像濃度である場合に選択され、その配列順序と、第1階調の書込用画素の個数とに基づいて、注目画素内における第1階調の書込用画素の位置が決定される。
また、(c)という符号が付されている分布調整マトリクスは、第1階調の書込用画素の分布を書込用マトリクス内の左上の領域に偏らせるためのものである。上方画像濃度>下方画像濃度であって、且つ、左方画像濃度<右方画像濃度である場合に選択される。
また、(d)という符号が付されている分布調整マトリクスは、第1階調の書込用画素の分布を書込用マトリクス内の左側の領域に偏らせるためのものである。上方画像濃度=下方画像濃度であって、且つ、左方画像濃度>右方画像濃度である場合に選択される。
また、(e)という符号が付されている分布調整マトリクスは、第1階調の書込用画素の分布を書込用マトリクス内の右側の領域に偏らせるためのものである。上方画像濃度=下方画像濃度であって、且つ、左方画像濃度<右方画像濃度である場合に選択される。
また、(f)という符号が付されている分布調整マトリクスは、第1階調の書込用画素の分布を書込用マトリクス内の左下の領域に偏らせるためのものである。上方画像濃度<下方画像濃度であって、且つ、左方画像濃度>右方画像濃度である場合に選択される。
また、(g)という符号が付されている分布調整マトリクスは、第1階調の書込用画素の分布を書込用マトリクス内の下側の領域に偏らせるためのものである。上方画像濃度<下方画像濃度であって、且つ、左方画像濃度=右方画像濃度である場合に選択される。
また、(h)という符号が付されている分布調整マトリクスは、第1階調の書込用画素の分布を書込用マトリクス内の右下の領域に偏らせるためのものである。上方画像濃度<下方画像濃度であって、且つ、左方画像濃度<右方画像濃度である場合に選択される。
図16に示される座標(p,q)の画素の場合、上方画像濃度<下方画像濃度であり、且つ、左方画像濃度=右方画像濃度であるので、図18における(g)の分布調整マトリクスが選択される。これにより、図17に示されるように、座標(p,q)の画素において、ドットを打たれている第1階調の書込用画素が、細線画像の本体側に寄せられる。第1階調の書込用画素と細線本体との間に、0階調(濃度なし)の書込用画素を介在させてしまうことを回避して、細線の部分抜けの発生を回避することができる。
図19は、本発明を適用しない場合における比較例の細線画像を示す拡大構成図である。この比較例では、上の行の画素におけるドットと、下の行の画素におけるドットとの間に、第0階調の書込用画素が多く介在していることから、部分抜けの目立つ細線画像になっている。
なお、上方画像濃度と下方画像濃度との差が所定値よりも小さい場合や、左方画像濃度と右方画像濃度との差が所定値よりも小さい場合には、濃度差がないとみなしてもよい。このようにすると、例えば、主走査方向あるいは副走査方向に延在する姿勢に近い僅かな斜めの姿勢に補正された細線において、主走査方向あるいは副走査方向に沿った順序で書込用マトリクスをドットで埋めていくようになるので、段差を目立ち難くすることができる。図17では、座標(p,q)の注目画素に対して左方画像濃度と右方画像濃度とが等しい場合の例を示しているが、例えば左方画像濃度が右方画像濃度に比べて僅かに1だけ大きかった場合には、図18における(f)の分布調整マトリクスが選択される。すると、図20に示されるように、注目画素内でドットが配設されることになり、段差を目立たせてしまう場合もある。上方画像濃度と下方画像濃度との比較や、左方画像濃度と右方画像濃度との比較において、所定値よりも小さい濃度差をないものとみなすことで、このような段差の目立ちの発生を抑えることができる。
なお、本発明において、入力される画像情報の解像度、書込用画素の解像度、画素内の階調数などは、実施形態に係る画像形成装置に採用される値に限定されるものではない。
次に、実施形態に係る画像形成装置に、より特徴的な構成を付加した各実施例に係る画像形成装置について説明する。なお、以下に特筆しない限り、各実施例に係る画像形成装置の構成は、実施形態と同様である。
[第1実施例]
光書込装置7による潜像の光書込を行う構成では、光書込装置7の光学部品の光学特性に起因して、主走査方向(感光体回転軸線方向)の座標系における主走査方向の光書込位置誤差が発生する。以下、この光書込位置誤差の特性を第1光学特性という。また、前記光学特性に起因して、主走査方向の座標系における副走査方向(感光体表面移動方向)の光書込位置誤差も発生する。以下、この光書込位置誤差の特性を第2光学特性という。第1光学特性や第2光学特性はそれぞれ、非線形のグラフによって表されるものである。
図21は、主走査方向の座標系の主走査方向における光書込位置誤差の特性の一例を示すグラフである。横軸で示される主走査方向の座標系(x)に対して、実際の主走査方向の光書込位置が縦軸(△x)のようにずれる特性である。このグラフで示される特性には、光学部品に起因する第1光学特性の他、主走査方向のレジストずれや、主走査方向の全体倍率誤差ずれなど、線形グラフによって表されるずれ要因も含まれている。
このグラフを多項式で近似すると、次式によって表すことができる。
Δx(x)=α+αx+α+α+・・・→式(1)
この式の0次の係数αは、主走査方向のレジストずれを表している。また、1次の係数αは、主走査方向の全体倍率誤差ずれを表している。非線形特性となる2次以降の高次成分の和を関数f(x)で表すと、式(1)については、次式に変形することが可能である。
Δx(x)=α+αx+f(x) →式(1’)
図22は、主走査方向の座標系の副走査方向における光書込位置誤差の特性の一例を示すグラフである。横軸で示される主走査方向の座標系(x)におけるx座標に対応する理論上のy座標に対して、実際の副走査方向の光書込位置が縦軸(△y)のようにずれる特性である。このグラフで示される特性には、光学部品に起因する第2光学特性の他、副走査方向のレジストずれや、スキューずれなど、線形グラフによって表されるずれ要因も含まれている。
このグラフを多項式で近似すると、次式によって表すことができる。
Δy(x)=β+βx+β+β+・・・→式(2)
この式の0次の係数βは、副走査方向のレジストずれを表している。また、1次の係数βは、スキューずれを表している。非線形特性となる2次以降の高次成分の和を関数f(y)で表すと、式(2)については、次式に変形することが可能である。
Δy(x)=β+βx+g(x) →式(2’)
連続プリントの際に機内温度が変化するなどすると、図21や図22に示した特性が、図示のものから変化する。但し、使用する光学部品の種類によっては、機内温度の変化に対して、レジストずれ、全体倍率誤差ずれ、スキューずれなどのずれ要因の線形特性が大きく変化するものの、非線形の第1光学特性である関数f(x)や、第2光学特性である関数g(x)はそれほど変化しないことがある。本画像形成装置においては、このように、非線形の第1光学特性や第2光学特性を機内温度変化に対して変化させなくすることが可能な光学部品を使用している。即ち、本画像形成装置では、機内温度が変化しても、非線形の第1光学特性や第2光学特性は殆ど変化しない。但し、線形の特性は機内温度の変化に対して敏感に変化するため、上述した4つの式における0次の係数(α、β)や1次の係数(α、β)が変化する。
図23は、図21に示される特性が温度変化によって変化した状態を示している。また、図24は、図23に示される特性が温度変化によって更に変化した状態を示している。図23に示される特性では、0次の係数αや、1次の係数αが図21の状態から大きく変化しているが、非線形の第1光学特性である関数f(x)は変化していない。また、図24に示される特性においても、0次の係数αや、1次の係数αが図21や図23の状態から大きく変化しているが、関数f(x)は変化していない。
図25は、図22に示される特性が温度変化によって変化した状態を示している。また、図26は、図23に示される特性が温度変化によって更に変化した状態を示している。図25の特性では、0次の係数βや、1次の係数βが図22の状態から大きく変化しているが、非線形の第2光学特性である関数g(x)は変化していない。また、図26の特性においても、0次の係数βや、1次の係数βが図22や図25の状態から大きく変化しているが、第2光学特性である関数g(x)は変化していない。
ずれ量記憶部204は、主走査方向における光書込領域を複数の区分領域に分けて、それぞれの区分領域における第1光学特性(関数f(x))や第2光学特性(関数g(x))の近似直線データを記憶している。例えば、第1光学特性であれば、図27に示されるように、主走査方向の走査可能領域を第1区分領域(0)〜第8区分領域(8)の8つの区分領域に区分けし、それぞれの区分領域において、関数f(x)の近似直線式を第1光学特性データとして記憶している。また、第2光学特性であれば、図28に示されるように、主走査方向の走査可能領域を第1区分領域(0)〜第8区分領域(8)の8つの区分領域に区分けし、それぞれの区分領域において、関数g(x)の近似直線式を第2光学特性データとして記憶している。
このように、主走査方向の走査可能領域を複数の区分領域に分けて、非線形関数式を区分領域における直線近似式に置き換えて記憶しておくことで、画像情報補正処理における色ずれ変換行列の領域数を少なくして、画像情報補正処理における演算処理を簡素化することができる。区分領域の数を増やすほど、直線近似式の精度を高めることが可能になるが、その分、画像情報補正処理における演算処理が複雑化する。各区分領域の大きさについては、必ずしも等しくする必要はない。例えば、非線形の曲線の極大点や極小点を区分領域の境界となるようにして、曲線と直線近似式によって示される近似直線との差を少なくするようにしてもよい。
図27において、各区分領域における近似直線式の傾きは、主走査方向における区分領域での倍率誤差ずれの全体倍率誤差ずれ(a、a、a)からの偏差を示している。区分領域の番号をiで表すと、前述の偏差は、倍率誤差△a(i)で表される。各区分領域において、主走査方向における倍率誤差ずれは、主走査方向の全体倍率誤差ずれ(a、a、a)に、倍率誤差△a(i)を加算した値になる。また、0次の係数αである画像全体の主走査方向のレジストずれ量(c、c、c)に、区分領域の始点における主走査方向のずれ量である主走査ずれ量Δc(i)を加算したものが、区分領域における主走査方向のレジストずれ量となる。
また、図27において、各区分領域における近似直線式の傾きは、区分領域における全体スキューずれからの偏差を示している。この偏差は、スキュー偏差△d(i)で表される。各区分領域におけるスキューずれは、全体スキューずれ(d、d、d)に、近似直線式の傾きであるスキュー偏差△d(i)を加算した値になる。また、0次の係数βである画像全体の主走査方向のレジストずれ(f、f、f)に、区分領域の始点における副走査方向のずれ量である副走査ずれ量△f(i)を加算することで、区分領域の副走査方向のレジストずれ量を求めることができる。
なお、0次の係数(α、β)や、1次の係数(α、β)については、実施形態と同様に、ユニット間位置ずれ検知用パターン像の各位置検知用画像を検知したタイミングに基づいて求める。
制御装置は、光学部品を交換したユーザーからの命令に基づいて、第1光学特性や第2光学特性を測定する光学特性測定処理を実施する。この光学特性測定処理では、まず、図29に示されるようなテストチャート画像を記録シートに形成する。本画像形成装置には、図示しないスキャナが接続されており、制御装置はこのスキャナの制御部と交信することが可能になっている。作業者は、テストチャート画像を定着せしめた記録シートPを、スキャナにセットして、テストチャート画像を読み取らせる。この読取によって得られた画像データは、本画像形成装置の制御装置に送られる。
テストチャート画像は、複数のテストパターン画像Itpをマトリクス状に並べたものである。個々のテストパターン画像Itpは、それぞれ直角に折れ曲がった形状のKテスト画像Itk、Mテスト画像Itm、Cテスト画像Itc、及びYテスト画像Ityを具備している。Mテスト画像Itmは、基準点を基準にして、Kテスト画像Itkに対して90[°]回転した姿勢で形成される。また、Cテスト画像Itcは、基準点を基準にして、Mテスト画像Itmに対して90[°]回転した姿勢で形成される。また、Yテスト画像Ityを、基準点を基準にして、Cテスト画像Itcに対して90[°]回転した姿勢で形成される。このようなテストパターン画像Itpが、13列(主走査方向)×9行(主走査方向)のマトリクス状に117個形成される。
制御装置は、スキャナから送られてくるテストチャート画像についての画像データに基づいて、複数のテストパターン画像Itpについてそれぞれ、Kテスト画像Itk、Mテスト画像Itm、Cテスト画像Itc、Yテスト画像Ityにおけるそれぞれの折れ曲がり頂点の座標を求める。そして、それら頂点の座標について、それぞれ理想座標からのずれを計算して、それぞれのテストパターン画像Itpにおける各種のずれ量を求める。
j列k行に位置するテストパターン画像Itpの主走査方向のずれ量を主走査ずれ量△xjkとして記憶する。また、j列k行に位置するテストパターン画像Itpの副走査方向のずれ量を副走査ずれ量△yjkとして記憶する。j列について、主走査ずれ量△xと、副走査ずれ量△yとをそれぞれ、k=1〜9の9行のテストパターン画像パターン画像Itpで平均を算出する。そして、その結果をそれぞれ、主走査ずれ量△x、副走査ずれ量yとして記憶する。平均化することで、ノイズ混入の影響を除去して、ずれ量を精度良く検出することが可能になる。
次に、主走査ずれ量△xついて、x座標と、主査方向ずれ量座標(△x座標)との2次元座標上における近似直線を求める。そして、この近似直線における0次の係数α、1次の係数αをそれぞれ、前記2次元座標上におけるx座標と△x座標との関係を示す関数式から差し引くことで、関数f(x)、即ち、第1光学特性を求める。
また、副走査ずれ量△yについて、x座標と、副主査方向ずれ量座標(△y座標)との2次元座標上における近似直線を求める。そして、この近似直線における0次の係数β、1次の係数βをそれぞれ、前記2次元座標上におけるx座標と△y座標との関係を示す関数式から差し引くことで、関数g(x)、即ち、第2光学特性を求める。
その後、主走査方向の走査可能領域を、1列目(j=1)のテストパターン画像パターン画像Itpの主走査方向の中心と、2列目(j=2)のテストパターン画像パターン画像Itpの主走査方向の中心との間の領域を第1区分領域とする。また、2列目のテストパターン画像パターン画像Itpの主走査方向の中心と、3列目(j=3)のテストパターン画像パターン画像Itpの主走査方向の中心との間の領域を第2区分領域とする。同様にして、第3区分領域(j=3〜4)、第4区分領域(j=4〜5)、第5区分領域(j=5〜6)、第6区分領域(j=6〜7)、第7区分領域(j=7〜8)、第8区分領域(j=8〜9)、第9区分領域(j=9〜10)、第10区分領域(j=10〜11)、第11区分領域(j=11〜12)、第12区分領域(j=12〜13)を特定する。
12の区分領域の位置を特定したら、それぞれの区分領域について、関数f(x)や関数g(x)の近似直線式f’(x)、g’(x)を求める。そして、それらの近似直線式f’(x)、g’(x)を、ずれ量記憶部203に記憶する。近似直線式f’(x)、g’(x)から、各種のずれ量を求める方法は、既に述べた通りである。なお、区分領域の数を、テストパターン画像Itpのマトリクスの列数(j)に合わせる必要は必ずしもない。
テストチャート画像については、画像データ補正部203による画像情報補正処理を行ったデータで作像してもよいし、画像情報補正処理を行わないデータで作像してもよい。画像情報補正処理を行わないデータで作像する場合には、テストチャート画像を形成するための1ライン目の光書込を、基準姿勢タイミングに基づく所定のタイミングで開始して、ラインの位置と、感光体における周方向の位置とを特定の関係にした条件で、テストチャート画像を作像する。そして、テストパターン画像ItpにおけるKのテスト画像Itk、Mテスト画像Itm、Cテスト画像Itc、Yテスト画像Ityの折れ曲がり頂点のy座標を、それに対応するライン番号(主走査ライン)の周期位置ずれ量によって補正する。全てのテストパターン画像Itpについて、同様のy座標の補正を行って、周期位置ずれを除去した頂点位置にした後、主走査ずれ量△xや副走査ずれ量△yを求める。この結果に基づいて算出した関数f(x)や関数g(x)を、そのまま第1光学特性や第2光学特性として扱って、各区分領域における近似直線式f’(x)、g’(x)を算出する。
一方、画像情報補正処理を行わないデータで作像する場合には、補正を全く行わないのではなく、周期位置ずれ変動曲線に基づく補正については実施することが望ましい。つまり、周期位置ずれのないようにした画像データでテストチャート画像を作像するのである。作像の際には、1ライン目の光書込を、画像データの補正の際に想定したタイミングで開始する。得られた複数のテストパターン画像ItpにおけるKのテスト画像Itk、Mテスト画像Itm、Cテスト画像Itc、Yテスト画像Ityの折れ曲がり頂点のy座標に基づいて、主走査ずれ量△xや副走査ずれ量△yを求める。これらの結果は、ずれ量そのものではなく、ずれ量の変動量であるので、それらに基づいて演算した関数f(x)、関数f(x)を、ずれ量記憶部204に記憶している関数f(x)、関数g(x)に加算する。加算後の関数f(x)、関数g(x)が、第1光学特性、第2光学特性になるので、それら関数に基づいて、各区分領域における近似直線式f’(x)、g’(x)を算出する。
上記数2で示した色ずれ変換用の行列Aや、上記数3、4、5,6で示した各数式については、各区分領域についてそれぞれ個別に実施する。例えば行列Aであれば、i=1〜13(但し、自然数)という13の区分領域についてそれぞれ、行列列Aを求めるのである。これにより、第1光学特性や第2光学特性に起因する重ね合わせずれをそれぞれの区分領域において精度良く低減することができる。
各区分領域の行列をAは、次のように表される。
Figure 2013066153
画像データ補正部203は、注目画素の主走査方向の座標xから、その座標xが属する区分領域の行列Aを特定し、その行列Aによって座標変換を行う。
また、画像データ補正部203は、区分領域iにおける主走査方向の倍率誤差ずれa’を、次式によって求める。
’=a’+Δa(i)
この式におけるa’は、全体倍率誤差ずれ(a、a、a)であり、実施形態と同様にして求める。倍率誤差△a(i)は、x軸と△x軸との2次元平面上における区分領域iの近似直線の傾きである。
また、画像データ補正部203は、区分領域iにおける主走査方向のレジストずれcを、次式によって求める。
=c+Δc(i)
この式におけるcは、画像全体の主走査方向のレジストずれ(c、c、c)であり、実施形態と同様にして求める。主走査ずれ量Δc(i)は、x軸と△x軸とによる2次元平面の区分領域iの始点における主走査方向のずれ量である。
また、画像データ補正部203は、区分領域iにおけるスキューずれdを、次式によって求める。
=d+Δd(i)
この式におけるdは、全体スキューずれ(d、d、d)であり、実施形態と同様にして求める。スキュー偏差△d(i)は、x軸と△y軸との2次元平面上における区分領域iの近似直線の傾きである。
また、画像データ補正部203は、区分領域iにおける主走査方向のレジストずれfを、次式によって求める。
=f+Δf(i)
この式におけるfは、画像全体の主走査方向のレジストずれ(f、f、f)であり、実施形態と同様にして求める。副走査ずれ量△f(i)は、x軸と△y軸とによる2次元平面の区分領域iの始点における副走査方向のずれ量である。
周期位置ずれについては、実施形態と同様にして、補正値記憶部220に記憶されている周期位置ずれ変動曲線に基づいて求める。かかる周期位置ずれについては、走査ライン毎に求めてもよいし、演算処理の簡素化のために、注目画素のy座標が周期ずれ検知用パターン像Ipcのテスト画像形成間隔(所定間隔r)と同じ長さだけy方向にシフトする毎に求めてもよい。
色ずれ変換用の行列Aは、機内温度の変化に伴って変化するものであるので、ずれ量データ更新処理と同様に、定期的に更新する。これにより、機内温度が変化しても、各種のずれ量を精度良く検出することができる。なお、非線形の第1光学特性や第2光学特性については、機内温度にかかわらず、安定しているので、光学部品が交換されない限り、同じアルゴリズムを用いればよい。なお、後述する第2、第3、第4、第5、第6実施例においても、第1実施例と同様の構成を採用することが可能である。
[第2実施例]
画像形成装置内においては、所望の光波形を生起せしめる光源の駆動を可能にするために、変調信号を光源(レーザーダイオード)に伝搬する際に波形歪みなどを引き起こして、書込光の形状を乱してしまわないように、書込制御部205(図4参照)を光書込装置7の光源の近傍に配置するのが一般的である。図4の例では、書込制御部205から光書込装置7への書込信号データDy、Dm、Dc、Dkが変調信号に相当するため、書込制御部205を光書込装置7内の基板に配設するのである。そして、書込制御部205から出力した書込信号データDy、Dm、Dc、Dkを、光書込装置7におけるY,M,C,K用の光源にそれぞれ個別に入力する。
一方、画像データ補正部203や、その前段の画像パス切替部202などは、各色共通の回路によって画像データを処理するものであり、書込制御部205とは別の回路基板上に配設されるのが一般的である。このため、画像データ補正部203と、書込制御部205とは、互いにある程度の距離をおいて配設された別々の回路基板上に配設される。画像データ補正部203から出力されるデータは、画像データ補正部203が搭載された回路基板と、書込制御部205が搭載された回路基板とを電気的に結ぶ伝送配線を介して書込制御部205に転送される。この伝送配線は、装置の大きさによっては数[m]に及ぶこともあり、大容量のデータを高速にかつエラーなく転送するためには、高価なものが必要になる。安価な伝送配線であってもエラーなくデータを転送するためには、転送レートを低くする必要がある。しかし、転送速度は印刷速度に依存するため、所望の印刷速度を実現しつつ、安価な伝送配線でエラーのないデータ転送を行うためには、転送するデータの容量を少なくする必要がある。これは、画像データ補正部203と書込制御部205との間のデータ転送に限らず、伝送配線によって比較的長い距離をデータ転送する場合には同様である。
図30は、第2実施例に係る画像形成装置のY,M,C,K用の電気回路の一部を示すブロック図である。第2実施例に係る画像形成装置においては、画像データ補正部203に、第1補正部203aと、第2補正部203bとを設けている。第1補正部203aは、これよりも前段の画像処理を実施する図示しない画像パス切替部(図4の202)などと同一の回路基板上に搭載されている。また、第2補正部203bは、第1補正部203aとは別の回路基板であって、書込制御部205や光書込装置(7)の回路と同一の回路基板上に搭載されている。そして、第1補正部203aを搭載している回路基板と、第2補正部203bや書込制御部205を搭載している回路基板とは、図示しない伝送配線によって電気的に接続されている。
画像データ補正部203の第1補正部203aは、色ずれ補正部203cと、画像データ変換部203dとを具備している。色ずれ補正部203cは、ずれ量記憶部(図4の204)に記憶されている各種のずれ量データ(例えばスキューずれ)を参照しながら、画像パス切替部から送られてくるY,M,C,Kの色分解画像データに対して、このずれを打ち消すための補正を施すものである。また、画像データ変換部203dは、色ずれ補正部203cによって補正されたY,M,C,Kの色分解画像データに対して、解像度をより低く変換する処理、あるいは、解像度を入力解像度よりも高くするものの、書込解像度よりは低く変換する処理と、変換後の解像度における各画素に階調データを付与する処理とを実施するものである。
画像データ補正部203の第2補正部203bは、画像データ変換部203bから送られてくるY,M,C,Kの色分解画像データに対して、解像度をより高い書込解像度に変換する処理と、各書込用画素にそれぞれ2値の階調データを付与する処理とを実施するものである。
図31は、画像データ補正部203の色ずれ補正部203cに入力される色分解画像データによって表現される細線画像の一例を示す拡大模式図。色ずれ補正部203cに対しては、実施形態と同様に、1画素あたり8ビット(256階調)の階調の色分解画像データが、600[dpi]の解像度で入力される。画像データ補正部203の色ずれ補正部203cは、入力された色分解画像データに対して、各種のずれを補正するための座標変換処理や濃度補間処理を施す。これにより、図31に示される細線画像が、例えば図32に示されるように補正される。ここまでの処理は、実施形態に係る画像形成装置と同様である。
画像データ補正部203の画像データ変換部203dは、色ずれ補正部203cによって補正された後の色分解画像データに対して、1画素あたり2ビット(4階調)で階調を表現した解像度1200[dpi]の色分解画像データに変換するための処理を施す。
図33は、画像データ変換部203dによる階調変換処理が施された後の色分解画像データによって表現される細線画像の一例を示す拡大構成図である。同図において、破線で囲まれる四角の領域は、入力画像の1画素(600dpi)を表している。また、四角い破線の中に存在する4つの四角い領域は、画像データ変換処理部203dによって解像度変換された後の1画素を表している。以下、その画素を、中間画素という。中間画素は、600[dpi]の入力画素をより細かく4分割にしたものである。中間画素には、それぞれ2ビット(4階調)の階調データが与えられている。つまり、画像データ変換部203dによって解像度変換された後の色分解画像データは、入力された各画素の256階調を、それぞれ4つの中間画素におけるそれぞれの4階調の組み合わせ(=16階調)で表現するものである。中間画素内に付されている1〜3の値がそれぞれ中間画素の階調値を表している。数字を付した四角が1200dpiの画素でCMYKそれぞれ濃度(2ビット)を表す。
600[dpi]の1画素の256階調を、1200[dpi]の4つ中間画素のそれぞれにおける4階調の組み合わせに変換する方法は、次の通りである。即ち、4つの中間画素のそれぞれにおける階調値の合計の最大値は12(3+3+3+3)である。また、前記合計の最小値は0(0+0+0+0)である。よって、4つの中間画素のそれぞれにおける4階調の組み合わせは、0/12〜12/12の13値である。以下、それら値の分子をDt(i)と表して、4つの中間画素の4階調の組み合わせを表現する。
実施形態と同様にして、座標(p,q)の注目画素(600dpi)の画像濃度Dcと、周囲画素(600dpi)の画像濃度とを参照しながら、元の256階調の値を上述した13値の階調に変換する。具体的には、まず、座標(p,q)の注目画素の画像濃度Dc(p,q)=9F(16進数)を、予め定められた閾値ζに基づいて画像濃度Dtに変換する。ζはDt=i(i=1〜12)における閾値である。第2実施例では、ζ=10.7+21.3×(i−1)の解を四捨五入した値である。ζ(i=7)<Dc(p,q)=9F<ζ(i=8)であるので、Dt(p,q)=7である。
このようにして注目画素についての閾値を求めたら、次に、画像濃度Dt(p,q)と、4つの中間画素(1200dpi)の画像濃度の合計(1画素あたり2ビットで0〜3の値を取る)とが同じになるように、4つの中間画素における4値の階調(0〜3)をそれぞれ決定する。600[dpi]の1画素内における4つの階調(4値)の配置、順序、値については、周囲画素の画像濃度に基づいて決定する。具体的には、周囲画素のうち、濃度の高い側から、1つの中間画素に対して階調値を順に増加させていくようにする。このとき、上述した上方画像濃度と下方画像濃度とを比較したり、左方画像濃度と右方画像濃度とを比較したりする。そして、それら2通りの比較結果に基づいて、4つの中間画素における階調値や配置位置を決定する。
図34は、画像データ補正部203の画像データ変換部203dによって用いられる8つの分布調整マトリクスを示す模式図である。同図の(a)から(h)にそれぞれ示される4つのマス目からなるマトリクスの外枠が入力画像の1画素(600dpi)を表している。また、その1画素内における各マス目が、画像データ変換部203dによるデータ処理で得られた中間画素(1200dpi)をそれぞれ表している。
(a)という符号が付されている分布調整マトリクスは、上方画像濃度>下方画像濃度であって、且つ、左方画像濃度>右方画像濃度である高い場合に選択される。また、(b)という符号が付されている分布調整マトリクスは、上方画像濃度>下方画像濃度であって、且つ、左方画像濃度=右方画像濃度である場合に選択される。また、(c)という符号が付されている分布調整マトリクスは、上方画像濃度>下方画像濃度であって、且つ、左方画像濃度<右方画像濃度である場合に選択される。また、(d)という符号が付されている分布調整マトリクスは、上方画像濃度=下方画像濃度であって、且つ、左方画像濃度>右方画像濃度である場合に選択される。また、(e)という符号が付されている分布調整マトリクスは、上方画像濃度=下方画像濃度であって、且つ、左方画像濃度<右方画像濃度である場合に選択される。また、(f)という符号が付されている分布調整マトリクスは、上方画像濃度<下方画像濃度であって、且つ、左方画像濃度>右方画像濃度である場合に選択される。また、(g)という符号が付されている分布調整マトリクスは上方画像濃度<下方画像濃度であって、且つ、左方画像濃度=右方画像濃度である場合に選択される。また、(h)という符号が付されている分布調整マトリクスは、上方画像濃度<下方画像濃度であって、且つ、左方画像濃度<右方画像濃度である場合に選択される。
画像データ変換部203dは、枠内に付されている数値の小さい中間画素から順に、画素値を埋めていく。例えば、座標(p,q)の注目画素の場合、画像濃度Dt(p,q)=7となり、且つ、分布調整マトリクスとして、図34における(g)のマトリクスが選択される。この場合、画像データ変換部203dは、まず、4つの中間画素のうち、左下の中間画素の階調値を「3」にする。その後、右下の中間画素の階調値を「3」にした後、左上の中間画素の階調値を「1」にする。右上の中間画素については、階調値を空白(濃度なし)のままとする。注目画素の座標をシフトさせながら同様の処理を繰り返すことで、図33に示されるように色分解画像データを変換する。
画像データ変換部203dは、このようにして変換したY,M,C,Kの色分解画像データを、次工程に向けて出力する。出力された色分解画像データは、第1補正部203aなどを搭載した回路基板と、第2補正部203bや書込制御部205などを搭載した回路基板とを結ぶ伝送配線を介して、第2補正部203bに転送される。
画像データ補正部203の第2補正部203bは、画像データ変換部203dから送られてくる1200[dpi]の色分解画像データにおける2ビットの階調の各画素を、それぞれ1ビット(2値)の階調で解像度4800[dpi]の書込用画素に16分割する。そして、中間画素の階調値が「1」である場合には、その中間画素における16個の書込用画素のうち、5個の書込用画素の階調を第1階調にする。また、中間画素の階調値が「2」である場合には、その中間画素における16個の書込用画素のうち、10個の書込用画素の階調を第1階調にする。また、中間画素の階調値が「3」である場合には、その中間画素における全ての書込用画素の階調を第1階調にする。なお、光書込装置7は、Y,M,C,Kの感光体1Y,M,C,Kに対してそれぞれ、4800[dpi]の解像度で光走査をするようになっている。
図35は、第2補正部203bによって補正された後の色分解画像データによって表現される細線画像の一例を示す拡大模式図である。このように微妙に傾いた細線画像を表現することにより、微妙なスキューに起因する重ね合わせずれであっても、それぞれ低減することができる。
また、第2実施例に係る画像形成装置においては、最終的に書込解像度まで高解像度化する前、即ち、書込解像度のレベルまでデータ量を増加させる前の色分解画像データを、第1補正部203aと第2補正部203bとの間の伝送配線を介して、第1補正部203aから第2補正部203bに転送する。かかる構成では、書込解像度のレベルまでデータ量を増加させた後の色分解画像データを、伝送配線経由で転送する場合に比べて、コストの安い伝送配線で、エラーのない伝送を実現することができる。
なお、中間解像度、及びその1画素あたりの階調数は、転送レートや形成される画質、伝送配線内での処理規模や速度、回路規模などを勘案し適切に決めればよい。また、第2実施例のように補正画像と中間画像のデータ量とが変わらない場合は、第1補正部203aにおける画像データ変換部203dを省略し、第2補正部203b内において、解像度変換を実施するようにしてもよい。
[第3実施例]
実施形態に係る画像形成装置のように、分布調整マトリクスを用いて書込マトリクス内におけるドットの分布を調整する構成は、文字画像や線画画像などのエッジ部分に対して特に有効である。しかしながら、写真画像のように、解像度よりも階調性を重視する類の画像においては、分布調整マトリクスでドットの分布を調整して細線の太りを低減するよりも、従前から知られているディザ処理によって優れた階調再現性を得た方が有利である。
そこで、第3実施例に係る画像形成装置においては、入力された画像情報に基づいて、各画素についてそれぞれ、階調性よりも第1階調の書込用画素の分布を優先することが望ましい分布優先型の画像を構成するものであるのか、あるいは、前記分布よりも階調性を優先することが望ましい階調優先型の画像を構成するものであるのかを判定する判定手段を制御装置に設けている。そして、補間によって中間調化処理を施した後の色分解画像データにおける各画素のうち、分布優先型の画像を構成する画素だけに対して、階調変換処理と分布決定処理とを施して分布優先画像データを得る。階調変換処理は、上述したように、600[dpi]の1画素を2400[dpi]の16個の書込用画素に分割した後、その画素の階調を、分割によって得られた書込用マトリクスの16個の書込用画素における2値の階調の組み合わせに変換する処理である。また、分布決定処理は、個々の画素(600dpi)の書込用マトリクスについて、複数の書込用画素のうち、ドットを書き込む第1階調の書込用画素の書込用マトリクス内における分布を決定する処理である。
一方、補間によって中間調化処理を施した後の色分解画像データにおける各画素のうち、階調優先型の画像を構成する画素だけに対して、ディザ処理を施して階調優先画像データを得る。そして、分布優先画像データ及び階調優先画像データを統合した色分解画像データに基づいて静電潜像の光書込処理を実施する。
図36は、第3実施例に係る画像形成装置の電気回路の一部を示すブロック図である。同図において、画像データ補正部203の色ずれ補正部203cは、各画素についてそれぞれ、分布優先型の画像を構成するものであるのか、あるいは、階調優先型の画像を構成するものであるのかを判定する判定手段としての機能を有している。具体的には、パーソナルコンピュータ等から送られてくる画像情報には、各画素について、分布優先型の画像を構成するものであるのか、階調優先型の画像を構成するものであるのかをそれぞれ個別に示す属性データDが含まれている。この属性データDは、Y,M,C,Kの各色について共通のものであってよいし、各色個別のものであってもよい。オリジナル画像のラスタ画像がレンダリングされる際に、属性データDが同時に生成される。色ずれ補正部203cは、その属性データDに基づいて、分布優先型であるのか、階調優先型であるのかを判定する。なお、かかる構成に代えて、文字画像を構成する画素については分布優先型の画素と判定し、線画やグラフなどの図形を構成する画素についても分布優先型と判定し、写真画像を構成する画素については階調優先型と判定するようにしてもよい。
色ずれ補正部203cは、ずれ量記憶部(204)に記憶されている各ずれ量のデータに基づいて、Y,M,C,Kの色分解画像データをそれぞれ、座標変換処理や補間による中間調化処理によって補正する。この際、属性データに対しても同様の座標変換処理を施したり、階調を中間調化した画素の属性データを補足したりする。これにより、補正後の属性データは、座標変換後の各画素の属性を適切に示すものになる。色ずれ補正部203cによって補正された後の色分解画像データや属性データは、画像データ変換部203dとディザ処理部203eとにそれぞれ転送される。
画像データ変換部203dは、Y,M,C,Kの色分解画像データについてそれぞれ、各画素のうち、属性が分布優先型である画素に対してのみ、階調変換処理と分布決定処理とを施して分布優先画像データDy,Dm,Dc、Dkを得る。属性が分布優先型でない画素については、空白(濃度なし)とする。一方、ディザ処理部203eは、Y,M,C,Kの色分解画像データについてそれぞれ、各画素のうち、属性が階調優先型である画素に対してのみ、周知のディザ処理を施して階調優先画像データDy,Dm,Dc,Dkを得る。属性が階調優先型でない画素については、空白(濃度なし)とする。なお、ディザ行列は書込解像度のものを用いるか、入力解像度のディザ処理を行なった後に書込解像度への解像度変換を行う。
画像データ補正部203は、画像データ変換部203dによって得たYの分布優先画像データDyについては、ディザ処理部203eによって得たYの階調優先画像データDyと統合して、補正後の色分解画像データDyを得る。統合の際、各画素の階調については、注目画素についてそれぞれ、分布優先画像データDyにおける階調値と、階調優先画像データDyにおける階調値とを加算する。階調値が空白である場合には、階調値をゼロとして計算する。M,C,Kについても同様にして、分布優先画像データDm,Dc,Dkと、階調優先画像データDm,Dc、Dkとを統合して、補正後の色分解画像データDm,Dc,Dkを得る。
このような処理により、文字画像や図形画像などの分布優先型の画像については、書込用マトリクス内でドットの分布を細線本体に向けて偏らせて部分抜けの発生を抑える一方で、写真画像については優れた階調を再現することができる。
[第4実施例]
第4実施例に係る画像形成装置は、以下に特筆する点の他が、第3実施例に係る画像形成装置と同様の構成になっている。
第4実施例に係る画像形成装置における画像データ補正部203は、図36に示される色ずれ補正部203cを具備する第1補正部と、図36に示される画像データ変換部203d及びディザ処理部203eを具備する第2補正部とを有している。色ずれ補正部203cを具備する第1補正部は、これよりも前段で画像データを処理する手段(例えば画像パス切替部202)などと一緒に回路基板上に搭載されている。また、画像データ変換部203dやディザ処理部203eを具備する第2補正部は、第1補正部が搭載されている回路基板とは別の回路基板に搭載されている。その回路基板は、第2補正部の他に、書込制御部206などを搭載するものである。
画像データ処理部203の第1補正部などを搭載した回路基板と、画像データ処理部203の第2補正部などを搭載した回路基板とは、伝送配線を介してデータ更新を行う。
かかる構成では、第2補正部によってオリジナルの解像度(600dpi)から書込解像度(2400dpi)に高解像度化する前のデータを、第1補正部から第2補正部に向けて伝送配線によって転送する。つまり、高解像度化によってデータ量を増加させる前の色分解画像データを伝送配線によって転送するので、高解像度化によってデータ量を増加させた後の色分解画像データを伝送配線によって転送する場合に比べて、安価な伝送配線によってデータ転送を行うことができる。
[第5実施例]
第5実施例に係る画像形成装置は、以下に説明する点の他が、第2実施例に係る画像形成装置と同様の構成になっている。
先に説明した第4実施例に係る画像形成装置では、写真画像部の階調をディザ処理で変換することで、写真画像部において優れた階調再現性を実現しつつ、細線画像部の階調を画像データ変換部203dで変換することで優れた再現性を実現することが可能である。しかしながら、色ずれ補正部203cを具備する第1補正部と、画像データ変換部203dやディザ処理部203eを具備する第2補正部との間において、各画素についてそれぞれ、256階調の8ビットのデータを伝送することに加えて、分布優先型であるのか、階調優先型であるのかを示すための2ビットのデータを伝送する必要があることから、処理速度を低下させてしまう。
そこで、第5実施例に係る画像形成装置においては、分布優先型の画素と、階調優先型の画素とで処理を異ならせるのではなく、全ての画素に対して同じ処理を施すようになっている。但し、全ての画素に対して同じ処理を施す第2実施例に係る画像形成装置では、細線画像部で優れた細線再現性を実現することができても、写真画像部では優れた階調再現性を実現することができない。このため、第1補正部203aを次のように構成している。即ち、中間調化処理を施した後の色分解画像データに対して多値ディザ処理を実施した後、各画素の階調をそれぞれ、元の画素よりも小さく且つ書込用画像よりも大きなサイズの複数の中間画素における多値の階調の組み合わせに変換する中間画素階調処理を実施するように、第1補正部203aを構成している。
また、階調変換処理として、中間画素の階調を複数の書込用画素における2値の階調の組み合わせに変換する処理を実施するように、第2補正部203bを構成している。
図37は、第1補正部203aが記憶しているディザマトリクスを示す模式図である。このディザマトリクスは、600[dpi]の大きさの画素と同じ大きさのマス目が縦横に2つずつ並んだものである。マトリクスにおける左上のマス目には、aという符号が付されている。また、右上のマス目には、bという付されている。また、右下のマス目には、cという符号が付されている。また、左下のマス目には、dと符号が付されている。第1補正部203aは、中間調化処理を施した後の色分解画像データの画素マトリクスにおける一列一行目の画素を注目画素とし、その注目画素を左上とする2×2の画素サブマトリクスに対して、ディザマトリクスを重ねる。そして、画素サブマトリクスにおける各画素に対しそれぞれ、対応する符号をディザマトリクスから特定する。例えば、一列一行目の画素であれば、ディザマトリクスにおける左上のマス目が対応するマス目であるので、そのマス目に付されたaという符号を、対応する符号として特定する。また、二列一行目の画素であれば、ディザマトリクスにおける右上のマス目が対応するマス目であるので、そのマス目にふされたbという符号を、対応する符号として特定する。
図38は、第1補正部203aによって実施される多値ディザ処理で用いられる、データテーブルを示す模式図である。このデータテーブルは、マス目に付された符号と、閾値群と、画素の階調値との関係を示している。第1補正部203aによって実施される多値ディザ処理では、各画素の階調を256階調から12階調に変換する。但し、画像の階調表現としては、画素単位ではなく、マトリクス単位で表現するので、実際には、2×2の画素マトリクスを49階調で表現することになる(12階調×2×2+1)。
第1補正部203aは、各画素について、256階調の濃度データDcと、対応する符号に関連付けられた閾値群とを比較して、多値ディザ処理後の濃度データDtを決定する。具体的には、閾値群の中から、256階調の濃度データDcと同じ値の閾値を特定し、その閾値の番号iを、多値ディザ処理後の濃度データDtとして決定する。但し、閾値群の中に、同じ値の閾値が存在しない場合、濃度データDcよりも小さくて且つ濃度データDcに最も近い閾値を特定し、その閾値の番号iを、多値ディザ処理後の濃度データDtとして決定する。例えば、256階調の濃度データDcが110であって、且つ、対応する符号がaであったとする。この場合、第1補正部203aは、符号aに関連付けられた閾値群における6番目の閾値(106)を特定して、その番号である6を多値ディザ処理後の濃度データDtとして決定する。
画素サブマトリクス内における4つの画素についてそれぞれ多値ディザ処理後の濃度データDtを決定した第1補正部203aは、注目画素を2列だけ右方向にずらした後、同様にして、その注目画素を左上に位置させた2×2の画素サブマトリクスにおける各画素の多値ディザ処理後の濃度データDtを決定する。その後も同様の処理を行い、注目画素を右端の列の1つ手前までずらしたら、次に、2つ行をずらした第1列の画素を注目画素として、同様の処理を繰り返す。
このような多値ディザ処理を終えた第1補正部203aは、次に、中間画素階調処理を実施する。この中間画素階調処理では、12階調の各画素をそれぞれ、縦、横にそれぞれ2分割ずつして1画素あたりについて4つの中間画素を得る。この中間画素は、元の画素よりも高解像度であって、且つ書込画素よりも低解像度の画素である。第1補正部203aは、各画素についてそれぞれ、600[dpi]の画素の12値による階調表現(2×2のマトリクスで49階調)を、1200dpiの4つの画素の4値の組み合わせによる階調表現に変換する(600dpiの2×2のマトリクスに換算すると69階調)。そして、変換後のデータを第2補正部203bに伝送する。
第5実施例に係る画像形成装置において、中間画素を1200[dpi]の大きさにして、且つ中間画素の階調を4値にしたのは次に説明する理由からである。即ち、第2実施例に係る画像形成装置では、第1補正部203aから第2補正部203bに対して、600[dpi]の1画素あたりに8ビットのデータを伝送している(256値=2)。第2実施例に係る画像形成装置と同等の伝送速度を実現するためには、600[dpi]の1画素換算で8ビットのデータ伝送量にする必要がある。1200[dpi]の中間画素は4値であるので、そのデータ量は2ビットである。600[dpi]の1画素換算では、中間画素が4つ分なので、データ伝送量は8ビットとなり、第2実施例と同じ伝送量である。このため、中間画素を1200[dpi]の大きさにして、且つ中間画素の階調を4値にしている。
第2補正部203bは、階調変換処理として、次のような処理を実施する。即ち、第1補正部203aから伝送されてくる色分解画像データの各中間画素をそれぞれ、縦、横に4分割ずつして、16個の書込用画素に分割する。そして、中間画素1つあたりにつき1200[dpi]、4値の階調であったものを、16個の書込用画素(4800dpi)の2値の組み合わせに変換する。
かかる構成では、中間調化処理を施した後の色分解画像データに対して多値ディザ処理を施すことで、写真画像部を優れた階調性で再現することができる。また、多値ディザ処理後に中間画素階調処理を実施することで、第1補正部203aと第2補正部203bとの間のデータ伝送量を第2実施例に係る画像形成装置と同等にすることができる。
次に、第5実施例に係る画像形成装置に、より特徴的な構成を付加した各具体例の画像形成装置について説明する。なお、以下に特筆しない限り、各具体例の画像形成装置の構成は、第5実施例と同様である。
[第1具体例]
第5実施例に係る画像形成装置においては、多値ディザ処理の際に、色分解画素データの画素マトリクスに対するディザマトリクスの重ね位置の違いにより、多値ディザ処理後の濃度データDtの値が異なってしまうという不具合がある。
例えば、中間調処理が施された後の600[dpi]、256値の各画素からなる画素マトリクスに対し、図39に示されるように、ディザマトリクスを重ねたとする(以下、このように重ねたケースをCase1という)。すると、600[dpi]の各画素における256値の濃度データが、図40に示されるように、12値の濃度データDtに変換される。p行の画素の濃度は、7B(=123)であるが、これが符号a又はbの閾値群に基づいて、6となる。また、(p+1)行の画素の濃度は、84(=132)であるが、これが符号c又はdの閾値群に基づいて6となる。なお、多値ディザ処理後の各画素のうち、数値の記載のない空白画素の濃度は0である。
このような色分解画像データに対して、中間画素階調処理が施されると、1200[dpi]の各中間画素の濃度データが図41に示されるようになる。そして、その後の階調変換処理により、図42に示されるような書込用画素の2値データが得られる。
一方、中間調処理が施された後の600[dpi]、256値の各画素からなる画素マトリクスに対し、図43に示されるように、ディザマトリクスを重ねたとする(以下、このように重ねたケースをCase2という)。Case1よりもディザマトリクスを重ねる位置が1行ずれているのである。すると、600[dpi]の各画素における256値の濃度データが、図44に示されるように、12値の濃度データDtに変換される。p行の画素の濃度は、7B(=123)であるが、これが符号c又はdの閾値群に基づいて6となる。また、(p+1)行の画素の濃度は84(=132)であるが、これが符号a又はbの閾値群に基づいて7又は6となる。この色分解画像データに対して、中間画素階調処理が施されると、1200[dpi]の各中間画素の濃度データが図45に示されるようになる。そして、その後の階調変換処理により、図46に示されるような書込用画素の2値データが得られる。図42との比較から、Case1よりも線の下エッジのジャギーが目立ってしまう。これにより、図47に示されるように、Case1とCase2とでは、線幅が異なってしまう。孤立した線であれば線幅の違いは視認され難いが、同図のように複数の線を周期的に並べた画像では、幅の違いが視認されて、濃度差として認識されてしまったり、線の位置がずれて視認されてしまったりする。
この不具合は、多値ディザ処理において階調値をより小さくする際に生じる量子化誤差が、ディザマトリクスによって局所的且つ周期的な偏差として現れることに起因し、階調処理前の画像(中間調化処理の直後の画像)の周波数成分との干渉によって人間が視認しやすい周波数帯での濃度差(濃度ムラ)として認知されてしまう。階調数を増加させるためディザマトリクスのサイズを大きくすると、偏差の周波数成分が低くなり、人間が視認しやすい周波数帯に近づくことから、その傾向が大きくなる。また、1画素あたりの階調数が少ない多値ディザ処理では量子化誤差が大きいことからその傾向は強まる。全体の階調数を増やす狙いでディザマトリクスのサイズを大きくすることから、その傾向がより顕在化し易くなるのである。
図48は、第1具体例に係る画像形成装置の第1補正部203aによって用いられるディザマトリクスを示す模式図である。このディザマトリクスは、4×4のマス目からなる母マトリクスの中に、図中太線で示される4つのサブマトリクスを有している。それぞれのサブマトリクスは、2×2のマス目からなり、縦、横に2つずつ並んでいる。そして、4つのマス目に付された符号の組み合わせは、何れのサブマトリクスにおいてもa、b、c及びdという組み合わせになっている。但し、4つのサブマトリクスにおいては、サブマトリクス内の符号の配列が図示のように互いに異なっている。より詳しくは、同じ符号がサブマトリクス内の互いに異なる位置のマス目に付されている。このようなディザマトリクスを用いることで、ディザマトリクスを重ねる位置にかかわらず、多値ディザ処理後の線画像の太さを互いに同じにすることができる。
このような効果が得られる理由について、具体的に説明する。図49に示されるように、1本の線画像を長さ方向に4つに分割し、それぞれの分割部に対して、ディザマトリクスを1行ずつずらして重ねたとする(CaseA、CaseB、CaseC、CaseD)。すると、それら分割部における多値ディザ処理後の各画素の濃度データDtは、図50に示されるようになる。このような色分解画像データに対し、中間画素階調処理と、階調変換処理とを順に施すと、4つの分割部(CaseA、CaseB、CaseC、CaseD)における書込用画素は、図51に示されるようになる。図示のように、4つの分割部において、ライン下部エッジにおいて水平線から下方に向けて僅かに突出してしまう突出部が互いに同じ大きさで形成される。それら突出部は、互いに長手方向の異なった位置に形成されるが、大きさが互いに同じであることから、肉眼では4つの分割部が同じ太さで視認される。
図48に示されるような母マトリクス内にサブマトリクスを具備するディザマトリクスを用いることで、ディザマトリクスの重ね位置の違いによる量子化誤差の局所的な偏差を小さくすることが可能になるため、重ね位置にかかわらず線の太さを同じにすることができる。なお、このディザマトリクスは、図48に示されるものに限定されるものではない。互いに同じ符号の組み合わせを具備し、且つ符号の配列が異なる複数のサブマトリクスを母マトリクス内に有するものであれば、サブマトリクスのサイズはn×m(n、mのうち少なくとも1つは2以上)でよい。また、サブマトリクスの配置数はp×q(p、qうち少なくとも1つは2以上)でもよい(ディザマトリクスサイズはn・p×m・q)。また、符号に対応する閾値群も、図38に示されるものに限られない。また、サブマトリクスの符号の閾値は、他のサブマトリクスの閾値と異なっていてもよい。但し、各符号の間において、同じ閾値番号の閾値の大小関係については、各サブマトリクスでそれぞれ同じにする必要がある。これにより、全体の階調数が増加しても、量子化誤差の局所的な偏差を抑えつつ、周波数成分の低下を抑えて、線の太さの誤差を低下させることができる。
[第2具体例]
中間画素階調処理とを実施すると、写真画像の階調再現性を向上させることができる一方で、細線のジャギーを目立たせてしまうという不具合が発生する。例えば、実施形態に係る画像形成装置のように、中間調化処理を実施した色分解画像データをそのまま階調変換処理にかけた場合、図52に示されるようなエッジの凹凸のない滑らかな斜線を出力することができる。これに対し、中間調化処理の後に、中間画素階調処理を施すと、先に図35に示したように、ジャギーの目立つ斜線になってしまう。
そこで、第2具体例に係る画像形成装置においては、中間画素階調処理が施された色分解画像データに対し、画像部のエッジの平滑化処理を施してから、階調変換処理を施すように、第2補正部203bを構成している。
図53は、600[dpi]、256階調の斜線画像に対して多値ディザ処理を施した後、中間画素階調処理を施した1200[dpi]、4階調の斜線画像に変換した例を示す模式図である。図示のように、中間画素階調処理を施した時点で、ジャギーの目立つ斜線画像になってしまっているため、その後、4800[dpi]、2階調の書込用画素に変換しても、ジャギーがかなり残ってしまうのである。但し、図53の1200[dpi]、4階調の斜線画像に着目すると、中間調である濃度データDt=1、又は2の中間画素は、エッジの延在方向に並んでいることがわかる。そこで、それら中間画素をその延在方向に平滑化することで、段差を平滑化して、より滑らかな形状の斜線にすることが可能である。エッジの延在方向にだけ平滑化することで、いわゆるエッジぼけを発生させることもない。なお、エッジの延在方向は、最大濃度(本例では3)の中間画素が並ぶ方向であり、同図の例では水平方向である。
第2補正部203bは、中間調の中間画素の平滑化を、畳み込み演算によって実施する。その実施のために、様々なエッジの延在方向にそれぞれ個別に対応する複数の行列を記憶している。例えば、図53の斜線の例では、エッジの延在方向は水平方向であり、この水平方向に対応する行列として、例えば図54に示すようなものを記憶している。この行列の中心画素を、色分解画像データにおける注目画素に対応させて畳み込み演算を行う。そして、この演算によって得られた各画素の濃度データをそれぞれ3で除算することで、0〜16の17階調の濃度データを得る。これにより、図55に示されるような、1200[dpi]の1画素を17階調の濃度データで表現する色分解画像データを得る。この色分解画像データに対し、階調変換処理を施すと、図56に示されるように、4800[dpi]の1画素を2階調で表現する色分解画像データを得ることができる。平滑化画像の各画素(1200dpi)は0〜16の濃度に変換されているので、この値と同数のドットを周囲画素の濃度の濃い側から配置していくのである。図35及び図52との比較からわかるように、平滑化処理を行わない場合い比べて、エッジの滑らかさを大幅に向上させることができている。
エッジの延在方向については、次のようにして検出している。即ち、例えば、注目画素を中心とした3×3の行列のうち、最高濃度(本例では3)の符号を1とし、その他を0とする。エッジの延在方向は1が3つ連続した方向とみなしてよいので、この行列のうち何れかの行(あるいは列)が3つ連続して1である場合には、周囲に水平方向(あるいは垂直方向)のエッジがあると判定し、前述の平滑化行列を用いるようにすれば良い。垂直方向の場合は左に90度転置した行列(右でも同一)を用いれば良い。この判別用の行列は、これより大きなサイズでも良いし、斜め方向のエッジもパターン一致させることにより判別できる。またエッジが判定できない領域においては平滑化処理を行なわないようにしてもよい。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
[態様A]
態様Aは、画像情報を取得する画像情報取得手段(例えば画像パス切替部)と、複数の潜像担持体(例えば感光体1Y,M,C,K)にそれぞれ潜像を書き込む潜像書込手段(例えば光書込装置7)と、複数の潜像担持体上の潜像をそれぞれ現像する複数の現像手段(例えば現像器5Y,M,C,K)と、自らの表面を複数の潜像担持体との対向位置に順次通すように無端移動させる表面無端移動体(例えば中間転写ベルト8)と、複数の潜像担持体上でそれぞれ現像された可視像を、前記表面無端移動体の表面に重ね合わせて転写してから記録シートに転写するか、あるいは、前記表面に保持される記録シートに重ね合わせて転写する転写手段(例えば転写ユニット)と、表面無端移動体又は記録シートの表面上での可視像の重ね合わせずれを示すずれ量を記憶するずれ量記憶手段(例えばずれ量記憶部204)と、複数の潜像担持体に書き込む潜像をそれぞれ重ね合わせずれの少ない潜像にするために、前記画像情報取得手段によって取得された画像情報を前記ずれ量記憶手段に記憶されている前記ずれ量に基づいて補正する画像情報補正処理を実施した後、補正後の画像情報に基づいて前記潜像書込の駆動を制御して複数の潜像担持体にそれぞれ潜像を書き込む潜像書込処理を実施する制御手段(例えば203〜205、218、212及び213の組み合わせ)とを備える画像形成装置において、前記潜像書込手段として、前記画像情報取得手段によって取得された画像情報の解像度に対応する画素よりも小さい書込用画素の単位で潜像を書き込むものを用いるとともに、前記画像情報補正処理にて、画像情報に対して、前記ずれ量に基づいて、画像を構成する複数の画素の一部を、画素内に存在する画像箇所の面積に応じた、3値以上の階調における中間調の画素にする中間調化処理と、中間調の画素を複数の前記書込用画素の集合からなるマトリクスである書込用マトリクスに分割した後、前記画素の階調を前記書込用マトリクスの複数の書込用画素における2値の階調の組み合わせに変換する階調変換処理と、中間調の画素の前記書込用マトリクスについて、複数の書込用画素のうち、第1階調(濃度あり)の書込用画素の前記書込用マトリクス内における分布を、その書込用マトリクスの周囲に存在する画素の階調に基づいて決定する分布決定処理とを順に施するように、前記制御手段を構成したことを特徴とするものである。
かかる態様Aでは、画像情報補正処理において、画像情報に対して、中間調化処理を施すことで、微妙に傾いた姿勢の画像を表現しつつ、細線画像の太りを抑える。これにより、画像の微妙なスキューに起因する重ね合わせずれを抑えつつ、細線画像の太りを抑えることができる。
また、中間調化処理を施した後の画像情報に対して階調変換処理を施すことで、画像の部分抜けの発生を抑えることができる。具体的には、階調変化処理において、まず、中間調化処理によって中間調化した画素を複数の書込用画素からなる書込用マトリクスに分割する。そして、書込用マトリクス内における複数の書込用画素のうち、3値以上の階調で表現されている元の画素の中間調に応じた個数の書込用画素だけ第1階調(濃度あり)にして、元の画素の階調を、複数の書込画素におけるそれぞれの2値の階調の組み合わせに変換する。更に、書込用マトリクス内における第1階調の書込用画素の分布を、その書込用マトリクスの周囲の画素のうち、画像濃度の高い画素の方向に偏らせる。これにより、第1階調の書込用画素と画像本体との間に介在させる0階調(濃度なし)の書込用画素の数を低減することで、画像の部分抜けの発生を抑えることができる。
[態様B]
態様B(例えば第2実施例)は、態様Aにおいて、前記中間調化処理を実施する第1制御部(例えば第1補正部203a)と、前記第1制御部とは別体として構成され、前記階調変換処理、及び前記分布決定処理を実施する第2制御部(例えば第2補正部203b)とを前記制御手段に設けたことを特徴とするものである。かかる構成では、第1制御部において、高解像度化する前のデータを第2制御部に転送することで、第1制御部と第2制御部との間の伝送配線として、安価なものを用いることができる。
[態様C]
態様C(例えば第3実施例)は、態様Aにおいて、画像情報取得手段によって取得された画像情報に基づいて、各画素についてそれぞれ、階調性よりも第1階調の書込用画素の分布を優先することが望ましい分布優先型の画像を構成するものであるのか、あるいは、前記分布よりも階調性を優先することが望ましい階調優先型の画像を構成するものであるのかを判定する判定手段(例えば色ずれ補正部203c)を設けるとともに、前記中間調化処理の後の画像情報における各画素のうち、分布優先型の画像を構成する画素だけに対して、前記階調変換処理、及び前記分布決定処理を施して分布優先画像情報を得る一方で、階調優先型の画像を構成する画素だけに対して、ディザ処理を施して階調優先画像情報を得た後、前記分布優先画像情報及び前記階調優先画像情報を統合した画像情報に基づいて前記潜像書込処理を実施するように、前記制御手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、文字画像や図形画像などの分布優先型の画像については、書込用マトリクス内でドットの分布を細線本体に向けて偏らせて部分抜けの発生を抑える一方で、写真画像については優れた階調を再現することができる。
[態様D]
態様D(例えば第4実施例)は、態様Cにおいて、前記中間調化処理を実施する第1制御部と、前記第1制御部とは別体として構成され、前記階調変換処理、前記分布決定処理、及び前記ディザ処理を実施する第2制御部とを前記制御手段に設けたことを特徴とするものである。かかる構成では、第1制御部において、高解像度化する前のデータを第2制御部に転送することで、第1制御部と第2制御部との間の伝送配線として、安価なものを用いることができる。
[態様E]
態様E(例えば第5実施例)は、態様Bにおいて、前記中間調化処理を施した後の画像情報に対して多値ディザ処理を実施するように、前記第1制御部(例えば第1補正部203a)を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、多値ディザ処理により、写真画像部などの色彩豊かな画像部の階調再現性を向上させることができる。
[態様F]
態様F(例えば第5実施例)は、態様Eにおいて、前記多値ディザ処理を施した後の画像情報における各画素の階調をそれぞれ、元の画素よりも小さく且つ前記書込用画像よりも大きなサイズの複数の中間画素における多値の階調の組み合わせに変換する中間画素階調処理を実施するように、前記第1制御部を構成するとともに、前記階調変換処理として、前記中間画素の階調を複数の前記書込用画素における2値の階調の組み合わせに変換する処理を実施するように、前記第2制御部(例えば第2補正部203b)を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、第1制御部から第2制御部へのデータ伝送量を従来と同等の量に維持することができる。
[態様G]
態様G(例えば第1具体例)は、態様Fであって、前記多値ディザ処理におけるディザマトリクスは、母マトリクス内に複数のサブマトリクスを有するもの、であり、それらサブマトリクスは、互いに異なる閾値群に対応する符号が付された複数のマス目を具備し、それらマス目にそれぞれ付された符号の組み合わせとして、互いに同じ組み合わせを具備し、且つ、サブマトリクス内における符号の配列が互いに異なるもの、であることを特徴とするものである。かかる構成では、ディザマトリクスを重ねる位置にかかわらず、細線画像を同じ太さで再現することができる。
[態様H]
態様H(例えば第2具体例)は、態様Fにおいて、前記中間画素階調処理が施された画像情報に対し、画像部のエッジの平滑化処理を施してから、前記階調変換処理を施すように、前記第2制御部を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、平滑化処理を実施することで、中間画素階調処理を実施することに起因するジャギーを低減して、画像のエッジを滑らかにすることができる。
[態様I]
態様I(例えば実施形態)は、態様A〜Hの何れかにおいて、複数の潜像担持体の表面にそれぞれ形成した所定の位置検知用画像を前記表面無端移動体の表面に転写して位置ずれ検知用パターン像(例えばユニット間位置ずれ検知用パターン像Ipp)を得た後、それら位置検知用画像を画像検知手段によって検知したタイミングに基づいて、前記ずれ量記憶手段に記憶されている前記ずれ量を更新するずれ量更新処理を所定のタイミングで実施するように、制御手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、ずれ量のデータを定期的に更新することで、環境変動にかかわらず、重ね合わせずれを長期に渡って安定して抑えることができる。
202:画像パス切替部(画像情報取得手段)
1Y,M,C,K:感光体(潜像担持体)
5Y,M,C,K:現像器(現像手段)
7:光書込装置(潜像書込手段)
8:中間転写ベルト(表面無端移動体)
15:転写ユニット(転写手段)
202:画像パス切替部(画像情報取得手段:制御手段の一部)
203:画像データ補正部(制御手段の一部)
203a:第1補正部(第1制御部)
203b:第2補正部(第2制御部)
203c:色ずれ補正部(判定手段)
204:ずれ量記憶部(制御手段の一部、ずれ量記憶手段)
205:書込制御部(制御手段の一部)
218:検知信号生成部(制御手段の一部)
212:ずれ量演算部(制御手段の一部)
213:印刷ジョブ制御部(制御手段の一部)
特許第3496548号公報 特開平8−85236号公報

Claims (8)

  1. 互いに色の異なる複数の画像におけるずれ量を記憶するずれ量記憶手段と、
    入力された画像データを前記ずれ量に基づいて補正する画像データ補正手段と、
    前記画像データ補正手段で補正された画像データに基づいて、前記複数の画像形成部を制御する制御手段と、を備える画像形成装置であって、
    前記制御手段は、
    前記ずれ量に基づいて、前記画像データ補正手段で補正される前の画像データを構成する複数の画素をそれぞれ中間調の画素に変換した後、
    前記中間調の画素を、前記画素よりも小さな複数の書込用画素の集合からなるマトリクスに分割し、
    当該複数の書込用画素のうち、画像濃度がゼロでない第1階調の書込用画素の前記マトリクス内における分布を、前記マトリクスの周囲に存在する画素の階調に基づいて決定する処理を、複数の前記中間調の画素についてそれぞれ実施するものであり、
    前記複数の前記画像形成部は、それぞれ、前記書込用画素に対応する解像度で画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1の画像形成装置であって、
    前記制御手段は、
    前記ずれ量に基づいて、前記画像データ補正手段で補正される前の画像データを構成する複数の画素をそれぞれ中間調の画素に変換した後、当該それぞれの画素の階調を元の画素よりも小さく且つ書込用画素よりも大きなサイズの複数の中間長の画素に変換することを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1乃至2の何れかの画像形成装置であって、
    前記制御手段は、前記画像データ補正手段で補正される前の画像データを構成する複数の画素をそれぞれ中間調の画素に変換する第1制御部と、
    前記中間調の画素を前記マトリクスの複数の書込用画素に変換した後、
    前記マトリクス内における複数の書込用画素の前記分布を決定する第2制御部とを備えることを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項3に記載の画像形成装置において、
    前記第1制御部で変換した画素を平滑化する平滑化部と、
    周囲に存在する画素のデータに基づいて、前記平滑化部で平滑化された画素を書込み用画素に対応する解像度の画像へ変換する解像度変換を行なう第2制御部と、
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項1乃至4の何れかの画像形成装置であって、
    前記制御手段は、補正前の画像情報によって表現される画像を構成する複数の画素についてそれぞれ、階調性と前記分布とのうち、何れを優先するのかを判定することを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項5の画像形成装置であって、
    前記第2制御部は、ディザ処理を実施し、階調性を優先したデータを取得することを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項1乃至6の何れかの記載の画像形成装置において、
    前記中間調の画素は、
    2つ以上の要素を有するマトリクスが、
    2つ以上で構成されるディザマトリクスにより小値のデータに変換されるものであって、
    前記マトリクスの前記要素の配置が、
    それぞれ前記ディザマトリクス内の行及び列で異なるように配置されること
    を特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項1乃至7の何れかの画像形成装置において、
    前記制御手段は、前記ずれ量を更新するずれ量更新処理を所定のタイミングで実施することを特徴とする画像形成装置。
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