JP2013057405A - 倍力機構付きシリンダ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ハウジング(1)に出力ロッド(2)が上下移動可能に挿入される。そのハウジング(1)の上部内に挿入した第1ピストン(21)が出力ロッド(2)に連結され、下部内に挿入した第2ピストン(22)が出力ロッド(2)に上下移動可能に外嵌される。第1ピストン(21)と第2ピストン(22)との間にロック室(25)が配置され、第1ピストン(21)の上側及び第2ピストン(22)の下側に第1リリース室(31)及び第2リリース室(32)が配置される。各室(25,31,32)には圧力流体が供給及び排出される。倍力機構(36)の係合ボール(40)は、第2ピストン(22)が下方へ移動するのを阻止すると共に出力ロッド(2)及び第1ピストン(21)を上方へ移動させる状態と、第2ピストン(22)を下方へ移動させて出力ロッド(2)を倍力駆動する状態とに切換えられる。
【選択図】 図1
Description
そして、上記クランプロッドをロック駆動するときには、上記第1ロック室および第2ロック室に圧縮空気を供給して、上記第1ピストン及び第2ピストンを下向きに駆動する。すると、まず、上記ロック駆動の低負荷ストローク時に上記第1ピストンが当該クランプロッドを下向きに駆動し、その後の高負荷ストローク時に上記第2ピストンが倍力機構を介して当該クランプロッドを下向きに倍力駆動する。
従来では、上記倍力機構は、クランプロッドの下部に設けた係合溝と、上記ハウジングの下部に揺動自在に支持した複数の爪部材とを備える。そして、上記倍力駆動時には、下向きに駆動された第2ピストンのテーパ面が爪部材を半径方向の内方へ揺動させて、その爪部材を係合溝に係合させる。
前記の倍力駆動時には、下向きに駆動された第2ピストンが爪部材と係合溝とを介してクランプロッドを下方へ倍力駆動するので、その倍力駆動時の大きな反力が係合溝から爪部材へ上向きに作用し、上記の爪部材を上方へ強力に引っ張る。このため、上記爪部材をハウジングに揺動自在に支持する構造を強固にする必要があり、その支持構造が大きくなって、シリンダ装置が大形になる。
また、上記の従来技術では、第1ピストンの下側に形成した第1リリース室と第2ピストンの上側に形成した第2ロック室とを区画する必要があるので、ハウジングの途中高さ部に厚肉の仕切り壁を設ける必要がある。このため、ハウジングの背丈が高くなり、シリンダ装置がさらに大形になる。
本発明の目的は、倍力機構付きシリンダ装置を小形に造れるようにすることにある。
[本発明について]
ハウジング1に軸心方向へ移動可能に挿入した出力ロッド2と、上記ハウジング1内で上記出力ロッド2に連結されたロッド用の第1ピストン21と、上記ハウジング1内で上記第1ピストン21に対して直列状に配置されると共に上記出力ロッド2に軸心方向へ移動可能に外嵌された倍力用の第2ピストン22とを有する。上記第1ピストン21と上記第2ピストン22との間に、圧力流体が供給および排出されるロック室25を配置し、そのロック室25が、上記第1ピストン21と上記第2ピストン22との両者を当該両者が離れる方向へ押すように構成する。上記第1ピストン21を上記第2ピストン22側へ押すように配置されると共に圧力流体が供給および排出される第1リリース室31と、上記第2ピストン22を上記第1ピストン21側へ押すように配置されると共に圧力流体が供給および排出される第2リリース室32とを備える。また、上記ロック室25に供給された圧力流体が上記第2ピストン22を上記第2リリース室32側へ押す力を、上記第1リリース室31側へ向かう力に反転させると共に倍力変換して上記出力ロッド2へ伝達する倍力機構36を備える。上記倍力機構36は、その倍力駆動の開始時に上記出力ロッド2と上記第2ピストン22との間で半径方向の内方へ狭くなるように形成される楔空間39と、その楔空間39に周方向に所定の間隔をあけて挿入される係合ボール40とを有する。上記係合ボール40は、上記第2ピストン22が上記第1ピストン21から離れる方向へ移動するのを阻止すると共に上記出力ロッド2及び上記第1ピストン21を上記第2ピストン22から離れる方向へ移動させる状態と、上記第2ピストン22を上記第1ピストン21から離れる方向へ移動させると共に当該第2ピストン22が上記出力ロッド2及び上記第1ピストン21を上記第2ピストン22から離れる方向へ倍力駆動する状態とに切換え可能に構成した。
第1ピストンと第2ピストンとの間に配置されたロック室に圧力流体を供給することにより、第1ピストンをハウジングの一端側へ押すと共に第2ピストンをハウジングの他端側へ押すことができる。そして、上記ロック室の圧力流体が第2ピストンを他端側へ押す力は、倍力機構の係合ボールを介して反転されて出力ロッドへ伝達される。このため、倍力駆動時の大きな反力は、上記出力ロッドから倍力機構を介してハウジングに作用することになる。従って、本発明は、倍力駆動時の大きな反力を受け止める構造として、前記の従来技術における引っ張り力を受け止める構造に代えて、圧縮力を受け止める構造を採用できる。その結果、上記の受け止め構造を簡素に構成することが可能になり、シリンダ装置を小形に造れる。
まず、リリース状態を示す図1Aにより、倍力機構付きシリンダ装置の構造を説明する。
ハウジング1に出力ロッド2が上下方向へ移動可能に挿入される。上記ハウジング1の上端壁(第1端壁)1aに設けた上部孔5に出力ロッド2の上ロッド部分2aが封止部材6を介して保密状に支持されると共に、上記ハウジング1の下端壁(第2端壁)1bに設けた下部孔7に出力ロッド2の下ロッド部分2bが支持される。その下ロッド部分2bは、上ロッド部分2aよりも大径に形成されている。
また、上記第1ピストン21の上側に第1リリース室31が配置されると共に上記第2ピストン22の下側に第2リリース室32が配置される。これらの第1リリース室31と第2リリース室32とが、出力ロッド2内に形成した連通孔34によって接続される。これにより、上記第1リリース室31及び第2リリース室32に対して、リリース給排路27とリリースポート(図示せず)とを介してリリース用の圧縮空気が供給および排出可能になっている。
ハウジング1の下端壁1bから上向きに突出させた筒部45の上部に、周方向へ4つの横溝46が形成される。各横溝46の底壁によって前記受部38が構成されている。
前記倍力部41は、第2ピストン22の内周面に設けた傾斜面によって構成される。その倍力部41の下側には、後述する押部48が上記倍力部41に連ねて設けられる。その押部48は、ここでは傾斜面によって構成されている。
図1Aのリリース状態では、ロック室25から圧縮空気が排出されると共に第1リリース室31と第2リリース室32に圧縮空気が供給されている。これにより、第2リリース室32の圧縮空気が第2ピストン22を上方へ押すと共に、第1リリース室31の圧縮空気が第1ピストン21を下方へ押している。
この場合、第2ピストン22に作用する上向き力と、第1ピストン21及び出力ロッド2に作用する下向き力との差力により、ハウジング1の前記胴部1cの途中高さ部に設けたストッパー部49に第2ピストン22の上面の外周部が受け止められ、その第2ピストン22の上面の中央部に第1ピストン21の下面が受け止められている。また、第2ピストン22の押部48と係合ボール40との間には所定の隙間Gが形成されている。
すると、まず、ロック室25の圧縮空気が、第1ピストン21を上方へ押すと共に第2ピストン22を下方へ押していく。これにより、図1B(ロック駆動行程の低負荷ストロークの終期状態)に示すように、第2ピストン22の押部48が係合ボール40を介して下端壁1bの受部38に受け止められると共に、その押部48が、上記係合ボール40を、出力ロッド2の外周面へ向けて半径方向の内方へ押して当該外周面に接当させ、その接当による摩擦力と前記の封止部材6,14,17の摩擦力などに起因する低負荷に抗して、ロック室25の圧縮空気が上記第1ピストン21を介して上記出力ロッド2を上昇させていく。
また、上記図1Dのロック状態において、倍力機構36による保持力(出力ロッド2に作用する外力が上記ロック状態を解除するのを防止する力)は、上記「第2ピストン22の下向き推力」の約5〜10倍である。このため、上記ロック状態を機械的に強力に保持することが可能となった。
また、上記出力ロッド2の軸心に対する前記押部48の傾斜角度は、その軸心に対する前記倍力部41の傾斜角度よりも大きな値に設定される。これにより、上記押部48が係合ボール40を半径方向の内方へ押す力は、上記倍力部41が係合ボール40を半径方向の内方へ押す力よりも小さくなっている。このため、前記の低負荷ストローク時において、出力ロッド2の外周面と係合ボール40との接当による摩擦力が小さくなり、その出力ロッド2が円滑に上昇する。
上記出力ロッド2の下降の終期には、第2ピストン22の押部48と係合ボール40との間に図1に示す前記隙間Gが形成されるので、出力ロッド2の外周面と係合ボール40との間に作用する摩擦力が殆ど無くなり、上記出力ロッド2が円滑に下降する。
この図2の第2実施形態は、上記の第1実施形態とは次の点で異なる。
なお、上記シリンダ装置のリリース駆動は、前記の第1実施形態で説明したように、上記ロック駆動とは逆の手順でなされる。
上記出力ロッド2の下部を下端壁1bよりも下方へ突出させると共に、その下端壁1bに上記の突出部分を保密状に挿入する。そして、上記突出部分の下部に、シリンダ装置の作動状態の被検出部を連結し、その被検出部にリミットスイッチ等のセンサを対面させる。
まず、図3A(リリース状態)によってシリンダ装置の構造を説明する。
前記ハウジング2の胴部1cには、第1シリンダ孔11と第2シリンダ孔12とが上向きに形成される。下側の第1シリンダ孔11にロッド用の第1ピストン21が挿入されると共に、上側の第2シリンダ孔12に倍力用の第2ピストン22が挿入される。上記第1ピストン21の下側に第1リリース室31が配置されると共に、上記第2ピストン22の上側に第2リリース室32が配置される。その第2リリース室32内に前記倍力機構36が配置されている。
より詳しくいえば、前記の各実施形態の各図面においては、出力ロッド2の軸心方向の一端側である第1端側が上側とされると共に軸心方向の他端側である第2端側が下側とされているのに対して、この第3実施形態の各図面においては、出力ロッド2の軸心方向の一端側である第1端側が下側とされると共に軸心方向の他端側である第2端側が上側とされている。
なお、出力ロッド2のロッド本体2cは、上記の上ロッド部分2aよりも大径に形成されている。
下ロッド部分2bには、複数のガイド溝63が周方向へ等間隔に形成される(ここでは一つのガイド溝63だけを示している)。各ガイド溝63は、螺旋状の旋回溝63aと直進溝63bとを上向きに連ねて構成される(図3Bを参照)。上記各ガイド溝63に嵌合される案内ボール64は、下端壁1bから上向きに突出させた筒部材65に設けた貫通孔66に挿入される。上記の複数の案内ボール64に回転スリーブ67が外嵌めされる。
上ロッド部分2aとロッド本体2cとの間に設けた段部69に、前記の伝達部37が形成される。即ち、上記の段部69に、4つの凹所43が周方向へほぼ等間隔に形成され(ここでは1つの凹所43だけを図示している)、各凹所43の底壁が上記の伝達部37を構成している。その伝達部37は、上方へ向かうにつれて軸心へ近づくように傾斜されている。
なお、ハウジング1の胴部1cに設けた前記ストッパー部49は、止め輪によって構成されている。
図3Aのリリース状態では、ロック室25から圧縮空気が排出されると共に第1リリース室31と第2リリース室32に圧縮空気が供給されている。これにより、第2リリース室32の圧縮空気が第2ピストン22を下方へ押すと共に、第1リリース室31の圧縮空気が第1ピストン21を上方へ押している。
これにより、前記クランプ部材55は、旋回退避状態に切り換えられている。
すると、まず、ロック室25の圧縮空気が、第1ピストン21を下方へ押して出力ロッド2を低負荷で下降させる共に第2ピストン22を上方へ押していく。これにより、図3Bに示すように、前記の案内ボール64が旋回溝63aを介して上記出力ロッド2及び前記クランプ部材55を低負荷で旋回させながら下降させ、これと同時に、その出力ロッド2の段部69に設けた前記伝達部37と前記受止めスリーブ71に設けた受部38との間に前記楔空間39が形成され始める。
上記ガイド機構62は、例示の構造に限定されないことは勿論である。例えば、ガイド溝63に嵌合する案内部材は、例示のボール64に代えて円柱状のピンを利用してもよい。また、前記回転スリーブ67を省略してもよい。
前記の受部38を構成する溝の底壁は、水平壁だけで構成してもよい。
さらには、上記出力ロッド2の下部を下端壁1bよりも下方へ突出させると共に、その下端壁1bに上記の突出部分を保密状に挿入し、上記突出部分の下部に、シリンダ装置の作動状態の被検出部を連結し、その被検出部にリミットスイッチ等のセンサを対面させてもよい。
この場合、第2ピストン22の押部48は、断面視で円弧状に形成される。また、受部38は、上方へ向かうにつれて軸心に近づく傾斜面によって構成されている。
前記第1リリース室31と第2リリース室32とは、リリース用圧力流体を供給および排出可能に構成することに加えて、戻しバネを装着するようにしてもよい。
上記第1リリース室31と第2リリース室32とを接続する構造は、前記出力ロッド2に設けた連通孔34に代えて、ハウジング1の胴部1cに設けた連通孔であってもよく、さらには、ハウジング1の外側に設けた配管であってもよい。
前記の伝達部37と受部38は、周方向へ3つ又は4つ設けることが好ましいが、2つ又は5つ以上であってもよい。また、上記伝達部37又は受部38は、例示した凹所や溝に形成することに代えて、上記凹所や溝を省略した部材の表面に形成することも可能である。
本発明のシリンダ装置に使用される圧力流体は、例示した圧縮空気に代えて、他の圧縮気体や圧油等であってもよい。
その他に、当業者が想定できる範囲で種々の変更を行えることは勿論である。
Claims (4)
- ハウジング(1)に軸心方向へ移動可能に挿入した出力ロッド(2)と、上記ハウジング(1)内で上記出力ロッド(2)に連結されたロッド用の第1ピストン(21)と、上記ハウジング(1)内で上記第1ピストン(21)に対して直列状に配置されると共に上記出力ロッド(2)に軸心方向へ移動可能に外嵌された倍力用の第2ピストン(22)と、を有し、
上記第1ピストン(21)と上記第2ピストン(22)との間に配置されて圧力流体が供給および排出されるロック室(25)であって、上記第1ピストン(21)と上記第2ピストン(22)との両者を当該両者が離れる方向へ押すように構成したロック室(25)と、
上記第1ピストン(21)を上記第2ピストン(22)側へ押すように配置されると共に圧力流体が供給および排出される第1リリース室(31)と、
上記第2ピストン(22)を上記第1ピストン(21)側へ押すように配置されると共に圧力流体が供給および排出される第2リリース室(32)と、
上記ロック室(25)に供給された圧力流体が上記第2ピストン(22)を上記第2リリース室(32)側へ押す力を、上記第1リリース室(31)側へ向かう力に反転させると共に倍力変換して上記出力ロッド(2)へ伝達する倍力機構(36)と、を備え、
上記倍力機構(36)は、その倍力駆動の開始時に上記出力ロッド(2)と上記第2ピストン(22)との間で半径方向の内方へ狭くなるように形成される楔空間(39)と、その楔空間(39)に周方向に所定の間隔をあけて挿入される係合ボール(40)とを有し、
上記係合ボール(40)は、上記第2ピストン(22)が上記第1ピストン(21)から離れる方向へ移動するのを阻止すると共に上記出力ロッド(2)及び上記第1ピストン(21)を上記第2ピストン(22)から離れる方向へ移動させる状態と、上記第2ピストン(22)を上記第1ピストン(21)から離れる方向へ移動させると共に当該第2ピストン(22)が上記出力ロッド(2)及び上記第1ピストン(21)を上記第2ピストン(22)から離れる方向へ倍力駆動する状態とに切換え可能に構成した、
ことを特徴とする倍力機構付きシリンダ装置。 - 請求項1の倍力機構付きシリンダ装置において、
前記倍力駆動の開始時に前記係合ボール(40)を前記楔空間(39)に押し出すための押部(48)であって、前記第2ピストン(22)が前記第1ピストン(21)から離れる方向へ移動するのを阻止すると共に前記出力ロッド(2)及び前記第1ピストン(21)を前記第2ピストン(22)から離れる方向へ移動させる状態で前記係合ボール(40)を前記出力ロッド(2)の外周面へ向けて半径方向の内方へ押す押部(48)を、前記第2ピストン(22)に設けた、
ことを特徴とする倍力機構付きシリンダ装置。 - 請求項2の倍力機構付きシリンダ装置において、
前記押部(48)が前記係合ボール(40)を半径方向の内方へ押す力は、前記第2ピストン(22)に設けた倍力部(41)が前記係合ボール(40)を半径方向の内方へ押す力よりも小さくなるように、当該押部(48)を構成した、
ことを特徴とする倍力機構付きシリンダ装置。 - 請求項1から3のいずれかの倍力機構付きシリンダ装置において、
前記出力ロッド(2)にクランプ部材(55)を連結した、
ことを特徴とする倍力機構付きシリンダ装置。
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