JP2013052696A - 車体下部構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両走行中の走行風や気流(風)によって床下で発生する風切り音を解消した車体下部構造を提供する。
【解決手段】車両Cの床下1cには、前輪Tの後方に配置され、中空状に形成された空洞部を有する骨格部材10が設けられている。床下1cには、空洞部と骨格部材10の外部とに連通する開口10cを塞ぐシール部材Sと、シール部材Sを覆うアンダコートAと、が設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、車体下部構造に関し、特に、車両が走行している際に、床下を流れる走行風によって、車体下部で風切り音が発生するのを解消した車体下部構造に関する。
従来、車両の床下に凹凸部がある場合は、車両が走行すると、その凹凸部に走行風が当たって風切り音が発生する(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に開示されている自動車内雨傘収納構造における自動車には、フロアの床下部に、傘に付着した水滴を排出する穴からなる開口部と、この開口部を開閉する板状の開閉弁と、が設けられている。その自動車の場合は、開口部を開閉弁で閉塞しておけば、走行中に開口部及び開閉弁によって風切り音が発生することはない。
特開平9−277879号公報(段落0012、図2)
しかしながら、前記したような従来の自動車では、走行中に開閉弁を開弁した際には、走行風が開閉弁に当たって風切り音が発生したり、また、走行風が開口部内に入り込んで風切り音が発生したりする。特に、高速走行時には、左右の前輪後方で、その前輪の左右を流れた走行風が合流して乱流となるので、開口部及び開閉弁が受ける空気抵抗が増加する。このため、開放された開口部には、走行風が入り込み易く、指笛の原理により、風切り音が発生する。
図8は、気流の流れによって音が発生される指笛の原理を示す瓶の図であり、(a)は空洞の深さが浅い場合の状態を示す模式図、(b)は空洞の深さが深い場合の状態を示す模式図である。
前記特許文献1に記載の自動車の床下の開口部は、図8(a)、(b)に示す指笛の原理と同様に、瓶100,200の開口部110,210から空洞部120,220内に気流が入り込むと音が発生して風切り音となる。
図8(a)、(b)に示すように、例えば、息300(気流)が、瓶100,200の左側から開口部110,210の右側縁に正確に当たると、空洞部120,220の中に入る息310と、瓶100,200の外側に出る息320と、に分かれる。このとき、瓶100,200内には、空洞部120,220に息330の渦巻きが発生して、瓶100,200内の空気を振動させて音が発生する。
図8(a)に示すように、水W1が多くて、空洞部120の深さH1が浅い瓶100の場合は、高い音が発生する。
図8(b)に示すように、水W2が少なくて、空洞部220の深さH2が深い瓶200の場合は、低い音が発生する。
このように、自動車の床下に空洞部120,220に連通する開口部110,210がある場合には、走行中に開口部110,210から空洞部120,220内に走行風が流れ込んで、前記した指笛の原理が働き、指笛のような音が発生する。
つまり、引用文献1の自動車の床下において、筒状構造の開口部は、図8(a)、(b)の空洞部120,220の開口部110,210に相当し、走行中に走行風が開口部110,210に当たれば、前記指笛の原理と同様に音(風切り音)が発生し、空洞部が振動してフロアパネル等に伝播し、車室内の乗員に不快な音となって伝わるという問題点がある。
このように、自動車の床下の骨格部材や、骨格部材と骨格部材との繋ぎ目の連結部位や、フロントアンダーカバー及びフロアアンダカバー等の部材に、空洞部に連通する開口部が形成されてあった場合は、指笛の原理により、走行風によって空洞部を形成する部材が振動して伝播し、異音を発生するという問題点がある。
そこで、本発明は、前記問題点を解決するために創案されたものであり、車両走行中の走行風や気流(風)によって床下で発生する風切り音を解消した車体下部構造を提供することを課題とする。
本発明に係る車体下部構造は、前輪の後方に配置され、中空状に形成された空洞部を有する骨格部材を、車両の床下に備えた車体下部構造であって、前記床下には、前記空洞部と前記骨格部材の外部とに連通する開口を塞ぐシール部材と、前記シール部材を覆うアンダコートと、が設けられていることを特徴とする。
かかる構成によれば、車体下部構造は、車両の床下にある開口をシール部材で塞いだことにより、車両の床下を流れる走行風や気流(風)が開口内に入り込むのを阻止して、開口が指笛の現象で音を発生するのを解消することができる。その結果、空洞部が走行風や気流によってフロアパネルやアンダカバー等の部材を振動させて伝播させ、不快な風切り音が乗員に伝わるのを解消することができる。さらに、開口から空洞内に、塵埃や泥水や雨水等の異物が入り込むのを阻止することができる。
また、シール部材は、アンダコートにより周縁が覆われて保護されていることによって、骨格部材に貼り付けたシール部材の周縁を補強することができるため、その周縁が骨格部材から剥離してシール部材が落下するのを抑制することができる。
また、前記骨格部材は、車体前後方向に延設された左右一対のフロントサイドフレームと、前記フロントサイドフレームよりも車幅方向外側に配置されて車体前後方向に延設された左右一対のサイドシルと、前記左右のフロントサイドフレームと前記左右のサイドシルとをそれぞれ連結するアウトリガと、を備えてなり、前記開口は、前記左右のアウトリガと、前記左右のフロントサイドフレームまたは前記左右のサイドシルとの結合部に配置されていることが好ましい。
かかる構成によれば、アウトリガは、例えば、断面ハット形状である場合は、底面及び側面に形成された各溶接フランジによりフロントサイドフレームまたはサイドシルに結合されている。このため、その各結合部には必然的にプレス成形上の開口(逃げ孔)が形成される。その開口は、単純な丸穴ではなく異形のため、めくら蓋による閉鎖が困難であっても、シール部材で閉塞するので、容易に閉塞することが可能となる。
また、前記シール部材は、矩形を含む多角形形状に形成されていることが好ましい。
かかる構成によれば、矩形のシール部材は、多角形の対角線を稜線上に沿って貼ることにより、貼り付け易くなるため、シール部材を車体に貼り付ける作業性を向上させることができる。
また、前記アンダコートは、前記シール部材の外形よりも大きく形成されていることが好ましい。
かかる構成によれば、アンダコートは、シール部材の外形よりも大きく形成されていることによって、シール部材をアンダコートで覆って、シール部材の周縁が捲れて剥離したり、脱落したりするのを抑制して、シール部材の耐久性を向上させることができる。
また、前記シール部材及び前記アンダコートは、熱硬化型の材料からなることが好ましい。
かかる構成によれば、シール部材及びアンダコートは、熱硬化型の材料からなることによって、シール部材を貼り付ける作業が容易であると共に、塗装工程で同時に熱硬化させて車体のフロアと一体化させることもできる。
また、前記左右のアウトリガの下面には、車両前方から車両後方へ向かって流れる気流を車体外側方向へ指向させるデフューザが設けられていることが好ましい。
かかる構成によれば、アウトリガは、その下面に車両前方から車両後方へ向かって流れる気流を車体外側方向へ指向させるデフューザが設けられていることにより、走行風を車両の左右外側に向けて流すことができる。このため、そのデフューザを前記開口の前方に配置されれば、開口へ走行風が流れるのを阻止して、指笛現象で発生する音や、風切り音等の不快な音が発生するのを抑制することができる。
本発明は、車両走行中の走行風や気流(風)によって床下で発生する風切り音を解消した車体下部構造を提供することができる。
本発明の実施形態に係る車体下部構造を示す車体の要部概略底面図である。 図1のX−X線端面図である。 図1のY−Y線端面図である。 本発明の実施形態に係る車体下部構造を示す要部概略分解斜視図である。 本発明の実施形態に係る車体下部構造を示す図であり、シール部材及びアンダコートを取り除いた状態の要部概略斜視図である。 本発明の実施形態に係る車体下部構造を示す要部概略拡大底面図である。 図2のZ−Z線端面図である。 気流の流れによって音が発生される指笛の原理を示す瓶の図であり、(a)は空洞の深さが浅い場合の状態を示す模式図、(b)は空洞の深さが深い場合の状態を示す模式図である。
図1〜図7を参照して、本発明の実施形態に係る車体下部構造を説明する。
なお、車両Cの進行方向を「前」、後退方向を「後」、「鉛直上方側を「上」、鉛直下方側を「下」、車幅方向を「左」、「右」として説明する。
≪車両の構成≫
まず、本発明の実施形態に係る車体下部構造を説明する前に、本発明が適用される車両Cについて説明する。
図1に示すように、車両Cは、車体前部1aにモータルームを有し、このモータルームに隔壁部(図示省略)を介在して車室(客室)が配設された自動車であり、例えば、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)、FR(フロントエンジン・リヤドライブ)、四輪駆動の乗用車等である。
なお、車両Cは、床下1cに後記する開口10cが形成されているものであれば、自動車の形式・種類は特に限定されない。以下、車体前部1aにモータルームがある乗用車の場合を例に挙げて本発明を説明する。
≪車体の構成≫
図1に示すように、車体1は、車両Cの全体を形成するためのものであって、例えば、フロントサイドフレーム11等の種々の金属製車体フレームを形成する骨格部材10と、不図示のボンネット、フェンダパネル等の金属製のパネル部材20と、樹脂製または金属製からなるフロントバンパB等を主に備えている。
前記車体1の車体前部1aの車体下部1bには、それぞれ後記するフロントバンパB、前輪T、骨格部材10、パネル部材20、デフューザ3、シール部材S、アンダコートA等が左右一対で略左右対称に設置されている。車体前部1aは、略左右対称であるため、以下、車体1の左側を主に説明して、車体1の右側の説明を適宜省略する。
≪フロントバンバの構成≫
図1に示すように、フロントバンパBは、車体前部1aの前端に車幅方向に延設されている。フロントバンパBは、このフロントバンパBに沿って車幅方向に延設されたバンパビーム(図示省略)に固定されている。そのバンパビームは、角筒状の鋼材からなる車体フレームであり、不図示のバンパビームエクステンションを介してフロントサイドフレーム11の前端に連結されている。
≪前輪の構成≫
前輪Tは、前記フロントバンパBの後方の左右に配置され、後記するフロントホイールハウス21によって空間を介して覆われている。
≪骨格部材の構成≫
図2に示すように、骨格部材10は、車両Cの骨格を形成する部材であり、中空状に形成された空洞部10aを有する金属製部材からなる。車体前部1aの車体下部1bに設けられる骨格部材10としては、後記するフロントサイドフレーム11、サイドシル12、アウトリガ13、クロスメンバ(図示省略)、トンネルフレーム(図示省略)、フロアフレーム14、フロントピラー15等がある。
<フロントサイドフレームの構成>
図1に示すように、フロントサイドフレーム11は、車体前部1aの車体下部1bにおいて、前記バンパビーム(図示省略)の後方から車体後方に向けて延設された左右一対のフレーム部材である。フロントサイドフレーム11の後端部には、フロアフレーム14が後方へ連続して接合されると共に、その後部にアウトリガ13及びクロスメンバ(図示省略)が架設されている。
図2に示すように、フロントサイドフレーム11は、上面を開口した縦断面視して略U字状のフロントサイドフレーム本体11aと、フロントサイドフレーム本体11aの開口部位をフロントアンダパネル23を介在して閉塞するように溶接手段によって接合された補強フチスナ11bとからなる。このようにフロントサイドフレーム11は、フロントサイドフレーム本体11aとフロントアンダパネル23と補強フチスナ11bとを断面視して略日字状に形成されている。つまり、フロントサイドフレーム11は、閉断面を二重に配置したように形成されているので、高い剛性を有している。
フロントサイドフレーム本体11aは、断面視してハット形状の鍔付きの溝形鋼からなり、車体1の前後方向へ向けて僅かに曲がって延設されている(図1参照)。
補強フチスナ11bは、フロントサイドフレーム本体11aの開口部に合致して閉塞するように形成された断面視してハット形状の鍔付きの溝鋼からなり、フロントサイドフレーム本体11aの高さよりも低く形成されている。
<サイドシルの構成>
図1に示すように、サイドシル12は、フロントサイドフレーム11よりも車幅方向外側の左右端部に配置されて、フロントホイールハウス21(前輪T)の後方から車体後方向に向けて延設された左右一対のフレーム部材であり、フロアパネル25の左右端部を支持する部材である。
図2に示すように、サイドシル12は、車体中央側に配置されたサイドシルインナ121と、車体外側に配置されたサイドシルアウタ122と、このサイドシルアウタ122と前記サイドシルインナ121との間に配置されたサイドシルフチスナ123及びジャッキアップ用スチフナ124と、金属製板部材からなるサイドシル補強ブラケット125と、を接合してなる中空フレーム部材である。
図2に示すように、サイドシルインナ121は、上端部の上部接合部12aがフロントピラー15の下端部に接合され、下端部がフロアパネル25の外側端部に接合された高強度鋼板からなり、例えば、縦断面視して車室側に膨らんだ形状に折曲形成されている。
サイドシルアウタ122は、サイドシル12全体を車外側から覆うように配置された高強度鋼板からなり、下端部の結合部10dがフェンダー22、フロントアンダパネル23、アウトリガ13に溶接手段によって接合されている。
サイドシルフチスナ123は、サイドシルインナ121とで中空状の空間を形成するように配置された縦断面視して縦方向にハット形状の高強度鋼板からなる。サイドシルフチスナ123は、下端部が前記結合部10dに接合され、上端部の上部接合部12aがフロントピラー15及びジャッキアップ用スチフナ124に接合されている。
ジャッキアップ用スチフナ124は、サイドシルインナ121とサイドシルアウタ122との間に介在されて、閉断面を左右に二分するように配置された補強用板部材であり、上端部が前記上部接合部12aに接合され、下端部が結合部10dに接合されている。
サイドシル補強ブラケット125は、サイドシルインナ121内の上部に設けられた金属製補強板部材である。
<アウトリガの構成>
図2に示すように、アウトリガ13は、フロントサイドフレーム11とサイドシル12との間に架設されて、それらにそれぞれ溶接手段によって連結されたフレーム部材である。図3に示すように、アウトリガ13は、縦断面視して略ハット形状にプレス成形された鋼板からなり、このアウトリガ13の下面13aに、車両前方から車両後方へ向かって流れる気流(走行風)を車体外側方向へ指向させるデフューザ3が設けられている。アウトリガ13の前後方向の端部には、前端部に、ダッシュボードロアパネル24に接合する前側溶接フランジ13fが形成され、後端部に、ダッシュボードロアパネル24及びフロアパネル25に接合される後側溶接フランジ13gが形成されている。
図4に示すように、アウトリガ13の車幅方向外側の端部には、側面及び上面に、サイドシル12のサイドシルインナ121の側面及び上端部に溶接手段によって接合される溶接フランジ13d,13eが形成されている。
図4に示すように、アウトリガ13とサイドシル12との連結部位には、アウトリガ13内に形成された空洞部10aからアウトリガ13(骨格部材10)の外部の大気中に連通する開口10cが形成されている。
<開口部の構成>
前記骨格部材10の開口10cは、いわゆる逃げ孔であり、例えば、アウトリガ13とサイドシル12との結合部10dに配置されている。アウトリガ13とフロントサイドフレーム11との結合部(図示省略)にも同様な開口(図示省略)が形成されている。
つまり、車体前後方向に延設された骨格部材10と、車体1の幅方向に向けて延設された骨格部材10とを連結する場合は、開口10cが形成される。なお、この開口10c(逃げ孔)は、アウトリガ13の下面13a及び側面に溶接フランジ13d,13eをプレス成形すると必ず形成される。
<クロスメンバ、トンネルフレーム及びフロアフレームの構成>
前記クロスメンバ(図示省略)は、車体1に対して略左右方向に配置される筒状フレーム部材であり、左右のフロントサイドフレーム2,2の後部部に架設されている。
前記のトンネルフレーム(図示省略)は、車室の床部中央部に設置されるトンネル部の左右端部に車両前後方向に向けて延設される左右一対の金属製中空部材からなる。トンネルフレーム(図示省略)は、その前端に設置されたフロアフレーム14、アウトリガ13及びダッシュボードロアパネル24に接合されて、フロアパネル25の車体中央部側を保持するためのフレーム部材であり、車室内の床下1cに配置されている。
フロアフレーム14は、前端が、フロントサイドフレーム2の後部に連結され、車体中央側が、トンネルフレーム(図示省略)に連結され、車体外側が、左右のサイドシル12の車室側側面に溶接されている。
≪パネル部材の構成≫
パネル部材20は、図1に示すように、鋼板あるいはアルミ合金等の金属製板材、または、合成樹脂製板材からなる。車体前部1aの車体下部1bに設けられるパネル部材20としては、後記するフロントホイールハウス21、フェンダー22、フロントアンダパネル23、ダッシュボードロアパネル24、フロアパネル25等がある。
<フロントホイールハウスの構成>
フロントホイールハウス21は、前輪Tを空間を介して覆うように配置された部材であり、フロントサイドフレーム2の車幅方向の外側側面に配置されている。フロントホイールハウス21の下面には、樹脂製のインナフェンダ21aや、樹脂製のホイールアーチプロテクタ21b等が設けられている。
<フェンダーの構成>
図2に示すフェンダー22は、不図示のモータルームの上面に配置されるボンネットの左右から下方に延設されたパネル部材であり、フロントピラロア(図示省略)と共にフェンダー22の下端部22aが、サイドシル12の前端部に連結されている。
<フロントアンダパネルの構成>
図1に示すように、フロントアンダパネル23は、車体前部1aの車体下部1bにおいて、モータルームの下側に配置された鋼板であり、フロントバンパBの後方部位からフロアアンダパネル26の先端部に亘って配置されている。
<ダッシュボードロアパネルの構成>
ダッシュボードロアパネル24は、モータルームと車室とを仕切る隔壁の下方部位を形成する部材であり、例えば、鋼板等からなる。
<フロアパネル及びフロアアンダパネルの構成>
フロアパネル25は、車室(客室)の床面を形成する板部材であり、例えば、左右のサイドシル12から車体中央部に配置されたトンネルフレーム(図示省略)に亘って配置された鋼板からなる。
フロアアンダパネル26は、フロアパネル25の下方に配置されたフロアアンダカバーである。なお、フロアアンダパネル26の開口10c寄りの左右前端部は、ジャッキで車体1をジャッキアップする際に、ジャッキを配設するために切除してある。
≪デフューザの構成≫
図4及び図6に示すように、デフューザ3は、車体下部1bに設けられた空力部品であり、アウトリガ13の下面13aの中央部位に、車幅方向外側がやや車体後側になるように斜めにして配置されている。デフューザ3は、開口10cよりも車体前方側に配置されて、デフューザ3に当たった車体前方から車体後方に向かって流れる走行風を車幅方向の外方向に受け流して、前輪Tの後方の床下1cに走行風の渦(乱流)を発生し難くすると共に、開口10c側方向に走行風(気流)が流れ難くしている。デフューザ3は、固定クリップ、ねじ等の固定具Nが挿入される3つの貫通孔3aが形成された平面板部31と、平らな平面板部31から下方向に向けて垂設された整流板部32と、を一体形成した金属製板部材からなる。デフューザ3は、貫通孔3aに挿入したねじNによって座金33を介在してアウトリガ13の下面13aに固定されている。
平面板部31は、整流板部32の下端部から車体後方向に向けて形成されて、アウトリガ13の下面13aに当接した状態で配置される板状部位である。
整流板部32は、平面視して円弧状(図1参照)、背面視して矩形に形成された立板部であり、床下1cを車体前方から車体後方に向けて流れる走行風が当たるように、床下1cから下側に突出して配置されている。
≪シール部材の構成≫
図4及び図6に示すように、シール部材Sは、床下1cの空洞部10a(図2参照)と骨格部材10の外部10bとに連通する開口10cを塞いで、走行風等の気体や、雨水等の液体や、砂利、塵埃、小さなゴミ等の異物が空洞部10a内に侵入するのを防止するための閉塞部材(パッチ)である。シール部材Sは、例えば、熱硬化型の材料によって、矩形を含む多角形形状に形成されている。そのシール部材Sは、例えば、テープ状の加熱硬化型シーラからなり、良好な塗装外観と優れたシール性と剛性とを備えた片面粘着タイプのものからなる。
図6及び図7に示すように、このシール部材Sは、開口10cを閉塞するために、アウトリガ13の稜線部13cにシール部材Sの対角線Saを一致させるようにして、アウトリガ13の下面13a及び後側側面13bと、サイドシルインナ121とに亘って貼付されている。
<アンダコートの構成>
図6及び図7に示すように、アンダコートAは、シール部材Sを覆って剥離及び脱落を防止する補強部材であり、前記シール部材Sの外形よりも大きく形成された熱硬化型の樹脂製材料からなるコーティング材である。このアンダコートAは、例えば、シール部材S全体を覆うようにアウトリガ13とサイドシル12との結合部10dに塗付される。特に、アンダコートAは、シール部材Sの外周縁部と、アウトリガ13及びサイドシル12のアンダコートAの周辺部位とを塗付して覆うことにより、アンダコートAが車体1から剥離しないように設けられている。このアンダコートAは、例えば、アクリル樹脂、ウエタン樹脂を主成分とし、その他に充填剤、可塑剤、添加剤等が含有された材料からなる。
なお、このアンダコートAは、車体1に塗付することによって、塗装剥がれ防止、磨耗防止、チッピング防止、防錆、防音、防振等の効果もある。
≪車体下部構造の作用≫
次に、図1〜図7を主に参照しながら本発明の実施形態に係る車体下部構造の作用を説明する。まず、骨格部材10の開口10cを塞ぐ作業について説明する。
開口10cを塞ぐ場合は、図4に示すように、矩形のシール部材Sの対角線Saをアウトリガ13の稜線部13c上に合わせるようにして載せ、シール部材Sで開口10cを覆って閉塞する。この場合、シール部材Sは、シール部材Sの対角線Saを、アウトリガ13の稜線部13c上に合わせるようにして開口10cを塞ぐと共に、また、そのシール部材Sが柔軟性を有していることにより、シール部材Sを取り付け作業が行い易い。
次に、図6に示すように、そのシール部材Sを覆うようにしてシール部材Sと、シール部材Sの周辺のアウトリガ13及びサイドシル12と、にアンダコートAを塗付する。塗装後は、乾燥工程により熱硬化させる。このように、シール部材Sは、アンダコートAに覆われることによって、対落耐久性が向上される。
これにより、シール部材S及びアンダコートAの取り付けが完了する。
次に、前述したように構成された車体下部1bを有する車両Cが車両前方方向に走行した場合を説明する。
図1に示すように、車両Cが前方へ走行すると、車両Cの外周全体には、車体前方から車体後方に向けて走行風(矢印a,b,c)が流れる。そのとき、車体1の床下1cにも、車体前方から車体後方に向けて走行風(矢印a,b,c)が流れる。
車体中央部寄りの床下1cを流れる走行風(矢印a)は、フロントバンパBの下からフロントアンダパネル23の下方を通ってその後方のフロアアンダパネル26の下を後方向に向かって真っ直ぐ流れる。
車体前部1aの前輪Tの車体中央寄りの床下1cでは、フロントバンパBの左右端部から前輪Tの車体中央側を通って車体後方に向かって走行風(矢印b)が流れる。その走行風(矢印b)は、前輪Tの脇を過ぎると、デフューザ3の整流板部32に当たって車体外方向(矢印f方向)に指向される。このため、前記走行風(矢印b)と、前輪Tの外側を車体前部1aから車体後方に向けて流れる走行風(矢印c)とによって、前輪Tの後方に乱気流が発生して車体1に対する空気抵抗が過大になるのを抑制することができる。
図5に示すように、前記デフューザ3の車体外側の後寄りには、アウトリガ13とサイドシル12との結合部10dに開口10cが形成されているが、図6に示すように、その開口10cがシール部材S及びアンダコートAで閉塞されているので、前述した指笛の原理によって走行風による風切り音が発生することがない。
これにより、シール部材Sは、従来、走行風(気流)が開口10cに侵入することで、指笛の原理により、アウトリガ13が走行風で振動してフロアパネル25に伝播し、車室内側に不快な風切り音となって聞こえていたのを解消することができる。
また、シール部材Sは、その周縁部や周囲全体がアンダコートAによってしっかりと車体1に固定されているので、走行風、雨水、砂利等が当接しても剥離することがない。
また、開口10cは、シール部材S及びアンダコートAによって閉塞されているので、前記走行風(気体)や、雨水等の液体や、砂利、塵埃、小さなゴミ等の異物が、開口10cから空洞部10a内に侵入するのを阻止することができると共に、錆等が発生するのを防止することができる。
[変形例]
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内で種々の改造及び変更が可能であり、本発明はこれら改造及び変更された発明にも及ぶことは勿論である。
例えば、前記実施形態では、開口10cが形成される骨格部材10の一例として、アウトリガ13とサイドシル12との結合部10dに形成されたいわゆる逃げ孔を例に挙げて説明したが、骨格部材10は、車体下部1bに配置された骨格部材10であればよく、アウトリガ13と、サイドシル12との結合部10dに限定されるものではない。
開口10cは、例えば、車体1の床下1cの骨格部材10に形成され、骨格部材10内の空洞状の部位に連通する貫通孔、穴、凹部、隙間等であっても構わない。
また、骨格部材10の結合部10dは、開口(エスケープ)が形成されるフレーム部材であればよい。例えば、その結合部10dは、フロントサイドフレーム11、サイドシル12等の車体前後方向に延設される中空状フレーム部材と、この車体前後方向に延設された中空状フレーム部材に架設するように連結された前記アウトリガ13の車体中央側端部、クロスメンバ、フロアフレーム14等の車幅方向に延設される中空状フレーム部材と、の連結部位であってもよい。
また、フロントサイドフレーム11やサイドシル12やその他の骨格部材10は、空洞部10aを有するものであればよく、その形状や材料等は特に限定されない。つまり、骨格部材10は、角筒状フレーム、円筒形状等の他の形状の筒状部材であっても構わない。
また、それらの骨格部材10は、剛性の高い材料であればよく、アルミニウム合金等の軽合金や樹脂材料からなるものであっても構わない。
1 車体
1c 床下
3 デフューザ
10 骨格部材
10a 空洞部
10b 外部
10c 開口
10d 結合部
11 フロントサイドフレーム
12 サイドシル
13 アウトリガ
13a 下面
20 パネル部材
A アンダコート
C 車両
S シール部材
T 前輪

Claims (6)

  1. 前輪の後方に配置され、中空状に形成された空洞部を有する骨格部材を、車両の床下に備えた車体下部構造であって、
    前記床下には、前記空洞部と前記骨格部材の外部とに連通する開口を塞ぐシール部材と、
    前記シール部材を覆うアンダコートと、
    が設けられていることを特徴とする車体下部構造。
  2. 前記骨格部材は、車体前後方向に延設された左右一対のフロントサイドフレームと、
    前記フロントサイドフレームよりも車幅方向外側に配置されて車体前後方向に延設された左右一対のサイドシルと、
    前記左右のフロントサイドフレームと前記左右のサイドシルとをそれぞれ連結するアウトリガと、備えてなり、
    前記開口は、前記左右のアウトリガと、前記左右のフロントサイドフレームまたは前記左右のサイドシルとの結合部に配置されていることを特徴とする請求項1の車体下部構造。
  3. 前記シール部材は、矩形を含む多角形形状に形成されていることを特徴とする請求項1または2の車体下部構造。
  4. 前記アンダコートは、前記シール部材の外形よりも大きく形成されていること特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の車体下部構造。
  5. 前記シール部材及び前記アンダコートは、熱硬化型の材料からなることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の車体下部構造。
  6. 前記左右のアウトリガの下面には、車両前方から車両後方へ向かって流れる気流を車体外側方向へ指向させるデフューザが設けられていることを特徴とする請求項2に記載の車体下部構造。
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