JP2013049895A - 高一様伸び特性を備え、かつ溶接部低温靱性に優れた高強度溶接鋼管、およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】特定の、母材の成分組成と溶接金属の成分組成を備え、前記母材部は、第1相がフェライトで、第2相が第1相中に面積率で5〜20%分散した平均アスペクト比が2.0以下である島状マルテンサイトで、前記島状マルテンサイトの90%以上がフェライト粒界に存在したミクロ組織を有し、前記溶接金属部は、アシキュラフェライトの面積率が80%以上かつ、島状マルテンサイトの面積率が5%以下であるミクロ組織を有する溶接鋼管。上記特定の母材成分組成を有する鋼片を、Ac3以上に再加熱後、圧延終了温度Ar3以上で熱間圧延し、その後、空冷して得られた鋼板を冷間成形により筒状に成形した後、Ac1以上Ac3以下に急速加熱し、引続き空冷あるいは水冷で室温まで冷却後、端部を溶接し、最後に拡管をする。
【選択図】なし
Description
1 応力−歪曲線の1%歪前後における硬化勾配が大きくなるほど座屈発生が抑制でき、 実管曲げ試験では、使用鋼管の応力−歪曲線における0.5%耐力値に対する1.5%耐力値が1.15以上となる場合に座屈が発生しなくなる。
2 鋼板の一様伸びには島状マルテンサイト(MA(Martensite−Austenite constituents)という場合がある)の形態および第1相中の分散状態が大きく影響し、素材鋼板の製造方法と冷間加工による鋼管形状への成形中の熱処理を制御することで、低温靱性を得るために必要な溶接金属のミクロ組織を変質させることなく、上記1の達成に最適なMAの形態および分散状態が得られる。
1.母材の成分組成が、質量%で、
C:0.03%超〜0.06%、
Si:0.1%以下、
Mn:1.0〜1.7%、
Al:0.003〜0.08%、
Nb:0.01〜0.04%、
Ti:0.005〜0.025%、
を含有し、さらに
Cu:0.1〜0.5%、
Ni:0.1〜0.5%、
Mo:0.1〜0.5%、
Cr:0.1〜0.5%、
V:0.003〜0.04%、
の1種または2種以上を含有し
残部Feおよび不可避的不純物からなり、
溶接金属の成分組成が、質量%で、
C:0.06〜0.08%、
Si:0.2〜0.5%、
Mn:1.3〜1.8%、
Al:0.03%以下、
B:0.001〜0.003%、
Nb:0.005〜0.025%、
Ti:0.015〜0.040%、
Cu:0.1%以下、
V:0.03%以下、
O:0.015〜0.04%、
N:0.01%以下、
を含有し、さらに
Ni:0.1〜0.4%、
Mo:0.05〜0.2%、
Cr:0.1〜0.2%、
の1種または2種以上を含有し、
残部Feおよび不可避的不純物からなり、
前記母材部は、第1相がフェライトで、第2相が第1相中に面積率で5〜20%分散した平均アスペクト比が2.0以下である島状マルテンサイトで、前記島状マルテンサイトの90%以上がフェライト粒界に存在したミクロ組織を有し、
前記溶接金属部は、アシキュラフェライトの面積率が80%以上かつ、島状マルテンサイトの面積率が5%以下であるミクロ組織を有することを特徴とする高一様伸びを備え、かつ溶接部低温靱性に優れた高強度溶接鋼管。
2.母材部の成分組成が更に、質量%で、
Ca:0.0005〜0.01%、
REM:0.0005〜0.02%、
Zr:0.0005〜0.01%、
Mg:0.0005〜0.01%、
の1種または2種以上を含有することを特徴とする1記載の高一様伸びを備え、かつ溶接部低温靱性に優れた高強度溶接鋼管。
3.質量%で、
C:0.03超え〜0.06%、
Si:0.1%以下、
Mn:1.0〜1.7%、
Al:0.003〜0.08%、
Nb:0.01〜0.04%、
Ti:0.005〜0.025%、
を含有し、さらに
Cu:0.1〜0.5%、
Ni:0.1〜0.5%、
Mo:0.1〜0.5%、
Cr:0.1〜0.5%、
V:0.003〜0.04%、
の1種または2種以上を含有し
残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼片を、
Ac3以上に再加熱後、圧延終了温度Ar3以上で熱間圧延し、その後、空冷して得られた鋼板を冷間成形により筒状に成形した後、Ac1以上Ac3以下に急速加熱し、引続き空冷あるいは水冷で室温まで冷却後、端部を溶接し、最後に拡管をすることを特徴とする、高一様伸びを備え、かつ溶接部低温靱性に優れた高強度溶接鋼管の製造方法。
4.鋼片の成分組成が更に、質量%で、
Ca:0.0005〜0.01%、
REM:0.0005〜0.02%、
Zr:0.0005〜0.01%、
Mg:0.0005〜0.01%、
の1種または2種以上を含有することを特徴とする3記載の高一様伸びを備え、かつ溶接部低温靱性に優れた高強度溶接鋼管の製造方法。
[母材部成分組成]以下の説明において%は質量%とする。
C:0.03%超、0.06%以下
Cは十分なMA面積率を確保するために0.03%を超える添加が必要である。一方、0.06%を超えて添加すると、母材部ミクロ組織でフェライト相と第2相のMAに加えてパーライト相の生成を招き延性の低下につながるため、上限を0.06%とする。
Siは溶接熱影響部においてはMAの生成を助長し、溶接部靱性の低下をもたらすため、溶接部におけるMAの生成を抑制するため上限を0.1%とする。
Mnは焼入性向上元素として作用する。さらに、多量に添加することで、フェライト相に固溶できるC量を低減する効果があり、未変態オーステナイト領域へのC濃化を大きくするので、MAの生成量を増加させる。
Alは脱酸元素として作用する。Siと同時添加で十分な脱酸効果を得るためには0.003%以上の含有が必要である。一方、0.08%を超えて添加すると鋼の清浄度が低下し、一様伸び低下の原因となるため、上限を0.08%とする。
Nbは熱間圧延中のオーステナイト未再結晶域を拡大し、鋼の焼入れ性向上元素としても作用する。また、Mnと同様に未変態オーステナイト領域へのC濃化を大きくするので、MAの生成量を増加させる。後述するようにミクロ組織において、MAの面積率を5%以上とするためには、0.01%以上の添加が必要である。一方、0.04%を超えて添加すると溶接部靱性を低下させることから、上限を0.04%とする。
Tiは窒化物を形成し、靭性に悪影響を与える、鋼中の固溶N量の低減に有効であるほか、析出したTiNがピンニング効果でオーステナイト粒の粗大化を抑制して、ミクロ組織の粗大化を抑制する。そのような効果を得るため、0.005%以上含有させる。一方、0.025%を超えて添加するとTiCを形成するようになり、その析出硬化で降伏比が上昇しやすくなることから、上限を0.025%とする。
Cuは0.1%以上含有することによって焼入性向上元素として作用し、多量のMn添加の代替とすることができる。しかし、0.5%までの添加でAPIX70の強度を満足させることができ、0.5%を超えて含有させても効果が飽和するため、含有させる場合には上限を0.5%とする。
Niは、焼入性向上元素として作用し、添加しても靱性劣化を起こさない。この効果を得るために、0.1%以上含有することが好ましいが、0.5%までの添加でAPIX70の強度を満足させることができ、0.5%を超えて含有させても効果が飽和するため、含有させる場合には上限を0.5%とする。
Moは母材あるいは溶接熱影響部の強度を向上させるため含有させることができる。0.1%以上含有することによって焼入性向上元素として作用し、多量のMn添加の代替とすることができる。しかし、高価な元素であり、かつ0.5%までの添加でAPIX70の強度を満足させることができ、0.5%を超えて含有させても効果が飽和するため、含有させる場合には上限を0.5%とする。
Crは母材あるいは溶接熱影響部の強度を向上させるため含有させることができる。0.1%以上含有することによって焼入性向上元素として作用し、多量のMn添加の代替とすることができる。しかし、高価な元素であり、かつ0.5%までの添加でAPIX70の強度を満足させることができ、0.5%を超えて含有させても効果が飽和するため、含有させる場合には上限を0.5%とする。
Vは母材あるいは溶接熱影響部の強度を向上させるため添加することができる。0.003%以上含有することによって、鋼中で炭化物を形成して析出強化により鋼の強度を高めることができる。一方、0.04%を超えて含有すると溶接熱影響部の靱性に悪影響を及ぼすため、含有する場合には上限を0.04%とする。
Caは鋼中の硫化物の形態制御に有効な元素であり、0.0005%以上含有すると延性に有害なMnSの生成を抑制する。一方、0.01%を超えて含有すると、CaO−CaSのクラスターを形成し、かえって延性を劣化させるので、含有する場合は、上限を0.01%とすることが好ましい。
REMは鋼中の硫化物の形態制御に有効な元素であり、0.0005%以上含有すると延性に有害なMnSの生成を抑制する。一方、高価な元素であり、かつ0.02%を超えて含有しても効果が飽和するため、含有する場合は、上限を0.02%とすることが好ましい。
Zrは鋼中で炭窒化物を形成し、オーステナイト粒の粗大化を抑制するピンニング効果をもたらす。十分なピンニング効果を得るためには、0.0005%以上含有することが好ましいが、0.01%を超えて含有すると、鋼の清浄度が著しく低下し、延性の低下につながるため、含有する場合は、上限を0.01%とすることが好ましい。
Mgは製鋼過程で酸化物を微細化する効果があり、延性低下の原因となる粗大酸化物の抑制に有効である。酸化物の微細化効果を十分に得るためには0.0005%以上含有することが好ましいが、0.01%を超えて含有しても効果が飽和することから、含有する場合には、上限を0.01%とすることが好ましい。
C:0.06%〜0.08%
溶接金属においてCは溶接金属高温割れを防止するために0.06%以上必要である。一方、0.08%を超えると、溶接金属靱性にとっては有害なMAが溶接金属ミクロ組織中に多数生成するため、上限を0.08%とする。
Siは溶接金属中では脱酸元素として働き、溶接金属中の酸素量を制御するために必要な元素である。溶接金属中のSiが0.2%未満の場合、脱酸が不十分となり溶接金属中の酸素量が増加し靱性の低下をもたらすため0.2%以上必要である。一方、0.5%を超えると溶接金属靱性にとっては有害なMAの生成が著しくなるため、上限を0.5%とする。
Mnは溶接金属においても焼入性向上元素として作用する。溶接金属をポリゴナルフェライトより強度の高いアシキュラフェライトとするために、1.3%以上含有することが必要である。一方、1.8%を超えて添加しても効果が飽和するため、上限を1.8%とする。
Alは母材部からの希釈で不可避不純物として溶接金属中に存在するが、0.03%を超えると後述するTiOの生成を阻害し、溶接金属のアシキュラフェライトの微細化が抑制され優れた低温靱性を得ることができないため、上限を0.03%とする。
Bは溶接金属のオーステナイト粒界からのポリゴナルフェライト生成を抑制し、アシキュラフェライト主体組織とするために必要な元素である。粒界からのポリゴナルフェライト生成を完全に抑制するためには0.001%以上含有することが必要であるが、0.003%を超えても効果が飽和するため、上限を0.003%とする。
Nbは、溶接金属中の固溶Nと、Bより先に窒化物を形成することにより、オーステナイト粒界においてBを固溶Bとして存在させる。そのような効果を得るため、0.005%以上含有することが必要である。一方、0.025%を超えると炭化物を形成し、溶接金属を析出硬化させ靱性の低下をもたらすため、上限を0.025%とする。
Tiは溶接金属中の酸素と反応して、溶接金属オーステナイト粒内からのアシキュラフェライト変態核として機能するTiOを形成する。微細なアシキュラフェライト組織とするためには多数のTiOの生成が必要で、Tiは0.015%以上含有することが必要である。一方、0.040%を超えると溶接金属中のTiOが凝集・粗大化してシャルピー衝撃値の低下をもたらすため、上限を0.040%とする。
Cuは母材からの希釈で溶接金属中に不純物として含まれることがあるが、0.1%を超えて含まれると、溶接金属の凝固過程で柱状晶界面に偏析し、かつ、地鉄より融点が低いため液化割れの原因となることから、上限を0.1%とする。
Vは主に母材からの希釈で溶接金属中に不純物として含まれることがあるが、0.03%を超えて含まれると炭化物を形成して析出硬化し、溶接金属の靱性の低下をもたらすため、上限を0.03%とする。
Oは、上述のTiと反応して溶接金属オーステナイト粒内からのアシキュラフェライト変態核として機能するTiOを形成する。微細なアシキュラフェライト組織を得るのに必要な多数のTiOの生成させるため、0.015%以上含有することが必要である。一方、0.04%を超えると溶接金属中のTiOが凝集・粗大化してシャルピー衝撃値の低下をもたらすため、上限を0.04%とする。
溶接金属中のNは不可避的不純物として存在するが、0.01%を超えて含む場合、固溶して溶接金属靱性を著しく劣化させるため、上限を0.01%とする。
Niは、0.1%以上含有することによって焼入性向上元素として作用し、多く含有しても靱性劣化を起こさない。しかし、0.4%までの添加でAPIX70の強度を満足させることができ、0.4%を超えて含有させても効果が飽和するため、含有させる場合には上限を0.4%とする。
Moは0.05%以上含有することによって焼入性向上元素として作用し、Mn添加の代替とすることができる。しかし、高価な元素であり、かつ0.2%までの添加でAPIX70の強度を満足させることができ、0.2%を超えて含有させても効果が飽和するため、含有させる場合には上限を0.2%とする。
Crもまた0.1%以上含有することによって焼入性向上元素として作用し、Mn添加の代替とすることができる。しかし、高価な元素であり、0.2%までの添加でAPIX70の強度を満足させることができ、0.2%を超えて含有させても効果が飽和するため、含有させる場合には上限を0.2%とする。
[母材部ミクロ組織]
本発明では、鋼管母材部のミクロ組織を、フェライト主体の第1相(母相)と、前記第1相(母相)中に分散して存在する第2相とを有し、該第2相を平均アスペクト比が2.0以下の島状マルテンサイト(MAと言う場合がある)とする。前記第2相の島状マルテンサイトの面積率は5〜20%で、さらに、前記島状マルテンサイトの90%以上は、フェライト粒界に存在している組織に規定する。
本発明では、鋼管溶接金属のミクロ組織を、面積率で80%以上のアシキュラフェライト組織かつ、島状マルテンサイトの面積率が5%以下の組織に規定する。
本発明において規定される鋼の温度条件は、鋼片あるいは鋼板板厚方向平均温度を指すものとする。
熱間圧延により形状およびミクロ組織を造り込むため、鋼片をオーステナイト化する目的で、Ac3以上の温度に再加熱する。加熱温度がAc3未満の場合、未変態フェライト等が残存し、その後のミクロ組織制御に悪影響を及ぼす。完全にオーステナイト化するためには加熱温度を1000℃以上とすることが好ましい。一方、鋼片加熱温度の上限は、母材靱性の観点からは1200℃以下とすることが好ましい。鋼片加熱温度:Ac3以上より熱間圧延を開始する。直送圧延の場合は、再加熱せず、Ac3以上の温度で熱間圧延を開始する。なお、Ac3温度は鋼の合金元素含有量を下記式(1)に代入することで簡易に求めることができる。
Ac3=961.6−311.9C+49.5Si−36.4Mn+12.7Al−51Cu−29Ni−8.7Cr+13.5Mo+308.1Nb−140V+318.9Ti+611.2B (1)
式中のM(%)は元素Mの含有量(質量%)を示し、元素Mが無添加の場合は、0%として計算する。
熱間圧延により所定の板厚・板幅に成形するときの圧延温度がAr3未満まで低下した場合、圧延中に変態生成したフェライトが加工を受けた、いわゆる加工フェライトが形成される。加工フェライト量の増加に伴い、降伏強度が上昇するため、鋼管の曲げ座屈歪向上に必要な耐力比を達成することが難しくなることから、圧延最終パスの温度をAr3以上とする。好ましくは、800℃以上とする。熱間圧延後はミクロ組織第1相をフェライトとするために空冷を実施する。
なお、Ar3温度は鋼の合金元素添加量を下記式(2)に代入することで簡易に求めることができる。
Ar3=910−273C−74Mn−56Ni−16Cr−9Mo−5Cu (2)
式中のM(%)は元素Mの含有量(質量%)を示し、元素Mが無添加の場合は、0%として計算する。
まず、上述の製造方法によって製造された鋼板を冷間加工法によって筒状に成形する。成形方法はUOE法、ロールベンド法等があるがいずれでもかまわない。そして筒状に成形した後、再加熱処理を実施する。
ミクロ組織第1相を目標とするフェライトとした後、加熱によりその一部をオーステナイトに逆変態させる。この場合、逆変態オーステナイトはフェライト粒界3重点より変態し、かつ、拡散的に変態することから、後の冷却過程でさらに変態生成するMAがフェライト粒内に生成することを抑制し、さらに、生成するMAをアスペクト比が小さい、一様伸び劣化が少ない形状とすることができる。
Ac1=751−26.6C+17.6Si−11.6Mn−169Al−23Cu−23Ni+24.1Cr+22.5Mo+233Nb−39.7V−5.7Ti−895B (3)
式中のM(%)は元素Mの含有量(質量%)を示し、元素Mが無添加の場合は、0%として計算する。
表1に示す化学組成A〜Jの鋼を用い、表2に示す鋼片加熱、圧延、冷却を施して、鋼板No.1〜12を作製した。なお、表1に表示していないが、不可避的不純物であるPおよびSの含有量は、いずれも、P量:0.01%以下、S量:0.003%以下、であった。
Claims (4)
- 母材の成分組成が、質量%で、
C:0.03%超〜0.06%、
Si:0.1%以下、
Mn:1.0〜1.7%、
Al:0.003〜0.08%、
Nb:0.01〜0.04%、
Ti:0.005〜0.025%、
を含有し、さらに
Cu:0.1〜0.5%、
Ni:0.1〜0.5%、
Mo:0.1〜0.5%、
Cr:0.1〜0.5%、
V:0.003〜0.04%、
の1種または2種以上を含有し
残部Feおよび不可避的不純物からなり、
溶接金属の成分組成が、質量%で、
C:0.06〜0.08%、
Si:0.2〜0.5%、
Mn:1.3〜1.8%、
Al:0.03%以下、
B:0.001〜0.003%、
Nb:0.005〜0.025%、
Ti:0.015〜0.040%、
Cu:0.1%以下、
V:0.03%以下、
O:0.015〜0.04%、
N:0.01%以下、
を含有し、さらに
Ni:0.1〜0.4%、
Mo:0.05〜0.2%、
Cr:0.1〜0.2%、
の1種または2種以上を含有し、
残部Feおよび不可避的不純物からなり、
前記母材部は、第1相がフェライトで、第2相が第1相中に面積率で5〜20%分散した平均アスペクト比が2.0以下である島状マルテンサイトで、前記島状マルテンサイトの90%以上がフェライト粒界に存在したミクロ組織を有し、
前記溶接金属部は、アシキュラフェライトの面積率が80%以上かつ、島状マルテンサイトの面積率が5%以下であるミクロ組織を有することを特徴とする、
高一様伸びを備え、かつ溶接部低温靱性に優れた高強度溶接鋼管。 - 母材部の成分組成が更に、質量%で、
Ca:0.0005〜0.01%、
REM:0.0005〜0.02%、
Zr:0.0005〜0.01%、
Mg:0.0005〜0.01%、
の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1記載の高一様伸びを備え、かつ溶接部低温靱性に優れた高強度溶接鋼管。 - 質量%で、
C:0.03超え〜0.06%、
Si:0.1%以下、
Mn:1.0〜1.7%、
Al:0.003〜0.08%、
Nb:0.01〜0.04%、
Ti:0.005〜0.025%、
を含有し、さらに
Cu:0.1〜0.5%、
Ni:0.1〜0.5%、
Mo:0.1〜0.5%、
Cr:0.1〜0.5%、
V:0.003〜0.04%、
の1種または2種以上を含有し
残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼片を、
Ac3以上に再加熱後、圧延終了温度Ar3以上で熱間圧延し、その後、空冷して得られた鋼板を冷間成形により筒状に成形した後、Ac1以上Ac3以下に急速加熱し、引続き空冷あるいは水冷で室温まで冷却後、端部を溶接し、最後に拡管をすることを特徴とする、高一様伸びを備え、かつ溶接部低温靱性に優れた高強度溶接鋼管の製造方法。 - 鋼片の成分組成が更に、質量%で、
Ca:0.0005〜0.01%、
REM:0.0005〜0.02%、
Zr:0.0005〜0.01%、
Mg:0.0005〜0.01%、
の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項3記載の高一様伸びを備え、かつ溶接部低温靱性に優れた高強度溶接鋼管の製造方法。
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