JP2013048136A - 光素子およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】材料を無駄にすることなく、希土類化合物を用いた光素子が製造できるようにする。
【解決手段】エルビウムの酸化物よりなる希土類含有層105をスパッタ法などの物理蒸着法により、基板を加熱することなく形成し、例えば1000℃に加熱することで、希土類含有層105を溝部104に凝集させ、酸化エルビウムの結晶からなる希土類コア部106を形成する。希土類の酸化物は、加熱することで、下地に形成されている凹部に凝集する。また、この加熱により、アモルファス状態の酸化エルビウムが結晶化するので、希土類コア部106は、酸化エルビウムの結晶から構成されたものとなる。
【選択図】 図1D

Description

本発明は、希土類の化合物を用いた光素子およびその製造方法に関するものである。
光導波路、発光素子、受光素子をシリコン基板上にモノシリックに作製することを目指すシリコンフォトニクスの研究分野は、大きく進展している(非特許文献1参照)。このシリコンフォトニクスにおいて、シリコン基板上の発光素子材料としてシリコン系の半導体を用いる場合、発光強度が化合物半導体などの直接遷移型の半導体材料に比べて非常に弱いことが問題になる。また、シリコンフォトニクスでは、光導波路としてシリコン細線が重要な役割を果たしている (特許文献1,2参照)。波長が1.1μm以下の光は、シリコンに吸収されてしまうので、シリコンフォトニクスでは1.1μm以上の波長の光が必要となる。
この様な背景から、1.5μmで発光する希土類元素、たとえばエルビウムをシリコンに添加する試みが研究されてきたが、シリコン中へのエルビウムの固溶限界のため、十分な強度の発光が得られていない(非特許文献2参照)。ここで、このようにシリコン系の比較的弱い発光でも、例えば、光ファイバーで実現されているエルビウム添加ファイバー光増幅器(Erbium doped fiber amplifier:EDFA)のような光増幅機能を付加できれば、シリコンフォトニクスにおける励起光あるいは信号光として十分利用できる可能性がある。
しかしながら、EDFAの場合、光増幅を行うためのファイバー長は通常数十メートル必要であり、シリコン基板上に搭載することは物理的に不可能である。通常、光増幅の利得はガラス中に添加された希土類イオンの濃度(量)により決定され、EDFAの場合には、約10-19cm-3のエルビウムイオンが添加されている。この濃度は、ガラス中へのエルビウムイオンの固溶限界により決められ、上述した以上にエルビウムの濃度を高めることができない。
これに対し、上記ファイバー長をさらに長くすれば、光増幅に寄与するエルビウムイオンの量をより多くすることができ、光増幅の利得を向上させることが可能である。しかしながら、ファイバー長をさらに長くすることは、シリコンフォトニクスへの適用をさらに困難にすることになる。このように、物理的制約により、EDFAをシリコンフォトニクスに応用することは現実的ではない(非特許文献2参照)。
一方、自然界には、希土類を例えばイオンとして多量に含有する希土類化合物がある。例えば、エルビウム化合物が存在する。特に、希土類酸化物および希土類シリケイト材料は、シリコンフォトニクスへの応用の可能性が高いことから、大きな注目を集めてきている(非特許文献3参照)。
以下にその理由を説明する。たとえば、酸化エルビウムおよびエルビウムシリケイト構造を例として取り上げた場合、酸化エルビウムおよびエルビウムシリケイトの結晶は、単位格子内に10-22cm-3の濃度のEr3+イオンを自然に内包している。この濃度は、EDFAの場合と比較した場合約1000倍に相当し、これをEDFAに当てはめると、EDFAの長さを1/1000、即ち数百nmの長さまで短くしても同程度の光増幅の性能が得られることを意味している。
したがって、上述したような希土類元素の化合物を利用すれば、シリコン上での光回路設計を考えるシリコンフォトニクスへの応用が視野に入ることになる。例えば、シリコン基板上で光増幅機能を実現するための材料としては、酸化エルビウムおよびエルビウムシリケイトが最も有力な材料の候補となる。
この様な背景の下、最近、シリコン基板上でのエルビウム化合物の成長、およびエルビウム化合物の光学的特性の評価の研究が盛んに進められてきている(非特許文献4,5,6参照)。シリコンフォトニクスでは、シリコン基板上の所望とする位置に、発光、受光、共振器などの機能を作製することが必要であり、光増幅器の場合も同様である。言い換えると、シリコンウエハーの所望とする位置に、酸化エルビウムあるいはエルビウムシリケイトの結晶を配置する技術が重要であり、この技術の確立が強く求められている。
特開2004−281972号公報 特開2004−319668号公報
金光義彦、深津晋 著、「シリコンフォトニクス」、89−118頁、 A. J. Kenyon , "Erbium in silicon", Semicond. Sci. Technol., VOL.20, R65-R84, 2005. 須藤 昭一 編、「エルビウム添加光ファイバ増幅器」、オプトロニクス社、3−22頁。 C. P. Michael et al, "Growth, processing, and optical properties of epitaxial Er2O3 on silicon", OPTICS EXPRESS, Vol.16, No.24, pp.19649-19666, 2008. John B. Gruber et al. , "Modeling optical transitions of Er3+.4f11… in C2 and C3i sites in polycrystalline Y2O3", JOURNAL OF APPLIED PHYSICS, vol.104, 023101, 2008. H.ISSHIKI and T.KIMURA, "Toward Small SizeWaveguide Amplifiers Based on Erbium Silicate for Silicon Photonics", IEICE TRANS. ELECTRON., vol.E91.C, no.2 , pp.138-144, 2008.
上述した技術として、例えば、光導波路およびマイクロディスクなどの光共振器構造を作製するためには、一般に次のようにしている。まず、シリコン基板上の膜厚数百nmのシリコン酸化膜(屈折率n=1.5程度)上に、希土類酸化物(例えば酸化エルビウム)を蒸着して希土類酸化物層を形成する。シリコン酸化膜が下部クラッド層となる。次に、公知のフォトリソグラフィーおよびエッチング技術により、希土類酸化物層をパターニングし、シリコン酸化膜からなる下部クラッド層の上に酸化エルビウム(屈折率n=2.0程度)の細線コアを形成する。この後、形成した酸化エルビウムの細線コア上に、酸化膜あるいはエポキシ樹脂を塗布して上部クラッド層を形成することにより導波路構造を形成している。
しかし、この方法では基板全面に膜として酸化エルビウムを形成し、上述したようなリソグラフィーおよびエッチングにより大部分を除去している。このように、希土類化合物材料を無駄に使用しており、結果として材料コストの上昇を招いているという問題がある。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、材料を無駄にすることなく、希土類化合物を用いた光素子が製造できるようにすることを目的とする。
本発明に係る光素子の製造方法は、希土類の酸化物よりなる希土類含有層を物理蒸着法により下部シリコン層の上に形成する工程と、希土類含有層を加熱して光機能層を形成する工程とを少なくとも備える。
上記光素子の製造方法において、光機能層を形成した後、光機能層の上に上部シリコン層を形成する工程を備え、下部シリコン層と上部シリコン層とは異なる導電型とし、希土類含有層を加熱して下部シリコン層の上に希土類のシリケイトから構成された複数の微細構造体からなる発光層となる光機能層を形成してもよい。また、下部シリコン層の表面に凹凸を形成する工程を備え、凹凸を形成した下部シリコン層の上に希土類含有層を形成するようにしてもよい。なお、凹凸を溝部とすれば、希土類含有層を加熱して溝部に凝集させて光導波路のコアとなる光機能層を形成することができる。
また、本発明に係る光素子は、上述した光素子の製造方法によって製造した光素子である。例えば、上記発光層を備える発光素子である。また例えば、光素子は、コアとなる光機能層から構成された光増幅部を備える光増幅器である。
以上説明したことにより、本発明によれば、材料を無駄にすることなく、希土類化合物を用いた光素子が製造できるようになる。
図1Aは、本発明の実施の形態1における光素子の製造方法を説明する各工程における状態を示す断面図である。 図1Bは、本発明の実施の形態1における光素子の製造方法を説明する各工程における状態を示す断面図である。 図1Cは、本発明の実施の形態1における光素子の製造方法を説明する各工程における状態を示す断面図である。 図1Dは、本発明の実施の形態1における光素子の製造方法を説明する各工程における状態を示す断面図である。 図1Eは、本発明の実施の形態1における光素子の製造方法を説明する各工程における状態を示す断面図である。 図1Fは、本発明の実施の形態1における光素子の製造方法を説明する各工程における状態を示す平面図である。 図2Aは、本発明の実施の形態2における光素子の製造方法を説明する各工程における状態を示す断面図である。 図2Bは、本発明の実施の形態2における光素子の製造方法を説明する各工程における状態を示す断面図である。 図2Cは、本発明の実施の形態2における光素子の製造方法を説明する各工程における状態を示す断面図である。 図2Dは、本発明の実施の形態2における光素子の製造方法を説明する各工程における状態を示す平面図である。 図2Eは、本発明の実施の形態2における光素子の製造方法を説明する各工程における状態を示す断面図である。 図2Fは、本発明の実施の形態2における光素子の製造方法を説明する各工程における状態を示す断面図である。 図3Aは、本発明の実施の形態3における光素子の製造方法を説明する各工程における状態を示す断面図である。 図3Bは、本発明の実施の形態3における光素子の製造方法を説明する各工程における状態を示す断面図である。 図3Cは、本発明の実施の形態3における光素子の製造方法を説明する各工程における状態を示す平面図である。 図3Dは、本発明の実施の形態3における光素子の製造方法を説明する各工程における状態を示す断面図である。 図3Eは、本発明の実施の形態3における光素子の製造方法を説明する各工程における状態を示す断面図である。 図3Fは、本発明の実施の形態3における光素子の製造方法を説明する各工程における状態を示す平面図である。 図4Aは、本発明の実施の形態4における光素子の製造方法を説明する各工程における状態を示す平面図である。 図4Bは、本発明の実施の形態4における光素子の製造方法を説明する各工程における状態を示す平面図である。 図4Cは、本発明の実施の形態4における光素子の製造方法を説明する各工程における状態を示す平面図である。 図4Dは、本発明の実施の形態4における光素子の製造方法を説明する各工程における状態を示す平面図である。 図4Eは、本発明の実施の形態4における光素子の製造方法を説明する各工程における状態を示す平面図である。 図4Fは、本発明の実施の形態4における光素子の製造方法を説明する各工程における状態を示す平面図である。 図5は、本発明の実施の形態における光素子の構成例を示す平面図である。 図6は、本発明の実施の形態における光素子の構成例を示す断面図である。 図7は、本発明の実施の形態における光素子の構成例を示す平面図である。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
[実施の形態1]
はじめに、本発明の実施の形態1について、図1A〜図1Fを用いて説明する。図1A〜図1Fは、本発明の実施の形態1における光素子の製造方法を説明する各工程における状態を示す断面図および平面図である。図1A〜図1Eは断面図、図1Fは平面図である。
まず、図1Aに示すように、シリコン層(下部シリコン層)103を備える基板を用意する。基板は、シリコン基部101および埋め込み絶縁層102を備えるSOI(Silicon On Insulator)基板であり、SOI基板の表面シリコン層がシリコン層103である。
次に、図1Bに示すように、シリコン層103に、溝部104を形成する。例えば、公知のフォトリソグラフィーおよびエッチング技術によりシリコン層103をパターニングすることで、溝部104を形成すればよい。
次に、図1Cに示すように、エルビウム(希土類)の酸化物よりなる希土類含有層105を形成する。希土類含有層105は、酸化エルビウム(Er23)の層であり、スパッタ法などの物理蒸着法により、基板を加熱することなく形成する。なお、真空蒸着法により希土類含有層105を形成してもよい。このようにして形成した希土類含有層105は、非結晶(アモルファス)状態となっている。
次に、希土類含有層105を例えば1000℃に加熱することで、希土類含有層105を溝部104に凝集させ、図1Dに示すように、酸化エルビウムの結晶からなる希土類コア部(光機能層)106を形成する。希土類の酸化物は、加熱することで、下地に形成されている凹部に凝集する。また、この加熱により、アモルファス状態の酸化エルビウムが結晶化するので、希土類コア部106は、酸化エルビウムの結晶から構成されたものとなる。言い換えると、凝集させる温度は、少なくとも結晶化する温度とすることが重要である。なお、希土類コア部106の寸法、例えば、断面形状の高さは、希土類含有層105の量によって決定される。
次に、図1Eに示すように、希土類コア部106が形成されたシリコン層103の上に、酸化シリコン層107を形成する。例えば、スパッタ法により酸化シリコンを堆積することで、酸化シリコン層107が形成できる。希土類コア部106の平面形状は、図1Fの平面図に示すように、導波方向(紙面上下方向)に長い矩形である。図1Eの断面図では、紙面手前より奥かけて延在するコア形状となっている。これらのことにより、埋め込み絶縁層102を下部クラッド層とし、酸化シリコン層107を上部クラッド層とする光導波路構造の、酸化エルビウムからなる希土類コア部106を用いた光増幅素子が得られる。
上述した製造方法により形成する光導波路構造では、希土類コア部106の断面形状の寸法は、例えば、高さおよび幅が1.5μm以上である。また、シリコン層103の層厚は、希土類コア部106の厚さの半分以上とされていればよい。
以上に説明したように、本実施の形態によれば、蒸着した希土類含有層105の大部分をエッチングなどにより除去することなく、希土類コア部106が形成できる。希土類コア部106より構成される光導波路は、光変調器(光素子)として用いることができる。このように、本実施の形態によれば、材料を無駄にすることなく、希土類化合物を用いた光素子が製造できる。
[実施の形態2]
次に、本発明の実施の形態2について図2A〜図2Fを用いて説明する。図2A〜図2Fは、本発明の実施の形態2における光素子の製造方法を説明する各工程における状態を示す断面図および平面図である。図2A〜図2C,図2E,図2Fは断面図、図2Dは平面図である。
まず、図2Aに示すように、シリコン層(下部シリコン層)203を備える基板を用意する。基板は、シリコン基部201および埋め込み絶縁層202を備えるSOI基板であり、SOI基板の表面シリコン層がシリコン層203である。
次に、図2Bに示すように、シリコン層203の上に、エルビウムの酸化物よりなる希土類含有層204を形成する。希土類含有層204は、酸化エルビウム(Er23)の層であり、スパッタ法などの物理蒸着法により、基板を加熱することなく形成する。このようにして形成した希土類含有層204は、アモルファス状態となっている。
次に、希土類含有層204を例えば1000℃に加熱することで、希土類含有層204とシリコン層203のシリコンとを反応させ、図2Cおよび図2Dに示すように、エルビウムシリケイトからなる複数のナノ構造205を形成する。実施の形態2では、シリコン層203に凹凸が形成されていないため、加熱により、酸化エルビウムからなる希土類含有層204が凝集することがなく、下層のシリコン層203のシリコンと反応してシリケイトを形成する。エルビウムの場合、「Er23+O2+Si→Er2SiO5」あるいは「Er23+2O2+2Si→Er2Si27」の化学反応によりエルビウムシリケイトを生成する。
次に、図2Eに示すように、ナノ構造205が形成されたシリコン層203の上に、シリコン層(上部シリコン層)206を形成する。この後、図2Fに示すようにシリコン層203およびシリコン層206を所定のメサ構造にパターニングし、シリコン層206の上に電極207を形成し、また、シリコン層203に接続する電極208を形成する。
上記構造において、シリコン層203をp型とし、シリコン層206をn型とすることで、これらに挟まれた複数のナノ構造205を発光層とする発光素子が得られる。なお、シリコン層203をn型とし、シリコン層206をp型としてもよい。
[実施の形態3]
次に、本発明の実施の形態3について図3A〜図3Fを用いて説明する。図3A〜図3Fは、本発明の実施の形態3における光素子の製造方法を説明する各工程における状態を示す断面図および平面図である。図3A,図3B,図3D,図3Eは断面図、図3C,図3Fは平面図である。
まず、図3Aに示すように、シリコン層(下部シリコン層)303を備える基板を用意する。基板は、シリコン基部301および埋め込み絶縁層302を備えるSOI基板であり、SOI基板の表面シリコン層がシリコン層303である。
次に、図3Bに示すように、シリコン層303に、溝部304を形成する。例えば、公知のフォトリソグラフィーおよびエッチング技術によりシリコン層403をパターニングすることで、溝部304を形成すればよい。溝部304は、図3Cの平面図に示すように、4角形の各辺に各々配置された状態に形成されている。このように配置された4つの溝部304により、これらの内側の領域が囲われた状態となる。
次に、図3Dに示すように、シリコン層303の上に、エルビウムの酸化物よりなる希土類含有層305を形成する。希土類含有層305は、酸化エルビウム(Er23)の層であり、スパッタ法などの物理蒸着法により、基板を加熱することなく形成する。このようにして形成した希土類含有層305は、アモルファス状態となっている。
次に、希土類含有層305を例えば1000℃に加熱することで、図3Eおよび図3Fに示すように、4つの溝部304には、酸化エルビウムの結晶からなるパターン部306を形成するとともに、これらに囲われた領域のシリコン層303の上には、エルビウムシリケイトからなる複数のナノ構造307を形成する。
4つの溝部304には、希土類含有層305が凝集してパターン部306が形成される。一方、4つの溝部304に囲われた平坦な領域では、下層のシリコン層303のシリコンと反応してシリケイトを形成し、ナノ構造307となる。このように、シリコン層303に形成する凹凸により、特定の領域にナノ構造307を配置させることができる。パターン部306の厚さおよびナノ構造307の大きさは、希土類含有層305の蒸着量と、溝部304の幅、各溝部304の間隔により制御できる。
[実施の形態4]
次に、本発明の実施の形態4について図4A〜図4Fを用いて説明する。図4A〜図4Fは、本発明の実施の形態4における光素子の製造方法を説明する各工程における状態を示す断面図および平面図である。図4A,図4B,図4D〜図4Fは断面図、図4Cは平面図である。
まず、図4Aに示すように、シリコン層(下部シリコン層)403を備える基板を用意する。基板は、シリコン基部401および埋め込み絶縁層402を備えるSOI基板であり、SOI基板の表面シリコン層がシリコン層403である。
次に、図4Bに示すように、シリコン層403の上に、マスクパターン404を形成する。マスクパターン404は、図4Cの平面図にも示すように、矩形の開口部405を備える。例えば、公知のフォトリソグラフィー技術により、シリコン層403の上に塗布したフォトレジスト層をパターニングすることで、マスクパターン404を形成すればよい。開口部405においては、シリコン層403が露出する状態とする。
次に、図4Dに示すように、マスクパターン404が形成されているシリコン層403の上に、エルビウムの酸化物よりなる希土類含有層406を形成する。希土類含有層406は、酸化エルビウム(Er23)の層であり、スパッタ法などの物理蒸着法により、基板を加熱することなく形成する。このようにして形成した希土類含有層406は、アモルファス状態となっている。
次に、マスクパターン404を除去して開口部405以外のマスクパターン404の上に形成されていた希土類含有層406を除去することで、図4Eに示すように、シリコン層403の上に、部分的に希土類含有層406が配置された状態とする。
次に、希土類含有層406を例えば1000℃に加熱し、希土類含有層406とシリコン層403のシリコンとを反応させることで、図4Fに示すように、特定の領域のシリコン層403の上に、エルビウムシリケイトからなる複数のナノ構造407を形成する。実施の形態4では、マスクパターン404を用いることで、所望とする特定の領域に、ナノ構造407を配置させている。
以上に示したように、物理蒸着法によりシリコン層の上に形成した希土類の酸化物よりなる希土類含有層を加熱することで、様々な光素子が形成できる。例えば、シリコン層に凹凸を形成しておけば、凹部に希土類含有層を凝集させるとともに結晶化することができる。この場合、凹部を細線状に形成しておけば、酸化エルビウムなどの希土類酸化物の結晶からなる細線コア(光機能層)が形成でき、これを用いることで、光増幅素子が構成できる。また、この構造において、電極を設けることで発光素子として機能させることもできる。
また、シリコン層の平坦な領域には、エルビウムシリケイトなどの希土類のシリケイトからなるナノ構造を形成することができる。希土類のシリケイトからなる複数のナノ構造は、発光材料として利用することができる。
例えば、図5の平面図に示すように、ナノ構造形成部511と希土類コア部512とシリコン細線コア513とを、光導波方向に配列させて組み合わせることができる。ナノ構造形成部511と希土類コア部512は、シリコン層501の上に形成され、シリコン細線コア513は、埋め込み絶縁層504の上に形成されている。ここで、希土類コア部512の形成領域は、図6の断面図に示すように、シリコン層503の凹部に形成され、この上に酸化シリコン層502が形成されている。図示していないが、ナノ構造形成部511およびシリコン細線コア513の上にも、酸化シリコン層502が形成されている。
シリコン層503の下には、埋め込み絶縁層504,シリコン基部503が配置されている。シリコン基部503,埋め込み絶縁層504,およびシリコン層501は、SOI基板である。なお、図6は、図5のXX’線における断面を示している。これらの構成において、埋め込み絶縁層504が下部クラッド層となり、酸化シリコン層502が上部クラッド層となる。
また、図7の平面図に示すように、ナノ構造形成部511とシリコン細線コア513と希土類コア部512とを、この順に導波方向に配列させてもよい。
ナノ構造形成部511および希土類コア部512は、前述した実施の形態1〜4に説明したことから明らかなように、シリコン層501の上に希土類の酸化物よりなる希土類含有層を形成し、これを加熱することで形成できる。また、シリコン細線コア513は、シリコン層501を公知のリソグラフィーおよびエッチング技術によりパターニングすることで形成できる。このように、各光素子は、シリコン細線コア513よりなる光導波路に容易に組み合わせることができる。
また、これらは、一般に用いられているLSI集積回路の製造技術により形成でき、導波方向に対する各々の位置精度は、サブμmの単位とすることができる。従って、ナノ構造形成部511,希土類コア部512,およびシリコン細線コア513の、導波方向に配列させるための位置合わせは容易である。また、各構成を形成した段階で各々の光軸は揃った状態となり、後から光軸を調整する必要がない。
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形および組み合わせが実施可能であることは明白である。例えば、上述では、希土類含有層は、主に酸化エルビウムから構成されている場合を例に説明したが、これに限るものではなく、酸化ユーロピウム、酸化ネオジム、酸化ツリウム、酸化プラセオジム、酸化ホフニウム、酸化イットリビウム、酸化ガドリウム、酸化テルビウム、および酸化ジスプロシウムなどの他の希土類酸化物であっても同様である。
また、希土類含有層は、上述した希土類酸化物のみではなく、例えば、酸化イットリウム、酸化シリコン、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ビスマス、酸化ゲルマニウムなどが含まれていてもよい。これらは、例えば、希土類の酸化物と同時に蒸着することで、希土類含有層に含まれた状態に形成できる。なお、各々材料に応じて結晶化の温度が異なるので、加熱処理の温度は適宜に設定する。また、シリサイドからなるナノ構造を形成する場合においても、完全な化合物を形成するためには、加熱処理の時間を適宜に設定する。
また、上述では、SOI基板を用いるようにしたが、これに限るものではなく、シリコン基板、ゲルマニウム基板、あるいは、GOI(Germanium on insulator)基板、SGOI(Silicon germanium on insulator)基板を用いてもよい。また、例えば、溝部104を直線状に形成することで、直線状の希土類コア部106を形成したがこれに限るものではなく、リング状としてもよい。リング状に形成することで共振器が構成できる。このように共振器を形成することで、図5,7を用いて説明した光回路に共振器を組み合わせることもできる。また、共振器の構造を発光素子に応用することで、励起光の強度が増強できる。
101…シリコン基部、102…埋め込み絶縁層、103…シリコン層(下部シリコン層)、104…溝部、105…希土類含有層、106…希土類コア部(光機能層)、107…酸化シリコン層。

Claims (6)

  1. 希土類の酸化物よりなる希土類含有層を物理蒸着法により下部シリコン層の上に形成する工程と、
    前記希土類含有層を加熱して光機能層を形成する工程と
    を少なくとも備えることを特徴とする光素子の製造方法。
  2. 請求項1記載の光素子の製造方法において、
    前記光機能層を形成した後、前記光機能層の上に上部シリコン層を形成する工程を備え、
    前記下部シリコン層と前記上部シリコン層とは異なる導電型とし、
    前記希土類含有層を加熱して前記下部シリコン層の上に前記希土類のシリケイトから構成された複数の微細構造体からなる発光層となる前記光機能層を形成する
    ことを特徴とする光素子の製造方法。
  3. 請求項1記載の光素子の製造方法において、
    前記下部シリコン層の表面に凹凸を形成する工程を備え、
    前記凹凸を形成した前記下部シリコン層の上に前記希土類含有層を形成することを特徴とする光素子の製造方法。
  4. 請求項3記載の光素子の製造方法において、
    前記凹凸は溝部であり、
    前記希土類含有層を加熱して前記溝部に凝集させて光導波路のコアとなる前記光機能層を形成することを特徴とする光素子の製造方法。
  5. 請求項2記載の光素子の製造方法によって製造した光素子。
  6. 請求項4記載の光素子の製造方法によって製造した光素子であって、
    前記コアとなる前記光機能層から構成された光増幅部を備えることを特徴とする光素子。
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