JP2013047312A - 黒色系インク組成物、インクセット及び画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】カーボンブラック顔料と、マゼンタ顔料及びシアン顔料から選ばれる少なくとも1種の着色顔料と、水溶性の重合性化合物と、重合開始剤と、水と、を含有し、前記カーボンブラック顔料の平均一次粒子径が35nm以上であり、前記カーボンブラックの含有比率が、全顔料の総量に対して60質量%以上であり、全顔料の総量が黒色系インク組成物の総量に対して4質量%以下であるインクジェット記録用の黒色系インク組成物。
【選択図】なし
Description
また、インクジェット記録用インクとして、紫外線硬化型顔料インクが開発されている(例えば、特許文献2及び3参照)。紫外線硬化型顔料インクは、基本的に、顔料、重合性化合物、及び重合開始剤を含む。紫外線硬化型顔料インクが黒色系の場合、顔料としては一般にカーボンブラック顔料が用いられる。
本発明は上記に鑑みなされたものであり、色相変動が抑制され、密着性及び耐擦性に優れた画像を形成できる黒色系インク組成物、インクセット、及び画像形成方法を提供することを課題とする。
<1> カーボンブラック顔料と、マゼンタ顔料及びシアン顔料から選ばれる少なくとも1種の着色顔料と、水溶性の重合性化合物と、重合開始剤と、水と、を含有し、前記カーボンブラック顔料の平均一次粒子径が35nm以上であり、前記カーボンブラック顔料の含有比率が全顔料の総量に対して60質量%以上であり、全顔料の総量が黒色系インク組成物の総量に対して4質量%以下であるインクジェット記録用の黒色系インク組成物。
<2> 前記カーボンブラック顔料及び前記少なくとも1種の着色顔料は、塩生成基を有する樹脂でその表面の少なくとも一部が被覆されている<1>に記載の黒色系インク組成物。
<3> 前記水溶性の重合性化合物は、多官能の重合性化合物及び(メタ)アクリルアミド構造を有する単官能の重合性化合物を含む<1>又は<2>に記載の黒色系インク組成物。
<4> 前記塩生成基を有する樹脂は、架橋剤によって架橋されている<2>又は<3>に記載の黒色系インク組成物。
<5> 前記塩生成基を有する樹脂は、芳香環構造及び脂環構造の少なくとも1種を有する<2>〜<4>のいずれか1項に記載の黒色系インク組成物。
<8> 全顔料の総量が黒色系インク組成物の総量に対して1.8質量%以上である<1>〜<7>のいずれか1項に記載の黒色系インク組成物。
<9> 前記カーボンブラック顔料の含有比率が全顔料の総量に対して90質量%以下である<1>〜<8>のいずれか1項に記載の黒色系インク組成物。
<11> 前記凝集剤は酸性化合物である<10>に記載のインクセット。
本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本発明の黒色系インク組成物(以下、単に「インク組成物」や「インク」ともいう)は、インクジェット記録用の黒色系インク組成物であり、カーボンブラック顔料と、マゼンタ顔料及びシアン顔料から選ばれる少なくとも1種の着色顔料と、水溶性の重合性化合物と、重合開始剤と、水と、を含有し、前記カーボンブラック顔料の平均一次粒子径が35nm以上であり、前記カーボンブラック顔料の含有比率が、全顔料の総量に対して60質量%以上であり、全顔料の総量が黒色系インク組成物の総量に対して4質量%以下である。
本発明のインク組成物によれば、色相変動が抑制され、記録媒体への密着性に優れ、耐擦性に優れた画像を形成することができる。
かかる効果が得られる理由は、以下のように推測される。
しかし本発明者の検討により、カーボンブラック顔料の平均一次粒子径が大きくなるにつれ、短波長領域における吸光度が下がることがわかった。
そこで本発明のインク組成物では、カーボンブラック顔料の平均一次粒子径が35nm以上であることにより、カーボンブラック顔料による重合阻害効果が低減される。その結果、該インク組成物を用いて形成された画像では、厚み方向(深さ方向)についての硬化が促進され、記録媒体に対する密着性が向上する。また、カーボンブラック顔料による重合阻害効果が低減されることにより、画像の耐擦性も向上する。
この点に関し、本発明のインク組成物では、前記平均一次粒子径が35nm以上であるカーボンブラック顔料の含有比率が、全顔料の総量に対して60質量%以上であることにより、画像の色相変動が抑制される。
ここで、色相変動とは、画像の網点密度を変化させたときに、網点密度の変化に伴って色相が変化する現象を指す。
該色相変動が大きいと、所望とする、黄色味の少ない黒色や黄色味の少ない中間色調(グレー色調など)が得られない場合がある。
本発明の黒色系インク組成物は、カーボンブラック顔料の少なくとも1種を含む。
前記カーボンブラック顔料の平均一次粒子径は、前述のとおり、35nm以上である。
前記平均一次粒子径が35nm未満であると、画像の密着性及び耐擦性(特に密着性)が低下する。また、前記平均一次粒子径が35nm未満であると、画像の色相変動が大きくなる。
本発明において平均一次粒子径は、日本電子(株)社製の透過型電子顕微鏡TEM2010(加圧電圧200kV)を用いて撮影された画像から、任意に選択した一次粒子1000個の粒子径(面積円相当径)を測定してその算術平均として算出される。すなわち、本発明の平均一次粒子径は、面積円相当径の算術平均粒子径を表す。
尚、DBP吸収量は、JIS K6221 A法によって測定される。
具体例としては例えば、Raven860Ultra、Raven520、Raven500、Raven450、Raven460、Raven415、Raven14、Conductex7055 Ultra(以上、コロンビアン・カーボン社製)、Regal99、Regal350、MONARCH280、MONARCH120(以上、キャボット社製)、Printex25、Printex200、PrintexA、PrintexG、Special Black250、Special Black100、NEROX1000、NEROX2500(以上、エボニックデグッサ社製)、No.10、No.20、No.25、No.95、No.85、No.260、MA220(以上、三菱化学社製)等を挙げることができる。但し、これらに限定されるものではない。
本発明のインク組成物におけるカーボンブラック顔料の含有比率(2種以上の場合には合計の含有比率)は特に制限されないが、本発明の効果をより効果的に奏する観点より、0.5〜4質量%であることが好ましく、0.8〜3.5質量%であることがより好ましい。
本発明のインク組成物は、前記カーボンブラック顔料に加えて、マゼンタ顔料及びシアン顔料の少なくとも1種の着色顔料を含む。
前記マゼンタ顔料及び前記シアン顔料は、目的に応じて公知の有機顔料から適宜選択することができる。本発明に用いられる有機顔料の具体的な例を以下に示す。
これらの中でも、密着性と耐擦性の観点から、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド202、C.I.ピグメント・レッド209、C.I.ピグメントバイオレット19から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
これらの中でも、密着性と耐擦性の観点から、C.I.ピグメント・ブルー15:3、C.I.ピグメント・ブルー15:4、C.I.ピグメント・ブルー16から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、C.I.ピグメント・ブルー15:3、C.I.ピグメント・ブルー15:4から選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。
イエロー顔料としては、例えば、C.I.ピグメント・オレンジ31、C.I.ピグメント・オレンジ43、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・イエロー13、C.I.ピグメント・イエロー14、C.I.ピグメント・イエロー15、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・イエロー74、C.I.ピグメント・イエロー93、C.I.ピグメント・イエロー94、C.I.ピグメント・イエロー128、C.I.ピグメント・イエロー138、C.I.ピグメント・イエロー151、C.I.ピグメント・イエロー155、C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ピグメント・イエロー185等が挙げられる。
これらの中でも、密着性と耐擦性の観点から、C.I.ピグメント・イエロー74、C.I.ピグメント・イエロー155、C.I.ピグメント・イエロー185から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
前記カーボンブラック顔料の含有比率の下限は、画像の色相変動を更に抑制する観点から、65質量%であることが好ましく、70質量%であることがより好ましい。
また、本発明において、前記カーボンブラック顔料の含有比率の上限には特に限定はないが、本発明の効果をより効果的に得る観点から、該上限は、90質量%であることが好ましく、85質量%であることがより好ましく、80質量%であることが特に好ましい。
全顔料の総量が4質量%を超えると、色相変動が大きくなり、耐擦性及び密着性が低下する。
全顔料の総量の下限には特に限定はないが、画像の光学濃度(OD)を向上させる維観点からは、該下限は、1.5質量%であることが好ましく、1.8質量%であることがより好ましく、2.0質量%であることが特に好ましい。
本発明において、前記カーボンブラック顔料及び前記少なくとも1種の着色顔料(以下、これらをまとめて「顔料」ともいう)は、分散安定性の観点から、それぞれ、樹脂でその表面の少なくとも一部が被覆されていることが好ましい。以下、樹脂でその表面の少なくとも一部が被覆された顔料を「樹脂被覆顔料」ともいう。
前記樹脂としては、例えば、ポリビニル類、ポリウレタン類、ポリエステル類等が挙げられるが、中でもポリビニル類が好ましい。
また、前記樹脂は、分散安定性の観点から、塩生成基を有することが好ましい。
前記塩生成基としては、アニオン性基(以下、「酸性基」ともいう)及びカチオン性基が挙げられ、より具体的には、カルボキシ基、スルホ基、ホスホネート基、アミノ基、アンモニウム基等が挙げられる。
前記塩生成基としては、酸性基(例えば、カルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基)が好ましく、中でも、カルボキシル基が特に好ましい。
ここで、「水溶性」とは、樹脂が25℃において蒸留水に2質量%以上溶解することを意味するが、5質量%以上溶解することが好ましく、10質量%以上溶解することがより好ましい。また、樹脂が塩生成基(例えば酸性基)を有する場合は、当モルの塩基又は酸によって中和した状態とした場合の溶解度が、上述の範囲となるものが好ましい。
前記水溶性樹脂としては、例えば、親水性高分子化合物が挙げられる。親水性高分子化合物の中でも、カーボンブラックを水系媒体中に分散させる水溶性樹脂分散剤が好ましい。
この場合、樹脂は、架橋剤により架橋可能な官能基を有することが好ましい。
該架橋可能な官能基としては、前述の塩生成基(例えばカルボキシ基)、イソシアナート基、エポキシ基等が挙げられるが、分散性向上の観点からカルボキシ基が特に好ましい。
塩生成基を有する樹脂によって被覆され、該樹脂が架橋剤によって架橋されている形態の顔料(以下、「架橋された樹脂被覆顔料」ともいう)は、例えば、塩生成基を有する樹脂を用いて顔料を分散することにより樹脂被覆顔料を作製し、その後樹脂被覆顔料の該樹脂を、架橋剤により架橋することにより作製することができる。
(i)顔料と、前記水溶性樹脂(分散剤)と、塩基性物質を含む水溶液と、前記水溶性樹脂を溶解または分散可能な有機溶剤とを混合し分散処理する工程(混合・水和工程)と、
(ii)前記有機溶剤の少なくとも一部を除く工程(溶剤除去工程)と、
を含む製造方法により製造することができる。
前記架橋された樹脂被覆顔料は、例えば、上記(i)と(ii)の間に、更に、
(iii)前記分散処理により得られた分散物に架橋剤を加えて加熱し、前記水溶性樹脂を架橋させる工程(架橋工程)と、
(iv)架橋後の分散物を精製して不純物を除去する工程(精製工程)と、
を含む製造方法により製造することができる。
上記(i)〜(iv)により、顔料が微細に分散され、保存安定性に優れた顔料分散物を作製することができる。
より具体的には例えば、特開2009−190379号公報に記載の方法によって、表面の少なくとも一部が水溶性樹脂で被覆された顔料(樹脂被覆顔料)を製造することができる。
特に、インク組成物において、塩生成基を有する樹脂が架橋されていない場合に限っていえば、前記カーボンブラック顔料及び前記少なくとも1種の着色顔料を被覆する樹脂の全てが芳香環構造を有することが、分散安定性の観点から好ましい。
前記一般式(a)において、R2は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基を表す。
中でも、L2として特に好ましくは、単結合、炭素数1〜20(より好ましくは1〜10)のアルキレンオキシ基、イミノ基(−NH−)、スルファモイル基、及び、炭素数1〜20(より好ましくは1〜15)のアルキレン基やエチレンオキシド基[−(CH2CH2O)n−,n=1〜6の整数]などの、アルキレン基を含む2価の連結基等、並びにこれらの2種以上を組み合わせた基などである。
中でも、L2として最も好ましくは、単結合、炭素数1〜20(より好ましくは1〜15、更に好ましくは1〜6)のアルキレン基、エチレンオキシド基[−(CH2CH2O)n−**;n=1〜6の整数、**はA1との結合位置を表す]である。
前記A1が芳香環から誘導される1価の基である場合、該芳香環としては特に限定されないが、ベンゼン環、炭素数8以上の縮環型芳香環、ヘテロ環が縮環した芳香環、2以上のベンゼン環が縮環した芳香環が挙げられる。
また、A1が脂肪族環から誘導される1価の基である場合、該脂肪族環としては特に限定されないが、炭素数3〜12の脂肪族環(好ましくは、シクロヘキサン環、イソボルネン環)が挙げられる。
芳香環が縮環したヘテロ環の具体例としては、フタルイミド、アクリドン、カルバゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾールなどが挙げられる。
但し、本発明においては、これらに限定されるものではない。
前記一般式(a)で表される繰り返し単位のポリマー中における含有割合は、ポリマーの全質量に対して、好ましくは20〜90質量%の範囲であり、より好ましくは45〜90質量%であり、特に好ましくは65〜90質量%の範囲である。
塩生成基を有する繰り返し単位は、塩生成基含有モノマーから誘導された繰り返し単位であることが好ましい。
前記塩生成基含有モノマーとしては、カチオン性モノマー、アニオン性モノマー等が挙げられる。その例として、特開平9−286939号公報5頁7欄24行〜8欄29行に記載されているもの等が挙げられる。
不飽和カルボン酸モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、β−カルボキシエチルアクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、2−メタクリロイルオキシメチルコハク酸等が挙げられる。
不飽和スルホン酸モノマーとしては、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−スルホプロピル(メタ)アクリレート、ビス−(3−スルホプロピル)−イタコネート等が挙げられる。
不飽和リン酸モノマーとしては、ビニルホスホン酸、ビニルホスフェート、ビス(メタクリロキシエチル)ホスフェート、ジフェニル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイロキシエチルホスフェート、ジブチル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート等が挙げられる。
前記塩生成基含有モノマーとしては、前記アニオン性モノマーが好ましく、その中でも、分散安定性、吐出性等の観点から、不飽和カルボン酸モノマーがより好ましく、アクリル酸又はメタクリル酸が特に好ましい。
その他の繰り返し単位としては、炭素数1〜20のアルキル(メタ)アクリレート;スチレン及びその誘導体;等から誘導された繰り返し単位が挙げられる。
中でも、前記塩生成基を有する樹脂としては、少なくとも、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、及びイソボルニル(メタ)アクリレートの少なくとも一つと、(メタ)アクリル酸と、を共重合させて得られた共重合体(即ち、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、及びイソボルニル(メタ)アクリレートの少なくとも一つに由来の繰り返し単位と、(メタ)アクリル酸に由来の繰り返し単位と、を少なくとも含む共重合体)であることが特に好ましい。
また、前記樹脂が架橋されている場合、該樹脂の架橋率は、顔料の分散安定性やインクの凝集性の観点から、好ましくは1〜60モル%、より好ましくは5〜50モル%、さらに好ましくは10〜45モル%である。ここで、架橋率(モル%)は、下記の式により求めた値をいう。
架橋率(モル%)=[ポリマー1モルと反応させる架橋剤のモル当量数×100/ポリマー1モルが有する架橋剤と反応できる反応性基のモル数]
ここで、「ポリマー1モルと反応させる架橋剤のモル当量数」とは、ポリマー1モルと反応させる架橋剤のモル数に架橋剤1分子中の反応性基の数を乗じた値である。
尚、樹脂の重量平均分子量は、TSKgel GMHxL、TSKgel G4000HxL、TSKgel G2000HxL(いずれも東ソー(株)製の商品名)のカラムを備えたGPC分析装置を用いて、溶媒としてTHFを使用し、示差屈折計により検出し、標準物質としてポリスチレンを用い換算して表した分子量である。
前記非水溶性樹脂としては、疎水性構成単位と親水性構成単位とを有する水不溶性樹脂を用いることができる。前記親水性構成単位としては、塩生成基を有する構成単位であることが好ましく、酸性基を有する構成単位であることがより好ましく、カルボキシ基を有する構成単位であることが特に好ましい。
非水溶性樹脂としては、例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート−(メタ)アクリル酸共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体等が挙げられる。
より具体的には例えば、特開2005−41994号公報、特開2006−273891号公報、特開2009−084494号公報、特開2009−191134等に記載の水不溶性樹脂を本発明においても好適に用いることができる。
前記樹脂被覆顔料において顔料を被覆している樹脂は、架橋剤により架橋されていることが好ましい。
前記架橋剤は、前記樹脂と反応する部位を2つ以上有している化合物であれば、特に限定されないが、中でもカルボキシ基との反応性に優れている点から、好ましくは2つ以上のエポキシ基を有している化合物(2官能以上のエポキシ化合物)である。
具体例としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−へキサンジオールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル等が挙げられ、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルが好ましい。
本発明の黒系インク組成物は、水溶性の重合性化合物の少なくとも1種を含む。
これにより、本発明の黒系インク組成物は、活性エネルギー線(例えば、放射線もしくは光、又は電子線など)が照射されることにより重合し、硬化する。
ここで、「水溶性」とは、水に一定濃度以上溶解できることをいう。具体的には25℃の水に対する溶解度が5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましい。また水溶性の重合性化合物は、水性のインク組成物中に(望ましくは均一に)溶解し得るものであることが好ましい。また後述する水溶性有機溶剤を添加することにより溶解度が上昇してインク組成物中に(望ましくは均一に)溶解するものであってもよい。
前記水溶性の重合性化合物としては、分子内に(メタ)アクリルエステル構造を有する化合物及び分子内に(メタ)アクリルアミド構造を有する化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましく、分子内に(メタ)アクリルアミド構造を有する化合物を少なくとも1種含むことがより好ましい。ここで、(メタ)アクリルエステル構造とは、メタクリルエステル構造及びアクリルエステル構造の少なくとも一方を意味し、(メタ)アクリルアミド構造とは、メタクリルアミド構造及びアクリルアミド構造の少なくとも一方を意味する。
分子内に(メタ)アクリルエステル構造を有する重合性化合物は、水溶性であって、分子内に(メタ)アクリルエステル構造を有する重合性化合物であれば限定されず、単官能の重合性化合物であっても、多官能の重合性化合物であってもよい。
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール,2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、チオグリコール、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ジトリメチロールエタン、ネオペンチルグリコール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、及びこれらの縮合体、低分子ポリビニルアルコール、または糖類などのポリオール類、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ポリエチレンイミン、ポリプロピレンジアミン、などのポリアミン類。
分子内に(メタ)アクリルアミド構造を有する化合物は、分子内に(メタ)アクリルアミド構造を有する重合性化合物であれば特に限定されず、単官能の重合性化合物であっても、多官能の重合性化合物であってもよい。
重合性化合物のインク組成物中における総含有量としては、インク組成物全質量に対して、3〜50質量%が好ましく、10〜30質量%がより好ましく、15〜25質量%がさらに好ましい。
即ち、一般的には、単官能の重合性化合物を用いたインク組成物では硬化性が不足して密着性が低下する傾向があるが、本発明のインク組成物では、単官能の重合性化合物を用いた場合でも、密着性を好適に維持しやすい。このため、前記水溶性の重合性化合物が単官能の重合性化合物と多官能の重合性化合物とを共に含む場合に、本発明の密着性向上の効果がより顕著に奏される。
前記水溶性の重合性化合物が単官能の重合性化合物を含む場合、該単官能の重合性化合物としては、密着性をより向上させる観点から、(メタ)アクリルアミド構造を有する単官能の重合性化合物が好ましい。
更に、前記水溶性の重合性化合物が(メタ)アクリルアミド構造を有する単官能の重合性化合物を含むことにより、耐擦性が向上する。
本発明の黒系インク組成物は、重合開始剤の少なくとも1種を含む。
前記重合開始剤は、水溶性の重合開始剤であることが好ましい。ここで重合開始剤における水溶性とは、25℃において蒸留水に0.5質量%以上溶解することを意味する。前記水溶性の重合開始剤は、25℃において蒸留水に1質量%以上溶解することが好ましく、3質量%以上溶解することがより好ましい。
一般式(1)において、mが0〜3であってnが0または1であることが好ましく、mが0または1であってnが0であることがより好ましい。
一般式(1)で表される化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。
本発明の黒色系インク組成物は、下記一般式(i)で表される繰り返し単位を含む重合体(以下、単に「(成分a)」ともいう。)を含むことができる。本発明の黒色系インク組成物が該(成分a)を含むことにより、画像の耐擦性がより向上する。
前記(成分a)中に複数存在する一般式(i)で表される繰り返し単位は、互いに同一であっても、異なっていてもよい。
前記一般式(i)中、mは、2〜5の整数が好ましく、3又は5が更に好ましく、3が特に好ましい。
前記(成分a)中に複数存在する一般式(i)で表される繰り返し単位が互いに異なる場合、一般式(i)中のmが3である繰り返し単位と、一般式(i)中のmが5である繰り返し単位と、を含むことが好ましい。
前記一般式(ii)中、R2で表されるアルキル基としては、炭素数1〜3のアルキル基が更に好ましく、炭素数1のアルキル基(即ちメチル基)が特に好ましい。
本発明の黒色系インク組成物が前記(成分a)を含む場合、該(成分a)の含有量(2種以上である場合には総含有量)は、黒色系インク組成物の全量に対し、0.1〜10質量%であることが好ましく、0.1〜5質量%であることが更に好ましく、0.5〜5質量%であることが更に好ましく、0.5〜3質量%であることが特に好ましい。
本発明の黒色系インク組成物は、コロイダルシリカの少なくとも1種をさらに含むことが好ましい。コロイダルシリカを含むことで吐出安定性が向上すると共にインクジェットヘッド部材における撥液性の低下を抑制できる。特にインクジェットヘッド部材の少なくとも一部にシリコンが使用されている場合に、特にその効果が大きい。
これは例えば、コロイダルシリカを含むことでインク成分の加水分解が効果的に抑制され、インク組成物の安定性が向上することにより、インクジェット記録装置上でインク組成物の吐出を止めて一定の時間放置し、その後吐出を再開した場合でも吐出安定性(放置回復性)において優れた効果が得られ、かつ画像の耐擦性も両立できるものと考えられる。さらに、コロイダルシリカがインクジェットヘッド部材の表面に適度に吸着して、インク成分による表面の侵食を緩和することにより、撥液性の低下を防止できるものと推察される。
またコロイダルシリカには、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化アンモニウム等の無機塩類やテトラメチルアンモニウムヒドロキシド等の有機塩類が含まれていてもよい。これらの無機塩類および有機塩類は、例えば、コロイドの安定化剤として作用する。
平均粒子径が25nm以下であることで、インクジェットヘッドを構成する部材、例えば、基材、保護膜、撥液膜等に対するインクによるダメージ(例えば、撥液性の低下等)をより効果的に抑制することができる。これは例えば、平均粒子径が小さいことで、粒子の総表面積が大きくなり、インクジェットヘッドを構成する部材に対するダメージを、より効果的に抑制するためと考えることができる。またさらに、インク組成物の吐出性、粒子による研磨剤効果の観点からも、粒子の平均粒子径は25nm以下であることが好ましい。また、1nm以上の平均粒子径であることで、生産性が向上し、また性能のバラツキの少ないコロイダルシリカを得ることができる。
またコロイダルシリカの形状は、インクの吐出性能を妨げない限り、特に限定されない。例えば、球状、長尺の形状、針状、数珠状のいずれであってもよい。中でも、インクの吐出性の観点から、球状であることが好ましい。
本発明の黒色系インク組成物は、界面活性剤の少なくとも1種を含むことが好ましい。界面活性剤は、表面張力調整剤として用いることができる。
表面張力調整剤として、分子内に親水部と疎水部を合わせ持つ構造を有する化合物等を有効に使用することができ、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、ベタイン系界面活性剤のいずれも使用することができる。
本発明においては、インク組成物の打滴干渉抑制の観点から、ノニオン性界面活性剤が好ましく、中でもアセチレングリコール系界面活性剤がより好ましい。
界面活性剤の黒色系インク組成物中における界面活性剤の具体的な量としては、前記表面張力となる範囲が好ましいこと以外は特に制限はなく、0.1質量%以上が好ましく、より好ましくは0.1〜10質量%であり、更に好ましくは0.2〜3質量%である。
本発明の黒色系インク組成物は少なくとも水を含むが、水に加え、更に水溶性有機溶剤の少なくとも1種を含むことができる。
水溶性有機溶剤は、乾燥防止、湿潤あるいは浸透促進の効果を得ることができる。乾燥防止には、噴射ノズルのインク吐出口においてインクが付着乾燥して凝集体ができ、目詰まりするのを防止する乾燥防止剤として用いられ、乾燥防止や湿潤には、水より蒸気圧の低い水溶性有機溶剤が好ましい。また、浸透促進には、紙へのインク浸透性を高める浸透促進剤として用いることができる。
本発明における黒色系インク組成物は、必要に応じて樹脂粒子を含有することができる。
また樹脂粒子は、後述の処理液又はこれを乾燥させた記録媒体上の領域と接触した際に凝集、又は分散不安定化してインクを増粘させることにより、インク組成物、すなわち画像を固定化させる機能を有することが好ましい。このような樹脂粒子は、水および有機溶剤の少なくとも1種に分散されているものが好ましい。
また樹脂粒子はラテックスの形態で用いることもできる。
また樹脂粒子の体積平均粒径は、1nm〜1μmの範囲が好ましく、1nm〜200nmの範囲がより好ましく、1nm〜100nmの範囲が更に好ましく、1nm〜50nmの範囲が特に好ましい。なお、樹脂粒子の体積平均粒径は、ナノトラック粒度分布測定装置UPA−EX150(日機装(株)製)によって測定することができる。
樹脂粒子のガラス転移温度Tgは30℃以上であることが好ましく、40℃以上がより好ましく、50℃以上がさらに好ましい。
ここで、自己分散性樹脂とは、界面活性剤の不存在下、転相乳化法により分散状態としたとき、ポリマー自身が有する官能基(特に塩生成基)によって、水性媒体中で分散状態となり得る水不溶性ポリマーをいう。自己分散性樹脂が有することがある塩生成基の具体例については、顔料を被覆する樹脂における塩生成基と同様であり、好ましい範囲も同様である。
ここで、分散状態とは、水性媒体中に水不溶性ポリマーが液体状態で分散された乳化状態(エマルション)、及び、水性媒体中に水不溶性ポリマーが固体状態で分散された分散状態(サスペンジョン)の両方の状態を含むものである。
前記自己分散性樹脂粒子としては、特開2010−64480号公報の段落0090〜0121や、特開2011−068085号公報の段落0130〜0167に記載されている自己分散性樹脂粒子を用いることができる。
また、樹脂微子の粒径分布に関しては、特に制限は無く、広い粒径分布を持つもの、又は単分散の粒径分布を持つもの、いずれでもよい。また、単分散の粒径分布を持つ樹脂粒子を、2種以上混合して使用してもよい。
前記黒色系インク組成物は、上記の成分に加え、必要に応じて更にその他成分として各種の添加剤を含むことができる。
前記各種の添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、褪色防止剤、防黴剤、pH調整剤、防錆剤、酸化防止剤、乳化安定剤、防腐剤、消泡剤、粘度調整剤、分散安定剤、又はキレート剤等の公知の添加剤が挙げられる。これらの添加剤の含有量はその用途に応じて適宜決定すればよいが、例えば、黒色系インク組成物中に各々0.02〜1.00質量%程度とすればよい。
本発明におけるインク組成物の表面張力(25℃)としては、20mN/m以上60mN/m以下であることが好ましい。より好ましくは、20mN/m以上45mN/m以下であり、更に好ましくは、25mN/m以上40mN/m以下である。
表面張力は、Automatic Surface Tensiometer CBVP-Z(協和界面科学株式会社製)を用い、インク組成物を25℃の条件下で測定される。
粘度は、VISCOMETER TV−22(TOKI SANGYO CO.LTD製)を用い、インク組成物を25℃の条件下で測定される。
前記黒色系インク組成物は、定法により製造することができる。例えば、着色顔料の少なくとも1種およびカーボンブラック顔料を含む顔料分散物(又は、顔料の種類ごとに調製された各顔料分散物)と、水溶性重合性化合物の少なくとも1種と、重合開始剤の少なくとも1種と、水と、必要に応じてその他の成分(界面活性剤等)と、を混合することにより製造することができる。混合方法は特に制限されず、通常用いられる混合方法を適宜選択して適用できる。
本発明のインクセットは、既述の本発明の黒色系インク組成物の少なくとも1種と、前記黒色系インク組成物と接触することで凝集体を形成可能な凝集剤を含む処理液の少なくとも1種と、を含む。
前記黒色系インク組成物に加えて処理液を用い、後述する画像形成方法によって画像を形成することにより、密着性及び耐擦性に更に優れた画像を形成することができる。また、膜強度に優れた画像を得ることができる。
また、処理液を用いることで、インクジェット記録を高速化でき、高速記録しても、色相変動が抑制され、密着性及び耐擦性に優れた画像が得られる。また、高速記録しても、濃度、解像度の高い描画性(例えば細線や微細部分の再現性)に優れた画像が得られる。
処理液は、既述の黒色系インク組成物と接触することで凝集体を形成可能な凝集剤の少なくとも1種を含み、必要に応じて、さらに他の成分を含んで構成される。
凝集剤としては、酸性化合物、多価金属塩、およびカチオン性ポリマー等を挙げることができる。中でもインク組成物成分の凝集性の観点から、酸性化合物であることが好ましい。凝集剤は1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
酸性化合物としては、例えば、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、ポリアクリル酸、酢酸、グリコール酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、アスコルビン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、スルホン酸、オルトリン酸、メタリン酸、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、ピロールカルボン酸、フランカルボン酸、ピリジンカルボン酸、クマリン酸、チオフェンカルボン酸、ニコチン酸、およびこれらの化合物の誘導体等が好適に挙げられる。
酸性化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記多価金属塩としては、周期表の第2属のアルカリ土類金属(例えば、マグネシウム、カルシウム)、周期表の第3属の遷移金属(例えば、ランタン)、周期表の第13属からのカチオン(例えば、アルミニウム)、ランタニド類(例えば、ネオジム)の塩を挙げることができる。これら金属の塩としては、カルボン酸塩(蟻酸、酢酸、安息香酸塩など)、硝酸塩、塩化物、及びチオシアン酸塩が好適である。中でも、好ましくは、カルボン酸(蟻酸、酢酸、安息香酸塩など)のカルシウム塩又はマグネシウム塩、硝酸のカルシウム塩又はマグネシウム塩、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、及びチオシアン酸のカルシウム塩又はマグネシウム塩である。
前記多価金属塩は、1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
多価金属塩の含有量は、前記処理液の全質量に対し、15質量%〜35質量%であることが好ましい。
カチオン性ポリマーとしては、ポリ(ビニルピリジン)塩、ポリアルキルアミノエチルアクリレート、ポリアルキルアミノエチルメタクリレート、ポリ(ビニルイミダゾール)、ポリエチレンイミン、ポリビグアニド、及びポリグアニドから選ばれる少なくとも1種のカチオン性ポリマーである。
カチオン性ポリマーは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記カチオン性ポリマーの中でも、凝集速度の観点で有利な、ポリグアニド(好ましくは、ポリ(ヘキサメチレングアニジン)アセテート、ポリモノグアニド、ポリメリックビグアニド)、ポリエチレンイミン、ポリ(ビニルピリジン)が好ましい。
本発明の画像形成方法は、既述の本発明のインクセットが用いられ、前記処理液を記録媒体に付与する処理液付与工程と、前記黒色系インク組成物を記録媒体に付与するインク付与工程と、前記処理液付与工程及び前記インク付与工程によって形成された画像に活性エネルギー線を照射し、前記画像を硬化させる硬化工程と、を有する。本発明の画像形成方法は、必要に応じ、その他の構成を有していてもよい。
インク付与工程は、既述の本発明の黒色系インク組成物を、記録媒体上に例えばインクジェット法により付与する。本工程では、記録媒体上に選択的にインク組成物を付与でき、所望の画像を形成できる。
尚、前記インクジェット法により記録を行う際に使用するインクノズル等については特に制限はなく、目的に応じて、適宜選択することができる。
処理液付与工程は、前記処理液を記録媒体に付与し、処理液をインク組成物と接触させて画像化する。この場合、インク組成物中の樹脂粒子や顔料などの分散粒子が凝集し、記録媒体上に画像が固定化される。なお、処理液における各成分の詳細及び好ましい態様については、既述した通りである。
本発明においては、処理液付与工程で処理液を付与した後に、インク付与工程を設ける態様が好ましい。すなわち、記録媒体上に、インク組成物をインクジェット法で付与(吐出)する前に、予めインク組成物中の顔料を凝集可能な処理液を付与しておき、記録媒体上に付与された処理液に接触するようにインク組成物を吐出して画像化する態様が好ましい。これにより、インクジェット記録を高速化でき、高速記録しても濃度、解像度の高い画像が得られる。
本発明の画像形成方法は、前記インク吐出工程の後、インク組成物の付与により形成されたインク画像を加熱して、インク組成物中の溶媒の少なくとも一部を除去する加熱乾燥工程を有することが好ましい。加熱乾燥処理を施すことにより、後の硬化工程によって密着性と耐擦性により優れた画像を形成することができる。
硬化工程は、少なくとも前記処理液付与工程及び前記インク付与工程によって形成された画像に活性エネルギー線を照射し、前記画像を硬化させる工程である。
ここで使用される活性エネルギー線は、α線、γ線、電子線、X線、紫外線、可視光、赤外光などが挙げられる。中でも紫外線が好ましい。
硬化工程により、画像中のモノマー成分(水溶性の重合性化合物)を確実に重合硬化させることができる。このとき、活性エネルギー線を照射する光源を記録媒体の記録面に対向配置し、記録面の全体を照射すれば、画像全体の硬化を行うことができる。なお、活性エネルギー線を照射する光源は、紫外線照射ランプ、ハロゲンランプ、高圧水銀灯、レーザー、LED、電子線照射装置などを採用することもできる。
活性エネルギー線を照射する硬化工程は、インク付与工程および処理液付与工程の後であれば、前記加熱乾燥工程の前後のいずれに設置されていてもよく、加熱乾燥工程の前後両方に設置してもよい。
活性エネルギー線の出力としては、5000mJ/cm2以下であることが好ましく、10〜4000mJ/cm2であることがより好ましく、20〜3000mJ/cm2であることがさらに好ましい。
本発明の画像形成方法は、記録媒体に上に画像を記録するものである。
記録媒体には、特に制限はないが、一般のオフセット印刷などに用いられる、いわゆる上質紙、コート紙、アート紙などのセルロースを主体とする一般印刷用紙を用いることができる。セルロースを主体とする一般印刷用紙は、水性インクを用いた一般のインクジェット法による画像記録においては比較的インクの吸収、乾燥が遅く、打滴後に色材移動が起こりやすく、画像品質が低下しやすいが、本発明のインクセットを用いた画像形成方法によると、色材移動を抑制して色濃度、色相に優れた高品位の画像の記録が可能である。
下記に従って合成した。
モノマー供給組成物を、メタクリル酸(172部)、メタクリル酸ベンジル(828部)、及びイソプロパノール(375部)を混合することにより調製した。開始剤供給組成物を、2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(22.05部)およびイソプロパノール(187.5部)を混合することにより調製した。
次に、イソプロパノール(187.5部)を窒素雰囲気下、80℃に加温した中に、上記モノマー供給組成物及び上記開始剤供給組成物の混合物を、2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に4時間、80℃に保った後に、25℃まで冷却した。
冷却後、溶媒を減圧除去することにより、重量平均分子量約50000の樹脂分散剤P−1を得た。
<ブラック顔料分散物K1の作製>
上記で得られた樹脂分散剤P−1(150部)を、水酸化カリウム水溶液を用いて、樹脂分散剤中のメタクリル酸量の0.8当量を中和し、さらにイオン交換水を加えて、樹脂分散剤の濃度が20質量%となるように樹脂分散剤水溶液を調製した。
この樹脂分散剤水溶液(117部)と、カーボンブラック顔料(#95、三菱化学(株)製)(52.5部)と、イオン交換水(75.5部)と、ジプロピレングリコール(105部)と、を混合し、ビーズミル(ビーズ径0.1mmφ、ジルコニアビーズ)で所望の体積平均粒子径を得るまで分散し、顔料濃度15質量%の樹脂被覆ブラック顔料粒子の分散物N1(未架橋分散物)を得た。
上記分散物N1(136部)に対してイオン交換水(100部)、Denacol EX−321(0.9部)、ホウ酸水溶液(ホウ酸濃度4質量%水溶液、9.9部)添加し、50℃にて6時間半反応後、25℃に冷却した。さらに、得られた架橋分散物を、攪拌型ウルトラホルダー(ADVANTEC社製)及び限外ろ過フィルター(分画分子量5万、Q0500076Eウルトラフィルター、ADVANTEC(株)製)を用いて、イオン交換水を加えて限外ろ過を行い、分散物中のジプロピレングリコール濃度が顔料の総質量に対して1質量%以下となるように精製した後、顔料濃度15質量%となるまで濃縮してブラック顔料分散物K1を得た。
また、得られたブラック顔料分散物K1を0.1部、イオン交換水を19.9部混合し、これを用いてナノトラック粒度分布測定装置UPA−EX150(日機装(株)製)によって2次粒子の体積平均粒子径を測定したところ、145nmであった。
上記で得られた樹脂分散剤P−1(150部)を、水酸化カリウム水溶液を用いて、樹脂分散剤中のメタクリル酸量の0.8当量を中和し、さらにイオン交換水を加えて、樹脂分散剤の濃度が20質量%となるように樹脂分散剤水溶液を調製した。
この樹脂分散剤水溶液(117部)と、シアン顔料(ピグメントブルー15:3、大日精化(株)製)(52.5部)と、イオン交換水(75.5部)と、ジプロピレングリコール(105部)と、を混合し、ビーズミル(ビーズ径0.1mmφ、ジルコニアビーズ)で所望の体積平均粒子径を得るまで分散し、顔料濃度15質量%の樹脂被覆シアン顔料粒子の分散物N2(未架橋分散物)を得た。
上記分散物N2(136部)に対してイオン交換水(100部)、Denacol EX−321(0.9部)、ホウ酸水溶液(ホウ酸濃度4質量%水溶液、9.9部)添加し、50℃にて6時間半反応後、25℃に冷却した。さらに、得られた架橋分散物を、攪拌型ウルトラホルダー(ADVANTEC社製)及び限外ろ過フィルター(分画分子量5万、Q0500076Eウルトラフィルター、ADVANTEC(株)製)を用いて、イオン交換水を加えて限外ろ過を行い、分散物中のジプロピレングリコール濃度が顔料の総質量に対して1質量%以下となるように精製した後、顔料濃度15質量%となるまで濃縮してシアン顔料分散物C1を得た。
また、得られたシアン顔料分散物C1を0.1部、イオン交換水を19.9部混合し、これを用いてナノトラック粒度分布測定装置UPA−EX150(日機装(株)製)によって2次粒子の体積平均粒子径を測定したところ、80nmであった。
上記で得られた樹脂分散剤P−1(150部)を、水酸化カリウム水溶液を用いて、樹脂分散剤中のメタクリル酸量の0.8当量を中和し、さらにイオン交換水を加えて、樹脂分散剤の濃度が20質量%となるように樹脂分散剤水溶液を調製した。
この樹脂分散剤水溶液(78.8部)と、マゼンタ顔料(ピグメントレッド122、大日精化(株)製)(52.5部)と、イオン交換水(106.7部)と、ジプロピレングリコール(112部)と、を混合し、ビーズミル(ビーズ径0.1mmφ、ジルコニアビーズ)で所望の体積平均粒子径を得るまで分散し、顔料濃度15質量%の樹脂被覆マゼンタ顔料粒子の分散物N3(未架橋分散物)を得た。
上記分散物N3(136部)に対してイオン交換水(100部)、Denacol EX−321(0.6部)、ホウ酸水溶液(ホウ酸濃度4質量%水溶液、6.6部)を添加し、50℃にて6時間半反応後、25℃に冷却した。さらに、得られた架橋分散物を、攪拌型ウルトラホルダー(ADVANTEC社製)及び限外ろ過フィルター(分画分子量5万、Q0500076Eウルトラフィルター、ADVANTEC(株)製)を用いて、イオン交換水を加えて限外ろ過を行い、分散物中のジプロピレングリコール濃度が顔料の総質量に対して1質量%以下となるように精製した後、顔料濃度15質量%となるまで濃縮してマゼンタ顔料分散物M1を得た。
また、得られたマゼンタ顔料分散物M1を0.1部、イオン交換水を19.9部混合し、これを用いてナノトラック粒度分布測定装置UPA−EX150(日機装(株)製)によって2次粒子の体積平均粒子径を測定したところ、80nmであった。
攪拌機を備えた1Lの三口フラスコに4,7,10−トリオキサ−1,13−トリデカンジアミン40.0g(182mmol)、炭酸水素ナトリウム37.8g(450mmol)、水100g、テトラヒドロフラン300gを加えて、氷浴下、アクリル酸クロリド35.2g(389mmol)を20分かけて滴下した。滴下後、室温で5時間攪拌した後、得られた反応混合物から減圧下でテトラヒドロフランを留去した。次に水層を酢酸エチル200mlで4回抽出し、得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過を行い、減圧下溶媒留去することにより目的の重合性化合物2の固体を35.0g(107mmol、収率59%)得た。
重合性化合物2の構造を以下に示す。
下記組成を混合し、ADVANTEC社製ガラスフィルター(GS−25)でろ過した後、ミリポア社製フィルター(PVDF膜、孔径5μm)でろ過を行い、ブラックインク組成物(インク1)を作製した。
・ブラック顔料分散物K1 … 14.7部
・シアン顔料分散物C1 … 2部
・マゼンタ顔料分散物M1 …3.3部
・上記重合性化合物2 … 10部
・ヒドロキシエチルアクリルアミド … 10部
・オルフィンE1010(日信化学工業(株)製、界面活性剤) … 1部
・ポリビニルピロリドン(PVP K15、アイエスピージャパン(株)製)… 1部
・イルガキュア2959(BASFジャパン(株)製;光重合開始剤) … 3部
・イオン交換水 … 合計で100部になる残量
ブラックインク組成物(インク1)の作製において、カーボンブラック顔料、シアン顔料、及びマゼンタ顔料の含有率をそれぞれ下記表1のように変え、かつ、必要に応じてインク組成物中のイオン交換水の量をインク全体で100部となるように調整したこと以外はブラックインク組成物(インク1)と同様にして、ブラックインク組成物(インク2、3、6、7、13、14)を作製した。
ブラックインク組成物(インク1)の作製において、ブラックインク組成物中におけるヒドロキシエチルアクリルアミドと重合性化合物2との総量を20部に固定した上で、ヒドロキシエチルアクリルアミドと重合性化合物2との総量(即ち、重合性化合物の総量)に対するヒドロキシエチルアクリルアミド(即ち、単官能の重合性化合物)の比率(質量%)を、下記表1に示すように変更したこと以外はブラックインク組成物(インク1)と同様にして、ブラックインク組成物(インク9〜12)を作製した。
ブラックインク組成物(インク1)の作製(詳しくは、ブラック分散物K1の作製)において、カーボンブラック顔料の種類及び含有率並びにマゼンタ顔料の含有率を、下記表1に示すように変更したこと以外はブラックインク組成物(インク1)と同様にして、ブラックインク組成物(インク4、5、8、15)を作製した。
表1において、Printex35及びPrintex200は、いずれもエボニックデグサ(株)製のカーボンブラック顔料であり、MA11及びMA14は、いずれも三菱化学(株)製のカーボンブラック顔料である。
下記組成の成分を混合して、処理液を調製した。
処理液の粘度、表面張力、及びpH(25±1℃)は、粘度2.5mPa・s、表面張力40mN/m、pH1.0であった。
ここで、表面張力は協和界面科学(株)製 全自動表面張力計CBVP−Zを用いて測定し、粘度はブルックフィールドエンジニアリング社製、DV-III Ultra CPを用いて測定した。pHは、東亜ディーケーケー(株)製PHメーター HM−30Rを用いて測定した。
・マロン酸(和光純薬工業(株)製) … 11.3%
・DL−リンゴ酸(扶桑化学工業(株)製) … 14.5%
・トリプロピレングリコールモノメチルエーテル(東京化成(株)製) … 4.0%
・ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ダイセル化学工業(株)製… 4.0%
・イオン交換水 … 合計で100%になる残量
<画像形成>
GELJET GX5000プリンターヘッド(リコー社製のフルラインヘッド)を備えた評価用プリンタを用意し、これに繋がる貯留タンクに上記で得た黒色系インク組成物を詰め替えた。記録媒体として三菱製紙(株)製の「特菱アート両面N」を500mm/秒で所定の直線方向に移動可能なステージ上に固定し、ステージ温度を30℃に保持した。これに上記で得た処理液をワイヤーバーコーターで約1.5g/m2となる量にて塗布し、塗布直後に50℃で2秒間乾燥させた。
その後、インクジェットヘッドを、前記ステージの移動方向(副走査方向)と直交する方向に対して、ノズルが並ぶラインヘッドの方向(主走査方向)が75.7度傾斜するように固定配置し、記録媒体を副走査方向に定速移動させながらインク液滴量3pL、吐出周波数25.5kHz、解像度1200dpi×1200dpiの吐出条件にてライン方式で、インクを吐出してベタ画像を記録した。画像を記録した後、インク着滴面の裏側(背面)から赤外線ヒータで加熱しながら、送風器により120℃、5m/secの温風を記録面に15秒間あてて乾燥させた。画像乾燥後、UV光(アイグラフィックス(株)製メタルハライドランプ、最大照射波長365nm)を積算照射量0.8J/cm2になるように照射して画像を硬化して印画サンプルを得た。
上記で得られた印画サンプルを、25℃、50%RHの環境下に15分間放置した。放置後のサンプルのベタ画像表面上に、画像形成していない特菱アート両面N(以下、本評価において未使用サンプルという。)を重ねて荷重200kg/m2をかけて10往復擦った。その後、未使用サンプルとベタ画像を目視で観察し、下記の評価基準に従って評価した。評価結果を表1に示す。
A:未使用サンプルへの色の付着が認められず、かつ、擦られたベタ画像の劣化も認められなかった。
B:未使用サンプルへの色の付着が僅かに認められたが、擦られたベタ画像の劣化は認められなかった。
C:未使用サンプルへの色の付着が認められ、かつ、擦られたベタ画像の一部(ベタ画像面積の半分未満)が劣化した。
D:未使用サンプルへの色の付着が認められ、かつ、擦られたベタ画像面積の半分以上が劣化した。
※Dは実用上問題となるレベルである。
上記で得られた印画サンプルを、25℃、50%RHの環境下に15分間放置した。放置後の印画サンプルのベタ画像表面に、長さ3cmのセロテープ(登録商標)(LP−12、ニチバン株式会社製)を貼り、5秒後にセロテープ(登録商標)を剥離させた。その後、サンプルと剥離させたセロテープ(登録商標)を目視で観察し、下記の評価基準にしたがって評価した。評価結果を表1に示す。
A:セロテープ(登録商標)への色の付着が認められず、かつ、印画サンプルのベタ画像の劣化も認められなかった。
B:セロテープ(登録商標)への色の付着が僅かに認められたが、印画サンプルのベタ画像の劣化は認められなかった。
C:セロテープ(登録商標)の半分未満の面積に色が付着し、かつ、印画サンプルのベタ画像の劣化も認められた。
D:セロテープ(登録商標)の半分以上の面積に色が付着し、印画サンプルのベタ画像が脱落した。
※Dは実用上問題となるレベルである。
画像の網点密度を種々変化させたこと以外は上記画像形成と同様にして、網点密度10%から100%まで10%毎のグレー画像をそれぞれ形成した。
得られた各グレー画像のL*、a*、b*値(L*1, a*1, b*1)をグレタグマクベス社製のスペクトロスキャンで計測した。同様に、非画像部のL*、a*、b*値(L*2、a*2、b*2)も計測した。
これらの計測値から下記式により、各グレー画像について、非画像部との色差(ΔEab)をそれぞれ計算した。
ΔEab={(a*1−a*2)2+(b*1−b*2)2}1/2
次に、各グレー画像におけるΔEabの変動(最大値と最小値との差の絶対値)を求め、下記評価基準に従って画像の色相変動を評価した。
また、網点密度100%の画像について、画像の光学濃度(OD)を測定した。
表1に、画像の色相変動の評価結果、及び、網点密度100%の画像の光学濃度を示す。
A:ΔEabの変動が2より小さく色相変動が小さく良好であった。
B:ΔEabの変動が2以上4未満で実用上許容できる範囲であった。
C:ΔEabの変動が4以上6未満で実用上許容できない範囲であった。
D:ΔEabの変動が6以上で色相変動が顕著であった。
一方、全顔料の総量が黒色系インク組成物の総量に対して4質量%を超えるインク2(比較例)では、色相変動が増大し、密着性及び耐擦性が低下した。
また、カーボンブラック顔料の含有比率が、全顔料の総量に対して60質量%未満であるインク3(比較例)では、色相変動が増大した。
また、カーボンブラック顔料の平均一次粒子径が35nm未満であるインク4(比較例)及びインク5(比較例)では、色相変動が増大し、密着性が低下した。
Claims (12)
- カーボンブラック顔料と、マゼンタ顔料及びシアン顔料から選ばれる少なくとも1種の着色顔料と、水溶性の重合性化合物と、重合開始剤と、水と、を含有し、
前記カーボンブラック顔料の平均一次粒子径が35nm以上であり、
前記カーボンブラック顔料の含有比率が全顔料の総量に対して60質量%以上であり、
全顔料の総量が黒色系インク組成物の総量に対して4質量%以下であるインクジェット記録用の黒色系インク組成物。 - 前記カーボンブラック顔料及び前記少なくとも1種の着色顔料は、塩生成基を有する樹脂でその表面の少なくとも一部が被覆されている請求項1に記載の黒色系インク組成物。
- 前記水溶性の重合性化合物は、多官能の重合性化合物及び(メタ)アクリルアミド構造を有する単官能の重合性化合物を含む請求項1又は請求項2に記載の黒色系インク組成物。
- 前記塩生成基を有する樹脂は、架橋剤によって架橋されている請求項2又は請求項3に記載の黒色系インク組成物。
- 前記塩生成基を有する樹脂は、芳香環構造及び脂環構造の少なくとも1種を有する請求項2〜請求項4のいずれか1項に記載の黒色系インク組成物。
- 前記重合開始剤は、下記一般式(1)で表される化合物である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の黒色系インク組成物。
〔式中、mおよびnは、それぞれ独立に0以上の整数を表し、m+nは0〜3の整数を表す〕 - アセチレングリコール系界面活性剤をさらに含む請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の黒色系インク組成物。
- 全顔料の総量が黒色系インク組成物の総量に対して1.8質量%以上である請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の黒色系インク組成物。
- 前記カーボンブラック顔料の含有比率が全顔料の総量に対して90質量%以下である請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の黒色系インク組成物。
- 請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の黒色系インク組成物と、
前記黒色系インク組成物と接触することで凝集体を形成可能な凝集剤を含む処理液と、
を含むインクジェット記録用のインクセット。 - 前記凝集剤は酸性化合物である請求項10に記載のインクセット。
- 請求項10又は請求項11に記載のインクセットが用いられ、
前記処理液を記録媒体に付与する処理液付与工程と、
前記黒色系インク組成物を記録媒体に付与するインク付与工程と、
前記処理液付与工程及び前記インク付与工程によって形成された画像に活性エネルギー線を照射し、前記画像を硬化させる硬化工程と、
を有する画像形成方法。
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