JP2013045632A - Led電球 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷却能力を高めたLED電球を提供する。
【解決手段】LED電球は、カバー3、ブラケット4、放熱部材1、口金2等を備えている。放熱部材1は、高輻射部1aと低輻射部1bとが交互に設けられており、縞状に形成されている。高輻射部1aの熱輻射率は、低輻射部1bの熱輻射率よりも大きくなるように構成される。輻射熱量に差をつけて、隣接する高輻射部1aと低輻射部1bとの間に温度勾配を形成することで、空気の微細対流を促進させ、放熱性を高める。
【選択図】 図1

Description

本発明は、発光ダイオード(LED)を用いたLED電球に関する。
いわゆる白熱電球の代替製品として、LEDチップが搭載されたLED電球が提案されている。LED照明装置は、白熱電球に対して、省電力及び長寿命といった長所がある。
このLED電球は、従来の白熱電球に近い外観形状を有しており、また、給電端子としての口金も従来の白熱電球と同等のものを備えているので、従来の白熱電球を装着するソケットにも取り付けることができる。
例えば、特許文献1、2に示されるように、LED電球は、LEDモジュールと点灯回路を備えており、点灯回路からの給電により点灯が行われる。LEDモジュールには、複数のLED素子が実装されている。また、点灯回路には、給電や信号制御にためのICチップ等が搭載されている。
このLED電球の点灯時には、主に、LEDチップが発生する熱がLEDモジュール基板から外郭部材や筐体部材に熱伝導され、外郭部材や筐体部材の外部に露出する表面から空気中に放熱される。この場合、例えば、特許文献1に示されるように、外郭部材や筐体部材がヒートシンクとして機能する。
ところで、LED素子は、温度上昇に従い光出力が低下し、また、LED素子の周囲温度が高い方が寿命が短い。一方、発光モジュールには、基板上に複数のLEDチップを密集配置して実装するCOB(Chip On Board)モジュールなどが用いられている。
COBモジュールの場合、単一の発光部を有して高出力発光が可能であるが、発光部に複数のLEDチップが密集配置されるために、LEDチップの温度が高くなりやすい。LEDチップの温度が高くなり過ぎると、寿命が短くなったり、光出力の低下などが発生する。このため、LEDチップの熱を効率よく筐体部材等に熱伝導し、この筐体部材等の外部に露出する表面から空気中に効率よく放熱することが必要である。
筐体部材等の外部に露出する表面から空気中に効率よく放熱するには、筐体部材等の外部に露出する表面積を増やすことが有用である。
そこで、特許文献2に示されるように、点灯回路やLEDモジュールを収納する筐体部材の周囲に複数の放熱フィンを放射状に突出形成したものがある。この放熱フィンにより、LED電球内部の熱を外部に効率良く放出している。
特開2011−82132号公報 特開2011−70972号公報
しかしながら、LED電球の内部の発熱量は、LED素子の実装数やICチップの実装数が増えてくると、さらに、増加する。このため、LED電球の放熱構造には、さらなる放熱性能の向上が求められている。
本発明は、上述した課題を解決するために創案されたものであり、放熱性能を高めたLED電球を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明のLED電球は、発光ダイオードが実装された発光モジュールと、前記発光モジュールと熱伝導可能に接触された筒形状の放熱部材とを備え、前記放熱部材は、輻射熱量が異なる高輻射部と低輻射部とが交互に配置されていることを主要な特徴とする。
本発明によれば、LED電球は、発光ダイオードが実装された発光モジュールと、発光モジュールと熱伝導可能に接触された筒形状の放熱部材とを備えており、放熱部材は、高輻射部と低輻射部とが交互に配置された構成となっている。このため、隣接する高輻射部と低輻射部との間に温度勾配が発生し、この温度勾配により対流が発生する。したがって、電球用のソケットにLED電球を取り付けて使用する場合等、閉鎖状態に近い狭い空間では、前記温度勾配による対流の効果により、放熱性が向上する。
本発明のLED電球の放熱構造の一例を示す図である。 放熱フィンが取り付けられたLED電球の全体概観を示す図である。 図2の放熱部材の構造を示す図である。 図3のA−A’断面を示す図である。 放熱フィンを取り除いたLED電球の概観を示す図である。 放熱フィンの放熱性を高めた構造例を示す図である。 放熱フィンの放熱性を高めた構造例を示す図である。 放熱性を比較するために用いた筐体の種類を示す図である。 放熱性測定に関して、測定姿勢の種類を示す図である。 図8の3種類の筐体を用いて放熱性を測定した結果を示す図である。 熱輻射率を交互に違えたアルミ板構造を示す図である。 図11の構造と全面黒色アルマイト加工したアルミ板とを用いて放熱性を測定した結果を示す図である。 放熱性の測定対象を囲いで覆い、対流の発生を防止する構成を示す図である。 図13のように対流を防止するようにした状態で、図8の筐体について放熱性の測定を行った結果を示す図である。 図13のように対流を防止するようにした状態で、図11の構造について放熱性の測定を行った結果を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付している。図面は模式的なものであり、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
まず、LED電球の構成例を図2〜図4に示す。図2はLED電球全体の概観図を、図3はLED電球の放熱部材10の構造を、図4は、図3のA−A’断面を示す。LED電球は、カバー3、ブラケット4、放熱部材10、および口金2等を備えている。LED電球は、例えば、白熱電球の代替製品として白熱電球用の照明器具に取り付けられて用いられる。
カバー3は、図3に示す複数のLEDチップ17が実装されたLEDモジュール16を保護するためのものであり、例えば、透明又は半透明の樹脂からなる。カバー3の外面は、平滑な面に形成されている。ブラケット4は、カバー3と放熱部材10との取り付けを容易化するためのものである。ブラケット4は、例えば樹脂からなり、リング形状に形成される。
放熱部材10は、LEDモジュール16からの熱やICチップ等からの熱を空気中に放射させるためのものであり、筒状部12、複数の放熱フィン11、台座部15により構成されている。放熱部材10は、例えば、アルミ等の放熱性の良い金属により構成され、押し出し加工等を利用して形成されている。
また、筒状部12は、円筒形状等に形成される。
複数の放熱フィン11は、筒状部12の中心軸Naを中心として、径方向に沿って放射状に形成されている。各放熱フィン11の板厚は、上下方向で同一になるように構成される。また、隣り合う放熱フィン11同士は、一定の間隔を置いて配置されている。各放熱フィン11の高さhは、軸方向Naに沿って台座部15に近づくほど、次第に高くなるように形成されている。
台座部15は、放熱部材10の軸方向Naの一端に設けられており、軸方向Naにおいて複数の放熱フィン11から若干突出している。図3に示すように、台座部15はLEDチップ17等が搭載されたLEDモジュール16等が搭載された基板を保持する。
また、図示していないが、放熱部材10における筒状部12の中空部分には、LED素子に定電流を供給する定電流源や、LED素子の駆動信号を発生させるICチップ等が搭載された基板が、縦方向に挿入されるようになっている。
以上説明したように、放熱部材10は、LED素子やICチップ等から発生する熱を外部に放出させ、LED電球内部の温度上昇を防いでいる。
上記のように、放熱フィン11で外部に露出する表面積を増やして、放熱量を増やすことは、外部が開放空間の場合は有効である。しかし、LED電球のように、ソケット等に取り付けて使用する場合は、放熱部材10の外部空間が閉鎖状態に近い狭い空間となる。
この場合、各放熱フィン11に挟まれた空間に空気が滞留しやすくなるため、熱の輻射による放熱があっても、空気の対流がほとんど発生しないため、放熱効率が悪くなることが考えられる。
そこで、本発明のLED電球100は、例えば、図1のように構成される。図2〜図4と同じ符号を付した構成は同じものを示す。前述したように、LED電球100は、カバー3、ブラケット4、放熱部材1、口金2等を備えている。図2と異なるのは、放熱部材1に放熱フィンが設けられていないことである。放熱フィンが全く設けられていないLED電球の構造を図5に示す。
放熱部材1全体は、アルミ等の放熱性の良い金属で構成される。図5と図1とが異なるのは、放熱部材1が表面加工されていることである。図1に示すように、放熱部材1は、高輻射部1aと低輻射部1bとが交互に設けられており、縞状に形成されている。図3を参照すれば、この縞は、放熱部材1の筒状部の軸線Naに沿って形成される。すなわち、高輻射部1aと低輻射部1bは、放熱部材1の筒状部(筒形状)の軸線方向に対して交互に設けられる。
高輻射部1aは、放熱部材1の表面を、例えば黒色アルマイト加工して熱輻射率を高めたものであり、低輻射部1bは、放熱部材1の表面を何の加工もせず、そのままの状態としたものである。
このように、高輻射部1aの熱輻射率は、低輻射部1bの熱輻射率よりも大きくなるように構成される。輻射熱量に差をつけて、隣接する高輻射部1aと低輻射部1bとの間に温度勾配を形成することで、空気の微細対流を促進させ、放熱性能又は冷却能力を向上させる。
高輻射部1aの熱輻射率が低輻射部1bの熱輻射率よりも大きくなれば良いので、黒色アルマイト加工に限らず、高輻射部1aは放熱部材1の表面に黒の塗料を塗布した領域とし、低輻射部1bは放熱部材1の表面に白の塗料を塗布した領域としても良い。
また、物質の表面に凹凸をつけた方が、熱輻射率が大きくなるため、高輻射部1aは放熱部材1の表面をブラスト加工等の粗面加工を施して凹凸を形成した領域とし、低輻射部1bは平滑面とするようにしても良い。
次に、輻射熱量に差をつけて温度勾配を形成し、空気の微細対流を促進する方法として、図2の放熱フィン11の構造を変えることが考えられる。例えば、図6に示す構造である。
これは、放熱部材10の図4の構造に対応した図である。放熱フィンはより模式的に描かれている。筒状部12の軸線から放射状に配置されている放熱フィンは、高輻射フィン11aと低輻射フィン11bで構成される。
高輻射フィン11aの高さL1は、低輻射フィン11bの高さL2よりも高く形成されている。また、高輻射フィン11aと低輻射フィン11bの厚みL4は同じである。さらに、隣り合う高輻射フィン11aと低輻射フィン11bとは、それぞれ間隔L3を開けて配置される。このように構成すると、高輻射フィン11aの表面積が低輻射フィン11bの表面積よりも大きくなり、高輻射フィン11aの輻射熱量が低輻射フィン11bの輻射熱量よりも大きくなる。このようにして、隣り合う高輻射フィン11aと低輻射フィン11bの間に温度勾配を意図的に発生させ、空気の微細対流を促進させ放熱性を向上させる。
ここで、具体的な数値例を挙げると、L1=7mm、L2=4.5mm、L3=1.6mm、L4=1.5mmで作製することができる。
一方、図7のようにしても良い。筒状部12の軸線から放射状に配置されている放熱フィンは、高輻射フィン11cと低輻射フィン11dで構成される。高輻射フィン11cと低輻射フィン11dの高さ、厚みは、それぞれ同じである。すなわち、高輻射フィン11cと低輻射フィン11dとは表面積が等しい。
また、隣り合う高輻射フィン11cと低輻射フィン11dは、すべて等間隔で配置されている。このように、図6と異なり、高輻射フィン11cの表面積と低輻射フィン11dの表面積は等しいが、高輻射フィン11cと低輻射フィン11dとは熱輻射率を異なるように構成している。
図1の放熱部材1の場合と同様、高輻射フィン11cを黒色アルマイト加工により形成する。一方、低輻射フィン11dは、黒色アルマイト加工が施されていない通常のフィンで構成される。このように、高輻射フィン11cの熱輻射率は低輻射フィン11dの熱輻射率よりも大きい。すなわち、高輻射フィン11cの輻射熱量は低輻射フィン11dの輻射熱量よりも大きい。
また、高輻射フィン11cは、黒色の塗料の塗布や、粗面加工による凹凸形成などにより形成しても良い。一方、低輻射フィン11dは白色の塗料の塗布や、平滑面により構成しても良い。このように、隣り合う高輻射フィン11cと低輻射フィン11dの間に温度勾配を意図的に発生させ、空気の対流を促進させ放熱性を向上させる。
上記の図1、図6、図7の構造の放熱部材を評価するために、放熱測定を行った。まず、図6の放熱部材の評価を行うため、図8に示す放熱フィンの構造の違いにより、放熱性がどの程度変化するかの測定を行った。
放熱測定には、熱源30として、基板上に複数のLEDチップが密集配置して実装されたLED電球用COB(Chip On Board)基板を用い、これを熱伝導グリスで基部21に接着した。これを2つ用いて、2個同時に測定できるようにした。熱源30に流す電流は300〜341mAの定電流を使用した。測定温度は接着のばらつきを考慮して、LEDチップのハンダの温度を測定して比較した。測定には、上記のように2系統用いているので、そのばらつきを考慮して両方の測定系統で測定した。さらに、外気の状態を安定させるために測定対象物を箱内に設置して測定した。
図8(a)は、基部21に対して同じ高さ、同じ厚み、奥行きの長さも同じのアルミからなる放熱板22を設置して温度の測定を行った。すなわち、各放熱板22の表面積は同じである。具体的には、高さH1=25mm、奥行きの長さは30mm、放熱板22の厚みは、1.6mm、各放熱板22の設置間隔は4.8mmである。基部21の下部には熱源30が接着されている。図8(a)の構造を筐体X1とする。
図8(b)は、基部21に対して高さの異なる放熱板22と放熱板23を交互に設置して温度の測定を行った。放熱板22と放熱板23の厚みは同じで、奥行きの長さも同じである。すなわち、放熱板22の表面積は、放熱板23の表面積よりも大きい。この放熱板22は、図8(a)の放熱板22と同じものである。放熱板23の方は、高さH2=15mm、奥行きの長さ30mm、厚み1.6mmである。放熱板22と放熱板23の設置間隔は4.8mmである。基部21の下部には熱源30が接着されている。図8(a)の構造を筐体X2とする。また、筐体X1と筐体X2の占有体積は同じである。
図8(c)は、基部21に対して放熱板24を設置して温度の測定を行った。放熱板22と放熱板24の厚みは同じで、奥行きの長さも同じである。また、放熱板24の高さH3は、放熱板23の高さH2よりも大きく、放熱板22の高さH1よりも小さい。すなわち、H2<H3<H1である。この放熱板24の高さH3は、具体的には21mmである。放熱板24の設置間隔は、放熱板22と同様、4.8mmである。図8(c)の構造を筐体X3とする。筐体X2の表面積は筐体X3の表面積と同じである。また、各放熱板は、長方形状である。
図8(a)〜図8(c)の放熱性の測定については、外気の状態を安定させるために、筐体X1〜X3を箱内に設置して測定を行った。箱内に設置する際には、測定姿勢の状態により、対流の向きが変化するため、図9に示す3種類の姿勢で、それぞれ測定を行った。図9は、測定姿勢についての3種類のパターンを示す図であり、図8(b)の筐体X2を例にとって示している。
図9(a)は、基部21が箱の底面側に、放熱板22、23が箱の上面に向くように設置するパターンである。図9(a)の姿勢を姿勢Aとする。図9(b)は、図9(a)の姿勢から筐体を横倒しにして、放熱板22、23の側面が箱の底面側に向くように、放熱板22、23の他方の側面が箱の上面に向くように設置するパターンである。図9(b)の姿勢を姿勢Bとする。図9(c)は、図9(a)の姿勢から筐体を横倒しにして、複数の放熱板のうち、一端の放熱板22が箱の底面側に向くように、他端の放熱板22の側面が箱の上面に向くように設置するパターンである。図9(c)の姿勢を姿勢Cとする。
図8の筐体X1〜X3について、図9の姿勢A〜Cにそれぞれ変えて測定した結果を図10に示す。熱源30には、341mAの定電流を流して測定した。測定時の箱内温度は26.6±0.3℃であった。図10からわかるように、筐体X1の姿勢Aの場合の測定平均値は69.8℃、筐体X2の姿勢Aの場合の測定平均値は70.5℃、筐体X3の姿勢Aの場合の測定平均値は71.9℃である。また、筐体X1の姿勢Bの場合の測定平均値は63.9℃、筐体X2の姿勢Bの場合の測定平均値は66.9℃、筐体X3の姿勢Bの場合の測定平均値は68.4℃である。また、筐体X1の姿勢Cの場合の測定平均値は71.3℃、筐体X2の姿勢Cの場合の測定平均値は70.5℃、筐体X3の姿勢Cの場合の測定平均値は68.4℃である。
ここで、前述したように、筐体X1は、筐体X2、X3よりも表面積(放熱面積)が大きく、筐体X2と筐体X3の表面積は同じである。すなわち、開放空間では、空気の対流よりも輻射熱量の大小の方が、放熱には効果的であることがわかる。ただし、同じ表面積では、異なる高さの放熱板を交互に配置した筐体X2の方が、筐体X3より放熱性が高い。また、姿勢Cにおいては、筐体X2の温度が最も低くなっており、最も放熱性が良いと言える。
筐体X2と筐体X3との比較からわかるように、同じ表面積の場合、異なる高さの放熱板を交互に配置した方が放熱能力が向上する。これは、隣り合う放熱板22と放熱板23とで輻射熱量が異なるため、放熱板22と放熱板23との間で微細対流が発生していることによる効果であると考えられる。なお、占有体積は筐体X2の方が大きくなるが、軽量化には有効である。
空気の対流は通常上下方向に発生するが、姿勢Cの測定結果からわかるように、大きな対流が阻害されやすい状態では、異なる高さの放熱板の間で微細対流を発生させている筐体X2が効果的と考えられる。
次に、輻射熱量の差を熱輻射率の差によって発生させる構造について放熱性を調べた。これは、図1、図7の構造の放熱部材の評価に対応するものである。図11に示すように、厚さ3mm、横の長さ80mm、縦の長さ30mmのアルミ板40に、5mm幅と10nm幅で黒色アルマイト加工を形成した。
図11(a)は、アルミ板40上に形成された高輻射部41と低輻射部42から構成される。高輻射部41が黒色アルマイト加工された領域であり、低輻射部42は加工を施さず、アルミのままの領域である。したがって、高輻射部41の熱輻射率は、低輻射部42の熱輻射率よりも大きい。高輻射部41と低輻射部42は、各10mm幅で交互に縞状に形成されている。図11(a)の構造を構造Y2とする。
図11(b)は、アルミ板40上に形成された高輻射部43と低輻射部44から構成される。高輻射部43が黒色アルマイト加工された領域であり、低輻射部44は加工を施さず、アルミのままの領域である。したがって、高輻射部43の熱輻射率は、低輻射部44の熱輻射率よりも大きい。高輻射部43と低輻射部44は、各5mm幅で交互に縞状に形成されている。図11(b)の構造を構造Y3とする。
また、アルミ板40の片側の表面全面に黒色アルマイト加工を施し、表面全面が黒くなった構造を構造Y1とする。
上記、アルミ板40による構造Y1、Y2、Y3について、放熱性の測定を行った。放熱性の測定は、図8の場合と同様、外気の状態を安定させるために、構造Y1〜Y3を箱内に設置して測定を行った。箱内に設置する際には、測定姿勢の状態により、対流の向きが変化するため、図9の3種類の姿勢で、それぞれ測定を行った。
構造Y1〜Y3について、図9の姿勢A〜Cにそれぞれ変えて測定した結果を図12に示す。熱源30は、図11には図示されていないが、アルミ板40の底部に接着して用い、341mAの定電流を流した。測定時の箱内温度は25.6±0.3℃であった。
図12からわかるように、構造Y1の姿勢Aの場合の測定平均値は76.5℃、構造Y2の姿勢Aの場合の測定平均値は78.6℃、構造Y3の姿勢Aの場合の測定平均値は81.2℃である。また、構造Y1の姿勢Bの場合の測定平均値は72.8℃、構造Y2の姿勢Bの場合の測定平均値は74.5℃、構造Y3の姿勢Bの場合の測定平均値は77.5℃である。また、構造Y1の姿勢Cの場合の測定平均値は73.0℃、構造Y2の姿勢Cの場合の測定平均値は75.1℃である。
姿勢A〜Cの各構造Y1、Y2、Y3の測定温度差と、図8の各筐体X1、X2、X3の測定温度差を比較すればわかるように、対流よりも輻射熱量を大きくする方が放熱に効果的である。また、アルミ板40に形成される高輻射率部と低輻射率部の縞の間隔は、5mm幅、すなわち細かい方が効果がある。
しかし、アルミ板40以外の周辺部の低温度領域からアルミ板40に空気が流れ込み大きな対流が発生している可能性がある。筐体X1〜X3の場合でも、空気が側面から入り上向きに抜ける対流が発生している可能性がある。
そこで、図13に示すように、紙で囲い35を作製し、測定対象物50を囲い35内部に配置する。そして、矢印の方向に示される側面から流れ込む空気が上方向に抜けることを遮断し、大きな対流を防止する。測定対象物50として、筐体X1、X2を用いて、姿勢Aについて温度測定を行った。熱源30に流す定電流は300mAとした。測定時の温度は24.5±0.3℃であった。
この測定結果を図14に示す。筐体X1、X2の周辺部からの対流を阻害した結果、筐体X2の方が測定平均温度が低くなった。図10では、姿勢Aの場合、筐体X1の方が測定平均温度が低くなっていたのと好対照である。すなわち、周辺部からの空気の流れ込みによる対流がない場合は、輻射熱量の大きさよりも、前述した微細対流による方が放熱には効果がある。
同様に、測定対象物50として、構造Y1、Y2、Y4を用いて、姿勢Aについて温度測定を行った。熱源30に流す定電流は300mAとした。測定時の温度は25.2±0.3℃であった。ここで、構造Y4とは、図11のアルミ板40の表面積の半分が黒色アルマイト加工によって黒色化されており、残りの半分が加工されずにアルミのままである。なお、構造Y4における黒色の高輻射部面積と構造Y2における黒色の高輻射部面積とは同じになるように構成している。
構造Y1の測定平均温度は86.6℃、構造Y2の測定平均温度は87.8℃、構造Y4の測定平均温度は89.4℃である。この結果から、放熱部材の表面に凹凸がないような構造の場合は、高輻射部の表面積が大きい方、すなわち輻射熱量が大きい方が放熱性が良い。また、高輻射部の表面積が同じ場合は、縞状の方が測定平均温度が低く、放熱性が良い。これは、微細対流による効果であると考えられる。
以上により、開放空間においては、隣接する領域で熱輻射率や放熱面積に差をつけて輻射熱量を異なるようにし、温度勾配を形成して微細対流を発生させるよりも、単純に輻射熱量を大きくする方が放熱には効果的であることがわかる。
一方、閉鎖状態に近い狭い空間においては、輻射熱量を大きくしなくても、隣り合う領域で熱輻射率や放熱面積に差をつけて輻射熱量を異なるようにし、温度勾配による微細対流を発生させる方が放熱には効果的であることがわかる。
LED電球は、窪み等に埋め込んで使用したり、傘により対流が阻害される環境で使用するものであるため、図1、図6、図7のような構造を備えていることが、放熱性の向上には有効である。すなわち、放熱部材に高輻射部と低輻射部とを交互に設けて、隣り合う高輻射部と低輻射部との間で温度勾配を構成し、この温度勾配により、隣り合う高輻射部と低輻射部との間に、それぞれ微細対流を発生させることにより放熱性を向上させる。また、本発明の構造は、密閉した容器内で使用しても有効である。
1 放熱部材
1a 高輻射部
1b 低輻射部
2 口金
3 カバー
4 ブラケット
10 放熱部材
11 放熱フィン
11a 高輻射フィン
11b 低輻射フィン
11c 高輻射フィン
11d 低輻射フィン
12 筒状部
15 台座部

Claims (7)

  1. 発光ダイオードが実装された発光モジュールと、
    前記発光モジュールと熱伝導可能に接触された筒形状の放熱部材とを備え、
    前記放熱部材は、輻射熱量が異なる高輻射部と低輻射部とが交互に配置されていることを特徴とするLED電球。
  2. 前記高輻射部と低輻射部は、熱輻射率の異なる材料により構成されており、前記高輻射部の熱輻射率は前記低輻射部の熱輻射率よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のLED電球。
  3. 前記高輻射部と低輻射部は、前記放熱部材の筒形状の軸線方向に対して交互に設けられていることを特徴とする請求項2に記載のLED電球。
  4. 前記高輻射部は、前記放熱部材の表面が黒色に処理されている領域又は粗面加工された領域であることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のLED電球。
  5. 前記放熱部材には、複数の放熱フィンが前記放熱部材の筒形状の軸線の周りに配置されており、前記高輻射部として高輻射フィンが、前記低輻射部として低輻射フィンが交互に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のLED電球。
  6. 前記高輻射フィンの表面積は、前記低輻射フィンの表面積よりも大きいことを特徴とする請求項5に記載のLED電球。
  7. 前記高輻射フィンと低輻射フィンの表面積は同じで、前記高輻射フィンの熱輻射率は前記低輻射フィンの熱輻射率よりも大きいことを特徴とする請求項5に記載のLED電球。
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