図1〜4は、本実施の形態に係る電子機器100の外観を示す斜視図である。電子機器100は、一種のコンピュータであって、例えば、開閉可能な携帯電話機である。電子機器100は、第1筐体1と第2筐体2とを備えている。図1は、閉じた状態(閉状態)の電子機器100を第1筐体1側から見た場合の図であり、図2は、閉じた状態の電子機器100を第2筐体2側から見た場合の図である。図3,4は、開いた状態(開状態)の電子機器100を示している。
ここで、電子機器100が閉じた状態とは、図1,2に示されるように、第1筐体1に設けられた第1表示部3aの第1表示画面4aが露出した状態で、第1筐体1と第2筐体2とが互いに重なるように配置された状態である。この場合、第1表示画面4aと、第2筐体2に設けられた第2表示部3bの第2表示画面4bとは、間をあけて重なり合った状態となるので、両者の成す角度は0度と言うことができる。
一方で、電子機器100が開いた状態とは、図3,4に示されるように、第1表示部3aの第1表示画面4aと、第2表示部3bの第2表示画面4bとが、同時に視認可能となるように、第1筐体1と第2筐体2とが重ならないように配置された状態である。図3に示される電子機器100は、第1表示画面4a及び第2表示画面4bが180度を成すように、言い換えれば、同一平面上に位置するように開いている。図4に示される電子機器100は、第1表示画面4a及び第2表示画面4bが0度よりも大きく180度よりも小さい角度を成すように開いている。
以後、図3に示されるように、第1表示画面4a及び第2表示画面4bが同一平面上に位置する状態を「フラット状態」と呼ぶ。また、図4に示されるように、第1表示画面4a及び第2表示画面4bが0度よりも大きく180度よりも小さい角度を成すように開いている状態を「チルト状態」と呼ぶ。また、第1筐体1及び第2筐体2をまとめて「機器筐体」と呼ぶことがある。また、第1筐体1及び第2筐体2を特に区別する必要がない場合には、それぞれを「筐体」と呼ぶことがある。
第1表示画面4aは、タッチパネルであって、ユーザの当該第1表示画面4aに対する画面操作を受け付ける。同様に、第2表示画面4bは、タッチパネル機であって、ユーザの当該第2表示画面4bに対する画面操作を受け付ける。以後、第1表示部3a及び第2表示部3bを特に区別する必要がない場合には、それぞれを「表示部3」と呼び、それぞれの表示画面を「表示画面4」と呼ぶ。
第1筐体1と第2筐体2とは、ヒンジ部5及びアーム部6によって連結されている。ヒンジ部5は、第2筐体2に設けられている。アーム部6は、第2筐体2に対して角度変更可能となるようにヒンジ部5に接続されている。また、アーム部6は、第1筐体1に対して角度変更可能となるように当該第1筐体1に接続されている。電子機器100では、ヒンジ部5及びアーム部6の働きによって、図1,2の閉状態から、図4のチルト状態に遷移することができ、図4のチルト状態から図3のフラット状態に遷移することができる。また、電子機器100では、ヒンジ部5及びアーム部6の働きによって、図3のフラット状態から図4のチルト状態へ、図4のチルト状態から図1,2の閉状態へ遷移することが可能である。
第1筐体1には、第1表示部3a以外にも、音入力部7、第1音出力部8及び第1操作部10が設けられている。また、第2筐体2には、第2表示部3b以外にも、第2音出力部9、第2操作部11、第3操作部12、メモリカード挿入スロット13及び充電端子14が設けられている。
音入力部7はマイク及びアンプ等で構成されている。第1音出力部8及び第2音出力部9のそれぞれはスピーカ及びアンプ等で構成されている。第1音出力部8は通話用であって、その音量は、ユーザが第1音出力部8に耳を近づけることによって、当該第1音出力部8から出力される音が聞こえるような、比較的小さな音量となっている。一方で、第2音出力部9の音量は、電子機器100を持つユーザが耳を第2音出力部9に近づけなくてもそこから出力される音が聞こえるような、比較的大きな音量となっている。
第1操作部10は、ホームキー10a、メニューキー10b及びバックキー10cを備えている。これらの操作キーは、第1筐体1における、第1表示画面4a側の主面に設けられており、それぞれユーザの接触操作を受け付ける。ホームキー10aは、第1表示画面4aに、ホーム画面(初期画面)を表示するための操作キーである。メニューキー10bは、アプリケーションプログラムが実行されている際に、オプション機能を実行するためのメニュー画面を表示するための操作キーである。バックキー10cは、第1表示画面4aの表示を一つ前の表示に戻すための操作キーである。
第2操作部11は、第1操作部10と同様に、ホームキー11a、メニューキー11b及びバックキー11cを備えている。これらのキーは、第2筐体2における、第2表示画面4b側の主面に設けられており、それぞれユーザの接触操作を受け付ける。ホームキー11a、メニューキー11b及びバックキー11cの機能は、第1操作部10のホームキー10a、メニューキー10b及びバックキー10cの機能と同様である。
第3操作部12は、電源キー12a及び調整キー12bを備えている。電源キー12aは電子機器100の電源をオンしたり、オフしたりするための操作キーである。調整キー12bは、表示画面4の輝度を調整したり、第1音出力部8及び第2音出力部9の音量を調整したりするための操作キーである。これらの操作キーは、第2筐体2の側面に設けられており、ユーザの押下操作を受け付ける。
以後、第1操作部10、第2操作部11及び第3操作部12を特に区別する必要がない場合には、それぞれを「キー操作部」と呼ぶことがある。
メモリカード挿入スロット13には、カード状の記憶媒体であるメモリカードが挿入される。充電端子14には、電子機器100を充電するための充電器に接続されたケーブルが接続される。
<電気的構成>
図5は電子機器100の電気的構成を示すブロック図である。図5に示されるように、電子機器100は、上述の第1表示部3a及び第2表示部3bなどの構成要素以外にも、制御部20、無線通信部21、加速度センサー22、記憶部23及び電池25を備えている。
制御部20は、CPU(Central Processing Unit)及びDSP(Digital Signal Processor)などで構成されており、電子機器100の他の構成要素を制御することによって、電子機器100の動作を統括的に管理する。また、制御部20は、第1表示部3a、第2表示部3b、第1操作部10、第2操作部11及び第3操作部12が受け付けたユーザ操作に応じて、各種動作を行う。
記憶部23は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等で構成されている。記憶部23には、電子機器100を制御するための制御プログラムであるメインプログラム26及び複数のアプリケーションプログラム24等が記憶されている。制御部20の各種機能は、制御部20のCPU及びDSPが記憶部23内の各種プログラムを実行することによって実現される。
無線通信部21は、電子機器100とは別の携帯電話機や、インターネットに接続されたウェブサーバ等の通信装置からの信号を、図示しない基地局を通じてアンテナ21aで受信する。無線通信部21は、受信信号に対して増幅処理やダウンコンバートを行って制御部20に出力する。制御部20は、入力された受信信号に対して復調処理等を行って、当該受信信号に含まれる、音声データ、画像データ等の各種データを取得する。また無線通信部21は、制御部20で生成された、音声データ等を含む送信信号に対してアップコンバートや増幅処理を行って、処理後の送信信号をアンテナ21aを通じて、電子機器100とは別の携帯電話機や、インターネットに接続された通信装置に向けて無線送信する。
音入力部7は、外部から入力される音声などの音を音データに変換して制御部20に出力する。第1音出力部8及び第2音出力部9のそれぞれは、制御部20からの音声データや音楽データ等の音データを音に変換して外部に出力する。
第1表示部3aと第2表示部3bとは同様の構成を有している。各表示部3は、例えば、カラー表示を行うバックライト方式の液晶表示部であって、液晶表示パネルと、それに光を照射するバックライトとを備えている。各表示部3は、制御部20による制御によって、その表示画面4に文字、記号、図形などの各種情報を表示する。なお、表示部3は、液晶表示部以外の表示部であっても良い。例えば、表示部3は、有機ELディスプレイであっても良いし、複数のLEDがマトリックス状に配列された表示部であっても良い。
加速度センサー22は、例えば、3軸加速度センサーであって、互いに直交する3つの検出軸のそれぞれについて、当該検出軸に沿った方向の加速度を検出して制御部20に出力する。
電池25は、電子機器100の電源を生成する。電池25で生成された電源は、電子機器100が備える制御部20及び無線通信部21などに含まれる各電子部品に対して供給される。
記憶部23には様々なアプリケーションプログラム24(以後、単に「アプリケーション24」と呼ぶ)が記憶されている。記憶部23には、例えば、音声通信を行うための通話アプリケーション、ウェブサイトを表示するためのブラウザ、電子メールの作成・閲覧・送受信を行うためのメールアプリケーション、記憶部23に記憶されている静止画像データを表示するためのアプリケーション、記憶部23に記憶されている音楽データを再生するための音楽再生アプリケーションが記憶されている。
また記憶部23には、記憶部23に記憶されている、互いに関連づけられた音データ及び動画像データ(音付き動画像データ)を再生するためのアプリケーション、アプリケーションを有料あるいは無料で提供するウェブサーバからアプリケーションをダウンロードするためのマーケットアプリケーション、電子機器100においてパズルゲーム等のゲームを行うためのゲームアプリケーションが記憶されている。
また記憶部23には、特定のウェブサイトから提供される、互いに関連づけられた音データ及び動画像データ(音付き動画像データ)を再生するためのアプリケーション(特定のウェブサイトから提供される音付き動画像データを再生するための専用ブラウザ)、特定のウェブサイトから提供される地図データを表示するためのマップアプリケーション(特定のウェブサイトから提供される地図データ表示するための専用ブラウザ)、テレビ放送データを再生するテレビ視聴アプリケーションが記憶されている。
以後、記憶部23に記憶されている音付き動画像データを再生するためのアプリケーションと、特定のウェブサイトから提供される音付き動画像データを再生するためのアプリケーション(専用ブラウザ)とをまとめて「音付き動画像再生アプリケーション」と呼ぶ。
制御部20のCPUあるいはDSPが、記憶部23内のアプリケーション24を読み出して実行すると、当該アプリケーション24が電子機器100内で起動する。アプリケーション24を実行している制御部20が、無線通信部21及び表示部3等の、電子機器100内の他の構成要素を制御することによって、当該アプリケーション24に対応する機能(音声通信を行う機能、ウェブサイトを表示する機能、静止画像を表示する機能等)が電子機器100で実行される。
本実施の形態に係る電子機器100では、記憶部23に記憶される各アプリケーション24について、当該アプリケーション24が実行される際には、その実行にともなう表示が表示画面4で行われるようになっている。
例えば、ウェブブラウザの実行中においては、アクセス先のウェブサイトを表示するとともに、アクセス先のウェブサイトの指定等を行うための画面が表示画面4に表示される。また、メールアプリケーションの実行中においては、メール作成画面等が表示画面4に表示される。また、音付き動画像再生アプリケーションの実行中においては、音付き動画像データに係る動画像を表示するとともに、当該音付き動画像データの再生、再生の停止、早送り等を指示するための画面が表示画面4に表示される。
また、ウェブブラウザ、ゲームアプリケーション、音楽再生アプリケーション、音付き動画像再生アプリケーションなどでは、その実行にともなう表示が行われるだけではなく、その実行にともなう音出力が第2音出力部9で行われる。
例えば、ウェブブラウザの実行中においては、アクセス先のウェブサイトで提供されている音データあるいは音付き動画像データが再生されると第2音出力部9から音出力が行われる。また、音楽再生アプリケーションの実行中においては、音楽データが再生されると第2音出力部9から音出力が行われる。また、音付き動画像再生アプリケーションの実行中においては、音付き動画像データが再生されると第2音出力部9から音出力が行われる。
以後、ウェブブラウザ、ゲームアプリケーション、音楽再生アプリケーション、音付き動画像再生アプリケーションなどのように、その実行にともなう表示が表示画面4で行われ、かつその実行にともなう音出力が第2音出力部9で行われるアプリケーション24を「表示・音出力アプリケーション24」と呼ぶ。
次に制御部20が有する複数の機能ブロックについて説明する。図6は当該複数の機能ブロックを示す図である。制御部20のCPUが記憶部23内のメインプログラム26を実行することによって、制御部20には、図6に示されるように、実行部200、表示制御部201、画面操作特定部202、キー操作特定部203、筐体操作特定部204、通信制御部205及び音出力制御部206などの機能ブロックが形成される。
本実施の形態では、第1表示部3a、第2表示部3b及び画面操作特定部202によって、電子機器100が備える複数の表示画面4に対する画面操作を検出する画面操作検出部220を構成している。また、第1操作部10、第2操作部11、第3操作部12及びキー操作特定部203によって、電子機器100が備える複数のキー操作部に対する操作を検出するキー操作検出部230を構成している。また、加速度センサー22及び筐体操作特定部204によって、機器筐体(第1筐体1及び第2筐体2)に対する操作を検出する筐体操作検出部240を構成している。筐体操作検出部240は、機器筐体が振られる操作及び機器筐体の姿勢が変化させられる操作を検出する。つまり、筐体操作検出部240は、電子機器100が振られる操作及び電子機器100の姿勢が変化させられる操作を検出する。
実行部200は、記憶部23内のアプリケーション24を実行する。実行部200は、画面操作検出部220が、表示画面4に対する、あるアプリケーション24の実行を指示する画面操作を検出すると、記憶部23内の当該アプリケーション24を実行する。本実施の形態では、表示画面4に表示されるホーム画面には、アプリケーション24に対応するアイコンが示され、当該アイコンがユーザによって操作されると、当該アイコンに対応するアプリケーション24が実行される。このアイコンに対する操作が、表示画面4に対する、アプリケーション24の実行を指示する画面操作である。
表示制御部201は、第1表示部3a及び第2表示部3bの表示を制御する。第1表示部3aは、表示制御部201による制御によって、第1表示画面4aに文字等の情報を表示する。同様に、第2表示部3bは、表示制御部201による制御によって、第2表示画面4bに文字等の情報を表示する。
画面操作特定部202は、第1表示画面4aが受け付けた画面操作の内容を特定する。例えば、画面操作特定部202は、第1表示画面4aに対して行われた画面操作が、第1表示画面4aのある部分を指で押す操作であることを特定したり、第1表示画面4aに対して指が接触した状態である部分から別の部分まで移動する操作であることを特定したりする。同様にして、画面操作特定部202は、第2表示画面4bが受け付けた画面操作の内容を特定する。制御部20では、画面操作特定部202で特定された画面操作の内容に応じた処理が行われる。
キー操作特定部203は、第1操作部10が備える複数の操作キーのうちどの操作キーが操作されたかを特定する。また、キー操作特定部203は、第2操作部11が備える複数の操作キーのうちどの操作キーが操作されたかを特定する。そして、キー操作特定部203は、第3操作部12が備える複数の操作キーのうちどの操作キーが操作されたかを特定する。制御部20では、操作された操作キーに応じた処理が行われる。
筐体操作特定部204は、加速度センサー22からの出力信号に基づいて、機器筐体に対する操作の内容を特定する。例えば、筐体操作特定部204は、加速度センサー22からの出力信号に基づいて、電子機器100がユーザによってどのように振られているのか、電子機器100の姿勢がユーザによってどのように変化させられたのかを特定する。制御部20では、筐体操作特定部204で特定された、機器筐体に対する操作の内容に応じた処理が行われる。
通信制御部205は、無線通信部21を制御して、通信相手先と様々な通信を行う。例えば、通信制御部205は、通信相手の携帯電話機と、音声通信や電子メール通信を行う。音声通信を行う際には、通信制御部205は、音入力部7から入力される音声データを含む送信信号を生成し、当該送信信号を無線通信部21を通じて通信相手の携帯電話機に対して送信する。また、通信制御部205は、無線通信部21が受信した信号から音声データを取得して、当該音声データを第1音出力部8に出力する。また、通信制御部205はウェブサーバとデータ通信を行う。通信制御部205がウェブサーバから無線通信部21を通じて受信したウェブページは、表示制御部201の表示部3に対する制御により、当該表示部3の表示画面4に表示される。
音出力制御部206は第1音出力部8の音出力を制御する。音出力制御部206は、第1音出力部8に対して音データを出力して当該第1音出力部8に音を外部に出力させる。また、音出力制御部206は、第1音出力部8に対する音データの出力を停止して、当該第1音出力部8が音を外部に出力することを停止する。また、音出力制御部206は、第1音出力部8の音量を制御することが可能である。同様にして、音出力制御部206は第2音出力部9の音出力も制御する。
<複数の表示・音出力アプリケーションの同時実行>
本実施の形態に係る電子機器100では、複数の表示・音出力アプリケーション24が同時に実行可能となっている。具体的には、2つの表示・音出力アプリケーション24が同時に実行可能となっている。図7は、開状態(フラット状態あるいはチルト状態)の電子機器100において、実行部200が2つの表示・音出力アプリケーション24を同時に実行している際の各表示画面4の表示例を示す図である。図7においては、電子機器100の構造が簡略化されて示されている。以後の図面においても、電子機器100の構造については簡略化して示すものとする。
図7の例では、音楽再生アプリケーションと音付き動画像再生アプリケーションとが実行されている場合の各表示画面4の表示例が示されている。第1表示画面4aでは、音楽再生アプリケーションの実行にともなう表示が行われている。また、第2表示画面4bでは、音付き動画像再生アプリケーションの実行にともなう表示が行われている。
図7に示されるように、2つの表示・音出力アプリケーション24が実行されている場合には、表示制御部201が第1表示部3a及び第2表示部3bを制御することによって、当該2つの表示・音出力アプリケーション24の実行にともなう表示が、第1表示画面4a及び第2表示画面4bにおいてそれぞれ行われる。言い換えれば、2つの表示・音出力アプリケーション24が、電子機器100が備える2つの表示画面4をそれぞれ利用して実行される。
また、本実施の形態に係る電子機器100では、複数の表示・音出力アプリケーション24が実行されている場合には、当該複数の表示・音出力アプリケーション24のうちのいずれか一つのアプリケーション24の実行にともなう音出力を第2音出力部9が行うように音出力制御部206が第2音出力部9を制御するようになっている。図7の例では、実行中の音楽再生アプリケーションと音付き動画像再生アプリケーションのうちの一つのアプリケーション24の実行にともなう音出力が第2音出力部9で行われる。音楽再生アプリケーションの実行にともなう音出力が第2音出力部9で行われる場合には、第2音出力部9からは音楽が出力される。また、音付き動画再生アプリケーションの実行にともなう音出力が第2音出力部9で行われる際には、第2音出力部9からは、再生中の動画像に関連づけられた、音声等の音が第2音出力部9から出力される。
以後、実行中の複数の表示・音出力アプリケーション24のうち、第2音出力部9で音出力が行われるアプリケーション24を「アクティブアプリケーション24」と呼ぶ。また、実行中の複数の表示・音出力アプリケーション24のうち、第2音出力部9で音出力が行われないアプリケーション24を「非アクティブアプリケーション24」と呼ぶ。また、アクティブアプリケーション24の実行にともなう表示が行われている表示画面4を「アクティブ画面4」と呼ぶ。また、非アクティブアプリケーション24の実行にともなう表示が行われている表示画面4を「非アクティブ画面4」と呼ぶ。
本実施の形態では、アクティブ画面4には、その端に細い線300が表示されるようになっている。この細い線300は例えば青色で表示される。これにより、ユーザは、現在電子機器100から聞こえる音が、2つの表示画面4のうちのどちらの表示画面4の表示に対応するのかを簡単に特定することができる。図7の例では、音付き動画像再生アプリケーションがアクティブアプリケーション24であって、音付き動画像再生アプリケーションの実行にともなう表示が行われている第2表示画面4bの右端(ユーザにとっての右端)には細い線300が表示されている。以後、この細い線300を「アクティブ画面特定線300」と呼ぶ。
さらに、本実施の形態では、第1操作部10及び第2操作部11のうち、アクティブ画面4が設けられている筐体(第1筐体1あるいは第2筐体2)に設けられた操作部が備える複数の操作キーが点灯するようになっている。第1操作部10及び第2操作部11のそれぞれにおいては、当該操作部が備える複数の操作キーがバックライトによって点灯可能となっている。このバックライトは制御部20によって制御される。これにより、ユーザは、現在電子機器100から聞こえる音が、2つの表示画面4のうちのどちらの表示画面4の表示に対応するのかを簡単に特定することができる。図7の例では、アクティブ画面4である第2表示画面4bが設けられている第2筐体2に設けられた第2操作部11が備えるホームキー11a、メニューキー11b及びバックキー11cが点灯している。
なお、本実施の形態に係る電子機器100では、表示・音出力アプリケーション24が実行される際に、その実行にともなう表示をどの表示画面4で行うかをユーザがキー操作部や表示画面4等を操作することによって選択できるようになっている。つまり、ユーザは、キー操作部や表示画面4等を操作することによって、表示・音出力アプリケーション24の実行で使用する表示画面4を選択できるようになっている。そして、本実施の形態に係る電子機器100では、複数の表示・音出力アプリケーション24が実行される際には、第1表示画面4a及び第2表示画面4bのうちの一方、例えば第2表示画面4bが、最初にアクティブ画面4となるようになっている。したがって、複数の表示・音出力アプリケーション24が実行される際には、第2表示画面4bの表示に関連する音が、最初に第2音出力部9から出力される。
また、非アクティブアプリケーション24の実行にともなう表示が動画像の再生表示である場合には、当該非アクティブアプリケーション24の実行にともなう表示を行う表示画面4では、その動画像の再生を行っても良いし、その動画像の再生を停止しても良い。非アクティブアプリケーション24に関する動画像の再生を停止する場合には、当該非アクティブアプリケーション24がアクティブアプリケーション24に変更された場合、自動的にあるいは表示画面4に対する操作によって当該動画像の再生が再開することになる。
また、表示・音出力アプリケーション24の実行にともなう音出力が音楽等の音の再生出力である場合には、当該表示・音出力アプリケーション24がアクティブアプリケーション24から非アクティブアプリケーション24に変化したときに、その音の再生を停止しても良いし、第2音出力部9からはその音は出力されないものの、電子機器100の内部で当該音の再生を継続しても良い。
<音出力が行われるアプリケーションの切り替え>
本実施の形態に係る電子機器100では、複数の表示・音出力アプリケーション24が実行されている場合には、ユーザは、第2音出力部9が音出力を行うアプリケーション24を変更することができるようになっている。つまり、ユーザは、アクティブアプリケーション24を変更することができる。本実施の形態では、複数の表示・音出力アプリケーション24が実行されている場合に、筐体操作検出部240が電子機器100に対するユーザの所定の操作を検出すると、音出力制御部206が、第2音出力部9が音出力を行う表示・音出力アプリケーション24を変更するようになっている。以後、第2音出力部9が音出力を行う表示・音出力アプリケーション24を変更するための電子機器100に対する操作を「音出力変更操作」と呼ぶ。
筐体操作検出部240が検出する音出力変更操作としては、例えば、電子機器100が振られる操作を採用することができる。例えば、筐体操作検出部240において、電子機器100が所定時間内に複数回、例えば2回振られる操作が検出されると、音出力制御部206は、実行されている2つの表示・音出力アプリケーション24のうちの非アクティブアプリケーション24を、アクティブアプリケーション24に変更する。このとき、電子機器100が振られる方向は問わないものとする。したがって、電子機器100がユーザにとっての上下方向に複数回振られた場合にもアクティブアプリケーション24は変更されるし、電子機器100がユーザにとっての左右方向に複数回振られた場合にもアクティブアプリケーション24は変更される。また、電子機器100がユーザにとっての上方向に1回振られた後に、ユーザにとっての右方向に1回振られた場合にも、アクティブアプリケーション24は変更される。そして、筐体操作検出部240において、電子機器100が所定時間内に複数回振られる操作が再度検出されると、音出力制御部206は、実行されている2つの表示・音出力アプリケーション24のうちの非アクティブアプリケーション24を、アクティブアプリケーション24に変更する。
このように、ユーザは、電子機器100を所定時間内に複数回振ることによって、アクティブアプリケーション24を変更することができる。なお、以下の説明で登場する、上方向及び右方向等の「方向」については、ユーザにとっての方向、より詳細には、電子機器100を持ったユーザが当該電子機器100を見た際のユーザにとっての方向を意味する。
図8は、図7に示される電子機器100が上下方向に振られる様子を示す図である。図8の例では、ユーザは両手で電子機器100を持って上下方向に振っている。なお、ユーザは片手で電子機器100を持っても良い。
図7に示される電子機器100が、ユーザによって、例えば、上方向に1回振られた後に下方向に1回振られると、図9に示されるように、アクティブアプリケーション24が、音付き動画像再生アプリケーションから音楽再生アプリケーションに変更され、アクティブ画面4が第2表示画面4bから第1表示画面4aに変更される。したがって、図9に示されるように、第1表示画面4aにはアクティブ画面特定線300が表示されるようになり、第1操作部10が備えるホームキー10a、メニューキー10b及びバックキー10cが点灯するようになる。その後、図9に示される電子機器100が、ユーザによって2回振られると、当該電子機器100は図7の状態に戻るようになる。
音出力変更操作として他の操作を採用しても良い。例えば、音出力変更操作として、実行中の複数の表示・音出力アプリケーション24のうち、第2音出力部9が音出力を行っていない表示・音出力アプリケーション24(非アクティブアプリケーション24)の実行にともなう表示が行われている表示画面4(非アクティブ画面4)が存在する方向に電子機器100が振られる操作を採用しても良い。この場合には、音出力制御部206は、筐体操作検出部240が、当該操作を検出すると、アクティブアプリケーション24を、当該操作において電子機器100が振られる方向に存在する表示画面4でその実行にともなう表示が行われている表示・音出力アプリケーション24に変更する。本実施の形態では、筐体操作検出部240が、非アクティブアプリケーション24の実行にともなう表示が行われている表示画面4が存在する方向に電子機器100が所定時間内に複数回、例えば2回振られる操作を検出すると、当該非アクティブアプリケーション24が、アクティブアプリケーション24となる。
図10は、図7に示される電子機器100が、非アクティブアプリケーション24の実行にともなう表示が行われている第1表示画面4aが存在する方向に2回振られる様子を示す図である。図10に示されるように、図7に示される電子機器100が、第1表示画面4aが存在する方向(上方向)に所定時間内に2回振られると、アクティブアプリケーション24が、音付き動画像再生アプリケーションから、第1表示画面4aにその実行にともなう表示が行われている音楽再生アプリケーションに変更される。
その後、図11に示されるように、電子機器100が、非アクティブ画面4である第2表示画面4bが存在する方向(下方向)に所定時間内に2回振られると、アクティブアプリケーション24が、音楽再生アプリケーションから、第2表示画面4bにその実行にともなう表示が行われている音付き動画像再生アプリケーションに変更される。
なお、図12に示されるように、第1表示画面4a及び第2表示画面4bが左右方向に並ぶように電子機器100がユーザによって持たれる場合には、筐体操作検出部240が、非アクティブアプリケーション24である音楽再生アプリケーションの実行にともなう表示が行われている第1表示画面4aが存在する方向、つまり右方向に電子機器100が所定時間内に2回振られる操作を検出すると、音楽再生アプリケーションが、アクティブアプリケーション24となる。その後、図13に示されるように、筐体操作検出部240が、非アクティブアプリケーション24である音付き動画像再生アプリケーションの実行にともなう表示が行われている第2表示画面4bが存在する方向、つまり左方向に電子機器100が所定時間内に2回振られる操作を検出すると、音付き動画像再生アプリケーションが、アクティブアプリケーション24となる。第1表示画面4a及び第2表示画面4bが左右方向に並ぶように電子機器100がユーザによって持たれる場合には、例えば、アクティブ画面4の下側端にアクティブ画面特定線300が表示される。
このように、本実施の形態では、ユーザは電子機器100を振ることによって、第2音出力部9が音出力を行うアプリケーション24を変更することができるため、ユーザは、電子機器100に対する簡単な操作で音出力を行うアプリケーション24を変更することができる。よって、電子機器100に対する操作性が向上する。
なお、音出力変更操作として、上述の図8〜図13を参照して説明した、電子機器100が振られる操作に加えて、あるいはそれに代えて、電子機器100の姿勢が変化させられる操作を採用しても良い。
例えば、音出力変更操作として、電子機器100がひっくり返されて(裏返しされて)元に戻される操作を採用しても良い。この場合には、筐体操作検出部240が、例えば、電子機器100が図7の状態から図14に示されるようにひっくり返されて、図7の状態に戻される操作を検出すると、アクティブアプリケーション24が、上述の図9に示されるように、音付き動画像再生アプリケーションから音楽再生アプリケーションに変更される。つまり、アクティブ画面4が、第2表示画面4bから第1表示画面4aに変更される。
また、音出力変更操作として、電子機器100がひっくり返されて元に戻される操作に加えて、あるいはそれに代えて、電子機器100が現状の姿勢から傾けられて元に戻される操作を採用しても良い。このとき、電子機器100が所定の方向、例えば後方に傾けられて元に戻されたときにだけアクティブアプリケーション24を変更しても良いし、電子機器100が傾けられる方向は問わずに、電子機器100が傾けられて元に戻されれば常にアクティブアプリケーション24を変更しても良い。図15は、ユーザ400が、電子機器100を後方(奥側)に傾けて元に戻すことによって、アクティブアプリケーション24を変更する様子を示す図である。図15では、後方に傾けられる前の電子機器100が実線で示されており、後方に傾けられている電子機器100が波線で示されている。
このように、ユーザは、電子機器100を傾けて元に戻すだけで、第2音出力部9が音出力を行うアプリケーション24を変更できるため、ユーザは、電子機器100に対する簡単な操作で音出力を行うアプリケーション24を変更することができる。よって、電子機器100に対する操作性が向上する。
<第2音出力部の音量調整>
次に第2音出力部9の音量調整について説明する。本実施の形態では、筐体操作検出部240が、電子機器100に対する、上記の音出力変更操作とは異なる所定の操作を検出すると、音出力制御部206が、第2音出力部9の音量を変更するようになっている。以後、この「音出力変更操作とは異なる所定の操作」を「音量変更操作」と呼ぶ。
音量変更操作としては、例えば、電子機器100が振られる操作を採用することができる。筐体操作検出部240において、例えば、電子機器100が所定時間内に1回だけ振られる操作が検出されると、音出力制御部206は第2音出力部9の音量を所定量だけ大きくする。その後、筐体操作検出部240において、電子機器100が所定時間内に1回だけ振られる操作が再度検出されると、音出力制御部206は、第2音出力部9の音量をさらに所定量だけ大きくする。音出力制御部206は、第2音出力部9の音量が最大の場合に、筐体操作検出部240において、電子機器100が所定時間内に1回だけ振られる操作が検出されると、第2音出力部9の音量を所定量だけ小さくする。その後、筐体操作検出部240において、電子機器100が所定時間内に1回だけ振られる操作が検出されると、音出力制御部206は、第2音出力部9の音量をさらに所定量だけ小さくする。そして、音出力制御部206は、第2音出力部9の音量が最小の場合に、筐体操作検出部240において、電子機器100が所定時間内に1回だけ振られる操作が検出されると、第2音出力部9の音量を所定量だけ大きくする。以後、音出力制御部206は同様に動作する。
このように、本実施の形態では、電子機器100が1回振られるたびに、第2音出力部9の音量が大きくなり、当該音量が最大となると、電子機器100が1回振られるたびに、第2音出力部9の音量が小さくなる。そして、電子機器100の音量が最小となると、電子機器100が1回振られるたびに、第2音出力部9の音量が大きくなる。なお、この場合においては、電子機器100が振られる方向は問わないものとする。したがって、第2音出力部9の音量は、電子機器100が上方向に1回振られても変化するし、電子機器100が右方向に1回振られても変化する。
音量変更操作として、上記の操作とは別の操作を採用しても良い。例えば、音量変更操作として、電子機器100が所定時間内において所定方向に所定回数振られる操作を採用しても良い。この場合には、例えば、筐体操作検出部240が、ある特定の方向(例えば上方向)に電子機器100が所定時間内に1回だけ振られる操作を検出すると、音出力制御部206は、第2音出力部9の音量を所定量だけ大きくする。そして、筐体操作検出部240が、当該特定の方向とは逆方向(例えば下方向)に電子機器100が所定時間内に1回だけ振られる操作を検出すると、音出力制御部206は、第2音出力部9の音量を所定量だけ小さくする。
図16は、図7に示される電子機器100が、ユーザによって、所定時間内において上方向に1回だけ振られる様子を示す図である。図16に示されるように、図7に示される電子機器100が、所定時間内において上方向に1回だけ振られると、第2音出力部9から出力される音(第2表示画面4bに表示されている動画像に関連づけられている音)の音量が所定量だけ大きくなる。このとき、図16に示されるように、第2音出力部9の音量を示す音量表示図形350を一定時間だけアクティブ画面4に表示して、当該音量表示図形350に変更後の音量を示しても良い。
本実施の形態では、第2音出力部9の音量は、例えば、第0段階から第5段階まで設定することが可能であって、第0段階に設定されると第2音出力部9からは音が出力されない。電子機器100が、所定時間内において上方向に1回だけ振られると、第2音出力部9の音量は例えば1段階だけ大きくなる。
音量表示図形350は、5つの四角形350aが互いに隣接するように一列に並べられて構成されている。この5つの四角形350aでは、第2音出力部9の音量に応じた数だけ左側から表示色が変化するようになっている。第2音出力部9の音量が第0段階のときには、5つの四角形350aの表示色は同じであり、この表示色を基準とすると、第2音出力部9の音量が第1段階のときには一番左の四角形350aの表示色が変化し、第2音出力部9の音量が第2段階のときには左から2つの四角形350aの表示色が変化する。そして、第2音出力部9の音量が第3段階のときには左から3つの四角形350aの表示色が変化し、第2音出力部9の音量が第4段階のときには左から4つの四角形350aの表示色が変化し、第2音出力部9の音量が第5段階のときにはすべての四角形350aの表示色が変化する。図16に示され音量表示図形350は、第2音出力部9の音量が第3段階に設定されていることを示している。
一方で、図17に示されるように、図7に示される電子機器100が、所定時間内において下方向に1回だけ振られると、第2音出力部9から出力される音の音量が所定量だけ、例えば1段階だけ小さくなる。この場合にも、図17に示されるように、変更後の音量を示す音量表示図形350を一定時間だけアクティブ画面4に表示しても良い。
このように、本実施の形態では、ユーザは、アクティブアプリケーション24を変更する場合とは異なる態様で電子機器100を振るだけで、第2音出力部9の音量を変更することができるため、ユーザは、電子機器100に対する簡単な操作で第2音出力部9の音量を変更することができる。よって、電子機器100に対する操作性が向上する。
なお、音量変更操作として、上述の電子機器100が振られる操作に加えて、あるいはそれに代えて、電子機器100の姿勢が変化させられる操作を採用しても良い。
例えば、音量変更操作として、電子機器100が現状の姿勢から傾けられる操作を採用しても良い。この場合には、例えば、筐体操作検出部240が、電子機器100が後方(奥側)に傾けられて、所定時間内において当該電子機器100の姿勢が元に戻されないことを検出すると、音出力制御部206は、第2音出力部9の音量を所定量だけ大きくする。一方で、筐体操作検出部240が、電子機器100が前方(前側)に傾けられて、所定時間内において当該電子機器100の姿勢が元に戻されないことを検出すると、音出力制御部206は、第2音出力部9の音量を所定量だけ小さくする。
図18は、ユーザ400が、電子機器100を前後方向に傾けることによって第2音出力部9の音量を調整する様子を示す図である。図18では、傾けられる前の電子機器100が実線で示されており、後方に傾けられている電子機器100が波線で示されており、前方に傾けられている電子機器100が一点鎖線で示されている。
このように、ユーザは、アクティブアプリケーション24を変更する場合とは異なる態様で電子機器100の姿勢を変化させるだけで、第2音出力部9の音量を変更することができることから、ユーザは、電子機器100に対する簡単な操作で第2音出力部9の音量を変更することができる。よって、電子機器100に対する操作性が向上する。
<各種変形例>
<第1変形例>
上記の例では、複数の表示・音出力アプリケーション24が実行されている場合には、それらの実行にともなう表示を複数の表示画面4のそれぞれで行っていたが、実行中の複数の表示・音出力アプリケーション24のうちのアクティブアプリケーション24の実行にともなう表示だけを、当該複数の表示画面4のすべてを用いて行うことができるようにしても良い。この場合には、非アクティブアプリケーション24は実行されているものの、その実行にともなう表示及び音出力は行われないことになる。
図19は、上述の図7に示される電子機器100において、アクティブアプリケーション24である音付き動画像再生アプリケーションの実行にともなう表示だけが、第1表示画面4a及び第2表示画面4bのすべてを用いて行われている様子を示す図である。この場合には、図7に示されるような、第2表示画面4bだけを使用して音付き動画像再生アプリケーションの実行にともなう表示を行う場合と比較して、動画像が大きく表示されることになる。また、第1表示画面4a及び第2表示画面4bの両方にアクティブ画面特定線300が表示されるようになる。そして、第1操作部10及び第2操作部11のそれぞれにおいて、複数の操作キーが点灯するようになる。
以後、図7に示されるように、電子機器100において、実行中の複数の表示・音出力アプリケーション24の実行にともなう表示が複数の表示画面4のそれぞれで行われる動作モードを「1画面モード」と呼ぶ。これに対して、図19に示されるように、電子機器100において、実行中の複数の表示・音出力アプリケーション24のうちのアクティブアプリケーション24の実行にともなう表示だけが、複数の表示画面4のすべてが用いられて行われる動作モードを「複数画面モード」と呼ぶ。
電子機器100での1画面モードから複数画面モードへの切り替えと、複数画面モードから1画面モードへの切り替えは、第1操作部10、第2操作部11及び表示画面4を操作することによって行うことができる。例えば、図7に示される電子機器100において、ユーザが第2操作部11の点灯しているメニューキー11bを操作すると、第2表示画面4bにはメニュー画面が表示されるようになる。その後、このメニュー画面に対してユーザが所定の操作を行うと、電子機器100が1画面モードから、図19に示される複数画面モードに変化する。
また、図19に示される電子機器100において、ユーザが第1操作部10の点灯しているメニューキー10bを操作すると、第1表示画面4aにはメニュー画面が表示されるようになる。このメニュー画面に対してユーザが所定の操作を行うと、電子機器100が複数画面モードから、図7に示される1画面モードに変化する。同様にして、ユーザが第2操作部11の点灯しているメニューキー11bを操作すると、第2表示画面4bにはメニュー画面が表示されるようになる。このメニュー画面に対してユーザが所定の操作を行うと、電子機器100が複数画面モードから1画面モードに変化する。
なお、複数画面モードの電子機器100において、筐体操作検出部240が音出力変更操作を検出すると、アクティブアプリケーション24が変更され、変更後のアクティブアプリケーション24の実行にともなう表示が複数の表示画面4のすべてを利用して行われる。例えば、図19に示される電子機器100において、筐体操作検出部240が音出力変更操作を検出すると、アクティブアプリケーション24が音付き動画像再生アプリケーションから音楽再生アプリケーションに変更され、音楽再生アプリケーションの実行にともなう表示が第1表示画面4aから第2表示画面4bにわたって行われる。
また、1画面モードの電子機器100において、筐体操作検出部240が音出力変更操作を検出すると、アクティブアプリケーション24を変更するとともに、電子機器100を1画面モードから複数画面モードに変更しても良い。例えば、上述の図9に示される電子機器100において、筐体操作検出部240が音出力変更操作を検出すると、アクティブアプリケーション24が音楽再生アプリケーションから音付き動画像再生アプリケーションに変更し、電子機器100が1画面モードから複数画面モードとなって、図19の状態になる。
また、電子機器100が1画面モードから複数画面モードへ切り替えられた場合であって、非アクティブアプリケーション24の実行にともなう表示が動画像の再生表示である場合には、その動画像の再生を停止しても良いし、その動画像の再生を電子機器100の内部で行っても良い。
また、電子機器100が1画面モードから複数画面モードへ切り替えられた場合であって、非アクティブアプリケーション24である表示・音出力アプリケーション24の実行にともなう音出力が音楽等の音の再生出力である場合には、その音の再生を停止しても良いし、電子機器100の内部でその音の再生を行っても良い。
<第2変形例>
上記の例では、複数の表示・音出力アプリケーション24を実行している電子機器100において、筐体操作検出部240が音出力変更操作を検出すると、アクティブアプリケーション24を変更していたが、これに加えて、あるいはこれに代えて、画面操作検出部220が音出力変更操作を検出すると、アクティブアプリケーション24を変更しても良い。以下に本変形例について説明する。
複数の表示・音出力アプリケーション24を実行している電子機器100において、画面操作検出部220が、非アクティブアプリケーション24の実行にともなう表示を行っている表示画面4、つまり非アクティブ画面4に対するユーザの所定の画面操作を検出すると、音出力制御部206は、第2音出力部9が音出力を行うアプリケーション24を、当該所定の画面操作が行われた表示画面4(非アクティブ画面4)にその実行にともなう表示が行われているアプリケーション24に変更する。以後、音出力変更操作のうち、第2音出力部9が音出力を行うアプリケーション24を変更するための表示画面4に対する所定の画面操作を「音出力変更画面操作」と呼ぶ。
例えば、上述の図7に示される電子機器100において、非アクティブアプリケーション24である音楽再生アプリケーションの実行にともなう表示を行っている第1表示画面4aに対して、図20に示されるように、ユーザが指500で音出力変更画面操作を行うと、上述の図9に示されるように、アクティブアプリケーション24が、音付き動画像再生アプリケーションから、当該音出力変更画面操作が行われた第1表示画面4aにその実行にともなう表示が行われているアプリケーション24、つまり音楽再生アプリケーションに変更される。なお、ユーザは、自身の指500以外の画面操作手段、例えばペン状部材によって、表示画面4を操作しても良い。
音出力変更画面操作としては、タッチ操作、タップ操作あるいはフリック操作を採用することができる。ここで、タッチ操作とは、表示画面に対して画面操作手段(指やペン状部材など)が接触する操作である。したがって、音出力変更画面操作としてタッチ操作を採用した場合には、音出力制御部206は、非アクティブ画面4に対して画面操作手段が接触したことを画面操作検出部220が検出すると、当該非アクティブ画面4にその実行にともなう表示が行われているアプリケーション24をアクティブアプリケーション24とする。なお、タッチ操作のうち、画面操作手段が表示画面に対して接触箇所が変化せずに所定時間以上接触する操作を「ロングタッチ操作」と呼ぶ。
また、タップ操作とは、画面操作手段が、表示画面に対して接触してから、その接触箇所が変化せずに離れるまでの操作である。したがって、音出力変更画面操作としてタップ操作を採用した場合には、音出力制御部206は、非アクティブ画面4に対して画面操作手段が接触し、その接触箇所が変化せずに離れたことを画面操作検出部220が検出すると、当該非アクティブ画面4にその実行にともなう表示が行われているアプリケーション24をアクティブアプリケーション24とする。
また、フリック操作とは、画面操作手段が表示画面に対して接触してから離れるまでの時間が所定時間内であって、かつ画面操作手段が表示画面に対して接触してから離れるまで所定距離以上移動する操作である。したがって、音出力変更画面操作としてフリック操作を採用した場合には、音出力制御部206は、画面操作手段が非アクティブ画面4に対して接触して離れるまでが所定時間内であって、画面操作手段が非アクティブ画面4に対して接触して離れるまでに所定距離以上移動したことを画面操作検出部220が検出すると、当該非アクティブ画面4にその実行にともなう表示が行われているアプリケーション24をアクティブアプリケーション24とする。
このように、ユーザは、非アクティブ画面4に対して操作を行うことによって、当該非アクティブ画面4にその実行にともなう表示が行われているアプリケーション24をアクティブアプリケーション24とすることができる。したがって、ユーザは、電子機器100に対する簡単な操作でアクティブアプリケーション24を所望のアプリケーション24に変更することができる。よって、電子機器100に対する操作性が向上する。
<第3変形例>
上記の例では、筐体操作検出部240が音量変更操作を検出すると、第2音出力部9の音量を変更していたが、これに加えて、あるいはこれに代えて、画面操作検出部220が所定の画面操作を検出すると、第2音出力部9の音量を変更しても良い。例えば、音出力制御部206は、画面操作検出部220がアクティブ画面4に対するロングタップ操作を検出すると、第2音出力部9の音量を変更しても良い。この場合には、アクティブ画面4に画面操作手段が接触している間、第2音出力部9の音量を徐々に変化させる。例えば、画面操作手段がアクティブ画面4に接触している間、第2音出力部9の音量を徐々に大きくして、第2音出力部9の音量が最大となると、今度は第2音出力部9の音量を徐々に小さくする。また、画面操作手段がアクティブ画面4に接触している間、第2音出力部9の音量を徐々に小さくして第2音出力部9の音量が最小となると、第2音出力部9の音量を徐々に大きくする。これにより、ユーザは、指などの画面操作手段を表示画面4に接触させる時間を調整することによって、第2音出力部9の音量を所望の大きさに設定することができる。
<第4変形例>
上記の例では、電子機器100は、2つの表示画面を備えていたが、3つ以上の表示画面を備え、当該3つ以上の表示画面が同時に視認可能となるような態様で使用される電子機器であっても良い。
図21は、電子機器100に対して第3表示部3cをさらに設けた場合の当該電子機器100の表示例を示す図である。第3表示部3cは、第2筐体2に接続された第3筐体600に設けられている。図21の例では、電子機器100は、音楽再生アプリケーションと、音付き動画像再生アプリケーションと、テレビ視聴アプリケーションとを実行している。図7と同様に、第1表示画面4a及び第2表示画面4bでは、音楽再生アプリケーション及び音付き動画再生アプリケーションの実行にともなう表示がそれぞれ行われている。また、第3表示部3cの第3表示画面4cでは、テレビ視聴アプリケーションの実行にともなう表示が行われている。つまり、第3表示画面4cにはテレビ画面が表示されている。
図21に示されるような、3つ以上の表示画面を備える電子機器100であっても、上記と同様にして、アクティブアプリケーション24を変更したり、第2音出力部9の音量を変更したりすることができる。
例えば、音出力変更操作として、電子機器100が振られる操作が採用される場合には、電子機器100が所定時間内に複数回振られるたびに、実行中の複数の表示・音出力アプリケーション24のそれぞれが順番にアクティブアプリケーション24となる。例えば、図21に示される電子機器100が所定時間内に複数回振られると、アクティブアプリケーション24が、音付き動画像再生アプリケーションからテレビ視聴アプリケーションに変更される。その後、電子機器100が所定時間内に複数回振られると、アクティブアプリケーション24が、テレビ視聴アプリケーションから音楽再生アプリケーションに変更される。その後、電子機器100が所定時間内に複数回振られると、アクティブアプリケーション24が、音楽再生アプリケーションから音付き動画像再生アプリケーションに変更される。
また、音出力変更操作として、非アクティブアプリケーション24の実行にともなう表示が行われている表示画面4が存在する方向に電子機器100が振られる操作を採用した場合には、図21に示される電子機器100が下方向に振られると、その方向に存在する第3表示画面4cにその実行にともなう表示が行われているテレビ視聴アプリケーションがアクティブアプリケーション24となる。また、図21に示される電子機器100が上方向に振られると、その方向に存在する第1表示画面4aにその実行にともなう表示が行われている音楽再生アプリケーションがアクティブアプリケーション24となる。なお、図21の電子機器100において、第2表示画面4bは中央に位置することから、第2表示画面4bが非アクティブ画面4であって、第2表示画面4bをアクティブ画面4に変更する場合には、ユーザは電子機器100を第2表示画面4bが存在する方向に振ることができない。そこで、この場合には、ユーザが電子機器100を手前側あるいは奥側に振ると、音付き動画像再生アプリケーションをアクティブアプリケーションに設定して、第2表示画面4bをアクティブ画面4にする。
<その他の変形例>
上述の実施の形態及びその変形例では、本願発明を携帯電話機に適用する場合を例にあげて説明したが、本願発明は携帯電話機以外の電子機器にも適用することができる。例えば、本願発明は、複数のゲームアプリケーションを同時に実行することが可能なゲーム機、音楽再生アプリケーション及び音付き動画再生アプリケーションを同時に実行することが可能な携帯型の音楽・動画プレーヤなどに適用することができる。
また、本願発明は、上述の電子機器100とは異なり、複数の表示画面が常に同時に視認可能な状態である電子機器に対しても適用することができる。また、本願発明は、開状態では複数の表示画面を同時に視認可能であるものの、閉状態では複数の表示画面のすべてが視認できないような電子機器に対しても適用することができる。例えば、2つの筐体を互いに重なるように折り畳むことができる2つ折り型の携帯電話機やノート型のパーソナルコンピュータにおいて、当該2つの筐体の内側の面のそれぞれに表示画面が形成されたものに対しても、本願発明を適用することができる。