JP2013042691A - 米粉を用いたケーキ - Google Patents

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賢紀 新居
Shinichi Ogiwara
信一 荻原
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Abstract

【課題】穀粉原料に米粉を用いながらも、内相のきめが細かく均一であり、比容積が大きく、風味及び食感のいずれも良好で、品質のバラつきが抑えられたケーキを提供する。
【解決手段】
米粉と、該米粉100質量部に対して、
(A)モノアシルグリセロール0.3〜1.3質量部と、
(B)有機酸モノアシルグリセロール0.1〜1.8質量部と
を含有する生地を焼成して製造されるケーキ。
【選択図】なし

Description

本発明は、穀粉原料として米粉を用いたケーキに関する。
ケーキ類は、穀粉、卵、糖類、油脂等を原料としてケーキ生地を調製し、このケーキ生地を焼成して製造される。ケーキ類は一般に、比容積が大きく、また、弾力がありながらもソフトで、さらに口どけ感やしっとり感に優れたものが好まれる。ケーキ類の原料とする穀粉には、通常小麦粉が用いられる。しかし、小麦粉は食物アレルギーの原因となることが知られており、小麦粉以外の穀粉を用いたケーキ類の開発が望まれている。
米は、アジア諸国において主食として食されており、栄養学的にも優れた食材として知られている。小麦に比べて単位面積当たりの収穫量が多いことから、米食の普及は、将来予測される食糧不足の解決の一助になることも期待されている。また、米は小麦に比べて食物アレルギーの発症率が低いことから、小麦粉を原料とする食品において、小麦粉の代替物として米粉を使用することが検討されている。
本発明者らは、ケーキの製造において、穀粉原料として米粉を用いた際に生じる下記(1)〜(4)の問題点に着目した。
(1)気泡安定性の問題
生地に包蔵される気泡の安定性が悪く、製造されるケーキの品質にバラつきが生じやすい。
(2)内相の問題
焼成後のケーキに内包される気泡の粒の大きさと分布が不均一であり、ケーキ内相(きめ)の均一性に劣る。
(3)比容積の問題
ケーキ生地の焼成による膨らみが小さい。
(4)風味・食感の問題
ケーキとして十分なコクが得られにくく、ソフト感及び口どけ感にも劣る傾向がある。
本発明は、穀粉原料に米粉を用いながらも、内相のきめが細かく均一であり、比容積が大きく、風味及び食感のいずれも良好で、しかも品質のバラつきが抑えられたケーキを提供することを課題とする。
また、本発明は、前記ケーキの製造方法を提供することを課題とする。
本発明者等は上記課題に鑑み、鋭意検討を行った。その結果、穀粉原料に米粉を用いたケーキ生地中に、モノアシルグリセロール及び有機酸モノアシルグリセロールの双方を特定量含有せしめることで、生地の気泡安定性が高まることを見い出した。また、この生地を焼成することにより、内相のきめが細かく均一で、比容積が大きく、風味及び食感のいずれにも優れるケーキが焼き上がることを見い出した。本発明はこれらの知見に基づき完成させるに至ったものである。
本発明は、
米粉と、該米粉100質量部に対して、
(A)モノアシルグリセロール0.3〜1.3質量部と、
(B)有機酸モノアシルグリセロール0.1〜1.8質量部と
を含有する生地を焼成して製造されるケーキに関する。
また、本発明は、
米粉と、該米粉100質量部に対して、
(A)モノアシルグリセロール0.3〜1.3質量部と、
(B)有機酸モノアシルグリセロール0.1〜1.8質量部と
を含有する生地を焼成する工程を含む、ケーキの製造方法に関する。
本発明のケーキは、米粉を用いながらも、気泡安定性が高いケーキ生地を焼成して得られるので、品質のバラつきがより抑えられている。
また、本発明のケーキは、米粉を用いながらも、内相の均一性が高く、しかも比容積が大きい。
さらに、本発明のケーキは、米粉を用いながらも、しっかりとしたコクを有し、かつ、ソフトでしっとり感に優れ、口溶けも良好である。
本発明の製造方法によれば、上記の効果を有するケーキを製造することができる。
本発明のケーキについて以下に詳細に説明する。
本発明のケーキは、米粉、(A)モノアシルグリセロール及び(B)有機酸モノアシルグリセロールを特定量含有するケーキ生地から製造されるケーキである。本発明のケーキは、原料の穀粉として少なくとも米粉を用いるが、小麦粉、ライ麦粉等の他の穀粉を原料に含んでもよい。また、本発明のケーキは、糖類、卵、水、ベーキングパウダー等の通常のケーキ生地に配合される原料を配合してケーキ生地を調製し、これを焼成して製造されるものであってもよい。
以下に、本発明のケーキの製造について説明する。
本発明のケーキの製造には、ケーキ生地の原料として1種又は2種以上の米粉が用いられる。本発明に用いる米粉は生米を粉砕して粉末化したものであれば特に制限はない。米粉にする生米の種類に特に制限はなく、例えば、ジャポニカ種やインディカ種を用いることができ、ジャポニカ種とインディカ種とをかけあわせたものを用いてもよい。また、うるち米であってももち米であってもよい。原料とする米の品種に特に制限はなく、例えば、コシヒカリ、ヒノヒカリ、ミルキークイーン、サリークイーン、ヒトメボレ、アキタコマチ、夢十色等の一般的な品種を用いることができる。市販の米粉としては、上新粉、玄米粉、白玉粉、上用粉、もち粉などが販売されているが、いずれも本発明の米粉として使用することができる。
また、本発明に用いる米粉は、生のままであってもよいし、α化させたものであってもよい。
本発明のケーキにおいて、ケーキ生地中の穀粉に占める米粉の割合は、50質量%以上であることが好ましく、60〜100質量%であることがより好ましく、70〜100質量%であることがさらに好ましく、80〜100質量%であることがさらに好ましく、90〜100質量%であることが殊更に好ましく、100質量%であることが最も好ましい。
本発明のケーキの製造には、ケーキ生地の原料として1種又は2種以上のモノアシルグリセロール((A)成分)が用いられる。モノアシルグリセロールは、グリセロールが有する3つのヒドロキシル基のいずれか1つと脂肪酸が有するカルボキシル基とがエステル結合した構造を有し、モノグリセリドとも称される。本発明に用いるモノアシルグリセロールの種類に特に制限はないが、飽和脂肪酸を構成脂肪酸とする飽和モノアシルグリセロールを含むことが好ましい。当該飽和脂肪酸が結合するグリセリンのヒドロキシル基は、1位のヒドロキシル基であっても2位のヒドロキシル基であってもよいが、1位ヒドロキシル基であることが好ましい。
上記飽和脂肪酸に特に制限はないが、ケーキの比容積向上及び焼色ムラの改善の点で、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸であることが好ましく、さらにパルミチン酸、ステアリン酸であることが好ましく、ステアリン酸であることが殊更に好ましい。
モノアシルグリセロールを構成する脂肪酸組成は、日本油化学会編「基準油脂分析試験法」中の「脂肪酸メチルエステルの01調製法(2.4.1.−1996)」に従って脂肪酸メチルエステルを調製し、得られたサンプルを、American Oil Chemists. Society Official Method Ce 1f−96(GLC法)により測定することができる。
本発明に用いるモノアシルグリセロールは通常の方法で調製することができる。
本発明のケーキの製造において、ケーキ生地中に含有されるモノアシルグリセロールの含有量は、当該ケーキ生地中に含有される米粉100質量部に対して0.3〜1.3質量部であるが、ソフト感、口溶け感の改善及びケーキの比容積向上の点から、0.33〜1.2質量部であることが好ましく、0.35〜1.1質量部であることがさらに好ましく、0.5〜1.1質量部であることがさらに好ましく、0.7〜1.05質量部であることが殊更に好ましい。
本発明のケーキの製造において、ケーキ生地中のモノアシルグリセロールに占める飽和モノアシルグリセロールの割合は、50〜100質量%であることが好ましく、70〜100質量%であることがより好ましく、80〜100質量%であることがさらに好ましく、95〜100質量%であることが殊更に好ましい。
本発明のケーキの製造において、ケーキ生地にモノアシルグリセロールを配合する方法に特に制限はなく、当該モノアシルグリセロールを直接生地に配合してもよいし、当該モノアシルグリセロールを他の成分と混合してから生地に配合してもよい。当該モノアシルグリセロールを他の成分と混合してから生地に配合する方法として、例えば、当該モノアシルグリセロールを油脂に溶かしてから生地に配合する方法、当該モノアシルグリセロールを油相成分とする乳化物を調製し、この乳化物を生地に配合する方法等が挙げられる。製剤を生地へ伸展し易くするために、当該モノアシルグリセロールを油相成分とする乳化物を調製し、この乳化物を生地に配合する方法が好ましい。なお、この場合において、乳化物の水相を構成する水は、後述する(E)成分としてケーキ生地に配合されることになる。
本発明のケーキの製造には、ケーキ生地の原料として1種又は2種以上の有機酸モノアシルグリセロール((B)成分)が用いられる。当該有機酸モノアシルグリセロールは、モノアシルグリセロールを構成するグリセリンのヒドロキシル基と有機酸とがエステル結合した構造を有する化合物である。すなわち、上記有機酸モノアシルグリセロールは、グリセリンが有するヒドロキシル基のいずれか1つに脂肪酸がエステル結合し、残りのヒドロキシル基のいずれかに有機酸がカルボキシル基を介してエステル結合した構造を有する化合物である。
上記有機酸モノアシルグリセロールは、モノアシルグリセロールを構成するグリセリンの3位のヒドロキシル基と有機酸とがエステル結合した構造を有する化合物を含むことが好ましい。すなわち、上記有機酸モノアシルグリセロールは、グリセリンが有する1位及び2位のヒドロキシル基のいずれか1つに脂肪酸がエステル結合し、3位のヒドロキシル基に有機酸がカルボキシル基を介してエステル結合した構造を有する化合物を含むことが好ましい。
上記有機酸モノアシルグリセロールは、分子内にカルボキシル基を少なくとも2つ有するポリカルボン酸を構成有機酸とするポリカルボン酸モノアシルグリセロールを含むことが好ましく、ポリカルボン酸の中でもジカルボン酸を構成有機酸とするジカルボン酸モノアシルグリセロールを含むことがより好ましい。当該ポリカルボン酸としては、例えば、コハク酸、クエン酸、酒石酸、ジアシル酒石酸が挙げられる。本発明に用いる有機酸モノアシルグリセロールとしては、コハク酸モノアシルグリセロール、クエン酸モノアシルグリセロール、酒石酸モノアシルグリセロール、ジアシル酒石酸モノアシルグリセロール等から選ばれる1種又は2種以上を挙げることができるが、なかでもコハク酸モノアシルグリセロールが好適に用いられる。
本発明に用いる有機酸モノアシルグリセロールを構成するモノアシルグリセロールの構成脂肪酸は炭素数が12〜22であることが好ましく、14〜22であることがより好ましく、16〜20であることがさらに好ましい。また、本発明に用いる有機酸モノアシルグリセロールを構成するモノアシルグリセロールの構成脂肪酸は、飽和脂肪酸を含むことが好ましい。本発明に用いる有機酸モノアシルグリセロールを構成するモノアシルグリセロールの全構成脂肪酸に占める飽和脂肪酸の割合は50〜100質量%であることが好ましく、より好ましくは70〜100質量%、さらに好ましくは90〜100質量%、最も好ましくは100質量%である。本発明に用いる有機酸モノアシルグリセロールを構成するモノアシルグリセロールは、例えば、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸等を構成脂肪酸とすることができる。
有機酸モノアシルグリセロールを構成する脂肪酸組成は、日本油化学会編「基準油脂分析試験法」中の「脂肪酸メチルエステルの01調製法(2.4.1.−1996)」に従って脂肪酸メチルエステルを調製し、得られたサンプルを、American Oil Chemists. Society Official Method Ce 1f−96(GLC法)により測定することができる。
本発明に用いる有機酸モノアシルグリセロールは通常の方法で調製することができる。
本発明に用いる有機酸モノアシルグリセロールには、塩の形態のものも含まれる。
本発明のケーキの製造において、ケーキ生地中に含有される有機酸モノアシルグリセロールの含有量は、当該ケーキ生地中に含有される米粉100質量部に対して0.1〜1.8質量部であるが、米粉ケーキ特有のざらつき及び口溶け感の改善の点から、0.15〜1.6質量部であることが好ましく、0.2〜1.5質量部であることがさらに好ましく、0.6〜1.4質量部であることがさらに好ましく、0.8〜1.2質量部であることが殊更に好ましい。
本発明のケーキの製造において、ケーキ生地中の有機酸モノアシルグリセロールに占めるポリカルボン酸モノアシルグリセロールの割合は、50〜100質量%であることが好ましく、70〜100質量%であることがよりこのましく、90〜100質量%であることがさらに好ましく、100質量%であることが殊更に好ましい。
本発明のケーキの製造において、ケーキ生地に有機酸モノアシルグリセロールを配合する方法に特に制限はなく、当該有機酸モノアシルグリセロールを直接生地に配合してもよいし、当該有機酸モノアシルグリセロールを他の成分と混合してから生地に配合してもよい。当該有機酸モノアシルグリセロールを他の成分と混合してから生地に配合する方法として、例えば、当該有機酸モノアシルグリセロールを油脂に溶かしてから生地に配合する方法、当該有機酸モノアシルグリセロールを油相成分とする乳化物を調製し、この乳化物を生地に配合する方法等が挙げられる。生地へ製剤を伸展し易くするために、当該有機酸モノアシルグリセロールを油相成分とする乳化物を調製し、この乳化物を生地に配合する方法が好ましい。なお、この場合において、乳化物の水相を構成する水は、後述する(E)成分としてケーキ生地に配合されることになる。
本発明のケーキの製造に用いるケーキ生地には、通常には糖類((C)成分)が含有される。当該糖類としては、例えば、グルコース、マルトース、フルクトース、シュークロース、ラクトース、トレハロース、マルトトリオース、マルトテトラオース、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール等の単糖類、二糖類、三糖類、四糖類、五糖類、六糖類や澱粉加水分解物、又はこれらを還元した糖アルコールが挙げられ、これらの1種又は2種以上の混合物であってもよい。
ケーキに適度の甘みを付与する観点から、ケーキ生地中の糖類の含有量は、当該ケーキ生地中に含有される米粉100質量部に対して10〜300質量部であることが好ましく、50〜200質量部であることがより好ましく、70〜150質量部であることがより好ましい。
本発明のケーキの製造に用いるケーキ生地には、通常には卵((D)成分)が含有される。上記卵として、鶏卵、ダチョウ卵、アヒル卵等が挙げられるが、中でも鶏卵が好適に用いられる。また、上記卵は、卵白及び/又は卵黄を意味する。使用する卵の加工形態に特に制限はなく、生卵、凍結卵、粉末卵、加糖卵、殺菌卵等を用いることができるが、中でも殺菌卵が好適に用いられる。
ケーキ生地中の卵の含有量は、風味向上の点から、当該ケーキ生地中に含有される米粉100質量部に対して50〜400質量部であることが好ましく、100〜300質量部であることがより好ましく、200〜300質量部であることがさらに好まい。
本発明のケーキの製造に用いるケーキ生地には、通常には水((E)成分)が含有される。当該水は飲用水であれば特に制限はなく、例えば、水道水、精製水、イオン交換水、ミネラルウォーター等を用いることができる。
ケーキ生地中の水の含有量は、しっとり感向上の観点から、当該ケーキ生地中に含有される米粉100質量部に対して20〜400質量部であることが好ましく、30〜200質量部であることがより好ましく、40〜100質量部であることがさらに好ましい。
本発明のケーキの製造に用いるケーキ生地は、上記成分の他に、ベーキングパウダー、乳化剤、粉乳、食用油、リン脂質、香料等の他の成分を1種又は2種以上含んでいてもよい。これらの各成分のケーキ生地中の含有量は、米粉100質量部に対して0.1〜30質量部であることが好ましく、0.2〜20質量部であることがより好ましい。
例えば、本発明のケーキ生地がべーキングパウダーを含有する場合には、当該ベーキングパウダーを米粉100質量部に対して0.2〜5質量部含有することが好ましく、0.5〜2質量部含有することがより好ましい。
また、本発明のケーキ生地が食用油脂(例えば、大豆油、菜種油、コーン油、綿実油、サフラワー油、オリーブ油、パーム油、米油、ひまわり油、胡麻油等)を含有する場合には、当該食用油脂を米粉100質量部に対して0.1〜20質量部含有することが好ましく、0.5〜10質量部含有することがより好ましい。
本発明のケーキは、上記各成分を常法により混合し、抱気させることでケーキ生地を調製し、これを焼成して製造される。上記焼成方法に特に制限はないが、通常には、ケーキ生地を所望の型(円筒、三角筒や四角筒等の角筒等)に入れ、オーブン等で焼き上げる(焼成する)ことで行われる。焼成条件は、製造するケーキの種類により異なるが、通常には150〜200℃で、10〜60分間焼き上げる又は蒸し上げることで行われる。
本発明のケーキに特に制限はなく、例えば、スポンジケーキ、バターケーキ、シフォンケーキ、ロールケーキ、スイスロール、ブッセ、バウムクーヘン、パウンドケーキ、チーズケーキ、スナックケーキ、蒸しケーキ等が包含される。
以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[調製例1 乳化物Aの調製]
菜種白絞油(日清オイリオ社製)115g、ステアリン酸を構成脂肪酸とするモノアシルグリセロールを35g混合し、80℃に加熱して攪拌溶解することで油相成分を調製した。また、液糖(商品名:ハイマルトースMC-45、日本食品化工社製)175g、水(水道水)175gを混合し、40℃に加熱することで水相成分を得た。
上記水相成分を上記油相成分に徐々に添加しながらホモミキサー(プライミックス社製)を用いて50℃、7000rpmで攪拌乳化し、乳化物を得た。得られた乳化物を15℃まで冷却し、冷蔵庫(5℃)にて1日保存した後、乳化物Aとして後述するケーキの調製に用いた。
[調製例2 乳化物Bの調製]
菜種白絞油(日清オイリオ社製)120g、コハク酸モノアシルグリセロール(構成脂肪酸における炭素数16〜20の飽和脂肪酸比率99質量%以上)50g、レシチン(商品名:レシチンDX、日清オイリオ社製)5gを混合し、80℃に加熱して攪拌溶解することで油相成分を調製した。また、液糖(商品名:ソルビトール♯650、三菱商事フードテック社製)125g、水(水道水)200gを添加し、40℃に加熱することで水相成分を得た。
上記水相成分を上記油相成分に徐々に添加しながらホモミキサー(プライミックス社製)を用いて50℃、7000rpmで攪拌乳化し、乳化物を得た。得られた乳化物を15℃まで冷却し、冷蔵庫(5℃)にて1日保存した後、乳化物Bとして後述するケーキの調製に用いた。
[調製例3 ケーキの調製]
卵(生鶏卵)1250g、上白糖500gを加え、ミキサー(関東ミキサー社製)で攪拌しながら30℃まで加温した。油脂組成物(商品名:マリッシュスーパー、花王社製、コーン白絞油)25g、水250g、上記乳化物A及び上記乳化物Bを下記表1の比率となる量加え中速で1分間攪拌した。米粉(商品名:料理用米粉、浪里社製)500g、調整粉乳(森永乳業社製)50g及びベーキングパウダー(愛国産業社製)5gを加え、低速で30秒攪拌し、その後ケーキ生地の比重が0.55g/cmになるまで高速で攪拌した。
得られたケーキ生地の配合組成を下記表1に示す。下記表1の配合組成の単位は質量部である。
続いて上記ケーキ生地を、離型油2g塗った丸型スチール型(型6号)に260g流しいれ、上火170℃、下火170℃のオーブンで20分間焼成してケーキを製造した(本発明品1〜10、比較品1〜13)。
[試験例1 ケーキ生地の気泡安定性]
上記調製例3で用いたケーキ生地について、気泡安定性を下記評価基準により目視で評価した。評価数値は協議により決定した。
なお、ケーキ生地の気泡安定性とは、生地が抱気した気泡が生地中に安定して存在し続ける度合いを意味する。気泡安定性が悪いと、時間経過に伴い生地から気泡が抜け出てしまう。その結果、生地の抱気性状が変化しやすく、製造されるケーキの品質もバラつきやすい。
(ケーキ生地の気泡安定性の評価基準)
4:調製した生地の抱気性状が5時間以上維持されている。
3:調製した生地の抱気性状が3時間以上5時間未満維持されている。
2:調製した生地の抱気性状が1時間以上3時間未満維持されている。
1:調製した生地の抱気性状が1時間未満で崩れる。
結果を下記表1に示す。
[試験例2 ケーキ内相の評価]
上記調製例1で製造したケーキについて、焼成後2日経過した後のケーキ内相(きめの状態)を下記評価基準により評価した。
(ケーキ内相の評価基準)
4:ケーキ断面を観察すると、細やかな気泡がより均一に分布しており、生地の密度がより一定である。
3:ケーキ断面を観察すると、細やかな気泡がほぼ均一に分布しており、生地の密度がほぼ一定である。
2:ケーキ断面を観察すると、気泡の分布が不均一であるが、生地の密度分布が相構造を形成するには至っていない。
1:ケーキ断面を観察すると、気泡の分布が不均一であり、さらに生地の密度が2相に分かれている。
結果を下記表1に示す。
[試験例3 ケーキ比容積の評価]
調製例1において、ケーキ生地を焼成後、30分間室温に放置し、品温が20℃となったところでケーキの比容積を測定した。上記「比容積」は、ケーキ1gあたりの容積(単位:cm/g)として算出され、この値が大きいほど、ケーキ生地の焼成による膨らみが大きいことを意味する。ケーキの比容積は、レーザー体積計測機WinVM2000(ASTEX社製)にて測定した。
ケーキの比容積を高めることで、より食感に優れるケーキとすることができる。また、ケーキ生地の単位重量から製造できるケーキ容量がより大きくなるため、ケーキ製品の製造効率が向上し、経済的な利点もある。ケーキ比容積の評価基準を下記に示す。
(ケーキ比容積の評価基準)
A:ケーキ比容積が3.6cm/g以上である。
B:ケーキ比容積が3.6cm/g未満である。
結果を下記表1に示す。
[試験例4 ケーキ品質の官能評価]
上記調製例1で製造したケーキについて、焼成後2日経過した後、専門パネル10名にて、風味及び食感(ソフトさ、滑らかさ及びばらけやすさ)を下記評価基準により評価した。評価数値は協議により決定した。
(風味の評価基準)
4:食べた時、気道に卵黄の香りが強く残り、強いコクを感じる。
3:食べた時、気道に卵黄の香りが残り、ややコクを感じる。
2:食べた時、気道に卵黄の香りが残りにくく、コクが弱い。
1:食べた時、気道に卵黄の香りが残らなく、コクが感じられない。
(食感の評価基準)
−ソフトさ−
4:ケーキの食感がかなりソフトでしっとりしている。
3:ケーキの食感がソフトで僅かにしっとりしている。
2:ケーキの食感にソフトさ、しっとりさが感じられない。
1:ケーキの食感が堅く、パサつきが感じられる。
−滑らかさ−
4:ケーキがかなり滑らかで、口溶けが非常に良い。
3:ケーキが滑らかで、口溶けが良い。
2:口溶けが良いが、若干異物感を感じる。
1:異物感を感じ、口溶けも悪い。
なお、ここでいう口溶けとは、滑らかさからみた口溶けである。
−ばらけやすさ−
4:ケーキを口に入れると、すぐにばらけて口溶けも良い。
3:ケーキを口に入れてしばらく咀嚼すると、ばらけて口溶けも良い。
2:ケーキを口に入れてしばらく咀嚼すると、ばらけるが口溶けは悪い。
1:ケーキを口に入れてしばらく咀嚼しても、ねとついてばらつきが悪く、口溶けも悪い。
なお、ここでいう口溶けとは、ばらけやすさからみた口溶けである。
結果を下記表1に示す。
Figure 2013042691
表1に示すように、ケーキ生地中のモノアシルグリセロールの含有量が本発明で規定する範囲内であっても、有機酸モノアシルグリセロールを含有しない場合には、ケーキ生地の気泡安定性が劣っていた。また当該生地を焼成して得られたケーキは、きめが粗く、口溶けも悪かった(比較品1、3及び4)。
また、ケーキ生地中のモノアシルグリセロールの含有量が本発明で規定する範囲内であっても、有機酸モノアシルグリセロールの含有量が本発明で規定するよりも低い場合には、ケーキのきめが粗く、口溶けも悪かった(比較品12及び13)。
また、ケーキ生地中のモノアシルグリセロールの含有量が本発明で規定する範囲内であるが、有機酸モノアシルグリセロールの含有量が本発明で規定するよりも高い場合には、ケーキの風味に劣る傾向があり、ソフトさ、滑らかさ及びばらけやすさのいずれを指標にした食感も悪かった(比較品2、9及び10)。
また、ケーキ生地中のモノアシルグリセロールの含有量が本発明で規定するよりも高いと、ケーキ生地の気泡安定性が悪く、口溶けも不良であった(比較品5及び11)。
さらに、ケーキ生地中のモノアシルグリセロールの含有量が本発明で規定するよりも低い場合には、ケーキ生地の気泡安定性が悪かった。また、ケーキの比容積が小さい上にきめが粗く、内相が不良であり、食感にも劣るものであった(比較品6〜8)。食感については、有機酸モノアシルグリセロールをケーキ生地中に特定量含有せしめることで改善する傾向があったが十分でなかった(比較品7)。
これに対し、モノアシルグリセロールと有機酸モノアシルグリセロールのいずれも本発明で規定する範囲内であるケーキ生地を用いた場合には、気泡安定性が高く、ケーキの比容積が大きい上にケーキの内相のきめが細やかで均一性にすぐれていた。また、風味及び食感のいずれの評価項目においても実用に耐える十分な性状を有していた。

Claims (5)

  1. 米粉と、該米粉100質量部に対して、
    (A)モノアシルグリセロール0.3〜1.3質量部と、
    (B)有機酸モノアシルグリセロール0.1〜1.8質量部と
    を含有する生地を焼成して製造されるケーキ。
  2. 生地が、(C)糖類、(D)卵及び(E)水を含有する、請求項1に記載のケーキ。
  3. (A)成分が、飽和脂肪酸を構成脂肪酸とするモノアシルグリセロールを含む、請求項1又は2に記載のケーキ。
  4. (B)成分がポリカルボン酸を構成有機酸とする有機酸モノアシルグリセロールを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のケーキ。
  5. 米粉と、該米粉100質量部に対して、
    (A)モノアシルグリセロール0.3〜1.3質量部と、
    (B)有機酸モノアシルグリセロール0.1〜1.8質量部と
    を含有する生地を焼成する工程を含む、ケーキの製造方法。
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