JP2013041884A - 半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、半導体素子、及び半導体素子と多孔質状金属層との接合面等における、クラックや剥がれを抑制可能な半導体装置、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】基板(K)またはリードフレーム(L)に設けられたパッド部(P)上に多孔質状金属層(C)を介して半導体素子(S)の金属層が接合されている半導体装置であって、前記多孔質状金属層(C)の外周側部位の金属密度がその内側に位置する中心側と比較して低いことを特徴とする半導体装置。
【選択図】なし

Description

本発明は、基板またはリードフレームに設けられたパッド部と半導体素子とが多孔質状金属層で接合されている半導体装置に関する。
半導体装置は、一般に、リードフレームの素子担持部上に、半導体素子(チップ)を接合するためのダイマウント材を形成する工程と、リードフレーム上のダイマウント材表面に半導体素子を搭載しリードフレームの素子担持部と半導体素子とを接合する工程と、半導体素子の電極部と、リードフレームの端子部とを電気的に接合するワイヤボンディング工程と、こうして組み立てた半導体装置を樹脂被覆するモールド工程を経て製造される。
特許文献1には、被接合材及びはんだ材のうちの少なくとも一方の接合面側に、前記はんだ材の融点に比して低い融点の低融点はんだ層を形成しておき、前記低融点はんだ層の融点から前記はんだ材の融点までの範囲内の温度で、前記被接合材及び前記はんだ材の接合面同士を接合することを特徴とするはんだ付け方法が開示されている。
一方、導電性の樹脂系ペーストは、銀、金等の金属粒子と樹脂を混合したペーストが用いられている。近年、銀ペーストが最も汎用されている。
特許文献2には金属層を表面に持つリードフレームと金属層を裏面に持つ半導体素子の間を、鉛元素を含有しない材料を用いた3層からなる接合層を介して接合し、前記リードフレーム、前記半導体素子、接合層の隣り合ったいずれの界面でも金属接合させることが開示されている。また、特許文献3には、2つの構造素子を結合するために、発熱的に緻密化可能な金属ペーストを介して互いにボンディングするための、金属粉末、吸熱分解可能な金属化合物、及び溶剤を含有する金属ペースト開示されている。
しかし、特許文献1に開示のはんだ付け方法では、半導体素子の構成材料と半導体素子に実装する回路配線基板との間の接合構成材料が異なると、熱膨張係数の相異に起因して接合時に応力歪を発生させる。この応力歪ははんだ電極を破壊させて信頼性寿命を低下させる。このような問題点を解消する手段として、金属微粒子を含む導電性ペーストを焼成して形成される多孔質体が知られている。
特許文献2、3に開示の金蔵微粒子を含む金属ペーストの焼結による接合では、鉛フリー化と耐熱性と熱伝導性の課題は解決できるが、半導体素子、半導体素子とダイマウント材の接合界面等に応力が発生すると、クラックの発生や剥がれの発生等の問題を発生させる。また、半導体素子の接合不良を防止するために、接合時に加圧手段を採用することも可能であるが、過度に加圧すると接合部内に歪が残存したり、耐熱応力が低下して破損につながるおそれがある。
特開平7−169908号公報 特開2006−59904号公報 特開2010−53449号公報
本発明の目的は、半導体素子と多孔質状金属層との接合面、又は多孔質状金属層と基板との接合面にクラックや剥がれの発生、及び接合部の酸化を抑制すること等により接合寿命を向上して接続信頼性の向上を図ることができる半導体装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、パッド部を有する基板またはリードフレームと、電極としての金属層を有する半導体素子と、前記基板またはリードフレームのパッド部と半導体素子の金属層とが多孔質状金属層で接合されている半導体装置において、多孔質状金属層の外周側部位の金属密度がその内側に位置する中心側よりも低くすることにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下の(1)〜(5)に記載する発明を要旨とする。
(1)基板(K)またはリードフレーム(L)に設けられたパッド部(P)上に多孔質状金属層(C)を介して半導体素子(S)の金属層が接合されている半導体装置であって、
前記多孔質状金属層(C)の外周側部位の金属密度がその内側に位置する中心側と比較して低いことを特徴とする半導体装置。
(2)前記多孔質状金属層(C)に形成された外周側の空孔の少なくとも一部に、耐熱性樹脂(R)が充填されていることを特徴とする、前記(1)に記載の半導体装置。
(3)前記多孔質状金属層(C)における外周部と中央部の弾性率([外周部]/[中央部])が0.95以下であることを特徴とする、前記(1)又は(2)に記載の半導体装置。
(4)前記多孔質状金属層(C)が銅、金、銀、ニッケル、及びコバルトの中から選択される1種又は2種以上であることを特徴とする、前記(1)から(3)のいずれかに記載の半導体装置。
(5)前記多孔質状金属層(C)が平均粒子径が1〜500nmの金属微粒子(M1)を含む金属微粒子(M)が分散媒(D)に分散された金属微粒子分散材を焼結させて形成された層であることを特徴とする、前記(1)から(4)のいずれかに記載の半導体装置。
本発明の半導体装置における、基板(K)またはリードフレーム(L)に設けられたパッド部(P)と半導体素子(S)を、外周側部位の金属密度がその内側に位置する中心側と比較して低い多孔質状金属層(C)により接合することにより、半導体素子(S)、半導体素子(S)、半導体素子(S)と多孔質状金属層(C)間の接合界面、及び多孔質状金属層(C)とパッド部(P)間の接合界面に発生する応力を緩和し、酸化も抑制され、接合寿命を向上することができ、放熱性と導電性を維持し接合信頼性を向上できる。
実施例1で得られた多孔質状金属層(C)の中心部断面を走査電子顕微鏡(SEM)で得られた画像を画像処理した写真である。 実施例1で得られた多孔質状金属層(C)の外周部断面を走査電子顕微鏡(SEM)で得られた画像を画像処理した写真である。 実施例、比較例で使用した焼結炉の断面を示す概念図である。
以下に本発明の〔1〕半導体装置、および〔2〕その製造方法について説明する。
〔1〕半導体装置
本発明の半導体装置は、基板(K)またはリードフレーム(L)に設けられたパッド部(P)上に多孔質状金属層(C)を介して半導体素子(S)の金属層が接合されている半導体装置であって、前記多孔質状金属層(C)の外周側部位の金属密度がその内側に位置する中心側と比較して低いことを特徴とする。
ナノ粒子の場合には表面活性が高いので更に低温で焼結を行うことが可能であり、焼結により得られる焼結体は酸化が抑制される。
多孔質状金属層(C)は空孔を有する多孔質構造で、外周側部位の金属密度がその内側に位置する中心側と比較して低い構造とすることにより、半導体素子や接合界面に発生する応力を緩和し、接合寿命を向上することができ、放熱性と導電性を維持し接合信頼性を向上できる。
以下に本発明の半導体装置(以下、半導体装置(F)と記載することがある)を構成する基板(K)、リードフレーム(L)、半導体素子(S)、及び多孔質状金属層(C)について説明する。
(1)基板(K)およびリードフレーム(L)
本発明の半導体装置に使用する基板(K)は、セラミックス等の絶縁層の一方の面上に銅板等の導体パターンを形成したDBC(Direct Bonded Copper)基板等が好適に使用できる。尚、他方の面に放熱等の目的で銅板を接合することもできる。このDCB基板は、薄いセラミック基板にパッド部(P)として銅箔を直接接合し、その銅箔を配線パターン加工することにより形成される。また、基板(K)の他方の面には放熱等を目的として金属板を接合することができる。セラミックとしては、アルミナ(Al)、窒化アルミ(AlN)、窒化ケイ素(Si)などが例示できる。
なお、本発明において、基板(K)のほかにリードフレーム(L)も使用することができる。半導体素子(S)をリードフレーム(L)上に実装すると、放熱性が高まることが期待できる。
(2)半導体素子(S)
半導体素子(S)は、半導体による電子部品、または電子部品の機能中心部の素子であり、例えば半導体ウエハと外部接続用電極を有する基板(K)とを貼り合わせ、これをチップ単位に切断(ダイシング)して形成されている。
(3)多孔質状金属層(C)
多孔質状金属層(C)は、基板(K)またはリードフレーム(L)に設けられたパッド部(P)上に多孔質状金属層(C)を介して半導体素子(S)の裏面側の金属層が接合されている半導体装置であって、前記多孔質状金属層(C)の外周側部位の金属密度がその内側に位置する中心側と比較して低いことを特徴とする。
多孔質状金属層(C)は、後述するように基板(K)の金属層からなるパッド部(P)上に、金属微粒子(M)と分散媒(D)を含む金属微粒子分散材(A)からなるペースト状物を塗布又はパターニングして多孔質状金属層前駆体(B)を形成し、更に該前駆体(B)上に半導体素子(S)を搭載した後、該多孔質状金属層前駆体(B)を加熱・焼結して形成される。
多孔質状金属層(C)の形成に使用する金属微粒子(M)は、はんだペーストの場合と異なり、少なくとも1種以上の高純度金属微粒子をそのまま使用することができるので、接合強度と導電性に優れる接合体を得ることが可能になる。一般にはんだペーストの場合、実装対象である基板の銅パッド部分の酸化を取り除くためにフラックス(有機成分)を含有しており、更に金属材料に含まれる不純物として少量ではあるがAl、Zn、Cd、As等の金属が含まれることが多いが、本発明においては、これらの有機成分や不純物の影響を回避することができる。
多孔質状金属層(C)は、後述するように分散媒(D)中に分散された一次粒子の平均粒子径が1〜500nmの金属微粒子(M1)を焼結したものであってもよく、また、分散媒(D)中に分散された該金属微粒子(M1)と一次粒子の平均粒子径が0.5〜50μmの金属微粒子(M2)の混合物を焼結したものであってもよい。
金属微粒子(M)は、導電性と熱伝導性の高い、焼結性を有する微粒子であり、導電性、加熱処理(焼結性)、市場における入手の容易性等から、例えば金、銀、銅,白金、パラジウム、タングステン、ニッケル、鉄、コバルト、タンタル、ビスマス、鉛、インジウム、錫、亜鉛、チタン、又はアルミニウムが挙げられるが、これらの中でも、銅、金、銀、ニッケル、及びコバルトが好ましく、更にこれらの中でも導電性、熱伝導性、加工性、マイグレーションの防止、コスト低減等の点から銅が特に好ましい。
金属微粒子(M)は、導電性と熱伝導性が高く、焼結性を有する微粒子であり、平均一次粒子径がナノサイズ(1μm以下の粒子をいう)のものが好ましい。具体的には、平均一次粒子径が1〜500nmの金属微粒子(M1)が好ましい。金属微粒子(M1)の一次粒子の平均粒子径が1nm以上で焼成により均質な粒子径と空孔を有する多孔質体を形成することが可能になり、一方、500nm以下で精密な導電パターンを形成することができる。
金属微粒子(M)として、平均一次粒子径が1〜500nmの金属微粒子(M1)に、更に平均一次粒子径が0.5〜50μmの金属微粒子(M2)を併用すると、金属微粒子(M2)間に金属微粒子(M1)が分散して安定に存在するので、金属微粒子(M1)の平均一次粒子径との粒子径の差が確保できて、加熱処理する際に金属微粒子(M1)の自由な移動を効果的に抑制することができ、前述の金属微粒子(M1)の分散性と安定性を向上させることができる。金属微粒子(M2)としては、金属微粒子(M1)に記載したと同種の金属粒子を使用することが好ましい。
ここで、一次粒子の平均粒子径とは、二次粒子を構成する個々の金属微粒子の一次粒子の直径の意味である。該一次粒子径は、電子顕微鏡を用いて測定することができる。また、平均粒子径とは、一次粒子の数平均粒子径を意味する。
本発明の多孔質状金属層(C)において、金属微粒子分散材(A)からなるペースト状物を塗布又はパターニングして多孔質状金属層前駆体(B)を形成し、更に該前駆体(B)上に、基板面の平行方向の外形形状が該前駆体(B)よりも小さい半導体素子(S)を搭載して加熱・焼結して多孔質状金属層(C)を形成する際に、例えば(i)金属微粒子分散材(A)中の金属微粒子として平均粒子径がナノサイズの微粒子を主成分とする、(ii)金属微粒子分散材(A)の分散媒(D)濃度を一定範囲とする、(iii)塗布により形成された多孔質状金属層前駆体(B)の塗布面積を一定範囲とする、(iv)焼結の際に半導体素子(S)上側から多孔質状金属層前駆体(B)を一定範囲とする、(v)焼結の際の昇温速度を一定範囲とする、等の条件の選択により、外周側部位の金属密度がその内側に位置する中心側と比較して低い構造を形成することが可能になる。
多孔質状金属層(C)において、外周側部位の金属密度がその内側に位置する中心側と比較して低い構造が形成されるメカニズムは正確には把握されていないが、焼結の際に蒸発又は分解ガス化した分散媒(D)が気体状物として、中心部近傍よりは外周部近傍が相対的に多く通り抜けるために形成されると考えられる。また、金属微粒子分散材(A)中に樹脂が含有されていると、焼結の際に半導体素子(S)上側から多孔質状金属層前駆体(B)が加圧されると、樹脂は外周部近傍に押出される現象が生じるので外周側部位の金属密度がその内側に位置する中心側と比較して低い構造が形成される易くなると推定される。
上記条件を選択して得られる多孔質状金属層(C)は、外周部の弾性率及び硬さが中心部の好ましくは0.95以下、より好ましくは0.85以下、更に好ましくは0.80以下とすることができる。この場合、中心部とは多孔質状金属層(C)の中央部で弾性率及び硬さの値が最も高い部位をいい、外周部とは多孔質状金属層(C)の外周部で弾性率及び硬さの値が最も低い部位をいう。
本発明において、弾性率の測定は、ISO 14577 Part 1,2,3に準拠した測定法が採用され、例えば(株)東陽テクニカ製、Nano Indenter G200を用いて、弾性率と硬さを測定することができる。
本発明の多孔質状金属層(C)において、上記外周側部位の金属密度がその内側に位置する中心側と比較して低い多孔質状金属層(C)が形成されることにより、半導体素子(S)、半導体素子(S)と多孔質状金属層(C)間の接合界面、及び多孔質状金属層(C)とパッド部(P)間の接合界面に発生する応力を緩和し、酸化も抑制され、接合寿命を向上することができ、放熱性と導電性を維持し接合信頼性を向上できる。
本発明の多孔質状金属層(C)を形成する際に、金属微粒子(M)と分散媒(D)を含む金属微粒子分散材(A)に更に、耐熱性樹脂(R)を配合することにより、半導体素子(S)の上部側からの加熱下に焼結すると、該耐熱性樹脂(R)が分散媒(D)と共に外周側に押出されて、外周側部位の金属密度がその内側に位置する中心側と比較して低い多孔質状金属層(C)が形成され易くなる。この場合、耐熱性樹脂(R)は多孔質状金属層(C)に形成された外周側の空孔の少なくとも一部に、耐熱性樹脂(R)が充填された状態になる。
更に、耐熱性樹脂(R)が外周側に押出されると、多孔質状金属層(C)、及び/又は半導体素子(S)の外周側面の少なくとも一部が耐熱性樹脂(R)からなる被覆層で覆われるようになり、半導体素子(S)の側面から金属微粒子等が付着するのを防止して、特性のよい半導体装置を得ることが可能になる。
このような耐熱性樹脂(R)を形成する成分として、プレポリマー溶液、樹脂溶液等が挙げられる。プレポリマー溶液の成分としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂系、ポリイミドプレポリマー溶液等が挙げられる。また、樹脂溶液としては、シリコン樹脂、アミドイミド樹脂、マレイミド樹脂、ポリビニルピロリドン等の樹脂が挙げられる。
〔2〕半導体装置の製造方法
本発明の半導体装置は、基板(K)の金属層からなるパッド部(P)上に、金属微粒子(M)と分散媒(D)を含む金属微粒子分散材(A)からなるペースト状物を塗布(又はパターニング)して多孔質状金属層前駆体(B)を形成し、更に該前駆体(B)上に半導体素子(S)を搭載した後、該多孔質状金属層前駆体(B)を加熱・焼結して多孔質状金属層(C)を形成することにより、パッド部(P)と半導体素子(S)とを多孔質状金属層(C)を介して接合される、
この場合、金属微粒子分散材(A)には、平均一次粒子径1〜500μmの金属微粒子と分散媒(D)が含まれていて、該金属微粒子分散材(A)中の分散媒(D)濃度が5〜20質量%であり、
多孔質状金属層前駆体(B)の塗布面積が9〜225mmであり、
多孔質状金属層前駆体(B)を焼結する際に半導体素子(S)の上側から圧力4〜20MPaで加圧下に5〜20℃/分で昇温して焼結することにより、
外周側部位の金属密度がその内側に位置する中心側と比較して低い多孔質状金属層(C)を形成する、ことが好ましい。
従来、金属粉末を圧縮成形して、密度が均一で、しかも高密度化する試みがなされている(石田恒雄著、「焼結材料工学」、森北出版株式会社、1997年3月28日発行、69頁)。また、液相焼結において、焼結体の微構造を均一にするためには、気孔径の大きさを均一にすることと粉末の充填を均一にすることは関係がある。気孔径が均一であると、液相が毛管力流動により小さい気孔へ流れることがなくなり、焼結が均一に進行することが知られている(RANDALL M. GERMAN著、守吉祐介他共訳、「液相焼結」、(株)内田老鶴圃、1992年6月25日発行、226頁)。
一方、本発明の半導体装置を製造する方法において、上記焼結条件を選択して得られる多孔質状金属層(C)は、外周側部位の金属密度がその内側に位置する中心側と比較して低くなるのに伴い、硬さと弾性率も低下するので、半導体素子(S)、半導体素子(S)と多孔質状金属層(C)間の接合界面、及び多孔質状金属層(C)とパッド部(P)間の接合界面に発生する応力を緩和し、酸化も抑制され、接合寿命を向上することができ、放熱性と導電性を維持し接合信頼性を向上できる。
以下に本発明の半導体装置を製造する方法の例を詳述する。
(1)基板(K)、半導体素子(S)
基板(K)、及び半導体素子(S)は、それぞれ前述の半導体装置の項の記載内容と同様である。
(2)金属微粒子分散材(A)
本発明の多孔質状金属層(C)は、基板(K)のパッド部(P)と半導体素子(S)間を接合している多孔質状金属層(C)は、金属微粒子(M)と分散媒(D)を含む金属微粒子分散材(A)からなるペースト状物を塗布又はパターニングして、パッド部(P)上に多孔質状金属層前駆体(B)を形成し、更に該前駆体(B)上に半導体素子(S)を搭載した後、該多孔質状金属層前駆体(B)を加熱・焼結して形成される。
金属微粒子分散材(A)には、金属微粒子(M)と分散媒(D)とが含まれる。
金属微粒子分散材(A)の分散媒(D)濃度は5〜20質量%が好ましい。
該範囲で外周側部位の金属密度がその内側に位置する中心側と比較して低い多孔質状金属層(C)が形成され易くなる。
分散媒(D)濃度が前記5質量%未満では金属密度が均一化される傾向があり、一方、20質量%超では、金属微粒子分散材(A)の流動性が高くなりすぎる傾向がある。
(i)金属微粒子(M)
金属微粒子(M)は、導電性と熱伝導性の高い、焼結性を有する微粒子であり、導電性、加熱処理(焼結性)、市場における入手の容易性等から、例えば金、銀、銅,白金、パラジウム、タングステン、ニッケル、鉄、コバルト、タンタル、ビスマス、鉛、インジウム、錫、亜鉛、チタン、又はアルミニウムが挙げられるが、これらの中でも、銅、金、銀、ニッケル、及びコバルトが好ましく、更にこれらの中でも導電性、熱伝導性、加工性、マイグレーションの防止、コスト低減等の点から銅が特に好ましい。
金属微粒子(M)は、導電性と熱伝導性が高く、焼結性を有する微粒子であり、平均一次粒子径がナノサイズのものが好ましい。具体的には、平均一次粒子径が1〜500nmの金属微粒子(M1)が好ましい。該粒子径の金属微粒子(M1)を使用することにより、緻密で導電性と熱伝導性に優れ、外周側部位の金属密度がその内側に位置する中心側と比較して低い多孔質状金属層(C)を得ることが可能になる。
平均一次粒子径が1nm以上で焼成により均質な粒子径と空孔を有する多孔質体を形成することが可能になり、一方、500nm以下で精密な導電パターンを形成することができる。金属微粒子(M1)の一次粒子の平均粒子径は5〜200nmであることが、より好ましい。
金属微粒子(M)として、平均一次粒子径が1〜500nmの金属微粒子(M1)に、更に平均一次粒子径が0.5〜50μmの金属微粒子(M2)を併用すると、金属微粒子(M2)間に金属微粒子(M1)が分散して安定に存在するので、金属微粒子(M1)の平均一次粒子径との粒子径の差が確保できて、加熱処理する際に金属微粒子(M1)の自由な移動を効果的に抑制することができ、前述の金属微粒子(M1)の分散性と安定性を向上させることができる。この場合、その配合割合(M1/M2)を80〜95質量%/20〜5質量%(質量%の合計は100質量%)とすることが好ましい。
金属微粒子(M2)としては、金属微粒子(M1)に記載したと同種の金属粒子を使用することが好ましい。
ここで、一次粒子の平均粒子径とは、二次粒子を構成する個々の金属微粒子の一次粒子の直径の意味である。該一次粒子径は、電子顕微鏡を用いて測定することができる。また、平均粒子径とは、一次粒子の数平均粒子径を意味する。
金属微粒子(M)は、はんだペーストの場合と異なり、少なくとも1種以上の高純度金属微粒子をそのまま使用することができるので、接合強度と導電性に優れる接合体を得ることが可能になる。一般にはんだペーストの場合、実装対象である基板の銅パッド部分の酸化を取り除くためにフラックス(有機成分)を含有しており、更に金属材料に含まれる不純物として少量ではあるがAl、Zn、Cd、As等の金属が含まれることが多い。
(ii)分散媒(D)
分散媒(D)には、分子中に2以上のヒドロキシル基を有する1種又は2種以上のポリオールが含有されていることが好ましく、該ポリオールの融点は30〜280℃であることがより好ましい。ポリオールは、金属微粒子分散液(A)中で金属微粒子(M)を分散させ、かつ、加熱・焼結する際に脱水素化反応を受けて水素ラジカルを発生させて焼結を促進する作用を発揮する。
このようなポリオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、2,3−ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、グリセロール、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタン、2−エチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,3−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、トレイトール、エリトリトール、ペンタエリスリトール、ペンチトール、キシリトール、リビトール、アラビトール、ヘキシトール、マンニトール、ソルビトール、ズルシトール、グリセルアルデヒド、ジオキシアセトン、トレオース、エリトルロース、エリトロース、アラビノース、リボース、リブロース、キシロース、キシルロース、リキソース、グルコース、フルクトース、マンノース、イドース、ソルボース、グロース、タロース、タガトース、ガラクトース、アロース、アルトロース、ラクトース、キシロース、アラビノース、イソマルトース、グルコヘプトース、ヘプトース、マルトトリオース、ラクツロース、及びトレハロースから選択される1種又は2種以上が例示できる。
分散媒(D)の成分としては、上記ポリオール以外に、アルコール、アミド基を有する有機溶媒、エーテル系化合物、ケトン系化合物、アミン系化合物等を配合することができる。
これらのポリオール以外の分散媒は分散媒(D)中で併せて30体積%以下となるように配合されることが好ましい。
本発明の多孔質状金属層(C)を形成する際に、金属微粒子(M)と分散媒(D)を含む金属微粒子分散材(A)に更に、耐熱性樹脂(R)を配合することにより、半導体素子(S)の上部側からの加熱下に焼結すると、該耐熱性金属が分散媒(D)と共に外周側に押出されて、外周側部位の金属密度がその内側に位置する中心側と比較して低い多孔質状金属層(C)が形成され易くなる。この場合、耐熱性樹脂(R)は多孔質状金属層(C)に形成された外周側の空孔の少なくとも一部に、耐熱性樹脂(R)が充填された状態になる。
更に、耐熱性樹脂(R)が外周側に押出されると、多孔質状金属層(C)、及び/又は半導体素子(S)の外周側面の少なくとも一部が耐熱性樹脂(R)からなる被覆層で覆われるようになり、半導体素子(S)の側面から金属微粒子等が付着するのを防止して、特性のよい半導体装置を得ることが可能になる。
このような耐熱性樹脂(R)を形成する成分として、プレポリマー溶液、樹脂溶液等が挙げられる。プレポリマー溶液の成分としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂系、ポリイミドプレポリマー溶液等が挙げられる。また、樹脂溶液としては、シリコン樹脂、アミドイミド樹脂、マレイミド樹脂、ポリビニルピロリドン等の樹脂が挙げられる。
(3)多孔質状金属層前駆体(B)
多孔質状金属層前駆体(B)は、金属微粒子分散材(A)からなるペースト状物をパッド部(P)上、又は樹脂シート(F)上に塗布又はパターニングして形成される形状物である。該多孔質状金属層前駆体(B)は、その後加熱・焼結して多孔質状金属層(C)を形成するので、多孔質状金属層(C)の前駆体である。
塗布で形成された多孔質状金属層前駆体(B)の塗布面積は9〜225mmが好ましい。該塗布面積が前記9mm以上で外周側部位の金属密度がその内側に位置する中心側と比較して低い多孔質状金属層(C)を得ることが可能になり、一方、225mm以下では熱応力の影響が小さく、界面剥離・クラックが発生しにくい。
(4)多孔質状金属層(C)の形成
多孔質状金属層前駆体(B)の加熱・焼成条件は、多孔質状金属層前駆体(B)の厚みにもよるが例えばピーク温度は190〜350℃で、ピーク温度(最高温度)で20〜40分間程度保持されるのが好ましい。パッド部(P)上に形成された多孔質状金属層前駆体(B)は、半導体素子(S)上側から多孔質状金属層前駆体(B)を4〜20MPaで加圧下に、加熱・焼結されるが焼結の際の昇温速度を5〜20℃/分である。前記半導体素子(S)上側から多孔質状金属層前駆体(B)を加圧下に焼結することにより、外周側部位の金属密度がその内側に位置する中心側と比較して低い多孔質状金属層(C)が形成され易くなる。
該加圧条件は4MPa以上で外周側部位の金属密度がその内側に位置する中心側と比較して低い多孔質状金属層(C)を得ることが可能になり、一方、20MPaを超えると半導体素子を破損するおそれがある。
また、該昇温速度を一定の範囲とすることにより、外周側部位の金属密度がその内側に位置する中心側と比較して低い多孔質状金属層(C)が形成され易くなる。該昇温速度が前記20℃/分を超えると多孔質状金属層前駆体(B)が突沸しボイドが形成され、前記5℃/分未満では生産性が低下する。
次に、実施例により本発明をより具体的に説明する。尚、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。本実施例、比較例で使用した(1)原材料、(2)装置、及び(3)評価方法を以下に記載する。
(1)原材料
(イ)基板
DBC基板(Cu/アルミナ/Cu)を使用した。Cu板の厚みは0.1mm/セラミック板厚み0.635mm/Cu板の厚み0.1mmである。
(ロ)金属微粒子分散材
銅微粒子分散材:平均一次粒子径20μmの銅微粒子がジエチレングリコール中に80質量%の濃度で分散している銅微粒子分散材を使用した。尚、該銅微粒子分散材には、高分子分散剤としてポリビニルピロリドンが2質量%配合されている。
銀微粒子分散材:オクタンジオール中に、Ag濃度89質量%の濃度で分散している銀微粒子分散材(DOWAメタルテック(株)製、銀ナノペースト)を用いた。
(ハ)多孔質状金属層前駆体
上記銅微粒子分散材または上記銀微粒子分散材を、10mm×10mm、厚み350μmに成形した多孔質状金属層前駆体である。
(ニ)半導体素子
半導体素子のサイズは7mm×7mmで厚みは230μmであり、その接合面はNi−Ti―Au合金でメタライズされている。
(2)装置
図3に示す焼結装置を使用した。該装置を用いて多孔質状金属層前駆体を以下の操作により焼結して多孔質状金属層を形成した。
図3(a)に示す、レイアップ用のプレス板42を用意して、ワーク41をそのプレス板45上にレイアップし、真空プレス機43の下熱盤44上にセットする。その後、図3(b)に示すように、チャンバー45を閉じてチャンバー45内を真空状態にする。そして、図3(c)に示すように、加圧シリンダー46により圧力を加えた状態で、ワーク41を上熱盤47と下熱盤44とで挟持して、加熱する。
これにより、多孔質状金属層前駆体が焼結されて、多孔質状金属層が形成される。
(3)評価方法
(イ)密度の測定
多孔質状金属層(C)の切断面を走査型電子顕微鏡(scanning electron microscope、SEM)を用いて画像を作成し、該画像の金属部分が白っぽく見えるように画像処理して、白黒コントラストの比率から金属密度(%)を算出した。
中心側の密度は、中心部から500μm以内、外周側の密度は端部より500μm以内の部分の測定を行った。
(ロ)弾性率の測定
ISO 14577 Part 1,2,3に準拠した、(株)東陽テクニカ製、Nano Indenter G200を用いて、弾性率を測定した。
(ハ)TCT
各測定条件のサンプルを10個、温度サイクル試験(+175℃で30分間、その後−55℃で30分間保持するサイクル試験)へ投入し、超音波探傷による観察で剥離面積20%以上になったNGサンプル数量を表3に示した。
尚、表3に示すように、半導体素子が破壊した場合も観察された。
[実施例1]
(1)多孔質状金属層前駆体の形成、樹脂溶液の塗布
DBC基板の銅板上に10mm×10mmで厚みは350μmの金属微粒子分散材をパターニングして多孔質状金属層前駆体を形成し、該前駆体上に更に半導体素子を搭載した。
(2)多孔質状金属層前駆体の加熱・焼結
前記DBC基板を加熱炉内に配置して、減圧雰囲気下(真空圧力1kPa)で、半導体素子上に厚み30μmの離型材(PTFEシート)を3枚重ねて、上熱盤で半導体素子の上側から圧力7.0MPaで加圧しながら、同時に10℃/分で加熱を開始し、300℃まで昇温後、該温度で20分間保持した。
その後、冷却して除荷した。
上記焼結により、厚さ100μmの銅微粒子焼結体層が形成されるとともに、半導体素子が該銅微粒子焼結体層を介してDBC基板上の銅板に接合された。
(3)評価
(イ)弾性率と密度の測定
得られた銅微粒子焼結体層の弾性率と密度の測定を行った。結果を表1に示す。
(ロ)金属密度の測定
銅微粒子焼結体層の中心側と外周側の金属密度の測定を行った。結果は以下の通りである。
中心側:83.78%
外周側:76.70%
尚、実施例1で得られた多孔質状金属層の中心部断面、外周側断面を走査電子顕微鏡(SEM)で得られた画像を撮影して画像処理した写真を図1、2にそれぞれ示す。倍率は、図1、2とも3000倍である。
[実施例2]
多孔質状金属層前駆体を加熱・焼結する際に、半導体素子上側から圧力10.0MPaで加圧した以外は実施例1に記載したのと同様の加熱・焼結条件で焼結して、半導体素子を該銅微粒子焼結体層を介してDBC基板上の銅板に接合した。
得られた銅微粒子焼結体層の弾性率の測定を行った。結果を表1に示す。
[実施例3]
(1)多孔質状金属層前駆体の形成、樹脂溶液の塗布
DBC基板の銅板上に金属微粒子分散材から得た成型体を配置し、更に該成型体上に半導体素子を搭載した。
(2)多孔質状金属層前駆体の加熱・焼結
前記DBC基板を加熱炉内に配置して、減圧雰囲気下(真空圧力1kPa)で、半導体素子上に厚み30μmの離型材(PTFEシート)を3枚重ねて、上熱盤で半導体素子の上側から圧力7.0MPaで加圧しながら、同時に10℃/分で加熱を開始し、300℃まで昇温後、該温度で20分間保持した。
その後、冷却して除荷した。
上記焼結により、厚さ100μmの銅微粒子焼結体層が形成されるとともに、半導体素子が該銅微粒子焼結体層を介してDBC基板上の銅板に接合された。
(3)評価
得られた銅微粒子焼結体層について、実施例1に記載したと同様の弾性率、密度の測定と温度サイクル試験の評価を行った。評価結果を表1、3に示す。
[実施例4]
多孔質状金属層前駆体を加熱・焼結する際に、半導体素子の上側から圧力10.0MPaで加圧した以外は実施例3に記載したのと同様の加熱・焼結条件で焼結して、半導体素子を該銅微粒子焼結体層を介してDBC基板上の銅板に接合した。得られた銅微粒子焼結体層について、実施例1に記載したと同様の弾性率、密度の測定と温度サイクル試験の評価を行った。評価結果を表1、表3に示す。
[実施例5]
(1)多孔質状金属層前駆体の形成、樹脂溶液の塗布
DBC基板の銅板上に、メタルマスクにて開口径7.5mm□、厚さ200μmの銀微粒子分散材をパターニングして、多孔質状金属層前駆体を形成した。
(2)多孔質状金属層前駆体の加熱・焼結
前記DBC基板を加熱炉内に配置して、前記前駆体上に半導体素子を搭載し、半導体素子上に厚み30μmの離型材(PTFEシート)を3枚重ねて、上熱盤で半導体素子の上側から圧力10.0MPaで加圧しながら、同時に6℃/分で加熱を開始し、350℃まで昇温後、該温度で5分間保持した。その後、冷却して除荷した。
上記焼結により、厚さ100μmの銀微粒子焼結体層が形成されるとともに、半導体素子が該銀微粒子焼結体層を介してDBC基板上の銅板に接合された。
得られた銅微粒子焼結体層について、実施例1に記載したと同様の弾性率、密度の測定と温度サイクル試験の評価を行った。評価結果を表1、表3に示す。
[比較例1]
多孔質状金属層前駆体を加熱・焼結する際に、半導体素子の上側から圧力4.0MPaで加圧した以外は実施例3に記載したのと同様の加熱・焼結条件で焼結して、半導体素子を該銅微粒子焼結体層を介してDBC基板上の銅板に接合した。
得られた銅微粒子焼結体層について、実施例1に記載したと同様の弾性率、密度の測定と温度サイクル試験の評価を行った。評価結果を表2、3に示す。
[比較例2]
(1)多孔質状金属層前駆体の形成、樹脂溶液の塗布
DBC基板の銅板上に10mm×10mmで厚みは350μmの銅微粒子分散材をパターニングして多孔質状金属層前駆体を形成した。
(2)多孔質状金属層前駆体の加熱・焼結
前記DBC基板を加熱炉内に配置して、減圧雰囲気下(真空圧力1kPa)で、前記前駆体を100℃で10分間予備乾燥を行い、予備乾燥後の前記前駆体上に半導体素子を搭載し、半導体素子上に厚み30μmの離型材(PTFEシート)を3枚重ねて、上熱盤で半導体素子の上側から圧力10.0MPaで加圧しながら、同時に10℃/分で加熱を開始し、300℃まで昇温後、該温度で20分間保持した。
その後、冷却して除荷した。
上記焼結により、厚さ100μmの銅微粒子焼結体層が形成されるとともに、半導体素子が該銅微粒子焼結体層を介してDBC基板上の銅板に接合された。
得られた銅微粒子焼結体層について、実施例1に記載したと同様の弾性率、密度の測定と温度サイクル試験の評価を行った。評価結果を表2、3に示す。
[比較例3]
(1)多孔質状金属層前駆体の形成、樹脂溶液の塗布
DBC基板の銅板上に、メタルマスクにて開口径7.5mm□、厚さ200μmの銀微粒子分散材をパターニングして、多孔質状金属層前駆体を形成した。
(2)多孔質状金属層前駆体の加熱・焼結
前記DBC基板を加熱炉内に配置して、窒素雰囲気下で、前記前駆体を100℃で10分間予備乾燥を行い、予備乾燥後の前記前駆体上に半導体素子を搭載し、半導体素子上に厚み30μmの離型材(PTFEシート)を3枚重ねて、上熱盤で半導体素子の上側から圧力10.0MPaで加圧しながら、同時に6℃/分で加熱を開始し、350℃まで昇温後、該温度で5分間保持した。
その後、冷却して除荷した。
上記焼結により、厚さ100μmの銀微粒子焼結体層が形成されるとともに、半導体素子が該銀微粒子焼結体層を介してDBC基板上の銅板に接合された。
得られた銅微粒子焼結体層の弾性率、密度の測定とTCT試験の測定を行った。結果を表2、3に示す。
表1〜表3の結果から、本発明の半導体装置における基板(K)またはリードフレーム(L)に設けられたパッド部(P)と半導体素子を接合している銅微粒子焼結体の外周部は中心部と比較して弾性率が低いので、半導体素子への機械的応力、熱応力を吸収して半導体素子の破損を防止して、半導体装置の信頼性を向上することが可能なことが確認された。
41 ワーク
42 プレス板
43 真空プレス機
44 下熱盤
45 チャンバー
46 加圧シリンダー
47 上熱盤

Claims (5)

  1. 基板(K)またはリードフレーム(L)に設けられたパッド部(P)上に多孔質状金属層(C)を介して半導体素子(S)の金属層が接合されている半導体装置であって、
    前記多孔質状金属層(C)の外周側部位の金属密度がその内側に位置する中心側と比較して低いことを特徴とする半導体装置。
  2. 前記多孔質状金属層(C)に形成された外周側の空孔の少なくとも一部に、耐熱性樹脂(R)が充填されていることを特徴とする、請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記多孔質状金属層(C)における外周部と中央部の弾性率([外周部]/[中央部])が0.95以下であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の半導体装置。
  4. 前記多孔質状金属層(C)が銅、金、銀、ニッケル、及びコバルトの中から選択される1種又は2種以上であることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の半導体装置。
  5. 前記多孔質状金属層(C)が平均粒子径が1〜500nmの金属微粒子(M1)を含む金属微粒子(M)が分散媒(D)に分散された金属微粒子分散材を焼結させて形成された層であることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の半導体装置。
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