JP2013041092A - 光ファイバケーブル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本体部2と支持線部3とが切断容易な首部4を介して連結され、本体部2は、光ファイバ心線5の両側にテンションメンバ6が配されて外被7で一括被覆され、両側面7aに外被切裂き用のノッチ8が設けられた光ファイバケーブル。外被7は、(a)高密度ポリエチレンを40〜70重量部と直鎖低密度ポリエチレン60〜30重量部を合わせたポリエチレン100重量部に対し、(b)アスペクト比が2以下である難燃性フィラーを30〜120重量部および(c)リン系難燃剤を1〜10重量部を配合してなるショアD硬度が57以上の樹脂組成物で形成されている。
【選択図】図1
Description
また、光ケーブルは寒冷地域で使用されることもあり、低温下でケーブルを屈曲させると外被に亀裂が生じる場合がある。このため、外被には基本特性として耐寒性も必要とされる。
また、前記外被は、(a)高密度ポリエチレンを40〜70重量部と直鎖低密度ポリエチレン60〜30重量部を合わせたポリエチレン100重量部に対し、(b)アスペクト比が2以下である難燃性フィラーを30〜120重量部および(c)リン系難燃剤を1〜10重量部を配合してなるショアD硬度が57以上の樹脂組成物で形成されていることを特徴とする(請求項1)。
図1(A)は、本発明の光ファイバケーブルのうち、1心の単心光ファイバ心線を用いた一実施形態を示し、図1(B)は、4心の光ファイバテープ心線を2枚用いた別の実施形態を示す。なお、光ファイバ心線の心数は、これらに限らず、2心、4心など任意の心数とすることができる。
光ファイバ心線5に平行に配されるテンションメンバ6は、外径0.4mm程度の鋼線あるいはガラス繊維強化プラスチック(FRP)、アラミド繊維強化プラスチック(KFRP)などを用いることができる。光ファイバケーブルの本体部2および支持線部3の被覆を構成する外被7は、後述するように、耐蝉用の硬質の樹脂で形成される。
本発明の光ファイバケーブルの外被は、(a)高密度ポリエチレンを40〜70重量部と直鎖低密度ポリエチレン60〜30重量部を合わせたポリエチレン100重量部に対して(b)アスペクト比が2以下である難燃性フィラーを30〜120重量部および(c)リン系難燃剤を1〜10重量部を配合してなる樹脂組成物で形成され、樹脂組成物全体のショアD硬度が57以上である。アスペクト比は1以上が好ましい。
このような樹脂組成物とするによって、耐蝉性に優れるとともに難燃性および耐寒性を備え、更に、手で外被引裂用のノッチを引裂くことが容易になり、敷設時の心線取出しの作業性を向上させることができる。特に、本発明の光ファイバケーブルは外被を構成する樹脂組成物全体のショアD硬度が57以上であるため、蝉の産卵管による突刺しによる光ファイバの損傷が顕著に抑制される。
また、低温脆性の改善のためにスチレン−エチレン−ブテン−スチレンブロック共重合ポリマー、エチレン−プロピレン共重合ポリマー、エチレン−ブテン共重合ポリマー等のエラストマーを加えても良い。これらの樹脂を加える場合は、当該樹脂と(a)ポリエチレン樹脂と合わせた樹脂中で1−30重量%となるようにする。
アスペクト比とはフィラーの長径/フィラーの厚さで表され、アスペクト比が大きい程平板状となる。本発明では難燃剤としてアスペクト比が2以下、好ましくは1以上2以下、更に好ましくは1以上1.5以下である低アスペクト比のフィラーを使用する。通常使用される難燃性フィラーのアスペクト比は3以上である。
アスペクト比を2以下とすることで難燃性と共に良好な引裂性が得られる。これにより、手で外被引裂用のノッチを引裂くことが容易になり、敷設時の心線取出しの作業性を向上させることができる。市販の難燃性フィラーからアスペクト比が2以下のものを特に選別して使用することができる。
本発明で使用できる難燃性フィラーはアスペクト比が2以下であれば特に限定されないが、難燃性の観点から、水酸化マグネシウムおよび/または水酸化アルミニウムであることが好ましい。
水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムは天然品、合成品のいずれであってもよいが、合成品の方が機械特性や耐寒性に優れるため好ましい。
アスペクト比が2以下である難燃性フィラーの添加量は、樹脂100質量部に対して30〜120質量部であり、好ましくは50〜90質量部である。添加量が30質量部未満であると引裂性に劣り(作業時に高い引裂力が必要となる)、一方、120質量部を超えると耐寒性が悪化し、低温で外被に亀裂が生じることがある。
リン系難燃剤としては特に限定されないが、例えば赤燐、芳香族リン酸エステル、ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸メラミン、ポリリン酸ピペラジン等が挙げられ、樹脂100重量部に対して、1〜10質量部、好ましくは1〜5質量部で配合する。リン系難燃剤の配合量が1質量部未満であると難燃性を所望の程度で付与することが困難であり、一方、10質量部を超えると機械特性が低下する。
また、難燃助剤として酸化亜鉛、ホウ酸亜鉛、三酸化アンチモン、炭酸カルシウム等の無機物、あるいはメラミンシアヌレート等の有機物を樹脂100質量部に対して1〜30質量部加えてもよい。
各例の評価結果を表1に併せて示す。
尚、表中の材料配合における各数値の単位は「重量部」である。
[硬度]
外被の硬度は、日本工業規格のJIS K7215(プラスチックのデュロメータ硬さ試験方法)で規定されるデュロメータ(タイプD)を用いて計測した(以下、ショアD硬度という)。外被の硬度の判定基準は、ショアD硬度で57以上であることが耐蝉性を有する必要条件であるとした。
外被の引張強度は、日本工業規格のJIS K7113に準拠し、2号試験片を用いて行なった。引張強度の判定基準は、外被に蝉の産卵管が突刺された際に、外被に変形を生じず、卵を産み付ける空間の確保を阻止できる15MPa以上であることが耐蝉性を有する必要条件とした。
外被の引張伸びは、日本工業規格のJIS K7113に準拠し、2号試験片を用いて行なった。外被の引張伸びの判定基準は、ケーブルを屈曲させても破断することのない300%以上であることが必須条件とした。
試験には、1心及び8心ケーブルを用いた。日本工業規格のJIS C3005に準拠して行った。完成品から採取した長さ約300mmの試料を、水平に対して約60度傾斜させて支持し、還元炎の先端を、試料の下端から約20mmの位置に、30秒以内で燃焼するまで当て、炎を静かに取り去る。そして、自然消炎した場合を合格とした。
低温脆化試験(亀裂発生温度)は、低温での耐衝撃性を検証するもので、日本工業規格のJIS C3005に準拠して行なった。判定基準は、−30℃以下の低温で、厚さ2mmのシート状の試験片を打撃試験機で打撃し、シート表面に亀裂が生じていないことを必須条件とした。
試験には、1心ケーブルを用いた。予めドロップケーブルの外被のノッチ間を数cm引裂いた状態とし、裂いた双方を引張試験機のチャックで固定し、180度方向に引張速度200mm/分で引張り、50mm引裂いた。そのときの最大値を引裂力とした。引裂力の判定基準は作業性の観点から12N未満の場合を必須条件とした。
2 本体部
3 支持線部
4 首部
5 光ファイバ心線
5’ 光ファイバテープ心線
6 テンションメンバ
7 外被
7a 外被の側面
8 ノッチ
9 鋼線
Claims (3)
- 本体部と支持線部とが切断容易な首部を介して連結され、前記本体部は、光ファイバ心線の両側にテンションメンバが配されて外被で長方形状に一括被覆され、両側面に外被切裂き用のノッチが設けられてなり、前記支持線部は、前記テンションメンバと前記光ファイバ心線の中心を結ぶ延長線上に配されてなる光ファイバケーブルであって、
前記外被は、(a)高密度ポリエチレンを40〜70重量部と直鎖低密度ポリエチレン60〜30重量部を合わせたポリエチレン100重量部に対し、(b)アスペクト比が2以下である難燃性フィラーを30〜120重量部および(c)リン系難燃剤を1〜10重量部を配合してなるショアD硬度が57以上の樹脂組成物で形成されていることを特徴とする光ファイバケーブル。 - 前記難燃性フィラーが、水酸化マグネシウムおよび/または水酸化アルミニウムであることを特徴とする請求項1記載の光ファイバケーブル。
- 前記光ファイバ心線とノッチ先端との離間距離が0.4mm以上であることを特徴とする請求項1または2記載の光ファイバケーブル。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2008090880A1 (ja) * | 2007-01-24 | 2008-07-31 | The Furukawa Electric Co., Ltd. | 光ファイバケーブル |
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