JP2013038316A - Iii族窒化物層複合基板の製造方法 - Google Patents

Iii族窒化物層複合基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】支持基板上にIII族窒化物層が接合していない欠陥領域がない高品質のIII族窒化物層複合基板の製造方法を提供する。
【解決手段】本III族窒化物層複合基板の製造方法は、III族窒化物基板20にイオン注入領域20iを形成し、III族窒化物基板20のイオンが注入された側の主表面側および支持基板10の主表面側の少なくともひとつに接合用前駆体層40を形成し、III族窒化物基板20と支持基板10とを接合用前駆体層40を介在させて接合し、接合用前駆体層40をリフローさせることにより接合層50を形成し、III族窒化物基板20をイオン注入領域20iにおいて分離してIII族窒化物層21と残りのIII族窒化物基板22とにすることにより、支持基板10の主表面上に接合層40を介在させてIII族窒化物層21が接合されたIII族窒化物層複合基板1を形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、支持基板にIII族窒化物層が接合されたIII族窒化物層複合基板の製造方法に関する。
少なくとも1層のIII族窒化物層を含む高品質の半導体デバイスを経済的にかつ効率よく製造するために、支持基板にIII族窒化物半導体層を接合させたIII族窒化物層複合基板およびその製造方法が提案されている。
たとえば、特開2006−210660号公報(特許文献1)は、主表面近傍にイオンが注入された窒化物半導体基板のその主表面を別の基板に貼り合わせた後、熱処理することにより、イオンが注入された層を境として窒化物半導体基板の大部分を別の基板から引き剥がすことにより、別の基板上に窒化物半導体層が接合された半導体基板を製造する方法を開示する。
また、特開2008−300562号公報(特許文献2)は、上記の特許文献1と同様の方法によりIII族窒化物半導体層と下地基板とが貼り合わされており、III族窒化物半導体層の熱膨張係数と下地基板の熱膨張係数との差が4.5×10-6K以下であり下地基板の熱伝導率が50W・m-1・K-1以上であるIII族窒化物半導体層貼り合わせ基板が開示されている。
また、特開2010−165927号公報(特許文献3)は、上記の特許文献1と同様の方法により窒化物系化合物半導体薄膜と透明基板とが貼り合わされており、透明基板が波長400nm以上600nm以下の光に対して透明であり、透明基板の熱膨張係数α1と窒化物系化合物半導体薄膜の熱膨張係数α2とについて、(α1−α2)/α2が−0.5以上1.0以下の関係があり、1200℃以下において窒化物系化合物半導体薄膜と反応しない発光素子用基板が開示されている。
特開2006−210660号公報 特開2008−300562号公報 特開2010−165927号公報
特開2006−210660号公報(特許文献1)、特開2008−300562号公報(特許文献2)および特開2010−165927号公報(特許文献3)に開示されたIII族窒化物層複合基板およびその製造方法においては、III族窒化物層と支持基板とを強固に接合させるために、III族窒化物層および支持基板に中間層として酸化物層を形成する。かかる場合に、中間層の表面に島状または線形状の微小な窪みまたは突起があると、上記の中間層の間の接合界面に空隙が生じ、その空隙部分およびその近傍部分において、III族窒化物層が支持基板に接合できないという問題点があった。
上記の問題点とは、具体的には、イオンが注入されたIII族窒化物基板を熱処理することによりそのイオン注入領域を脆化させる際に、中間層の間の接合界面に空隙部分があると、その空隙部分およびその近傍部分では、その空隙部分による応力の緩和のために、イオン注入領域の脆化が不十分となり、III族窒化物基板の分離が不十分となるため、支持基板上の一部にはIII族窒化物層が接合していない欠陥領域が形成されるという問題点である。
本発明は、上記の問題点を解決して、支持基板上にIII族窒化物層が接合していない欠陥領域がない高品質のIII族窒化物層複合基板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、III族窒化物基板の主表面側から所定の深さの位置にイオン注入領域を形成する工程と、III族窒化物基板のイオンが注入された側の主表面側および支持基板の主表面側の少なくともひとつに接合用前駆体層を形成する工程と、III族窒化物基板と支持基板とを接合用前駆体層を介在させて接合する工程と、接合用前駆体層をリフローさせることにより接合層を形成する工程と、III族窒化物基板をイオン注入領域において分離してIII族窒化物層と残りのIII族窒化物基板とにすることにより、支持基板の主表面上に接合層を介在させてIII族窒化物層が接合されたIII族窒化物層複合基板を形成する工程と、を含むIII族窒化物層複合基板の製造方法である。
本発明にかかるIII族窒化物層複合基板の製造方法において、III族窒化物基板の主表面および支持基板の主表面の少なくともひとつは島状または線形状の窪みまたは突起を有することができる。また、III族窒化物基板の主表面および支持基板の主表面の少なくともひとつにおける上記の窪みまたは突起は、その深さまたは高さが250nm以下とすることができる。また、接合する工程は、真空中で行なうことができる。また、接合層を形成する工程は、III族窒化物層複合基板を形成する工程におけるIII族窒化物基板をイオン注入領域において分離させるための熱処理の雰囲気温度より低い雰囲気温度で行なうことができる。
本発明によれば、支持基板上にIII族窒化物層が接合していない欠陥領域がない高品質のIII族窒化物層複合基板の製造方法を提供できる。
本発明にかかるIII族窒化物層複合基板の製造方法の一例を示す概略断面図である。 典型的なIII族窒化物層複合基板の製造方法の一例を示す概略断面図である。
図1を参照して、本発明の一実施形態であるIII族窒化物層複合基板の製造方法は、III族窒化物基板20の主表面側から所定の深さの位置にイオン注入領域20iを形成する工程(図1(A))と、III族窒化物基板20のイオンが注入された側の主表面側および支持基板10の主表面側の少なくともひとつに接合用前駆体層40a,40bを形成する工程(図1(B))と、III族窒化物基板20と支持基板10とを接合用前駆体層40を介在させて接合する工程(図1(C))と、接合用前駆体層40をリフローさせることにより接合層50を形成する工程(図1(D))と、III族窒化物基板20をイオン注入領域20iにおいて分離してIII族窒化物層21と残りのIII族窒化物基板22とにすることにより、支持基板10の主表面上に接合層50を介在させてIII族窒化物層21が接合されたIII族窒化物層複合基板1を形成する工程(図1(E))と、を含む。本実施形態のIII族窒化物層複合基板の製造方法によれば、支持基板10上にIII族窒化物層21が接合していない欠陥領域がない高品質のIII族窒化物層複合基板1が得られる。
(イオン注入領域の形成工程)
図1(A)を参照して、本実施形態のIII族窒化物層複合基板の製造方法は、III族窒化物基板20の主表面側から所定の深さの位置にイオン注入領域20iを形成する工程を含む。
イオン注入領域20iを形成する工程は、特に制限はなく、たとえば、以下のようにして行われる。まず、III族窒化物層を形成するためのIII族窒化物基板20を準備する。次いで、III族窒化物基板の主表面上に中間層30を形成する。中間層30は、III族窒化物基板20と支持基板10との接合性を高めるものであれば特に制限はなく、SiO2層、Si34層などが好適に挙げられる。中間層30の形成方法は、特に制限はなく、スパッタ法、CVD(化学気相堆積)法などが好適に挙げられる。
次に、III族窒化物基板20の中間層30が形成された主表面側から、III族窒化物基板20と中間層30との界面に相当するIII族窒化物基板20の主表面から所定の深さのIII族窒化物基板内にイオンを注入する。こうして、III族窒化物基板20の主表面側から所定の深さの位置にイオン注入領域20iが形成される。注入するイオンIは、特に制限はないが、イオン注入領域20iの結晶品質の低下を抑制する観点から、水素、ヘリウムなどの質量数が小さい元素のイオンが好ましい。
(接合用前駆体層の形成工程)
図1(B)を参照して、本実施形態のIII族窒化物層複合基板の製造方法は、III族窒化物基板20のイオンが注入された側の主表面側および支持基板10の主表面側の少なくともひとつに接合用前駆体層40a,40bを形成する工程を含む。
たとえば、図1(B)においては、支持基板10の主表面上に接合用前駆体層40aを形成し、III族窒化物基板20のイオンが注入された側の主表面上に接合用前駆体層40bを形成する。
ここで、支持基板10は、特に制限はないが、支持基板10の熱膨張係数とIII族窒化物基板20の熱膨張係数との差が小さい観点から、サファイア基板、Mo(モリブデン)基板、ムライト(二酸化ケイ素と酸化アルミニウムとの複合酸化物)基板、III族窒化物基板などが好適に挙げられる。
また、接合用前駆体層40a,40bは、後工程においてその表面および/または内部に形成される空隙部分を埋めるためにリフロー(再流動)する材料、たとえば、HSQ(水素シルセスキオキサン)、MSQ(メチルシルセスキオキサン)などで形成されている。接合用前駆体層40a,40bを形成する方法は、特に制限はないが、支持基板10およびIII族窒化物基板20上の島状または線形状の窪みまたは突起を被覆し、かつ10nm以上1μm以下の平坦かつ連続した表面を支持基板10およびIII族窒化物基板20上に均一に形成しやすい観点から、スピンコータによる塗布、スプレーコータによる塗布、ディップコータによる塗布などが好適に挙げられる。
このとき、III族窒化物基板20の主表面(特に、イオンが注入された側の主表面)、その上に形成された中間層30の主表面、および/または支持基板10の主表面に島状または線形状の窪みまたは突起がある場合には、それらの主表面上に形成される接合用前駆体層40a,40bの主表面に、上記の窪みまたは突起に対応して、島状または線形状の窪みまたは突起が形成される。
(III族窒化物基板と支持基板との接合工程)
図1(C)を参照して、本実施形態のIII族窒化物層複合基板の製造方法は、III族窒化物基板20と支持基板10とを接合用前駆体層40を介在させて接合する工程を含む。
たとえば、図1(C)においては、支持基板10の主表面上に形成された接合用前駆体層40aと、III族窒化物基板20のイオンが注入された側の主表面上に形成された接合用前駆体層40bと、を貼り合わせることにより、接合用前駆体層40aと接合用前駆体層40bとが一体化して接合用前駆体層40が形成され、支持基板10とIII族窒化物基板20とが接合用前駆体層40を介在させて接合される。
このとき、上記の接合用前駆体層40aおよび接合用前駆体層40bの少なくともひとつの主表面に島状または線形状の窪みまたは突起が形成されている場合は、それらが貼り合わされて形成される接合用前駆体層40の内部に空隙部分40vが形成される。接合用前駆体層40内にこのような空隙部分40vがそのまま残存すると、上述のように、後工程において、その空隙部分40vおよびその近傍部分では、その空隙部分40vによる応力の緩和のために、イオン注入領域の脆化が不十分となり、III族窒化物基板の分離が不十分となるため、支持基板上の一部にはIII族窒化物層が接合していない欠陥領域が形成されるという問題が発生する。
ここで、III族窒化物基板20と支持基板10とを接合用前駆体層40を介在させて接合する工程は、真空中で行なうことが好ましい。真空中で上記接合する工程を行なうと、接合用前駆体層40の内部に形成される空隙部分40vは、真空となり、次工程である接合層の形成工程において、接合用前駆体層40のリフロー(再流動)により空隙部分40vが埋められやすくなり、接合層において空隙部分を無くすことが容易になる。
(接合層の形成工程)
図1(D)を参照して、接合用前駆体層40をリフロー(再流動)させることにより接合層50を形成する工程を含む。接合用前駆体層40をリフローさせる方法は、その接合用前駆体層40の材料に適したものであれば特に制限はない。たとえば、接合用前駆体層40がHSQ前駆体層である場合は、180℃以上に加熱することにより、かご構造と呼ばれる状態からネットワーク構造と呼ばれる状態に非可逆変化して、その際にリフローを起こして硬化して接合層50を形成する。かかるリフローにより、接合用前駆体層40内に生じた上記の空隙部分40vが埋められ、接合層50には空隙部分が無くなる。
ここで、接合層50を形成する工程は、次工程であるIII族窒化物層複合基板を形成する工程におけるIII族窒化物基板をイオン注入領域において分離させるための熱処理の雰囲気温度より低い雰囲気温度で行なうことが好ましい。接合層50を形成する雰囲気温度がIII族窒化物基板をイオン注入領域において分離させるための熱処理の雰囲気温度以上であると、接合用前駆体層40内に生じた上記の空隙部分40vが埋められて接合層50には空隙部分が無くなる前に、III族窒化物基板20のイオン注入領域20iの脆化および分離が起こる場合があり、III族窒化物層複合基板に欠陥領域が発生し易くなる。
(III族窒化物層複合基板の形成工程)
図1(E)を参照して、III族窒化物基板20をイオン注入領域20iにおいて分離してIII族窒化物層21と残りのIII族窒化物基板22とにすることにより、支持基板10の主表面上に接合層50を介在させてIII族窒化物層21が接合されたIII族窒化物層複合基板1を形成する工程を含む。
III族窒化物基板20をイオン注入領域20iにおいて分離してIII族窒化物層21と残りのIII族窒化物基板22とにする方法は、特に制限はないが、イオン注入領域20i側の主表面側で支持基板10に接合されたIII族窒化物基板20を、たとえば500℃以上で熱処理することにより、イオン注入領域20iが脆化される。さらに、III族窒化物基板20の脆化したイオン注入領域20iに応力を加えることにより、III族窒化物基板20をイオン注入領域20iにおいて分離してIII族窒化物層21と残りのIII族窒化物基板22とにすることができる。
ここで、本実施形態においては、上記のように接合層50内には空隙部分がなくなっているため、イオン注入領域の脆化が全面的に十分行われて、欠陥領域のないIII族窒化物層複合基板が得られる。
本実施形態のIII族窒化物層複合基板の製造方法においては、III族窒化物基板20の主表面および支持基板10の主表面の少なくともひとつは島状または線形状の窪みまたは突起を有することが好ましい。かかる場合には、上述のように、III族窒化物基板20の主表面と支持基板10の主表面とを接合させる接合用前駆体層40a,40b,40の表面および/または内部に空隙部分40vが形成される。すなわち、本実施形態のIII族窒化物層複合基板の製造方法を適用して、空隙部分40vを消滅させることにより、欠陥領域のないIII族窒化物層複合基板が得られるという大きな利点がある。
また、本実施形態のIII族窒化物層複合基板の製造方法においては、III族窒化物基板20の主表面および支持基板10の主表面の少なくともひとつにおける島状または線形状の窪みまたは突起は、その深さまたは高さが、250nm以下であることが好ましく、100nm以下であることがより好ましい。ここで、窪みの深さは、その主表面における面内平均変位と最低(最深)点の変位との間の高低差と定義する。また、突起の高さは、その主表面における面内平均変位と最高(最頂)点の変位との間の高低差と定義する。窪みの深さおよび突起の高さは、たとえばAFM(原子間力顕微鏡)を用いて測定できる。窪みの深さまたは突起の高さが250nmより大きくなると、接合用前駆体層40a,40b,40の表面および/または内部に形成される空隙部分40vが大きくなり、完全に消滅させることが難しくなる。
また、本実施形態のIII族窒化物層複合基板の製造方法においては、接合する工程は、特に制限はないが、真空中で行なうことが好ましい。真空中で上記接合する工程を行なうと、接合用前駆体層40の内部に形成される空隙部分40vは真空となり、次工程である接合層50の形成工程において接合用前駆体層40のリフロー(再流動)により空隙部分40vが埋められやすくなり、接合層50において空隙部分を無くすことが容易になる。
また、本実施形態のIII族窒化物層複合基板の製造方法においては、接合層50を形成する工程は、次工程であるIII族窒化物層複合基板1を形成する工程におけるIII族窒化物基板20をイオン注入領域20iにおいて分離させるための熱処理の雰囲気温度より低い雰囲気温度で行なうことが好ましい。接合層50を形成する雰囲気温度がIII族窒化物基板20をイオン注入領域20iにおいて分離させるための熱処理の雰囲気温度以上であると、接合用前駆体層40内に生じた上記の空隙部分40vが埋められて接合層50に空隙部分が無くなる前に、III族窒化物基板20のイオン注入領域20iの脆化および分離が起こる場合があり、III族窒化物層複合基板1に欠陥領域が発生し易くなる。
(実施例1)
1.III族窒化物基板のイオン注入領域の形成
図1(A)を参照して、まず、III族窒化物基板20として、直径が2インチ(5.08cm)で厚さが500μmのGaN基板を準備した。かかるGaN基板のN原子表面側の主表面に存在する窪みの深さは、AFMで100μm角の領域を20カ所測定したところ、10nm〜200nmであった。
次いで、GaN基板(III族窒化物基板20)のN原子表面側の主表面上に、プラズマCVD法により、厚さ100nmのSiO2層(中間層30)を形成した。ここで、プラズマCVDの条件は、RFを50W、Arガスにより希釈された8体積%のSiHガス流量を50sccm(ここで、1sccmとは、標準状態の気体が1分間に流れるcm3体積をいう。)、N2Oガス流量を460sccm、チャンバ圧力を80Pa、チャンバ温度を250℃とした。
次いで、GaN基板(III族窒化物基板20)のSiO2層(中間層30)を形成したN原子表面側の主表面側から、水素イオンを、加速電圧50keVおよびドーズ量7×1017cm-2の条件で、注入した。これにより、GaN基板(III族窒化物基板20)のN原子表面側の主表面から200nmの深さの位置に水素イオンのドーズ量のピークがあるイオン注入領域20iが形成された。
2.接合用前駆体層の形成
図1(B)を参照して、支持基板10として、直径が2インチ(5.08cm)で厚さが500μmのGaN支持基板を準備した。かかるGaN支持基板の主表面に存在する窪みの深さは、10nm〜200nmであった。このGaN支持基板(支持基板10)のGa原子表面側の主表面上に、HSQ前駆体(東レ・ダウ・コーニング社製FOx−12)を、スピンコータを用いて塗布して、50℃および100℃のホットプレートでそれぞれ1分間ずつプリベークした後、150℃のN2ガス雰囲気のベーク炉内で10分間ベークすることにより、HSQ前駆体中の溶媒(トルエンおよびメチルイソブチルケトン)を蒸発除去させて、接合用前駆体層40aである厚さ250nmのHSQ前駆体層を形成した。
また、GaN基板(III族窒化物基板20)のN原子表面側の主表面上に形成されたSiO2層(中間層30)上に、HSQ前駆体(東レ・ダウ・コーニング社製FOx−12)を、スピンコータを用いて塗布して、50℃および100℃のホットプレートでそれぞれ1分間ずつプリベークした後、150℃のN2ガス雰囲気のベーク炉内で10分間ベークすることにより、HSQ前駆体中の溶媒(トルエンおよびメチルイソブチルケトン)を蒸発除去させて、接合用前駆体層40bである厚さ250nmのHSQ前駆体層を形成した。
3.III族窒化物基板と支持基板との接合
図1(C)を参照して、HSQ前駆体層(接合用前駆体層40a)が形成されたGaN支持基板(支持基板10)およびHSQ前駆体層(接合用前駆体層40b)が形成されたGaN基板(III族窒化物基板20)を、GaN支持基板(支持基板10)およびGaN基板(III族窒化物基板)に形成されたHSQ前駆体層どうしが重なり合うように、ウエハボンダに固定した。0.1Pa以下の真空雰囲気下で、ウエハボンダに固定したGaN支持基板(支持基板10)およびGaN基板(III族窒化物基板)を圧着した。
こうして、GaN支持基板(支持基板10)に形成されたHSQ前駆体層(接合用前駆体層40a)とGaN基板(III族窒化物基板20)に形成されたHSQ前駆体層(接合用前駆体層40b)とが一体化して、GaN支持基板(支持基板10)とGaN基板(III族窒化物基板20)とが、SiO2層(中間層30)およびHSQ前駆体層(接合用前駆体層40)を介在させて接合された。
4.接合層の形成
図1(C)および(D)を参照して、上記のSiO2層(中間層30)およびHSQ前駆体層(接合用前駆体層40)を介在させて接合されたGaN支持基板(支持基板10)とGaN基板(III族窒化物基板20)とを、7MPaの圧力を印加した状態で、250℃で1時間加熱した後、400℃で10分間加熱することにより、HSQ前駆体層(接合用前駆体層40)をリフロー(再流動)させて硬化させることにより接合層50を形成した。これにより、HSQ前駆体層(接合用前駆体層40)中の空隙部分40vは、HSQ前駆体層(接合用前駆体層40)のリフローにより埋められ、接合層50には空隙部分が無くなった。
5.III族窒化物層複合基板の形成
図1(E)を参照して、SiO2層(中間層30)およびHSQ層(接合層50)を介在させて接合されたGaN支持基板(支持基板10)およびGaN基板(III族窒化物基板20)をウエハボンダから取り出して、500℃に加熱することにより、GaN基板(III族窒化物基板20)のイオン注入領域20iを脆化させた後、応力を加えることにより、GaN基板(III族窒化物基板20)をイオン注入領域20iにおいて分離した。こうして、GaN支持基板(支持基板10)上に、HSQ層(接合層50)およびSiO2層(中間層30)を介在させてGaN層(III族窒化物層21)が接合されたGaN層複合基板(III族窒化物層複合基板1)が得られた。得られたGaN層複合基板(III族窒化物層複合基板1)には、GaN層(III族窒化物層21)が欠落している欠陥部分は認められなかった。
(比較例1)
1.III族窒化物基板のイオン注入領域の形成
図2(A)を参照して、実施例1と同様にして、実施例1と同様のGaN基板(III族窒化物基板20)のN原子表面側の主表面上に厚さ100nmのSiO2層(中間層30b)を形成し、N原子表面側の主表面から200nmの深さの位置にイオン注入領域20iを形成した。
2.中間層の形成
図2(B)を参照して、実施例1と同様のGaN支持基板(支持基板10)のGa原子表面側の主表面上に、上記と同様にして、厚さ100nmのSiO2層(中間層30a)を形成した。
3.III族窒化物基板と支持基板との接合
図2(C)を参照して、SiO2層(中間層30a)が形成されたGaN支持基板(支持基板10)およびSiO2層(中間層30b)が形成されたGaN基板(III族窒化物基板20)のそれぞれのSiO2層表面を真空中でArイオンに1分間さらして表面を活性化させた状態で、GaN支持基板(支持基板10)およびGaN基板(III族窒化物基板)に形成されたSiO2層同士が重なり合うように、ウエハボンダに固定した。0.1Pa以下の真空雰囲気下で、ウエハボンダに固定したGaN支持基板(支持基板10)およびGaN基板(III族窒化物基板)を圧着し、300℃まで徐々に加熱することでSiO2層同士の接合強度を向上させた。
4.III族窒化物層複合基板の形成
図2(D)を参照して、SiO2層(中間層30)を介在させて接合されたGaN支持基板(支持基板10)およびGaN基板(III族窒化物基板20)をウエハボンダから取り出して、500℃に加熱することにより、GaN基板(III族窒化物基板20)のイオン注入領域20iを脆化させた後、応力を加えることにより、GaN基板(III族窒化物基板20)をイオン注入領域20iにおいて分離した。こうして、GaN支持基板(支持基板10)上に、SiO2層(中間層30)を介在させてGaN層(III族窒化物層21)が接合されたGaN層複合基板(III族窒化物層複合基板1)が得られた。得られたGaN層複合基板(III族窒化物層複合基板1)には、GaN層(III族窒化物層21)が欠落している欠陥部分が認められた。
この理由については、図2(C)に示すように中間層30内に空隙部分30vがあったため、図2(D)に示すようにイオンが注入されたIII族窒化物基板を加熱することによりそのイオン注入領域を脆化させる際に、その空隙部分30vおよびその近傍部分では、その空隙部分30vによる応力の緩和のために、イオン注入領域の脆化が不十分となり、III族窒化物基板20の分離が不十分となるため、支持基板10上の一部にはIII族窒化物層21が接合していない欠陥領域が形成されたものと考えられる。
今回開示された実施形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明でなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内のすべての変更が含まれることが意図される。
1 III族窒化物層複合基板、10 支持基板、20 III族窒化物基板、20i イオン注入領域、21 III族窒化物層、22 残りのIII族窒化物基板、30,30a,30b 中間層、30v,40v 空隙部分、40,40a,40b 接合用前駆体層、50 接合層。

Claims (5)

  1. III族窒化物基板の主表面側から所定の深さの位置にイオン注入領域を形成する工程と、
    前記III族窒化物基板のイオンが注入された側の主表面側および支持基板の主表面側の少なくともひとつに接合用前駆体層を形成する工程と、
    前記III族窒化物基板と前記支持基板とを前記接合用前駆体層を介在させて接合する工程と、
    前記接合用前駆体層をリフローさせることにより接合層を形成する工程と、
    前記III族窒化物基板を前記イオン注入領域において分離してIII族窒化物層と残りのIII族窒化物基板とにすることにより、前記支持基板の主表面上に前記接合層を介在させて前記III族窒化物層が接合されたIII族窒化物層複合基板を形成する工程と、を含むIII族窒化物層複合基板の製造方法。
  2. 前記III族窒化物基板の主表面および前記支持基板の主表面の少なくともひとつは島状または線形状の窪みまたは突起を有する請求項1に記載のIII族窒化物層複合基板の製造方法。
  3. 前記III族窒化物基板の主表面および前記支持基板の主表面の少なくともひとつにおける前記窪みまたは前記突起は、その深さまたは高さが250nm以下である請求項2に記載のIII族窒化物層複合基板の製造方法。
  4. 前記接合する工程は、真空中で行なう請求項1に記載のIII族窒化物層複合基板の製造方法。
  5. 前記接合層を形成する工程は、前記III族窒化物層複合基板を形成する工程における前記III族窒化物基板を前記イオン注入領域において分離させるための熱処理の雰囲気温度より低い雰囲気温度で行なう請求項1に記載のIII族窒化物層複合基板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN105551939A (zh) * 2015-12-29 2016-05-04 北京大学 自组装制备带空腔的iii-v族氮化物复合衬底的方法
JP2016149444A (ja) * 2015-02-12 2016-08-18 住友電気工業株式会社 窒化ガリウム複合基板およびその製造方法

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