JP2013035512A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】サイドウォール部を薄肉化してなお、タイヤ重量の大幅な増大、乗り心地性能の低下を招くことなしに、所要のサイドウォール部剛性を確保して、操縦安定性能の低下のおそれを有効に取り除くとともに、タイヤの転がり抵抗を一層低減させることのできる空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】カーカスプライ本体部分5aのタイヤ幅方向外側で、適用リムRに組み付けて規定内圧を充填した姿勢での、タイヤ外側面の、リムフランジからの離反点eの位置と、タイヤ最大幅位置Pとの間のサイドウォール部領域のそれぞれに、一本のスチールコードをタイヤ周方向に一周させてなる環状の補強コア部材10の一個を配設する。
【選択図】図1

Description

この発明は、ビードコアを配設した一対のビード部から、サイドウォール部を経てトレッド部に到るトロイド状の本体部分および、その本体部分に連続して、ビードコアの周りに折り返してなる折り返し部分を有する一枚以上のカーカスプライを具える空気入りタイヤに関するものであり、とくに、タイヤサイド部の薄肉化に起因する、タイヤサイド部の、タイヤ幅方向外側への倒れ込み変形を有効に抑制して、操縦安定性能の低下を防止しつつ、転がり抵抗のさらなる低減を実現することができる技術を提案するものである。
近年、環境保護への意識の高まりに伴い、軽量で省燃費性能に優れたタイヤが希求されており、このような状況の下、たとえば、ビードコアの外周側で、カーカスプライの本体部分と折り返し部分との間に配設されて、半径方向外方に向けて厚みが漸減するビードフィラの配設高さを低くすること等によって、前記ビード部およびサイドウォール部を含むタイヤサイド部の厚みを薄くしたタイヤが提案されている。
このタイヤによれば、タイヤサイド部を構成するゴム部材の体積の減少によってタイヤサイド部を薄肉化したことによる、いわゆる偏心剛性の低下によって、タイヤの負荷転動時の、とくに、ゴムボリュームの大きいトレッド部およびその近傍部分の変形に起因する発熱量を小さく抑えて、転がり抵抗を有効に低減させることができる。
しかるに、タイヤサイド部の厚みを減じるこのような手法では、タイヤサイド部の、リムフランジからの離反点を起点として、タイヤサイド部の半径方向内側部分が、タイヤの幅方向外側へ大きく倒れ込み変形することになり、その大きな倒れ込み変形に起因して、タイヤサイド部に配設したゴム部材の発熱量が増大することから、タイヤサイド部の薄肉化に基く、転がり抵抗の低減には限界があった。
またこの手法には、タイヤサイド部の剛性の低下によって、操縦安定性能が低下するという問題もあった。
これに対し、カーカスプライのタイヤ幅方向外側に、タイヤ半径方向に対して所定の角度で傾斜して延びる複数本の有機繊維コードもしくはスチールコードからなるサイド補強層を、カーカスプライに沿わせて配設して、タイヤサイド部の剛性を確保することが提案されているも、複数本のコードからなるサイド補強層を配設した場合は、タイヤ重量が増加して、車両の燃費の悪化を招くことになる他、タイヤの半径方向に一定の幅を有するサイド補強層が存在することに起因して、タイヤの半径方向のばね定数、いわゆる縦ばねが増加し、結果として、車両への乗り心地性能が低下することになるという問題があった。
この発明は、従来技術が抱えるこのような問題を解決することを課題とするものであり、それの目的とするところは、タイヤサイド部を薄肉化してなお、タイヤ重量の増大、乗り心地性能の低下を招くことなしに、所要のサイド部剛性を確保して、操縦安定性能の低下のおそれを有効に取り除くとともに、タイヤの転がり抵抗を一層低減させることのできる空気入りタイヤを提供するにある。
この発明の空気入りタイヤは、一対のビード部のそれぞれに埋設配置したビードコアと、該ビード部からサイドウォール部を経てトレッド部に到るトロイド状の本体部分および、該本体部分に連続して、各ビードコアの周りに折り返してなるそれぞれの折り返し部分を有する一枚以上のカーカスプライからなるカーカスとを具えるものであって、カーカスプライの本体部分のタイヤ幅方向外側で、適用リムに組み付けて規定内圧を充填した無負荷状態の、タイヤの外側面の、リムフランジからの離反点位置と、タイヤ最大幅位置との間のタイヤサイド部領域に、一本のスチールコードをタイヤ周方向に一周させてなる環状の単一の補強コア部材を配設してなるものである。
なおここで、「適応リム」とは、タイヤサイズに応じて下記の規格に規定されたリムをいい、「規定内圧」とは、下記の規格において、最大負荷能力に対応して規定される空気圧をいい、「最大負荷能力」とは、下記の規格でタイヤに負荷されることが許容される最大の質量をいう。
そして、その規格とは、タイヤが生産または使用される地域に有効な産業規格をいい、たとえば、アメリカ合衆国では、“THE TIRE and RIM ASSOCIATION INC.のYEAR BOOK”であり、欧州では、“The European Tyre and Rim Technical OrganizationのSTANDARDS MANUAL”であり、日本では日本自動車タイヤ協会の“JATMA YEAR BOOK”である。
ここで好ましくは、補強コア部材を構成する、たとえばモノフィラメントコードとすることができるスチールコードの線径を、タイヤ最大幅位置での、タイヤサイド部の総厚みの10%〜20%の範囲内とする。
ここにおいて、補強コア部材は、前記の状態の下のタイヤの外側面の、リムフランジからの離反点位置から、タイヤ最大幅位置までの、タイヤ半径方向の距離をHとしたときに、前記離反点位置からタイヤ半径方向外側に、0.2H〜0.6Hの範囲内に位置させることが好ましい。
ここで、補強コア部材は、カーカスプライ本体部分の外側面に沿わせて配置することが好ましく、なかでも、カーカスプライの本体部分と折り返し部分との間に挟み込んで配置することがとくに好ましい。
また好ましくは、カーカスプライの折り返し部分のタイヤ幅方向外側に、該折り返し部分に沿ってタイヤ半径方向に延びるゴムチェーファを設け、補強コア部材を、ゴムチェーファの半径方向外端部分に隣接させて配置する。
この発明の空気入りタイヤによれば、タイヤの外側面の、リムフランジからの離反点位置と、タイヤ最大幅位置との間のタイヤサイド部領域に、一本のスチールコードをタイヤ周方向に一周させてなる環状の単一の補強コア部材を配設したことにより、タイヤの負荷転動に際し、タイヤの接地域と対応して位置するタイヤサイド部の、前記離反点を起点とする、タイヤ幅方向外側への倒れ込み変形に対し、周方向の一部でねじり変形される環状の補強コア部材が、それ自身に固有のねじり剛性をもって対抗することになるので、タイヤサイド部を薄肉化してなお、タイヤサイド部の大きな倒れ込み変形、ひいては、それによるゴム部材の発熱量の増大を有効に抑制することができ、この結果として、操縦安定性能の低下を防止しつつ、タイヤサイド部の一層の薄肉化に基く、転がり抵抗のさらなる低減を実現することができる。
加えてこのタイヤでは、それぞれのタイヤサイド部に設ける単一の補強コア部材を、一本のスチールコードをタイヤ周方向に一周させて構成したので、複数本のコードからなるサイド補強層を設ける従来タイヤのような、タイヤ重量の大幅な増大を招くことがなく、また、縦ばねの増加に起因する、乗り心地性能の悪化を招くおそれもない。
ここで、補強コア部材を構成するスチールコードをモノフィラメントコードとしたときは、タイヤサイド部の倒れ込み変形に際し、複数のフィラメントを拠り合わせてなる撚りコードに比して、大きなねじり剛性を発揮することができるので、タイヤサイド部の倒れ込み変形をより有効に抑制して、操縦安定性能の低下のおそれを十分に取り除くとともに、転がり抵抗を一層低減させることができる。
またここで、補強コア部材を構成するスチールコードの線径を、タイヤ最大幅位置での、タイヤサイド部の総厚みの10%〜20%の範囲内としたときは、補強コア部材に、サイドウォール部の倒れ込み変形を十分に抑制するための大きなねじり剛性を発揮させるとともに、補強コア部材と、その周囲のゴム部材との間での剛性段差を小さくして、タイヤの耐久性能の低下を有効に防止することができる。
これはすなわち、スチールコードの線径を、タイヤサイド部の総厚みの10%未満とした場合は、スチールコードが細くなり過ぎて、タイヤサイド部の厚みによっては、サイド部の倒れ込み変形を十分に防止できないが故に、転がり抵抗を所期したほどに低減させることができず、また、所要の操縦安定性能を確保できないおそれがあり、この一方で、スチールコードの線径を、タイヤサイド部の総厚みの20%を超えるものとした場合は、線径の大きなスチールコードからなる剛性の高い補強コア部材と、それの周囲のゴム部材との剛性段差が大きくなり過ぎることによって、タイヤの耐久性能が低下する懸念がある。
なおここで、タイヤの負荷転動時の、タイヤサイド部の倒れ込み変形に際し、該サイド部の、タイヤ幅方向外側に大きく変位される箇所は、タイヤ外側面の、リムフランジ離反点位置からタイヤ半径方向外側に、0.2H〜0.6Hの範囲にあることから、前記倒れ込み変形に対し、自身のねじり剛性をもって対抗する補強コア部材を、この範囲内に位置させることで、タイヤサイド部の倒れ込み変形をより有効に防止することができる。
これをいいかえれば、補強コア部材を、タイヤ外側面のリムフランジ離反点位置に対しタイヤ半径方向外側に0.2H〜0.6Hの範囲から外れる領域に位置させた場合は、補強コア部材で、タイヤサイド部の、とくに変位量の多い箇所の変形を有効に拘束できずに、タイヤサイド部の倒れ込み変形を十分に防止できないおそれがある。
ここにおいて、補強コア部材を、カーカスプライ本体部分の外側面に沿わせて配置したときは、周囲のゴム部材に比して高剛性の補強コア部材を、内部にプライコードを有するカーカスプライに近接させることで、補強コア部材と周囲の部材との剛性段差を緩和して、タイヤの耐久性能の低下のおそれを取り除くことができる。
同様の観点から、補強コア部材は、カーカスプライの本体部分と折り返し部分との間に配置することがより効果的である。
一方、カーカスプライの折り返し部分の半径方向長さが短く、補強コア部材を、カーカスプライの本体部分と折り返し部分との間に挟み込み配置できない場合等には、補強コア部材を、カーカスプライの折り返し部分のタイヤ幅方向外側に設けた、周囲のゴム部材よりも高剛性のゴムチェーファの半径方向外端部分に隣接させて配置することで、タイヤの耐久性能の悪化を有効に防止することができる。
この発明の一の実施形態を、タイヤの半部について示す、タイヤ幅方向の略線断面図である。 図1に示すタイヤの要部拡大断面図である。 補強コア部材の他の配設例を示す、図1と同様の図である。 実施例タイヤを示す要部拡大断面図である。 実施例タイヤを示す要部拡大断面図である。 従来例タイヤを示す要部拡大断面図である。 比較例タイヤを示す要部拡大断面図である。
以下に図面を参照しつつ、この発明の実施の形態について説明する。
図1に例示するタイヤは、一対のビード部1に埋設配置したビードコア2と、ビード部1からサイドウォール部3を経てトレッド部4に到るトロイド状の本体部分5aおよび、該本体部分5aに連続して、ビードコア2の周りに折り返してなる折り返し部分5bを有する一枚以上、図では一枚のカーカスプライ5とを具えてなる。
ここで、スチールコード、有機繊維コード等をラジアル方向に延在させてなるカーカスプライ5のクラウン域の外周側には、たとえば二層のベルト層6,7および、トレッド踏面を形成するトレッドゴム8のそれぞれを順次に配設する。
なお、一層もしくは、三層以上設けることもできるベルト層は、タイヤ周方向に対して所要の角度で傾斜して延びる、スチール、有機繊維等からなるコードをゴム被覆して形成することができ、図に示すところでは二層のベルト層6,7のそれぞれは、それらを構成するベルト層コードを、タイヤ周方向に対して互いに逆向きに延在させている。
またここでは、ビードコア2の外周側で、カーカスプライ5の本体部分5aと折り返し部分5bとの間に形成される領域に、タイヤ半径方向の外側に向けて次第に厚みを薄くした、図示の断面で略三角形状をなすビードフィラ9を配設する。
高硬度のゴム材料からなるこのビードフィラ9は、タイヤの負荷転動時の、タイヤ外側面の、図に仮想線で示す適用リムRのリムフランジとの離反点eを起点とする、タイヤサイド部12の、タイヤ幅方向外側への倒れ込み変形を防止するべく機能する。
なお、離反点eは、タイヤ幅方向断面内で、適用リムRに組み付けて規定内圧を充填した図示のタイヤ姿勢の下で、タイヤ外側面が、適用リムRのリムフランジから離隔する点をいうものとする。
ところで、近年は、タイヤの転がり抵抗を低減させることを目的として、タイヤを構成するゴム部材の、タイヤの負荷転動に伴う発熱量を小さく抑えるため、たとえば、上記のビードフィラ9の、タイヤ半径方向の配設高さを低くすること等によって、タイヤサイド部12の薄肉化を図る傾向にあるが、この場合は、該サイド部12の剛性の低下により、車両の走行時に、タイヤサイド部12のより大きな倒れ込み変形が生じて、タイヤサイド部12に存在するゴム部材の発熱量が増大することから、タイヤサイド部12の厚みを一層減じても、転がり抵抗のより一層の低減をもたらすことができず、また、操縦安定性能が低下することになる。
そこで、この発明では、カーカスプライ本体部分5aのタイヤ幅方向外側で、タイヤ外側面の、リムフランジからの離反点eの位置と、タイヤ最大幅位置Pとの間のタイヤサイド部領域に、スチール製の、モノフィラメントコードもしくは、複数のフィラメントを拠り合わせてなる撚りコード等の一本をタイヤ周方向に一周させてなる環状の補強コア部材10を設ける。
このタイヤ最大幅位置Pは、適用リムRに組み付けて規定内圧を充填した図示の無負荷状態において、タイヤ外側面の、最もタイヤ幅方向外側に位置することになる点を意味する。
このことによれば、タイヤサイド部12が、離反点eを起点として倒れ込み変形するに当って、環状の補強コア部材10が局所的にねじり変形されることになるので、高剛性のスチールコードからなる補強コア部材10の大きなねじり剛性に基き、タイヤサイド部12の倒れ込み変形を有効に抑制することができ、これがため、所要の操縦安定性能を確保しつつ、タイヤの転がり抵抗を低減させることができる。
ここで、補強コア部材10を構成するスチールコードの線径は、タイヤ最大幅位置Pでの、タイヤサイド部12の総厚みtの10%〜20%、たとえば0.6mm〜1.4mmの範囲とすることが、補強コア部材10に大きなねじり剛性を発揮させて、タイヤサイド部12の倒れ込み変形を十分に抑制できる点で好ましい。
またここで、補強コア部材10による、タイヤサイド部12の倒れ込み変形抑制機能をより有効に発揮させるためには、離反点eの位置と、タイヤ最大幅位置Pとの間の半径方向距離をHとしたときに、補強コア部材10は、図2に拡大図で示すように、タイヤサイド部12の倒れ込み変形に際して最もタイヤ幅方向外側に変位することになる部分である、0.2H〜0.6Hの範囲内の部分に位置させることが好ましい。
なかでもとくに、補強コア部材10を、リムフランジとの離反点eから離れた位置に配置することは、タイヤサイド部12の、離反点eを起点とする倒れ込み変形に対し、補強コア部材10が、大きなモーメントアームをもって対抗することになるので効果的である。
ところで、タイヤサイド部12に埋設配置する補強コア部材10は、スチールコードで構成することから、それの周囲のゴム部材との剛性段差が大きくなって、タイヤの耐久性能を低下させるおそれがある。
これに対しては、補強コア部材10を、カーカスプライ本体部分5aの外側面に沿わせて配置することで、該補強コア部材10が、カーカスプライ5を構成する、たとえばラジアル構造のスチールコード等に近接して位置することになるので、補強コア部材10と、それの周囲の部材との剛性段差を有効に軽減することができる。
ここにおいて、より好ましくは、補強コア部材10を、図1,2に示すように、カーカスプライ5の本体部分5aと折り返し部分5bとの間に挟み込み配置する。これによれば、補強コア部材10が、カーカスプライ5を構成するプライコードに取り囲まれて位置することになるので、高剛性の補強コア部材10の、タイヤサイド部12への配設に起因する、タイヤ耐久性能の低下のおそれを有効に取り除くことができる。
但し、図3に例示するタイヤのように、たとえば、ビードフィラ9の配設高さ、および、カーカスプライ折り返し部分5bの、折り返し高さをともに低くした場合等には、補強コア部材10を、カーカスプライ5の本体部分5aと折り返し部分5bとの間に挟み込めないことがあるので、このような場合は、補強コア部材10を、同図に示すように、カーカスプライ折り返し部分5bのタイヤ幅方向外側に配設されて、ビード部の外側面を形成する高硬度のゴムチェーファ11の半径方向外端部分に隣接させて配置することで、タイヤの耐久性能の低下を効果的に防止することができる。
次にこの発明に係るタイヤを試作し、その性能を評価したので以下に説明する。
供試タイヤのサイズはいずれも、195/65R15とした。
実施例タイヤ1〜4は、図1に示すように、ビードフィラの配設高さが高く、かつ、カーカスプライが、タイヤ最大幅位置の手前まで高く折り返してなる折り返し部分を有するタイヤで、カーカスプライの本体部分と折り返し部分との間に、補強コア部材を挟み込んで配置したものとした。
ここでは、実施例タイヤ1〜4の、補強コア部材を構成するスチールコードの線径を、表1に示すように相互に異なるものとした。
また、実施例タイヤ5〜7のそれぞれは、補強コア部材の配設位置を、図4(a)〜(c)のそれぞれに示すように、リムフランジとの離反点の半径方向位置と対応する位置、離反点位置からタイヤ半径方向外側に0.2Hの位置および、タイヤ最大幅位置のそれぞれとした。
そしてまた、実施例タイヤ8,9はいずれも、図5(a),(b)のそれぞれに示すように、カーカスプライ折り返し部分の、短い半径方向長さの故に、本体部分と折り返し部分との間に、補強コア部材を挟み込み配置できなかったものである。
ここで、実施例タイヤ8では、図5(a)に示すように、カーカスプライ折り返し部分のタイヤ幅方向外側に設けたゴムチェーファの半径方向外端と、補強コア部材とを相互に離隔させて位置させ、また、実施例タイヤ9では、図5(b)に示すように、ゴムチェーファの半径方向外端と、補強コア部材とを相互に隣接させて位置させた。
従来例タイヤ1,2はそれぞれ、カーカスプライが、図6(a),(b)のそれぞれに示すように、半径方向長さが長い折り返し部分を有するものと、半径方向長さが短い折り返し部分を有するものとし、いずれも、補強コア部材を配設しないものとした。
比較例タイヤ1,2のそれぞれは、図7(a)に示すように、前記補強コア部材に代えて、カーカスプライ本体部分のタイヤ幅方向外側に、該本体部分の外側面に沿って、タイヤ半径方向に対して45°の角度で傾斜して延びる複数本のスチールコードないしは有機繊維コードからなるサイド補強層を設けたものとした。
また、比較例タイヤ3〜5のそれぞれは、前記補強コア部材を、図7(b),(c)に示すように、タイヤ半径方向に五本ないしは三本並べて、それらの補強コア部材を、カーカスプライの本体部分と折り返し部分との間に挟み込んで配置したものである。
なお、上記のいずれの供試タイヤも、タイヤ最大幅位置での、タイヤサイド部の総厚みを、4.5mmとした。
これらの供試タイヤの諸元を表1,2に示す。
以上に述べた各供試タイヤにつき、6.0Jのリムに組み付けるとともに、230kPaの内圧を充填して各種試験を行って、転がり抵抗、高速耐久性能、操縦安定性能、タイヤの縦ばねおよび、タイヤ質量のそれぞれを下記のとおりに評価した。
<転がり抵抗>
供試タイヤを、直径1707mmの、表面が平滑なスチームドラム試験機に装着し、荷重条件4.0kN、196kPaの内圧の下、速度80km/hで走行させたときの転がり抵抗を、JIS D4234に規定される楕行法によって測定した。
その測定結果を、表1,2に、従来例タイヤ1をコントロールとする指数値で示す。なお、この指数値は、数値が小さいほど転がり抵抗が小さいことを表す。
<高速耐久性能>
供試タイヤを、ドラム径1707mmの試験機に装着して、JIS D4230に規定される高速耐久性試験を実施し、さらに30分毎に10km/hずつ増加させて、タイヤが破壊するまでの走行距離を測定した。
表1,2に、その測定結果を、従来例タイヤ1をコントロールとする指数値で示す。なお表1,2に示す高速耐久性能の指数値は、数値が大きいほど高速耐久性能に優れることを表す。
<操縦安定性能>
供試タイヤを実車に装着して、以下の条件の下で各種路面を一般走行させ、操縦安定性能をフィーリングによって評価した。
表1,2に示す数値は、従来例タイヤ1を基準とした指数値であり、この数値が大きいほど操縦安定性能に優れることを表す。
車両:1800cc 前輪駆動車
荷重:前席二名乗車
装着位置:全輪に装着
使用リム:6Jx15
内圧:230kPa
<タイヤの縦ばね>
適用リムにタイヤを組み付けて、内圧を230kPaに調整した後、疑似路面上に配置し、タイヤに鉛直方向に一定荷重4.0kNを作用させたときの鉛直方向の変位量を測定した。
この測定値を、従来例タイヤ1の鉛直方向の変位量の逆数を100とした指数値で表1,2に示す。表1,2に示す指数値は、数値が小さいほどタイヤの縦ばねが小さく、乗り心地性能に優れることを表す。
<タイヤの質量>
各供試タイヤの、測定した質量を、従来例タイヤ1を基準とする指数値で表1,2に示す。
Figure 2013035512
Figure 2013035512
表1,2に示す結果から、比較例タイヤ1〜5はいずれも、従来例タイヤ1,2に比して、転がり抵抗はある程度低減されているものの、サイド補強層もしくは、複数個の補強コア部材の配設に起因して、タイヤ質量が増大し、また、乗り心地性能の低下をもたらす縦ばねが増加しているのに対し、実施例タイヤ1〜9はともに、タイヤ質量および縦ばねが大きく増加することなしに、転がり抵抗が低減されていることが解かる。
表1に示す結果から、補強コア部材の配設位置を、離反点位置に対しタイヤ半径方向外側に0.2H〜0.6Hの範囲内とした実施例タイヤ1〜4,6,8,9は、補強コア部材の配設位置を前記範囲から外れるものとした実施例タイヤ5,7に比して、転がり抵抗が同等か、またはさらに低減されており、また、とくにすぐれた操縦安定性能を発揮し得ることが解かる。
またここで、補強コア部材を、カーカスプライ本体部分と折り返し部分との間に挟み込みこんで、または、ゴムチェーファの半径方向外端部分に隣接させて配置した実施例タイヤ1〜4,6,7,9は、実施例タイヤ5,8よりも、補強コア部材と周囲のゴム部材との大きな剛性段差に起因する、高速耐久性能の低下をより有効に防止できることが解かる。
以上のことから、この発明の空気入りタイヤによれば、サイドウォール部を薄肉化してなお、タイヤ重量の増大、操縦安定性能を招くことなしに、操縦安定性能の低下を防止しつつ、転がり抵抗を有効に低減できることが明らかである。
1 ビード部
2 ビードコア
3 サイドウォール部
4 トレッド部
5 カーカスプライ
5a 本体部分
5b 折り返し部分
6,7 ベルト層
8 トレッドゴム
9 ビードフィラ
10 補強コア部材
11 ゴムチェーファ
R 適用リム
e リムフランジとの離反点位置
P タイヤ最大幅位置
H 離反点位置と最大幅位置との半径方向距離

Claims (7)

  1. 一対のビード部のそれぞれに埋設配置したビードコアと、該ビード部からサイドウォール部を経てトレッド部に到るトロイド状の本体部分および、該本体部分に連続して、各ビードコアの周りに折り返してなるそれぞれの折り返し部分を有する一枚以上のカーカスプライからなるカーカスとを具える空気入りタイヤであって、
    カーカスプライ本体部分のタイヤ幅方向外側で、適用リムに組み付けて規定内圧を充填した無負荷状態の、タイヤの外側面の、リムフランジからの離反点位置と、タイヤ最大幅位置との間のタイヤサイド部領域に、一本のスチールコードをタイヤ周方向に一周させてなる環状の単一の補強コア部材を配設してなる空気入りタイヤ。
  2. 補強コア部材を構成するスチールコードの線径を、タイヤ最大幅位置での、サイドウォール部の総厚みの10%〜20%の範囲内としてなる請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 補強コア部材を構成するスチールコードを、モノフィラメントコードとしてなる請求項1もしくは2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記無負荷状態の下のタイヤの外側面の、リムフランジからの離反点位置から、タイヤ最大幅位置までの、タイヤ半径方向の距離をHとしたときに、補強コア部材を、前記離反点位置からタイヤ半径方向外側に、0.2H〜0.6Hの範囲内に位置させてなる請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 補強コア部材を、カーカスプライ本体部分の外側面に沿わせて配置してなる請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  6. 補強コア部材を、カーカスプライの本体部分と折り返し部分との間に挟み込んで配置してなる請求項1〜5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  7. カーカスプライの折り返し部分のタイヤ幅方向外側に、該折り返し部分に沿ってタイヤ半径方向に延びるゴムチェーファを設け、前記補強コア部材を、ゴムチェーファの半径方向外端部分に隣接させて配置してなる請求項1〜5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019091470A (ja) * 2013-06-26 2019-06-13 アマゾン テクノロジーズ インコーポレイテッド 物品の相互作用及び移動検出方法

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