JP2013035243A - ローラーモールド、ローラーモールド用基材及びパターン転写方法 - Google Patents

ローラーモールド、ローラーモールド用基材及びパターン転写方法 Download PDF

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Abstract

【課題】被転写体の透光性や被転写体の形状を問わず、光を用いたインプリントを行う際、所定のパターンを被転写体に忠実且つ容易に転写するローラーモールド、ローラーモールド用基材及びパターン転写方法を提供する。
【解決手段】回転軸方向に沿う外周部の主表面に所定のパターンが形成されているインプリント用のローラーモールドであって、前記ローラーモールドの内部又は外部から照射される光を前記外周部に対して透過させることにより、前記ローラーモールドの内部から前記所定のパターンの主表面へと前記光を照射自在とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、ローラーモールド、ローラーモールド用基材及びパターン転写方法に関し、特にインプリントに用いられるローラーモールド及びその製造に用いられるローラーモールド用基材並びにそれらを用いたパターン転写方法に関する。
過去、機械や電子回路はミクロンオーダーの加工がなされており、この機械や電子回路が光を扱う場合、加工精度の関係上、ミクロンオーダーでしかその光を制御できなかった。そのため、自ずとセンサ等の感度においては限界が生じていた。
これに対し、ステッパと呼ばれる装置において、紫外線レーザーや極紫外線光源可視光より短い波長の光や電子線を用いることにより、ミクロンオーダーから数10nmのナノオーダーの加工が可能になった。
その一方で、ミクロンオーダーの加工ですら、パターンを形成するのに相当の時間を要する。そのため、ナノオーダーの微細加工では更に要する時間が増加する。しかも、紫外線レーザーや極紫外線光源を用いる場合、装置も大掛かりになり、コストも増大する。また、電子線で露光・現像して微細加工を行う手法は逐次加工であり、作業効率が下がってしまう。
他方、通常の微細なパターン転写として、通常光を用いてガラス板上に形成されたマスクパターンを露光により転写する手法、すなわちフォトリソグラフィー法が従来の手法として存在する。しかしながら、フォトリソグラフィーを用いても、加工精度は光の解像度に依存することになり、ナノオーダーの凹凸パターンを形成する際には限界がある。
この問題に対し、近年、凹凸パターンが形成されたモールドを用いて、被転写材に凹凸パターンを判子のように転写する方法であるナノインプリント技術に注目が集まっている。このナノインプリント技術により、数10nmレベルという微細構造を安価に再現性良くしかも大量に作製できる。
なお、インプリント技術は大きく分けて2種類あり、熱インプリントと光インプリントとがある。熱インプリントは、凹凸パターンが形成されたモールドを被成形材料である熱可塑性樹脂に加熱しながら押し付け、その後で被成形材料を冷却・離型し、凹凸パターンを転写する方法である。また、光インプリントは、凹凸パターンが形成されたモールドを被成形材料である光硬化性樹脂に押し付けて紫外光を照射し、その後で被成形材料を離型し、凹凸パターンを転写する方法である。
どちらのインプリント法を用いるにしても、より細かいパターンを、より大きな被成形材料上に転写することが必要となる。これを行うために用いられる方式としては、モールドと被成形材料とを一度にプレスする一括転写方式や、平板モールドを使用して上記のインプリント法を繰り返し行って最終的に大面積の基板に凹凸パターンを転写するステップ&リピート方式などが挙げられる。
その一方で、ローラー表面にあらかじめ凹凸パターンを設けたローラーをモールドとして用い、このローラーで被転写材を加熱しながらローラーに荷重を加え、そしてこのローラーを回転させ、ローラー表面のパターンを被転写材に順次転写するローラーモールド方法がある(例えば特許文献1および2参照)。
この方法だと、ローラーの繰り返し回転によって切れ目なく連続して被転写材にパターン転写することができる。そのためこの方法は、長さが数m以上もあるような被転写材へのパターン転写に対して有効な方法である。
更に、このローラーモールド方法では、一括転写やステップ&リピート方式の場合の面接触と異なり、モールドと被転写材との接触が線接触となる。そのため、型と基板との平行調整やヒータの温度制御がしやすくなるという利点がある。また、線接触で荷重を成型基板に与えることになるので、少ない荷重で被転写材への押圧を行うことができる。
また、このローラーモールド方法を用いた技術のうち、光インプリントとしては、特許文献3に記載の技術が知られている。具体的に言うと、図7に示すように、所定の凹凸パターンを有するローラーモールド101と転写支持ロール109との間に感光性樹脂積層体を挟み、感光性樹脂積層体をローラーモールド101に押し付け、転写支持ロール109にて搬送しつつ、その後、離型する。特許文献3においては、感光性樹脂積層体をローラーモールド101に押し付けたと同時ではなく、離型後に、感光性樹脂積層体において所定の凹凸パターンが転写された面に対し、ローラーモールド101の外部から直接、活性光線照射装置を用いて紫外線を露光して、感光性樹脂を硬化させている。なお、特許文献3には、実施例において、ローラーモールド101の材料としてシリコン及びニッケル(Ni)が挙げられている。
また、このローラーモールド方法を用いた技術のうち、熱インプリントとしては、特許文献3の実施例4に記載の技術が知られている。具体的に言うと、所定の凹凸パターンを有するローラーモールド101をシート上の樹脂に押し付ける。このとき、ローラーモールド101下にシート保持部材を配置し、転写時に熱を加えることにより、シート状樹脂(熱可塑性樹脂)を軟らかくしている。そして、ローラーモールド101を離型・冷却することにより、モールドパターンをシートに連続的に転写している。
なお、特許文献4には、熱インプリントと同様に、光インプリント(ただしローラーモールドではなく平板状のモールドを用いた場合)についても記載されている。具体的には、特許文献4の実施例1において、紫外線硬化樹脂が塗布された基板に対し、平板状のモールドを押圧し、照明系から紫外光を露光する技術が記載されている。なお、この際のモールドの材料として石英が挙げられている。
特開2005−5284号公報 特開2008−73902号公報 特開2010−287829号公報 特開2010−67796号公報
従来のローラーモールド方法において、光インプリントを用いる場合、まず、1)ローラーモールド101に形成された所定の凹凸パターンを被転写体200(の被転写レジスト202)に押圧し、2)その後、搬送される被転写体200の被転写レジスト202に対して露光を行うという2段階のプロセスを経ていた。
しかしながらこの方法だと、露光に用いる光の波長に対する被転写体200の透光性が良好でない(例えば被転写基体201が不透明フィルム等)ならば、被転写体200に対する露光装置の配置に制限が加わることになる(以降、透光性が良好でないことを「不透明である」とも言う)。つまり、被転写基体201が不透明な場合、被転写体200における、凹凸パターンが直接押圧された部分(即ち被転写レジスト202)に露光を行わなければならず、被転写体200の凹凸パターンが直接押圧された部分の裏面側(即ち図7でいうところの被転写基体201側)から露光を行うことができない。そうなると、図7の場合、被転写体200から見て転写支持ロール109側(図7の下側)ではなく、ローラーモールド101側(図7の上側)に光源105を配置しなければならない。
一方、仮に被転写基体201の透光性が良好ならば、転写支持ロール109側に光源105を配置することができ、省スペースを図れる。
ところが今度は、被転写体200の形状に制限が加わることになる。
つまり、図7の場合、ローラーモールド101に被転写体200を押圧した後、フィルム状の被転写体200を巻き取るために、ローラーモールド101に沿った曲面形状から、水平面状に一旦変形させることになる。そうすると、折角ローラーモールド101の凹凸パターンを忠実に被転写体200に押圧しても、水平面状に変形させることにより、上記変形による凹凸パターンのしなり又は撓みが発生してしまうおそれがある。このおそれを有するまま、露光を行うと、ローラーモールド101の凹凸パターンを忠実に被転写体200に転写できなくなるおそれがある。
一方、図8のように、フィルム状の代わりに板状の被転写体200を用い、ローラーモールド101を回転させて凹凸パターンの転写を進行させる場合についても考えられる。しかしながらこの場合であっても、被転写体200(即ち被転写基体201)の透光性が問題となる。
つまり、この被転写体200が不透明である場合(例えば被転写体200が反射板や反射防止板等である場合)、光源105をローラーモールド101の後方(即ちローラーモールド101から見て被転写体200の搬送方向における下流側)に配置する必要がある。そのため、凹凸パターンを押圧して間もなく露光を行うことができず、被転写体200の凹凸パターンが変形するおそれは存在するままである。
そのため、ローラーモールド101の外部に光源105を配置し、しかもローラーモールド101側(上側)に光源105を配置した上で、ローラーモールド101と被転写体200との接触部分へと狙って露光を行う必要がある。そうなると、光源105を含むパターン転写装置において複雑な構成が必要となるし、露光の効率も著しく悪化してしまうおそれがある。
以上の通り、従来のローラーモールド方法だと、被転写体200の透光性や形状によって、光源105を移動させるための機構を複雑化しなければならなかったり、そもそもローラーモールド101の凹凸パターンを転写できなかったりする場合がある。上記の問題点を実際に解決したローラーモールド101については、未だ開示されていない。
本発明の目的は、被転写体の透光性や形状を問わず、光を用いたインプリントを行う際、所定のパターンを被転写体に忠実且つ容易に転写できるローラーモールド、そのローラーモールド用の基材及びパターン転写方法を提供することにある。
本発明者は、光インプリントにおける光源105をどこに配置するかについて検討した。その際、被転写体200に押圧された凹凸パターンが形状を維持した状態で露光を行うにはどうすれば良いかについて検討した。つまり、被転写体200にローラーモールド101の凹凸パターンを押圧した直後に露光を行うにはどうすれば良いかについて考慮に入れ、光源105の配置について検討を行った。
この検討の末、本発明者は、後述の図2(b)(c)に示すように、ローラーモールド101において凹凸パターンが形成された外周部103を、光源105からの光を透過自在な構成とすることを想到した。この構成ならば、ローラーモールド101の凹凸パターンを被転写体200に押圧した直後に、ローラーモールド101の内側から光を照射できる構成となる。つまり、ローラーモールド101において、「転写すべきパターンを有する部分」と「光が照射される部分」とを同一とし、且つ、「転写すべきパターンを押圧するタイミング」と「光が照射されるタイミング」とをほぼ同時としている。
その結果、ローラーモールド101でありながら、「転写」と「露光」を同一箇所に対してほぼ同時に行うことができる。しかもこのローラーモールド101を用いると、被転写体200が不透明であっても、また板状であっても、光源105の配置場所には制限が加えられることなく、押圧直後に効率よく露光を行うことができる。
以上の知見を元にして、本発明者は、上述の課題が解決可能となる手段を想到した。
この知見に基づいて成された本発明の態様は、以下の通りである。
本発明の第1の態様は、
回転軸方向に沿う外周部の主表面に所定のパターンが形成されているインプリント用のローラーモールドであって、
前記ローラーモールドの内部又は外部から照射される光を前記外周部に対して透過させることにより、前記ローラーモールドの内部から前記所定のパターンの主表面へと前記光を照射自在とすることを特徴とするローラーモールドである。
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載の態様であって、
前記ローラーモールドは中空を有する円筒形構造であり、前記ローラーモールドの内部に前記光の光源を収容自在とすることを特徴とする。
本発明の第3の態様は、第2の態様に記載の態様であって、
前記ローラーモールドは石英からなり、前記ローラーモールド自体を削って前記所定のパターンが形成されたことを特徴とする。
本発明の第4の態様は、第1ないし3のいずれかに記載のローラーモールドを製造するための基材であり、回転軸方向に沿う外周部を有する基材であって、前記ローラーモールドの内部から前記外周部の主表面へと前記光を照射自在な程度の透光性を有する平坦化層が前記外周部の主表面に形成されていることを特徴とするローラーモールド用基材である。
本発明の第5の態様は、
回転軸方向に沿う外周部の主表面に所定のパターンが形成されているインプリント用のローラーモールドを用いたパターン転写方法であって、
前記所定のパターンをインプリントにより被転写体へと転写する際、前記被転写体を前記外周部の主表面に押圧する押圧工程と、
前記押圧工程後、前記ローラーモールドの内部又は外部から照射される光を前記外周部に対して透過させることにより、前記ローラーモールドの内部から前記被転写体へと前記光を照射して、前記被転写体を硬化させる硬化工程と、
を有することを特徴とするパターン転写方法である。
本発明によれば、被転写体の透光性や被転写体の形状を問わず、光を用いたインプリントを行う際、所定のパターンを被転写体に忠実且つ容易に転写できる。
本実施形態におけるパターン転写装置を示す断面概略図である。 本実施形態におけるローラーモールドの概略図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のA−A’部分を正面から見た断面図、(c)は(a)のB−B’部分を側面から見た断面図である。 本実施形態におけるパターン転写方法を示す断面概略図である。 本実施形態におけるローラーモールドの製造工程を概略的に示す断面概略図である。 別の実施形態におけるローラーモールドの製造工程を概略的に示す断面概略図である。 別の実施形態におけるパターン転写装置を示す断面概略図である。 従来におけるパターン転写装置を示す断面概略図である。 従来におけるパターン転写方法を示す断面概略図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
なお、[実施の形態1]では、円筒形構造を有する石英製のローラーモールド自体に凹凸パターンを形成する場合について述べる。
また、[実施の形態2]では、円筒形構造を有する石英製の基材に対し、凹凸パターンを有する層を別途形成しつつ、ローラーモールドの少なくとも外周部に良好な透光性を持たせる場合について述べる。
そして、[実施の形態3]では、各種変形例について述べる。
[実施の形態1]
本実施形態においては、次の順序で説明を行う。
1.ローラーモールドの構成
2.ローラーモールドの使用方法(パターン転写方法)
A)パターン転写装置の概要
B)被転写体の準備
C)押圧工程
D)硬化工程
3.ローラーモールドの製造方法
A)ローラーモールド用基材の準備
B)レジスト塗布工程
C)露光工程
D)現像工程
E)基材へのエッチング工程
F)洗浄・乾燥工程
4.実施の形態による効果
<1.ローラーモールドの構成>
本実施形態におけるローラーモールド101は、図2に示すように、インプリントに用いられる回転式のモールドである。なお、図2(a)はローラーモールド101の斜視図、図2(b)は(a)のA−A’部分を正面から見た断面図、(c)は(a)のB−B’部分を側面から見た断面図である。
このローラーモールド101は、回転軸Oが通過する2つの端部(102a及び102b、以降まとめて符号102を付す)と、この2つの端部102に挟まれた部分であって回転軸方向に沿う外周部103とを有している。そして、この外周部103の主表面に所定のパターンが形成されている。ここで言う所定のパターンとは、外周部103の主表面に形成された周期的な凹凸形状により構成されているパターンである。パターンにおける具体的なサイズや凹凸形状については[実施の形態3]で述べる。
更に、このローラーモールド101の2つの端部102には、回転軸Oに沿って回転補助部104が設けられている。これは、ローラーモールド101を回転させるためのローラーモールド回転用ロール111と接触する部分である。ローラーモールド回転用ロール111が回転することにより、その回転の動きが回転補助部104に伝わり、その結果、回転補助部104と一体になったローラーモールド101を回転させることができる。
本実施形態におけるローラーモールド101の材質についてであるが、本実施形態におけるローラーモールド101は石英からなる。石英ならば、露光に用いる光の波長に対して十分な透光性を有することが可能となる。その結果、ローラーモールド101内部又は外部に存在する光源105からの光を、外周部103に対して透過させた後、ローラーモールド101の内部から上記所定のパターンへと照射することが可能になる。
ローラーモールド101を石英から形成する場合、上記所定のパターンは、ローラーモールド101自体を削って凹凸を形成するのが好ましい。具体的に言うと、ローラーモールド101が石英であることを利用して、ローラーモールド101の外周部103の主表面である石英に対してエッチングを行い、ローラーモールド101自体に凹凸パターンを削り込むことが好ましい。
なぜなら、石英からなる基材1の外周部103の主表面にパターンを有するパターン層を別途設ける場合だと、基材1とパターン層との間の密着性を維持する必要がある。その一方、ローラーモールド101自体に凹凸パターンを削り込むことにより、そもそもパターン層を形成する必要がなくなる。そのため、基材1からパターン層が乖離することに起因する欠陥をそもそも発生させないようにすることができる。
また、本実施形態におけるローラーモールド101は、中空を有する円筒形構造となっている。この中空により、ローラーモールド101の内部に光源105を収容自在としている。そして、図2(b)(c)に示すように、回転軸Oに位置する部分に光源支持部106を設け、実際にローラーモールド101の内部に光源105を配置し、ローラーモールド101が回転する間に露光を行うことにより、ローラーモールド101の凹凸パターンを被転写体200に押圧した直後に、ローラーモールド101の内側から光を照射できる。更に、光源105をローラーモールド101の内部に収容できることから、光源105のためのスペースをわざわざ用意しなくとも済み、パターンを転写する際に省スペース化を図ることが可能となる。
なお、このローラーモールド101における光源支持部106の構成の関係としては、凹凸パターンを被転写体200に押圧した直後に露光できる構成であれば良い。一例を挙げると、光源支持部106がローラーモールド101を貫通するように構成され、ローラーモールド101が回転している間、光源支持部106は固定されている構成が挙げられる。その結果、光源支持部106に固定された光源105は、被転写体200に凹凸パターンが押圧された直後を狙い、安定して露光を行うことができる。
なお、場合によっては、図1の符号α及びβ部分に露光を行うよう、光源支持部106ひいては光源105を回転移動させた後、ローラーモールド101を回転させてパターン転写を行っても良い。更に、ローラーモールド101を回転させている最中、α部分からβ部分、β部分からα部分へと、光源支持部106を半回転させる機構を有していても良い。
<2.ローラーモールドの使用方法(パターン転写方法)>
次に、本実施形態におけるローラーモールド101を用いてパターン転写を行う方法について述べる。
A)パターン転写装置の概要
まず、本実施形態におけるパターン転写には、図1に記載の構造を有するパターン転写装置を用いる。
本実施形態におけるパターン転写装置においては、ローラーモールド101から見て被転写体200の搬送方向における上流より、被転写体供給ロール107、被転写体支持ロール108、外周部103の主表面に凹凸(凹凸パターン)を有するローラーモールド101、転写支持ロール109、被転写体巻き取りロール110で構成されている。
なお、光源105は、円筒形であるローラーモールド101の内部に収容されている。
ここで、ローラーモールド101と転写支持ロール109とは、それぞれの外周面が対向するように設置され、ローラーモールド101の外周面と転写支持ロール109の外周面との間で被転写体200を挟圧できるように構成されている。また、上記挟圧と同時ないし直後の被転写体200に対して、ローラーモールド101の内側から外周部103を介して光を照射できるように、上記光源105は、ローラーモールド101の内部に設置されている。更に、本装置は全体をチャンバーで囲い気密性を保持することが可能であり、外部からチャンバー内に不活性ガスを充填できる構成となっている。
B)被転写体の準備
被転写体200としては被転写基体201上に被転写レジスト202を設けていれば、公知のものを用いて良い。また、被転写基体201としては、公知のウエハ及び基板やフィルム基材であっても良く、材質や形状によっては限定されない。更には、透明性についても限定されない。
また、被転写レジスト202としては、公知の感光性レジストを用いても良いし、光源105からの露光に起因してレジストパターン5’(後述の図4(c))を形成できるものであるのならば他の種類のレジストを用いても良い。
本実施形態においては、プラスチックフィルムからなる被転写基体201の上に、被転写レジスト202として紫外線硬化性フォトレジストを塗布したドライフィルムを用いる。
C)押圧工程
上記の構成を有するパターン転写装置を用いて、本工程を行う。即ち、被転写体200における感光性の被転写レジスト202が存在する面がローラーモールド101の外周部103における凹凸パターンの部分と対向するように、被転写体供給ロール107及び被転写体巻き取りロール110に被転写体200を設置する。その際に、転写支持ロール109とローラーモールド101との間、及び被転写体支持ロール108とローラーモールド101との間を、被転写体200が通過するように設置する。そのように設置を行った上で、チャンバーを閉じた状態で外部から不活性ガスを導入する。
しばらく時間が経過したのち、所定の酸素濃度以下に達した状態で、上流の被転写体供給ロール107により、被転写体200が被転写体支持ロール108へ送られる。その後、被転写体支持ロール108を通り、被転写体200の被転写レジスト202が転写支持ロール109により適切な荷重でローラーモールド101へと押し付けられる。このようにして、ローラーモールド101の外周部103の主表面における凹凸パターンに被転写体200を押圧する。
なお、本実施形態においては、少なくとも、ローラーモールド101及び被転写体200に対する押圧に必須なロールをまとめて「押圧手段」と言う。
D)硬化工程
上記の押圧工程後、ローラーモールド101の内部又は外部から照射される光を外周部103に対して透過させることにより、ローラーモールド101の内部から被転写体200上の被転写レジスト202へと光を照射して、所定の凹凸パターンを有した被転写レジスト202を硬化させる。
図3に示すように、上記のローラーモールド101を用いた上で、上記の硬化工程を行うことにより、ローラーモールド101の凹凸パターンを被転写体200に押圧した直後に、ローラーモールド101の内側から光を照射することができる。つまり、ローラーモールド101において「転写すべきパターンを有する部分」と「光が照射される部分」とを同一とし、ローラーモールド101でありながら、「転写」と「露光」を同一箇所に対してほぼ同時に行うことができる。しかもこの特徴は、被転写体200が不透明であっても、或いは板状であっても、失われることがない。更には、光源105の配置場所には制限が加えられることなく、押圧直後に効率よく露光を行うことができる。
なお、本実施形態においては、少なくとも上記の外周部103を有するローラーモールド101と光源105とを「硬化手段」と言う。
なお、本明細書における「透光性」とは、「ローラーモールド101の外周部103に対して露光に用いる光を透過させたときの光を通す度合い」のことを言う。そしてこの度合いは、ローラーモールド101の外周部103と接触している被転写体200(の被転写レジスト202)をローラーモールド101の内部からの光で硬化できる程度のものであれば本実施形態の効果を奏することができる。更に言えば、上記の透光性を有する程度に、ローラーモールド101の外周部103を透明にしておけば良い。
また、被転写体200において露光するタイミングであるが、外周部103の凹凸パターンが被転写レジスト202と接触した瞬間に露光を行うよう、図1の符号αの部分に対して露光を行っても良い。逆に、外周部103の凹凸パターンが被転写レジスト202と離型する瞬間に露光を行うよう、図1の符号βの部分に対して露光を行っても良い。
本工程を終えた後の被転写体200は、最下流の被転写体巻き取りロール110で巻き取られる。
以上の工程により、ローラーモールド101の外周部103の主表面の凹凸パターンを被転写体200に転写することができる。
<3.ローラーモールドの製造方法>
以下、本実施形態におけるローラーモールド101の製造方法について、図4を用いて述べる。
A)ローラーモールド用基材の準備
本実施形態におけるローラーモールド101を形成するためにまず、物質的には形成されていない回転軸O、この回転軸Oが通過する2つの端部102、回転軸方向に沿う外周部103、を有する、円筒形構造を有するローラーモールド用基材1(以降、単に「基材1」とも言う。)を用意する(図4(a))。
なお、このローラーモールド101を製造するための基材1の材質としては上述の通り、本実施形態においては石英とする。
B)レジスト塗布工程
上記の基材1の外周部103の主表面に対し、レジスト層5を形成する(図4(b))。このレジスト層の形成においては公知の方法を用いて良い。
なお、本実施形態におけるレジスト層5は、組成傾斜させた酸化タングステン(WOx)からなる無機レジスト層とする。このレジスト層5は、青色レーザー光を露光すると熱変化によって状態変化するポジ型の感熱材料であり、解像度向上という点から好ましい。更に、WOxレジスト層(以降、単に「レジスト層5」とも言う。)は、その後のエッチング工程に適するものであることからも、本実施形態における使用が好ましい。
C)露光工程
上記のレジスト層5に対し、青色レーザー描画装置を用いて凹凸パターンを描画し、露光する。この露光においては、公知の方法を用いて良い。
D)現像工程
その後、露光済みのレジスト層5を有する基材1に対して現像を行うことにより、所望の凹凸パターンを有するレジストパターン5’が得られる(図4(c))。
E)基材1へのエッチング工程
上述のようにレジスト層5に凹凸パターンを施した後、このレジスト層5をエッチングマスクとして、石英からなる基材1に対してエッチング加工を行う。このエッチング加工は、石英に対する従来のエッチング方法を用いればよい。例えば、フッ素系ガスによるドライエッチングやフッ酸によるウェットエッチングが挙げられる。
このエッチング加工により、所望の凹凸パターンを有する基材1(レジストパターン5’付き)が得られる(図4(d))。
F)洗浄・乾燥工程
この基材1に対し、純水洗浄、イソプロパノールによる蒸気乾燥を行ってレジスト層5を除去する。これにより、外周部103に所望の凹凸パターンが転写されたローラーモールド101を作製することができる(図4(e))。
<4.実施の形態による効果>
本実施形態によれば、以下の効果を奏する。即ち、ローラーモールド方法であることを活かして、ローラーの繰り返し回転によって切れ目なく連続して被転写材にパターン転写することができる。その際、型と基板との平行調整やヒータの温度制御がしやすくなるという利点がある。また、線接触で荷重を成型基板に与えることにあるので、少ない荷重で被転写材への押圧を行うことも可能となる。
更に、被転写体200が不透明だとしても、被転写体200における、凹凸パターンが直接押圧された部分に対し、押圧とほぼ同時に露光を行うことができる。つまり、上記部分の裏面側から露光を行うまでもなく、ローラーモールド101の内部から上記部分に対して露光を行うことができる。しかもこれは、光源105をローラーモールド101の内部に配置していればもちろん可能だし、光源105を外部に配置している場合でも、ローラーモールド101の外周部103に対して光を透過させ、結果としてローラーモールド101の内部から上記部分に対して露光を行うことも可能である。
その結果、ローラーモールド101の凹凸パターンを忠実に被転写体200に押圧するのと同時ないし直後に露光を行うことになる。そのため、例え露光後に被転写物を変形させたとしても、パターン転写装置を複雑化させることなく、凹凸パターンのしなりや撓みが発生してしまうおそれを抑制することができ、ローラーモールド101の凹凸パターンを忠実且つ容易に被転写体200に転写することができる。
しかも上記の効果は、被転写体200が不透明である以外にも、被転写体200の形状がフィルム状であろうが板状であろうが、得ることができる。
その結果、従来のローラーモールド方法だと、被転写体200の透光性や形状によって、光源105を移動させるための機構を複雑化しなければならなかったり、そもそもローラーモールド101の凹凸パターンを転写できなかったりする場合があったが、本実施形態によれば、被転写体200の透光性や形状を問わず、光を用いたインプリントを行う際、所定のパターンを被転写体200に忠実且つ容易に転写できる。
[実施の形態2]
実施の形態1では、円筒形構造を有する石英からなるローラーモールド101自体に凹凸パターンを形成する場合について述べた。一方、本実施形態においては、円筒形構造を有する石英製の基材1に対し、凹凸パターンを有する層を別途形成しつつ、ローラーモールド101全体に良好な透光性を持たせる場合について述べる。
実施の形態1との違いであるが、具体的に言うと、<3.ローラーモールドの製造方法>に「平坦化剤塗布工程」「パターン層形成工程」が加わることになる。その結果、本実施形態における<3.ローラーモールドの製造方法>は以下のようになる。
A)ローラーモールド用基材の準備
B)平坦化剤塗布工程
C)パターン層形成工程
D)レジスト塗布工程
E)露光工程
F)現像工程
G)パターン層へのエッチング工程
H)洗浄・乾燥工程
以下、B)平坦化剤塗布工程、C)パターン層形成工程、及びG)パターン層へのエッチング工程について、図5を用いて重点的に説明する。なお、実施の形態1と重複する部分については省略し、更には同じ符号を使用する。
B)平坦化剤塗布工程
本実施形態において本工程を行う理由は、以下の通りである。
まず、インプリントによる凹凸パターン転写を行うためには、そもそも、ローラーモールド101に凹凸パターンが設けられている必要がある。この凹凸パターンをローラーモールド101に形成するための手段としては、青色レーザーや電子ビーム(EB)などによるパターン層への直接描画や、レジストに対する凹凸パターンの描画・現像後にパターン層へのエッチング処理を行う等の手段が用いられている。
この凹凸パターンの描画を行う際には、通常、基材1表面に焦点を合わせた後にレーザー照射を行う。ところが、基材1主表面に傷が存在する場合、すなわち基材1主表面の平坦度が低い場合、平坦でない基材1表面に焦点を合わせることになる。その場合、凹凸パターンの描画を行う際に、凹凸パターンの形状再現性が低下するおそれがある。
確かに、通常、描画装置にはオートフォーカス機能が搭載されており、ナノオーダーの傷ならばフォーカスエラーを起こしにくい。しかしながら、ミクロンオーダーの傷になると、オートフォーカス機能を用いたとしてもフォーカスエラーが生ずるおそれがある。このフォーカスエラーのせいで、描画装置に記憶された凹凸パターンをローラーモールド101上に精度良く再現することができなくなるおそれがある。
その結果、ローラーモールド101に用いられる基材1においては、ミクロンオーダーの傷が凹凸パターンの再現性に大きな影響を与えるおそれがある。
そのため、本実施形態においては、従来のように基材1の表面に直接に凹凸パターンを有する層を形成するのではなく、平坦化剤により基材1表面が平坦化された平坦化剤からなる層を基材1の外周部103の主表面に形成する(図5(b))。以降、この層を平坦化層2とも言う。
なお、この平坦化剤としては、従来使用される液体状の平坦化膜化剤が挙げられるが、具体的にはポリシラザン、メチルシロキサン、金属アルコキシドなどが挙げられる。また、良好な平坦性を維持できるのならば、平坦化層2を構成する物質として上記の物質のみを用いてもよいし、上記に例示した物質を混合したものを用いても構わない。ローラーモールド101の少なくとも外周部103に透光性を備えさせるために、ローラーモールド101の内部から外周部103の主表面へと光を照射自在な程度の透光性を有する材料を選択するのが好ましい。
また、この平坦化剤の塗布方法であるが、一例として以下の方法が挙げられる。即ち、回転軸Oを水平にした状態で基材1を保持し、基材1下方に平坦化剤入り容器を用意する。その後、基材1を下方に降ろし、上記基材1の外周面の一部と平坦化剤とを接触させる。そして、基材1の一部を平坦化剤に浸漬させる。
ここでは、平坦化剤に対して、基材1を回転軸方向に対して平行に接触させるのが好ましい。平行に接触させることにより、基材1における浸漬部分において、左右両側モールド端面の間で塗布の程度に差異が生じることを防止することができる。その結果、平坦化剤の塗布にムラを生じさせないことになる。
このように、平坦化剤と基材1とを上記回転軸方向に対して平行に接触させた状態で、上記基材1を複数のローラーモールド回転用ロール111により回転させて、上記外周部103に上記平坦化剤を塗布する。このときの回転速度および回転数は、平坦化剤を基材1に十分塗布することができるように設定する。
C)パターン層形成工程〜F)現像工程
本実施形態においては、上述のように塗布された平坦化剤からなる平坦化層2の上に、密着層3、パターン層4、レジスト層5をこの順に積層する(図5(c))。
まず、平坦化層2の上に設けられる密着層3についてであるが、これは、パターン層4と、平坦化層2ひいては基材1とを接着させるためのものである。密着層3として用いられるものならばどのような物質でもよいが、好ましくはアモルファスシリコン層である。なお、平坦化層2上にパターン層4を形成する際に良好に接着することができるならば、密着層3を設けなくともよい。本実施形態においては、平坦化層2の上に密着層3を設けた場合について説明する。
そして、密着層3の上に設けられるパターン層4についてであるが、本実施形態においては、パターン層4が透光性を有する層であることが好ましく、透明ないし半透明の層であることが好ましい。
ここで挙げたパターン層4としては、酸化クロム層(CrOx)、窒化クロム層(CrNx)、アモルファスカーボン層など、又はこれらの組み合わせ等が具体的に挙げられる。ただし、これらの層の厚さは、これらの層にパターンを形成した後、ローラーモールド101の外周部103において透光性を有する程度の厚さにする必要がある。透光性という点を考慮すると、CrOxを用いれば、ある程度の層厚を有していてもローラーモールド101の外周部103において透光性を有することができるので好ましい。
その後、実施の形態1と同様、組成傾斜させたWOxからなる無機レジスト層5を成膜する。その後、レジスト層5に対して青色レーザーによる露光を行い、所定のパターン形状に描画を行う。
その後、描画済みのレジスト層5を有する基材1に対して現像を行うことにより、図5(d)に示すように、凹凸からなる所望のレジストパターン5’が得られる。
G)パターン層へのエッチング工程
上述のようにレジストパターン5’を形成した後、このレジストパターン5’をエッチングマスクとして、パターン層4に対してエッチング加工を行う。これにより、基材1の外周部103の主表面にパターン4’を別途形成することができる。なお、パターン層4に対するエッチング加工は公知の方法を用いれば良い。例えば、パターン層4がCrOxやCrNxの場合は塩素ガス及び酸素ガスを用いたドライエッチングが挙げられる。
このエッチング加工により、図5(e)に示すように、所望の凹凸パターンを有するパターン4’を外周部103の主表面に備えた基材1が得られる。なお、このとき、パターン4’上にはレジストパターン5’が残存している場合もある。
このレジストパターン5’付き基材1に対し、アルカリ洗浄、イソプロパノールによる蒸気乾燥を行ってレジストパターン5’を除去する。これにより、図5(f)に示すように、所望の凹凸パターンを有するパターン4’を外周部103に別途備えたローラーモールド101を作製することができる。
[実施の形態3]
本発明の技術的範囲は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、発明の構成要件やその組み合わせによって得られる特定の効果を導き出せる範囲において、種々の変更や改良を加えた形態も含む。
以下、上記の内容以外の変形例について列挙する。
(ローラーモールドの透光性)
実施の形態1及び2では、基材1に石英を用いたため、ローラーモールド101の外周部103だけではなく端部102も透光性を有していた。その一方、端部102の透光性が良好でなくとも、少なくとも外周部103の透光性が良好ならば良い。光源105をローラーモールド101の内部に配置するにせよ、外部に配置して外周部103に対して光を透過させたのちに被転写体200を露光するにせよ、凹凸パターンを有する部分(即ち外周部103)の主表面を露光することができれば良い。言いかえれば、上記の露光を行うことができ、C)押圧工程〜D)硬化工程を経て正常な凹凸パターンを得ることができるのならば、端部102の透光性が不透明であることに加え、外周部103が半透明であっても良い。なお、同様のことが実施の形態2の平坦化層2についても言え、平坦化層2は半透明であっても良い。
(基材の材質)
それに関連して、基材1の材質について言うと、石英以外であっても、ローラーモールド101の内部から被転写体200を露光することができる程度の透明性を有するものを用いても良い。例を挙げるとすると、円筒形の透明樹脂を用意し、その外周部103に凹凸パターンを設けても良い。また、石英以外の無機物を用いても良い。
(ローラーモールドの形状)
また、ローラーモールド101の形状であるが、実施の形態1及び2のような円筒型以外であっても、円柱であっても良い。また、三角柱や四角柱のような多角形形状であってもよいが、円柱または円筒型の方が連続的かつ均一に被転写材に微細パターンを転写できるため、より好ましい。
(ローラーモールドの外部に光源を配置する場合)
ところで、円柱形(即ち中空が存在しない)ローラーモールド101の場合、ローラーモールド101内部に光源105を配置することができない。その場合であっても、図6に示すように、被転写体200の被転写レジスト202及び外周部103の凹凸パターンに、ローラーモールド101を挟んで対向した位置(図6で言うとローラーモールド101の上方)に光源105を設置すれば良い。
上述の通り、ローラーモールド101において少なくとも外周部103は透光性を有している。そのため、例えローラーモールド101の外部に光源105が配置されていたとしても、「転写」と「露光」を同一箇所に対してほぼ同時に行うことができる。できる。しかもこの特徴は、実施の形態1及び2と同様に、被転写体200が不透明であっても、また板状であっても、失われることがない。
(レジスト層及び被転写レジスト)
本実施形態におけるレジスト層は、エネルギービームを照射して露光したときに反応性を有するものであれば良く、光に対して硬化するといったような直接的な反応性を有するレジストを用いても良いし、上記の実施の形態1のようにレーザー光を露光することにより熱反応させるレジストを用いても良い。具体的には、現像剤による現像処理を行う必要のあるレジストであれば良く、紫外線、X線、電子線、イオンビーム、プロトンビーム等に感度を持つレジストであっても良い。もちろん、ポジ型レジストを用いても良いし、ネガ型レジストを用いても良い。
一方、本実施形態における被転写レジスト202も同様に、エネルギービームを照射して露光したときに反応性を有するものであれば良い。
(その他の層)
なお、ローラーモールド101の外周部103において一定の透光性を維持できるという条件付きではあるが、基板とレジスト層の間に、実施の形態2で述べた以外の層を設けても良い。この別の層としては、導電層や酸化防止層を含むハードマスク、及び密着層3等が挙げられる。なお、ここでいう「ハードマスク」とは、単一又は複数の層からなり、基板上への溝のエッチングに用いられる層状のもののことを指すものとする。なお、ハードマスクにおける酸化防止層は、導電層を兼ねても良い。その場合、導電層は省略可能である。
(ワーキングレプリカ)
また、実施の形態1及び2においては、原盤となるローラーモールド101を作製する例について挙げた。これ以外でも、原盤となるローラーモールド101の凹凸パターンをフィルム状の被転写体200に転写し、その被転写体200を別の基材1に巻きつけ、ワーキングレプリカを作製しても良い。更には、レジスト層が形成された基材1にこの被転写体200を接触させて凹凸パターンを転写することにより、ワーキングレプリカを形成しても良い。このワーキングレプリカが変形・破損したとしても、原盤となるローラーモールド101が無事ならば、ワーキングレプリカを精度よく作製することができる。
(エッチング方法)
また、実施の形態1におけるE)基板へのエッチング工程においてはドライエッチングを用いたが、ウェットエッチングを行っても良いし、エッチング工程を複数設けた場合、そのうち一部のみをウェットエッチングとしても良い。また、パターンサイズがミクロンオーダーである場合など、ミクロンオーダー段階ではウェットエッチングを行い、ナノオーダー段階ではドライエッチングを行うというように、パターンサイズに応じてウェットエッチングを導入しても良い。
(パターンの形状)
なお、本実施形態の凹凸パターンの形状としては、任意のものを使用することができる。たとえば、信号をビットパターン(ドットパターン)として記録する磁気メディア(Bit Patterned Media)を作製するための原盤を製造する場合、ドットの形状を矩形としても良いし、それ以外の形状であっても構わない。また、磁気ディスクのデータトラックを磁気的に分離して形成するディスクリートトラック型メディア(Discrete Track Recording Media)のように平面視で線状のパターンであっても良いし、線状と点状のパターンを混在させたものであっても良い。
更に、この凹凸パターンの具体的なオーダーであるが、ナノオーダーからマイクロオーダーまでの範囲のパターンであっても良いが、近年の電子機器の性能及び最終製品の性能という観点から見ると、数nm〜数100nmのナノオーダーの周期構造であれば、なお良い。
また、凹凸パターンの断面形状としては、1次元周期構造の場合、三角、台形、四角等が挙げられる。2次元周期構造の場合、微細突起の形状は、正確な円錐(母線が直線)や角錐(稜線が直線)のみならず、インプリント後の抜き取りを考慮して先細りとなっている限り、母線や稜線形状が曲線をなし、側面が外側に膨らんだ曲面であるものであってもよい。具体的な形状としては、釣り鐘、円錐、円錐台、円柱等が挙げられる。以降、この周期構造における周期をピッチともいい、微細突起頂点間の距離を示す。
また、成形性や耐破損性を考慮して、先端部を平坦にしたり、丸みをつけたりしてもよい。更に、この微細突起は一方向に対して連続的な微細突起を作製してもよい。
以下、本実施形態において好ましい形態を付記する。
[付記1]
前記ローラーモールドを製造するための基材であり、回転軸方向に沿う外周部を有する石英からなる基材であって、前記基材の外周部の主表面に平坦化層、酸化クロム層、及び酸化タングステン層がこの順番に形成されており、前記酸化クロム層に前記所定のパターンが形成された後の外周部は透光性を有していることを特徴とするローラーモールド用基材。
[付記2]
前記ローラーモールドは中空を有する円筒形構造であり、前記ローラーモールドの内部に前記光の光源を収容自在とすることを特徴とするパターン転写方法。
[付記3]
前記ローラーモールドは石英からなり、前記ローラーモールド自体を削って前記所定のパターンが形成されたことを特徴とするパターン転写方法。
[付記4]
回転軸方向に沿う外周部の主表面に所定のパターンが形成されているインプリント用のローラーモールドを用いたパターン転写装置であって、
前記所定のパターンをインプリントにより被転写体へと転写する際、前記被転写体を前記外周部の主表面に押圧する押圧手段と、
前記ローラーモールドの内部又は外部から照射される光を前記外周部に対して透過させることにより、前記ローラーモールドの内部から前記所定のパターンへと前記光を照射して、前記押圧手段により前記外周部の主表面に押圧された後の前記被転写体を硬化させる硬化手段と、
を有することを特徴とするパターン転写装置。
[付記5]
前記ローラーモールドは中空を有する円筒形構造であり、前記ローラーモールドの内部に前記光の光源を収容自在とすることを特徴とするパターン転写装置。
[付記6]
前記ローラーモールドは石英からなり、前記ローラーモールド自体を削って前記所定のパターンが形成されたことを特徴とするパターン転写装置。
101 ローラーモールド
102 端部
103 外周部
104 回転補助部
105 光源
106 光源支持部
107 被転写体供給ロール
108 被転写体支持ロール
109 転写支持ロール
110 被転写体巻き取りロール
111 ローラーモールド回転用ロール
200 被転写体
201 被転写基体
202 被転写レジスト
1 ローラーモールド用基材
2 平坦化層
3 密着層
4 パターン層
4’ パターン
5 レジスト層
5’ レジストパターン
O 回転軸

Claims (5)

  1. 回転軸方向に沿う外周部の主表面に所定のパターンが形成されているインプリント用のローラーモールドであって、
    前記ローラーモールドの内部又は外部から照射される光を前記外周部に対して透過させることにより、前記ローラーモールドの内部から前記所定のパターンの主表面へと前記光を照射自在とすることを特徴とするローラーモールド。
  2. 前記ローラーモールドは中空を有する円筒形構造であり、前記ローラーモールドの内部に前記光の光源を収容自在とすることを特徴とする請求項1に記載のローラーモールド。
  3. 前記ローラーモールドは石英からなり、前記ローラーモールド自体を削って前記所定のパターンが形成されたことを特徴とする請求項2に記載のローラーモールド。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載のローラーモールドを製造するための基材であり、回転軸方向に沿う外周部を有する基材であって、前記ローラーモールドの内部から前記外周部の主表面へと前記光を照射自在な程度の透光性を有する平坦化層が前記外周部の主表面に形成されていることを特徴とするローラーモールド用基材。
  5. 回転軸方向に沿う外周部の主表面に所定のパターンが形成されているインプリント用のローラーモールドを用いたパターン転写方法であって、
    前記所定のパターンをインプリントにより被転写体へと転写する際、前記被転写体を前記外周部の主表面に押圧する押圧工程と、
    前記押圧工程後、前記ローラーモールドの内部又は外部から照射される光を前記外周部に対して透過させることにより、前記ローラーモールドの内部から前記被転写体へと前記光を照射して、前記被転写体を硬化させる硬化工程と、
    を有することを特徴とするパターン転写方法。
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