JP2013032560A - 真空アーク式蒸発源およびこれを用いた真空アーク蒸着方法 - Google Patents

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▲き▼ 孫
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Abstract

【課題】 真空アーク蒸着法により、基材に付着するマクロパーティクルを抑制することの可能な真空アーク式蒸発源を提供する。
【解決手段】 真空アーク式蒸発源は、蒸発させる物質からなる棒状又は板状の陰極3と、該陰極の蒸発面の反対面に設けられるスペーサー部16と、該スペーサー部16が取り付けられるバッキングプレート10とを含み、前記スペーサー部16の軸方向に垂直な断面積が前記陰極の厚さ方向に垂直な断面積より小さくする。
【選択図】図1

Description

本発明は、真空アーク蒸着法によって陰極から発生し、膜を被覆する基材に付着するマクロパーティクルの発生を抑制する蒸発源及び蒸着法に関する。
近年、真空アーク蒸着法は、陽極と陰極の間にアーク放電を生じさせ、陰極材料を蒸発させて基材に蒸着するという成膜方法であり、プラズマ密度が高く、生産性に優れているという特徴をもち、切削工具、摺動部品等への利用が多くなっている。
しかし、アーク放電によってプラズマを発生させる際、イオンや電子以外にも、マクロパーティクルと呼ばれる数μmにも達する粒子が陰極から多量に発生し、これらの粒子が膜を被覆する基材に付着して、膜の剥離や膜特性を劣化させることが知られている。(例えば、特許文献1参照)
これら粒子による被膜の剥離や被膜特性の劣化を防止するため、磁気コイル等の磁石により、陰極と基体との間で偏向磁場を発生させ、前記粒子を除いたプラズマ流だけを偏向磁場に沿って膜を被覆する基材の方向に輸送して、基材への前記粒子の付着を防止する蒸着装置が磁気フィルタ法として、例えば、特許文献2等で提案されている。さらに、特許文献2ではプラズマ輸送経路に防着フィルタと電圧印加可能な電磁フィルタによって前記粒子を低減することが開示されている。
次に、従来の蒸発源を用いた真空アーク蒸着装置の一例の概略図を図5に示す。図中、1は真空チャンバ、2は真空チャンバ壁、3は陰極、4は基材ホルダー、5は基材、6はアーク電源、7はバイアス電源、8はアークプラズマである。
次に、本装置を用いて成膜を行う場合を例にとって説明する。
真空チャンバ1は図示しないターボ分子ポンプ、ロータリーポンプなどの排気系によって所定の真空度まで排気される。その後、チャンバ壁2に設けられた蒸発材料で構成される陰極3と真空チャンバ1との間に、アーク電源6によってアーク放電を開始させ、陰極3から蒸発材料を蒸発させ基材ホルダー4に載置された基材5に成膜を行う。通常、基材5が多数の場合、陰極3を真空チャンバ壁2の各チャンバ壁に複数個設けたり、また、一つのチャンバ壁に多段に設けたりし、基材ホルダー4は陰極に対して公転させるようにしている。なお、成膜時にはチャンバ壁2は水冷されている。
このとき、例えば、陰極材料をグラファイトとすると、陰極3から生ずる前記マクロパーティクルを含む、炭素イオンと電子によるプラズマ8が生じ、バイアス電源7から印加された負のバイアス電圧によって基材ホルダー4及び基材5に引き寄せられ、炭素イオンと基材ホルダー4に保持された基材5表面にマクロパーティクルを含むDLC(ダイアモンライクドカーボン)膜が形成される。
次に、図5に示す真空アーク蒸着装置の陰極が黒鉛(グラファイト)の場合の蒸発源についての一例を図6の概略図を用いて説明する。
本蒸発源は、陰極3、バッキングプレート10、フランジ11等から構成されている。
陰極3は棒状又は板状であり、板状のバッキングプレート10に嵌合または螺合されて、一体化され、図示しないOリング等のシール材を介して、嵌合または螺合してフランジ11のバッキングプレーとの取り付け部12に取り付けられている。このように取り付けられ一体化した陰極3、バッキングプレート10及びフランジ11は、真空壁2の穴部15からチャンバ1内に挿入され、フランジの鍔部13は電気絶縁性の真空シール材14を介して真空壁2に取り付けられ、アーク電源6によってフランジ11及びバッキングプレートを介して陰極3にアーク電圧が印加される。
バッキングプレート10は陰極の材質が黒鉛(グラファイト)等多孔質である場合は必要であるが、緻密な金属等であれば必要としない。
なお、特許文献2に開示されている磁気フィルタを用いる真空アーク蒸着装置でも、概ね蒸発源は図6に示した通りのものである。
また、図示しないが、バッキングプレート10とフランジ11の内部は、冷却のため、水冷されている。このため、上記したようにバッキングプレート10とフランジ11はOリング等でシールされている。
以上のような構成であるため、アーク放電による陰極3蒸発面上の熱がバッキングプレートを伝わって逃げるので、蒸発面の温度が上昇せず、熱電子の放出もそれだけ少なく、マクロパーティクルの発生に影響するアーク電流をより小さくするとアーク放電が安定維持できず、その結果マクロパーティクルの発生を抑制されないという問題があった。
特開平08−260132号公報 特開2002−25794号公報
本発明は、蒸発源の構造上から、上記陰極からのマクロパーティクルの発生を抑制するアーク式蒸発源を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、発明者らは前記マクロパーティクルの抑制にはアーク電流を小さくすればよいという知見から、アーク電流30A以下でも安定してアーク放電ができるアーク式蒸発源の発明に至った。
すなわち、本発明のアーク式蒸発源は、蒸発させる物質からなる棒状又は板状の陰極と、該陰極を保持するバッキングプレートと、前記陰極と前記バッキングプレートとを連結し、前記陰極の厚さ方向に垂直な断面積より小さい軸方向に垂直な断面積を有するスペーサー部と、を含むことを特徴としている。
また、陰極の熱を逃げ難くくし、熱電子の発生を多くするため、前記スペーサー部が前記陰極の物質より熱伝導率が小さい材質であることを特徴としている。
また、本発明は、前記陰極が前記スペーサー部を含む一体形状であることを特徴としている。
ことを特徴としている。
また、本発明は、前記フランジが前記スペーサー部を含む一体形状であることを特徴としている。
前記陰極が前記スペーサー部と前記バッキングプレートへの取り付け部とを含む一体形状であることを特徴としている。
また、アーク放電によって、陰極物質を蒸発させることによって成膜を行う真空アーク蒸着法において、前記陰極とそれを保持するバッキングプレートとの間に前記陰極の厚さ方向に垂直な断面積より小さい軸方向に垂直な断面積を有するスペーサー部を設け、アーク電流30A以下で成膜することを特徴としている。
本発明によると、アーク式蒸発源の陰極で発生した熱がバッキングプレートに伝わり難くなり、陰極の蒸発面が上昇するので熱電子の発生が多くなる。
その結果、低いアーク電流で、安定して動作させることが可能となるので、マクロパーティクルの陰極からの発生を抑制することができるアーク式蒸発源及び真空アーク蒸着法を提供することができる。
本発明の一の実施形態である蒸発源の一部を示す概略断面図である。 本発明の他の実施形態である蒸発源の一部を示す概略断面図である。 本発明のさらに他の実施形態である蒸発源の一部を示す概略断面図である。 本発明のさらに他の実施形態である蒸発源の一部を示す概略断面図である。 従来の真空アーク蒸着装置の一例の概略図である。 従来の真空アーク蒸着装置に使用される蒸発源の一例の概略断面図である。
本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。なお、本発明の実施形態を表す図中の符号は前記した従来の蒸発源の各部と同じ場合は同一の符号を用いている。
図1は本発明の一実施形態であるアーク式蒸発源の一部を示している。フランジ11は従来技術と同じようなものであるので、それを省略した図である。
陰極3は上記した従来のアーク式蒸発源のようにバッキングプレート10に直接取り付けるのではなく、棒状又は板状の陰極3の蒸発面17の反対面に設けられる棒状のスペーサー部16を介してバッキングプレート10に取り付けられている。なお、本実施形態では陰極3、スペーサー部16、バッキングプレート10は別体のものであり、スペーサー部は陰極3及びバッキングプレートに、例えば、螺合により取り付けられる。
そして、棒状のスペーサー部16の軸方向に垂直な断面積が前記陰極の厚さ方向に垂直な断面積より小さい。
また、スペーサー部の材質は導電性のものであればよく、陰極と同じ材質でも異なる材質であってもよいが、アークによる熱をよりバッキングプレートに伝わり難くするため、熱伝導率の小さい材質の方が特に望ましい。例えば、陰極がグラファイトであればSUS304等ステンレス鋼がよい。
図2は本発明の他の実施形態を示す。
陰極3が、スペーサー部16の軸方向に垂直な断面積が前記陰極の厚さ方向に垂直な断面積より小さい棒状のスペーサー部16を含む一体形状としている。
図3は本発明のさらに他の実施形態を示すが、バッキングプレート10をスペーサー部16の軸方向に垂直な断面積が前記陰極の厚さ方向に垂直な断面積より小さい棒状のスペーサー部16を含む一体形状としている。
さらに、図4は本発明の他の実施形態を示す。
陰極3をスペーサー部16の軸方向に垂直な断面積が前記陰極の厚さ方向に垂直な断面積より小さい棒状のスペーサー部16とバッキングプレート10への取り付け部とを含む一体形状としている。
なお、いずれの実施形態においても、スペーサー部16の長さはできる限り、長くした方が望ましい。アーク放電による熱が陰極3からバッキングプレート10に逃げ難くするからである。
また、陰極が大きい場合スペーサー部は複数箇所に設けてもよい。
以上の実施形態ではバッキングプレート10とフランジ11に別体に設けたが、それらを一体のものにしてもよい。
陰極3を上記した実施形態のように、スペーサーを介して取り付けることによって、陰極3の温度、特に表面温度が上昇し、アーク放電時に蒸発面17からより多くの熱電子が放出され、このため放電が安定化し、放電電流をより小さくしてもアーク放電を持続させることが可能になる。その結果、マクロパーティクルの発生を抑制することができる。
<実施例>
図1に示す実施形態の蒸発源を用いて、低アーク電流において、基材にDLC膜の成膜を行い、放電安定性と成膜後、陰極から発生するマクロパーティクルの大きさ及び数を表す指標と考えられる基材の成膜面の表面粗さ(平均表面粗さ:Ra)を測定した。
成膜条件は以下の通りである。
(1)陰極材料:黒鉛(グラファイト)
(2)陰極材料の大きさ:直径64mm×厚さ20mm
(3)スペーサー材質:SUS304
(4)スペーサーの大きさ:直径10mm×厚さ5mm
(5)基材:Siウエハ
(6)アーク放電条件
(a)チャンバ内圧:1×10-3 Pa以下
(b)処理ガス:なし
(c)アーク電流:20A、30A
(7)膜厚:250nm
なお、比較例として、図6に示した従来の蒸発源を用いて同一形状の陰極、同一アーク放電条件で成膜を行った。
表1にそれらの結果を示す。
Figure 2013032560
本発明の蒸発源を用いた場合、従来の蒸発源では出来なかったアーク電流20Aでのアーク放電が安定して持続し、またマクロパーティクルの増加によって生ずると考えられる表面粗さは小さくなっていることが明らかである。さらに、アーク電流30Aにおいても従来の蒸発源を用いた場合より表面粗さが小さくなっていることが分る。
なお、実施例では陰極材料として黒鉛(グラファイト)を用いたが、本発明の蒸発源の陰極材料として金属、合金に巾広く適用できることは勿論である。
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらはあくまで数例の実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
本発明は、真空アーク蒸着装置の蒸発源として、良好な密着性、耐摩耗性、摺動特性の必要な切削工具、摺動部品、金型等の成膜に利用できる。
1 真空チャンバ
2 真空チャンバ壁
3 陰極
4 基材ホルダー
5 基材
6 アーク電源
7 バイアス電源
8 アークプラズマ
10 バッキングプレート
11 フランジ
12 フランジのバッキングプレート取り付け部
13 フランジの鍔部
14 電気絶縁性の真空シール材
15 真空壁の穴部
16 スペーサー部
17 陰極の蒸発面
18 陰極のバッキングプレートへの取り付け部

Claims (6)

  1. 蒸発させる物質からなる棒状又は板状の陰極と、該陰極を保持するバッキングプレートと、前記陰極と前記バッキングプレートとを連結し、前記陰極の厚さ方向に垂直な断面積より小さい軸方向に垂直な断面積を有するスペーサー部と、を含む真空アーク式蒸発源。
  2. 前記スペーサー部が前記陰極の材質より熱伝導率が小さい材質である請求項1に記載の真空アーク式蒸発源。
  3. 前記陰極が前記スペーサー部を含む一体形状である請求項1に記載の真空アーク式蒸発源。
  4. 前記バッキングプレートがスペーサー部を含む一体形状である請求項1に記載のアーク式蒸発源。
  5. 前記陰極が前記スペーサー部とバッキングプレートへの取り付け部とを含む一体形状である請求項1に記載の真空アーク式蒸発源。
  6. アーク放電によって、陰極物質を蒸発させることによって成膜を行う真空アーク蒸着法において、前記陰極とそれを保持するバッキングプレートとの間に前記陰極の厚さ方向に垂直な断面積より小さい軸方向に垂直な断面積を有するスペーサー部を設け、アーク電流30A以下で成膜することを特徴とする真空アーク蒸着方法。











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