JP2013023103A - 車両用電源装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】低速走行中、かつエンジン停止中で、バッテリの開放時、または短絡時において、負荷への電力供給が可能な車両用電源装置の提供。
【解決手段】車両用電源装置119は正極端子121に第1スイッチ137を介してDC/DCコンバータ141、蓄電部149が接続される構成を有する。また、ブレーキ負荷端子125には車両のブレーキ負荷127が、第2スイッチ145を介したエンジン始動負荷端子129には車両のエンジン始動負荷131が接続される。制御回路157は車両が走行中にエンジンを停止している際に、バッテリ113の短絡、または開放を検出すると、第1スイッチ137をオフにし、バッテリ113の開放を検出した場合は、さらに第2スイッチ145をオンにして、蓄電部149の電力を放電するようにDC/DCコンバータ141を制御する。
【選択図】図4

Description

本発明は、走行時にエンジンを停止する車両における車両用電源装置に関するものである。
近年、車両の燃料消費低減のために、ハイブリッド車や、信号待ち等で停車した時にエンジンを停止するエコラン制御(アイドルストップ)を行う車両が普及している。
さらに、停車すると判断される時点から、エンジンを停止させる制御(減速時エコラン制御)を行う車両も提案されている。このような車両の機能ブロック図を図9に示す。
図9において、エンジン200の出力軸201はトルクコンバータ202に結合されている。トルクコンバータ202の出力は、無段変速機204の入力軸203に結合されている。無段変速機204には出力軸205が結合されている。また、エンジン200にはスロットル開度センサ210が設けられている。出力軸201にはエンジン回転数センサ212が設けられている。入力軸203にはトルクコンバータ202のタービン回転数センサ214が設けられている。出力軸205には出力回転数センサ216が設けられる。なお、出力回転数センサ216の出力回転数は、車速に対応している。
スロットル開度センサ210、エンジン回転数センサ212、タービン回転数センサ214、出力回転数センサ216は変速制御部220に接続される。変速制御部220は、これら各種センサからの信号に基づいて決定した変速比となるよう無段変速機204を制御する。
エコラン制御部230は、スロットル開度センサ210、エンジン回転数センサ212、出力回転数センサ216からの信号や、減速時エコラン制御に入るための条件に応じて、車両が運転されている場合でも、エンジン200を一時停止させる制御を行なう。減速時エコラン制御に入るための条件としては、例えば速度が時速10km程度の比較的低速であること、アクセルの踏み込み量が0であること、ブレーキが踏まれていること、バッテリの充電量が閾値より大きいこと等が挙げられる。このような制御をエコラン制御部230が行なうことで、燃料消費や大気汚染の低減が可能となる。
特開2011−7236号公報
上記した図9の車両によると、走行中にエンジン200を停止させるので、確かにその分の燃料消費低減を図ることができる。しかし、走行中でエンジン200を停止している際に、車両のバッテリが開放状態、または短絡状態となると、変速制御部220やエコラン制御部230を始めとする各種電装品負荷への電力供給が不十分となる可能性があるという課題があった。
また、エンジンを停止し、モータによる走行が可能なハイブリッド車の場合、モータ駆動用のバッテリが開放状態、または短絡状態となると、負荷であるモータへの電力供給が不十分となる可能性があるという課題があった。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、走行中、かつエンジン停止中で、バッテリの開放時、または短絡時において、負荷への電力供給が可能な車両用電源装置を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の車両用電源装置は、車両に搭載される第1直流電源と、前記第1直流電源とDC/DCコンバータを介して電気的に接続される、第2直流電源と第2直流電源スイッチの直列回路、ブレーキ負荷、および、エンジン始動負荷とエンジン始動負荷スイッチの直列回路と、前記DC/DCコンバータ、第2直流電源スイッチ、およびエンジン始動負荷スイッチと電気的に接続される制御回路と、を備え、前記制御回路は、前記車両が走行中にエンジンを停止している際に、前記第1直流電源、または前記第2直流電源のいずれかの短絡、または開放を検出すると、前記第1直流電源、または前記第2直流電源の内の正常な直流電源から前記ブレーキ負荷に電力を供給するように、前記DC/DCコンバータと前記第2直流電源スイッチを制御し、前記開放を検出した場合は、さらに前記エンジン始動負荷スイッチをオンにするようにしたものである。
また、本発明の車両用電源装置は、車両のバッテリに一端が電気的に接続される第1スイッチと、前記第1スイッチの他端に入出力端子を介して電気的に接続される充放電回路と、前記充放電回路の蓄電部端子に電気的に接続される蓄電部、および蓄電部電圧検出回路と、前記入出力端子に電気的に接続されるブレーキ負荷端子と、前記入出力端子に第2スイッチを介して電気的に接続されるエンジン始動負荷端子と、前記充放電回路、蓄電部電圧検出回路、第1スイッチ、および第2スイッチと電気的に接続されるとともに、データ端子とも電気的に接続される制御回路と、を備え、前記ブレーキ負荷端子は前記車両のブレーキ負荷に電気的に接続され、前記エンジン始動負荷端子は前記車両のエンジン始動負荷に電気的に接続され、前記データ端子は前記車両の車両用制御回路に電気的に接続され、前記制御回路は、前記車両用制御回路からのデータ信号(data)に基づき、前記車両の使用時に、前記第1スイッチをオンにして、前記蓄電部電圧検出回路で検出される蓄電部電圧(Vc)が、既定蓄電部電圧(Vck)に至るまで前記蓄電部を充電するよう前記充放電回路を制御し、前記車両がエンジンを駆動して走行する際に、前記第1スイッチをオンにするとともに、前記第2スイッチをオフにし、前記車両が走行中に前記エンジンを停止している際に、前記バッテリの短絡、または開放を検出すると、前記第1スイッチをオフにし、前記バッテリの開放を検出した場合は、さらに前記第2スイッチをオンにして、前記蓄電部の電力を放電するように前記充放電回路を制御するようにしたものである。
本発明の車両用電源装置によれば、走行中、かつエンジン停止中で、直流電源やバッテリの短絡、または開放を検出すると、車両のブレーキ負荷に、正常な直流電源や蓄電部から電力を供給するので、車両の制動を行うために十分な電力が得られるという効果を奏する。さらに、直流電源やバッテリの開放を検出した場合は、車両のエンジン始動負荷にも、正常な直流電源や蓄電部から電力を供給するので、エンジンを再始動するために十分な電力も得られるという効果を奏する。
本発明の実施の形態1における車両用電源装置のブロック回路図 本発明の実施の形態1における車両用電源装置の第1直流電源と第2直流電源の短絡、または開放検出時の動作を示すフローチャート 本発明の実施の形態2における車両用電源装置のブロック回路図 本発明の実施の形態3における車両用電源装置のブロック回路図 本発明の実施の形態3における車両用電源装置のバッテリの短絡、または開放検出時の動作を示すフローチャート 本発明の実施の形態4における車両用電源装置のブロック回路図 本発明の実施の形態5における車両用電源装置のブロック回路図 本発明の実施の形態5における車両用電源装置のバッテリの短絡、または開放検出時の動作を示すフローチャート 従来の車両の機能ブロック図
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における車両用電源装置のブロック回路図である。図2は、本発明の実施の形態1における車両用電源装置の第1直流電源と第2直流電源の短絡、または開放検出時の動作を示すフローチャートである。なお、図1において太線は電力系配線を、細線は信号系配線をそれぞれ示す。また、ここではモータのみで走行可能なハイブリッド車の車両用電源装置について述べる。また、アイドリングストップ中とは、車両の使用中であって、走行中、停車中に関わらずエンジンを停止する状態であると定義する。
図1において、車両用電源装置10は、車両に搭載される第1直流電源11と、第1直流電源11とDC/DCコンバータ13を介して電気的に接続される、第2直流電源15と第2直流電源スイッチ17の直列回路、ブレーキ負荷19、および、エンジン始動負荷21とエンジン始動負荷スイッチ23の直列回路と、を備える。さらに、車両用電源装置10は、DC/DCコンバータ13、第2直流電源スイッチ17、およびエンジン始動負荷スイッチ23と電気的に接続される制御回路25を備える。そして、制御回路25は、車両が走行中にエンジン(図示せず)を停止している際に、第1直流電源11、または第2直流電源15のいずれかの短絡、または開放を検出すると、第1直流電源11、または第2直流電源15の内の正常な直流電源からブレーキ負荷19に電力を供給するように、DC/DCコンバータ13と第2直流電源スイッチ17を制御する。そして、制御回路25は、前記開放を検出した場合、さらにエンジン始動負荷スイッチ23をオンにする。
これにより、走行中、かつエンジン停止中で、第1直流電源11や第2直流電源15の短絡、または開放を検出すると、車両のブレーキ負荷19に、正常な直流電源から電力を供給するので、車両の制動を行うために十分な電力が得られる。さらに、第1直流電源11や第2直流電源15の開放を検出した場合は、車両のエンジン始動負荷21にも、正常な直流電源から電力を供給するので、エンジンを再始動するために十分な電力も得られる。
以下、より具体的に本実施の形態1の構成、動作について説明する。
図1において、第1直流電源11は車両駆動用の大容量二次電池であり、具体的にはニッケル水素バッテリやリチウムイオンバッテリで構成される。なお、第1直流電源11の電力のみで車両を駆動できるように、第1直流電源11の電圧は200Vとしている。
第1直流電源11には、モータジェネレータ27が電気的に接続される。モータジェネレータ27は、モータ、および発電機の機能を備え、第1直流電源11の電力を消費してモータとして駆動することで車両を走行させるとともに、車両の制動時には、発電機として機能して回生電力を発電し、第1直流電源11を充電する。このような動作を繰り返すことで、制動時の回生電力を有効活用でき、省燃費化が図れる。なお、モータジェネレータ27には、第1直流電源11の充放電制御回路(図示せず)が内蔵されている。
また、第1直流電源11には第1電流センサ29が接続されている。第1電流センサ29は第1直流電源11に流れる第1電流I1を検出するためのものであり、具体的にはシャント抵抗器やホール素子等の電流検出器を適用することができる。なお、第1電流センサ29には車両駆動時や回生電力発生時に数100Aの大電流が流れるため、この大電流値を検出できる電流検出器を備える。また、第1直流電源11の開放を判断するために、後述するように、小電流(1A程度)を放電する動作を行う場合があるが、この際の小電流値も検出できるように、電流検出レンジの異なる電流検出器を備える。従って、第1電流センサ29は小電流用と大電流用の2種類の電流検出器を内蔵する構成としている。そして、第1電流センサ29は、大電流が流れている時は、大電流用の電流検出器の検出値を出力し、1A程度の小電流になると、小電流用の電流検出器の検出値を出力するように切り替える。これにより、第1電流センサ29は、小電流時も精度よく第1電流I1を検出できる。
また、第1直流電源11の充電と放電に応じて、第1電流I1は正負の値を有する。そこで、第1電流センサ29は、第1直流電源11の充電時に第1電流I1が正、放電時に第1電流I1が負の値を出力する構成としている。但し、充放電と第1電流I1の正負の関係は逆であってもよい。
第1直流電源11には、DC/DCコンバータ13が電力系配線で電気的に接続される。DC/DCコンバータ13は、200Vの高電圧な第1直流電源11と12Vの低電圧な第2直流電源15との間で電圧変換を行いつつ双方向に電力を供給する機能を有する。なお、本実施の形態1では、第1直流電源11と第2直流電源15との電圧差が大きいため、DC/DCコンバータ13は絶縁型の構成としている。
第1直流電源11には、DC/DCコンバータ13を介して、まず、第2直流電源15と第2直流電源スイッチ17との直列回路が電気的に接続される。第2直流電源15は、上記したように出力電圧(開放電圧)が12Vの鉛バッテリで構成される。また、第2直流電源スイッチ17は、第2直流電源15が短絡、または開放している場合に、第2直流電源15を電力系配線から切り離すためのものである。従って、第2直流電源15が正常な場合(通常時)は、第2直流電源スイッチ17はオンとなる。
第2直流電源スイッチ17は、外部からオンオフ制御が可能な構成を有し、本実施の形態1ではリレーを用いた。これは、リレーが大電流に対応しやすいことと、オフ時の漏れ電流がほとんどないことによる。なお、第2直流電源スイッチ17はリレーに限定されるものではなく、大電流に対応した半導体スイッチ素子(例えば電界効果トランジスタなど)を用いてもよい。
第2直流電源15には、第2電流センサ31が接続されている。第2電流センサ31は第2直流電源15に流れる第2電流I2を検出するためのものであり、第1電流センサ29と同様に、シャント抵抗器やホール素子等の電流検出器を適用できる。また、第2電流センサ31も第1電流センサ29と同様に、第2直流電源15の充電時に第2電流I2が正、放電時に第2電流I2が負の値を出力する構成を有する。
また、第1直流電源11には、DC/DCコンバータ13を介して、ブレーキ負荷19が電気的に接続される。ブレーキ負荷19は車両のブレーキ系統を制御するための負荷で、車両挙動制御等の機能も含む。
また、第1直流電源11には、DC/DCコンバータ13を介して、エンジン始動負荷21とエンジン始動負荷スイッチ23との直列回路が電気的に接続される。エンジン始動負荷21は車両のエンジン始動を制御するための負荷で、具体的には次のような制御を行なう。すなわち、本実施の形態1では車両がモータのみで走行可能なハイブリッド車であるので、エンジン始動負荷21は、第1直流電源11が正常で、車両がモータジェネレータ27のみで走行中に、クラッチ制御や燃料噴射制御等を行なってエンジン始動を行う。
エンジン始動負荷スイッチ23はエンジン始動負荷21への電力供給を制御するためのもので、外部からオンオフ制御が可能な構成であればよい。本実施の形態1では、第2直流電源スイッチ17と同様にリレーを用いたが、これは半導体スイッチ素子でもよい。なお、エンジン始動負荷スイッチ23は、第1直流電源11と第2直流電源15の両方が正常な通常時には、エンジン始動が必要な時のみオンになるように制御される。
また、第1直流電源11には、DC/DCコンバータ13を介して、負荷33が電気的に接続される。負荷33は車両に搭載される電装品である。なお、負荷33には、上記したブレーキ負荷19とエンジン始動負荷21は含まれない。
DC/DCコンバータ13、第2直流電源スイッチ17、およびエンジン始動負荷スイッチ23は、信号系配線で制御回路25と電気的に接続される。制御回路25はマイクロコンピュータとメモリ等の周辺回路で構成される。そして、DC/DCコンバータ13との間で制御信号contを送受信している。これにより、制御回路25はDC/DCコンバータ13に対し、その動作を制御信号contにより指示するとともに、DC/DCコンバータ13で検出した第1直流電源11側の電圧、第2直流電源15側の電圧、DC/DCコンバータ13に流れる電流等の各種情報を制御信号contにより読み込む。
また、制御回路25は、第2直流電源スイッチ17のオンオフ制御を、第2直流電源スイッチ信号SWbにより行う。同様に、制御回路25は、エンジン始動負荷スイッチ23のオンオフ制御を、エンジン始動負荷スイッチ信号SWfにより行う。
さらに、制御回路25は車両用制御回路35とも信号系配線で電気的に接続されている。車両用制御回路35は車両全体の制御を司るものであり、マイクロコンピュータとメモリ等の周辺回路で構成される。従って、車両用制御回路35には、第1電流センサ29、第2電流センサ31、ブレーキ負荷19、エンジン始動負荷21、モータジェネレータ27を始めとして、車両に搭載された各種機器(負荷33)と電気的に接続される。そして、第1電流I1と第2電流I2を含む各種信号を読み込むとともに、各種制御信号を出力する。なお、図1では本実施の形態1の説明で必要な信号系配線以外は省略している。また、車両用制御回路35は上記したように制御回路25と接続されるため、データ信号dataにより両者が様々な情報の送受信を行う。これにより、例えば車両用制御回路35が第1電流I1を積分することにより求めた第1直流電源11の充電状態SOC(State Of Charge)を制御回路25に知らせることができる。同様に、第2直流電源15の充電状態SOCも制御回路25に知らせることができる。
次に、このような車両用電源装置10の動作について説明する。
まず、通常の車両使用時における車両用電源装置10の動作を述べる。
車両を使用するために運転者がイグニションスイッチ(図示せず)をオンにすると、車両用制御回路35はイグニションスイッチがオンになった情報をデータ信号dataにより制御回路25に送信する。これを受け、制御回路25は第2直流電源スイッチ17をオンにするよう第2直流電源スイッチ信号SWbを出力する。その結果、第2直流電源スイッチ17がオンになる。
なお、車両の非使用時であっても、負荷33の中に暗電流を消費するものがある場合は、制御回路25は、第2直流電源スイッチ17をオンのままとするように制御してもよい。この場合、本実施の形態1では第2直流電源スイッチ17にリレーを用いているので、リレーによる電力消費を低減するために、ノーマリーオン型のリレーを第2直流電源スイッチ17として用いればよい。
また、本実施の形態1では、車両はモータのみで走行可能なハイブリッド車であるので、車両の走行開始はモータジェネレータ27により行われる。従って、イグニションスイッチがオンになった段階ではエンジンを始動する必要がないので、制御回路25はエンジン始動負荷スイッチ23をオフのままとする。
次に、運転者がアクセルペダルを踏むと、車両用制御回路35は第1直流電源11の電力でモータジェネレータ27を駆動して車両の走行を開始させる。その後、車両用制御回路35が検出している車速やアクセル開度、第1直流電源11の充電状態SOC等のデータがエンジンを始動する条件になれば、車両用制御回路35はエンジン始動の指示をデータ信号dataにより制御回路25に送信する。これを受け、制御回路25はエンジン始動負荷スイッチ23をオンにするように制御する。
その後、車両用制御回路35はエンジン始動負荷21に対してエンジンを始動するよう制御する。これにより、エンジンが始動される。なお、この際に車両は走行中であるので、エンジン始動負荷21はクラッチ(図示せず)を接続し、燃料噴射、および点火制御等を行なうことにより、エンジン始動が行われる。従って、本実施の形態1の車両は、一般の車両に搭載されるスタータが不要である。なお、上記したエンジン始動の動作は一例であり、これに限定されるものではない。
次に、エンジンの始動が完了し、車両がエンジンを駆動して走行すると、制御回路25はエンジン始動負荷スイッチ23をオフにするよう、エンジン始動負荷スイッチ信号SWfを出力する。これを受け、エンジン始動負荷スイッチ23がオフになる。
その後、エンジン始動負荷21は、エンジン駆動により車両が走行している間、使用されないので、制御回路25はエンジン始動負荷スイッチ23をオフのままとする。
なお、エンジン始動の完了状態と、車両のエンジンによる走行状態は、いずれも車両用制御回路35からのデータ信号dataにより制御回路25に送信される。これにより、制御回路25はエンジン始動の完了状態と、車両のエンジンによる走行状態を知ることができる。
ここで、車両の使用中に、制御回路25は、モータジェネレータ27の発電電力(回生電力を含む)や第1直流電源11の電力を、第2直流電源15、ブレーキ負荷19、および負荷33に供給するように、DC/DCコンバータ13を降圧制御する。これにより、第2直流電源15が充電されるとともに、ブレーキ負荷19や負荷33が動作する。
そして、モータジェネレータ27による車両の急加速時や、第1直流電源11の充電状態SOCが低下した場合等では、制御回路25はDC/DCコンバータ13の降圧動作を制限するか、または停止し、主に第2直流電源15の電力をブレーキ負荷19や負荷33に供給する。
このように、車両の走行状態や、第1直流電源11の充電状態SOC等に応じて、制御回路25はDC/DCコンバータ13の最適制御を行なう。
次に、車両が減速すると、車両用制御回路35はモータジェネレータ27が発電する回生電力を第1直流電源11に充電するように制御するとともに、DC/DCコンバータ13を動作させて第2直流電源15にも充電するように制御する。この時、同時にブレーキ負荷19や負荷33にも回生電力が供給される。このような動作により、回生電力の有効活用が図れる。
そして、回生電力を十分に回収できない程に車速が低下すると、車両用制御回路35は回生電力の回収を停止し、エンジンを止める。この際、車両用制御回路35はクラッチも開放する。その結果、エンジンのポンピングロスを低減させ、慣性走行による距離を延ばすように制御する。このように、走行中にエンジンを止めることによるアイドリングストップによって、さらなる省燃費化を図ることができる。
次に、車両が停止する。この場合、上記したように、既にエンジンは停止している。このように車両の停止中にエンジンを停止する状態もアイドリングストップ状態である。これにより、停車中においても省燃費化が図れる。なお、この場合も制御回路25は車両用制御回路35とのデータ信号dataの送受信により、第1直流電源11や第2直流電源15の充電状態SOCを求めて、アイドリングストップ中に負荷33に供給する最適な直流電源を選択する。具体的には、第1直流電源11の充電状態SOCが十分に高ければ、制御回路25はDC/DCコンバータ13を降圧動作させて、アイドリングストップ中の負荷33の消費電力を供給する。これにより、第2直流電源15の負担が軽減され、その寿命を延ばすことができる。一方、第1直流電源11の充電状態SOCが低ければ、制御回路25はDC/DCコンバータ13を停止させて、アイドリングストップ中の負荷33の消費電力を第2直流電源15から供給する。これにより、アイドリングストップ中における第1直流電源11の充電状態SOCの低下が抑制される。
その後、運転者によりアクセルペダルが踏み込まれると、再びモータジェネレータ27により車両の走行が開始される。
以上の動作を繰り返すことで、通常時の車両走行が行われる。
次に、車両の走行中にエンジンを停止するアイドリングストップ中の、第1直流電源11、または第2直流電源15のいずれかの開放、または短絡が発生した場合の動作について、図2を用いて説明する。なお、車両の停止時におけるアイドリングストップ中については、その間に第1直流電源11、または第2直流電源15のいずれかの開放、または短絡が発生しても、既に車両が停止しているので、車両停止に対する安全性は確保されている。従って、ここでは、走行中のアイドリングストップ時について説明する。
上記したように、車両がエンジンを始動せずに、モータジェネレータ27のみによって走行している場合、および減速時に慣性走行している場合のアイドリングストップ状態になれば、制御回路25は、この状態を車両用制御回路35からのデータ信号dataにより知る。これにより、制御回路25のマイクロコンピュータが実行するメインルーチン(図示せず)は、図2のフローチャートに示すサブルーチンを実行する。なお、図2のサブルーチンはメインルーチンから定期的に実行される。これにより、第1直流電源11や第2直流電源15の即時的な短絡や開放を判断し、対処することができる。また、図2のサブルーチンは、アイドリングストップ中で、第1直流電源11と第2直流電源15が正常な通常時に実行されるので、上記したように第2直流電源スイッチ17はオンに、エンジン始動負荷スイッチ23はオフになっている。
図2のサブルーチンが実行されると、制御回路25は、まず第1電流I1と第2電流I2を読み込む(ステップ番号S1)。具体的には、制御回路25は車両用制御回路35からデータ信号dataにより、両者の値を読み込む。
次に、制御回路25は第1電流I1の絶対値と第1既定上限電流Iu1とを比較する(S3)。ここで、第1既定上限電流Iu1とは、第1直流電源11から放電され得る最大電流に第1電流センサ29の検出誤差や車両用制御回路35の読み込み誤差等を考慮してマージンを持たせた値として予め定義される。ここでは、第1既定上限電流Iu1は、車両が最大加速を行った際に第1直流電源11から放電される電流にマージンを持たせた200Aと決定された。
もし、第1電流I1の絶対値が第1既定上限電流Iu1以上であれば(S3のYes)、第1直流電源11には過電流が流れているので、制御回路25は第1直流電源11が短絡していると判断する。この場合は、短絡の影響を第2直流電源15側に伝えないようにするために、直ちにDC/DCコンバータ13の動作を停止する(S5)。ここで、DC/DCコンバータ13は上記したように絶縁型であるので、その動作を停止することで、第1直流電源11と第2直流電源15側とを電気的に切り離すことができる。なお、上記したように図2のサブルーチンが実行される時、第2直流電源スイッチ17はオンであるので、DC/DCコンバータ13が停止しても、ブレーキ負荷19や負荷33へは第2直流電源15の電力が供給される。従って、ブレーキ負荷19は動作可能なので、運転者は車両を安全に停止させることができる。
その後、制御回路25は図2のサブルーチンを終了してメインルーチンに戻る。なお、S5でDC/DCコンバータ13の動作が止まると同時に、制御回路25は車両用制御回路35に、その事実を送信するので、車両用制御回路35は第1直流電源11が短絡したことを運転者に警告する。
一方、第1電流I1の絶対値が第1既定上限電流Iu1未満であれば(S3のNo)、制御回路25は第1直流電源11が短絡していないと判断する。次に、制御回路25は、第2直流電源15の短絡を以下のようにして判断する。
まず、第2電流I2の絶対値と第2既定上限電流Iu2とを比較する(S7)。ここで、第2既定上限電流Iu2とは、第2直流電源15から放電され得る最大電流に第2電流センサ31の検出誤差や車両用制御回路35の読み込み誤差等を考慮してマージンを持たせた値として予め定義される。ここでは、車両に大電流を消費する電動パワーステアリングが搭載されているものとして、第2既定上限電流Iu2は、電動パワーステアリング、ブレーキ負荷19や各種の負荷33を使用した際に第2直流電源15から放電されるピーク電流にマージンを持たせた100Aと決定された。
もし、第2電流I2の絶対値が第2既定上限電流Iu2以上であれば(S7のYes)、第2直流電源15には過電流が流れているので、制御回路25は第2直流電源15が短絡していると判断する。この場合は、短絡の影響をブレーキ負荷19や負荷33等に伝えないようにするために、制御回路25は直ちに第2直流電源スイッチ17をオフにするよう第2直流電源スイッチ信号SWbを出力する(S9)。これを受け、第2直流電源スイッチ17はオフになる。
その後、制御回路25は、直ちにDC/DCコンバータ13を起動するように制御信号contを出力する(S11)。これを受け、DC/DCコンバータ13は、第1直流電源11の電力をブレーキ負荷19や負荷33に供給するように動作する。その結果、ブレーキ負荷19の動作が可能となるので、運転者は車両を安全に停止させることができる。
なお、上記したように第1直流電源11の充電状態SOCが高ければ、図2のサブルーチンを実行する際に、既にDC/DCコンバータ13が動作している場合がある。このときは、S11の動作は実質的には何もしないことと等価になる。しかし、DC/DCコンバータ13の動作状態に関わらず、S11の時点でDC/DCコンバータ13を動作させるために、図2のS11に示す動作としている。
その後、制御回路25は図2のサブルーチンを終了してメインルーチンに戻る。なお、S9で第2直流電源スイッチ17がオフになると同時に、制御回路25は車両用制御回路35に、その事実を送信するので、車両用制御回路35は第2直流電源15が短絡したことを運転者に警告する。
一方、第2電流I2の絶対値が第2既定上限電流Iu2未満であれば(S7のNo)、制御回路25は第2直流電源15が短絡していないと判断する。ここまでの動作で、第1直流電源11と第2直流電源15の短絡を優先して判断している。これにより、制御回路25は、過電流が流れることによる発熱等の影響がある短絡発生時の対応を早期に行うことが可能となる。
次に、制御回路25は第1電流I1と第1既定下限電流Ik1とを比較する(S13)。ここで、第1既定下限電流Ik1は次のようにして決定される。
上記したように、第1電流センサ29は大電流が流れている時は、大電流用の電流検出器の検出値を出力し、1A程度の小電流になると、小電流用の電流検出器の検出値を出力するように切り替える。ここで、車両がエンジンを停止して、モータジェネレータ27のみで走行しているアイドリングストップ状態では、第1直流電源11から大電流が流れる。従って、第1電流センサ29は第1電流I1として大電流値を出力する。この場合は、第1直流電源11が開放状態ではないことが容易にわかる。
一方、車両が慣性走行しているときのアイドリングストップ状態では、上記したように、第1直流電源11の充電状態SOCが大きければ、制御回路25はDC/DCコンバータ13を降圧動作させて、アイドリングストップ中の負荷33の消費電力を供給する。また、第1直流電源11の充電状態SOCが低ければ、制御回路25はDC/DCコンバータ13を停止させて、アイドリングストップ中の負荷33の消費電力を第2直流電源15から供給する。
従って、車両が慣性走行しているときのアイドリングストップ状態では、第1直流電源11から放電される電力は多くても負荷33を駆動する程度である。この時の第1電流I1は小電流となる。さらに、DC/DCコンバータ13が停止している場合は、第1直流電源11から電流が放電されないので、第1電流I1は0Aとなる。従って、単純に第1電流センサ29の出力が小電流値であったからといって、第1直流電源11が開放していると判断することはできない。
このようなことから、本実施の形態1では、まず、モータジェネレータ27のみによる車両駆動で、第1直流電源11から大電流が放電されているか否かを判断している。その判断基準となるものが、第1既定下限電流Ik1である。すなわち、第1電流センサ29から出力される第1電流I1が、大電流領域に属するものであれば、モータジェネレータ27のみによる車両駆動が行われていると判断できる。
そこで、本実施の形態1では、第1電流センサ29の大電流用と小電流用の電流検出器の検出値を切り替える電流値(1A)以上を大電流領域と定義し、上記した電流検出器の検出値を切り替える電流値を第1既定下限電流Ik1と定義する。
ここで、S13に戻り、制御回路25は、第1電流I1の絶対値が第1既定下限電流Ik1(=1A)以下であれば(S13のYes)、第1直流電源11が負荷33等へ僅かに第1電流I1を流している状態か、第1電流I1を流していない状態か、または開放状態のいずれかであると判断する。
そこで、制御回路25は、第1直流電源11が開放状態であるか否かを判断するために、第1直流電源11を第1既定電流Idkで放電するようにDC/DCコンバータ13を制御する(S15)。ここで、第1既定電流Idkは、第1電流センサ29の小電流用の電流検出器で精度よく検出できるように、0.5Aと決定される。
なお、第1既定電流Idkは0.5Aに限定されるものではなく、第1電流センサ29の小電流用の電流検出器で検出できる電流値であれば他の値でもよい。しかし、第1既定電流Idkが大きいと、第1直流電源11からの不要な放電が増える。また、第1既定電流Idkが小さいと、第1電流センサ29の小電流用の電流検出器における検出精度が低下する。従って、第1直流電源11や第1電流センサ29の仕様等に応じて、適宜、必要十分な最適値を第1既定電流Idkとして決定すればよい。
S15の動作により、DC/DCコンバータ13は、第1電流I1が第1既定電流Idk(1A)となるように、第1直流電源11を放電し、ブレーキ負荷19、負荷33、および第2直流電源15に供給される。この際に、第1直流電源11の電圧は上記したように200Vであり、第1電流I1が0.5Aになるように制御すると、100W(=200V×0.5A)の電力がブレーキ負荷19、負荷33、および第2直流電源15に供給されることになる。この際、ブレーキ負荷19と負荷33の消費電力、および第2直流電源15の充電電力の合計が100W以上であれば、DC/DCコンバータ13は第1電流I1が0.5Aになるように制御することができるが、100W未満であれば、第1電流I1を0.5Aになるように制御することができない。
そこで、制御回路25はS15の時点で車両用制御回路35からブレーキ負荷19や負荷33の使用状況をデータ信号dataで入手する。そして、合計の消費電力が100W未満である場合は、確実に100W以上の電力を消費できるように、制御回路25は、負荷33の内で消費電力の大きい負荷(例えばリアウインドウデフォッガ)をオンにするように、車両用制御回路35へデータ信号dataを送信する。これにより、S15において、第1直流電源11から第1既定電流Idkを放電することができる。
なお、上記した動作は、合計消費電力が100W未満の可能性がある場合に行えばよく、常時、負荷33が100W以上の電力を消費する車両の場合は、上記した動作は不要である。
次に、制御回路25は、車両用制御回路35を介して、第1電流センサ29から出力される第1電流I1を読み込む(S17)。なお、S17の動作はS15において、DC/DCコンバータ13の動作が安定した後に読み込むようにしている。DC/DCコンバータ13の安定動作までの期間は予め求められて、メモリに記憶されている。
次に、制御回路25は、第1電流I1の絶対値と第1既定電流Idkとを比較する(S19)。もし、第1電流I1の絶対値と第1既定電流Idkとが、第1電流I1の検出誤差範囲内において、実質的に等しければ(S19のYes)、制御回路25は、第1直流電源11が開放状態ではないと判断する。そこで、制御回路25は、DC/DCコンバータ13を元の制御、すなわち、S15の直前の制御状態に戻す(S20)。S15の直前でDC/DCコンバータ13が停止していた場合は、制御回路25はS20でDC/DCコンバータ13を停止させる。S20の動作の際、S15において、負荷33の内で消費電力の大きい負荷をオンにしている場合は、制御回路25は、その負荷をオフにする動作も行う。その後、後述するS24へジャンプする。
一方、第1電流I1の絶対値と第1既定電流Idkとが実質的に等しくなければ(S19のNo)、本来流れなければならない第1電流I1が流れていないことになるので、制御回路25は第1直流電源11が開放状態であると判断する。この場合、制御回路25は直ちにDC/DCコンバータ13を停止する(S21)。この際、S15において、負荷33の内で消費電力の大きい負荷をオンにしている場合は、消費電力の大きい負荷へは第2直流電源15から電力が供給されるので、第2直流電源15の不要な放電を避けるために、制御回路25は、直ちにその負荷をオフにする動作も行う。
その後、制御回路25はエンジン始動負荷スイッチ23をオンにして(S23)、図2のサブルーチンを終了し、メインルーチンに戻る。これにより、エンジン始動負荷21に第2直流電源15の電力が供給される。また、S23の動作はデータ信号dataで車両用制御回路35に送信されるので、これを受け、車両用制御回路35はエンジン始動負荷21にエンジンを始動するよう指令する。これらの動作により、車両は走行中のアイドリングストップ状態であるので、その慣性走行を利用してエンジンの再始動を行う。そして、これ以降、車両用制御回路35は、エンジンのみにより車両を走行させ、アイドリングストップを禁止する。また、第1直流電源11の開放は車両用制御回路35により、運転者に警告される。
このような動作により、走行中のアイドリングストップ状態で第1直流電源11が開放した場合、車両はエンジンのみの走行を行うことができる。また、この際にブレーキ負荷19へも第2直流電源15の電力が供給される。従って、運転者は警告に従い、安全な場所まで自走した後、車両を停止させることができる。
なお、制御回路25はS21で、開放異常を発生した第1直流電源11を第2直流電源15側から切り離すために、DC/DCコンバータ13の動作を停止している。従って、エンジンを再始動してもモータジェネレータ27で発電される電力は第2直流電源15側には供給されない。よって、第2直流電源15はエンジンが始動していても充電されない状態となる。しかし、ここでは第1直流電源11の開放異常が発生しており、それを運転者に警告している。従って、第2直流電源15は、安全な場所まで自走してから停車するまでの電力を賄うのみであるので、モータジェネレータ27による充電が行われなくても十分である可能性が大きい。もし、第2直流電源15の充電状態SOCが低い場合は、車両用制御回路35が走行に必要な負荷33以外を全てオフにするようにしてもよい。
ここまでで述べたように、第1直流電源11の開放判断については、第1電流I1が第1既定下限電流Ik1以下の場合、制御回路25は、あえてDC/DCコンバータ13を動作させて、第1直流電源11の放電時の第1電流I1を検出するようにしている。この際、第1直流電源11の開放判断のために、あえて第1直流電源11を放電する期間は極めて短いので、第1直流電源11の充電状態SOCはほとんど変わらない。
ここで、図2のS13でNoの場合、または、S20の動作の後(いずれも第1直流電源11は正常であると判断されている)、制御回路25は、第2直流電源15側の電圧(以下、第2直流電源側電圧V2という)が既定電圧VdkになるようにDC/DCコンバータ13を制御する(S24)。ここで、既定電圧Vdkは、ブレーキ負荷19や負荷33が動作できる最低電圧にマージンを加えた値として予め決定される。本実施の形態1では、既定電圧Vdkを11Vとした。
このようにDC/DCコンバータ13を制御することで、第2直流電源15が開放異常を発生していても、既に正常と判断された第1直流電源11から既定電圧Vdk(=11V)がブレーキ負荷19や負荷33に印加されるので、S24の動作を行ってもブレーキ負荷19や負荷33がオフになることはない。
次に、制御回路25は、車両用制御回路35から、第2電流I2をデータ信号dataにより読み込む(S25)。そして、制御回路25は、第2電流I2が負であるか否かを判断する(S26)。ここで、S24において、DC/DCコンバータ13は第2直流電源側電圧V2が既定電圧Vdk(=11V)になるように制御しており、一方で第2直流電源15の開放電圧は12Vである。従って、第2直流電源15の開放電圧の方が既定電圧Vdkより高いので、第2直流電源側電圧V2が既定電圧Vdkになるように、DC/DCコンバータ13が制御することで、第2直流電源15は放電され、放電電流が流れる。
従って、もし、第2電流I2が負であれば(S26のYes)、放電電流が流れているので、第2直流電源15は開放状態ではないことになる。その結果、S26でYesまで動作が進んだということは、第1直流電源11と第2直流電源15の両方が正常であることになるので、制御回路25は、DC/DCコンバータ13を元の制御、すなわち、S24の直前の制御に戻す(S27)。この動作は上記したS20の動作と同じである。そして、制御回路25は図2のサブルーチンを終了してメインルーチンに戻る。
一方、第2電流I2が負でなければ(S26のNo)、放電電流が流れていないので、第2直流電源15は開放状態であると判断する。従って、制御回路25は、開放異常の状態にある第2直流電源15を電力系配線から切り離すために、第2直流電源スイッチ17をオフにする(S28)。この際、車両用制御回路35には制御回路25から第2直流電源15の開放異常が知らせられる。これにより、車両用制御回路35は運転者に第2直流電源15の異常を警告する。
次に、制御回路25は、S28の時点で正常であると判断された第1直流電源11の電力をブレーキ負荷19や負荷33へ供給するように、DC/DCコンバータ13を制御する。具体的には、制御回路25は、第2直流電源側電圧V2が定常電圧VdsになるようにDC/DCコンバータ13を制御する(S29)。ここで、定常電圧Vdsは、第1直流電源11から第2直流電源15側へ電力を供給する際の第2直流電源側電圧V2の定常値である。具体的には、定常電圧Vdsは、ブレーキ負荷19や負荷33等を十分に駆動でき、第2直流電源15が正常な場合は、その充電もできるという条件を満たす電圧で、本実施の形態1では14Vと決定した。なお、定常電圧Vdsは14Vに限定されるものではなく、上記した条件を満たすように適宜決定すればよい。
S29の動作により、第2直流電源15が開放状態であっても、ブレーキ負荷19や負荷33への電力供給を行うことができる。
その後、制御回路25はエンジン始動負荷スイッチ23をオンにする(S30)。これにより、エンジン始動負荷21へも第1直流電源11からの電力が供給される。なお、S30の動作の詳細はS23の動作と同じであるので、詳細な説明を省略する。S30の動作により、車両の慣性走行を利用してエンジンを再始動することができる。これは以下の理由による。
もし、第2直流電源15が開放状態のままで、アイドリングストップを継続すると、ブレーキ負荷19や負荷33への電力は第1直流電源11から供給され続ける。この際、ブレーキ負荷19や負荷33の合計消費電力が大きければ、第1直流電源11からの電力持ち出しが多くなる。その結果、第1直流電源11の負担が増加し、その寿命に影響する可能性がある。そこで、本実施の形態1では、制御回路25は、第2直流電源15が開放と判断されれば、エンジンを始動するようにしている。これにより、モータジェネレータ27は発電を開始することができる。従って、エンジン始動後は、ブレーキ負荷19や負荷33への電力がモータジェネレータ27から供給されるので、第1直流電源11の負担を軽減することができる。
このような動作により、第2直流電源15が開放異常となっても、ブレーキ負荷19への電力供給が確保されており、エンジンも再始動しているので、運転者は前記警告に従って、車両を安全な場所まで移動させて停車させることができる。
S30の後、制御回路25は図2のサブルーチンを終了してメインルーチンに戻る。
これまでに説明した図2の動作をまとめると、次のようになる。制御回路25は、車両が走行中にエンジンを停止している際に、第1直流電源11と第2直流電源15の短絡、または開放を判断する。そして、第1直流電源11、または第2直流電源15のいずれかの短絡、または開放を検出すると、制御回路25は第1直流電源11、または第2直流電源15の内の正常な直流電源からブレーキ負荷19に電力を供給するように、DC/DCコンバータ13と第2直流電源スイッチ17を制御する。これにより、車両の制動を行うために十分な電力が得られる。また、開放を検出した場合は、さらにエンジン始動負荷スイッチ23をオンにする。これにより、エンジンが再始動し、モータジェネレータ27からの電力がブレーキ負荷19や負荷33へ供給されるので、車両を安全な場所まで走行させて停止させることができる。
なお、図2において、S5、S11、S23、またはS30の動作を行ってサブルーチンを終了した場合は、第1直流電源11、または第2直流電源15のいずれかのが短絡、または開放の状態であるので、再度図2のサブルーチンを実行する必要はない。従って、制御回路25のメインルーチンは、S5、S11、S23、またはS30の動作を行って図2のサブルーチンを終了した場合、図2のサブルーチンの繰り返し実行を行わないように制御する。
以上の構成、動作により、第1直流電源11、または第2直流電源15のいずれかの短絡、または開放が発生しても、車両の制動を行うためのブレーキ負荷19に十分な電力を供給することが可能な車両用電源装置10が実現できる。さらに、第1直流電源11、または第2直流電源15のいずれかの開放が発生した場合は、エンジンを再始動するためのエンジン始動負荷21に十分な電力を供給することが可能な車両用電源装置10が実現できる。
なお、本実施の形態1の車両は、エンジンにスタータやオルタネータが付かない構成のハイブリッド車として説明したが、それに限定されるものではなく、エンジンにスタータやオルタネータが機械的に接続される構成のハイブリッド車であってもよい。この場合、車両発進時にモータジェネレータ27とエンジンの両方の動力によって車両が駆動される。このような構成の車両であっても、第1直流電源11、または第2直流電源15のいずれかの短絡、または開放が発生した際の動作については、本実施の形態1と同じである。従って、本実施の形態1と同じ効果が得られる。
また、本実施の形態1の車両は、ハイブリッド車であるとして説明したが、それに限定されるものではなく、2電源を有するアイドリングストップ車であってもよい。この場合、例えば2電源の一方がエンジン再始動時のスタータ駆動用で、もう一方がアイドリングストップ中の負荷への電力供給用として適用される。このような構成の車両であっても、2電源の内の一方を第1直流電源11、他方を第2直流電源15と定義付けると、第1直流電源11、または第2直流電源15のいずれかの短絡、または開放が発生した際の動作については、本実施の形態1と同じである。従って、本実施の形態1と同じ効果が得られる。なお、上記した2電源構成の場合、第1直流電源11と第2直流電源15は同じ種類の直流電源(例えば鉛バッテリ)であってもよいし、異なる種類(例えば第1直流電源11をリチウムイオンバッテリ、第2直流電源15を鉛バッテリ)としてもよい。さらに、第1直流電源11と第2直流電源15は蓄電可能な構成であれば、二次バッテリに限らず、大容量キャパシタ等の他の蓄電デバイスを用いてもよい。
また、本実施の形態1では、制御回路25と車両用制御回路35を別体構成として説明したが、これは一体構成としてもよい。この場合、本実施の形態1の効果に加えて、制御系の回路構成が簡単になるという効果も得られる。但し、一体構成は、マイクロコンピュータの規模が大きくなり、ソフトウエアも増加するので、開発効率との関係から、一体構成とするか別体構成とするかを適宜選択すればよい。
(実施の形態2)
図3は、本発明の実施の形態2における車両用電源装置のブロック回路図である。なお、図3において太線は電力系配線を、細線は信号系配線をそれぞれ示す。また、本実施の形態2における車両用電源装置の構成において、実施の形態1と同じ構成要素には同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
すなわち、本実施の形態2における特徴となる構成は次の通りである。まず、ブレーキ負荷19と並列に電動パワーステアリング負荷41が電気的に接続される。次に、車両にはエアバッグが搭載されており、エアバッグを制御するためのエアバッグ用制御回路43が車両用制御回路35と信号系配線で電気的に接続される。
また、本実施の形態2の上記構成において、特徴となる動作は、次の通りである。制御回路25は、車両に搭載されたエアバッグが動作すると、エンジン始動負荷スイッチ23をオフにする。
このような構成、動作により、制御回路25は、第1直流電源11、または第2直流電源15のいずれかの短絡、または開放を検出すると、第1直流電源11、または第2直流電源15の内の正常な直流電源から、ブレーキ負荷19に加え、電動パワーステアリング負荷41にも電力を供給する。従って、運転者は車両を操舵しながら制動することができ、より安全に車両を停止することが可能となる。
さらに、制御回路25は、第1直流電源11、または第2直流電源15のいずれかの開放を検出した場合、エンジン始動負荷スイッチ23をオンにして、エンジンの再始動を行うが、この際、エアバッグが動作していれば制御回路25は、エンジン始動負荷スイッチ23をオフにして、エンジン始動を禁止する。これにより、車両衝突時にエンジンの動作も禁止されるので、さらに安全性が高まる。
以下、より具体的に本実施の形態2の特徴となる構成、動作について図3を用いて説明する。
図3において、電動パワーステアリング負荷41はブレーキ負荷19と電力系配線で並列に接続される。さらに、電動パワーステアリング負荷41は信号系配線で車両用制御回路35とも電気的に接続される。従って、電動パワーステアリング負荷41は車両用制御回路35からの指令に基づいて、操舵補助を行う。
さらに、車両用制御回路35には、車両に搭載されるエアバッグの制御を行なうため、エアバッグ用制御回路43とも信号系配線で電気的に接続される。従って、車両用制御回路35はエアバッグ用制御回路43と交信することにより、エアバッグの動作状態を知ることができる。
次に、このような車両用電源装置10の動作について説明する。
車両の通常走行時の動作は実施の形態1と同じであるので、説明を省略する。また、図2のフローチャートに示す第1直流電源11と第2直流電源15の短絡、または開放検出時の動作も同じであるので、詳細な説明を省略する。
従って、図2のフローチャートに基づいて、制御回路25が第1直流電源11、または第2直流電源15の短絡、または開放を検出すると、正常な方の直流電源からブレーキ負荷19に電力を供給するように、DC/DCコンバータ13と第2直流電源スイッチ17を制御するが、この際、ブレーキ負荷19と並列に電動パワーステアリング負荷41が接続されている。その結果、ブレーキ負荷19と同様に電動パワーステアリング負荷41にも電力が供給される。
そして、実施の形態1で述べたように、第1直流電源11、または第2直流電源15の短絡、または開放を検出すると、制御回路25は、車両用制御回路35を介して短絡、または開放の異常を、運転者に警告する。これを受け、運転者は車両を停止するためにブレーキを操作するが、道路状況によっては路肩等の安全な場所へ操舵しつつ制動する場合がある。この際、電動パワーステアリング負荷41にも十分な電力が供給されるように、ブレーキ負荷19と並列に接続される。その結果、運転者は急にハンドルが重くなるなどの違和感なく、安全に車両を操舵、制動することができる。
なお、電動パワーステアリング負荷41は一般に低速時の操舵により多くの電力を消費する。従って、第1直流電源11と第2直流電源15の内の正常な方の直流電源の充電状態SOCが低ければ、ブレーキ負荷19や電動パワーステアリング負荷41へ十分な電力を供給できない可能性がある。そこで、本実施の形態2において、車両用制御回路35は制御回路25から第1直流電源11、または第2直流電源15の短絡、または開放を検出した情報をデータ信号dataにより受信すると、正常な方の直流電源の充電状態SOCが所定値以下であれば、負荷33の内、必要最低限以外のもの(例えばナビゲーションやオーディオ、エアコンなど)を全てオフにする。これにより、運転者が車両を安全に操舵、停止できる確度が上がる。
さらに、正常な方の直流電源の充電状態SOCが低く、電動パワーステアリング負荷41も十分に動作させられない場合は、車両用制御回路35は上記した必要最低限以外の負荷33に加え、電動パワーステアリング負荷41の動作も禁止するようにしてもよい。この場合、運転者は、操舵する際にハンドルが重く感じるものの、車両の停止やエンジン再始動を優先させるので、安全性が増す。
また、車両用制御回路35はエアバッグ用制御回路43から送られてくるエアバッグの動作信号を常に監視している。そして、制御回路25が、図2のサブルーチンを実行中に、車両用制御回路35がエアバッグの動作信号を受信すると、車両用制御回路35は直ちに制御回路25に対して、エアバッグ動作割り込み信号をデータ信号dataとして出力する。その結果、制御回路25はエアバッグ動作割り込み信号により、直ちにエンジン始動負荷スイッチ23をオフにするとともに、以後、エンジン始動負荷スイッチ23のオフを維持する。このような動作により、車両が衝突しているにもかかわらずエンジンを始動してしまう可能性を低減することができる。
なお、エンジン始動負荷スイッチ23をオフにし続ける方法としては、ハードウエアによる方法と、ソフトウエアによる方法がある。
前者の場合は、制御回路25がエアバッグ動作割り込み信号を受けると、直ちにエンジン始動負荷スイッチ信号SWfをオフにする電圧を印加し続ける回路(図示せず)を動作させる構成とする。これにより、エンジン始動負荷スイッチ信号SWfは常にオフレベルの電圧となるので、エンジン始動負荷スイッチ23をオフにし続けることができる。
後者の場合は、制御回路25がエアバッグ動作割り込み信号を受けると、制御回路25は直ちにエンジン始動負荷スイッチ23をオフにするようエンジン始動負荷スイッチ信号SWfを出力する。そして、制御回路25は、内蔵されたメモリの一部を用いたエアバッグ動作フラグを立てる。一方、図2のサブルーチンにおけるS23とS30の前で、エアバッグ動作フラグの状態を判断する動作を追加する。そして、エアバッグ動作フラグが立っていれば、制御回路25はS23やS30の動作を行わないように制御する。
なお、本実施の形態2では、高応答性が得られるハードウエアによる方法を用いている。従って、図2のサブルーチンは本実施の形態2においても、そのまま適用できる。但し、ハードウエアによる方法は、ハードウエアの追加が必要となるため、回路構成が複雑となる。従って、いずれの方法を用いるかは、ハードウエアの複雑さやマイクロコンピュータの仕様等に応じて、適宜選択すればよい。
以上の構成、動作により、ブレーキ負荷19と並列に電動パワーステアリング負荷41を接続したので、第1直流電源11、または第2直流電源15のいずれかの短絡、または開放が発生しても、運転者は車両を操舵しながら制動することで、より安全に車両を停止することができる。さらに、エアバッグが動作していれば制御回路25は、エンジン始動負荷スイッチ23をオフにして、エンジン始動を禁止するので、車両衝突時にエンジンの動作も禁止され、さらに安全性が高まる。従って、第1直流電源11、または第2直流電源15のいずれかの短絡、または開放が発生した場合も、さらに安全性を高めることが可能な車両用電源装置10を実現できる。
なお、本実施の形態2では、ブレーキ負荷19に電動パワーステアリング負荷41を並列接続する構成と、エアバッグ動作によりエンジン始動負荷スイッチ23をオフにする動作を両方同時に適用しているが、これは、いずれか一方のみでもよい。すなわち、電動パワーステアリング負荷41が搭載されない車両であれば、エアバッグ動作によりエンジン始動負荷スイッチ23をオフにする動作のみを実施の形態1の動作に付加すればよい。また、エアバッグが搭載されない車両であれば、電動パワーステアリング負荷41がブレーキ負荷19と並列接続される構成のみを実施の形態1の構成に付加すればよい。
(実施の形態3)
図4は、本発明の実施の形態3における車両用電源装置のブロック回路図である。図5は、本発明の実施の形態3における車両用電源装置のバッテリの短絡、または開放検出時の動作を示すフローチャートである。なお、図4において太線は電力系配線を、細線は信号系配線をそれぞれ示す。また、ここでは車両用電源装置を回生電力回収機能付きアイドリングストップ車両に適用した場合について述べる。
図4において、車両用電源装置119は、車両のバッテリ113に一端が電気的に接続される第1スイッチ137と、第1スイッチ137の他端に入出力端子143を介して電気的に接続される充放電回路(DC/DCコンバータ141)と、前記充放電回路の蓄電部端子147に電気的に接続される蓄電部149、および蓄電部電圧検出回路155と、入出力端子143に電気的に接続されるブレーキ負荷端子125と、入出力端子143に第2スイッチ145を介して電気的に接続されるエンジン始動負荷端子129と、を備える。さらに、車両用電源装置119は、前記充放電回路、蓄電部電圧検出回路155、第1スイッチ137、および第2スイッチ145と電気的に接続されるとともに、データ端子133とも電気的に接続される制御回路157と、を備える。そして、ブレーキ負荷端子125は車両のブレーキ負荷127に電気的に接続される。エンジン始動負荷端子129は車両のエンジン始動負荷131に電気的に接続される。データ端子133は車両の車両用制御回路135に電気的に接続される。そして、制御回路157は、車両用制御回路135からのデータ信号dataに基づき、車両の使用時に、第1スイッチ137をオンにして、蓄電部電圧検出回路155で検出される蓄電部電圧Vcが、既定蓄電部電圧Vckに至るまで蓄電部149を充電するよう前記充放電回路を制御する。車両がエンジンを駆動して走行する際に、制御回路157は、第1スイッチ137をオンにするとともに、第2スイッチ145をオフにする。車両が走行中に前記エンジンを停止している際に、制御回路157は、バッテリ113の短絡、または開放を検出すると、第1スイッチ137をオフにする。そして、バッテリ113の開放を検出した場合は、制御回路157は、さらに第2スイッチ145をオンにして、蓄電部149の電力を放電するように前記充放電回路を制御する。
これにより、走行中、かつエンジン停止中で、バッテリ113の短絡、または開放を検出すると、車両のブレーキ負荷127に、蓄電部149から電力を供給するので、車両の制動を行うために十分な電力が得られる。さらに、バッテリ113の開放を検出した場合は、車両のエンジン始動負荷131にも、蓄電部149から電力を供給するので、エンジンを再始動するために十分な電力も得られる。
以下、より具体的に本実施の形態3の構成、動作について説明する。
図4において、車両に搭載される発電機111は、図示しないエンジンにより電力を発生する。この発電機111にはバッテリ113と負荷115が電力系配線で電気的に接続されている。ここで、バッテリ113は鉛バッテリであり、負荷115は車両に搭載される電装品である。なお、負荷115には、後述するブレーキ負荷127とエンジン始動負荷131は含まれない。
バッテリ113には、バッテリ113に流れる電流Iを検出して出力する電流センサ117が接続されている。電流センサ117はシャント抵抗器を用いたものでもよいし、ホール素子を用いて磁気的に検出するものでもよい。
また、バッテリ113には、車両用電源装置119が電気的に接続される。具体的には、バッテリ113の正極が車両用電源装置119の正極端子121に電気的に接続されるとともに、バッテリ113の負極がグランドを経由して車両用電源装置119の負極端子123に電気的に接続される。
車両用電源装置119には、ブレーキ負荷端子125を介してブレーキ負荷127が電気的に接続される。なお、ブレーキ負荷127の負極はグランドに接続される。ブレーキ負荷127は車両のブレーキ系統を制御するための負荷で、車両挙動制御等の機能も含む。
また、車両用電源装置119には、エンジン始動負荷端子129を介してエンジン始動負荷131が電気的に接続される。なお、エンジン始動負荷131の負極もグランドに接続される。エンジン始動負荷131は車両のエンジン始動を制御するための負荷で、エンジン始動負荷131に含まれるスタータ(図示せず)によるエンジン始動に加え、走行中にエンジンを停止した状態から、エンジンを再始動する制御も行なう。
さらに、車両用電源装置119には、データ端子133を介して車両用制御回路135が信号系配線で電気的に接続される。車両用制御回路135は車両全体の制御を司るものであり、マイクロコンピュータとメモリ等の周辺回路で構成される。従って、車両用制御回路135には、電流センサ117、ブレーキ負荷127、エンジン始動負荷131を始めとして、車両に搭載された各種機器と電気的に接続される。そして、電流Iを含む各種信号を読み込むとともに、各種制御信号を出力する。なお、図4では本実施の形態3の説明で必要な信号系配線以外は省略している。また、車両用制御回路135は上記したように車両用電源装置119とも接続されるため、データ信号dataにより両者が様々な情報の送受信を行う。
次に、車両用電源装置119の詳細構成について説明する。
バッテリ113の正極には正極端子121を介して第1スイッチ137の一端が電気的に接続される。第1スイッチ137は外部からの信号によりオンオフが制御できる構成のもので、本実施の形態3では電界効果トランジスタ(以下、FETという)を用いた。但し、第1スイッチ137はFETに限定されるものではなく、例えばリレーであってもよい。
第1スイッチ137の両端にはダイオード139が電気的に接続される。なお、ダイオード139はアノードが正極端子121側になるように接続される。このダイオード139により、例えば修理等における車両用電源装置119の取り付け、取り外し時に、後述する蓄電部149からの予期しない電流の逆流を抑制する。ここで、第1スイッチ137はFETで構成されるので、本実施の形態3ではダイオード139をFETの寄生ダイオードとしている。
第1スイッチ137の他端には充放電回路であるDC/DCコンバータ141の入出力端子143が電気的に接続される。この入出力端子143には、ブレーキ負荷端子125が電気的に接続される。さらに、入出力端子143には、第2スイッチ145を介してエンジン始動負荷端子129が電気的に接続される。なお、第2スイッチ145は第1スイッチ137と同様に外部からの信号に応じてオンオフが制御できる構成のもので、本実施の形態3ではFETを用いた。
DC/DCコンバータ141は蓄電部端子147を備える。そして、蓄電部端子147には蓄電部149が電気的に接続される。なお、蓄電部149は車両の回生電力を蓄えるためのもので、本実施の形態3では急速充放電特性に優れる大容量の電気二重層キャパシタを用いた。これにより、急峻に発生する回生電力を十分に回収することができる。ここで、電気二重層キャパシタとしては、定格電圧2.5Vのものを用い、これを4個直列に接続することで蓄電部149を構成している。従って、蓄電部満充電電圧Vcmは10Vとなる。
なお、蓄電部149は電気二重層キャパシタによる構成に限定されるものではなく、回生電力を十分に回収できる充電受け入れ特性を持つものであれば、他の蓄電デバイス(例えば電気化学キャパシタやリチウムイオン二次バッテリ等)であってもよい。
なお、DC/DCコンバータ141は、電流検出回路(図示せず)を内蔵しており、蓄電部149の充放電時における過電流を監視している。すなわち、前記電流検出回路の出力が所定の電流値(過電流値よりマージン分低く設定された電流値)に至れば、その電流値になるように優先制御する機能を有する。これにより、DC/DCコンバータ141の過熱等の可能性を低減する。
以上の構成から、DC/DCコンバータ141は蓄電部149に回生電力を充電するとともに、蓄電部149に蓄えた回生電力を放電する機能を有する充放電回路として動作する。なお、充放電回路はDC/DCコンバータ141に限定されるものではなく、蓄電部149への回生電力充電機能と、蓄電部149からの蓄電電力(=回生電力)放電機能とを有していれば、どのような回路構成であってもよい。但し、充放電時の電圧、電流の制御特性(精度や制御の容易さ等)を考慮すると、本実施の形態3のDC/DCコンバータ141を充放電回路とする構成が望ましい。
なお、DC/DCコンバータ141のグランド端子151は車両のグランドと電気的に接続される。また、入出力端子143には、その電圧(以下、入出力電圧Vbという)を検出するための入出力電圧検出回路153が電気的に接続される。同様に、蓄電部端子147には、その電圧(以下、蓄電部電圧Vcという)を検出するための蓄電部電圧検出回路155が電気的に接続される。
充放電回路であるDC/DCコンバータ141、入出力電圧検出回路153、蓄電部電圧検出回路155、第1スイッチ137、および第2スイッチ145は、それぞれ信号系配線で制御回路157と電気的に接続されている。さらに、制御回路157はデータ端子133とも電気的に接続される。制御回路157は、マイクロコンピュータとメモリ等の周辺回路で構成される。このような構成により、制御回路157は入出力電圧Vbと蓄電部電圧Vcを読み込む。また、制御回路157は、第1スイッチ信号SW1と第2スイッチ信号SW2を出力することで、それぞれ第1スイッチ137と第2スイッチ145のオンオフ制御を行なう。さらに、制御回路157はDC/DCコンバータ141と制御信号contを送受信する。これにより、制御回路157がDC/DCコンバータ141の制御を行なうとともに、DC/DCコンバータ141の状態信号やDC/DCコンバータ141に流れる電流信号等の情報を読み込む。また、上記したように、制御回路157はデータ端子133を介して車両用制御回路135とも信号系配線で接続されているので、データ信号dataにより各種情報の送受信を行う。
次に、このような車両用電源装置119の動作について説明する。
まず、通常の車両使用時における車両用電源装置119の動作を述べる。
車両を使用するために運転者がイグニションスイッチをオンにすると、車両用制御回路135はイグニションスイッチがオンになった情報をデータ信号dataにより制御回路157に送信する。これを受け、制御回路157は第1スイッチ137をオンにするよう第1スイッチ信号SW1を出力する。これを受け、第1スイッチ137はオンになる。
次に、蓄電部電圧検出回路155で検出される蓄電部電圧Vcを読み込む。そして、蓄電部電圧Vcと既定蓄電部電圧Vckとを比較する。ここで、既定蓄電部電圧Vckとは、車両が低速走行中、かつエンジン停止中で、バッテリ113の開放時、または短絡時において、蓄電部149が負荷(本実施の形態3ではブレーキ負荷127とエンジン始動負荷131)に供給できる電気エネルギ量(以下、既定電気エネルギ量Eckという)を蓄電している際の蓄電部電圧Vcのことである。すなわち、蓄電部149は電気二重層キャパシタで構成しているので、その蓄電された電気エネルギ量Ecは蓄電部電圧Vcの2乗に比例する。よって、既定電気エネルギ量Eckはブレーキ負荷127とエンジン始動負荷131の消費電力仕様から既知であるので、この既定電気エネルギ量Eckから既定蓄電部電圧Vckを求めることができる。こうして求められた既定蓄電部電圧Vckは、制御回路157のメモリに記憶されている。なお、本実施の形態3では既定蓄電部電圧Vckを5Vとした。
もし、蓄電部電圧Vcが既定蓄電部電圧Vckより低ければ、車両が低速走行中、かつエンジン停止中で、バッテリ113の開放、または短絡が発生しても、蓄電部149はブレーキ負荷127とエンジン始動負荷131に十分な電力を供給できない可能性がある。そこで、制御回路157は、蓄電部電圧Vcが既定蓄電部電圧Vckに至るまで蓄電部149を充電するようにDC/DCコンバータ141を制御する。これにより、バッテリ113の電力が蓄電部149に充電される。なお、充電が完了すれば、DC/DCコンバータ141は蓄電部電圧Vcを維持するように動作する。
一方、蓄電部電圧Vcが既定蓄電部電圧Vck以上であれば、車両が低速走行中、かつエンジン停止中で、バッテリ113の開放、または短絡が発生しても、蓄電部149はブレーキ負荷127とエンジン始動負荷131に電力を供給できる。従って、この時点では、制御回路157は蓄電部149の充電動作を行わない。
次に、車両用制御回路135はエンジンを始動するために、エンジン始動負荷131への電力供給を行うよう制御回路157へデータ信号dataを送信する。これを受け、制御回路157は第2スイッチ145をオンにするように第2スイッチ信号SW2を出力する。これを受け、第2スイッチ145はオンとなる。これにより、エンジン始動負荷131にはバッテリ113からの電力が供給される。
次に、車両用制御回路135はエンジン始動負荷131に対してエンジンを始動する信号を出力する。これを受け、エンジン始動負荷131はエンジンを始動する動作、すなわちスタータを回す動作を行う。
次に、エンジンの始動が完了し、車両がエンジンを駆動して走行すると、制御回路157は第1スイッチ137をオンにするとともに、第2スイッチ145をオフにするよう、それぞれ第1スイッチ信号SW1、第2スイッチ信号SW2を出力する。これを受け、第1スイッチ137がオンに、第2スイッチ145がオフになる。
ここで、イグニションスイッチがオンになった段階で、上記したように第1スイッチ137はオンになっているので、車両走行開始時にも第1スイッチ137はオンのままである。従って、この動作は通常時においては不要となるが、後述するバッテリ113の開放時における制御回路157の動作の後は、第1スイッチ137がオフになっているので、その場合も含めた共通の動作とするために、第1スイッチ137をオンにする動作を行っている。
また、エンジン始動負荷131については、エンジン始動が完了し、車両が走行している段階では、駆動する必要がないので、制御回路157は第2スイッチ145をオフにしている。
なお、エンジン始動の完了状態と、車両のエンジンによる走行状態は、いずれも車両用制御回路135からのデータ信号dataにより制御回路157に送信される。これにより、制御回路157はエンジン始動の完了状態と、車両のエンジンによる走行状態を知ることができる。
次に、車両がエンジン駆動により走行している間、制御回路157は蓄電部149への充放電を行わず、現在の蓄電部電圧Vcを維持するようにDC/DCコンバータ141を制御する。これにより、第1スイッチ137がオンのため、ブレーキ負荷127へは発電機111の電力が供給される。また、その他の負荷115とバッテリ113へも発電機111からの電力が供給される。この動作は、通常の車両と同じである。
次に、車両が走行中に制動を行う場合について説明する。本実施の形態3の車両は回生電力回収機能を備える。従って、制動が開始されると、その情報が車両用制御回路135から制御回路157へデータ信号dataとして送信される。これを受け、制御回路157は制動により発電機111が発生した回生電力を蓄電部149に充電するようにDC/DCコンバータ141を制御する。
次に、制御回路157は蓄電部電圧Vcを検出し、蓄電部満充電電圧Vcm(=10V)に至るまで回生電力を蓄電部149へ充電する。そして、蓄電部電圧Vcが蓄電部満充電電圧Vcmに至れば、制御回路157は蓄電部満充電電圧Vcmを維持するようにDC/DCコンバータ141を制御する。この動作をまとめると、制御回路157は、車両が走行中にエンジンを停止しておらず、かつ減速時に、回生電力を蓄電部149に充電するように充放電回路(DC/DCコンバータ141)を制御する。これにより、制動時に熱として捨てていた運動エネルギを電気エネルギとして回収することができ、車両の効率向上を図ることが可能となる。なお、蓄電部電圧Vcが蓄電部満充電電圧Vcmに至った後に発生した回生電力は、バッテリ113や負荷115、ブレーキ負荷127に供給される。
次に、制動により車速が所定車速(例えば時速10km)まで下がり、エンジンを停止してもよい条件が成立すると、車両用制御回路135はエンジンを停止する。なお、エンジン停止条件は従来の技術が適用できる。この動作により、車両はアイドリングストップ状態となり、エンジンが停止した時点から省燃費化が図れる。
エンジンが停止すると、発電機111の発電も停止する。従って、車両は慣性走行を続けるものの、発電機111から負荷115等への電力供給が停止する。そこで、制御回路157は、走行中にエンジンを停止したことを車両用制御回路135からデータ信号dataで受信すると、既に蓄電部149に蓄えられた回生電力を負荷115等へ供給するようDC/DCコンバータ141に制御信号contを送信する。これを受け、DC/DCコンバータ141は蓄電部149を放電する動作を行う。具体的には、制御回路157は、入出力電圧検出回路153により入出力電圧Vbを検出し、それよりも入出力端子143の電圧が僅かに高くなるようにDC/DCコンバータ141を制御する。その結果、エンジンの停止後は、蓄電部149の電力がバッテリ113、負荷115、およびブレーキ負荷127に供給される。よって、エンジン停止後も負荷115は動作し続けることができ、ブレーキ負荷127による制動も可能な状態となる。
次に、制動が継続し、車両が停止する。この場合も車両用制御回路135はエンジンを停止したままにする。その結果、アイドリングストップ状態が継続するので、さらなる省燃費化が可能となる。この際も、蓄電部149の電力が負荷115等に供給されるため、負荷115等の動作が継続する。
アイドリングストップ中に、制御回路157は、蓄電部電圧検出回路155より蓄電部電圧Vcを検出する。そして、制御回路157は、蓄電部電圧Vcが既定蓄電部電圧Vck(=5V)に至るまでは蓄電部149の放電を継続する。蓄電部電圧Vcが既定蓄電部電圧Vckに至れば、制御回路157は蓄電部電圧Vcが既定蓄電部電圧Vckを維持するようにDC/DCコンバータ141を制御する。その結果、蓄電部149から負荷115等への電力供給が停止する。制御回路157がこのように制御することにより、バッテリ113の開放、または短絡が発生していない通常の車両使用時において、車両のイグニションスイッチがオンの間、蓄電部電圧Vcは既定蓄電部電圧Vck以上になる。
このような動作をまとめると、制御回路157は、車両が走行中にエンジンを停止し、かつ減速時であるか、または、非減速時に、蓄電部電圧Vcが既定蓄電部電圧Vckに至るまで蓄電部149を放電するように充放電回路(DC/DCコンバータ141)を制御する。これにより、回収した回生電力を有効活用することができる。
DC/DCコンバータ141が蓄電部電圧Vcを既定蓄電部電圧Vckに維持するように動作すると、入出力端子143における入出力電圧VbはDC/DCコンバータ141で制御されなくなる。従って、負荷115等へは蓄電部149に替わってバッテリ113の電力が供給される。このような動作により、アイドリングストップ中は、まず蓄電部149の回生電力が負荷115等に供給され、蓄電部電圧Vcが低下して既定蓄電部電圧Vckに至れば、バッテリ113の電力が負荷115等に供給される。従って、アイドリングストップの開始時からバッテリ113の電力を負荷115等に供給する場合に比べ、バッテリ113からの電力持ち出しが低減されるとともに、上記したように、蓄電部149に蓄えた回生電力を有効活用できる。
次に、運転者がブレーキペダルからアクセルペダルに踏み変える等の、車両を走行させようとする動作を行うと、車両用制御回路135は直ちにエンジン始動指令を制御回路157にデータ信号dataで送信する。これを受け、制御回路157は第2スイッチ145をオンにする。同時に、車両用制御回路135はエンジン始動指令をエンジン始動負荷131にも送信する。これらの動作により、エンジン始動負荷131にはバッテリ113からの電力が供給されるとともに、エンジン始動指令に基づいてスタータを駆動する。その結果、エンジンが再始動され、車両は走行を開始する。
以上の動作を繰り返すことで、通常時の車両走行が行われる。
なお、アイドリングストップ中で、蓄電部電圧Vcが既定蓄電部電圧Vckに至る前に運転者が車両を走行させようとする動作を行うと、スタータ駆動により蓄電部電圧Vcが既定蓄電部電圧Vckに至るまでは蓄電部149の電力とバッテリ113の電力の両方がスタータに供給される。この場合も、制御回路157は、蓄電部電圧Vcが既定蓄電部電圧Vckに至れば、蓄電部電圧Vcを既定蓄電部電圧Vckに維持するように動作し、蓄電部149からの放電を停止する。この場合、スタータ起動時の最も電力が必要となる期間に蓄電部149とバッテリ113の両方の電力が放電されるので、バッテリ113のみからの放電に比べ、バッテリ113の負担が軽減される。
また、本実施の形態3では、エンジン再始動時にバッテリ113からスタータへ大電流が流れるので、バッテリ113の電圧が低下し、負荷115が停止する可能性がある。そこで、負荷115には図示しない昇圧回路が接続されている構成としている。これにより、バッテリ113の電圧が低下しても負荷115には昇圧された電圧が印加されるので、その動作を継続することができる。
なお、本実施の形態3における、負荷115に前記昇圧回路を設ける構成に限定されるものではなく、スタータ駆動時にDC/DCコンバータ141を介して蓄電部149の蓄えた電力の一部を負荷115へ供給する電力系配線を設ける構成としてもよい。この場合、負荷115に蓄電部149からの電力のみを供給するためのスイッチを新たに設ける必要があるが、スタータ駆動によるバッテリ113の電圧低下時においても、負荷115を回生電力で駆動し続けられるので、さらなる回生電力の有効活用が可能となる。但し、アイドリングストップ中に蓄電部149から放電する電力量が、スタータ駆動時に負荷115へ供給する電力量の分、少なくなるように制御する必要がある。
次に、車両の走行中にエンジンを停止するアイドリングストップ中の、バッテリ113の開放、または短絡が発生した場合の動作について、図5を用いて説明する。
上記したように、車両が制動中、かつ、低速走行中におけるアイドリングストップ状態になれば、制御回路157は、この状態を車両用制御回路135からのデータ信号dataにより知る。これにより、制御回路157のマイクロコンピュータが実行するメインルーチン(図示せず)は、車両用制御回路135からのデータ信号dataを監視する。この時、制御回路157は車両用制御回路135からデータ信号dataにより送信される電流センサ117の出力(電流I)を検出し、そのデータ値を制御回路157に内蔵されるメモリに記憶、更新する動作を繰り返す。その結果、制御回路157には常に最新の電流Iのデータ値が記憶される。
この際に、車両は低速走行中のアイドリングストップ状態であるので、発電機111による発電が行われない。従って、この状態では、車両用制御回路135はバッテリ113からの電力により動作している。一方、制御回路157は蓄電部149の電力により動作する構成としている。これは、走行時のアイドリングストップ中にバッテリ113が短絡、または開放となっても、制御回路157を動作させ続けるためである。
次に、低速走行中のアイドリングストップ状態で、バッテリ113が短絡、または開放を発生したとする。これにより、車両用制御回路135にはバッテリ113からの電力が供給されなくなる。その結果、制御回路157との間で交信していたデータ信号dataが途絶えることになる。
上記したように、制御回路157はデータ信号dataを監視しているので、データ信号dataが途絶えると、制御回路157のメインルーチンは、バッテリ113が短絡、または開放となったことを検出する。これにより、前記メインルーチンは図5のフローチャートを実行する。なお、図5のフローチャートは前記メインルーチンから呼び出されるサブルーチンとして示した。
図5に示すサブルーチンが実行されると、制御回路157は、通常時にオンとなっている第1スイッチ137をオフにする(ステップ番号S31)。これにより、車両用電源装置119をバッテリ113から切り離す。
なお、この時点では制御回路157はバッテリ113が短絡しているのか、開放しているのかを区別することができない。しかし、いずれにしても蓄電部149の電力を重要負荷であるブレーキ負荷127やエンジン始動負荷131に供給するために、まず、制御回路157は車両用電源装置119をバッテリ113から切り離すS31の動作を行う。
次に、制御回路157は、データ信号dataが途絶える直前にメモリに記憶していた電流Iのデータ値の読み出しを行う(S33)。そして、制御回路157は、読み出した電流Iと既定電流Ikとの比較を行う(S35)。
ここで、既定電流Ikとは、バッテリ113が短絡した場合に流れると想定される最小電流値のことである。バッテリ113の短絡は、例えばバッテリ113に接続される正極の電力系配線がグランドレベルの車体と接触することで発生する。この場合は主に電力系配線の内部抵抗によって、短絡時に流れる電流Iが想定される。従って、短絡時に想定される電流Iを様々な条件で求め、その最小値を既定電流Ikとして予め決定し、メモリに記憶しておく。これにより、制御回路157は、電流Iが既定電流Ik以上であれば、バッテリ113が短絡状態にあると判断することができる。なお、本実施の形態3では、短絡時に流れる電流Iの想定値検討の結果、スタータ駆動時と同程度の電流Iがエンジン停止時に流れれば短絡の可能性が高いとし、既定電流Ikを600Aと決定した。
なお、図5のサブルーチンは低速走行中のアイドリングストップ状態で、バッテリ113が短絡、または開放を発生した場合に実行されるので、図5のサブルーチンの実行中はスタータが駆動されることはない。さらに、負荷115についても、通常600Aもの電流を消費するものはない。従って、図5のサブルーチン実行中に、電流Iが既定電流Ik以上流れると、制御回路157はバッテリ113が短絡していると判断する。
ここで、図5のS35に戻り、電流Iが既定電流Ik以上であれば(S35のYes)、上記したように、制御回路157はバッテリ113が短絡していると判断する。この場合、制御回路157は後述するS39の制御へジャンプする。
一方、電流Iが既定電流Ik未満であれば(S35のNo)、制御回路157は、バッテリ113が開放していると判断する。これは、データ信号dataが途絶えたにもかかわらず、S35でYesでなければ電流Iが既定電流Ikを超える過電流に至っていないため、制御回路157はバッテリ113が開放していると判断する。なお、バッテリ113の開放は、車両の走行振動等によりバッテリ113に接続されている電力系配線がバッテリ113から外れたり、電力系配線そのものが断線したりすることで発生し得る。
以上に説明したS33、およびS35の動作をまとめると、次のようになる。まず、制御回路157は、データ信号dataが途絶えた際に、直前のバッテリ113に流れる電流Iのデータ値を読み出す。次に、制御回路157は電流Iのデータ値が既定電流Ik以上であれば、バッテリ113の短絡を検出する。一方、電流Iのデータ値が既定電流Ikより小さければ、制御回路157はバッテリ113の開放を検出する。このような動作により、制御回路157は、バッテリ113が短絡しているか、または開放しているかを区別して検出している。その結果、制御回路157は、後述するようにバッテリ113の短絡と開放とで異なる対応を行うことが可能となる。
制御回路157は、バッテリ113の開放を検出すると(S35のNo)、さらに第2スイッチ145をオンにする(S37)。これにより、エンジン始動負荷131にも電力が供給される準備が整う。
次に、制御回路157は、蓄電部149の電力を放電するようにDC/DCコンバータ141を制御する(S39)。これにより、蓄電部149の電力はDC/DCコンバータ141の入出力端子143からブレーキ負荷127に供給される。さらに、S35でNoの場合はエンジン始動負荷131にも蓄電部149の電力が供給される。一方、S31の動作により、第1スイッチ137はオフであり、さらにダイオード139は入出力端子143側がカソードであるので、車両用電源装置119の正極端子121からは蓄電部149の電力が放電されない。
このような動作により、バッテリ113が短絡、または開放となっても、ブレーキ負荷127には蓄電部149から電力が供給される。この際、蓄電部電圧Vcは少なくとも既定蓄電部電圧Vck以上であるので、ブレーキ負荷127には車両の制動を行うために十分な電力が供給される。従って、車両が低速走行中でエンジンが停止した状態であり、かつ、バッテリ113が短絡、または開放となっても、ブレーキ負荷127は動作することができるので、運転者はブレーキを掛けて車両を停止させることが可能となる。ゆえに、低速走行時のアイドリングストップ中における安全性を向上することができる。なお、本実施の形態3では、バッテリ113が短絡、または開放となれば、制御回路157は図示しない警告灯を点灯させてバッテリ113の異常を運転者に警告する。これを受けて、運転者は車両を停止させることができる。
さらに、バッテリ113が開放の場合には、エンジン始動負荷131にもエンジンを再始動するために十分な電力が供給される。従って、低速走行時のアイドリングストップ中にエンジンを再始動することができる。具体的には、エンジン始動負荷131は、車両の走行による運動エネルギを利用してエンジンを再始動するための動作を行う。すなわち、エンジン始動負荷131は、図示しないクラッチを接続し、車両の運動エネルギにより動かされるエンジンのピストン(図示せず)の位置に応じて燃料噴射と点火を行う。これにより、大電力を消費するスタータを駆動することなく、蓄電部149に蓄えた電力のみでエンジンの再始動が可能となる。
なお、上記したように、エンジン始動負荷131にはスタータが含まれるが、バッテリ113の開放時には、エンジン始動負荷131は前記スタータの駆動を行わないようにしている。これにより、蓄電部149に蓄えておかなければならない電力量を少なくできるので、その分、通常車両走行時の回生電力の有効活用を図ることができる。さらに、蓄電部149を構成する電気二重層キャパシタを小型化することも可能となる。なお、バッテリ113が開放状態となると、車両用制御回路135への電力が途切れるので、エンジン始動負荷131と車両用制御回路135との信号のやり取りが停止する。しかし、エンジン始動負荷131への電力供給は車両用電源装置119から行われる。従って、エンジン始動負荷131は、上記の状態になると、前記スタータの駆動を行わずにエンジンを再始動する構成としている。
上記のような動作により、発電機111による発電が可能となるので、その他の負荷115へも電力供給ができる。これにより、車両の走行を継続することができるので、例えば運転者が車両を修理可能な場所まで走行させることが可能になる。
なお、エンジン始動負荷131への電力供給は、バッテリ113が開放の場合に限られる。これは、もしバッテリ113が短絡している場合に発電機111からの発電を行うと、発電機111から大電流が流れ、発電機111だけでなく負荷115等への他の電力系配線に発熱などの影響を及ぼす可能性があるためである。
これらの動作を行うと、制御回路157は図5のサブルーチンを終了してメインルーチンに戻る。なお、図5の動作は複雑な計算がなく極めて高速に実行されるので、バッテリ113の短絡、または開放の発生後、ほぼ直ちに、第1スイッチ137、第2スイッチ145、およびDC/DCコンバータ141の制御を完了する。その結果、ブレーキ負荷127への電力供給が、ほとんど途切れずに供給されるとともに、即時的にエンジン始動負荷131への電力供給が行われる。従って、安全性を向上することが可能となる。
以上の構成、動作により、車両が低速走行中、かつエンジン停止中で、バッテリ113の開放時、または短絡時に、ブレーキ負荷127に蓄電部149の電力を供給することができるので、車両の制動を行うために十分な電力が得られる車両用電源装置119が実現できる。さらに、バッテリの開放を検出した場合は、車両のエンジン始動負荷131にも蓄電部149の電力を供給することができるので、エンジンを再始動するために十分な電力も得られる車両用電源装置119が実現できる。
なお、本実施の形態3では、車両が低速走行中、かつエンジン停止中のアイドリングストップ時に図5の動作を行うようにしている。従って、車両が停止した後のアイドリングストップ中には、制御回路157は図5の動作を行わない。これは次の理由による。
車両停止後のアイドリングストップ中にバッテリ113が短絡したとしても、既に車両は停止しているので、安全性は確保された状態である。従って、蓄電部149からブレーキ負荷127に電力を供給する必要はない。また、車両停止後のアイドリングストップ中にバッテリ113が開放したとしても、上記した短絡時と同様に車両は既に停止しているので、蓄電部149からブレーキ負荷127に電力を供給する必要はない。加えて、車両が停止しているので、スタータを用いずにエンジンを再始動することもできない。従って、蓄電部149からエンジン始動負荷131に電力を供給する必要もない。これらのことから、車両が停止した後のアイドリングストップ中には、制御回路157は図5の動作を行わないように制御している。
但し、制御回路157は、車両が停止した後のアイドリングストップ中にバッテリ113の短絡、または開放を検出した場合、車両用電源装置119自身を保護するために、DC/DCコンバータ141の動作を停止するとともに、第1スイッチ137をオフにする。その結果、バッテリ113の短絡、または開放による正極端子121の電圧低下が発生しても、蓄電部149から正極端子121への予期しない大電流が流れる可能性を低減することができる。この場合、蓄電部149からの放電は行われないので、第2スイッチ145はオンでもオフでも構わない。
また、本実施の形態3では、入出力電圧検出回路153を設ける構成としている。これにより、制御回路157は入出力端子143における入出力電圧Vbを検出し、それよりも入出力端子143の電圧が僅かに高くなるようにDC/DCコンバータ141を制御することで蓄電部149を放電している。しかし、このような蓄電部149の放電時の制御に限定されるものではなく、例えばDC/DCコンバータ141に内蔵された電流検出器を利用し、制御回路157が所定の電流で蓄電部149を放電するような構成としてもよい。この場合は、入出力電圧検出回路153を特に設けなくてもよい。
また、本実施の形態3では、制動により車速が所定車速(時速10km)まで下がり、エンジンを停止してもよい条件が成立すると、車両用制御回路135がエンジンを停止するが、前記所定車速は時速10kmに限定されるものではなく、燃費改善効果や車両の制動仕様等に応じて適宜決定すればよい。但し、燃費改善のために前記所定車速を高くするほど、ブレーキ負荷127が車両制動のために消費する電力が増加するので、その消費電力量に応じて既定蓄電部電圧Vckの値を上げる必要がある。また、既定蓄電部電圧Vckが大きくなりすぎ、蓄電部満充電電圧Vcmに近づけば、通常車両走行時における回生電力の有効活用が不十分となるため、蓄電部149の容量を増やす必要がある。このことから、本実施の形態3では低速走行時のアイドリングストップ中の動作に限定して述べた。なお、前記所定車速が時速10kmより大きい場合は、低速走行に限定されないので、この場合は、単に走行時のアイドリングストップ中に本実施の形態3の動作を行えばよい。
また、本実施の形態3では、制御回路157は、車両が走行中にエンジンを停止しておらず、かつ減速時に、回生電力を蓄電部149に充電するように充放電回路(DC/DCコンバータ141)を制御する。そして、制御回路157は、車両が走行中にエンジンを停止し、かつ減速時であるか、または、非減速時に、蓄電部電圧Vcが既定蓄電部電圧Vckに至るまで蓄電部149を放電するように充放電回路(DC/DCコンバータ141)を制御する。このような制御を行なう車両として、制動により車速が所定車速まで下がると、減速走行中にエンジンを停止する車両について説明したが、これは、上記した車両に限定されるものではない。すなわち、例えば減速走行中にエンジンを停止しない車両であってもよい。この場合、1)減速時にフューエルカットが行われている間、回生電力を充電し、非減速時に放電する制御、2)減速時であれば回生電力を充電し、非減速時に放電する制御、のいずれかを行なう車両が挙げられる。
1)の制御の場合、車両のフューエルカット時は、単に燃料供給を停止しているだけで、エンジンは停止していない。従って、本実施の形態3の車両における、走行中にエンジンを停止しておらず、かつ減速時に、回生電力を充電する制御に含まれる。
また、2)の制御の場合、車両がフューエルカットをせずに、単に減速している時は、エンジンは停止していない。従って、本実施の形態3の車両における、走行中にエンジンを停止しておらず、かつ減速時に、回生電力を充電する制御に含まれる。
上記いずれの制御であっても、回生電力を回収し、有効活用できるので、それによる省燃費化が図れる。
(実施の形態4)
図6は、本発明の実施の形態4における車両用電源装置のブロック回路図である。なお、図6において太線は電力系配線を、細線は信号系配線をそれぞれ示す。また、本実施の形態4における車両用電源装置の構成において、実施の形態3と同じ構成には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
すなわち、本実施の形態4における特徴となる構成は次の通りである。まず、ブレーキ負荷端子125に電動パワーステアリング負荷161が電力系配線で電気的に接続される。次に、車両にはエアバッグが搭載されており、エアバッグを制御するためのエアバッグ用制御回路163が車両用制御回路135と信号系配線で電気的に接続される。
また、本実施の形態4の上記構成において、特徴となる動作は、次の通りである。制御回路157は、車両に搭載されたエアバッグが動作すると、第2スイッチ145をオフにする。
このような構成、動作により、制御回路157は、バッテリ113の短絡、または開放を検出すると、蓄電部149から、ブレーキ負荷127に加え、電動パワーステアリング負荷161にも電力を供給する。従って、運転者は車両を操舵しながら制動することができ、より安全に車両を停止することが可能となる。
さらに、制御回路157は、バッテリ113の開放を検出した場合、第2スイッチ145をオンにして、エンジンの再始動を行うが、この際、エアバッグが動作していれば制御回路157は、第2スイッチ145をオフにして、エンジン始動を禁止する。これにより、車両衝突時にエンジンの動作も禁止されるので、さらに安全性が高まる。
以下、より具体的に本実施の形態4の特徴となる構成、動作について図6を用いて説明する。
図6において、電動パワーステアリング負荷161はブレーキ負荷127と電力系配線で並列に接続される。さらに、電動パワーステアリング負荷161は信号系配線で車両用制御回路135とも電気的に接続される。従って、電動パワーステアリング負荷161は車両用制御回路135からの指令に基づいて、操舵補助を行う。
さらに、車両用制御回路135には、車両に搭載されるエアバッグの制御を行なうため、エアバッグ用制御回路163とも信号系配線で電気的に接続される。従って、車両用制御回路135はエアバッグ用制御回路163と交信することにより、エアバッグの動作状態を知ることができる。さらに、エアバッグが動作した場合は、実施の形態2と同様に、エアバッグ用制御回路163はエアバッグ動作割り込み信号を発生するが、この信号は優先度が高いため、バッテリ113の短絡、または開放が発生して車両用制御回路135が停止していても、ハード的に車両用制御回路135をスルーして制御回路157に伝達される構成としている。また、エアバッグ自体は衝突時の確実な動作を確保するために、バッテリ113とは別にバックアップ電源を内蔵している。従って、バッテリ113の短絡、または開放が発生しても、エアバッグ用制御回路163は動作し続ける。
次に、このような車両用電源装置119の動作について説明する。
車両の通常走行時の動作は実施の形態3と同じであるので、説明を省略する。また、図5のフローチャートに示すバッテリ113の短絡、または開放検出時の動作も同じであるので、詳細な説明を省略する。
従って、図5のフローチャートに基づいて、制御回路157がバッテリ113の短絡、または開放を検出すると、蓄電部149からブレーキ負荷127に電力を供給するように、DC/DCコンバータ141と第1スイッチ137を制御するが、この際、ブレーキ負荷127と並列に電動パワーステアリング負荷161が接続されている。その結果、ブレーキ負荷127と同様に電動パワーステアリング負荷161にも電力が供給される。
そして、実施の形態3で述べたように、バッテリ113の短絡、または開放を検出すると、制御回路157は、バッテリ113の異常を、運転者に警告する。これを受け、運転者は車両を停止するためにブレーキを操作するが、道路状況によっては路肩等の安全な場所へ操舵しつつ制動する場合がある。この際、電動パワーステアリング負荷161にも十分な電力が供給されるように、ブレーキ負荷127と並列に接続される。その結果、運転者は急にハンドルが重くなるなどの違和感なく、安全に車両を操舵、制動することができる。
なお、本実施の形態4では、電動パワーステアリング負荷161にも蓄電部149の電力を供給する。従って、蓄電部149には電動パワーステアリング負荷161を駆動できる電力も保持しておく必要がある。ゆえに、車両の通常走行時においては、制御回路157は、蓄電部電圧Vcが既定蓄電部電圧Vck(=5V)より大きい高位既定蓄電部電圧Vcuまでの範囲で蓄電部149の充放電を行うように制御している。
ここで、高位既定蓄電部電圧Vcuはバッテリ113の短絡、または開放が発生した際に、車両を路肩などに停止させるために必要な電動パワーステアリング負荷161の消費電力から決定される。本実施の形態4では、実施の形態3における既定蓄電部電圧Vck(=5V)で蓄電部149が蓄える電力に、電動パワーステアリング負荷161の前記消費電力を加えた電力に基づいて、高位既定蓄電部電圧Vcuを求めた結果、高位既定蓄電部電圧Vcuを7Vと決定した。この値は制御回路157のメモリに記憶されている。
従って、具体的には、制御回路157は通常時の車両走行において、蓄電部電圧Vcが高位既定蓄電部電圧Vcu(=7V)から蓄電部満充電電圧Vcm(=10V)までの範囲になるように蓄電部149の充放電を制御する。
また、制御回路157は、エアバッグ用制御回路163から車両用制御回路135を経由して送られてくるエアバッグの動作信号を常に監視している。そして、制御回路157がエアバッグ動作割り込み信号を受信すると、制御回路157は直ちに第2スイッチ145をオフにするとともに、以後、第2スイッチ145のオフを維持する。このような動作により、車両が衝突しているにもかかわらずエンジンを始動してしまう可能性を低減することができる。
なお、第2スイッチ145をオフにし続ける方法は、実施の形態2で述べたエンジン始動負荷スイッチ23をオフにし続ける方法と同じであるので、詳細な説明を省略する。
以上の構成、動作により、ブレーキ負荷端子125に電動パワーステアリング負荷161を接続したので、バッテリ113の短絡、または開放が発生しても、運転者は車両を操舵しながら制動することで、より安全に車両を停止することができる。さらに、エアバッグが動作していれば制御回路157は、第2スイッチ145をオフにして、エンジン始動を禁止するので、車両衝突時にエンジンの動作も禁止され、さらに安全性が高まる。従って、バッテリ113の短絡、または開放が発生した場合も、さらに安全性を高めることが可能な車両用電源装置119を実現できる。
なお、本実施の形態4では、ブレーキ負荷127に電動パワーステアリング負荷161を並列接続する構成と、エアバッグ動作により第2スイッチ145をオフにする動作を両方同時に適用しているが、これは、いずれか一方のみでもよい。すなわち、電動パワーステアリング負荷161が搭載されない車両であれば、エアバッグ動作により第2スイッチ145をオフにする動作のみを実施の形態3の動作に付加すればよい。また、エアバッグが搭載されない車両であれば、電動パワーステアリング負荷161がブレーキ負荷127と並列接続される構成のみを実施の形態3の構成に付加すればよい。
また、本実施の形態4においても、制御回路157は、車両が停止した後のアイドリングストップ中にバッテリ113の短絡、または開放を検出した場合、車両用電源装置119自身を保護するために、DC/DCコンバータ141の動作を停止するとともに、第1スイッチ137をオフにする。この場合、蓄電部149からの放電は行われないので、第2スイッチ145はオンでもオフでも構わない。
(実施の形態5)
図7は、本発明の実施の形態5における車両用電源装置のブロック回路図である。図8は、本発明の実施の形態5における車両用電源装置のバッテリの短絡、または開放検出時の動作を示すフローチャートである。なお、本実施の形態5における車両用電源装置の構成において、実施の形態4と同じ構成には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。また、図7において太線は電力系配線を、細線は信号系配線をそれぞれ示す。
すなわち、本実施の形態5における特徴となる構成は次の通りである。まず、図7において、入出力端子143に、第3スイッチ173を介して電動パワーステアリング負荷端子171が電気的に接続される。そして、電動パワーステアリング負荷端子171には電動パワーステアリング負荷161が電気的に接続されるとともに、第3スイッチ173は制御回路157とも電気的に接続される。
また、本実施の形態5の上記構成において、特徴となる動作は、次の通りである。制御回路157は、車両がエンジンを駆動して走行する際に、第3スイッチ173をオンにする。そして、車両が走行中にエンジンを停止している際に、バッテリ113の短絡、または開放を検出すると、制御回路157は、蓄電部電圧Vcが、既定蓄電部電圧Vckより大きい高位既定蓄電部電圧Vcu以下であれば、第3スイッチ173をオフにする。
このような構成、動作により、制御回路157は、バッテリ113の短絡、または開放を検出すると、それに応じて、蓄電部149から、ブレーキ負荷127やエンジン始動負荷131に電力を供給する。さらに、蓄電部149に蓄えられている電力量が多い場合は、制御回路157は電動パワーステアリング負荷161にも蓄電部149の電力を供給する。その結果、運転者は車両を操舵しながら制動することができ、より安全に車両を停止することが可能となる。
以下、より具体的に本実施の形態5の特徴となる構成、動作について図7を用いて説明する。
本実施の形態5における構成上の特徴は、図6におけるブレーキ負荷端子125に電動パワーステアリング負荷161の電力系配線を接続していた構成に替わって、図7に示すように、電動パワーステアリング負荷端子171に電動パワーステアリング負荷161の電力系配線を接続する構成とした点である。さらに、電動パワーステアリング負荷端子171と入出力端子143との間に第3スイッチ173を設ける構成としている。換言すると、車両用電源装置119は、入出力端子143に、第3スイッチ173を介して電気的に接続される電動パワーステアリング負荷端子171を、さらに備える構成とし、電動パワーステアリング負荷端子171には電動パワーステアリング負荷161が電気的に接続される。
なお、第3スイッチ173は第1スイッチ137や第2スイッチ145と同様に、外部からの信号によりオンオフ制御が可能な構成を有し、本実施の形態5においてもFETを用いた。従って、第3スイッチ173は制御回路157とも信号系配線で電気的に接続される。これにより、制御回路157は第3スイッチ信号SW3を出力することにより、第3スイッチ173のオンオフを制御する構成としている。
次に、本実施の形態5の車両用電源装置119の動作について説明する。
まず、通常時の車両走行における車両用電源装置119の動作は実施の形態3と同じであるので、詳細な説明を省略する。なお、本実施の形態5では第3スイッチ173を設けているので、通常車両走行時に電動パワーステアリング負荷161へ電力を供給するために、制御回路157は第3スイッチ173をオンにする。これにより、電動パワーステアリング負荷161へは、電動パワーステアリング負荷端子171より発電機111、またはバッテリ113の電力が供給される。従って、通常車両走行時には、第1スイッチ137と第3スイッチ173がオン、第2スイッチ145がオフの状態となる。
また、本実施の形態5では、通常車両走行時において、実施の形態3と同様に、制御回路157は蓄電部電圧Vcが既定蓄電部電圧Vck(=5V)から蓄電部満充電電圧Vcm(=10V)までの範囲で蓄電部149の充放電を行うように制御している。従って、実施の形態4における蓄電部電圧Vcが高位既定蓄電部電圧Vcu(=7V)から蓄電部満充電電圧Vcm(=10V)までの範囲で蓄電部149の充放電を行う制御とは異なる。
次に、本実施の形態5の車両用電源装置119の動作について説明する。
まず、通常時の車両走行における車両用電源装置119の動作は実施の形態3と同じであるので、詳細な説明を省略する。
次に、車両の低速走行中でエンジンを停止するアイドリングストップ中の、バッテリ113の開放、または短絡が発生した場合の動作について、図8を用いて説明する。なお、図8のフローチャートも、実施の形態3の図5と同様に制御回路157のメインルーチンから呼び出されるサブルーチンである。なお、図8のフローチャートにおいて、図5のフローチャートと同じ動作については同じステップ番号を付して、詳細な説明を省略する。
実施の形態3と同様に、車両用制御回路135からのデータ信号dataが途絶えると、制御回路157のメインルーチンは、バッテリ113が短絡、または開放となったことを検出する。これにより、前記メインルーチンは図8のサブルーチンを実行する。なお、この時点では、上記したように第1スイッチ137と第3スイッチ173がオン、第2スイッチ145がオフの状態である。
図8のサブルーチンが実行されると、制御回路157は、まず実施の形態3で説明したS31からS37の動作を行う。
次に、制御回路157は蓄電部電圧検出回路155より蓄電部電圧Vcを検出する(S41)。そして、制御回路157は蓄電部電圧Vcと高位既定蓄電部電圧Vcuとを比較する(S43)。ここで、高位既定蓄電部電圧Vcuは実施の形態4で説明したものと同じであり、本実施の形態5でも7Vと決定した。
もし、蓄電部電圧Vcが高位既定蓄電部電圧Vcuより大きければ(S43のYes)、蓄電部149は、ブレーキ負荷127とエンジン始動負荷131に加え、電動パワーステアリング負荷161へも電力を供給することができるので、後述するS39にジャンプする。なお、S39の動作は実施の形態3と同じである。従って、第3スイッチ173はオンの状態を維持するので、図6と同じ回路状態となる。ゆえに、以降の動作は実施の形態4と同じになる。
一方、蓄電部電圧Vcが高位既定蓄電部電圧Vcu以下であれば(S43のNo)、蓄電部電圧Vcは既定蓄電部電圧Vck(=5V)から高位既定蓄電部電圧Vcu(=7V)までの範囲にあることになる。従って、蓄電部149は、ブレーキ負荷127とエンジン始動負荷131への電力供給しかできない状態である。そこで、制御回路157は電動パワーステアリング負荷161に電力を供給しないようにするために、第3スイッチ173をオフにする(S45)。これにより、電動パワーステアリング負荷161へ電力供給を行うことにより、ブレーキ負荷127とエンジン始動負荷131への電力供給が不十分になる可能性を低減している。その後、S39の動作を行い、図8のサブルーチンを終了してメインルーチンに戻る。
以上より、本実施の形態5の特徴となる動作をまとめると、まず制御回路157は、車両がエンジンを駆動して走行する際に、第3スイッチ173をオンにする。そして、車両が走行中にエンジンを停止している際に、バッテリ113の短絡、または開放を検出すると、蓄電部電圧Vcが、既定蓄電部電圧Vck(=5V)より大きい高位既定蓄電部電圧Vcu(=7V)以下であれば、第3スイッチ173をオフにする。
このような動作により、車両が走行中にエンジンを停止するアイドリングストップ中であって、バッテリ113の短絡、または開放を検出した際に、蓄電部149に十分な電力が蓄えられていれば、実施の形態4と同様に、制御回路157はブレーキ負荷127、エンジン始動負荷131、および電動パワーステアリング負荷161に電力を供給する。これにより、実施の形態4と同様の効果が得られる。
一方、蓄電部149に蓄えられている電力が不十分な場合は、制御回路157は電動パワーステアリング負荷161には電力を供給せず、ブレーキ負荷127とエンジン始動負荷131のみに電力を供給する。これにより、操舵が重くなるという違和感が発生するものの、車両制動とエンジン再始動のために優先的に電力が供給される。この際の電力供給先は実施の形態3と同じである。従って、実施の形態3と同様に車両の安全性を向上できる。
このように、車両が走行中にエンジンを停止するアイドリングストップ中であって、バッテリ113の短絡、または開放を検出した際に、蓄電部149が蓄えている電力量に応じて、電力の供給先を選択することで、蓄電部149が最低限の電力量しか蓄えていなくても車両制動とエンジン再始動が可能となり、車両の安全性が向上する。同時に、通常車両走行時には、蓄電部149に蓄えられた回生電力を、蓄電部電圧Vcが既定蓄電部電圧Vck(=5V)に至るまで放電できるので、通常車両走行時の回生電力の有効活用ができる。この点が、回生電力の活用範囲の狭い実施の形態4とは異なる。
以上の構成、動作により、車両が低速走行中、かつエンジン停止中で、バッテリ113の開放時、または短絡時に、ブレーキ負荷127に蓄電部149の電力を供給することができるので、車両の制動を行うために十分な電力が得られる車両用電源装置119が実現できる。また、バッテリ113の開放を検出した場合は、車両のエンジン始動負荷131にも蓄電部149の電力を供給することができるので、エンジンを再始動するために十分な電力も得られる車両用電源装置119が実現できる。さらに、蓄電部149に蓄えられている電力量が多い場合は、電動パワーステアリング負荷161にも蓄電部149の電力を供給することができるので、車両の操舵を行うために十分な電力が得られる車両用電源装置119が実現できる。
なお、本実施の形態5においても、実施の形態3と同様に、低速走行中、かつエンジン停止中のアイドリングストップ時であって、車両用制御回路135からのデータ信号dataが途絶えた際に、制御回路157は図8の動作を行うようにしている。従って、車両が停止した後のアイドリングストップ中には、実施の形態3と同様の理由により、制御回路157は図8の動作を行わない。
また、本実施の形態5においても、制御回路157は、車両が停止した後のアイドリングストップ中にバッテリ113の短絡、または開放を検出した場合、車両用電源装置119自身を保護するために、DC/DCコンバータ141の動作を停止するとともに、第1スイッチ137をオフにする。この場合、蓄電部149からの放電は行われないので、第2スイッチ145と第3スイッチ173はオンでもオフでも構わない。
本発明にかかる車両用電源装置は、走行中、かつエンジン停止中で、バッテリの短絡、または開放を検出すると、車両のブレーキ負荷に蓄電部の電力を供給することで、車両の制動を行うために十分な電力が得られるので、特にハイブリッド車を含む回生電力回収機能付きアイドリングストップ車の車両用電源装置等として有用である。
11 第1直流電源
13 DC/DCコンバータ
15 第2直流電源
17 第2直流電源スイッチ
19、127 ブレーキ負荷
21、131 エンジン始動負荷
23 エンジン始動負荷スイッチ
25、157 制御回路
35、135 車両用制御回路
41、161 電動パワーステアリング負荷
113 バッテリ
125 ブレーキ負荷端子
129 エンジン始動負荷端子
133 データ端子
137 第1スイッチ
141 DC/DCコンバータ(充放電回路)
143 入出力端子
145 第2スイッチ
147 蓄電部端子
149 蓄電部
153 入出力電圧検出回路
155 蓄電部電圧検出回路
171 電動パワーステアリング負荷端子
173 第3スイッチ

Claims (9)

  1. 車両に搭載される第1直流電源と、
    前記第1直流電源とDC/DCコンバータを介して電気的に接続される、第2直流電源と第2直流電源スイッチの直列回路、ブレーキ負荷、および、エンジン始動負荷とエンジン始動負荷スイッチの直列回路と、
    前記DC/DCコンバータ、第2直流電源スイッチ、およびエンジン始動負荷スイッチと電気的に接続される制御回路と、を備え、
    前記制御回路は、前記車両が走行中にエンジンを停止している際に、前記第1直流電源、または前記第2直流電源のいずれかの短絡、または開放を検出すると、前記第1直流電源、または前記第2直流電源の内の正常な直流電源から前記ブレーキ負荷に電力を供給するように、前記DC/DCコンバータと前記第2直流電源スイッチを制御し、
    前記開放を検出した場合は、さらに前記エンジン始動負荷スイッチをオンにするようにした車両用電源装置。
  2. 前記ブレーキ負荷と並列に電動パワーステアリング負荷が電気的に接続される構成を有する請求項1に記載の車両用電源装置。
  3. 前記制御回路は、前記車両に搭載されたエアバッグが動作すると、前記エンジン始動負荷スイッチをオフにするようにした請求項1に記載の車両用電源装置。
  4. 車両のバッテリに一端が電気的に接続される第1スイッチと、
    前記第1スイッチの他端に入出力端子を介して電気的に接続される充放電回路と、
    前記充放電回路の蓄電部端子に電気的に接続される蓄電部、および蓄電部電圧検出回路と、
    前記入出力端子に電気的に接続されるブレーキ負荷端子と、
    前記入出力端子に第2スイッチを介して電気的に接続されるエンジン始動負荷端子と、
    前記充放電回路、蓄電部電圧検出回路、第1スイッチ、および第2スイッチと電気的に接続されるとともに、データ端子とも電気的に接続される制御回路と、を備え、
    前記ブレーキ負荷端子は前記車両のブレーキ負荷に電気的に接続され、
    前記エンジン始動負荷端子は前記車両のエンジン始動負荷に電気的に接続され、
    前記データ端子は前記車両の車両用制御回路に電気的に接続され、
    前記制御回路は、前記車両用制御回路からのデータ信号(data)に基づき、前記車両の使用時に、前記第1スイッチをオンにして、前記蓄電部電圧検出回路で検出される蓄電部電圧(Vc)が、既定蓄電部電圧(Vck)に至るまで前記蓄電部を充電するよう前記充放電回路を制御し、
    前記車両がエンジンを駆動して走行する際に、前記第1スイッチをオンにするとともに、前記第2スイッチをオフにし、
    前記車両が走行中に前記エンジンを停止している際に、前記バッテリの短絡、または開放を検出すると、前記第1スイッチをオフにし、
    前記バッテリの開放を検出した場合は、さらに前記第2スイッチをオンにして、
    前記蓄電部の電力を放電するように前記充放電回路を制御するようにした車両用電源装置。
  5. 前記制御回路は、前記データ信号(data)が途絶えた際に、直前の前記バッテリに流れる電流(I)のデータ値が既定電流(Ik)以上であれば、前記バッテリの短絡を検出し、前記既定電流(Ik)より小さければ、前記バッテリの開放を検出するようにした請求項4に記載の車両用電源装置。
  6. 前記制御回路は、前記車両が走行中に前記エンジンを停止しておらず、かつ減速時に、回生電力を前記蓄電部に充電するように前記充放電回路を制御し、
    前記車両が走行中に前記エンジンを停止し、かつ減速時であるか、または、非減速時に、前記蓄電部電圧(Vc)が前記既定蓄電部電圧(Vck)に至るまで前記蓄電部を放電するように前記充放電回路を制御するようにした請求項4に記載の車両用電源装置。
  7. 前記ブレーキ負荷端子には、さらに電動パワーステアリング負荷が電気的に接続される構成を有する請求項4に記載の車両用電源装置。
  8. 前記入出力端子に、第3スイッチを介して電気的に接続される電動パワーステアリング負荷端子を、さらに備え、
    前記電動パワーステアリング負荷端子には電動パワーステアリング負荷が電気的に接続されるとともに、前記第3スイッチは前記制御回路とも電気的に接続される構成を有し、
    前記制御回路は、前記車両が前記エンジンを駆動して走行する際に、前記第3スイッチをオンにし、
    前記車両が走行中に前記エンジンを停止している際に、前記バッテリの短絡、または開放を検出すると、前記蓄電部電圧(Vc)が、前記既定蓄電部電圧(Vck)より大きい高位既定蓄電部電圧(Vcu)以下であれば、前記第3スイッチをオフにするようにした請求項4に記載の車両用電源装置。
  9. 前記制御回路は、前記車両に搭載されたエアバッグが動作すると、前記第2スイッチをオフにするようにした請求項4に記載の車両用電源装置。
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