JP2013006731A - 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス - Google Patents

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Abstract

【課題】発泡の発生及び発泡の成長を抑制できる合わせガラスを得ることができる合わせガラス用中間膜を提供する。
【解決手段】本発明に係る合わせガラス用中間膜1は、ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤とを含有する第1,第2の層2,3を備える。第1の層2を樹脂膜(ガラス転移温度Tg(℃))として用いて、又は第1の層2に含まれる上記ポリビニルアセタール樹脂100重量部と、可塑剤としてトリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)60重量部とを含む樹脂膜(ガラス転移温度Tg(℃))を用いて、該樹脂膜の粘弾性を測定した場合に、(Tg+80)℃での弾性率G’(Tg+80)の(Tg+30)℃での弾性率G’(Tg+30)に対する比は、0.65以上である。本発明に係る合わせガラス用中間膜1の一端1aの厚みは、一端1aとは反対側の他端1bの厚みよりも薄い。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、ヘッドアップディスプレイに好適に用いられ、少なくとも2層の多層構造を有する合わせガラス用中間膜に関し、より詳細には、各層がそれぞれポリビニルアセタール樹脂と可塑剤とを含有する合わせガラス用中間膜、並びに該合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスに関する。
合わせガラスは、外部衝撃を受けて破損してもガラスの破片の飛散量が少なく、安全性に優れている。このため、上記合わせガラスは、自動車、鉄道車両、航空機、船舶及び建築物等に広く使用されている。上記合わせガラスは、一対のガラス板の間に合わせガラス用中間膜を挟み込むことにより、製造されている。
上記合わせガラス用中間膜の一例として、下記の特許文献1には、アセタール化度が60〜85モル%のポリビニルアセタール樹脂100重量部と、アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩の内の少なくとも一種の金属塩0.001〜1.0重量部と、30重量部以上の可塑剤とを含む遮音層が開示されている。この遮音層は、単層で中間膜として用いられ得る。
さらに、下記の特許文献1には、上記遮音層と他の層とが積層された多層中間膜も記載されている。遮音層に積層される他の層は、アセタール化度が60〜85モル%のポリビニルアセタール樹脂100重量部と、アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩の内の少なくとも一種の金属塩0.001〜1.0重量部と、30重量部以下の可塑剤とを含む。
また、自動車に用いられる上記合わせガラスとして、ヘッドアップディスプレイ(HUD)が知られている。HUDでは、自動車のフロントガラスに、自動車の走行データである速度などの計測情報等を表示させることができる。
上記HUDでは、フロントガラスに表示される計測情報が、二重に見えるという問題がある。
二重像を抑制するために、下記の特許文献2には、一対のガラス板の間に、所定の楔角を有する楔状の中間膜が挟み込まれた合わせガラスが開示されている。このような合わせガラスでは、中間膜の楔角の調整により、1つのガラス板で反射される計測情報の表示と、別のガラス板で反射される計測情報の表示とを、運転者の視野で1点に結ぶことができる。このため、計測情報の表示が二重に見え難く、運転者の視界を妨げない。
特開2007−070200号公報 特表平4−502525号公報
上記特許文献1,2に記載の中間膜を用いて合わせガラスを構成した場合には、合わせガラスの2000Hz付近の周波数領域における遮音性が充分ではなく、従ってコインシデンス効果による遮音性の低下が避けられないことがある。特に、この合わせガラスの20℃付近での遮音性が充分ではないことがある。
ここで、コインシデンス効果とは、ガラス板に音波が入射したとき、ガラス板の剛性と慣性とによって、ガラス面上を横波が伝播して横波と入射音とが共鳴し、その結果、音の透過が起こる現象をいう。
また、上記特許文献1に記載の遮音層と他の層とが積層された多層中間膜を用いて合わせガラスを構成した場合には、合わせガラスの20℃付近での遮音性をある程度高めることができる。しかし、多層中間膜が上記遮音層を有するため、該多層中間膜を用いた合わせガラスに発泡が生じることがある。
さらに、近年、合わせガラスの遮音性を高めるために、中間膜中の可塑剤の含有量を多くすることが検討されている。中間膜中の可塑剤の含有量を多くすると、合わせガラスの遮音性を改善できる。しかしながら、可塑剤の含有量を多くすると、合わせガラスに発泡が生じることがある。
本発明の目的は、発泡の発生及び発泡の成長を抑制できる合わせガラスを得ることができる合わせガラス用中間膜、並びに該合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスを提供することである。
本発明の限定的な目的は、遮音性にも優れた合わせガラスを得ることができる合わせガラス用中間膜、並びに該合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスを提供することである。
本発明の広い局面によれば、ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤とを含有する第1の層と、上記第1の層の一方の面に積層されており、かつポリビニルアセタール樹脂と可塑剤とを含有する第2の層とを備え、上記第1の層を樹脂膜として用いて、該樹脂膜の粘弾性を測定した場合に、該樹脂膜のガラス転移温度をTg(℃)としたときに、(Tg+80)℃での弾性率G’(Tg+80)の(Tg+30)℃での弾性率G’(Tg+30)に対する比(G’(Tg+80)/G’(Tg+30))が、0.65以上であり、一端の厚みが、該一端とは反対側の他端の厚みよりも薄い、合わせガラス用中間膜が提供される。
また、本発明の広い局面によれば、ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤とを含有する第1の層と、上記第1の層の一方の面に積層されており、かつポリビニルアセタール樹脂と可塑剤とを含有する第2の層とを備え、上記第1の層に含まれる上記ポリビニルアセタール樹脂100重量部と、可塑剤としてトリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)60重量部とを含む樹脂膜を用いて、該樹脂膜の粘弾性を測定した場合に、該樹脂膜のガラス転移温度をTg(℃)としたときに、(Tg+80)℃での弾性率G’(Tg+80)の(Tg+30)℃での弾性率G’(Tg+30)に対する比(G’(Tg+80)/G’(Tg+30))が、0.65以上であり、一端の厚みが、該一端とは反対側の他端の厚みよりも薄い、合わせガラス用中間膜が提供される。
また、本発明の他の広い局面によれば、ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤とを含有する第1の層と、上記第1の層の一方の面に積層されており、かつポリビニルアセタール樹脂と可塑剤とを含有する第2の層とを備え、上記第1の層中の上記ポリビニルアセタール樹脂は、平均重合度が3000を超えるポリビニルアルコール樹脂をアセタール化することにより得られており、一端の厚みが、該一端とは反対側の他端の厚みよりも薄い、合わせガラス用中間膜が提供される。この場合に、上記比(G’(Tg+80)/G’(Tg+30))が、0.65以上でなくてもよいが、0.65以上であることが好ましい。さらに、この合わせガラス用中間膜では、上記第1の層中の平均重合度が3000を超えるポリビニルアルコール樹脂をアセタール化することにより得られている上記ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対する上記可塑剤の含有量が、40重量部以上であり、上記第1の層中の上記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基の含有率が、30モル%以下であることが好ましい。
本発明に係る合わせガラス用中間膜のある特定の局面では、該合わせガラス用中間膜は、一端から他端に向かって、厚みが次第に厚くなる形状を有する。
本発明に係る合わせガラス用中間膜の他の特定の局面では、厚み方向の断面形状が楔状である。
本発明に係る合わせガラス用中間膜のある特定の局面では、上記第1の層中の上記ポリビニルアセタール樹脂のアセチル化度が8モル%以上であるか、又は上記第1の層中の上記ポリビニルアセタール樹脂のアセチル化度が8モル%未満であり、かつアセタール化度が68モル%以上であることが好ましい。上記第1の層中の上記ポリビニルアセタール樹脂のアセチル化度が8モル%以上であることが好ましい。さらに、上記第1の層中の上記ポリビニルアセタール樹脂のアセチル化度が8モル%未満であり、かつアセタール化度が68モル%以上であることも好ましい。
本発明に係る合わせガラス用中間膜の他の特定の局面では、上記弾性率G’(Tg+30)は20万Pa以上である。
本発明に係る合わせガラス用中間膜の別の特定の局面では、上記第1の層に含まれている上記ポリビニルアセタール樹脂の分子量分布比(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)は6.5以下である。
本発明に係る合わせガラス用中間膜のさらに別の特定の局面では、上記第1の層に含まれている上記ポリビニルアセタール樹脂の分子量分布比(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)は2.5〜3.2である。
本発明に係る合わせガラス用中間膜の他の特定の局面では、上記第1の層中の上記ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対する上記可塑剤の含有量は、50重量部以上である。
本発明に係る合わせガラス用中間膜のさらに他の特定の局面では、上記第1の層中の上記ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対する上記可塑剤の含有量は、55重量部以上である。
本発明に係る合わせガラス用中間膜の他の特定の局面では、上記第1の層中の上記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基の含有率は、30モル%以下である。
本発明に係る合わせガラス用中間膜の別の特定の局面では、上記第1の層の他方の面に積層されており、かつポリビニルアセタール樹脂と可塑剤とを含有する第3の層がさらに備えられている。
本発明に係る合わせガラス用中間膜のさらに別の特定の局面では、上記第1の層中の上記ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対する上記可塑剤の含有量は、上記第2,第3の層中の上記ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対する上記可塑剤の各含有量よりも多い。
上記第1〜第3の層に含まれている上記ポリビニルアセタール樹脂はそれぞれ、ポリビニルブチラール樹脂を含むことが好ましい。上記第1〜第3の層に含まれている上記可塑剤はそれぞれ、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート及びトリエチレングリコールジ−n−ヘプタノエートからなる群から選択された少なくとも1種を含むことが好ましい。
本発明に係る合わせガラス用中間膜の他の特定の局面では、該合わせガラス用中間膜は、上記第1の層に含まれている上記ポリビニルアセタール樹脂として、カルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂を含む。
本発明に係る合わせガラス用中間膜の別の特定の局面では、上記第1の層はホウ素原子を有する化合物を含む。
本発明に係る合わせガラス用中間膜のさらに別の特定の局面では、上記ホウ素原子を有する化合物は、四ホウ酸ナトリウム、四ホウ酸カリウム、及び、ホウ酸からなる群より選択された少なくとも1種を含む。
本発明に係る合わせガラスは、第1,第2の合わせガラス構成部材と、該第1,第2の合わせガラス構成部材の間に挟み込まれた中間膜とを備えており、該中間膜が、本発明に従って構成された合わせガラス用中間膜である。
本発明に係る合わせガラス用中間膜は、ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤とを含有する第1の層と、該第1の層の一方の面に積層されており、かつポリビニルアセタール樹脂と可塑剤とを含有する第2の層とを備えており、更に上記比(G’(Tg+80)/G’(Tg+30))が、0.65以上であるので、一端の厚みが、該一端とは反対側の他端の厚みよりも薄いにもかかわらず、中間膜を用いた合わせガラスにおける発泡の発生及び発泡の成長を抑制できる。さらに、本発明に係る合わせガラス用中間膜は、一端の厚みが他端の厚みよりも薄いので、例えば中間膜を用いてヘッドアップディスプレイ(HUD)を作製した場合には、二重像を抑制することもできる。
図1(a)及び(b)は、本発明の一実施形態に係る合わせガラス用中間膜を模式的に示す断面図及び平面図である。 図2は、合わせガラス用中間膜の厚み方向の断面形状の第1の変形例を示す断面図である。 図3は、合わせガラス用中間膜の厚み方向の断面形状の第2の変形例を示す断面図である。 図4は、合わせガラス用中間膜の厚み方向の断面形状の第3の変形例を示す断面図である。 図5は、図1に示す合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスの一例を模式的に示す断面図である。 図6は、第1の層に含まれるポリビニルアセタール樹脂と、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエートとを含む樹脂膜を用いて、該樹脂膜の粘弾性を測定した場合の損失正接tanδと温度との関係及び弾性率G’と温度との関係を説明するための図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の具体的な実施形態及び実施例を挙げることにより、本発明を明らかにする。
図1(a)及び(b)に、本発明の一実施形態に係る合わせガラス用中間膜を模式的に断面図及び平面図で示す。図1(a)は、図1(b)中のI−I線に沿う正面断面図である。
図1(a)では、中間膜1の厚み方向の断面が示されている。なお、図1(a)及び後述の図では、図示の便宜上、中間膜及び中間膜を構成する各層の厚み、並びに楔角θは、実際の厚み及び楔角とは異なるように示されている。
図1に示す中間膜1は、第1の層2と、第1の層2の一方の面2a(第1の面)に積層された第2の層3と、第1の層2の他方の面2b(第2の面)に積層された第3の層4とを備える。中間膜1は、合わせガラスを得るために用いられる。中間膜1は、合わせガラス用中間膜である。中間膜1は、多層中間膜である。
第1の層2は、第2の層3と第3の層4との間に配置されており、第2の層3と第3の層4との間に挟み込まれている。本実施形態では、第1の層2は中間層であり、かつ第2,第3の層3,4は表面層である。ただし、第2,第3の層3,4が中間層であって、第2,第3の層3,4の外側の表面3a,4aに、他の合わせガラス用中間膜がさらに積層されていてもよい。
中間膜1は、一端1aと、一端1aとは反対側の他端1bとを有する。一端1aと他端1bとは対向し合う両側の端部である。第2,第3の層3,4の厚み方向の断面形状は楔状である。第1の層2の厚み方向の断面形状は楔状である。第2,第3の層3,4の厚みは、一端1a側のほうが他端1b側よりも薄い。第1の層2の厚みは、一端1a側のほうが他端1b側よりも薄い。従って、中間膜1の一端1aの厚みは他端1bの厚みよりも薄い。従って、中間膜1は、厚みの薄い領域と、厚みの厚い領域とを有する。厚みの薄い領域の厚みは、厚みの厚い領域の厚みよりも薄い。
本実施形態の主な特徴の1つは、中間膜1の一端1aの厚みが他端1bの厚みよりも薄いことである。中間膜1の一端1aの厚みが他端1bの厚みよりも薄いので、例えば中間膜1を用いた合わせガラスがヘッドアップディスプレイ(HUD)に用いられたときに、自動車の走行データである速度などの計測情報等を表示させても、該計測情報が二重に見えるのを抑制できる。
また、第1〜第3の層2〜4はそれぞれ、ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤とを含有することが好ましい。
さらに、本実施形態のもう1つの主な特徴は、第1の層2に含まれる上記ポリビニルアセタール樹脂100重量部と、可塑剤としてトリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)60重量部とを含む樹脂膜Aを用いて、該樹脂膜Aの粘弾性を測定した場合(試験法A)に、該樹脂膜Aのガラス転移温度をTg(℃)としたときに、(Tg+80)℃での弾性率G’(Tg+80)の(Tg+30)℃での弾性率G’(Tg+30)に対する比(G’(Tg+80)/G’(Tg+30))が、0.65以上であることである。
また、本実施形態では、第1の層2を樹脂膜Bとして用いて、該樹脂膜Bの粘弾性を測定した場合(試験法B)に、該樹脂膜Bのガラス転移温度をTg(℃)としたときに、(Tg+80)℃での弾性率G’(Tg+80)の(Tg+30)℃での弾性率G’(Tg+30)に対する比(G’(Tg+80)/G’(Tg+30))が、0.65以上である。
上記試験法Bでは、第1の層2が上記樹脂膜Bとして用いられ、第1の層2自体が樹脂膜Bである。
上記樹脂膜Bは、第1の層2であり、上記ポリビニルアセタール樹脂と上記可塑剤とを第1の層2中での重量比で含む。上記試験法Bでは、合わせガラス用中間膜1において可塑剤を移行させた後に、上記弾性率G’(Tg+80)及び弾性率G’(Tg+30)を測定することが好ましい。上記試験法Bでは、合わせガラス用中間膜1を湿度30%(±3%、温度23℃に1ヶ月間保管して、合わせガラス用中間膜1において可塑剤を移行させた後に、上記弾性率G’(Tg+80)及び弾性率G’(Tg+30)を測定することがより好ましい。
本発明者らは、多層構造を有する合わせガラス用中間膜では、各層間で可塑剤が移行し、この結果、可塑剤の含有量が多い層が形成されること、例えば、第2,第3の層から第1の層に可塑剤が移行し、この結果、第1の層の可塑剤の含有量が多くなることを見出した。さらに、可塑剤の含有量が多い層が形成されると、すなわち第1の層の可塑剤の含有量が多くなると、合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスに発泡が生じやすくなり、更に発泡が一旦生じると、生じた発泡が核となって発泡が成長することも見出した。
本発明者らは、上記発泡の発生及び発泡の成長を抑制するために鋭意検討した結果、上記試験法A又は上記試験法Bによる上記比(G’(Tg+80)/G’(Tg+30))が、0.65以上であることにより、合わせガラスにおける発泡の発生及び発泡の成長を充分に抑制できることも見出した。第1の層2中の可塑剤の含有量が多くても、合わせガラスにおける発泡の発生及び発泡の成長を充分に抑制できるため、合わせガラスの遮音性を高めることができる。特に、上記比(G’(Tg+80)/G’(Tg+30))が0.65以上であるように構成された第1の層2の両面に第2,第3の層3,4が積層された合わせガラス用中間膜1の使用により、合わせガラスにおける発泡の発生及び発泡の成長をより一層抑制できる。
また、一端の厚みが他端の厚みよりも薄い中間膜を用いた合わせガラスでは、厚みの薄い領域において、発泡が生じやすい傾向がある。これに対して、中間膜の一端の厚みが他端の厚みよりも薄くても、上記試験法A又は上記試験法Bによる上記比(G’(Tg+80)/G’(Tg+30))が、0.65以上であることによって、厚みの薄い領域を含む全体の領域で、合わせガラスの発泡の発生及び発泡の成長を効果的に抑制できる。上記第1の層中の上記ポリビニルアセタール樹脂が、平均重合度が3000を超えるポリビニルアルコール樹脂をアセタール化することにより得られている場合にも、厚みの薄い領域を含む全体の領域で、合わせガラスの発泡の発生及び発泡の成長を効果的に抑制できる。
上記比(G’(Tg+80)/G’(Tg+30))は、0.65以上であり、好ましくは1.0以下である。上記比(G’(Tg+80)/G’(Tg+30))が0.65以上であると、かなり過酷な条件で又は長期間にわたり合わせガラスが保管されたとしても、合わせガラスにおける発泡の発生及び発泡の成長を十分に抑制できる。また、上記比(G’(Tg+80)/G’(Tg+30))が上記下限以上及び上記上限以下であると、かなり過酷な条件で又は長期間にわたり合わせガラスが保管されたとしても、合わせガラスにおける発泡の発生及び発泡の成長をより一層効果的に抑制できる。
上記ガラス転移温度Tg(℃)は、上記粘弾性の測定により得られた測定結果から得られる損失正接tanδのピーク温度を示す。合わせガラスにおける発泡の発生及び発泡の成長をより一層抑制する観点からは、上記比(G’(Tg+80)/G’(Tg+30))は、より好ましくは0.7以上、より好ましくは0.95以下であり、さらに好ましくは0.75以上、さらに好ましくは0.9以下である。特に、上記比(G’(Tg+80)/G’(Tg+30))をポリビニルアルコール樹脂の平均重合度で制御する場合、合わせガラスにおける発泡の発生及び発泡の成長を十分に抑制し、かつ合わせガラスの遮音性をより一層高めることができることから、上記比(G’(Tg+80)/G’(Tg+30))は、好ましくは0.65以上、より好ましくは0.66以上、更に好ましくは0.67以上、特に好ましくは0.7以上、好ましくは0.82以下、より好ましくは0.8以下である。更に、上記比(G’(Tg+80)/G’(Tg+30))が0.82以下、又は、0.8以下であると、中間膜を容易に成形することができる。
上記試験法A又は上記試験法Bによる上記比(G’(Tg+80)/G’(Tg+30))を0.65以上にする方法としては、第1の層2中のポリビニルアセタール樹脂を合成する際に、平均重合度が比較的高いポリビニルアルコール樹脂を使用する方法や、第1の層2中のポリビニルアセタール樹脂の分子間の相互作用を強くする方法等が挙げられる。上記第1の層2中のポリビニルアセタール樹脂の分子間の相互作用を強くする方法として、該ポリビニルアセタール樹脂の分子間を物理的に架橋する方法や、化学的に架橋する方法が挙げられる。なかでも、中間膜1を押出機にて容易に成形することができることから、第1の層2中のポリビニルアセタール樹脂を合成する際に、平均重合度が比較的高いポリビニルアルコール樹脂を使用する方法や第1の層2中のポリビニルアセタール樹脂の分子間を物理的に架橋する方法が好ましい。
上記粘弾性の測定により得られる損失正接tanδと温度との関係及び弾性率G’と温度との関係の一例を、図6を用いて説明する。
損失正接tanδと温度とは、図6に示すような関係にある。損失正接tanδのピークPにおける温度がガラス転移温度Tgである。
また、図6に示す破線A2の弾性率G’におけるガラス転移温度Tgと、実線A1の弾性率G’におけるガラス転移温度Tgとは同じ温度である。例えば、弾性率G’(Tg+30)を基準として弾性率G’(Tg+80)の変化量Dが小さいほど、合わせガラスにおける発泡の発生及び発泡の成長を効果的に抑制できる。実線A1の弾性率G’における変化量D1は、破線A2の弾性率G’における変化量D2よりも小さい。従って、図6においては、変化量D2が比較的大きい破線A2の弾性率G’を示す場合よりも、変化量D1が比較的小さい実線A1の弾性率G’を示す場合の方が、合わせガラスにおける発泡の発生及び発泡の成長を効果的に抑制できる。
上記G’(Tg+30)は、20万Pa以上であることが好ましい。上記G’(Tg+30)は、より好ましくは22万Pa以上、さらに好ましくは23万Pa以上、特に好ましくは24万Pa以上、好ましくは1000万Pa以下、より好ましくは500万Pa以下、特に好ましくは100万Pa以下、最も好ましくは50万Pa以下、更に最も好ましくは30万Pa以下である。上記G’(Tg+30)が上記下限以上であると、合わせガラスにおける発泡の発生及び発泡の成長をより一層効果的に抑制できる。
なお、上記弾性率G’と温度との関係は、ポリビニルアセタール樹脂の種類に大きく影響され、特にポリビニルアセタール樹脂を得るために用いられる上記ポリビニルアルコール樹脂の平均重合度に大きく影響され、可塑剤の種類には大きく影響されず、一般の可塑剤の含有量では該可塑剤の含有量に大きく影響されない。可塑剤として3GOにかえて3GO以外の一塩基性有機酸エステル等の可塑剤を用いた場合の上記比(G’(Tg+80)/G’(Tg+30))、特に可塑剤としてトリエチレングリコールジ−2−エチルブチレート(3GH)及びトリエチレングリコールジ−n−ヘプタノエート(3G7)を用いた場合の上記比(G’(Tg+80)/G’(Tg+30))は、3GOを用いた場合の上記比(G’(Tg+80)/G’(Tg+30))と大きく相違しない。また、ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対して、可塑剤の含有量が50〜80重量部である場合に、上記比(G’(Tg+80)/G’(Tg+30))は大きく相違しない。ポリビニルアセタール樹脂100重量部と、可塑剤としてトリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)60重量部とを含む樹脂膜を用いて測定された上記比(G’(Tg+80)/G’(Tg+30))は、第1の層2自体を用いて測定された上記比(G’(Tg+80)/G’(Tg+30))と大きな差異はない。上記試験法A及び上記試験法Bにて得られる上記比(G’(Tg+80)/G’(Tg+30))が共に0.65以上であることが好ましいが、上記試験法Bにて得られる上記比(G’(Tg+80)/G’(Tg+30))が0.65以上であることがより好ましい。
また、第1の層2中の上記ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対する上記可塑剤の含有量が50重量部以上である場合には、合わせガラスの遮音性を充分に高めることができる。
また、合わせガラス用中間膜における発泡の発生を抑制するために、第1の層2中の上記ポリビニルアセタール樹脂が、平均重合度が3000を超えるポリビニルアルコール樹脂をアセタール化することにより得られていることも好ましい。この場合に、上記比(G’(Tg+80)/G’(Tg+30))は、0.65以上でなくてもよいが、0.65以上であることが好ましい。
すなわち、本明細書では、合わせガラス用中間膜における発泡の発生を抑制するために、第1の層2中の上記ポリビニルアセタール樹脂が、平均重合度が3000を超えるポリビニルアルコール樹脂をアセタール化することにより得られている合わせガラス用中間膜(以下、第2の合わせガラス用中間膜と記載することがある)も開示する。この第2の合わせガラス用中間膜では、第1の層2中の上記ポリビニルアセタール樹脂が、平均重合度が3000を超えるポリビニルアルコール樹脂をアセタール化することにより得られており、かつ上記比(G’(Tg+80)/G’(Tg+30))が、0.65未満である合わせガラス用中間膜が含まれる。この第2の合わせガラス用中間膜では、上記第1の層中の平均重合度が3000を超えるポリビニルアルコール樹脂をアセタール化することにより得られている上記ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対する上記可塑剤の含有量が、40重量部以上であり、上記第1の層中の上記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基の含有率が、30モル%以下であることが好ましい。
図1に示す中間膜1は、楔状の第2,第3の層3,4の間に、楔状の第1の層2が挟み込まれた構造を有する。図2〜4に、中間膜の各層の形状をかえた第1〜第3の変形例を示す。
図2に示す第1の変形例に係る中間膜51は、厚み方向の断面形状が楔状である第2,第3の層53,54と、第2,第3の層53,54の間に挟み込まれており、かつ厚み方向の断面形状が矩形である第1の層52とを備える。中間膜51の一端51aの厚みは、一端51aとは反対側の他端51bの厚みよりも薄い。第2,第3の層53,54の厚みは、一端51a側の方が他端51b側よりも薄い。
図3に示す第2の変形例に係る中間膜61は、厚み方向の断面形状が楔状である第2の層63と、厚み方向の断面形状が矩形である第3の層64と、第2,第3の層63,64の間に挟み込まれており、かつ厚み方向の断面形状が矩形である第1の層62とを備える。中間膜61の一端61aの厚みは、一端61aとは反対側の他端61bの厚みよりも薄い。第2の層63の厚みは、一端61a側の方が他端61b側よりも薄い。
図4に示す第3の変形例に係る中間膜71は、厚み方向の断面形状が矩形である第2,第3の層73,74と、第2,第3の層73,74の間に挟み込まれており、かつ厚み方向の断面形状が楔状である第1の層72とを備える。中間膜71の一端71aの厚みは、一端71aとは反対側の他端71bの厚みよりも薄い。第1の層72の厚みは、一端71a側のほうが他端71b側よりも薄い。
なお、中間膜1,51,61,71は、一端1a,51a,61a,71aが最小厚みを有し、他端1b,51b,61b,71bが最大厚みを有する。
厚みが異なる一端と他端とを結ぶ方向において、中間膜の厚み方向の断面形状は、楔状であることが好ましい。中間膜は、一端から他端に向かって厚みが次第に厚くなる形状を有することが好ましく、一端から他端に向かって厚みが連続的に厚くなる形状を有することが好ましい。「厚みが次第に厚くなる」とは、厚みが連続的に厚くなる場合だけでなく、厚みが段階的に厚くなる場合も含む。中間膜の厚み方向の断面形状としては、台形又は三角形が挙げられる。
二重像を抑制するために、合わせガラスの取付角度に応じて、中間膜の楔角θを適宜設定することができる。二重像をより一層抑制する観点からは、中間膜の楔角θは好ましくは0.01mrad(0.0006度)以上、より好ましくは0.2mrad(0.0115度)以上、好ましくは2mrad(0.1146度)以下、より好ましくは0.7mrad(0.0401度)以下である。
以下、中間膜の上記第1〜第3の層に含まれている各成分の詳細を説明する。
(ポリビニルアセタール樹脂)
上記第1〜第3の層がそれぞれ、ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤とを含有することにより、上記第1〜第3の層の接着力を高くすることができる。このため、合わせガラス構成部材に対する中間膜の接着力をより一層高くすることができる。
上記第1の層中の上記ポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニルアルコール樹脂をアルデヒドによりアセタール化することにより製造できる。上記第1の層中の上記ポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニルアルコール樹脂をアセタール化することにより得られるポリビニルアセタール樹脂である。
合わせガラスにおける発泡の発生及び発泡の成長をより一層抑制する観点からは、上記第1の層中の上記ポリビニルアセタール樹脂は、平均重合度が3000を超えるポリビニルアルコール樹脂をアセタール化することにより得られていることが好ましい。
合わせガラスにおける発泡の発生及び発泡の成長をさらに一層抑制する観点からは、上記第1の層中のポリビニルアセタール樹脂を得るために用いられる上記ポリビニルアルコール樹脂の平均重合度の好ましい下限は3010、好ましい下限は3050、好ましい下限は3500、好ましい下限は3600、好ましい下限は4000、好ましい下限は4050、好ましい上限は7000、好ましい上限は6000、好ましい上限は5000、好ましい上限は4900、好ましい上限は4500である。特に、合わせガラスにおける発泡の発生及び発泡の成長をより一層抑制し、合わせガラスの遮音性を充分に高め、かつ中間膜を容易に成形できることから、上記第1の層中のポリビニルアセタール樹脂を得るために用いられる上記ポリビニルアルコール樹脂の平均重合度は3010以上であることが好ましく、3020以上であることがより好ましく、4000以下であることが好ましく、4000未満であることがより好ましく、3800以下であることが更に好ましく、3600以下であることが特に好ましく、3500以下であることが最も好ましい。
本発明者らは、上記第1の層中の上記ポリビニルアセタール樹脂を得るために用いられる上記ポリビニルアルコール樹脂の平均重合度が上記下限以上であることより、上記試験法A又は上記試験法Bによる上記比(G’(Tg+80)/G’(Tg+30))が上記下限及び上記上限を満たすようにすることが容易であることも見出した。
本発明において、上記第1の層は、ポリビニルアセタール樹脂として、平均重合度が3000を越えるポリビニルアルコール樹脂をアセタール化することにより得られるポリビニルアセタール樹脂のみを含有してもよく、平均重合度が3000を越えるポリビニルアルコール樹脂をアセタール化することにより得られるポリビニルアセタール樹脂と他のポリビニルアセタール樹脂とを含有してもよい。上記他のポリビニルアセタール樹脂が、平均重合度が3000以下のポリビニルアルコール樹脂をアセタール化することにより得られるポリビニルアセタール樹脂(以下、「ポリビニルアセタール樹脂Z」ともいう)である場合、平均重合度が3000を超えるポリビニルアルコール樹脂をアセタール化することにより得られたポリビニルアセタール樹脂とポリビニルアセタール樹脂Zとの合計100重量%中、平均重合度が3000を超えるポリビニルアルコール樹脂をアセタール化することにより得られるポリビニルアセタール樹脂の含有量の好ましい下限は5重量%、より好ましい下限は50重量%、更に好ましい下限は70重量%、特に好ましい下限は90重量%、好ましい上限は100重量%、より好ましい上限は95重量%である。特に、合わせガラスにおける発泡の発生及び発泡の成長をより一層抑制できることから、上記他のポリビニルアセタール樹脂は、平均重合度が3000を超えるポリビニルアルコール樹脂をアセタール化することにより得られるポリビニルアセタール樹脂であることが好ましい。
なお、上記ポリビニルアルコール樹脂の平均重合度は、JIS K6726「ポリビニルアルコール試験方法」に準拠した方法により求められる。
また、上記第2,3の層中のポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニルアルコール樹脂をアセタール化することにより製造できる。上記第2,3の層中のポリビニルアセタール樹脂を得るためのポリビニルアルコール樹脂の平均重合度の好ましい下限は200、より好ましい下限は500、更に好ましい下限は1000、特に好ましい下限は1500、好ましい上限は4000、より好ましい上限は3500、更に好ましい上限は3000、特に好ましい上限は2500である。上記平均重合度が上記好ましい下限を満たすと、合わせガラスの耐貫通性をより一層高めることができる。上記平均重合度が上記好ましい上限を満たすと、中間膜の成形が容易になる。
上記第1の層中のポリビニルアセタール樹脂を得るために用いるポリビニルアルコール樹脂の平均重合度は、上記第2,3の層中のポリビニルアセタール樹脂を得るために用いるポリビニルアルコール樹脂の平均重合度よりも高いことが好ましく、500以上高いことが好ましく、800以上高いことが好ましく、1000以上高いことがより好ましく、1300以上高いことが更に好ましく、1800以上高いことが特に好ましい。
上記ポリビニルアルコール樹脂は、例えば、ポリ酢酸ビニルをけん化することにより得られる。上記ポリビニルアルコール樹脂のけん化度は、一般に70〜99.9モル%の範囲内であり、75〜99.8モル%の範囲内であることが好ましく、80〜99.8モル%の範囲内であることがより好ましい。
上記アルデヒドは特に限定されない。上記アルデヒドとして、一般には、炭素数が1〜10のアルデヒドが好適に用いられる。上記炭素数が1〜10のアルデヒドとしては、例えば、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n−バレルアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、n−オクチルアルデヒド、n−ノニルアルデヒド、n−デシルアルデヒド、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド及びベンズアルデヒド等が挙げられる。なかでも、n−ブチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド又はn−バレルアルデヒドが好ましく、n−ブチルアルデヒドがより好ましい。上記アルデヒドは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記ポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニルブチラール樹脂であることが好ましい。上記第1〜第3の層に含まれている上記ポリビニルアセタール樹脂はそれぞれ、ポリビニルブチラール樹脂を含むことが好ましい。ポリビニルブチラール樹脂の合成は容易である。さらに、ポリビニルブチラール樹脂の使用により、合わせガラス構成部材に対する中間膜の接着力がより一層適度に発現する。さらに、耐光性及び耐候性等をより一層高めることができる。
中間層である上記第1の層に含まれているポリビニルアセタール樹脂の水酸基の含有率(水酸基量)の好ましい下限は16モル%、より好ましい下限は18モル%、更に好ましい下限は20モル%、特に好ましい下限は22モル%、好ましい上限は30モル%、より好ましい上限は29モル%、更に好ましい上限は27モル%、特に好ましい上限は25モル%である。上記水酸基の含有率が上記好ましい下限を満たすと、上記第1の層の接着力をより一層高くすることができる。上記水酸基の含有率が上記好ましい上限を満たすと、合わせガラスの遮音性をより一層高めることができる。さらに、中間膜の柔軟性が高くなり、中間膜の取扱性をより一層高めることができる。
なお、ポリビニルアセタール樹脂の水酸基の含有率が低いと、ポリビニルアセタール樹脂の親水性が低くなる。このため、可塑剤の含有量を多くすることができ、この結果、合わせガラスの遮音性をより一層高くすることができる。上記第1の層中の上記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基の含有率が、上記第2,第3の層中の上記ポリビニルアセタール樹脂の各水酸基の含有率よりも低い場合、上記第1の層の可塑剤の含有量を多くすることができる。合わせガラスの遮音性を更に一層高くすることができることから、上記第1の層中の上記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基の含有率は、上記第2,第3の層中の上記ポリビニルアセタール樹脂の各水酸基の含有率よりも2モル%以上低いことが好ましく、4モル%以上低いことがより好ましく、6モル%以上低いことが更に好ましく、8モル%以上低いことが特に好ましい。
表面層である上記第2,第3の層に含まれている上記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基の含有率の好ましい下限は26モル%、より好ましい下限は27モル%、更に好ましい下限は28モル%、特に好ましい下限は29モル%、最も好ましい下限は30モル%、好ましい上限は35モル%、より好ましい上限は34モル%、更に好ましい上限は33モル%、特に好ましい上限は32モル%、最も好ましい上限は31.5モル%である。上記水酸基の含有率が上記好ましい下限を満たすと、中間膜の接着力をより一層高くすることができる。上記水酸基の含有率が上記好ましい上限を満たすと、中間膜の柔軟性が高くなり、中間膜の取扱性をより一層高めることができる。
上記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基の含有率は、水酸基が結合しているエチレン基量を、主鎖の全エチレン基量で除算して求めたモル分率を百分率(モル%)で表した値である。上記水酸基が結合しているエチレン基量は、例えば、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠した方法により、上記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基が結合しているエチレン基量を測定することにより求めることができる。
上記第1の層に含まれている上記ポリビニルアセタール樹脂のアセチル化度(アセチル基量)は、30モル%以下であることが好ましい。アセチル化度が30モル%を超えると、ポリビニルアセタール樹脂を製造する際の反応効率が低下することがある。
上記第1の層に含まれている上記ポリビニルアセタール樹脂のアセチル化度の好ましい下限は0.1モル%、より好ましい下限は0.5モル%、更に好ましい下限は0.8モル%、好ましい上限は24モル%、より好ましい上限は20モル%、更に好ましい上限は19.5モル%、特に好ましい上限は15モル%である。上記第2,第3の層に含まれている上記ポリビニルアセタール樹脂のアセチル化度の好ましい下限は0.1モル%、より好ましい下限は0.5モル%、更に好ましい下限は0.8モル%、好ましい上限は20モル%、より好ましい上限は5モル%、更に好ましい上限は2モル%、特に好ましい上限は1.5モル%である。上記アセチル化度が上記好ましい下限を満たすと、ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤との相溶性がより一層高くなる。上記アセチル化度が上記好ましい上限を満たすと、中間膜の耐湿性をより一層高めることができる。合わせガラスの遮音性を更に一層高くすることができることから、上記第1の層中の上記ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度が、上記第2,第3の層中のポリビニルアセタール樹脂の各アセタール化度よりも低い場合、上記第1の層中の上記ポリビニルアセタール樹脂のアセチル化度は、上記第2,第3の層中の上記ポリビニルアセタール樹脂の各アセチル化度よりも3モル%以上高いことが好ましく、5モル%以上高いことがより好ましく、7モル%以上高いことが更に好ましく、10モル%以上高いことが特に好ましい。
上記アセチル化度は、主鎖の全エチレン基量から、アセタール基が結合しているエチレン基量と、水酸基が結合しているエチレン基量とを差し引いた値を、主鎖の全エチレン基量で除算して求めたモル分率を百分率(モル%)で表した値である。上記アセタール基が結合しているエチレン基量は、例えば、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠して測定できる。
上記第1の層に含まれているポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度の好ましい下限は50モル%、より好ましい下限は54モル%、更に好ましい下限は58モル%、特に好ましい下限は60モル%、好ましい上限は85モル%、より好ましい上限は80モル%、更に好ましい上限は79モル%である。上記第2,第3の層に含まれているポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度の好ましい下限は60モル%、より好ましい下限は65モル%、更に好ましい下限は66モル%、特に好ましい下限は67モル%、好ましい上限は75モル%、より好ましい上限は72モル%、更に好ましい上限は71モル%、特に好ましい上限は70モル%である。上記アセタール化度が上記好ましい下限を満たすと、ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤との相溶性がより一層高くなる。上記アセタール化度が上記好ましい上限を満たすと、ポリビニルアセタール樹脂を製造するために必要な反応時間を短縮できる。合わせガラスの遮音性を更に一層高くすることができることから、上記第1の層中の上記ポリビニルアセタール樹脂のアセチル化度と、上記第2,第3の層中のポリビニルアセタール樹脂の各アセチル化度との差の絶対値が3以下である場合、上記第1の層中の上記ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度は、上記第2,第3の層中の上記ポリビニルアセタール樹脂の各アセタール化度よりも3モル%以上高いことが好ましく、5モル%以上高いことがより好ましく、7モル%以上高いことが更に好ましく、10モル%以上高いことが特に好ましい。
上記アセタール化度は、アセタール基が結合しているエチレン基量を、主鎖の全エチレン基量で除算して求めたモル分率を百分率(モル%)で表した値である。
上記アセタール化度は、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠した方法により、アセチル基量とビニルアルコール量(水酸基の含有率)とを測定し、得られた測定結果からモル分率を算出し、ついで、100モル%からアセチル基量とビニルアルコール量とを差し引くことにより算出され得る。
更に、合わせガラスにおける発泡の発生及び発泡の成長をより一層抑制することができ、合わせガラスの遮音性をより一層高めることができることから、上記第1の層に含まれているポリビニルアセタール樹脂は、アセチル化度が8モル%未満であるポリビニルアセタール樹脂(以下、「ポリビニルアセタール樹脂A」ともいう)、又は、アセチル化度が8モル%以上であるポリビニルアセタール樹脂(以下、「ポリビニルアセタール樹脂B」ともいう)であることが好ましい。
上記ポリビニルアセタール樹脂Aのアセチル化度aは8モル%未満であり、7.5モル%以下であることが好ましく、7モル%以下であることが好ましく、6モル%以下であることが好ましく、5モル%以下であることが好ましく、0.1モル%以上であることが好ましく、0.5モル%以上であることが好ましく、0.8モル%以上であることが好ましく、1モル%以上であることが好ましく、2モル%以上であることが好ましく、3モル%以上であることが好ましく、4モル%以上であることが好ましい。上記アセチル化度aが上記上限以下及び上記下限以上であると、ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤との相溶性がより一層高くなり、合わせガラスの遮音性をより一層高めることができる。
上記ポリビニルアセタール樹脂Aのアセタール化度aの好ましい下限は68モル%、より好ましい下限は70モル%、更に好ましい下限は71モル%、特に好ましい下限は72モル%、好ましい上限は85モル%、より好ましい上限は83モル%、更に好ましい上限は81モル%、特に好ましい上限は79モル%である。上記アセタール化度aが上記下限以上であると、合わせガラスの遮音性をより一層高めることができる。上記アセタール化度aが上記上限以下であると、ポリビニルアセタール樹脂Aを製造するために必要な反応時間を短縮できる。
上記ポリビニルアセタール樹脂Aの水酸基の含有率aは30モル%以下であることが好ましく、27.5モル%以下であることが好ましく、27モル%以下であることが好ましく、26モル%以下であることが好ましく、25モル%以下であることが好ましく、24モル%以下であることが好ましく、23モル%以下であることが好ましく、16モル%以上であることが好ましく、18モル%以上であることが好ましく、19モル%以上であることが好ましく、20モル%以上であることが好ましい。上記水酸基の含有率aが上記上限以下であると、合わせガラスの遮音性をより一層高めることができる。上記水酸基の含有率aが上記下限以上であると、中間膜の接着力をより一層高くすることができる。
上記ポリビニルアセタール樹脂Aはポリビニルブチラール樹脂であることが好ましい。
上記ポリビニルアセタール樹脂Bのアセチル化度bは、8モル%以上であり、9モル%以上であることが好ましく、10モル%以上であることが好ましく、11モル%以上であることが好ましく、12モル%以上であることが好ましく、30モル%以下であることが好ましく、28モル%以下であることが好ましく、26モル%以下であることが好ましく、24モル%以下であることが好ましく、20モル%以下であることが好ましく、19.5モル%以下であることが好ましい。上記アセチル化度bが上記下限以上であると、合わせガラスの遮音性をより一層高めることができる。上記アセチル化度bが上記上限以下であると、ポリビニルアセタール樹脂Bを製造するために必要な反応時間を短縮できる。なかでも、ポリビニルアセタール樹脂Bを製造するために必要な反応時間をより一層短縮できることから、上記ポリビニルアセタール樹脂Bのアセチル化度bは20モル%未満であることが好ましい。
上記ポリビニルアセタール樹脂Bのアセタール化度bの好ましい下限は50モル%、より好ましい下限は52.5モル%、更に好ましい下限は54モル%、特に好ましい下限は60モル%、好ましい上限は80モル%、より好ましい上限は77モル%、更に好ましい上限は74モル%、特に好ましい上限は71モル%である。上記アセタール化度bが上記下限以上であると、合わせガラスの遮音性をより一層高めることができる。上記アセタール化度bが上記上限以下であると、ポリビニルアセタール樹脂Bを製造するために必要な反応時間を短縮できる。
上記ポリビニルアセタール樹脂Bの水酸基の含有率bは30モル%以下であることが好ましく、27.5モル%以下であることが好ましく、27モル%以下であることが好ましく、26モル%以下であることが好ましく、25モル%以下であることが好ましく、18モル%以上であることが好ましく、20モル%以上であることが好ましく、22モル%以上であることが好ましく、23モル%以上であることが好ましい。上記水酸基の含有率bが上記上限以下であると、合わせガラスの遮音性をより一層高めることができる。上記水酸基の含有率bが上記下限以上であると、中間膜の接着力をより一層高くすることができる。
上記ポリビニルアセタール樹脂Bはポリビニルブチラール樹脂であることが好ましい。
上記ポリビニルアセタール樹脂A及び上記ポリビニルアセタール樹脂Bは、平均重合度が3000を超えるポリビニルアルコール樹脂をアルデヒドによりアセタール化することで得られることが好ましい。上記アルデヒドは炭素数1〜10のアルデヒドであることが好ましく、炭素数4又は5のアルデヒドであることがより好ましい。上記ポリビニルアルコール樹脂の平均重合度の好ましい下限は3010、好ましい下限は3050、好ましい下限は3500、好ましい下限は3600、好ましい下限は4000、好ましい下限は4050、好ましい上限は7000、好ましい上限は6000、好ましい上限は5000、好ましい上限は4900、好ましい上限は4500である。上記第1の層中の上記ポリビニルアセタール樹脂は、平均重合度が3000を超え、4000未満であるポリビニルアルコール樹脂をアセタール化することにより得られていることが特に好ましい。特に、合わせガラスにおける発泡の発生及び発泡の成長をより一層抑制し、合わせガラスの遮音性を充分に高め、かつ中間膜を容易に成形できることから、上記第1の層中のポリビニルアセタール樹脂を得るために用いられる上記ポリビニルアルコール樹脂の平均重合度は3010以上であることが好ましく、3020以上であることがより好ましく、4000以下であることが好ましく、4000未満であることがより好ましく、3800以下であることが更に好ましく、3600以下であることが特に好ましく、3500以下であることが最も好ましい。
上記第1の層に含まれている上記ポリビニルアセタール樹脂の分子量分布比(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)は、一般に1.1以上であり、好ましくは1.2以上、より好ましくは2以上、好ましくは6.7以下、より好ましくは6.5以下、更に好ましくは3.4以下である。
上記第1の層に含まれている上記ポリビニルアセタール樹脂の上記分子量分布比の好ましい下限は1.2、より好ましい下限は1.5、更に好ましい下限は2.0、特に好ましい下限は2.5、好ましい上限は5.5、より好ましい上限は5、更に好ましい上限は4.6、特に好ましい上限は3.2である。上記第1の層に含まれている上記ポリビニルアセタール樹脂の上記分子量分布比は、2.5〜3.2であることが特に好ましい。上記分子量分布比は、上記第1の層に含まれている上記ポリビニルアセタール樹脂の重量平均分子量Mwの上記第1の層に含まれている上記ポリビニルアセタール樹脂の数平均分子量Mnに対する比を示す。本発明者らは、上記第1の層に含まれているポリビニルアセタール樹脂の上記分子量分布比が上記下限以上及び上記上限以下であることにより、又は、2.5〜3.2であることにより、上記試験法A又は上記試験法Bによる上記比(G’(Tg+80)/G’(Tg+30))が上記下限及び上記上限を満たすようにすることが容易であり、更に合わせガラスにおける発泡の発生及び発泡の成長をより一層効果的に抑制できることも見出した。なかでも、合わせガラスにおける発泡の発生及び発泡の成長を更に一層効果的に抑制でき、合わせガラスの遮音性をより一層高めることができることから、上記第1の層に含まれている上記ポリビニルアセタール樹脂の分子量分布比が6.5以下であり、かつ上記第1の層に含まれている上記ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対する上記可塑剤の含有量が50重量部以上であることが好ましい。特に、上記第1の層に含まれている上記ポリビニルアセタール樹脂が、上記ポリビニルアセタール樹脂Bを含む場合、上記ポリビニルアセタール樹脂Bの分子量分布比が6.5以下であり、かつ上記第1の層に含まれている上記ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対する上記可塑剤の含有量が55重量部以上であることが好ましい。
なお、上記重量平均分子量及び上記数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定によるポリスチレン換算での重量平均分子量及び数平均分子量を示す。例えば、ポリスチレン換算での重量平均分子量及び数平均分子量を測定するために、分子量既知のポリスチレン標準試料のGPC測定を行う。ポリスチレン標準試料(昭和電工社製「Shodex Standard SM−105」、「Shodex Standard SH−75」)として、重量平均分子量580、1,260、2,960、5,000、10,100、21,000、28,500、76,600、196,000、630,000、1,130,000、2,190,000、3,150,000、3,900,000の14試料を用いる。それぞれの標準試料ピークのピークトップが示す溶出時間に対して分子量をプロットし得られる近似直線を検量線として使用する。恒温恒湿室(湿度30%(±3%)、温度23℃)に1ヶ月放置した多層中間膜から表面層(上記第2,第3の層)と中間層(上記第1の層)とを剥離し、剥離された第1の層(中間層)をテトラヒドロフラン(THF)に溶解させ、0.1重量%の溶液を調製する。得られた溶液をGPC装置により分析し、重量平均分子量及び数平均分子量を測定できる。GPC装置として、GPC用光散乱検出器(VISCOTEK社製「Model270(RALS+VISCO)」)が接続されたGPC装置(日立ハイテク社製「RI:L2490、オートサンプラー:L−2200、ポンプ:L−2130、カラムオーブン:L−2350、カラム:GL−A120−SとGL−A100MX−Sの直列」)を用いて、上記重量平均分子量及び上記数平均分子量を分析できる。
また、合わせガラスにおける発泡の発生及び発泡の成長をより一層抑制し、遮音性に優れた合わせガラスを得る観点からは、上記第1の層に含まれている上記ポリビニルアセタール樹脂は、カルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂であることが好ましく、カルボン酸変性ポリビニルブチラール樹脂であることがより好ましい。カルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂の使用により、上記試験法A又は上記試験法Bによる上記比(G’(Tg+80)/G’(Tg+30))が上記下限及び上記上限を満たすようにすることが容易である。上記カルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂は、アセタール基を有するエチレン基と、アセチル基を有するエチレン基と、水酸基を有するエチレン基と、カルボン酸で変性されたエチレン基とを有する。上記カルボン酸としては、不飽和ジカルボン酸や不飽和トリカルボン酸等が挙げられる。上記カルボン酸は、マレイン酸やイタコン酸等の不飽和ジカルボン酸であることが好ましい。上記アセタール基を有するエチレン基と、上記アセチル基を有するエチレン基と、上記水酸基を有するエチレン基と、上記カルボン酸で変性されたエチレン基との合計を100モル%とした場合、上記カルボン酸で変性されたエチレン基の割合は、0モル%を超え、10モル%以下であることが好ましい。上記カルボン酸で変性されたエチレン基の割合の好ましい上限は9モル%、好ましい上限は8モル%、好ましい上限は7モル%、好ましい上限は6モル%、好ましい上限は5モル%、好ましい上限は4モル%、好ましい上限は3モル%、好ましい上限は2モル%である。
(可塑剤)
上記第1〜第3の層にそれぞれ含まれている上記可塑剤は特に限定されない。上記可塑剤として、従来公知の可塑剤を用いることができる。上記可塑剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記可塑剤としては、例えば、一塩基性有機酸エステル及び多塩基性有機酸エステル等の有機エステル可塑剤、並びに有機リン酸可塑剤及び有機亜リン酸可塑剤などのリン酸可塑剤等が挙げられる。なかでも、有機エステル可塑剤が好ましい。上記可塑剤は液状可塑剤であることが好ましい。
上記一塩基性有機酸エステルとしては、特に限定されず、例えば、グリコールと一塩基性有機酸との反応によって得られたグリコールエステル、並びにトリエチレングリコール又はトリプロピレングリコールと一塩基性有機酸とのエステル等が挙げられる。上記グリコールとしては、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール及びトリプロピレングリコール等が挙げられる。上記一塩基性有機酸としては、酪酸、イソ酪酸、カプロン酸、2−エチル酪酸、ヘプチル酸、n−オクチル酸、2−エチルヘキシル酸、n−ノニル酸及びデシル酸等が挙げられる。
上記多塩基性有機酸エステルとしては、特に限定されず、例えば、多塩基性有機酸と、炭素数4〜8の直鎖又は分岐構造を有するアルコールとのエステル化合物が挙げられる。上記多塩基性有機酸としては、アジピン酸、セバシン酸及びアゼライン酸等が挙げられる。
上記有機エステル可塑剤としては、特に限定されず、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート、トリエチレングリコールジカプリレート、トリエチレングリコールジ−n−オクタノエート、トリエチレングリコールジ−n−ヘプタノエート、テトラエチレングリコールジ−n−ヘプタノエート、ジブチルセバケート、ジオクチルアゼレート、ジブチルカルビトールアジペート、エチレングリコールジ−2−エチルブチレート、1,3−プロピレングリコールジ−2−エチルブチレート、1,4−ブチレングリコールジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート、ジプロピレングリコールジ−2−エチルブチレート、トリエチレングリコールジ−2−エチルペンタノエート、テトラエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコールジカプリレート、アジピン酸ジヘキシル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ヘキシルシクロヘキシル、アジピン酸ヘプチルとアジピン酸ノニルとの混合物、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ヘプチルノニル、セバシン酸ジブチル、油変性セバシン酸アルキド、及びリン酸エステルとアジピン酸エステルとの混合物等が挙げられる。これら以外の有機エステル可塑剤を用いてもよい。上述のアジピン酸エステル以外の他のアジピン酸エステルを用いてもよい。
上記有機リン酸可塑剤としては、特に限定されず、例えば、トリブトキシエチルホスフェート、イソデシルフェニルホスフェート及びトリイソプロピルホスフェート等が挙げられる。
上記可塑剤は、下記式(1)で表されるジエステル可塑剤であることが好ましい。このジエステル可塑剤の使用により、合わせガラスの遮音性をより一層高めることができる。
Figure 2013006731
上記式(1)中、R1及びR2はそれぞれ、炭素数5〜10の有機基を表し、R3は、エチレン基、イソプロピレン基又はn−プロピレン基を表し、pは3〜10の整数を表す。上記式(1)中のR1及びR2はそれぞれ、炭素数6〜10の有機基であることが好ましい。
上記可塑剤は、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレート(3GH)、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)及びトリエチレングリコールジ−n−ヘプタノエート(3G7)からなる群から選択された少なくとも1種を含むことが好ましく、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエートを含むことがより好ましい。上記第1〜第3の層に含まれている上記可塑剤はそれぞれ、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート及びトリエチレングリコールジ−n−ヘプタノエートからなる群から選択された少なくとも1種を含むことが好ましい。これらの好ましい可塑剤の使用により、合わせガラスの遮音性をより一層高めることができる。
中間膜の各層における上記可塑剤の含有量は特に限定されない。
合わせガラスの遮音性を充分に高める観点からは、上記第1の層中のポリビニルアセタール樹脂100重量部に対する可塑剤の含有量は40重量部以上であることが好ましい。上記第1の層の可塑剤の含有量が多くても、上記比(G’(Tg+80)/G’(Tg+30))が0.65以上であるように上記第1の層を構成することによって、合わせガラスにおける発泡の発生及び発泡の成長を抑制できる。
また、上記第1の層中の上記ポリビニルアセタール樹脂が、平均重合度が3000を超えるポリビニルアルコール樹脂をアセタール化することにより得られている上記第2の合わせガラス用中間膜に関しては、上記第1の層中の平均重合度が3000を超えるポリビニルアルコール樹脂をアセタール化することにより得られている上記ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対する上記可塑剤の含有量が、40重量部以上であることが好ましい。このように、上記第1の層中の平均重合度が3000を超えるポリビニルアルコール樹脂をアセタール化することにより得られている上記ポリビニルアセタール樹脂を用いることにより、可塑剤の含有量が40重量部以上であっても、合わせガラスにおける発泡の発生及び発泡の成長を抑制できる。
上記第1の層中のポリビニルアセタール樹脂100重量部に対する可塑剤の含有量のより好ましい下限は45重量部、更に好ましい下限は50重量部、特に好ましい下限は55重量部、最も好ましい下限は60重量部、好ましい上限は80重量部、より好ましい上限は78重量部、更に好ましい上限は75重量部、特に好ましい上限は70重量部である。また、上記第1の層中の平均重合度が3000を超えるポリビニルアルコール樹脂をアセタール化することにより得られているポリビニルアセタール樹脂100重量部に対する可塑剤の含有量のより好ましい下限は45重量部、更に好ましい下限は50重量部、特に好ましい下限は55重量部、最も好ましい下限は60重量部、好ましい上限は80重量部、より好ましい上限は78重量部、更に好ましい上限は75重量部、特に好ましい上限は70重量部である。上記可塑剤の含有量が上記好ましい下限を満たすと、合わせガラスの耐貫通性をより一層高めることができる。上記第1の層の可塑剤の含有量が多いほど、合わせガラスの遮音性をより一層高めることができる。上記可塑剤の含有量が上記好ましい上限を満たすと、中間膜の透明性をより一層高めることができる。
上記第2,第3の層中のポリビニルアセタール樹脂100重量部に対する可塑剤の含有量の好ましい下限は25重量部、より好ましい下限は30重量部、更に好ましい下限は35重量部、好ましい上限は50重量部、より好ましい上限は45重量部、更に好ましい上限は40重量部、特に好ましい上限は39重量部である。上記可塑剤の含有量が上記好ましい下限を満たすと、中間膜の接着力が高くなり、合わせガラスの耐貫通性をより一層高めることができる。上記可塑剤の含有量が上記好ましい上限を満たすと、中間膜の透明性をより一層高めることができる。
合わせガラスの遮音性をより一層高める観点からは、上記第1の層中のポリビニルアセタール樹脂100重量部に対する可塑剤の含有量は、上記第2,第3の層中のポリビニルアセタール樹脂100重量部に対する可塑剤の各含有量よりも多いことが好ましい。合わせガラスの遮音性をさらに一層高める観点からは、上記第1の層中のポリビニルアセタール樹脂100重量部に対する可塑剤の含有量は、上記第2,第3の層中のポリビニルアセタール樹脂100重量部に対する可塑剤の各含有量よりも5重量部以上多いことが好ましく、10重量部以上多いことがより好ましく、12重量部以上多いことがさらに好ましく、15重量部以上多いことが特に好ましい。
(他の成分)
合わせガラスにおける発泡の発生及び発泡の成長をより一層抑制し、遮音性に優れた合わせガラスを得る観点からは、上記第1の層は、ホウ素原子を有する化合物を含むことが好ましい。上記ホウ素原子を有する化合物としては特に限定されないが、四ホウ酸塩及びホウ酸等が挙げられる。四ホウ酸塩としては、四ホウ酸ナトリウム及び四ホウ酸カリウム等が挙げられる。ホウ素原子を有する化合物の使用により、上記試験法A又は上記試験法Bによる上記比(G’(Tg+80)/G’(Tg+30))が上記下限及び上記上限を満たすようにすることが容易である。
上記第1の層中の上記ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対する上記ホウ素原子を有する化合物の含有量の好ましい下限は0.01重量部、より好ましい下限は0.05重量部、更に好ましい下限は0.1重量部、好ましい上限は5重量部、より好ましい上限は1重量部、更に好ましい上限は0.5重量部である。上記ホウ素原子を有する化合物の含有量が上記好ましい下限を満たすと、上記試験法A又は上記試験法Bによる上記比(G’(Tg+80)/G’(Tg+30))が上記下限及び上記上限を満たすようにすることが容易である。上記ホウ素原子を有する化合物の含有量が上記好ましい上限を満たすと、合わせガラスの透明性をより一層高くすることができる。
上記第1〜第3の層はそれぞれ、必要に応じて、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、難燃剤、帯電防止剤、顔料、染料、接着力調整剤、耐湿剤、蛍光増白剤及び赤外線吸収剤等の添加剤を含有していてもよい。
(合わせガラス用中間膜の製造方法、及び合わせガラス)
本発明に係る合わせガラス用中間膜の製造方法としては特に限定されないが、上記ポリビニルアセタール樹脂と上記可塑剤とを含む樹脂組成物を用いて、上記第1〜第3の層をそれぞれ形成した後に、例えば、上記第2の層と上記第1の層と上記第3の層とをこの順に積層する方法、並びに該樹脂組成物を、押出機を用いて共押出することにより、上記第2の層と上記第1の層と上記第3の層とをこの順に積層する方法等が挙げられる。中間膜の製造効率が優れることから、上記第2,第3の層に、同一のポリビニルアセタール樹脂が含まれていることが好ましく、上記第2,第3の層に、同一のポリビニルアセタール樹脂及び同一の可塑剤が含まれていることがより好ましく、上記第2,第3の層が同一の樹脂組成物により形成されていることが更に好ましい。
本発明に係る合わせガラス用中間膜はそれぞれ、合わせガラスを得るために用いられる。
図5に、図1に示す中間膜1を用いた合わせガラスの一例を模式的に断面図で示す。
図5に示す合わせガラス11は、第1の合わせガラス構成部材12と、第2の合わせガラス構成部材13と、中間膜1とを備える。中間膜1は、第1,第2の合わせガラス構成部材12,13の間に挟み込まれている。
第1の合わせガラス構成部材12は、第2の層3の外側の表面3aに積層されている。第2の合わせガラス構成部材13は、第3の層4の外側の表面4aに積層されている。従って、合わせガラス11は、第1の合わせガラス構成部材12と、第2の層3と、第1の層2と、第3の層4と、第2の合わせガラス構成部材13とがこの順で積層されて構成されている。
上記第1,第2の合わせガラス構成部材としては、ガラス板及びPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム等が挙げられる。合わせガラスには、2枚のガラス板の間に中間膜が挟み込まれている合わせガラスだけでなく、ガラス板とPETフィルム等との間に中間膜が挟み込まれている合わせガラスも含まれる。合わせガラスは、ガラス板を備えた積層体であり、少なくとも1枚のガラス板が用いられていることが好ましい。
上記ガラス板としては、無機ガラス及び有機ガラスが挙げられる。上記無機ガラスとしては、フロート板ガラス、熱線吸収板ガラス、熱線反射板ガラス、磨き板ガラス、型板ガラス、網入り板ガラス、及び線入り板ガラス等が挙げられる。上記有機ガラスは、無機ガラスに代用される合成樹脂ガラスである。上記有機ガラスとしては、ポリカーボネート板及びポリ(メタ)アクリル樹脂板等が挙げられる。上記ポリ(メタ)アクリル樹脂板としては、ポリメチル(メタ)アクリレート板等が挙げられる。
上記中間膜の厚みは特に限定されない。上記中間膜の厚みは、中間膜を構成する各層の合計の厚みを示す。よって、第1,第2,第3の層を備える多層の中間膜の場合には、中間膜の厚みは、第1,第2,第3の層の合計の厚みを示す。上記合わせガラスの耐貫通性をより一層高める観点からは、中間膜の厚みの好ましい下限は0.05mm、より好ましい下限は0.25mm、好ましい上限は3mm、より好ましい上限は1.5mmである。中間膜の厚みが上記好ましい下限及び上記好ましい上限をそれぞれ満たすと、合わせガラスの耐貫通性及び透明性をより一層高めることができる。実用面の観点、並びに耐貫通性を充分に高める観点からは、中間膜の最大厚みは好ましくは3mm以下、より好ましくは2mm以下、更に好ましくは1.5mm以下である。中間膜の最小厚みは好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.25mm以上、更に好ましくは0.5mm以上、特に好ましくは0.8mm以上である。中間膜の一端が最大厚みを有し、中間膜の他端が最少厚みを有することが好ましい。
上記第1の層の厚みの好ましい下限は0.01mm、より好ましい下限は0.04mm、更に好ましい下限は0.07mm、好ましい上限は0.3mm、より好ましい上限は0.2mm、更に好ましい上限は0.18mm、特に好ましい上限は0.16mmである。上記第1の層の厚みが上記下限を満たすと、合わせガラスの遮音性をより一層高めることができ、上記上限を満たすと、合わせガラスの透明性をより一層高めることができる。実用面の観点、並びに耐貫通性を充分に高める観点からは、上記第1の層の最大厚みは好ましくは0.8mm以下、より好ましくは0.6mm以下である。上記第1の層の最小厚みは好ましくは0.001mm以上、より好ましくは0.05mm以上である。
上記第2,第3の層の厚みの好ましい下限は0.1mm、より好ましい下限は0.2mm、更に好ましい下限は0.25mm、特に好ましい下限は0.3mm、好ましい上限は0.6mm、より好ましい上限は0.5mm、更に好ましい上限は0.45mm、特に好ましい上限は0.4mmである。上記第2,第3の層の厚みが上記下限を満たすと、合わせガラスの耐貫通性をより一層高めることができ、上記上限を満たすと、合わせガラスの透明性をより一層高めることができる。実用面の観点、並びに接着力及び耐貫通性を充分に高める観点からは、上記第2,第3の層の最大厚みはそれぞれ、好ましくは1mm以下、より好ましくは0.8mm以下である。上記第2,第3の層の最小厚みはそれぞれ、好ましくは0.001mm以上、より好ましくは0.2mm以上である。
また、上記第1の層の最小厚みの中間膜の厚みに対する比((上記第1の層の最小厚み)/(上記中間膜の厚み))が小さく、上記第1の層に含まれる可塑剤の含有量が多いほど、合わせガラスにおける発泡が発生し、発泡が成長する傾向にある。特に、中間膜における上記比が0.05〜0.35であり、上記第1の層中の上記ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対する上記可塑剤の含有量が55重量部以上である場合に、本発明に係る合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスにおける発泡の発生及び発泡の成長を十分に抑制し、かつ合わせガラスの遮音性をより一層高めることができる。上記比((上記第1の層の最小厚み)/(中間膜の厚み))の好ましい下限は0.06、より好ましい下限は0.07、更に好ましい下限は0.08、特に好ましい下限は0.1、好ましい上限は0.3、より好ましい上限は0.25、更に好ましい上限は0.2、特に好ましい上限は0.15である。なお、上記第1の層の最小厚みの中間膜の厚みに対する比において、中間膜の厚みとは、第1の層の厚さが最小である部位の中間膜の厚みを意味する。
本発明に係る合わせガラス用中間膜は、透明又は不透明な着色領域と、該着色領域とは異なる第2の領域を有していてもよい。中間膜は、透明又は不透明な着色領域R1(第1の領域)と、該着色領域R1とは異なる第2の領域R2とを有していてもよい。中間膜は、一部の領域に着色帯を有していてもよい。多層の中間膜が着色帯を有する場合には、第2,第3の層のいずれか一方が着色帯を有することが好ましい。ただし、第1の層が着色帯を有していてもよい。上記着色帯は、例えば、合わせガラス用中間膜又は該中間膜の各層を押出成形する際に、着色剤を所定の領域に配合することにより形成できる。
上記第1,第2の合わせガラス構成部材の厚みは、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは1mm以上、好ましくは5mm以下、より好ましくは3mm以下である。また、上記合わせガラス構成部材がガラス板である場合に、該ガラス板の厚みは、1〜3mmの範囲内であることが好ましい。上記合わせガラス構成部材がPETフィルムである場合に、該PETフィルムの厚みは、0.03〜0.5mmの範囲内であることが好ましい。
上記合わせガラスの製造方法は特に限定されない。例えば、上記第1,第2の合わせガラス構成部材の間に、中間膜を挟んで、押圧ロールに通したり、又はゴムバックに入れて減圧吸引したりして、上記第1,第2の合わせガラス構成部材と中間膜との間に残留する空気を脱気する。その後、約70〜110℃で予備接着して積層体を得る。次に、積層体をオートクレーブに入れたり、又はプレスしたりして、約120〜150℃及び1〜1.5MPaの圧力で圧着する。このようにして、上記合わせガラスを得ることができる。
上記合わせガラスは、自動車、鉄道車両、航空機、船舶及び建築物等に使用できる。合わせガラスは、これらの用途以外にも使用できる。合わせガラスは、建築用又は車両用の合わせガラスであることが好ましく、車両用の合わせガラスであることがより好ましい。合わせガラスは、自動車のフロントガラス、サイドガラス、リアガラス又はルーフガラス等に使用できる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明する。本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(実施例1)
(1)多層中間膜の作製
平均重合度が3050であるポリビニルアルコール樹脂をn−ブチルアルデヒドでブチラール化することにより得られたポリビニルブチラール樹脂A(水酸基の含有率23.5モル%、アセチル化度12.5モル%、ブチラール化度64モル%)100重量部に、可塑剤であるトリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)60重量部を添加し、ミキシングロールで充分に混練し、中間層用樹脂組成物を得た。
さらに、平均重合度が1700であるポリビニルアルコール樹脂をn−ブチルアルデヒドでブチラール化することにより得られたポリビニルブチラール樹脂B(水酸基の含有率30.4モル%、アセチル化度0.8モル%、ブチラール化度68.8モル%)100重量部に、可塑剤であるトリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)37.5重量部を添加し、ミキシングロールで充分に混練し、表面層用樹脂組成物を得た。
得られた中間層用樹脂組成物及び表面層用樹脂組成物を用いて、押出機により共押出することにより、表面層と中間層と表面層とが順に積層された多層中間膜(縦1000mm×横350mm)を作製した。この多層中間膜では、縦方向における一端の厚みを、該一端とは反対側の他端の厚みよりも薄くし、横方向における厚みは均一にし、表面層(第2,第3の層)及び中間層(第1の層)の各最大厚み及び各最小厚み、及び中間膜の楔角θを下記の表1に示すようにした。
(2)耐貫通性試験に用いる合わせガラスの作製
得られた多層中間膜を、縦方向及び横方向における中央部分を取り出すように、縦30cm×横30cmの大きさに切断した。次に、透明なフロートガラス(縦30cm×横30cm×厚さ2.5mm)2枚の間に、多層中間膜を挟み込み、積層体を得た。この積層体をゴムバック内に入れ、2.6kPaの真空度で20分間脱気した後、脱気したままオーブン内に移し、更に90℃で30分間保持して真空プレスし、積層体を予備圧着した。オートクレーブ中で135℃及び圧力1.2MPaの条件で、予備圧着された積層体を20分間圧着し、耐貫通性試験に用いる合わせガラスを得た。
(3)遮音性測定に用いる合わせガラスの作製
多層中間膜を、縦方向及び横方向における中央部分を取り出すように、縦30cm×横2.5cmの大きさに切断し、透明なフロートガラス(縦30cm×横2.5cm×厚さ2.5mm)を用いたこと以外は耐貫通性試験に用いる合わせガラスと同様の方法で、遮音性測定に用いる合わせガラスを得た。
(4)発泡試験に用いる合わせガラスの作製
(試験法Aの発泡試験に用いる合わせガラス)
得られた多層中間膜を、横方向における中央部分を取り出すようにかつ厚みが相対的に薄い縦方向の一端側の端部を含むように、縦30cm×横15cmの大きさに切断し、温度23℃の環境下にて、10時間保管した。また、得られた多層中間膜を、横方向における中央部分を取り出すようにかつ厚みが相対的に厚い縦方向の他端側の端部を含むように、縦30cm×横15cmの大きさに切断し、温度23℃の環境下にて、10時間保管した。なお、得られた多層中間膜の両面にはエンボスが形成されており、そのエンボスの十点平均粗さは30μmであった。切断された多層中間膜において、多層中間膜の端部から縦方向にそれぞれ内側に向かって8cmの位置と、多層中間膜の端部から横方向にそれぞれ内側に向かって5cmの位置との交点4箇所に、直径6mmの貫通孔を形成し、貫通孔を有する多層中間膜を得た。
透明なフロートガラス(縦30cm×横15cm×厚さ2.5mm)2枚の間に、貫通孔を有する多層中間膜を挟み込み、積層体を得た。積層体の外周縁は、熱融着により端部から幅2cmを封止することにより、エンボスに残留した空気および貫通孔に残留した空気を封じ込めた。この積層体を135℃、圧力1.2MPaの条件で20分間圧着することで、残留した空気を多層中間膜中に溶かし込み、試験法Aの発泡試験に用いる厚みが相対的に薄い中間膜を用いた合わせガラスXと、厚みが相対的に厚い中間膜を用いた合わせガラスYとを得た。
(試験法Bの発泡試験に用いる合わせガラス)
多層中間膜に貫通孔を形成しなかったこと以外は試験法Aの発泡試験に用いる合わせガラスと同様にして、試験法Bの発泡試験に用いる厚みが相対的に薄い中間膜を用いた合わせガラスXと、厚みが相対的に厚い中間膜を用いた合わせガラスYとを得た。
(実施例2〜46及び比較例1〜5)
第1〜第3の層の組成及び、第1の層に用いるポリビニルアセタール樹脂を得るために用いるポリビニルアルコール樹脂の平均重合度を下記の表1〜7に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、中間膜及び合わせガラスを作製した。
なお、実施例34〜36では、中間層用樹脂組成物の調製時に、ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対して、四ホウ酸ナトリウムを下記の表6に示す含有量となるように添加した。また、実施例37では、中間層用樹脂組成物においてポリビニルブチラール樹脂にかえて、カルボン酸変性ポリビニルブチラール樹脂(平均重合度1800、水酸基の含有率21.3モル%、アセチル化度12.6モル%、ブチラール化度64.9モル%、カルボン酸変性の割合1.2モル%)を用い、第1〜第3の層の組成を下記の表6に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、中間膜及び合わせガラスを作製した。また、実施例2〜46及び比較例1〜5の表面層用樹脂組成物に含まれるポリビニルブチラール樹脂は平均重合度が1700のポリビニルアルコール樹脂をアセタール化することにより得た。
(実施例47〜49)
表面層(第2,第3の層)及び中間層(第1の層)の各最大厚み及び各最小厚み、及び中間膜の楔角θを下記の表8に示すように設定したこと以外は実施例1と同様にして、中間膜及び合わせガラスを作製した。
(評価)
(1)遮音性
合わせガラスをダンピング試験用の振動発生機(振研社製「加振機G21−005D」)により加振し、そこから得られた振動特性を機械インピーダンス測定装置(リオン社製「XG−81」)にて増幅し、振動スペクトルをFFTスペクトラムアナライザー(横河ヒューレッドパッカード社製「FFTアナライザー HP3582A」)により解析した。
このようにして得られた損失係数と合わせガラスとの共振周波数との比から、20℃における音周波数(Hz)と音響透過損失(dB)との関係を示すグラフを作成し、音周波数2,000Hz付近における極小の音響透過損失(TL値)を求めた。このTL値が高いほど、遮音性が高くなる。TL値が35dB以上の場合を「○」、TL値が35dB未満の場合を「×」として、結果を下記の表1〜8に示した。
(2)発泡状態(試験法A及び試験法B)
発泡試験に用いる合わせガラスXと合わせガラスYとをそれぞれ、各多層中間膜について5枚作製し、50℃のオーブン内に100時間放置した。放置後の合わせガラスにおいて、発泡の有無及び発泡の大きさを平面視にて目視で観察した(試験法A)。さらに、発泡試験に用いる合わせガラスXと合わせガラスYとをそれぞれを、各多層中間膜について5枚作製し、50℃のオーブン内に30日間放置した。放置後の合わせガラスX,Yにおいて、発泡の有無及び発泡の大きさを平面視にて目視で観察した(試験法B)。観察結果から、発泡の状態を下記の判定基準で判定した。
[発泡の状態の判定基準]
5枚の合わせガラスに発生した発泡を、楕円で近似し、その楕円面積を発泡面積とした。5枚の合わせガラスにて観察された楕円面積の平均値を求め、合わせガラスの面積(30cm×15cm)に対する楕円面積の平均値(発泡面積)の割合(百分率)を求めた。
○○:5枚全ての合わせガラスに発泡が観察されなかった
○:楕円面積の平均値(発泡面積)の割合が5%未満であった
△:楕円面積の平均値(発泡面積)の割合が5%以上、10%未満であった
×:楕円面積の平均値(発泡面積)の割合が10%以上であった
(3)耐貫通性
耐貫通性試験に用いる合わせガラス(縦30cm×横30cm)を、表面温度が23℃となるように調整した。次いで、JIS R3212に準拠して、4mの高さから、6枚の合わせガラスに対してそれぞれ、質量2260g及び直径82mmの剛球を、合わせガラスの中心部分に落下させた。6枚の合わせガラス全てについて、剛球が衝突した後5秒以内に剛球が貫通しなかった場合を合格とした。剛球が衝突した後5秒以内に剛球が貫通しなかった合わせガラスが3枚以下であった場合は不合格とした。4枚の場合には、新しく6枚の合わせガラスの耐貫通性を評価した。5枚の場合には、新しく1枚の合わせガラスを追加試験し、剛球が衝突した後5秒以内に剛球が貫通しなかった場合を合格とした。同様の方法で、5m及び6mの高さから、6枚の合わせガラスに対してそれぞれ、質量2260g及び直径82mmの剛球を、合わせガラスの中心部分に落下させ、合わせガラスの耐貫通性を評価した。
(4)試験法Aによる弾性率G’の測定
実施例及び比較例の合わせガラス用中間膜の第1の層に含まれる各ポリビニルアセタール樹脂(第1の層に用いるポリビニルアセタール樹脂)100重量部と、可塑剤としてトリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)60重量部とを充分に混練し、混練物を得た。得られた混練物をプレス成型機でプレス成型して、平均厚さが0.35mmの樹脂膜Aを得た。得られた樹脂膜Aを25℃及び相対湿度30%の条件で2時間放置した。2時間放置した後に、TAINSTRUMENTS社製のARES−G2を用いて、粘弾性を測定した。治具として、直径8mmのパラレルプレートを用いた。3℃/分の降温速度で100℃から−10℃まで温度を低下させる条件、及び周波数1Hz及び歪1%の条件で測定を行った。得られた測定結果において、損失正接のピーク温度をガラス転移温度Tg(℃)とした。また、得られた測定結果とガラス転移温度Tgとから、(Tg+30)℃での弾性率G’(Tg+30)の値と、(Tg+80)℃での弾性率G’(Tg+80)の値とを読み取った。また、比(G’(Tg+80)/G’(Tg+30))を求めた。
(5)試験法Bによる弾性率G’の測定
実施例及び比較例の合わせガラス用中間膜を恒温恒湿室(湿度30%(±3%)、温度23℃)に1ヶ月間保管した。1ヶ月間保管した後すぐに、表面層と中間層と表面層とを剥離することにより、中間層を取り出した。2枚のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの間に配置された型枠(縦2cm×横2cm×厚み0.76mm)内に、剥離された中間層1gを置き、温度150℃、プレス圧0kg/cmで10分間予熱した後、80kg/cmで15分間プレス成型した。予め20℃に設定したハンドプレス機に、プレス成型された中間層を配置し、10MPaで10分間プレスすることにより冷却した。次いで、2枚のPETフィルムの間に配置された型枠から、1枚のPETフィルムを剥離し、恒温恒湿室(湿度30%(±3%)、温度23℃)で24時間保管した後、TAINSTRUMENTS社製のARES−G2を用いて、粘弾性を測定した。治具として、直径8mmのパラレルプレートを用いた。3℃/分の降温速度で100℃から−10℃まで温度を低下させる条件、及び周波数1Hz及び歪1%の条件で測定を行った。得られた測定結果において、損失正接のピーク温度をガラス転移温度Tg(℃)とした。また、得られた測定結果とガラス転移温度Tgとから、(Tg+30)℃での弾性率G’(Tg+30)の値と、(Tg+80)℃での弾性率G’(Tg+80)の値とを読み取った。また、比(G’(Tg+80)/G’(Tg+30))を求めた。
結果を下記の表1〜8に示す。下記表1〜8において、可塑剤の種類である3GOはトリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエートを表し、3GHはトリエチレングリコールジ−2−エチルブチレートを表す。また、第1の層に用いたポリビニルアセタール樹脂の分子量分布比(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)の値も下記の表1〜8に示した。なお、第1の層に用いたポリビニルアセタール樹脂の数平均分子量Mnは5万〜50万の範囲内であった。上記数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定によるポリスチレン換算での数平均分子量を示す。
Figure 2013006731
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上記表1〜8に示すように、実施例及び比較例の合わせガラス用中間膜では、第1の層を構成するポリビニルアセタール樹脂と第1の層を構成する可塑剤とを上記表1〜8の含有量で含む樹脂膜B(第1の層)を用いて、多層中間膜の各層間で可塑剤を移行させた後、該樹脂膜B(第1の層)の弾性率G’を測定した結果、該樹脂膜Bの比(G’(Tg+80)/G’(Tg+30))は、第1の層に含まれているポリビニルアセタール樹脂100重量部と3GO60重量部とを含む樹脂膜Aの比(G’(Tg+80)/G’(Tg+30))とほぼ同様であった。
また、比較例1〜5では、発泡試験Aにおいて生じた発泡の発泡面積は、厚みが相対的に薄い中間膜を用いた合わせガラスXの方が、厚みが相対的に厚い中間膜を用いた合わせガラスYよりも大きかった。これに対して、全ての実施例の厚みが相対的に薄い中間膜を用いた合わせガラスの発泡試験Aにおいて、発泡が観察されなかったか、生じた発泡の発泡面積は十分に小さかった。
1…中間膜
1a…一端
1b…他端
2…第1の層
2a…一方の面
2b…他方の面
3…第2の層
3a…外側の表面
4…第3の層
4a…外側の表面
11…合わせガラス
12…第1の合わせガラス構成部材
13…第2の合わせガラス構成部材
51,61,71…中間膜
51a,61a,71a…一端
51b,61b,71b…他端
52,62,72…第1の層
53,63,73…第2の層
54,64,74…第3の層

Claims (20)

  1. ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤とを含有する第1の層と、
    前記第1の層の一方の面に積層されており、かつポリビニルアセタール樹脂と可塑剤とを含有する第2の層とを備え、
    前記第1の層を樹脂膜として用いて、該樹脂膜の粘弾性を測定した場合に、該樹脂膜のガラス転移温度をTg(℃)としたときに、(Tg+80)℃での弾性率G’(Tg+80)の(Tg+30)℃での弾性率G’(Tg+30)に対する比(G’(Tg+80)/G’(Tg+30))が、0.65以上であり、
    一端の厚みが、該一端とは反対側の他端の厚みよりも薄い、合わせガラス用中間膜。
  2. ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤とを含有する第1の層と、
    前記第1の層の一方の面に積層されており、かつポリビニルアセタール樹脂と可塑剤とを含有する第2の層とを備え、
    前記第1の層に含まれる前記ポリビニルアセタール樹脂100重量部と、可塑剤としてトリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)60重量部とを含む樹脂膜を用いて、該樹脂膜の粘弾性を測定した場合に、該樹脂膜のガラス転移温度をTg(℃)としたときに、(Tg+80)℃での弾性率G’(Tg+80)の(Tg+30)℃での弾性率G’(Tg+30)に対する比(G’(Tg+80)/G’(Tg+30))が、0.65以上であり、
    一端の厚みが、該一端とは反対側の他端の厚みよりも薄い、合わせガラス用中間膜。
  3. 一端から他端に向かって、厚みが次第に厚くなる形状を有する、請求項1又は2に記載の合わせガラス用中間膜。
  4. 厚み方向の断面形状が楔状である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
  5. 前記第1の層中の前記ポリビニルアセタール樹脂のアセチル化度が8モル%以上であるか、又は前記第1の層中の前記ポリビニルアセタール樹脂のアセチル化度が8モル%未満であり、かつアセタール化度が68モル%以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
  6. 前記第1の層中の前記ポリビニルアセタール樹脂のアセチル化度が8モル%以上である、請求項5に記載の合わせガラス用中間膜。
  7. 前記第1の層中の前記ポリビニルアセタール樹脂のアセチル化度が8モル%未満であり、かつアセタール化度が68モル%以上である、請求項5に記載の合わせガラス用中間膜。
  8. 前記弾性率G’(Tg+30)が20万Pa以上である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
  9. 前記第1の層に含まれている前記ポリビニルアセタール樹脂の分子量分布比(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)が6.5以下である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
  10. 前記第1の層に含まれている前記ポリビニルアセタール樹脂の分子量分布比(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)が2.5〜3.2である、請求項9に記載の合わせガラス用中間膜。
  11. 前記第1の層中の前記ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対する前記可塑剤の含有量が、50重量部以上である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
  12. 前記第1の層中の前記ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対する前記可塑剤の含有量が、55重量部以上である、請求項11に記載の合わせガラス用中間膜。
  13. 前記第1の層中の前記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基の含有率が、30モル%以下である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
  14. 前記第1の層の他方の面に積層されており、かつポリビニルアセタール樹脂と可塑剤とを含有する第3の層をさらに備える、請求項1〜13のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
  15. 前記第1の層中の前記ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対する前記可塑剤の含有量が、前記第2,第3の層中の前記ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対する前記可塑剤の各含有量よりも多い、請求項14に記載の合わせガラス用中間膜。
  16. 前記第1〜第3の層に含まれている前記ポリビニルアセタール樹脂がそれぞれ、ポリビニルブチラール樹脂を含み、
    前記第1〜第3の層に含まれている前記可塑剤がそれぞれ、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート及びトリエチレングリコールジ−n−ヘプタノエートからなる群から選択された少なくとも1種を含む、請求項14又は15に記載の合わせガラス用中間膜。
  17. 前記第1の層に含まれている前記ポリビニルアセタール樹脂として、カルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂を含む、請求項1〜16のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
  18. 前記第1の層がホウ素原子を有する化合物を含む、請求項1〜17のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
  19. 前記ホウ素原子を有する化合物は、四ホウ酸ナトリウム、四ホウ酸カリウム、及び、ホウ酸からなる群より選択された少なくとも1種を含む、請求項18に記載の合わせガラス用中間膜。
  20. 第1,第2の合わせガラス構成部材と、
    前記第1,第2の合わせガラス構成部材の間に挟み込まれた中間膜とを備え、
    前記中間膜が、請求項1〜19のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜である、合わせガラス。
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