JP2013003515A - 複合偏光板およびそれを用いた液晶表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】コア層の両面に(メタ)アクリル系樹脂のスキン層が積層されてなる位相差フィルムを有し、その表面に粘着剤層を設けた粘着剤層付き複合偏光板において、該位相差フィルムと粘着剤層との密着性に優れ、ガラス基板に対して適度な粘着性とリワーク性を有する複合偏光板およびそれを用いた液晶表示装置を提供する。
【解決手段】偏光フィルムと、その一方の面に積層される透明保護フィルムと、他方の面に積層される第1の位相差フィルムと、第1の位相差フィルムの外面に第1の粘着剤層を介して積層されるコア層の両面に(メタ)アクリル系樹脂のスキン層が積層されてなる第2の位相差フィルムと、第2の位相差フィルムの外面に積層される第2の粘着剤層とを含み、第2の粘着剤層は、そのIRスペクトルが所定範囲のピーク積算面積比を有し、かつ対ガラス粘着力が1.0〜14.0N/25mmである複合偏光板およびそれを用いた液晶表示装置である。
【選択図】図1

Description

本発明は、偏光フィルムの片面に透明保護フィルムが、他面には位相差フィルムがそれぞれ貼合された複合偏光板、およびそれを用いたIPSモード液晶表示装置に関するものである。
液晶表示装置に広く用いられている偏光板として、偏光フィルムに積層される一方の保護フィルムに位相差フィルムを用いた複合偏光板が従来公知である。複合偏光板によれば、偏光板の一方の保護フィルムを省略することができるため、液晶表示装置のさらなる薄型軽量化が可能となる。
近年における液晶表示装置の大幅な市場拡大および普及拡大に伴い、複合偏光板には過酷な使用環境にも耐え得る高耐久性能、生産性向上、視認性向上(とりわけ視野角特性の向上)が求められている。これらの要求特性を満足する複合偏光板として特許文献1には、偏光フィルムの一方の面に第1の位相差フィルムが積層されており、この第1の位相差フィルム上に、スチレン系樹脂からなるコア層の両面にゴム粒子を含有する(メタ)アクリル系樹脂組成物からなるスキン層が形成された3層構造の第2の位相差フィルムが積層された複合偏光板が開示されている。この複合偏光板は、液晶表示装置(とりわけIPSモード液晶表示装置)の視野角補償能に優れている。
特開2010−217870号公報
上記特許文献1に記載の複合偏光板を液晶セルに貼合する際には粘着剤が用いられる。この粘着剤には、第2の位相差フィルムからの剥離が生じて外観に不具合が生じたり、液晶表示装置の視認性が低下したりすることを防止するために、第2の位相差フィルムに対して高い密着力が求められる。一方、複合偏光板を一度液晶セルのガラス基板に貼合した後、何らかの不都合があった場合に、複合偏光板の破断やガラス基板表面への糊残り(一部の粘着剤の残存)を生じることなく複合偏光板を剥離することができるよう、ガラス基板に対しては適度な粘着力と剥離性(リワーク性)を有していることが求められる。
樹脂フィルムと粘着剤層との密着性を向上させる方法として、貼合面にコロナ処理を施すことが知られているが、上記スキン層のような(メタ)アクリル系樹脂層に粘着剤層を貼合する場合、コロナ処理によっても十分な密着効果を得ることができなかった。
本発明の目的は、スチレン系樹脂からなるコア層の両面にゴム粒子を含有する(メタ)アクリル系樹脂組成物からなるスキン層が積層された3層構造の位相差フィルムを有し、その表面に粘着剤層を設けた粘着剤層付き複合偏光板において、該位相差フィルムと粘着剤層との密着性に優れるとともに、ガラス基板に対して適度な粘着性と剥離性(リワーク性)を有する複合偏光板およびそれを用いた液晶表示装置を提供することにある。
本発明は、偏光フィルムと、偏光フィルムの一方の面に第1の接着剤層を介して積層される透明保護フィルムと、偏光フィルムの他方の面に第2の接着剤層を介して積層されるオレフィン系樹脂からなる第1の位相差フィルムと、第1の位相差フィルムにおける第2の接着剤層とは反対側の面に第1の粘着剤層を介して積層される第2の位相差フィルムと、第2の位相差フィルムにおける第1の粘着剤層とは反対側の面に積層される第2の粘着剤層とを含み、第2の位相差フィルムは、スチレン系樹脂からなるコア層の両面にゴム粒子を含有する(メタ)アクリル系樹脂組成物からなるスキン層が積層された3層構造からなり、第2の粘着剤層は、その赤外吸収スペクトルが下記式(1):
0.05<S<0.20 (1)
[式中、Sは3550〜3950cm-1の波数領域におけるピーク積算面積S1と1650〜1800cm-1の波数領域におけるピーク積算面積S2との比S1/S2を表す]
を満たし、かつ対ガラス粘着力が1.0〜14.0N/25mmである複合偏光板を提供する。
また本発明は、IPSモード(横電界モード)液晶セルと、その少なくとも一方の面に積層される上記本発明に係る複合偏光板とを備える液晶表示装置を提供する。複合偏光板は、その第2の粘着剤層を用いて液晶セル表面に貼合される。1つの好ましい実施形態に係る液晶表示装置は、IPSモード液晶セルと、その一方の面に積層される上記本発明に係る複合偏光板と、他方の面に積層される偏光板であって、波長590nmにおける面内レタデーション値Reが10nm以下であり、厚み方向レタデーション値Rthの絶対値が15nm以下である透明保護フィルムをIPS液晶セル側に有する偏光板とを備える。液晶表示装置は、IPSモード液晶セルと複合偏光板との間にITO膜を備えることができる。
本発明によれば、第2の位相差フィルムのスキン層と粘着剤層との密着性に優れるともに、ガラス基板に対して適度な粘着性と剥離性(リワーク性)を有する複合偏光板を提供することができる。また、本発明の複合偏光板は、製造が容易な位相差フィルムを備えたものであり、液晶表示装置(とりわけIPSモード液晶表示装置)に適用した場合に優れた視野角特性を示す。さらに、2枚の位相差フィルムが積層されていながら、局所的な色ムラが生じにくい。
本発明に係る複合偏光板の層構成の一例を示す概略断面図である。
<複合偏光板>
図1は、本発明に係る複合偏光板の層構成の一例を示す概略断面図である。図1に示される複合偏光板100は、偏光フィルム101;偏光フィルム101の一方の面に第1の接着剤層106を介して積層される透明保護フィルム102;偏光フィルム101の他方の面に第2の接着剤層107を介して積層されるオレフィン系樹脂からなる第1の位相差フィルム103;第1の位相差フィルム103における第2の接着剤層107とは反対側の面に第1の粘着剤層104を介して積層される第2の位相差フィルム105;および、第2の位相差フィルム105における第1の粘着剤層104とは反対側の面に積層される、液晶セル等の他部材に貼合するための第2の粘着剤層108を備える。第2の位相差フィルム105は、スチレン系樹脂からなるコア層31の両面に、ゴム粒子を含有する(メタ)アクリル系樹脂組成物からなるスキン層32,32が形成された3層構造を有する。第2の粘着剤層108の外側には、他部材への貼合までその表面を仮着保護するセパレーター109が設けられる。
[偏光フィルム]
偏光フィルム101は、通常、公知の方法によってポリビニルアルコール系樹脂フィルムを一軸延伸する工程、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色することにより、二色性色素を吸着させる工程、二色性色素が吸着されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸水溶液で処理する工程、およびホウ酸水溶液による処理後に水洗する工程を経て製造されるものである。
ポリビニルアルコール系樹脂としては、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化したものを用いることができる。ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルの他に、酢酸ビニルと共重合可能な他の単量体との共重合体等が挙げられる。酢酸ビニルに共重合可能な他の単量体としては、たとえば、不飽和カルボン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類、およびアンモニウム基を有するアクリルアミド類等が挙げられる。
ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は、通常、85〜100mol%程度であり、98mol%以上が好ましい。このポリビニルアルコール系樹脂は変性されていてもよく、たとえば、アルデヒド類で変性されたポリビニルホルマールやポリビニルアセタール等も用いることができる。ポリビニルアルコール系樹脂の重合度は通常、1,000〜10,000程度であり、1,500〜5,000程度が好ましい。
このようなポリビニルアルコール系樹脂を製膜したものが、偏光フィルムの原反フィルムとして用いられる。ポリビニルアルコール系樹脂は公知の方法で製膜することができる。原反フィルムの膜厚は、たとえば10〜150μm程度である。
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムの一軸延伸は、二色性色素の染色前、染色と同時、または染色の後に行なうことができる。一軸延伸を染色の後で行なう場合には、この一軸延伸は、ホウ酸処理の前またはホウ酸処理中に行なってもよい。また、これらの複数の段階で一軸延伸を行なってもよい。
一軸延伸にあたっては、周速の異なるロール間で一軸に延伸してもよいし、熱ロールを用いて一軸に延伸してもよい。また一軸延伸は、大気中で延伸を行なう乾式延伸であってもよいし、水などの溶剤を用いポリビニルアルコール系樹脂フィルムを膨潤させた状態で延伸を行なう湿式延伸であってもよい。延伸倍率は通常、3〜8倍程度である。
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色する方法としては、たとえば、二色性色素を含有する水溶液にポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬する方法が採用される。二色性色素として具体的には、ヨウ素や二色性染料が用いられる。なお、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムは、染色処理の前に水への浸漬処理を施しておくことが好ましい。
二色性色素としてヨウ素を用いる場合は通常、ヨウ素およびヨウ化カリウムを含有する水溶液に、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬して染色する方法が採用される。この水溶液におけるヨウ素の含有量は通常、水100重量部あたり0.01〜1重量部程度である。また、ヨウ化カリウムの含有量は通常、水100重量部あたり0.5〜20重量部程度である。染色に用いる水溶液の温度は通常、20〜40℃程度である。また、この水溶液への浸漬時間(染色時間)は通常、20〜1,800秒程度である。
一方、二色性色素として二色性染料を用いる場合は通常、水溶性二色性染料を含む水溶液に、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬して染色する方法が採用される。この水溶液における二色性染料の含有量は通常、水100重量部あたり1×10-4〜10重量部程度であり、1×10-3〜1重量部程度が好ましい。この水溶液は、硫酸ナトリウム等の無機塩を染色助剤として含有していてもよい。染色に用いる二色性染料水溶液の温度は通常、20〜80℃程度である。また、この水溶液への浸漬時間(染色時間)は通常、10〜1,800秒程度である。
二色性色素による染色後のホウ酸処理は通常、染色されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸含有水溶液に浸漬することにより行なわれる。
ホウ酸含有水溶液におけるホウ酸の量は通常、水100重量部あたり2〜15重量部程度であり、5〜12重量部が好ましい。二色性色素としてヨウ素を用いる場合には、このホウ酸含有水溶液はヨウ化カリウムを含有することが好ましい。ホウ酸含有水溶液におけるヨウ化カリウムの量は通常、水100重量部あたり0.1〜15重量部程度であり、5〜12重量部程度が好ましい。ホウ酸含有水溶液への浸漬時間は通常、60〜1,200秒程度であり、150〜600秒程度が好ましく、200〜400秒程度がより好ましい。ホウ酸含有水溶液の温度は通常、50℃以上であり、50〜85℃が好ましく、60〜80℃がより好ましい。
ホウ酸処理後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムは、通常、水洗処理される。水洗処理は、たとえばホウ酸処理されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムを水に浸漬することにより行なわれる。水洗処理における水の温度は通常、5〜40℃程度である。浸漬時間は通常、1〜120秒程度である。
水洗後は乾燥処理が施されて、偏光フィルムが得られる。乾燥処理は、熱風乾燥機や遠赤外線ヒーターを用いて行なうことができる。乾燥処理の温度は通常、30〜100℃程度であり、50〜80℃が好ましい。乾燥時間は通常、60〜600秒程度であり、120〜600秒が好ましい。
乾燥処理後の偏光フィルムの水分率は通常、5〜20重量%であり、8〜15重量%が好ましい。水分率が5重量%を下回ると、偏光フィルムの可撓性が失われ、損傷したり破断したりする場合がある。水分率が20重量%を上回ると、偏光フィルムの熱安定性に劣る場合がある。こうして二色性色素を吸着配向させて得られる偏光フィルムの厚みは、通常、5〜40μm程度である。
[オレフィン系樹脂からなる第1の位相差フィルム]
偏光フィルム101の液晶セル側に配置される第1の位相差フィルム103は、オレフィン系樹脂からなるものである。オレフィン系樹脂とは、エチレンおよびプロピレン等の鎖状脂肪族オレフィン、またはノルボルネンやその置換体(以下、これらを総称してノルボルネン系モノマーとも称する)等の脂環式オレフィンから誘導される構成単位からなる樹脂である。オレフィン系樹脂は2種以上のモノマーを用いた共重合体であってもよい。
中でも、オレフィン系樹脂としては、脂環式オレフィンから誘導される構成単位を主に含む樹脂である環状オレフィン系樹脂が好ましく用いられる。環状オレフィン系樹脂を構成する脂環式オレフィンの典型的な例としては、ノルボルネン系モノマー等を挙げることができる。ノルボルネンとは、ノルボルナンの1つの炭素−炭素結合が二重結合となった化合物であって、IUPAC命名法によれば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エンと命名されるものである。ノルボルネンの置換体の例としては、ノルボルネンの二重結合位置を1,2−位として、3−置換体、4−置換体、4,5−ジ置換体等を挙げることができ、さらにはジシクロペンタジエンやジメタノオクタヒドロナフタレン等も環状オレフィン系樹脂を構成するモノマーとすることができる。
環状オレフィン系樹脂は、その構成単位にノルボルナン環を有していてもよいし、有していなくてもよい。構成単位にノルボルナン環を有さない環状オレフィン系樹脂を形成するノルボルネン系モノマーとしては、たとえば、開環により5員環となるもの、代表的には、ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、1−または4−メチルノルボルネン、4−フェニルノルボルネン等が挙げられる。環状オレフィン系樹脂が共重合体である場合、その分子の配列状態は特に限定されるものではなく、ランダム共重合体であってもよいし、ブロック共重合体であってもよいし、グラフト共重合体であってもよい。
環状オレフィン系樹脂のより具体的な例としては、たとえば、ノルボルネン系モノマーの開環重合体、ノルボルネン系モノマーと他のモノマーとの開環共重合体、それらにマレイン酸付加やシクロペンタジエン付加等がなされたポリマー変性物、およびこれらを水素添加した重合体または共重合体、ノルボルネン系モノマーの付加重合体、ノルボルネン系モノマーと他のモノマーとの付加共重合体等が挙げられる。共重合体とする場合における他のモノマーとしては、α−オレフィン類、シクロアルケン類、非共役ジエン類等が挙げられる。また、環状オレフィン系樹脂は、ノルボルネン系モノマーおよび他の脂環式オレフィンの1種または2種以上を用いた共重合体であってもよい。
上記具体例の中でも、環状オレフィン系樹脂としては、ノルボルネン系モノマーを用いた開環重合体に水素添加した樹脂が好ましく用いられる。このような環状オレフィン系樹脂は、それに延伸処理を施して位相差フィルムとすることができるほか、延伸に加え、所定の収縮率を有する収縮性フィルムを貼り合わせて加熱収縮処理を施すことにより、均一性が高く、大きな位相差値を有する位相差フィルムとすることもできる。
ノルボルネン系モノマーを用いた環状オレフィン系樹脂の市販品としては、いずれも商品名で、日本ゼオン(株)から販売されている「ゼオネックス」および「ゼオノア」、JSR(株)から販売されている「アートン」等がある。これらの環状オレフィン系樹脂のフィルムやその延伸フィルムも市販品を入手することができ、たとえば、いずれも商品名で、日本ゼオン(株)から販売されている「ゼオノアフィルム」、JSR(株)から販売されている「アートンフィルム」、積水化学工業(株)から販売されている「エスシーナ」等がある。
また、第1の位相差フィルム103には、オレフィン系樹脂を2種類以上含む混合樹脂からなるフィルムや、オレフィン系樹脂と他の熱可塑性樹脂との混合樹脂からなるフィルムを用いることもできる。たとえば、オレフィン系樹脂を2種類以上含む混合樹脂としては、上記したような環状オレフィン系樹脂と鎖状脂肪族オレフィン系樹脂との混合物を挙げることができる。オレフィン系樹脂と他の熱可塑性樹脂との混合樹脂を用いる場合、他の熱可塑性樹脂は、目的に応じて適宜適切なものが選択される。具体例としては、ポリ塩化ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル/スチレン共重合樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリブチレンテレフタレート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂、ポリアリレート系樹脂、液晶性樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン系樹脂等が挙げられる。熱可塑性樹脂は、1種のみを単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。また、上記熱可塑性樹脂は、任意の適切なポリマー変性を行なってから用いることもできる。ポリマー変性の例としては、共重合、架橋、分子末端変性、立体規則性付与等が挙げられる。
オレフィン系樹脂と他の熱可塑性樹脂との混合樹脂を用いる場合、他の熱可塑性樹脂の含有量は通常、樹脂全体に対して50重量%程度以下であり、40重量%程度以下が好ましい。他の熱可塑性樹脂の含有量をこの範囲内とすることによって、光弾性係数の絶対値が小さく、良好な波長分散特性を示し、かつ、耐久性、機械的強度および透明性に優れる位相差フィルムを得ることができる。
オレフィン系樹脂は、溶液からのキャスティング法や溶融押出法等により製膜することができる。2種以上の混合樹脂から製膜する場合、その製膜方法については特に限定されず、たとえば、樹脂成分を所定の割合で溶媒とともに撹拌混合して得られる均一溶液を用いてキャスティング法によりフィルムを作製する方法、樹脂成分を所定の割合で溶融混合し、溶融押出法によりフィルムを作製する方法等が採用される。
上記オレフィン系樹脂からなるフィルムは、残存溶媒、安定剤、可塑剤、老化防止剤、帯電防止剤、および紫外線吸収剤等、その他の成分を必要に応じて含有していてもよい。また、表面粗さを小さくするためレベリング剤を含有することもできる。
第1の位相差フィルム103は、面内遅相軸方向、面内進相軸方向および厚み方向の屈折率をそれぞれnx、nyおよびnzとし、フィルムの厚みをdとするとき、下記式(2):
e=(nx−ny)×d (2)
で定義される波長590nmにおける面内レタデーション値Reが30〜150nmであり、下記式(3):
Nz係数=(nx−nz)/(nx−ny) (3)
で定義されるNz係数が1を超え2未満の屈折率異方性を有することが好ましい。
上記のような屈折率異方性を有する第1の位相差フィルムは、上記オレフィン系樹脂からなるフィルムの縦一軸延伸、テンター横一軸延伸、同時二軸延伸または逐次二軸延伸等により得ることができ、延伸倍率と延伸速度とを適切に調整する他、延伸時の予熱温度、延伸温度、ヒートセット温度、冷却温度等の各種温度、およびそのパターンを適宜選択することにより所望の屈折率異方性を得ることができる。
第1の位相差フィルム103は、その厚みが20〜80μmの範囲内にあることが好ましく、40〜80μmの範囲内にあることがより好ましい。
[透明保護フィルム]
偏光フィルム101の一方の面に積層される透明保護フィルム102は、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮蔽性、位相差値の安定性等に優れる材料からなることが好ましい。このような透明保護フィルムを構成する材料としては、特に限定されないが、たとえば、メタクリル酸メチル系樹脂を代表例とする(メタ)アクリル系樹脂、ポリプロピレン系樹脂を代表例とする鎖状オレフィン系樹脂、環状オレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、スチレン系樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン系共重合樹脂、アクリロニトリル・スチレン系共重合樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリブチレンテフタレート系樹脂、ポリエチレンテフタレート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリイミド系樹脂等が挙げられる。
上記樹脂は、単独でまたは2種類以上を組み合わせて用いることができる。また、上記樹脂は、任意の適切なポリマー変性を行なってから用いることもでき、このポリマー変性としては、たとえば、共重合、架橋、分子末端変性、立体規則性制御、異種ポリマー同士の反応を伴う場合を含む混合等の変性が挙げられる。
これらの中でも、透明保護フィルム102の材料としては、メタクリル酸メチル系樹脂を代表例とする(メタ)アクリル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、またはセルロース系樹脂を用いることが好ましい。
メタクリル酸メチル系樹脂とは、メタクリル酸メチル単位を50重量%以上含む重合体である。メタクリル酸メチル単位の含有量は、好ましくは70重量%以上であり、100重量%であってもよい。メタクリル酸メチル単位が100重量%の重合体は、メタクリル酸メチルを単独で重合させて得られるメタクリル酸メチル単独重合体である。
メタクリル酸メチル系樹脂は通常、メタクリル酸メチルを主成分とする単官能単量体を、ラジカル重合開始剤および連鎖移動剤の共存下に重合して得ることができる。重合に当って、多官能単量体を少量共重合させることもある。
メタクリル酸メチルと共重合し得る単官能単量体としては、たとえば、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、およびメタクリル酸2−ヒドロキシエチル等のメタクリル酸メチル以外のメタクリル酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸2−エチルヘキシル、およびアクリル酸2−ヒドロキシエチル等のアクリル酸エステル類;2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル、2−(1−ヒドロキシエチル)アクリル酸メチル、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エチル、および2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸ブチル等のヒドロキシアルキルアクリル酸エステル類;メタクリル酸およびアクリル酸等の不飽和酸類;クロロスチレンおよびブロモスチレン等のハロゲン化スチレン類;ビニルトルエンおよびα−メチルスチレン等の置換スチレン類;アクリロニトリルおよびメタクリロニトリル等の不飽和ニトリル類;無水マレイン酸および無水シトラコン酸等の不飽和酸無水物類;フェニルマレイミドおよびシクロヘキシルマレイミド等の不飽和イミド類等を挙げることができる。共重合性単量体は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
メタクリル酸メチルと共重合し得る多官能単量体としては、たとえば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、およびテトラデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のエチレングリコールまたはそのオリゴマーの両末端水酸基をアクリル酸またはメタクリル酸でエステル化したもの;プロピレングリコールまたはそのオリゴマーの両末端水酸基をアクリル酸またはメタクリル酸でエステル化したもの;ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、およびブタンジオールジ(メタ)アクリレート等の2価アルコールの水酸基をアクリル酸またはメタクリル酸でエステル化したもの;ビスフェノールA、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、またはこれらのハロゲン置換体の両末端水酸基をアクリル酸またはメタクリル酸でエステル化したもの;トリメチロールプロパンおよびペンタエリスリトール等の多価アルコールをアクリル酸またはメタクリル酸でエステル化したもの、ならびにこれら末端水酸基にグリシジルアクリレートまたはグリシジルメタクリレートのエポキシ基を開環付加させたもの;コハク酸、アジピン酸、テレフタル酸、フタル酸、これらのハロゲン置換体等の二塩基酸、およびこれらのアルキレンオキサイド付加物等にグリシジルアクリレートまたはグリシジルメタクリレートのエポキシ基を開環付加させたもの;アリル(メタ)アクリレート;ジビニルベンゼン等の芳香族ジビニル化合物等が挙げられる。中でも、エチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、およびネオペンチルグリコールジメタクリレートが好ましく用いられる。
メタクリル酸メチル系樹脂は、さらに、共重合されている官能基間の反応を行ない、変性されたものであってもよい。その反応としては、たとえば、アクリル酸メチルのメチルエステル基と2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチルの水酸基との高分子鎖内脱メタノール縮合反応、アクリル酸のカルボキシル基と2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチルの水酸基との高分子鎖内脱水縮合反応等が挙げられる。
メタクリル酸メチル系樹脂は、市販品を容易に入手することが可能であり、たとえば、各々商品名で、「スミペックス」(住友化学株式会社製)、「アクリペット」(三菱レイヨン株式会社製)、「デルペット」(旭化成株式会社製)、「パラペット」(株式会社クラレ製)、「アクリビュア」(株式会社日本触媒製)等が挙げられる。
ポリエチレンテレフタレート系樹脂とは、繰り返し単位の80mol%以上がエチレンテレフタレートで構成される樹脂を意味し、他のジカルボン酸成分とジオール成分を含んでいてもよい。他のジカルボン酸成分としては、たとえば、イソフタル酸、4,4’−ジカルボキシジフェニール、4,4’−ジカルボキシベンゾフェノン、ビス(4−カルボキシフェニル)エタン、アジピン酸、セバシン酸、1,4−ジカルボキシシクロヘキサン等が挙げられる。
他のジオール成分としては、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。
これらのジカルボン酸成分やジオール成分は、必要により2種類以上を組み合わせて用いることもできる。また、p−ヒドロキシ安息香酸、p−β−ヒドロキシエトキシ安息香酸等のヒドロキシカルボン酸を併用することもできる。また、他の共重合成分として、少量のアミド結合、ウレタン結合、エーテル結合、カーボネート結合等を含有するジカルボン酸成分またはジオール成分が用いられてもよい。
ポリエチレンテレフタレート系樹脂の製造方法としては、テレフタル酸およびエチレングリコール(ならびに必要に応じて他のジカルボン酸または他のジオール)を直接重縮合させる方法、テレフタル酸のジアルキルエステルおよびエチレングリコール(ならびに必要に応じて他のジカルボン酸のジアルキルエステルまたは他のジオール)とをエステル交換反応させた後重縮合させる方法、テレフタル酸(および必要に応じて他のジカルボン酸)のエチレングリコールエステル(および必要に応じて他のジオールエステル)を触媒の存在下で重縮合させる方法等が採用される。さらに、必要に応じて固相重合を行ない、分子量を向上させたり、低分子量成分を低減させたりすることもできる。
ポリプロピレン系樹脂とは、繰り返し単位の80重量%以上がプロピレンモノマーである鎖状オレフィンモノマーを、重合用触媒を用いて重合されたものをいう。中でも、プロピレンの単独重合体であるものが好ましい。プロピレンの単独重合体の中では、20℃のキシレンに可溶な成分(CXS成分)が1重量%以下であるものがより好ましく、CXS成分が0.5重量%以下であるものがさらに好ましい。また、プロピレンを主体とし、それと共重合可能なコモノマーを、1〜20重量%の割合で、好ましくは3〜10重量%の割合で共重合させた共重合体も好ましい。
プロピレン共重合体を用いる場合、プロピレンと共重合可能なコモノマーとしては、エチレン、1−ブテン、および1−ヘキセンが好ましい。中でも、透明性に比較的優れることから、エチレンを3〜10重量%の割合で共重合させたものが好ましい。エチレンの共重合割合を1重量%以上とすることで、透明性を上げる効果が現れる。一方、その割合が20重量%を超えると、樹脂の融点が下がり、保護フィルムに要求される耐熱性が損なわれる場合がある。
セルロース系樹脂とは、綿花リンタや木材パルプ(広葉樹パルプ、針葉樹パルプ)等の原料セルロースから得られるセルロースの水酸基における水素原子の一部または全部がアセチル基、プロピオニル基および/またはブチリル基で置換された、セルロース有機酸エステルまたはセルロース混合有機酸エステルをいう。たとえば、セルロースの酢酸エステル、プロピオン酸エステル、酪酸エステル、およびそれらの混合エステル等からなるものが挙げられる。中でも、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート等が好ましい。
以上に掲げる樹脂から透明保護フィルム102を作製する方法としては、たとえば、溶媒に溶解させた樹脂を金属製バンドまたはドラムへ流延し、溶媒を乾燥除去してフィルムを得る溶媒キャスト法、樹脂をその溶融温度以上に加熱・混練してダイより押し出し、冷却することによりフィルムを得る溶融押出法などが採用される。溶融押出法では、単層フィルムを押し出すこともできるし、多層フィルムを同時押し出しすることもできる。
透明保護フィルム102として用いることができる市販品の例は次のとおりである。
メタクリル酸メチル系樹脂フィルム:商品名「テクノロイ」(住友化学株式会社製)、「アクリライト」、「アクリプレン」(以上、三菱レイヨン株式会社製)、「デラグラス」(旭化成株式会社製)、「パラグラス」、「コモグラス」(以上、株式会社クラレ製)、「アクリビュア」(株式会社日本触媒製)、
ポリエチレンテレフタレート系樹脂フィルム:商品名「ノバクリアー」(三菱化学株式会社製)、「帝人A−PETシート」(帝人化成株式会社製)、
ポリプロピレン系樹脂フィルム:商品名「FILMAX CPPフィルム」(FILMAX社製)、「サントックス」(サン・トックス株式会社製)、「トーセロ」(東セロ株式会社製)、「東洋紡パイレンフィルム」(東洋紡績株式会社製)、「トレファン」(東レフィルム加工株式会社製)、「ニホンポリエース」(日本ポリエース株式会社製)、「太閤FC」(フタムラ化学株式会社製)、
セルロース系樹脂フィルム:商品名「フジタックTD」(富士フイルム株式会社製)、「コニカミノルタTACフィルムKC」(コニカミノルタオプト株式会社製)。
透明保護フィルム102には、防眩性(ヘイズ)を付与することができる。防眩性を付与する方法としては、たとえば、原料樹脂中に微粒子(無機微粒子または有機微粒子)を混合してフィルム化する方法、多層押し出しにより、一方を微粒子が混合された樹脂で構成し、他方を微粒子が混合されていない樹脂で構成した二層フィルムとする方法、または微粒子が混合された樹脂を外側にして三層フィルムとする方法、フィルムの片側に微粒子を硬化性バインダー樹脂に混合してなる塗布液をコートし、バインダー樹脂を硬化して防眩層を設ける方法等が採用される。
防眩性を付与するための無機微粒子としては、たとえば、シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、アルミナゾル、アルミノシリケート、アルミナ−シリカ複合酸化物、カオリン、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム等が挙げられる。有機微粒子としては、たとえば、架橋ポリアクリル酸粒子、メタクリル酸メチル/スチレン共重合体樹脂粒子、架橋ポリスチレン粒子、架橋ポリメチルメタクリレート粒子、シリコーン樹脂粒子、ポリイミド粒子等が挙げられる。
防眩性が付与された透明保護フィルムのヘイズ値は、6〜45%の範囲内であることが好ましい。ヘイズ値が6%を下回ると、十分な防眩効果が現れない場合がある。また、ヘイズ値が45%を超えると、このフィルムを適用した液晶表示装置の画面が白ちゃけ、画質の低下を招く場合がある。
ヘイズ値は、JIS K 7136に準拠し、市販のヘイズメーター、たとえば、ヘイズ・透過率計HM−150(株式会社村上色彩技術研究所製)を用いて測定することができる。ヘイズ値の測定に際しては、フィルムの反りを防止するために、たとえば、光学的に透明な粘着剤を用いて防眩性付与面が表面となるようにフィルムをガラス基板に貼合した測定サンプルを用いることが好ましい。
透明保護フィルム102上には、上記防眩層の他、光拡散層、反射防止層、低反射層、ハードコート層、帯電防止層、防汚層等の機能層を設けることができる。
透明保護フィルム102の厚みは通常、強度や取り扱い性等の観点から1〜500μm程度であり、10〜200μmが好ましく、20〜100μmがさらに好ましい。この範囲内の厚みであれば、偏光フィルムを機械的に保護し、高温高湿下に曝されても偏光フィルムが収縮せず、安定した光学特性を保つことができる。
[第1の接着剤層および第2の接着剤層]
透明保護フィルム102および第1の位相差フィルム103を偏光フィルム101に積層する方法としては、各々、第1および第2の接着剤層106,107を設けて一体化させる方法が採用される。この際、接着剤層の厚みは、0.1〜35μmが好ましく、0.1〜15μmがより好ましい。この範囲であれば、積層されるフィルムと偏光フィルムとの間に浮きや剥がれが生じず、実用上問題のない接着力が得られる。
接着剤層は、被着体の種類や目的に応じて、適宜、適切なものを用いることができる。たとえば、溶剤型接着剤、エマルジョン型接着剤、感圧性接着剤、再湿性接着剤、重縮合型接着剤、無溶剤型接着剤、フィルム状接着剤、ホットメルト型接着剤等がある。
第1および第2の接着剤層106,107を形成する1つの好ましい接着剤は水系接着剤であり、その代表例はポリビニルアルコール系樹脂を主成分とするものである。水系接着剤となりうる市販のポリビニルアルコール系樹脂としては、たとえば(株)クラレ製の「KL−318」等がある。
水系接着剤は架橋剤を含有することができる。架橋剤としては、アミン化合物、アルデヒド化合物、メチロール化合物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物、多価金属塩等が好ましく、特にエポキシ化合物が好ましい。架橋剤の市販品としては、たとえば、グリオキザールや、住化ケムテックス(株)から販売されている水溶性エポキシ化合物の水溶液である「スミレーズレジン650(30)」等がある。
他の好ましい接着剤として、活性エネルギー線の照射または加熱により硬化するエポキシ樹脂を含有するエポキシ系樹脂組成物からなる接着剤が挙げられる。当該接着剤を用いる場合、フィルム間の接着は、フィルム間に介在する接着剤層に対して、活性エネルギー線を照射するか、または加熱し、接着剤に含有される硬化性エポキシ樹脂を硬化させることにより行なうことができる。活性エネルギー線の照射または加熱によるエポキシ樹脂の硬化は、好ましくはエポキシ樹脂のカチオン重合により行われる。なお、本明細書においてエポキシ樹脂とは、分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物を意味する。
耐候性、屈折率、カチオン重合性等の観点から、接着剤である硬化性エポキシ樹脂組成物に含有されるエポキシ樹脂は、分子内に芳香環を含まないエポキシ樹脂であることが好ましい。このようなエポキシ樹脂として、水素化エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等が例示できる。
水素化エポキシ樹脂は、芳香族エポキシ樹脂の原料であるポリヒドロキシ化合物を触媒の存在下、加圧下で選択的に核水素化反応して得られる核水添ポリヒドロキシ化合物をグリシジルエーテル化する方法により得ることができる。芳香族エポキシ樹脂としては、たとえば、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、ビスフェールFのジグリシジルエーテル、およびビスフェノールSのジグリシジルエーテル等のビスフェノール型エポキシ樹脂;フェノールノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、およびヒドロキシベンズアルデヒドフェノールノボラックエポキシ樹脂等のノボラック型のエポキシ樹脂;テトラヒドロキシフェニルメタンのグリシジルエーテル、テトラヒドロキシベンゾフェノンのグリシジルエーテル、およびエポキシ化ポリビニルフェノール等の多官能型のエポキシ樹脂等が挙げられる。水素化エポキシ樹脂中でも、水素化したビスフェノールAのグリシジルエーテルが好ましい。
脂環式エポキシ樹脂とは、脂環式環に結合したエポキシ基を分子内に1個以上有するエポキシ樹脂を意味する。「脂環式環に結合したエポキシ基」とは、次式に示される構造における橋かけの酸素原子−O−を意味する。次式中、mは2〜5の整数である。
Figure 2013003515
上記式における(CH2m中の1個または複数個の水素原子を取り除いた形の基が他の化学構造に結合している化合物が、脂環式エポキシ樹脂となり得る。(CH2m中の1個または複数個の水素原子は、メチル基やエチル基等の直鎖状アルキル基で適宜置換されていてもよい。脂環式エポキシ樹脂の中でも、オキサビシクロヘキサン環(上記式においてm=3のもの)や、オキサビシクロヘプタン環(上記式においてm=4のもの)を有するエポキシ樹脂は、優れた接着性を示すことから好ましく用いられる。以下に、好ましく用いられる脂環式エポキシ樹脂を具体的に例示するが、これらの化合物に限定されるものではない。
(a)次式(I)で示されるエポキシシクロヘキシルメチル エポキシシクロヘキサンカルボキシレート類:
Figure 2013003515
(式中、R1およびR2は、互いに独立して、水素原子または炭素数1〜5の直鎖状アルキル基を表す)。
(b)次式(II)で示されるアルカンジオールのエポキシシクロヘキサンカルボキシレート類:
Figure 2013003515
(式中、R3およびR4は、互いに独立して、水素原子または炭素数1〜5の直鎖状アルキル基を表し、nは2〜20の整数を表す)。
(c)次式(III)で示されるジカルボン酸のエポキシシクロヘキシルメチルエステル類:
Figure 2013003515
(式中、R5およびR6は、互いに独立して、水素原子または炭素数1〜5の直鎖状アルキル基を表し、pは2〜20の整数を表す)。
(d)次式(IV)で示されるポリエチレングリコールのエポキシシクロヘキシルメチルエーテル類:
Figure 2013003515
(式中、R7およびR8は、互いに独立して、水素原子または炭素数1〜5の直鎖状アルキル基を表し、qは2〜10の整数を表す)。
(e)次式(V)で示されるアルカンジオールのエポキシシクロヘキシルメチルエーテル類:
Figure 2013003515
(式中、R9およびR10は、互いに独立して、水素原子または炭素数1〜5の直鎖状アルキル基を表し、rは2〜20の整数を表す)。
(f)次式(VI)で示されるジエポキシトリスピロ化合物:
Figure 2013003515
(式中、R11およびR12は、互いに独立して、水素原子または炭素数1〜5の直鎖状アルキル基を表す)。
(g)次式(VII)で示されるジエポキシモノスピロ化合物:
Figure 2013003515
(式中、R13およびR14は、互いに独立して、水素原子または炭素数1〜5の直鎖状アルキル基を表す)。
(h)次式(VIII)で示されるビニルシクロヘキセンジエポキシド類:
Figure 2013003515
(式中、R15は、水素原子または炭素数1〜5の直鎖状アルキル基を表す)。
(i)次式(IX)で示されるエポキシシクロペンチルエーテル類:
Figure 2013003515
(式中、R16およびR17は、互いに独立して、水素原子または炭素数1〜5の直鎖状アルキル基を表す)。
(j)次式(X)で示されるジエポキシトリシクロデカン類:
Figure 2013003515
(式中、R18は、水素原子または炭素数1〜5の直鎖状アルキル基を表す)。
上記例示した脂環式エポキシ樹脂の中でも、次の脂環式エポキシ樹脂は、市販されているか、またはその類似物であって、入手が比較的容易である等の理由からより好ましく用いられる。
(A)7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3−カルボン酸と(7−オキサ−ビシクロ[4.1.0]ヘプト−3−イル)メタノールとのエステル化物[式(I)において、R1=R2=Hの化合物]、
(B)4−メチル−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3−カルボン酸と(4−メチル−7−オキサ−ビシクロ[4.1.0]ヘプト−3−イル)メタノールとのエステル化物[式(I)において、R1=4−CH3、R2=4−CH3の化合物]、
(C)7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3−カルボン酸と1,2−エタンジオールとのエステル化物[式(II)において、R3=R4=H、n=2の化合物]、
(D)(7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプト−3−イル)メタノールとアジピン酸とのエステル化物[式(III)において、R5=R6=H、p=4の化合物]、
(E)(4−メチル−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプト−3−イル)メタノールとアジピン酸とのエステル化物[式(III)において、R5=4−CH3、R6=4−CH3、p=4の化合物]、
(F)(7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプト−3−イル)メタノールと1,2−エタンジオールとのエーテル化物[式(V)において、R9=R10=H、r=2の化合物]。
また、脂肪族エポキシ樹脂としては、脂肪族多価アルコールまたはそのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテルを挙げることができる。より具体的には、1,4−ブタンジオールのジグリシジルエーテル;1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル;グリセリンのトリグリシジルエーテル;トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテル;ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル;プロピレングリコールのジグリシジルエーテル;エチレングリコール、プロピレングリコール、およびグリセリン等の脂肪族多価アルコールに1種または2種以上のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイドやプロピレンオキサイド)を付加することにより得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテル等が挙げられる。
エポキシ系樹脂組成物からなる接着剤を構成するエポキシ樹脂は、1種のみを単独で使用してもよいし2種以上を併用してもよい。この組成物に用いられるエポキシ樹脂のエポキシ当量は通常、30〜3,000g/当量、好ましくは50〜1,500g/当量の範囲内である。エポキシ当量が30g/当量を下回ると、硬化後の複合偏光板の可撓性が低下したり、接着強度が低下したりする可能性がある。一方、3,000g/当量を超えると、接着剤に含有される他の成分との相溶性が低下する可能性がある。
この接着剤においては、反応性の観点から、エポキシ樹脂の硬化反応としてカチオン重合が好ましく用いられる。そのために接着剤である硬化性エポキシ樹脂組成物は、カチオン重合開始剤を配合するのが好ましい。カチオン重合開始剤は、可視光線、紫外線、X線、電子線等の活性エネルギー線の照射または加熱によってカチオン種またはルイス酸を発生し、エポキシ基の重合反応を開始させる。以下、活性エネルギー線の照射によりカチオン種またはルイス酸を発生し、エポキシ基の重合反応を開始させるカチオン重合開始剤を「光カチオン重合開始剤」といい、熱によりカチオン種またはルイス酸を発生し、エポキシ基の重合反応を開始させるカチオン重合開始剤を「熱カチオン重合開始剤」という。
光カチオン重合開始剤を用い、活性エネルギー線の照射により接着剤の硬化を行なう方法は、常温での硬化が可能となり、偏光フィルムの耐熱性または膨張による歪を考慮する必要が減少し、フィルム間を良好に接着できる点において有利である。また、光カチオン重合開始剤は光で触媒的に作用するため、エポキシ樹脂に混合しても保存安定性や作業性に優れる。
光カチオン重合開始剤としては、たとえば、芳香族ジアゾニウム塩;芳香族ヨードニウム塩や芳香族スルホニウム塩等のオニウム塩;鉄−アレン錯体等を挙げることができる。
芳香族ジアゾニウム塩としては、たとえば、ベンゼンジアゾニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ベンゼンジアゾニウム ヘキサフルオロホスフェート、ベンゼンジアゾニウム ヘキサフルオロボレート等が挙げられる。また、芳香族ヨードニウム塩としては、たとえば、ジフェニルヨードニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジフェニルヨードニウム ヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ジ(4−ノニルフェニル)ヨードニウム ヘキサフルオロホスフェート等が挙げられる。
芳香族スルホニウム塩としては、たとえば、トリフェニルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4,4’−ビス(ジフェニルスルホニオ)ジフェニルスルフィド ビス(ヘキサフルオロホスフェート)、4,4’−ビス[ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルホニオ]ジフェニルスルフィド ビス(ヘキサフルオロアンチモネート)、4,4’−ビス[ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルホニオ]ジフェニルスルフィド ビス(ヘキサフルオロホスフェート)、7−[ジ(p−トルイル)スルホニオ]−2−イソプロピルチオキサントン ヘキサフルオロアンチモネート、7−[ジ(p−トルイル)スルホニオ]−2−イソプロピルチオキサントン テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−フェニルカルボニル−4’−ジフェニルスルホニオ−ジフェニルスルフィド ヘキサフルオロホスフェート、4−(p−tert−ブチルフェニルカルボニル)−4’−ジフェニルスルホニオ−ジフェニルスルフィド ヘキサフルオロアンチモネート、4−(p−tert−ブチルフェニルカルボニル)−4’−ジ(p−トルイル)スルホニオ−ジフェニルスルフィド テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。
また、鉄−アレン錯体としては、たとえば、キシレン−シクロペンタジエニル鉄(II)ヘキサフルオロアンチモネート、クメン−シクロペンタジエニル鉄(II)ヘキサフルオロホスフェート、キシレン−シクロペンタジエニル鉄(II)−トリス(トリフルオロメチルスルホニル)メタナイド等が挙げられる。
これらの光カチオン重合開始剤の市販品は、容易に入手することが可能であり、たとえば、それぞれ商品名で、「カヤラッド PCI−220」および「カヤラッド PCI−620」(以上、日本化薬(株)製)、「UVI−6990」(ユニオンカーバイド社製)、「アデカオプトマー SP−150」および「アデカオプトマー SP−170」(以上、(株)ADEKA製)、「CI−5102」、「CIT−1370」、「CIT−1682」、「CIP−1866S」、「CIP−2048S」および「CIP−2064S」(以上、日本曹達(株)製)、「DPI−101」、「DPI−102」、「DPI−103」、「DPI−105」、「MPI−103」、「MPI−105」、「BBI−101」、「BBI−102」、「BBI−103」、「BBI−105」、「TPS−101」、「TPS−102」、「TPS−103」、「TPS−105」、「MDS−103」、「MDS−105」、「DTS−102」および「DTS−103」(以上、みどり化学(株)製)、「PI−2074」(ローディア社製)等を挙げることができる。
光カチオン重合開始剤は、1種のみを単独で使用してもよいし2種以上を混合して使用してもよい。中でも、芳香族スルホニウム塩は、300nm以上の波長領域でも紫外線吸収特性を有することから、硬化性に優れ、良好な機械的強度や接着強度を有する硬化物を与えることができるため好ましく用いられる。
光カチオン重合開始剤の配合量は、エポキシ樹脂100重量部に対して通常、0.5〜20重量部であり、好ましくは1重量部以上、また好ましくは15重量部以下である。光カチオン重合開始剤の配合量が、エポキシ樹脂100重量部に対して0.5重量部を下回ると、硬化が不十分になり、機械的強度や接着強度が低下する傾向にある。また、光カチオン重合開始剤の配合量が、エポキシ樹脂100重量部に対して20重量部を超えると、硬化物中のイオン性物質が増加することで硬化物の吸湿性が高くなり、耐久性能が低下する可能性がある。
光カチオン重合開始剤を用いる場合、硬化性エポキシ樹脂組成物は、必要に応じて、さらに光増感剤を含有することができる。光増感剤を用いることで、カチオン重合の反応性が向上し、硬化物の機械的強度や接着強度を向上させることができる。光増感剤としては、たとえば、カルボニル化合物、有機硫黄化合物、過硫化物、レドックス系化合物、アゾおよびジアゾ化合物、ハロゲン化合物、光還元性色素等が挙げられる。
光増感剤のより具体的な例を挙げれば、たとえば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、およびα,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン等のベンゾイン誘導体;ベンゾフェノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、および4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体;2−クロロチオキサントン、および2−イソプロピルチオキサントン等のチオキサントン誘導体;2−クロロアントラキノン、および2−メチルアントラキノン等のアントラキノン誘導体;N−メチルアクリドン、およびN−ブチルアクリドン等のアクリドン誘導体;その他、α,α−ジエトキシアセトフェノン、ベンジル、フルオレノン、キサントン、ウラニル化合物、ハロゲン化合物等がある。光増感剤は、1種のみを単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。光増感剤は、硬化性エポキシ樹脂組成物100重量部中、0.1〜20重量部の範囲内で含有されることが好ましい。
一方、熱カチオン重合開始剤としては、ベンジルスルホニウム塩、チオフェニウム塩、チオラニウム塩、ベンジルアンモニウム、ピリジニウム塩、ヒドラジニウム塩、カルボン酸エステル、スルホン酸エステル、アミンイミド等を挙げることができる。これらの熱カチオン重合開始剤は、市販品として容易に入手することが可能であり、たとえば、いずれも商品名で、「アデカオプトンCP77」および「アデカオプトンCP66」(以上、株式会社ADEKA製)、「CI−2639」および「CI−2624」(以上、日本曹達株式会社製)、「サンエイドSI−60L」、「サンエイドSI−80L」および「サンエイドSI−100L」(以上、三新化学工業株式会社製)等が挙げられる。
接着剤に含有されるエポキシ樹脂は、光カチオン重合または熱カチオン重合のいずれかにより硬化してもよいし、光カチオン重合および熱カチオン重合の双方により硬化してもよい。後者の場合、光カチオン重合開始剤と熱カチオン重合開始剤とを併用することが好ましい。
硬化性エポキシ樹脂組成物は、オキセタン類やポリオール類等、カチオン重合を促進する化合物をさらに含有してもよい。
オキセタン類は、分子内に4員環エーテルを有する化合物であり、たとえば、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ベンゼン、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン、ジ[(3−エチル−3−オキセタニル)メチル]エーテル、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、フェノールノボラックオキセタン等が挙げられる。これらのオキセタン類は、市販品として容易に入手することが可能であり、たとえば、いずれも商品名で、「アロンオキセタン OXT−101」、「アロンオキセタン OXT−121」、「アロンオキセタン OXT−211」、「アロンオキセタン OXT−221」および「アロンオキセタン OXT−212」(以上、東亞合成(株)製)等を挙げることができる。これらのオキセタン類は、硬化性エポキシ樹脂組成物中、通常、5〜95重量%、好ましくは30〜70重量%の割合で含有される。
ポリオール類としては、フェノール性水酸基以外の酸性基が存在しないものが好ましく、たとえば、水酸基以外の官能基を有しないポリオール化合物、ポリエステルポリオール化合物、ポリカプロラクトンポリオール化合物、フェノール性水酸基を有するポリオール化合物、ポリカーボネートポリオール等を挙げることができる。これらのポリオール類の分子量は通常、48以上、好ましくは62以上、さらに好ましくは100以上、また好ましくは1,000以下である。これらポリオール類は、硬化性エポキシ樹脂組成物中、通常、50重量%以下、好ましくは30重量%以下の割合で含有される。
硬化性エポキシ樹脂組成物には、イオントラップ剤、酸化防止剤、連鎖移動剤、粘着付与剤、熱可塑性樹脂、充填剤、流動調整剤、可塑剤、消泡剤等の添加剤を配合することができる。イオントラップ剤としては粉末状のビスマス系、アンチモン系、マグネシウム系、アルミニウム系、カルシウム系、チタン系およびこれらの混合系等の無機化合物が挙げられ、酸化防止剤としてはヒンダードフェノール系酸化防止剤等が挙げられる。
以上のような硬化性エポキシ樹脂組成物からなる接着剤を、貼合するフィルムのうちの一方または双方の接着面に塗工した後、接着剤の塗工された面で貼合し、活性エネルギー線を照射するかまたは加熱することにより接着剤層を硬化させて、フィルム間の接着がなされる。接着剤の塗工方法としては、たとえば、ドクターブレード、ワイヤーバー、ダイコーター、カンマコーター、およびグラビアコーター等、種々の塗工方式を採用できる。なお、フィルムの貼合に先立ち、貼合するフィルムのうちの一方または双方の接着面に、ケン化処理、コロナ処理、プラズマ処理等の易接着処理を施しておくことが好ましい。
硬化性エポキシ樹脂組成物からなる接着剤は、基本的には、溶剤成分を実質的に含まない無溶剤型接着剤として用いることができるが、各塗工方式には各々最適な粘度範囲があるため、粘度調整のために溶剤を含有させてもよい。溶剤としては、偏光フィルムの光学性能を低下させることなく、エポキシ樹脂組成物を良好に溶解するものを用いることが好ましく、たとえば、トルエンに代表される炭化水素類、酢酸エチルに代表されるエステル類等の有機溶剤を挙げることができる。
活性エネルギー線の照射により接着剤の硬化を行なう場合、用いられる光源は、たとえば、波長400nm以下に発光分布を有する、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプ等であることができる。硬化性エポキシ樹脂組成物への光照射強度は、その組成物ごとに異なり得るが、光カチオン重合開始剤の活性化に有効な波長領域の照射強度が0.1〜100mW/cm2であることが好ましい。光照射強度が0.1mW/cm2未満であると、反応時間が長くなりすぎ、100mW/cm2を超えると、ランプから輻射される熱および硬化性エポキシ樹脂組成物の重合時の発熱により、硬化性エポキシ樹脂組成物の黄変や偏光フィルムの劣化を生じる場合がある。硬化性エポキシ樹脂組成物への光照射時間は、その組成物ごとに異なり得るが、照射強度と照射時間との積として表される積算光量が10〜5,000mJ/cm2となるように設定されることが好ましい。積算光量が10mJ/cm2未満であると、光カチオン重合開始剤由来の活性種の発生が十分でなく、接着剤の硬化が不十分となる場合がある。また、積算光量が5,000mJ/cm2を超えると、照射時間が非常に長くなり、生産性向上には不利となる場合がある。
熱により接着剤の硬化を行なう場合、一般的に知られた方法で加熱することができ、その条件等も特に制限されないが、通常、硬化性エポキシ樹脂組成物に配合された熱カチオン重合開始剤がカチオン種やルイス酸を発生する温度以上で加熱が行なわれ、具体的には、加熱温度は、たとえば50〜200℃程度である。
[第2の位相差フィルム]
第2の位相差フィルム105は、そのコア層31がスチレン系樹脂からなり、その両面に、ゴム粒子を含有する(メタ)アクリル系樹脂組成物からなるスキン層32が形成されたものである。
コア層31を構成するスチレン系樹脂は、スチレンまたはその誘導体の単独重合体であることができるほか、スチレンまたはその誘導体と他の共重合性モノマーとの、二元またはそれ以上の共重合体であることもできる。ここで、スチレン誘導体とは、スチレンに他の基が結合した化合物であって、たとえば、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、o−エチルスチレン、p−エチルスチレンのようなアルキルスチレンや、ヒドロキシスチレン、tert−ブトキシスチレン、ビニル安息香酸、o−クロロスチレン、p−クロロスチレンのような、スチレンのベンゼン核に水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基、ハロゲン等が導入された置換スチレン等が挙げられる。特開2003−50316号公報や特開2003−207640号公報に開示されるような三元共重合体を用いることもできる。スチレン系樹脂は、スチレンまたはスチレン誘導体と、アクリロニトリル、無水マレイン酸、メチルメタクリレートおよびブタジエンから選ばれる少なくとも1種のモノマーとの共重合体であることが好ましい。コア層31のスチレン系樹脂は、耐熱性のもので構成するのが好ましく、一般にそのガラス転移温度Tgは100℃以上である。スチレン系樹脂のより好ましいTgは120℃以上である。
コア層31は、その厚みが10〜100μmとなるように設定することが望ましい。厚みが10μm未満では、延伸によって十分なレタデーション値が発現しにくいことがある。一方、厚みが100μmを超えると、フィルムの衝撃強度が弱くなりやすいとともに、外部応力によるレタデーション変化が大きくなる傾向にあり、液晶表示装置に適用したときに白抜け等が発生しやすくなり、表示性能が低下しやすい。
コア層31の両面に配置されるスキン層32は、(メタ)アクリル系樹脂にゴム粒子が配合されている(メタ)アクリル系樹脂組成物からなる。(メタ)アクリル系樹脂としては、たとえば、メタクリル酸アルキルエステルまたはアクリル酸アルキルエステルの単独重合体や、メタクリル酸アルキルエステルとアクリル酸アルキルエステルとの共重合体等が挙げられる。メタクリル酸アルキルエステルとして具体的には、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル等が、またアクリル酸アルキルエステルとして具体的には、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル等が挙げられる。このような(メタ)アクリル系樹脂には、汎用の(メタ)アクリル系樹脂として市販されているものが使用できる。なお、(メタ)アクリル系樹脂の中には、耐衝撃(メタ)アクリル系樹脂と呼ばれるもの、また、主鎖中にグルタル酸無水物構造やラクトン環構造を有する高耐熱(メタ)アクリル系樹脂と呼ばれるものも含まれる。
(メタ)アクリル系樹脂に配合されるゴム粒子は、アクリル系のものが好ましい。アクリル系ゴム粒子とは、アクリル酸ブチルやアクリル酸2−エチルヘキシルのようなアクリル酸アルキルエステルを主成分とし、多官能モノマーの存在下に重合させて得られるゴム弾性を有する粒子である。このようなゴム弾性を有する粒子が単層で形成されたものでもよいし、ゴム弾性層を少なくとも1層有する多層構造体であってもよい。多層構造のアクリル系ゴム粒子としては、上記のようなゴム弾性を有する粒子を核とし、その周りを硬質のメタクリル酸アルキルエステル系重合体で覆ったもの、硬質のメタクリル酸アルキルエステル系重合体を核とし、その周りを上記のようなゴム弾性を有するアクリル系重合体で覆ったもの、また硬質の核の周りを、ゴム弾性を有するアクリル系重合体で覆い、さらにその周りを硬質のメタクリル酸アルキルエステル系重合体で覆ったもの等が挙げられる。これらのゴム粒子は、弾性層で形成される粒子の平均直径が通常50〜400nm程度の範囲にある。
スキン層32を構成する(メタ)アクリル系樹脂組成物における上記ゴム粒子の含有量は、(メタ)アクリル系樹脂100重量部あたり、通常5〜50重量部程度である。(メタ)アクリル系樹脂およびアクリル系ゴム粒子としては、それらを混合した状態で市販されたものを用いることができる。アクリル系ゴム粒子が配合された(メタ)アクリル系樹脂の市販品の例としては、それぞれ商品名で、住友化学株式会社から販売されている「HT55X」や「テクノロイS001」等が挙げられる。このような(メタ)アクリル系樹脂組成物は、一般に160℃以下のTgを有するが、その好ましいTgは120℃以下、より好ましくは110℃以下である。
スキン層32は、その厚みが10〜100μmとなるようにすることが望ましい。厚みを10μm未満にしようとすると、製膜が難しくなる傾向にある。一方、厚みが100μmを超えると、(メタ)アクリル系樹脂層のレタデーションが無視できなくなる傾向にある。
上記のとおり、第2の位相差フィルム105においてコア層31は、そのTgが120℃以上であるのが好ましく、一方、スキン層32は、そのTgが120℃以下、さらには110℃以下であるのが好ましい。両者のTgが重ならず、コア層31のほうがスキン層32よりも高いTgを有するようにするのが好ましい。
第2の位相差フィルム105を製造するには、たとえば、スチレン系樹脂と、ゴム粒子が配合された(メタ)アクリル系樹脂組成物とを共押出し、その後延伸すればよい。その他、それぞれ単層のフィルムを作製した後で、ヒートラミネーションにより熱融着させ、それを延伸する方法も可能である。
第2の位相差フィルム105は、コア層31の両面にスキン層32が形成された3層構造とされる。この3層構造において、両面に配置されるスキン層32は、通常ほぼ同じ厚みとされる。このように3層構造とすることにより、スキン層32が保護層として働き、機械強度や耐薬品性に優れたものとなる。
第2の位相差フィルム105は、延伸により面内レタデーションが付与されたものである。延伸は、縦一軸延伸、テンター横一軸延伸、同時二軸延伸または逐次二軸延伸等で行なうことができ、所望とするレタデーション値が得られるように延伸すればよい。
第2の位相差フィルム105は、上記式(2)で定義される波長590nmにおける面内レタデーション値Reが20〜120nmであり、上記式(3)で定義されるNz係数が−2を超え、−0.5未満の屈折率異方性を有することが好ましい。
上記第1の位相差フィルム103と第2の位相差フィルム105を積層する際には、第1の位相差フィルム103と第2の位相差フィルム105の配向角のなす角度の変化が、10cmの間で0.4°以下となるようにすることが好ましい。配向角のなす角度の変化が0.4°を超えると、偏光状態が局所的に急峻に変化するため、液晶表示装置に実装したときに色ムラとして観察される。ここで、配向角とは、それぞれのフィルムの各部位における屈折率が最大の方位をいう。
延伸フィルムでは一般に、面内で屈折率が最大となる軸を遅相軸と呼ぶが、細かく見ると、その軸が各部位で微妙に変化することがあるので、このような配向角も同時に定義される。配向角は、市販の位相差計または検査装置、たとえば、大塚電子(株)製の位相差フィルム・光学材料検査装置RETSを用いて測定することができる。第1の位相差フィルム103と第2の位相差フィルム105の配向角のなす角度の変化(ズレ)が上記のように小さくなるようにするには、たとえば、第1の位相差フィルム103および第2の位相差フィルム105のそれぞれについて、配向角のズレが小さいフィルムを用いるのが好ましい。
[第1の粘着剤層]
第1の位相差フィルム103と第2の位相差フィルム105とは、第1の粘着剤層104を介して積層される。第1の粘着剤層104の厚みは、通常5〜100μm程度、好ましくは5〜40μmである。粘着剤層が薄すぎると粘着性が低下し、厚すぎると粘着剤がはみ出す等の不具合を生じやすくなる。第1の粘着剤層104を構成する粘着剤には、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、シリコーン系樹脂等をベースポリマーとする公知の粘着剤を用いることができるが、中でも透明性、耐候性、耐熱性などに優れるアクリル系樹脂をベースポリマーとする粘着剤が好適である。
アクリル系樹脂としては、たとえば、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルのような(メタ)アクリル酸アルキルを1種用いた単独重合体や、これらの(メタ)アクリル酸アルキルの2種以上を用いた共重合体、さらには(メタ)アクリル酸アルキルを1種または2種以上と他のモノマーを1種または2種以上用いた共重合体が好適に用いられる。
(メタ)アクリル酸アルキルと共重合可能な他のモノマーとしては、たとえば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートのような、カルボキシ基、水酸基、アミド基、アミン基、エポキシ基などの極性基を有する極性アクリル系モノマーが好ましく用いられる。
粘着剤には通常、架橋剤が含有される。架橋剤としては、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物等が挙げられる。粘着剤には、粘着性付与樹脂等の樹脂類、酸化防止剤、紫外線吸収剤、染料、顔料、消泡剤、腐食抑制剤、光重合開始剤、シランカップリング剤などの適宜の添加剤を配合することもできる。さらに微粒子を含有させて、光散乱性を付与することもできる。
なお、第1の粘着剤層104を用いた第1の位相差フィルム103と第2の位相差フィルム105との貼合に先立ち、これらの位相差フィルムおよび/または粘着剤層の貼合面にコロナ処理等の表面処理を行なってもよい。
[第2の粘着剤層]
第2の位相差フィルム105の外面に積層される第2の粘着剤層108は、複合偏光板を他部材(主には液晶セル)に貼合するための粘着剤層であり、その組成(ベースポリマー、架橋剤、その他の添加剤)および厚みなどについては、第1の粘着剤層について述べた内容が引用される。第2の粘着剤層108は、その赤外吸収(IR)スペクトルが下記式(1):
0.05<S<0.20 (1)
[式中、Sは3550〜3950cm-1の波数領域におけるピーク積算面積S1と1650〜1800cm-1の波数領域におけるピーク積算面積S2との比S1/S2を表す]
を満たすものである。上記式(1)を満たす粘着剤層を用いることにより、ゴム粒子を含有する(メタ)アクリル系樹脂組成物からなるスキン層32と第2の粘着剤層108との間の優れた密着性を得ることができ、これにより複合偏光板の耐久性が向上する。たとえば、高温下に長時間晒す耐久性試験に供しても、第2の粘着剤層が第2の位相差フィルムから剥離が生じて外観に不具合が生じたり、液晶表示装置の視認性が低下したりすることを抑制または防止することができる。
赤外吸収スペクトルにおいて、3550〜3950cm-1の波数領域に現れる吸収ピークは、水酸基に起因するものである。1650〜1800cm-1の波数領域に現れる吸収ピークは、カルボニル基に起因するものである。ピーク積算面積とは、その波数領域に現れる吸収ピークの合計面積を意味する。上記式(1)は、カルボニル基に起因する吸収ピークの積算面積S2に対する水酸基に起因する吸収ピークの積算面積S1の比Sが0.05超0.20未満とされることを意味している。好ましくは0.06以上0.18以下である。ピーク積算面積比Sが0.05以下であると、スキン層32と第2の粘着剤層108との密着性が不十分となる。一方、ピーク積算面積比Sが0.20以上になると、粘着剤調製時の養生時間が長くなることがあり、生産性の観点から好ましくない。
ピーク積算面積比Sは、たとえば粘着剤のベースポリマーの水酸基含有率の調整により制御可能である。一例を挙げれば、ベースポリマーをアクリル系樹脂とし、該アクリル系樹脂を構成する水酸基含有アクリル系モノマーの含有量を調整する。
また、第2の粘着剤層108は、その対ガラス粘着力が1.0〜14.0N/25mmであり、好ましくは1.0〜10.0N/25mmである。対ガラス粘着力をこの範囲内に調整することにより、液晶セルのガラス基板に対する適度な粘着力と剥離性(リワーク性)を付与することができる。対ガラス粘着力が1.0N/25mm未満であると、粘着力が低すぎてガラス基板と第2の粘着剤層との間で剥離が生じやすくなる。対ガラス粘着力が14.0N/25mmを超えると、粘着力が高すぎるため、リワーク時に複合偏光板の破断やガラス基板表面への糊残りが生じ、良好なリワーク性が得られない。
第2の粘着剤層108の対ガラス粘着力は、ベースポリマーの弾性を調整したり、添加剤(たとえばシランカップリング剤)の配合量を調整したりすることで制御可能である。
なお、第2の粘着剤層108と第2の位相差フィルム105との貼合に先立ち、位相差フィルムおよび/または粘着剤層の貼合面にコロナ処理等の表面処理を行なってもよい。
第2の粘着剤層108の外側には、セパレーター109を貼合して、複合偏光板使用時まで第2の粘着剤層108を仮着保護するのが通例である。セパレーター109は、離型処理されたプラスチックフィルムであれば特に限定されず、たとえば、ポリエチレンテレフタレートなどの透明樹脂からなるフィルムに、シリコーン樹脂などによる離型処理を施したものを用いることができる。
<液晶表示装置>
本発明に係る複合偏光板100を、液晶セルの少なくとも一方の側に積層して、液晶表示装置が構成される。液晶表示装置に適用する際には、セパレーター109を剥がしてから第2の粘着剤層108で液晶セルに貼合されることになる。液晶セルの両面に本発明に係る複合偏光板を配置することもできるし、液晶セルの片面にこの複合偏光板を配置し、他面には別の偏光板を配置することもできる。後者の構成の液晶表示装置は、液晶セルがIPSモード(横電界モード)である場合に特に有効である。
液晶セルの一方の面に本発明の複合偏光板を配置する場合、他方の面には、波長590nmにおける面内レタデーション値Reが10nm以下であり、かつ下記式(4):
th=〔(nx+ny)/2−nz〕×d (4)
で定義される厚み方向レタデーション値Rthの絶対値が15nm以下である透明保護フィルムを液晶セル側に有する偏光板を配置することが好ましい。この偏光板の液晶セル側透明保護フィルムは、さらに好ましくは、Reが5nm以下であり、またRthの絶対値が10nm以下である。このような構成は、IPSモード液晶表示装置の視野角特性向上に極めて有利である。
面内レタデーション値Reが10nm以下であり、厚み方向レタデーション値Rthの絶対値が15nm以下という要件を満たす透明保護フィルムに用いる材料としては、たとえば、セルロース系樹脂、環状オレフィン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等が挙げられる。
IPSモード液晶表示装置である場合においては、IPSモード液晶セルと偏光板との間に、帯電防止用の透光性導電膜を介在させてもよい。透光性導電膜としては、ITO(Indium-Tin-Oxide)膜、SnO2膜、In23膜などを挙げることができ、なかでもITO膜が好ましい。たとえば、IPS液晶セルの視認側に配置される偏光板に本発明に係る複合偏光板を用い、IPSモード液晶セルと複合偏光板との間にITO膜等の透光性導電膜を介在させる実施形態を採用することができる。この場合、透光性導電膜は、液晶層を介して互いに対向して配置される2枚の透明基板(ガラス基板)からなるIPSモード液晶セルが有するバックライトから遠い方の透明基板における液晶層とは反対側の面に形成され、この透光性導電膜上に複合偏光板が貼合される。本発明の複合偏光板は、このような透光性導電膜に対しても、適度な粘着力とリワーク性を有し得る。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。例中、使用量または含有量を表す「部」および「%」は、特に断りのない限り重量基準である。フィルムの厚み、面内レタデーション値、Nz係数、ピーク積算面積比Sおよび対ガラス粘着力は以下の方法で測定した。
(フィルムの厚み)
(株)ニコン製のデジタルマイクロメーター「MH−15M」を用いて、フィルムの厚みを測定した。
(面内レタデーション値およびNz係数)
王子計測機器(株)製の平行ニコル回転法を原理とする位相差計「KOBRA−21ADH」を用い、23℃において波長590nmにおける面内レタデーション値ReおよびNz係数を測定した。
(ピーク積算面積比S)
VARIAN(株)製のFT−IR「640−IR」を用い、23℃においてシート状粘着剤(粘着剤層)のIRスペクトルを取得し、3550〜3950cm-1の波数領域におけるピーク積算面積S1と1650〜1800cm-1の波数領域におけるピーク積算面積S2との比S1/S2を算出して、これをピーク積算面積比Sとした。
(対ガラス粘着力)
複合偏光板を、偏光フィルムの吸収軸が長辺と平行になるように25mm×200mmのサイズに切り出し、評価用サンプルとした。評価用サンプルを、その第2の粘着剤層側で無アルカリガラス板(コーニング(株)製「Eagle−XG)に貼合した後、オートクレーブ中、温度50℃、圧力5MPaの条件下で20分間加圧処理を行ない、引き続き温度23℃、相対湿度60%の雰囲気下で1日放置した。その後、オートグラフ(株式会社島津製作所製「AGS−50NX」)を用いて、温度23℃、相対湿度60%の環境下にて、評価用サンプルの長さ方向一端をつかんで剥離速度300mm/分で180°剥離試験を行ない、剥離時の応力を測定することにより対ガラス粘着力を得た。
<実施例1>
(1)第2の位相差フィルムの作製
スチレン−無水マレイン酸系共重合樹脂〔ノヴァケミカル社製「ダイラークD332」(商品名)、Tg=131℃〕をコア層とし、平均粒径200nmのアクリル系ゴム粒子が約20%配合されているメタクリル系樹脂〔住友化学(株)製「テクノロイS001」(商品名)、Tg=105℃〕をスキン層として3層共押出を行ない、コア層の両面にスキン層が形成された3層構造の積層フィルムを得た。この積層フィルムを延伸して、厚み46.0μmの第2の位相差フィルムを得た。面内レタデーション値Re、Nz係数はそれぞれ60.0nm、−1.0であった。
(2)第2の位相差フィルムと第2の粘着剤層との貼合
第2の粘着剤層として、シート状粘着剤Aを用意した。シート状粘着剤Aは、アクリル系共重合体をベースポリマーとする粘着剤であり、該ベースポリマーの共重合成分は水酸基含有アクリル系モノマーを含む。シート状粘着剤Aのピーク積算面積比S、対ガラス粘着力はそれぞれ0.10、1.4N/25mmであった。
第2の位相差フィルムおよびシート状粘着剤Aのそれぞれの貼合面に、コロナ処理装置(春日電機(株)製のコロナ表面処理フレーム「STR−1764」、高周波電源「CT−0212」および高圧トランス「CT−T02W」からなる)を用いて、出力280W、ラインスピード10m/minの条件でコロナ放電処理を行なった後、第2の位相差フィルムとシート状粘着剤Aとを貼り合わせた。
(3)水系接着剤の調製
水100部に対して、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール((株)クラレ製「KL−318」)を3部溶解し、その水溶液に、水溶性エポキシ化合物であるポリアミドエポキシ系添加剤(住化ケムテックス(株)製「スミレーズレジン650(30)」、固形分濃度30%の水溶液)を1.5部添加して水系接着剤を得た。
(4)偏光フィルムの作製
平均重合度約2,400、ケン化度99.9モル%以上であるポリビニルアルコールからなる厚さ75μmのポリビニルアルコールフィルムを、乾式で約5倍に一軸延伸し、さらに緊張状態を保ったまま、60℃の純水に1分間浸漬した後、ヨウ素/ヨウ化カリウム/水の重量比が0.05/5/100の水溶液に28℃で60秒間浸漬した。その後、ヨウ化カリウム/ホウ酸/水の重量比が8.5/8.5/100の水溶液に72℃で300秒間浸漬した。引き続き26℃の純水で20秒間洗浄した後、65℃で乾燥して、ポリビニルアルコールにヨウ素が吸着配向された偏光フィルムを得た。
(5)複合偏光板の作製
偏光フィルムの片面に、透明保護フィルムとして、表面にケン化処理が施された厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルムを貼合し、もう一方の面には、第1の位相差フィルムとして、日本ゼオン(株)から入手した厚さ25μmの環状オレフィン系樹脂からなる位相差フィルム(Re=90nm、Nz係数=1.4)を、偏光フィルムの吸収軸と第1の位相差フィルムの進相軸が平行となるように貼合した。貼合には、それぞれ先に示した水系接着剤を用い、貼合後80℃で5分間乾燥することにより、透明保護フィルムおよび第1の位相差フィルムを偏光フィルムに接着させた。接着後、40℃で168時間養生した。
ついで、第1の位相差フィルム側に、先に示した第2の粘着剤層付き第2の位相差フィルムを、アクリル系粘着剤である第1の粘着剤層を介して偏光フィルムの吸収軸と第2の位相差フィルムの進相軸が平行となるように貼合し、複合偏光板を作製した。
<比較例1>
第2の粘着剤層として、シート状粘着剤Aの代わりに、アクリル系粘着剤であるシート状粘着剤Bを用いたこと以外は実施例1と同様にして複合偏光板を作製した。シート状粘着剤Bのピーク積算面積比S、対ガラス粘着力はそれぞれ0.00、17.5N/25mmであった。
<比較例2>
第2の粘着剤層として、シート状粘着剤Aの代わりにシート状粘着剤Cを用いたこと以外は実施例1と同様にして複合偏光板を作製した。シート状粘着剤Cは、アクリル系共重合体をベースポリマーとする粘着剤であり、該ベースポリマーの共重合成分は水酸基含有アクリル系モノマーを含む。シート状粘着剤Cのピーク積算面積比S、対ガラス粘着力はそれぞれ0.03、3.0N/25mmであった。
<比較例3>
第2の粘着剤層として、シート状粘着剤Aの代わりにシート状粘着剤Cを用い、第2の位相差フィルムとシート状粘着剤Cとの貼合時におけるコロナ処理条件を出力450W、ラインスピード10m/minとしたこと以外は実施例1と同様にして複合偏光板を作製した。
得られた複合偏光板について下記の評価試験を行なった。
(a)リワーク性試験
複合偏光板を、偏光フィルムの吸収軸が長辺と平行になるように150mm×200mmのサイズに切り出し、評価用サンプルとした。評価用サンプルを、その第2の粘着剤層側で無アルカリガラス板(コーニング(株)製「Eagle−XG)に貼合した後、オートクレーブ中、温度50℃、圧力5MPaの条件下で20分間加圧処理を行ない、引き続き温度23℃、相対湿度60%の雰囲気下で1日放置した。評価用サンプルの長さ方向一端を手でつかみ、評価用サンプルを無アルカリガラス板から剥離する剥離試験を行ない、以下の基準でリワーク性を評価した。結果を表1に示す。
A:適度の力で剥離することができ、無アルカリガラス板への糊残りもなかった、
B:第2の粘着剤層と無アルカリガラス板との間の粘着力が強すぎて、評価用サンプルが破断し、剥離できなかった。
(b)耐久性試験
複合偏光板を、偏光フィルムの吸収軸が長辺と平行になるように150mm×200mmのサイズに切り出し、評価用サンプルとした。評価用サンプルを、その第2の粘着剤層側で無アルカリガラス板(コーニング(株)製「Eagle−XG)に貼合した後、オートクレーブ中、温度50℃、圧力5MPaの条件下で20分間加圧処理を行ない、引き続き温度23℃、相対湿度60%の雰囲気下で1日放置した。その後、85℃に設定した高温槽内で500時間保存する耐久性試験を行ない、以下の基準で耐久性を評価した。結果を表1に示す。
A:第2の位相差フィルムと第2の粘着剤層との間での剥離は認められず、良好な外観を維持していた、
B:第2の位相差フィルムと第2の粘着剤層との間で剥離が認められた。
Figure 2013003515
100 複合偏光板、101 偏光フィルム、102 透明保護フィルム、103 第1の位相差フィルム、104 第1の粘着剤層、105 第2の位相差フィルム、106 第1の接着剤層、107 第2の接着剤層、108 第2の粘着剤層、109 セパレーター、31 コア層、32 スキン層。

Claims (4)

  1. 偏光フィルムと、
    前記偏光フィルムの一方の面に第1の接着剤層を介して積層される透明保護フィルムと、
    前記偏光フィルムの他方の面に第2の接着剤層を介して積層されるオレフィン系樹脂からなる第1の位相差フィルムと、
    前記第1の位相差フィルムにおける前記第2の接着剤層とは反対側の面に第1の粘着剤層を介して積層される第2の位相差フィルムと、
    前記第2の位相差フィルムにおける前記第1の粘着剤層とは反対側の面に積層される第2の粘着剤層と、
    を含み、
    前記第2の位相差フィルムは、スチレン系樹脂からなるコア層の両面にゴム粒子を含有する(メタ)アクリル系樹脂組成物からなるスキン層が積層された3層構造からなり、
    前記第2の粘着剤層は、その赤外吸収スペクトルが下記式(1):
    0.05<S<0.20 (1)
    [式中、Sは3550〜3950cm-1の波数領域におけるピーク積算面積S1と1650〜1800cm-1の波数領域におけるピーク積算面積S2との比S1/S2を表す]
    を満たし、かつ対ガラス粘着力が1.0〜14.0N/25mmである複合偏光板。
  2. IPSモード液晶セルと、その少なくとも一方の面に前記第2の粘着剤層によって貼合される請求項1に記載の複合偏光板とを備える液晶表示装置。
  3. IPSモード液晶セルと、
    前記IPSモード液晶セルの一方の面に前記第2の粘着剤層によって貼合される請求項1に記載の複合偏光板と、
    前記IPSモード液晶セルの他方の面に積層される偏光板であって、波長590nmにおける面内レタデーション値が10nm以下であり、厚み方向レタデーション値の絶対値が15nm以下である透明保護フィルムを前記IPSモード液晶セル側に有する偏光板と、
    を備える液晶表示装置。
  4. 前記IPSモード液晶セルと前記複合偏光板との間にITO膜を備える請求項2または3に記載の液晶表示装置。
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