JP2013003258A - プリズムシート、面光源装置及び液晶表示装置 - Google Patents

プリズムシート、面光源装置及び液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】正面方向において高い輝度を保持しつつ、視野角を広げることができるプリズムシートを提供する。
【解決手段】三角柱形状の単位プリズムを平行に複数配列したプリズム列を光入射面に有し、前記単位プリズムは、第一の斜面と傾斜角度が異なる複数の平坦面からなり且つ第一の斜面と対向する第二の斜面により規定された三角柱形状で、隣り合う単位プリズムの一方の第一の斜面と他方の第二の斜面が向き合うように配列され、第一の斜面は所定方向に最大強度を有する第一の指向性光が入射可能な傾斜角度を有し、第二の斜面に含まれる各々の平坦面は、第一の指向性光が個々の平坦面に到達した成分ごとに異なる角度に最大強度を有する第二の指向性光となり、全ての第二の指向性光から合成される出射光が法線方向に最大強度を有し、第一の指向性光よりも強度分布のピークがなだらかになるように内部反射する傾斜角度を平坦面ごとに有するプリズムシート。
【選択図】図1

Description

本発明は、バックライト光源の光の方向性を正面方向に調整することができるプリズムシート、並びに、当該プリズムシートを備える面光源装置及び液晶表示装置に関する。
近年、液晶表示装置等のディスプレイにおいては、光を屈折、反射、回折、干渉又は分散等させることにより、集光、光拡散、収束、偏向又は反射等させる機能を有するプリズムシートが用いられている。プリズムシートは、通常、所定の屈折率を備えた単位プリズムを表面に複数配列することにより、微細な凹凸形状となるプリズム列を有する。プリズムシートは、このプリズム列において光を屈折若しくは反射等の幾何光学的作用によって、又は回折等の波動光学的作用によって変調させることにより、所望の機能を発現するものであり、用途に応じてプリズム列の凹凸形状を構成する樹脂材料及び単位プリズムの形状が決定される。
図8は、従来の液晶表示装置の構成の一例を示す模式的な断面図であり、図8に示される液晶表示装置310は、液晶パネル10の一面側に、液晶パネル10側から順に、プリズムシート110及びエッジライト型の面光源9が設けられている。プリズムシート110は液晶パネル10側にプリズム列4’を備えており、面光源9は、導光体6の側端面に光源7を配置し、導光体6の出光面6a(液晶パネル側の面)とは反対側には光の漏れを防ぐための反射板8を備えている。また、図示はしないが、従来の液晶表示装置は、通常、プリズムシートの上下両面側又はどちらか一方の面側に、光を拡散させる拡散シートを備える。
このような液晶表示装置310において、プリズムシート110は、面光源9から放出された光をプリズム列4’において、反射又は屈折させ、光源の像(ライトイメージ)を隠す乃至目立ち難くしながら液晶パネル10側への光の放出量を多くし、液晶パネル10の面に垂直な方向(以下、「正面方向」又は「法線方向」と呼称することがある。)の輝度を高める働きを有する。
しかしながら、図8に示すような従来の液晶表示装置では、プリズムシートのプリズム列が液晶パネル側を向いているため、導光体から出た光の多くがプリズムシート内で再帰反射して導光体側に戻され、さらに、プリズムシートから出射される光のうち、法線方向に集光されない光も多く、光の利用効率が悪いという問題があった。
そこで近年では、光の利用効率を向上させる目的で、プリズムシートのプリズム列が導光体側を向いて配置された液晶表示装置が開発されている(例えば、特許文献1参照)。プリズムシートをこのような向きで配置することにより、導光体から出た光はプリズム内での再帰反射が防止され、光の損失が低減するため、光の利用効率が向上し、液晶表示装置の画面の輝度が高くなる。
また、正面方向における明るさレベルをさらに向上することを目的としたプリズムシートとして、特許文献2には、表裏両面にプリズム列を有し、内側(導光体側)のプリズム列と外側(液晶パネル側)のプリズム列とが各面に互いに直交し、且つ、内側のプリズム列が、相対的に大きい傾斜角を有する光入射面側の傾斜面と、相対的に小さい傾斜角を有する光入射面側と反対側の傾斜面とが、交互に繰り返してなる非対称のプリズムシートが開示されている。
しかしながら、テレビ等の表示装置では、広範囲な角度から画面を見ることがあるため、正面方向における輝度が高いことに加えて、視野角が広いことが求められており、従来のプリズムシートを用いた面光源装置では、正面方向における輝度を高く保持したまま、視野角を広げることは困難である。
また、プリズムシートのプリズム列が導光板側を向いて配置する場合、従来のプリズムシートを用いると、液晶表示装置の画像のコントラストが低下したり、黒表示での光漏れがあったり、画像に違和感があったりする等の問題もある。これは、プリズムシートから出射された光がサイドローブを生じることが原因である。サイドローブとは、指向性光において、輝度が最大強度となる指向方向から、視野角が広がるにつれて、低下した輝度が一旦高くなる部分の光のことである。
特開2007−48688号公報 国際公開第97/29398号
本発明は上記問題を解決するためになされたものであり、正面方向における輝度を高く保持しつつ、視野角を広げることができるプリズムシート、並びに、当該プリズムシートを備える面光源装置及び液晶表示装置を提供することを目的とする。
本発明にかかるプリズムシートは、三角柱形状の単位プリズムを平行に複数配列したプリズム列を光入射面に有するプリズムシートであって、
各々の前記単位プリズムは、第一の斜面と、傾斜角度が異なる複数の平坦面からなり且つ前記第一の斜面と対向する第二の斜面により規定された略三角柱形状を有し、隣り合う単位プリズムの一方が有する第一の斜面と他方が有する第二の斜面が向き合うように配列され、
前記第一の斜面は、所定方向に最大強度を有する第一の指向性光が入射可能な傾斜角度を有し、
前記第二の斜面に含まれる各々の平坦面は、前記第一の斜面から入射した前記第一の指向性光が、個々の平坦面に到達した成分ごとにプリズムシートの光出射面から出射できる範囲内で異なる角度に最大強度を有する第二の指向性光となり、全ての第二の指向性光から合成されるプリズムシートの光出射面からの出射光が、プリズムシートの光出射面に対する法線方向に最大強度を有し、且つ、前記第一の指向性光よりも強度分布のピークがなだらかになるように内部反射する傾斜角度を、平坦面ごとに個別に有することを特徴とする。
本発明にかかるプリズムシートは、前記プリズムシートの光出射面からの出射光の強度分布の半値幅となる角度を±15度以上とすることができる。
本発明にかかるプリズムシートは、前記第二の斜面に含まれる各々の平坦面ごとに生じる各々の第二の指向性光の最大強度を有する角度の差の最大値を10度以上とすることが好ましい。
本発明にかかるプリズムシートは、前記第二の斜面に含まれる複数の平坦面は、プリズムの頂点に近い平坦面ほど、プリズムシートの光出射面に対する法線となす角度が大きいことが好ましい。
さらに、本発明にかかるプリズムシートは、前記第一の斜面は、プリズムシートの光出射面に対する法線となす角を10〜40度とすることができ、前記第二の斜面に含まれる各々の平坦面は、プリズムシートの光出射面に対する法線となす角を28〜40度とすることができ、当該各々の平坦面同士の傾斜角度の差を10度以下とすることができる。
本発明にかかるプリズムシートは、前記単位プリズムの基底面から頂点までの高さを100%としたときに、当該単位プリズムの基底面からの高さが20〜80%の位置に平坦面の傾斜角度が変化する境界が存在するものとすることができる。
または、本発明にかかるプリズムシートは、前記単位プリズムの基底面から頂点までの高さを100%としたときに、当該単位プリズムの基底面からの高さが10〜50%の位置、及び、当該位置よりも前記単位プリズムの頂点に近く、且つ前記基底面からの高さが50〜90%の位置に平坦面の傾斜角度が変化する境界が存在するものとすることができる。
本発明にかかるプリズムシートは、前記第一の斜面が、傾斜角度が異なる複数の平坦面からなるものであっても良い。
本発明にかかるプリズムシートは、前記光出射面側の表面に微細凹凸形状を有するマット層を備えることができる。
本発明にかかる面光源装置は、光源と、当該光源から入射した光を所定方向に最大強度を有する第一の指向性光として出射する導光体と、前記本発明に係るプリズムシートとを備え、
前記プリズムシートが、前記プリズム列を有する面が光入射面側となるように配置されていることを特徴とする。
本発明にかかる面光源装置は、前記導光体の端縁の少なくとも一つに前記光源が配置されているものであることが好ましい。
本発明にかかる面光源装置は、前記第一の指向性光が、導光体の光放出面に対する法線となす角が50〜80度の方向に最大強度を有することが好ましい。
本発明にかかる液晶表示装置は、前記本発明にかかる面光源装置の出光面側に液晶パネルを備えることを特徴とする。
本発明によれば、正面方向における輝度を高く保持しつつ、視野角を広げることができるプリズムシートを提供することができる。
また、本発明によれば、前記プリズムシートを装着した面光源装置及び液晶表示装置を提供することができる。
本発明に係るプリズムシートの一例を示す模式的な断面図である。 本発明に係るプリズムシートが有する単位プリズムの一例を示す模式的な断面図である。 本発明に係るプリズムシートが有する単位プリズムの他の一例を示す模式的な断面図である。 本発明に係るプリズムシートが有する単位プリズムの他の一例を示す模式的な断面図である。 (A)は、導光体から出射される第一の指向性光における輝度の強度分布の一例を表すグラフであり、(B)は、プリズムシートの光出射面からの出射光における輝度の強度分布の一例を表すグラフである。 本発明に係る面光源装置の一例を示す模式的な断面図である。 本発明に係る液晶表示装置の一例を示す模式的な断面図である。 従来の液晶表示装置の一例を示す模式的な断面図である。
次に、本発明の実施の形態について詳細に説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本発明において、(メタ)アクリル樹脂は、アクリル樹脂及び/又はメタクリル樹脂を表し、(メタ)アクリレートは、アクリレート及び/又はメタクリレートを表す。
本発明において樹脂とは、モノマーやオリゴマーの他、ポリマーを含む概念である。
なお、フィルムとシートのJIS−K6900での定義では、シートとは薄く一般にその厚さが長さと幅のわりには小さい平らな製品をいい、フィルムとは長さ及び幅に比べて厚さが極めて小さく、最大厚さが任意に限定されている薄い平らな製品で、通例、ロールの形で供給されるものをいう。したがって、シートの中でも厚さの特に薄いものがフィルムであるといえるが、シートとフィルムの境界は定かではなく、明確に区別しにくいので、本発明では、厚みの厚いもの及び薄いものの両方の意味を含めて、「シート」と定義する。
本発明において、分子量とは、分子量分布を有する場合には、THF溶剤におけるゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算値である重量平均分子量を意味し、分子量分布を有しない場合には、化合物そのものの分子量を意味する。
(プリズムシート)
本発明のプリズムシートは、三角柱形状の単位プリズムを平行に複数配列したプリズム列を光入射面に有するプリズムシートであって、
各々の前記単位プリズムは、第一の斜面と、傾斜角度が異なる複数の平坦面からなり且つ前記第一の斜面と対向する第二の斜面により規定された略三角柱形状を有し、隣り合う単位プリズムの一方が有する第一の斜面と他方が有する第二の斜面が向き合うように配列され、
前記第一の斜面は、所定方向に最大強度を有する第一の指向性光が入射可能な傾斜角度を有し、
前記第二の斜面に含まれる各々の平坦面は、前記第一の斜面から入射した前記第一の指向性光が、個々の平坦面に到達した成分ごとにプリズムシートの光出射面から出射できる範囲内で異なる角度に最大強度を有する第二の指向性光となり、全ての第二の指向性光から合成されるプリズムシートの光出射面からの出射光が、プリズムシートの光出射面に対する法線方向に最大強度を有し、且つ、前記第一の指向性光よりも強度分布のピークがなだらかになるように内部反射する傾斜角度を、平坦面ごとに個別に有することを特徴とする。
尚、本発明のプリズムシートの単位プリズムは、横断面において略三角形であるが、第二の斜面に対応する第二の辺は、厳密には直線の辺ではなく、2本以上の直線からなる折れ線形状を有している。すなわち単位プリズムの横断面の形は、厳密には第二の辺が2本以上の直線を含む多角形である。本発明において「横断面」とは、プリズム列の延在方向と直交する方向における断面である。
また、本発明において「所定方向に最大強度を有する第一の指向性光」とは、輝度の強度分布の最大強度のピークが所定方向にある第一の強度分布を有する光という意味である。
また、本発明において「法線方向(正面方向)」とは、プリズムシートの光出射面と厳密に垂直方向でなくても良く、±10度の範囲内の略法線方向を意味する。
本発明にかかるプリズムシートは、導光板から出射された所定方向に最大強度を有する第一の指向性光が、指向性の強いものである場合に用いられることを前提としている。本発明にかかるプリズムシートは、前記第一の斜面の傾斜角度を調整することにより、前記第一の指向性光をプリズムシートに入射可能とし、前記第二の斜面に含まれる各々の平坦面の傾斜角度を調整することにより、プリズムシートの光出射面からの出射光が、正面方向において輝度が高く、且つ、視野角の広い光として反射することができる。即ち、前記第二の斜面に含まれる各々の平坦面の傾斜角度は、当該各々の平坦面で内部反射される各光の成分(第二の指向性光)が、それぞれ異なる角度に最大強度を有し、各光の成分が合成された光(プリズムシートの光出射面からの出射光)が、プリズムシートの光出射面に対する法線方向に最大強度を有し、且つ、正面方向からのはずれ角の増大に従ってサイドローブを生じず滑らかに輝度が低下し、前記第一の指向性光よりも強度分布の幅が広く、視野角の広い光となるように調整される。
以下、本発明に係るプリズムシート及び光の挙動について図を用いて説明する。なお、各図では、説明の便宜上、光の挙動としては各光の成分に対応した代表光線を矢印で示し、縦横の寸法比及び各層間の寸法比は適宜、実寸とは変えて誇張して図示してある。また、以下の本発明の詳細な説明において、第一又は第二の指向性光の角度とは、第一又は第二の指向性光が最大強度を有する角度のことを意味する。
図1に、本発明に係るプリズムシートの一例の模式的な断面図を示す。図1に示すプリズムシート100は、第一の斜面1、及び傾斜角度が異なる2つの平坦面2a、2bからなる第二の斜面2によって構成される略三角柱形状の単位プリズム3を、平行に複数配列したプリズム列4を有する。本発明のプリズムシート100を面光源装置に用いる際には、プリズム列4が導光体6側に面するように配置し、プリズム列4の延在方向(プリズムの稜線が走る方向)が、光源から導光体6への光供給方向と直交(光入射面と平行)方向となるように配置されることが好ましい。導光体6から出射された所定方向に最大強度を有する第一の指向性光L1a、L1bは、空気層(屈折率n0=約1.0)を直進した後、第一の斜面1に入射し、次いで、プリズム内をほぼ直進し、第二の斜面2が含む平坦面2a、2bで反射され、個々の平坦面に到達した成分ごとに、異なる方向に最大強度を有する第二の指向性光L2a、L2bを生じる。
尚、第一の指向性光が第一の斜面1に入射し、第二の斜面2が含む個々の平坦面に到達する際、第二の斜面2に含まれる複数の平坦面は、単位プリズムの基底部に近いほど、隣接する単位プリズムによって第一の指向性光が遮られるため、法線となす角度が小さい第一の指向性光の成分しか到達しない。そのため、第一の指向性光は、第二の斜面に含まれる個々の平坦面に到達する成分ごとにL1a、L1bと分けて図示する(図2、4、6においても同様とする。)。但し、本発明において第一の指向性光とは、導光体から出射される各光の成分(図1ではL1a、L1b)が合成されてなる光であり、第一の指向性光が法線となす角とは、当該各光の成分が合成されてなる第一の指向性光の最大強度を有する角度が法線となす角を意味する。
1.単位プリズムの形状及び光の挙動
図2に、本発明のプリズムシートが有する単位プリズムの一例の模式的な断面図を示す。図2に示す単位プリズム3は、第一の斜面1と、傾斜角度が異なる2つの平坦面2a、2bからなる第二の斜面2より規定された略三角柱形状を有する。また、図2には、第一の斜面1とプリズムシートの光出射面に対する法線とがなす角(入射面角)をφ1、平坦面2aとプリズムシートの光出射面に対する法線とがなす角(第一反射面角)をφ2、平坦面2bとプリズムシートの光出射面に対する法線とがなす角(第二反射面角)をφ3としてそれぞれ示す。尚、図2中、プリズムシートの光出射面に対する法線を点線で示す。また、第二の指向性光L2aとプリズムシートの光出射面に対する法線とがなす角をθa、第二の指向性光L2bとプリズムシートの光出射面に対する法線とがなす角をθbとしてそれぞれ示す。
尚、本発明において、第二の指向性光とプリズムシートの光出射面に対する法線とがなす角(図2中のθa、θb)は、法線を0度としたときに、法線と時計回りになす角度を正の角度とし、法線と反時計回りになす角度を負の角度として考える。第二の指向性光とプリズムシートの光出射面に対する法線とがなす角以外の角は、法線となす角の絶対値として考える。
本発明のプリズムシートが有する単位プリズムは、第二の斜面が、傾斜角度が異なる3つ以上の平坦面からなるものであっても良い。図3に、傾斜角度が異なる3つの平坦面2a、2b、2cからなる第二の斜面2を有する単位プリズム3’を示す。図3には、第一の斜面1とプリズムシートの光出射面に対する法線とがなす角(入射面角)をφ1、平坦面2aとプリズムシートの光出射面に対する法線とがなす角(第一反射面角)をφ2、平坦面2bとプリズムシートの光出射面に対する法線とがなす角(第二反射面角)をφ3、平坦面2cとプリズムシートの光出射面に対する法線とがなす角(第三反射面角)をφ4としてそれぞれ示す。図3中、プリズムシートの光出射面に対する法線を点線で示す。
また、図3には光の挙動は示さないが、単位プリズム3’では、導光体からの出射された所定方向に最大強度を有する第一の指向性光が第一の斜面1から入射し、第一の斜面1を透過した第一の指向性光は、第二の斜面2が含む平坦面2a、2b、2cで反射され、個々の平坦面に到達した成分ごとに異なる角度に最大強度を有する第二の指向性光を生じる。
導光体から出射された第一の指向性光(図1及び図2中ではL1a、L1bから合成されてなる光)は、最大強度のピークが所定方向にある第一の強度分布を有する。前記最大強度のピークの方向は、第一の指向性光がプリズムシートの第一の斜面に入射できる角度であれば特に限定されないが、通常、第一の指向性光は、導光体の光放出面に対する法線となす角が50〜80度の方向に最大強度を有する。なお、第一の指向性光は、前記範囲の法線となす角に大多数の光が指向されていることが好ましいが、その範囲外の光が存在していても良い。
前記第一の指向性光は、特に限定されないが、その強度分布の半値幅となる角度が通常±10度以下である。
尚、本発明において半値幅となる角度(半値幅角)とは、輝度の最大強度のピークにおいて、最大値を100%としたときに当該最大値を有する角度から、輝度の強度が最大値の50%となるときの角度までの角度の差を意味し、半値幅角が大きいほど指向性は弱くなる。導光体から出射される第一の指向性光における輝度の強度分布の一例を表すグラフを図5の(A)に示す。図5の(A)では、第一の指向性光の輝度の最大強度が73度にある場合のグラフを示す。尚、前記半値幅角は、例えばゴニオメーターを備えた輝度計等を用い、導光体から出射された光の輝度の強度分布を室温、大気中にて測定し、最大強度のピークに基づいて求めることができる。
本発明のプリズムシートが有する第一の斜面の傾斜角度は、前記第一の指向性光が入射可能な傾斜角度であれば特に限定されず、前記第一の指向性光が最大強度を有する方向によって適宜調整されるが、通常は、第一の斜面がプリズムシートの光出射面に対する法線となす角(図2及び図3中のφ1)は10〜40度である。
本発明のプリズムシートが有する第二の斜面に含まれる複数の平坦面は、第一の斜面から入射した前記第一の指向性光を、個々の平坦面に到達した成分ごとに内部反射する。第二の斜面に含まれる複数の平坦面の傾斜角度は、第一の指向性光が内部反射された反射光が、各々の平坦面によって異なる角度に最大強度を有する第二の指向性光となり、各々の第二の指向性光から合成された光、即ちプリズムシートの光出射面からの出射光が、法線方向に最大強度を有し、且つ、正面方向からのはずれ角の増大に従ってサイドローブを生じず滑らかに輝度が低下し、前記第一の指向性光よりも強度分布の幅が広く、視野角の広い光となるように調整される。このように、プリズムシートの光反射面となる個々の平坦面の角度を適当に調整することによって、第一の指向性光を法線方向に導き、且つ、視野角の広い光として出射できる。
前記第二の斜面に含まれる各々の平坦面の傾斜角度は、プリズムシートの光出射面からの出射光を、法線方向に最大強度を有し、且つ、視野角の広い光として反射することができる傾斜角度であれば特に限定されず、第一の指向性光が最大強度を有する方向によって適宜調整されるが、プリズムの頂点に近い平坦面ほど、プリズムシートの光出射面に対する法線となす角度が大きいことが好ましい。つまり、図2に示す単位プリズム3の場合、φ2>φ3であることが好ましく、図3に示す単位プリズム3’の場合は、φ2>φ3>φ4であることが好ましい。
さらに、前記第二の斜面に含まれる各々の平坦面がプリズムシートの光出射面に対する法線となす角(図2中のφ2及びφ3、図3中のφ2、φ3及びφ4)は、第一の指向性光が最大強度を有する所定方向によって適宜調整され、特に限定されないが、通常28〜40度である。
また、図2に示すように、単位プリズムの第二の斜面が2つの平坦面からなる場合、平坦面の傾斜角度が変化する境界を設ける位置は、第一の指向性光の指向方向によって適宜調整され、特に限定されないが、前記単位プリズムの基底面から頂点までの高さ(図2中のH)を100%としたときに、当該単位プリズムの基底面からの高さが20〜80%の位置とすることができる。
図3に示すように、単位プリズムの第二の斜面が3つの平坦面からなる場合は、平坦面の傾斜角度が変化する境界を設ける位置は、第一の指向性光の指向方向によって適宜調整され、特に限定されないが、前記単位プリズムの基底面から頂点までの高さ(図3中のH)を100%としたときに、当該単位プリズムの基底面からの高さが10〜50%の位置、及び、当該位置よりも前記単位プリズムの頂点に近く、且つ前記基底面からの高さが50〜90%の位置とすることができる。
また、本発明のプリズムシートの単位プリズムの基底面から頂点までの高さ(図2中のH)は、プリズム列のピッチ(図2中のP)によっても変わり、特に限定されないが、プリズム列のピッチが50μmで、第一の斜面がプリズムシートの光出射面に対する法線となす角が10〜40度であり、第二の斜面に含まれる各々の平坦面がプリズムシートの光出射面に対する法線となす角が28〜40度の場合、前記高さは、31.4〜66.4μmとすることができる。
尚、本発明のプリズムシートのプリズム列のピッチは、特に限定されないが、通常10〜100μmである。
また、本発明のプリズムシートの単位プリズムの頂点は、図2に示すような尖った形状でも良いし、図示しないが厚さ方向の断面の頂部近傍が面取りされた鈍い頂点でも良いし、先端が平坦面となるようにカットされていても良い。単位プリズムの頂点が先端カットされている場合は、基底面から頂点までの高さとは、基底面から先端の平坦面までの高さとする。
第二の斜面に含まれる各々の平坦面ごとに生じる各々の第二の指向性光の最大強度を有する角度の差の最大値は、特に限定されないが、10度以上であることが好ましく、14度以上であることがより好ましい。これにより、正面方向における輝度を確保しつつ、視野角を広げることができる。尚、「各々の第二の指向性光の最大強度を有する角度の差の最大値」とは、第二の斜面に含まれる平坦面が3つ以上である場合は、最大強度を有する角度の異なる第二の指向性光が3つ以上生じるため、これら複数の第二の指向性光のうち最大強度を有する角度の差が最も大きい2つを比較したときの最大強度の角度の差であり、第二の斜面に含まれる平坦面が2つである場合は、最大強度を有する角度の異なる第二の指向性光が2つ生じるため、当該2つの第二の指向性光を比較したときの最大強度の角度の差である。各々の第二の指向性光の最大強度を有する角度の差を、図2をもとに説明すると、θa(正の角度)とθb(負の角度)との差であり、即ち|θa−θb|の値である。
また、第二の斜面に含まれる各々の平坦面ごとに生じる各々の第二の指向性光の強度分布を測定したときに、最大強度のピークが隣り合う2つの第二の指向性光の最大強度の角度の差は、特に限定されないが、20度以下であることが好ましく、16度以下であることがより好ましい。これにより、各々の第二の指向性光から合成されてなるプリズムシートの光出射面からの出射光は、強度分布のピークが分離せず、なだらかな強度分布となる。
図5の(B)に、プリズムシートの光出射面からの出射光(第二の指向性光から合成された光)の輝度の強度分布の一例を表すグラフを示す。図5の(B)に示すL2a、L2b、θa、θbは、それぞれ図2に示すL2a、L2b、θa、θbに対応しており、第二の指向性光L2aとL2bとの角度の差を図5の(B)中に|θa−θb|として示す。
プリズムシートの光出射面からの出射光(各々の第二の指向性光から合成された光)は、法線方向に最大強度を有し、その半値幅角は、特に限定されないが、本発明の好適な実施形態においては±15度以上とすることができる。プリズムシートの光出射面からの出射光の半値幅角が大きいほど、視野角を広げることができる。尚、前記半値幅角は、特に限定されないが、通常、±15度以上、±30度以下である。±15度未満であると、視野角が狭く視認性が悪いという問題が発生し、逆に±30度を超えると光が広がりすぎて正面輝度が不十分となるからである。
また、本発明のプリズムシートは、第一の斜面のみならず、第二の斜面からも導光体からの光を入射できる形態とすることができる。これにより、光源が導光体の片方の縁のみに配置された、いわゆる1灯式面光源のみでなく、光源が導光体の両方の縁に配置された、いわゆる2灯式面光源においても本発明のプリズムシートを使用することができる。本発明のプリズムシートにおいて、第一の斜面及び第二の斜面の両方が導光体からの光を入射する場合、第一の斜面から入射した光は第二の斜面で反射されて出射し、第二の斜面から入射した光は第一の斜面で反射されて出射する。尚、この場合は、第一の斜面のみならず、第二の斜面も、導光体からの光を入射できる傾斜角度となるように調整する。本発明のプリズムシートは、第一の斜面のみから光を入射する場合は、図2、3に示すような非対称プリズム(単位プリズムの形状が非線対称)を好適に使用することができるが、第一の斜面及び第二の斜面の両方から光を入射する場合は、図4に示すような、第一の斜面及び第二の斜面の両方が複数の平坦面からなる単位プリズムを有する本発明のプリズムシートを好適に使用することができ、当該プリズムシートは対称プリズム(単位プリズムの形状が線対称)とすることができる。
第一の斜面が傾斜角度の異なる複数の平坦面からなる場合、当該各々の平坦面の傾斜角度及び平坦面の傾斜角度が変化する境界の位置の好ましい条件は、上述した第二の斜面において好ましい条件と同様である。
図4に示す単位プリズム3’’は、傾斜角度が異なる2つの平坦面1a、1bからなる第一の斜面1と、傾斜角度が異なる2つの平坦面2a、2bからなる第二の斜面2より規定された略三角柱形状を有する。図4に示す単位プリズム3’’では、導光体からの出射された第一の指向性光を、第一の斜面1及び/又は第二の斜面2から入射することができる。第一の斜面1から入射した第一の指向性光L1a、L1bは、第二の斜面2が含む平坦面2a、2bで反射され、個々の平坦面2a、2bに到達した成分ごとに異なる角度に最大強度を有する第二の指向性光L2a、L2bを生じる。第二の斜面2から入射した第一の指向性光L1’a、L1’bは、第一の斜面1が含む平坦面1a、1bで反射され、個々の平坦面1a、1bに到達した成分ごとに異なる角度に最大強度を有する指向性光L2’a、L2’bを生じる。
尚、本発明のプリズムシートは、第二の斜面のみが複数の平坦面からなる場合、又は、第一の斜面及び第二の斜面の両方が複数の平坦面からなる場合、各斜面が含む平坦面の数は、図示したものに限定されず、3つ以上の平坦面からなるものであっても良い。
2.プリズムシートの層構成
本発明のプリズムシートは、形状の精度が優れ且つ量産性に優れる点から、通常は、光透過性基材の一面側にプリズム列を設けた、基材層とプリズム層を含む層構成をとるが、単一材料を射出成形等して形成した単層構成であっても良い。光透過性基材の一面側にプリズム列を設けてプリズムシートを製造する場合のプリズム列形成用材料と、単一材料を射出成形して単層構成のプリズムシートを製造する場合のプリズムシート形成用材料とは、同様の材料を用いることができる。以下、プリズム列形成用材料及び単層構成のプリズムシート形成用材料を総称してプリズム用材料と称する。
前記プリズム用材料としては、光を効率よく透過させる性質の材料であれば機能し、特に限定されないが、例えば、公知の紫外線又は電子線硬化性樹脂、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル樹脂、ガラス等の光透過性部材等が挙げられる。前記紫外線又は電子線硬化性樹脂としては、代表的には分子中に、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、エポキシ基、チオール基等の重合性基を有するポリマー及び/又は単量体等を用いることができ、具体的には、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、シリコン(メタ)アクリレート等の多官能プレポリマー、トリチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の多官能単量体等を主成分とするが、高架橋型のもの等を用いることができる。
本発明のプリズムシートが光透過性基材の一面側にプリズム列を設けた層構成である場合、光透過性基材は、プリズム列の担体となるものである。前記光透過性基材としては、通常の光学式ディスプレイや液晶ディスプレイのバックライト機構に用いられるフィルムであって、少なくとも電離放射線透過性のものを適宜用いることができるが、中でも、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル樹脂、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル樹脂、三酢酸セルロース(TAC)等からなる延伸フィルムが好ましく、特に機械的、化学的、光学的性能から二軸延伸のPETフィルムが特に望ましい。一般的な二軸延伸PETフィルムは、ロール製造時において機械の流れ方向と幅方向に延伸されており、その分子の配向方向も機械の中央を境に左右斜め方向に配向している。このように配向していることにより幅方向と流れ方向の屈折率は異なり、このようなフィルムを通過させることで出射光の偏光方向を調整することが可能となる。
なお、光透過性基材の厚さは通常25〜300μmである。
本発明のプリズムシートのプリズム列の凹凸形状が無い側(光出射面側)の表面には、他の部材との密着による干渉防止あるいは、キズ等外観の不具合を隠す等の為に、必要に応じて微細凹凸形状を有するマット層を形成しても良い。
マット層を形成する手段としては、例えば、マット剤のコーティングやエンボス加工などが挙げられる。マット剤をコーティングすることでマット層を形成した場合、プリズム列を有するプリズム層とマット層の伸縮のバランスを調整することができ、プリズムシートの反り、撓みを抑えることが出来る。
マット剤のコーティングは、例えば、マット剤を樹脂及び溶剤等からなるバインダーに含有させたマット剤塗料を、プリズム層のプリズム列と反対側表面にコーティングすることによって行う。
マット層のバインダーに用いられる樹脂としては、上記光透過性基材に用いられる樹脂と同様の樹脂を挙げることができる。
マット剤としては、例えば、ポリメタクリル酸メチル(アクリル)系ビーズ、ポリメタクリル酸ブチル系ビーズ、ポリカーボネート系ビーズ、ポリウレタン系ビーズ、炭酸カルシウム系ビーズ、シリコーン系ビーズ及びシリカ系ビーズ等の微粒子が挙げられる。
前記微粒子は、特に限定されないが、一般的に平均粒径が1〜20μmのものを用いることができる。
マット剤塗料のコーティング方法としては、ダイコーティング、グラビヤコーティング、スリットリバースコーティング等各種公知のコーティング方法を選択することが可能である。
マット層の凹凸形状は、特に限定されないが、JIS B 0601での10点平均粗さRz=0.1〜10μmの微小丘状突起が、平均間隔d=1〜100μmで2次元的にランダムな配列で形成することができる。
なお、マット層の厚さは通常1〜20μmである。
また、本発明に係るプリズムシートは、必要に応じて光拡散機能を付与するために光拡散層を設けても良い。光拡散層は、好ましく設けられる任意の層であって、光を拡散させる作用があればよく、一般的な光拡散シートに形成されているものを用いることができる。例えば、光拡散性微粒子が透光性樹脂に分散した層を適用できる。尚、前記光拡散層は、プリズムシートの任意の位置に設けることができ、プリズム列とは反対側の面上に設けられていても良いし、プリズム列がある面上に設けられていても良いし、プリズムシートが光透過性基材とプリズム列とからなる場合は、光透過性基材とプリズム列との間に設けられていても良い。
光拡散層を構成する透光性樹脂としては、上記光透過性基材に用いられる樹脂と同様の樹脂を挙げることができる。
光拡散性微粒子としては、一般的に光拡散シートに用いられる光拡散性の微粒子が用いられ、例えば、ポリメタクリル酸メチル(アクリル)系ビーズ、ポリメタクリル酸ブチル系ビーズ、ポリカーボネート系ビーズ、ポリウレタン系ビーズ、炭酸カルシウム系ビーズ及びシリカ系ビーズ等が挙げられる。
なお、光拡散層の厚さは、通常、1〜20μmである。
3.プリズムシートの製造方法
本発明のプリズムシートの製造方法は、特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。例えば、所望の単位プリズム形状を有するプリズムシートの金型に、前記プリズムシート形成材料を入れて、射出成型でプリズムシートを一括成形する方法や、所望の単位プリズム形状を有するプリズム列の金型に紫外線硬化性樹脂等のプリズム列形成用材料を入れ、そこに光透過性基材を重ね、ラミネーター等を用いて光透過性基材を前記プリズム列形成用材料に圧着し、紫外線等で前記プリズム列形成用材料を硬化させ、プリズム列の型を剥離乃至除去する方法等が挙げられる(特開2009−37204号公報の図2参照)。
他にも、光透過性基材上に紫外線硬化性樹脂等のプリズム列形成用材料でプリズム形状を形成するには、特開平5−169015号公報に開示の技術を利用すれば良い。すなわち、プリズム形状に対し逆凹凸形状の凹部を有する回転するロール凹版にプリズム列形成用材料液を塗工充填し、次いでこれに光透過性基材を供給して版面のプリズム列形成用材料液の上からロール凹版に押圧し、押圧した状態で、紫外線照射等によりプリズム列形成用材料液を硬化させた後に、固化したプリズム列形成用材料を光透過性基材と共に回転するロール凹版から剥離すれば、プリズムシートは連続製造できる。
(面光源装置)
本発明の面光源装置は、光源と、当該光源から入射した光を所定方向に最大強度を有する第一の指向性光として出射する導光体と、前記本発明のプリズムシートとを備え、前記プリズムシートが、プリズム列を有する面が光入射面側となるように配置されていることを特徴とする。本発明にかかる面光源装置によれば、出射光の正面方向における輝度を高く保持しつつ、視野角を広げることができる。
本発明に係る面光源装置は、光源や導光体等のプリズムシート以外の構成要素は特に限定されず、各種の仕様(形態)のものが使用でき、従来公知のいわゆるエッジライト型、直下型、EL(電場発光)型等の形態の面光源の光放出面側に上記の本発明のプリズムシートを、プリズム列を有する面が光入射面側となるように載置して本発明の面光源装置が構成される。エッジライト型の面光源は、通常、アクリル樹脂等の透明な導光体の一側端面又は両端面から光源光を入射し、液晶パネル側の出光面から光を出射するように構成される。一方、直下型の面光源は、光源を挟んだ態様で液晶パネルと反射板とを配置してなり、通常、光源からの光を反射板によって液晶パネル側に反射させるように構成される。
本発明においては、中でもエッジライト型の面光源を好適に使用することができ、導光体の端縁の少なくとも一つに前記光源が配置されている面光源であることが好ましい。
また、本発明に係る面光源装置において、前記プリズムシートは、プリズム列が導光体側に面するようにして配置され、且つ、プリズム列の延在方向が、導光体への光供給方向と直交(光入射面と平行)方向となるように配置されることが好ましい。
さらに、導光体の表面に、光の入射方向に対して直交するように浅いプリズム形状を設け、導光体内を伝播する光がプリズム形状に当たることで、徐々に光の角度を変化させて導光体より光を出射させることを併用することも可能である。
以下、本発明のプリズムシートを備えたエッジライト型面光源装置の形態を例にとり、図6に基づいて詳述する。図6は、本発明に係る光学シートを備える面光源装置の一例を示す模式的な断面図である。図6に示す面光源装置200は、面光源9とプリズムシート100とからなり、面光源9は、導光体6、光源7、反射板8とからなる。面光源装置200において、本発明に係るプリズムシート100は、導光体6の光放出面6a側に設けられ、光放出面6a側にプリズム列4(凹凸面)が向くように配置される。なお、面光源9では、導光体6の側端面に設けられた光源7から出射された光が、光入射面6bを通って導光体6内に入射され、所定方向に最大強度を有する第一の指向性光として光放出面6aから放出される。図6中、第一の指向性光を構成する光の成分をL1a、L1bとして示す。放出された第一の指向性光L1a、L1bは、第一の斜面1からプリズムシート100に入射し、第二の斜面2を構成する各々の平坦面2a、2bで内部反射して、互いに異なる角度に指向性を有する第二の指向性光L2a、L2bとして、プリズムシート100の光出射面5から出射される。
導光体とは、透光性材料からなる板状体であり、光源から導光体内に送り込まれた光が、導光体内で散乱作用や反射作用を受けながら肉薄側の端面に向けて導光される過程で、徐々に光放出面から出射される。
本発明の面光源装置では、導光体の光放出面から出射される光が、上述の第一の指向性光となる。従って、本発明で用いられる導光体としては、従来公知のものを用いることができるが、光放出面から出射される光が、上述した第一の強度分布を有する第一の指向性光となるものを適宜選択して用いる。
導光体の材質としては、光を効率良く透過させる性質があれば特に限定されず、例えばポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ガラス等が挙げられる。
さらに、導光体から出射される光を第一の所定方向に最大強度を有するものとするために、導光体の内部又は表面には、光散乱機能が付加されていることが好ましい。
導光体に光散乱機能を付加するためには、例えば、上記の導光体に用いられる樹脂等からなるマトリックス中に異屈折率物質を一様に混入分散させる方法が挙げられる。本発明において「異屈折率物質」とは、マトリックスの屈折率と実質的に異なる屈折率を有する物質を意味する。異屈折率物質として、導光体内に所定の粒径(一般には、屈折率不均一構造に関する相関距離)を有する異屈折率粒子を混入分散させることにより、当該異屈折率粒子の粒径に応じて、光放出面から出射される光に優先伝播方向を持たせることができる。換言すれば、光放出面からは、強くあるいは弱く平行化された光束が出射される。
導光体における異屈折率粒子の混入割合は特に限定されず、導光体が適当な散乱能を持つように調整される。一般に、異屈折率粒子の混入割合は、導光体の縦断方向のサイズが大きくなる程小さく選ばれる。導光体に散乱能を過剰に与えると、光入射面から遠い部分への光の伝播が阻害され、輝光面に明るさ勾配が発生するおそれがあるからである。尚、「縦断方向」とは、導光体への光供給方向と平行(光入射面の延在方向と垂直)な方向のことである。
一方、異屈折率粒子の粒子サイズは導光体内部における個々の散乱過程の前方散乱性の強さを左右するファクターであり、一般に、粒子サイズが大きい程前方散乱性が強くなる。これに起因して、粒子サイズが相対的に大きければ導光体の光放出面から出射される光束の優先伝播方向が明瞭になる。即ち、平行光束に近いものが得られるようになる。逆に、粒子サイズが相対的に小さければ導光体の光放出面から出射される光束の優先伝播方向の明瞭さは失われる。本発明においては、粒子サイズの大小は、第一の指向性光に要求される指向性の強さに応じて調整される。
導光体の厚さは通常1〜10mmであり、その厚さは全範囲で一定であっても良いし、図6に示すように、一端側に光源を設ける場合は、光源を設ける側端面側が最も厚く、側端面の反対側ほどに徐々に薄くなるテーパ形状であっても良い。導光体の厚さが側端面側から遠ざかるにつれて薄くなっているのは、導光体内で起こる斜面繰り返し反射効果によって光の利用効率と輝度の均一性を高めるためである。
また、光源を導光体の両側端面に配置したもの(いわゆる2灯式面光源)として、平板状の導光体を使用したものや、直線楔形状を突き合わせた断面形状を有する導光体を使用したものや、導光体の裏面側をアーチ状のものとしたもの等であっても良い。
本発明に用いられる導光体は公知の製造方法によって得ることができる。
導光体に光散乱機能を付加するために、マトリックス中に異屈折率物質の粒子状材料を混入分散させる方法としては、例えば、サスペンション重合法と呼ばれる方法がある。即ち、粒子状材料をモノマー中に混入し、湯中に懸濁させた状態で重合反応を行なわせると、粒子状材料が一様に混入されたポリマー材料を得ることが出来る。これを原材料に用いて成形を行なえば、所望の形状の導光体が製造される。また、サスペンション重合を種々の粒子状材料とモノマーの組合せ(粒子濃度、粒径、屈折率等の組合せ)について実行し、複数種類の材料を用意しておき、これを選択的にブレンドして成形を行なえば、多様な特性の導光体を製造することが出来る。また、粒子状材料を含まないポリマーをブレンドすれば、粒子濃度を簡単に制御することが出来る。
粒子状材料の一様混入に利用可能な方法の更に別の1つの方法は、ポリマー材料と粒子状材料を混練するものである。この場合も、種々の粒子状材料とポリマーの組合せ(粒子濃度、粒径、屈折率等の組合せ)で混練・成形(ペレット化)を行なっておき、これらを選択的にブレンドして導光体を成形製造することにより、多様な特性の導光体を得ることが出来る。
また、本発明の面光源装置の導光体としては、両面プリズム導光体を用いることもできる。両面プリズム導光体とは、透光性材料からなる平らな板状体の両面に、プリズムを直交して成形することにより得られる導光体である。
本発明の面光源装置において、光源は、エッジライト型面光源装置の場合、その少なくとも1つの側端面から内部に光を入射させるものであり、導光体の側端面に沿って配置される。
前記光源としては、例えば、冷陰極管等の線状光源が好適に用いられるが、白熱電球、LED(発光ダイオード)等の点光源を側端面に沿ってライン状に配置しても良いし、小形の平面蛍光ランプを側端面に沿って複数個配置するようにしても良い。
本発明の面光源装置は、導光体の光放出面とは反対側の面又は光放出面以外の面に、導光体の光放出面とは反対側等から放出される光を導光体内に戻し、光放出面から放出させるための反射板が設けられていても良い。
前記反射板としては、特に限定されないが、例えば正反射性の銀箔シート、薄い金属板にアルミニウム等を蒸着したもの、拡散反射性の白色の発泡PET(ポリエチレンテレフタレート)シート等が使用される。
(液晶表示装置)
本発明に係る液晶表示装置は、本発明に係る面光源装置の出光面側に液晶パネルを備えることを特徴とする。
本発明に係る液晶表示装置によれば、上述の本発明の面光源装置を周知の配置法に従って液晶パネルの背後にバックライトとして配設することにより、画面の正面方向における輝度を高く保持しつつ、視野角の広い液晶ディスプレイが提供される。
図7は、図6で示したエッジライト型の面光源装置を備えた液晶表示装置の一例を示した模式的な断面図である。図7に示す液晶表示装置300は、液晶パネル10とその一面(液晶表示装置における映像表示を観察する面とは反対側の面)側に本発明に係るプリズムシート100を備えた面光源装置200を備えている。
尚、本発明の液晶表示装置は、液晶パネルの背面側に面光源装置(バックライト)を有する透過型の液晶表示装置であっても良いし、外光による反射光の表示とともに背面側のバックライトによる表示の両方が可能な半透過型の液晶表示装置であっても良い。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様の作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。これらの記載により本発明を制限するものではない。
(プリズムシート)
プリズムシートA〜Hとして、ロール金型表面の円周上にロール金型の軸方向の断面形状がそれぞれ表1に記載したプリズム形状になるように、ダイヤモンドバイトを用いて、ピッチ50μmの略三角形状となる溝をNC旋盤で切削し、その金型にUV硬化型ウレタンアクリレート樹脂のプレポリマーを主成分とする紫外線硬化樹脂を充填し、厚み125μmのPET基材と接触させながら、該PET基材の裏面よりUV照射でUV硬化型樹脂を金型中で硬化させた後にPET基材と一緒に剥離して作成した。
プリズムシートA、B、C、F、G、Hは、図2に示す単位プリズム形状を有し、表1に示す入射面角、第一反射面角、第二反射面角は、それぞれ図2中のφ1、φ2、φ3に対応する角度である。プリズムシートDは、図3に示す単位プリズム形状を有し、表1に示す入射面角、第一反射面角、第二反射面角、第三反射面角は、それぞれ図3中のφ1、φ2、φ3、φ4に対応する角度である。
また、表1に、第一の境界及び第二の境界として、各プリズムシートの第二の斜面が含む平坦面の傾斜角度が変化する境界の位置を、単位プリズムの基底面から頂点までの高さを100%としたときの基底面から境界までの高さ(%)によって示す。プリズムシートA、B、C、F、G、Hは、前記平坦面の傾斜角度が変化する境界は、第一の境界として示される一ヶ所のみであり、プリズムシートDは、前記平坦面の傾斜角度が変化する境界は、第一の境界及び第二の境界として示される2ヶ所であり、第一の境界が単位プリズムの頂点に近い方の境界の位置を示し、第二の境界が基底面に近い方の境界の位置を示す。
プリズムシートEは、単位プリズムの第一の斜面及び第二の斜面の両方がそれぞれ1つの平坦面からなるものであり、表1に示す入射面角は第一の斜面が法線方向となす角であり、第一反射面角は、第二の斜面が法線方向となす角である。
なお、プリズムシートHは、裏面マット層付きのプリズムシートであり、下記の手順で、プリズム列と反対側面のPET基材上にマット層を作成した。即ち、マット剤として平均粒径5μmの架橋アクリル樹脂微粒子(n=1.49)、並びに、ポリエステル樹脂(n=1.55)及び溶剤からなるバインダーを含有したマット剤塗料を、PET基材上にスリットリバースコーティング法で塗布し、溶剤を乾燥させ、硬化させたマット層を得た。
この乾燥した塗膜には、JIS B 0601での10点平均粗さRz=3μmの微小丘状突起が、平均間隔d=30μmで2次元的にランダムな配列で形成されていた。
Figure 2013003258
(導光体)
次に、出射光の指向が高い導光体の作成について説明する。まず、ダイヤモンドバイトとNC旋盤で軸方向の断面形状が頂角90度でピッチ50μmの三角形状が円周方向に切削された第1のロール金型と、円周方向の断面形状が頂角178度、ピッチ200μmの三角形状が軸方向に切削された第2のロール金型を準備した。
ペレット状の熱可塑性アクリル樹脂を押出し機に充填して、熱で溶融しながら押出し機のダイスからフィルム状にダイスの下に設置した、前記第1と第2のロール金型間に熱可塑性アクリル樹脂をダイスから押出してロール金型間で圧延して、第3のロールで冷却して平らな板状の両面にプリズムが直交して成形された導光体(両面プリズム導光体)を成形した。なお、板状の導光体に成形されたアクリル樹脂の厚みは、0.8mmの厚さになるように、ロールのキャップ、押出し温度、押出し速度を調整した。
(実施例1)
上記で得られた両面プリズム導光体の表面プリズムの稜線方向と直交する端面にLED光源を配置し、導光体裏面プリズムの下には、白PETの反射板を、導光体の表面プリズムには、当該表面プリズムの稜線方向と直交する向きで前記プリズムシートAを、そのプリズム面が導光体の表面プリズムと接する方向に配置し、面光源装置を作製した。
(実施例2〜5、比較例1〜3)
プリズムシートAを用いる代わりに、表2に示すプリズムシートを用いて、実施例1と同様にして面光源装置を作製した。
(導光体からの出射光における輝度の強度分布測定)
前記両面プリズム導光体からの出射光を輝度計(トプコン製BM−7)とゴニオメーターで測定した結果、当該出射光の最大強度を有する角度は73度で半値幅角は±10度であった。
(プリズムシートの光出射面からの出射光の輝度の強度分布測定)
各実施例及び各比較例で得られた面光源装置のプリズムシートの光出射面からの出射光の輝度の強度分布を、輝度計(トプコン製BM−7)とゴニオメーターを用いて測定した。その結果、すべての実施例及び比較例において、最大強度を有する角度は略法線方向(厳密な法線方向から±10度の範囲内)であった。また、半値幅角の測定結果を表2に示す。
(TV用としての視野角)
各実施例及び各比較例で得られた面光源装置のTV用としての視野角を、上記で測定した半値幅角に基づいて評価した。
各符号は以下の通りである。
◎:輝度の強度分布の半値幅角が20度以上であり、視野角が非常に広く、TV用として実用可能である。
○:輝度の強度分布の半値幅角が15度以上20度未満であり、視野角が十分に広く、TV用として実用可能である。
×:輝度の強度分布の半値幅角が5度以下であり、視野角が狭く、TV用としては実用不可能である。
(バックライトの正面輝度比評価)
輝度計(トプコン製BM−7)を用いて、各実施例及び各比較例で得られた面光源装置の正面方向の輝度を測定し、比較例1の面光源装置にて測定された輝度値を100%として輝度比を算出した。その結果を表2に示す。
(TV用としての正面輝度)
各実施例及び各比較例で得られた面光源装置のTV用としての正面輝度を、上記で測定した正面輝度比に基づいて評価した。
各符号は以下の通りである。
◎:正面輝度比が90%以上であり、正面輝度が非常に高く、TV用として実用可能である。
○:正面輝度比が50%以上90%未満であり、正面輝度が十分に高く、TV用として実用可能である。
×:正面輝度比が50%未満であり、正面輝度が低く、TV用としては実用不可能である。
なお、正面輝度比は比較例1で測定された結果を100%とする。
(液晶パネルにおける外観評価)
上記バックライト上に液晶パネルを載せて、干渉縞を目視で確認した。干渉縞が液晶パネル上で視認されないレベルの場合を◎、干渉縞が液晶パネル上で視認されるが画像では問題無いレベルの場合を○とし、その結果を表2に示す。
Figure 2013003258
実施例1〜5で用いたプリズムシートは、第一の斜面が、導光体から出射される第一の指向性光(73度にて最大強度を有し、半値幅角は±10度)を入射可能な傾斜角度を有し、前記第二の斜面に含まれる各々の平坦面は、前記第一の斜面から入射した前記第一の指向性光を、個々の平坦面に到達した成分ごとにプリズムシートの光出射面から出射できる範囲内で異なる角度に最大強度を有する第二の指向性光となり、全ての第二の指向性光から合成されるプリズムシートの光出射面からの出射光が、プリズムシートの光出射面に対する法線方向に最大強度を有し、且つ、前記第一の指向性光よりも強度分布のピークがなだらかになるように内部反射する傾斜角度を、平坦面ごとに個別に有する。そのため、実施例1〜5では、プリズムシートの光出射面からの出射光は、法線方向に最大強度を有し、半値幅角が±15度〜±25度と幅の広い強度分布を有し、法線方向における視野角が広く、且つ正面輝度の評価においても、TV用途として十分な正面輝度が得られた。
また、実施例5で用いたプリズムシートは、マット層を有するため、液晶パネルの外観評価において干渉縞の発生を防いだ。
比較例1では、プリズムシートの反射面(第二の斜面)が1つの平坦面からなるため、プリズムシートの光出射面からの出射光は当該1つの平坦面で反射され、異なる角度に最大強度を有する複数の第二の指向性光を生じず、法線方向に最大強度を有する第二の指向性光のみを生じたため、指向性が強く、半値幅角±5.0度とTV用途に使うには半値幅角の狭い強度分布を有する為に視認性に劣っていた。
比較例2では、プリズムシートの第二の斜面が含む2つの平坦面が、各々の入射光を法線方向へ指向するように、第一反射面角及び第二反射面角を設定したため、各々の平坦面から反射して生じた2つの第二の指向性光は、最大強度を有する角度に差がなく、法線方向における指向性が強すぎて、その結果、バックライトの視野角特性が狭すぎて視認性に劣っていた。
比較例3では、比較例2とは逆に、プリズムシートの第二の斜面が含む2つの平坦面が、各々の入射光を、それぞれ法線方向に対して+15度と−15度に最大強度を有する第二の指向性光として反射するように、第一反射面角及び第二反射面角を設定したため、各々の第二の指向性光の角度の差が大きすぎて、プリズムシートからの出射光の強度分布のピークが完全に分離してしまい、正面輝度が低く、且つ視野角で法線方向の輝度よりも高い輝度を有する領域が発生し、その結果、バックライトの視認性に劣っていた。
1 第一の斜面
1a、1b 平坦面
2 第二の斜面
2a、2b、2c 平坦面
3、3’、3’’ 単位プリズム
4、4’ プリズム列
5 光出射面
6 導光体
6a 光放出面
6b 光入射面
7 光源
8 反射板
9 面光源
10 液晶パネル
L1a、L1b 第一の指向性光を構成する光の成分
L2a、L2b 第二の指向性光
100、110 プリズムシート
200 面光源装置
300、310 液晶表示装置

Claims (13)

  1. 三角柱形状の単位プリズムを平行に複数配列したプリズム列を光入射面に有するプリズムシートであって、
    各々の前記単位プリズムは、第一の斜面と、傾斜角度が異なる複数の平坦面からなり且つ前記第一の斜面と対向する第二の斜面により規定された略三角柱形状を有し、隣り合う単位プリズムの一方が有する第一の斜面と他方が有する第二の斜面が向き合うように配列され、
    前記第一の斜面は、所定方向に最大強度を有する第一の指向性光が入射可能な傾斜角度を有し、
    前記第二の斜面に含まれる各々の平坦面は、前記第一の斜面から入射した前記第一の指向性光が、個々の平坦面に到達した成分ごとにプリズムシートの光出射面から出射できる範囲内で異なる角度に最大強度を有する第二の指向性光となり、全ての第二の指向性光から合成されるプリズムシートの光出射面からの出射光が、プリズムシートの光出射面に対する法線方向に最大強度を有し、且つ、前記第一の指向性光よりも強度分布のピークがなだらかになるように内部反射する傾斜角度を、平坦面ごとに個別に有することを特徴とするプリズムシート。
  2. 前記プリズムシートの光出射面からの出射光の強度分布の半値幅となる角度が±15度以上である、請求項1に記載のプリズムシート。
  3. 前記第二の斜面に含まれる各々の平坦面ごとに生じる各々の第二の指向性光の最大強度を有する角度の差の最大値が、10度以上である、請求項1又は2に記載のプリズムシート。
  4. 前記第二の斜面に含まれる複数の平坦面は、プリズムの頂点に近い平坦面ほど、プリズムシートの光出射面に対する法線となす角度が大きい、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のプリズムシート。
  5. 前記第一の斜面は、プリズムシートの光出射面に対する法線となす角が10〜40度であり、前記第二の斜面に含まれる各々の平坦面は、プリズムシートの光出射面に対する法線となす角が28〜40度であり、当該各々の平坦面同士の傾斜角度の差が10度以下である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のプリズムシート。
  6. 前記単位プリズムは、当該単位プリズムの基底面から頂点までの高さを100%としたときに、当該単位プリズムの基底面からの高さが20〜80%の位置に平坦面の傾斜角度が変化する境界が存在する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のプリズムシート。
  7. 前記単位プリズムは、当該単位プリズムの基底面から頂点までの高さを100%としたときに、当該単位プリズムの基底面からの高さが10〜50%の位置、及び、当該位置よりも前記単位プリズムの頂点に近く、且つ前記基底面からの高さが50〜90%の位置に平坦面の傾斜角度が変化する境界が存在する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のプリズムシート。
  8. 前記第一の斜面が、傾斜角度が異なる複数の平坦面からなる、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のプリズムシート。
  9. 前記光出射面側の表面に微細凹凸形状を有するマット層を備えることを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のプリズムシート。
  10. 光源と、当該光源から入射した光を所定方向に最大強度を有する第一の指向性光として出射する導光体と、前記請求項1乃至9のいずれか一項に記載のプリズムシートとを備え、
    前記プリズムシートが、前記プリズム列を有する面が光入射面側となるように配置されていることを特徴とする、面光源装置。
  11. 前記導光体の端縁の少なくとも一つに前記光源が配置されている、請求項10に記載の面光源装置。
  12. 前記第一の指向性光は、導光体の出射面に対する法線となす角が50〜80度の方向に最大強度を有する、請求項10又は11に記載の面光源装置。
  13. 前記請求項10乃至12のいずれか一項に記載の面光源装置の出光面側に液晶パネルを備えることを特徴とする、液晶表示装置。
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