JP2013002019A - 胸部用パッド、および、胸部用パッドが取り付けられたブラジャー - Google Patents

胸部用パッド、および、胸部用パッドが取り付けられたブラジャー Download PDF

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Abstract

【課題】快適な付け心地を担保しつつ、胸の保形性を向上させることが可能な胸部用パッド、および、その胸部用パッドが取り付けられたブラジャーを提供する。
【解決手段】(a)本体部12,22と、(b)その本体部の下縁に位置し、本体部より薄肉のフランジ部14,24とからなる胸部用パッド10,20を、軟質樹脂によって一体的に成形する。また、そのように一体成形された胸部用バッドをブラジャー30に取り付ける。これにより、胸に装着される本体部の柔軟性を高くするとともに、その本体部の下縁をフランジ部によってハリのある状態で維持することが可能となる。したがって、本体部によって快適な付け心地を担保しつつ、フランジ部によって胸の保形性を向上させることが可能となる。
【選択図】図8

Description

本発明は、衣類の胸部に取り付けられる胸部用パッド、および、その胸部用パッドが取り付けられたブラジャーに関する。
衣類の胸部に取り付けられる胸部用パッドは、女性の胸に装着されることから、肌当たり、着用感等を向上させるべく、柔軟性の高いものが求められている。一方で、女性用の衣類、特に、ブラジャー等の胸部に用いられる女性用下着には、女性の胸をきれいな形で保持すること、つまり、優れた保形性が求められており、また、ブラジャー等の着用時におけるズレを防止することも求められている。このため、***を下方から支持する部分に、ワイヤ等の剛性の高い部材が取り付けられたブラジャー等が多く存在する。具体的には、例えば、下記特許文献1,2に記載のブラジャーには、剛性の高い線材が取り付けられており、下記特許文献3に記載のブラジャーには、薄板状の芯体が取り付けられている。このように、ブラジャー等の女性用衣類には、着用感を向上させるために、柔軟性の高いパッドが取り付けられ、胸の保形性を高めるとともに着用時のズレを防止するためには、ある程度剛性の高い部材が取り付けられる。
実開平1−10012号公報 特開平11−131307号公報 特開平9−78310号公報
上述したように、柔軟性の高いパッドとある程度剛性の高い部材とをブラジャーに取り付けることで、快適な付け心地を担保しつつ、胸の保形性を向上させ、着用時のズレをも防止することが可能となる。しかし、パッドおよび保形性等を高めるための部材といった2種類の部品をブラジャーに取り付けることは、部品点数,製造工程の増加に繋がり、コストアップの要因となる。特に、保形性等を高めるための部材として、金属製のワイヤ等が採用される場合には、そのワイヤを被覆するためのワイヤループといった部品も必要となり、さらに、部品点数が増加する。
また、金属製のワイヤ等は、着用者の動きによって予期せぬ変形をおこすことがあり、その変形したワイヤ等により着用者が違和感,痛み等を感じる虞がある。さらに言えば、ワイヤ等の線材では、***を適切に保持し難いこともあり、上記特許文献1,2に記載のブラジャーでは、線材を指形状に屈曲させることで、***の広い範囲を保持するようにされている。しかし、指形状に屈曲された線材であっても、***の下部を全体的に保持することはできないばかりか、***の線材によって保持される部分に力が集中するため、着用者が違和感,痛み等を感じる虞がある。
上述した問題は、柔軟性の高いパッドのみでは、胸の保形性を高めるとともに、着用時のズレ等を防止することが困難であるために生じるものである。そこで、本発明は、快適な付け心地を担保しつつ、胸の保形性を向上させるともに、着用時のズレをも防止可能な胸部用パッド、および、そのような胸部用パッドが取り付けられたブラジャーを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の胸部用パッドは、衣類の胸部に取り付けられる胸部用パッドであって、(a)本体部と、(b)その本体部の下縁に位置し、本体部より薄肉のフランジ部とからなり、軟質樹脂によって一体的に成形されるように構成される。また、本発明のブラジャーは、上記発明の胸部用パッドが取り付けられるように構成される。
本発明の胸部用バッド、および、その胸部用パッドが取り付けられたブラジャーでは、本体部を胸に装着し、その本体部がフランジ部によって下方から支持される。そして、それら本体部とフランジ部とは、軟質樹脂によって一体的に成形されている。このため、胸に装着される本体部の柔軟性を高くするとともに、その本体部の下縁をフランジ部によってハリのある状態で維持することが可能となるのである。したがって、本発明の胸部用パッド、および、その胸部用パッドが取り付けられたブラジャーによれば、本体部によって快適な着け心地を担保しつつ、フランジ部によって胸の保形性を向上させるともに、着用時のズレを防止することが可能となる。つまり、少ない部品点数で、快適な付け心地,優れた保形性等を実現することが可能となるのである。さらに、軟質樹脂製の本体部の全面によって***を保持することが可能となり、着用者による違和感等の発生を無くすことが可能となる。
本発明の実施例の胸部用パッドの各種物性値を示す表である。 第1の実施例の胸部用パッドの斜視図である。 図2に示す胸部用パッドの上面図,正面図および側面図である。 図3のAA線における概略断面図である。 第2の実施例の胸部用パッドの斜視図である。 図5に示す胸部用パッドの上面図,正面図および側面図である。 図6のBB線における概略断面図である。 実施例の胸部用パッドの80%撓み応力の測定位置を示す正面図である。 実施例の胸部用パッドが取り付けられたブラジャーの斜視図である。
本発明に記載の「胸部用パッド」は、軟質樹脂によって一体的に成形されるものであればよく、その軟質樹脂は、熱可塑性エラストマー(TPE)および、可塑剤が添加された熱可塑性樹脂等が挙げられる。具体的には、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO),ポリスチレン系熱可塑性エラストマー(TPS),ポリウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU),ポリエステル系熱可塑性エラストマー(TPEE),ナイロン系熱可塑性エラストマー(TPA),ポリプロピレンに可塑剤(10〜90%)を添加したもの等が挙げられる。
その軟質樹脂の硬度は、成形前の値、つまり、物性値では、A硬度で55〜90、若しくは、D硬度で30〜50であることが望ましく、さらに言えば、A硬度で80〜90、若しくは、D硬度で30程度が望ましい。また、成形後の軟質樹脂の硬度、つまり、胸部用パッドの硬度は、A硬度で40〜90、若しくは、D硬度で30〜50であることが望ましく、さらに言えば、A硬度で50〜75が望ましい。
また、着用時に胸部用パッドが胸の形に応じて変形し易いか否かを指標する値、つまり、胸部用パッドの撓み易さ指標する値として、80%撓み応力を採用することが望ましく、その胸部用パッドの80%撓み応力は、200〜720gf/cmであることが望ましい。さらに言えば、240〜670gf/cmであることが望ましく、特に、270〜450gf/cmであることが望ましい。ちなみに、80%撓み応力は、胸部用パッドの凹んだ側の面を下方にしてフランジ部が接触するように置き、置いた平面から浮き上がる本体部の中央付近に加圧子を押付け、押下げ、上記加圧子の押下げ位置が、高さにして80%になるまで圧縮する際の応力であり、それの値が小さいほど胸部用パッドが撓み易く、それの値が大きいほど胸部用パッドが撓み難いことを示している。つまり、それの値が小さいほど胸部用パッドは胸の形に応じて変形し易く、それの値が大きいほど胸部用パッドは変形し難いことを示している。
80%撓み応力は、材料の軟質樹脂の選択によって調整することが可能であり、また、胸部用パッドの形状によっても調整することが可能である。つまり、ある程度硬度の高い軟質樹脂を材料として選択する場合であっても、胸部用パッドの形状に工夫を凝らすことで、胸の形に応じて変形し易い胸パッドを成形することが可能である。具体的には、胸部用パッドの凹んだ側の面、つまり、胸部用パッドの本体部の装着者への装着面に、複数のリブを互いに平行に立設することで、撓み易い胸パッドを成形することが可能となる。ちなみに、それら複数のリブは、パッド着用時に上下方向に延びるように本体部装着面に立設されることが望ましい。また、本体部装着面に複数のリブが立設されることで、リブ間の溝によって、通気性が向上し、着用時のムレを解消することが可能となる。
また、胸部用パッドの本体部の形状は、胸を適切に保持可能であればよく、具体的に限定されるものではないが、三日月湾曲形状とすれば、胸の形に追従して変形し易い胸部用パッドとすることが可能となる。さらに、三日月湾曲形状の本体部であれば、装着者の胸下部を本体部全面で保持することが可能となり、保形性に優れた胸部用パッドを成形することが可能となる。
本発明の「胸部用パッド」は、胸に装着される肉厚の本体部と、その本体部の下縁をハリのある状態に維持する肉薄のフランジ部とから構成されるものであり、成形のし易さから、射出成形法を用いて成形されることが望ましい。その射出成形時には、発泡成形法を用いることが望ましく、さらに言えば、超臨界発泡成形法を用いることが望ましい。胸部用パッドを発泡成形することで、本体部の柔軟性を高くするとともに、フランジ部による保形性を高くすることが可能となる。
詳しく言えば、肉薄のフランジ部では、狭いキャビティ内で発泡ガスの圧力が開放され難いため、発泡ガスが膨張し難く、セルが形成され難くなる。一方、肉厚の本体部では、フランジ部のキャビティより幅広のキャビティ内で発泡ガスの圧力が開放されるため、発泡ガスが膨張し、セルが形成され易くなる。これにより、本体部の発泡倍率は高く、フランジ部の発泡倍率は低くなる。また、別の言い方をすれば、発泡成形時に成形されるスキン層は、成形品の厚さに関係なく、概ね均一に成形品の表面に形成される。このため、本体部のスキン層とフランジ部のスキン層とは、概ね同じ厚さとなる。一方、発泡層に関しては、本体部の発泡層は、フランジ部の発泡層より厚くなる。つまり、本体部における発泡層の占める割合は、フランジ部における発泡層の占める割合より高くなる。これにより、本体部の発泡倍率は高く、フランジ部の発泡倍率は低くなるのである。したがって、発泡倍率の高い本体部において、柔軟性を高くするとともに、発泡倍率の低いフランジ部において、強度が高くなり、保形性を高くすることが可能となるのである。
上述したように、発泡成形によりフランジ部の発泡倍率を本体部の発泡倍率より低くすることが可能となるが、フランジ部の発泡倍率は、本体部の発泡倍率の1/2から1/1.1であることが望ましく、さらに言えば、5/9〜2/3であることが望ましい。また、フランジ部の発泡倍率は、0.9〜1.3cm/gであることが望ましく、本体部の発泡倍率は、1〜2cm/gであることが望ましい。
なお、胸部用パッドの本体部とフランジ部とを比較するために、本明細書では発泡倍率を採用しているが、その発泡倍率の逆数である密度によって本体部とフランジ部とを比較してもよい。発泡倍率の代わりに密度を採用する場合には、フランジ部の密度は、本体部の密度の1.1〜2倍であることが望ましく、さらに言えば、1.5〜1.8倍であることが望ましい。また、フランジ部の密度は、0.7〜1.1g/cmであることが望ましく、本体部の密度は、0.5〜1g/cmであることが望ましい。なお、密度は、JIS K7112(プラスチック−非発泡プラスチックの密度及び比重の測定方法)に準拠する水中置換(懸架)方法により測定した。
また、胸部用パッドを発泡成形することで、射出成形時の軟質樹脂の流動性を向上させることが可能となり、射出圧を低下させ、胸部用パッドの生産性を向上させることが可能となる。また、発泡成形により胸部用パッドを軽量化するとともに、使用原料を削減することも可能となる。さらに、発泡ガスの膨張時に軟質樹脂内の圧力が増加することによって、胸部用パッドのソリ,ヒケ等を抑制することが可能となり、胸部用パッドの寸法精度を向上させることが可能となる。また、軟質樹脂内の圧力増加により、転写性が向上することから、胸部用パッドの表面に複雑なデザイン等を施すことも可能となる。
ちなみに、超臨界発泡成形法とは、超臨界状態のガス、詳しく言えば、温度および圧力が臨界点を超えた状態のガスを軟質樹脂に溶解させて射出成形する方法であり、超臨界状態でのガスは、液体の溶解性と気体の拡散性とを併せ持つため、温度に依存することなくガスを軟質樹脂に溶解するとともに、微細な泡を均一に分散することが可能となる。つまり、化学反応によってガスを発生させる必要が無いため、環境等に対して非常にクリーンであり、発泡剤等のコストカットを図ることが可能となる。さらに言えば、軟質樹脂の融点と発泡剤の分解温度とのマッチングを考慮する必要が無くなり、比較的自由に軟質樹脂を選択することが可能となる。
また、本発明に記載の「胸部用パッド」は、女性用の衣類の胸部に取り付けられるものであり、縫製,接着等により固定的に取り付けられてもよく、着脱可能に取り付けられてもよい。ただし、その胸部用パッドが取り付けられる衣類の製作工程を考慮すれば、胸部用パッドは衣類に縫着されることが望ましい。特に、胸部用パッドのフランジ部は、肉薄とされていることから、そのフランジ部において衣類に縫着されることが望ましい。そのフランジ部の厚さは、フランジ部での縫着を容易にするべく、0.5〜1mmであることが望ましい。一方、本体部の厚さは、クッション性等を考慮して、3〜5mmであることが望ましい。
胸部用パッドが取り付けられる衣類は、胸部を被覆するものであればよく、Tシャツ,ワンピース等の外出着、レオタード,水着等のスポーツウェア、ブラジャー,スリップ,ボディスーツ等の下着が挙げられる。特に、胸部を被覆する下着、具体的には、ブラジャーには、優れた保形性および快適な付け心地が求められていることから、本発明の「胸部用パッド」は、ブラジャーに取り付けられることが望ましい。
以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。ただし、本発明は、この実施例に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することができる。
本実施例では、軟質樹脂としてポリウレタン系熱可塑性エラストマー(以下、「TPU」と略す)を採用した胸部用パッド、および、軟質樹脂としてポリプロピレンホモポリマー(以下、「PP」と略す)に可塑剤を添加したものを採用した胸部用パッドを成形した。具体的には、図1に示すように、実施例1の胸部用パッドでは、PPに可塑剤を添加したもの(PP:可塑剤=5:5)を材料とし、実施例10,11の胸部用パッドでは、PPに可塑剤を添加したもの(PP:可塑剤=3:7)を材料とし、実施例12の胸部用パッドでは、PPに可塑剤を添加したもの(PP:可塑剤=2:8)を材料としている。また、実施例の2,3の胸部用パッドでは、A硬度80のエステル系TPU(図では、「TPU A」と示している)を材料とし、実施例の4〜6の胸部用パッドでは、ハードセグメント含量の多いA硬度90のエーテル系TPU(図では、「TPU B」と示している)を材料とし、実施例の7〜9の胸部用パッドでは、ハードセグメント含量の少ないA硬度80のエーテル系TPU(図では、「TPU C」と示している)を材料としている。
全ての実施例の胸部用パッドは、射出成形法を用いて成形しているが、実施例3,5,6,8,9,11,12の胸部用パッドでは、材料の軟質樹脂に超臨界状態のガスが溶融されており、実施例1,2,4,7,10の胸部用パッドでは、材料の軟質樹脂にガスは溶融されていない。つまり、実施例3,5,6,8,9,11,12の胸部用パッドは、発泡体であり、実施例1,2,4,7,10の胸部用パッドは、非発泡体である。なお、図での超臨界発泡成形の欄の「有」は、胸部用パッドが発泡体であることを示しており、「無」は、胸部用パッドが非発泡体であることを示している。
また、射出成形法において用いられる金型には、2種類のものが用意されており、2種類の形状の胸部用パッドが成形されている。具体的にいえば、実施例2〜12では、図2〜4に示す形状の胸部用パッド10が成形されており、実施例1では、図5〜7に示す形状の胸部用パッド20が成形されている。ちなみに、図2(a)および図5(a)は、胸部用パッド10,20の凸側面、つまり、装着者に装着されない側の面からの視点における斜視図であり、図2(b)および図5(b)は、胸部用パッド10,20の凹側面、つまり、装着者に装着される側の面からの視点における斜視図である。また、図3(a)および図6(a)は、胸部用パッド10,20の上面図であり、図3(b)および図6(b)は、胸部用パッド10,20の正面図であり、図3(c)および図6(c)は、胸部用パッド10,20の側面図である。そして、図4は、図3のAA線における胸部用パッド10の断面図であり、図7は、図6のBB線における胸部用パッド20の断面図である。
胸部用パッド10,20は、それぞれ、概して三日月湾曲形状とされた本体部12,22と、その本体部12,22の下縁の全域にわたって形成されたフランジ部14,24とによって構成されている。胸部用パッド10,20では、湾曲された本体部12,22の凹側面において、胸を保持し、その本体部12,22を下方からフランジ部14,24によって支持することで、胸をきれいな形に維持するのである。
その本体部12,22の上下方向における断面形状は、図4および図7に示すように、レンズ状とされており、中央部が最も厚く、上縁および下縁に向かうほど薄くなっている。一方、フランジ部14,24は、本体部12,22の円弧状とされた下縁から下方に向かって延び出しており、逆アーチ状をなしている。これにより、胸を保持する本体部をしっかりとサポートすることが可能となり、保形力が向上するのである。また、フランジ部14,24の厚さは、均一とされており、本体部12,22の下縁の厚さと同じとされている。このため、フランジ部14,24は、本体部12,22より肉薄とされている。具体的には、本体部12,22の最も厚い箇所の厚さは、4mmであり、フランジ部14,24の厚さは、0.75mmである。なお、胸部用パッド10,20の凹側面において、本体部12,22とフランジ部14,24とは段差なく連続しており、胸部用パッド10,20の装着面が滑らかな曲面とされている。
また、胸部用パッド20の本体部22の凹側面には、上下方向に延びるようにして複数のリブ26が立設されており、それら複数のリブ26は互いに平行とされている。胸部用パッド10と胸部用パッド20とは、この点を除いて略同形状であり、胸部用パッド20は、胸部用パッド10の本体部12の凹側面に上下方向に延びるようにして複数の溝が形成されたものと略同形状となっている。
上述したように成形された実施例の胸部用パッドに対して、以下の物性値を測定した。
胸部用パッドの柔軟性を評価するべく、各実施例の胸部用パッドの硬度を測定した。具体的には、アスカーゴム硬度計A型(高分子計器株式会社製)を用いてA硬度を測定し、A硬度の測定範囲外の硬度を測定する場合には、アスカーゴム硬度計D型(高分子計器株式会社製)を用いてD硬度を測定した。図1の「硬度」の欄に測定値を示しておくが、値の前にAと標記されているものはA硬度であることを示し、Dと標記されているものはD硬度であることを示している。
この結果から、同じ材料の胸部用パッドであっても、超臨界発泡成形法を用いて成形した胸部用パッドは、発泡形成法を用いずに成形した胸部用パッドより硬度が低く、柔軟性が高いことが解る。具体的には、実施例3の胸部用パッドでは、実施例2の胸部用パッドと比較して、硬度が34%減少し、実施例6の胸部用パッドでは、実施例4の胸部用パッドと比較して、硬度が22%減少している。また、実施例9の胸部用パッドでは、実施例7の胸部用パッドと比較して、硬度が36%減少し、実施例11の胸部用パッドでは、実施例10の胸部用パッドと比較して、硬度が12%減少している。
次に、超臨界発泡成形法を用いて成形した胸部用パッドにおいて、本体部での発泡状態とフランジ部での発泡状態とを比較するべく、それぞれの発泡倍率を測定した。発泡倍率は、単位質量当たりの体積によって示される値(cm/g)であり、密度の逆数である。つまり、発泡倍率が高いほど、密度が低くなり、クッション性が高くなる。一方、発泡倍率が低いほど、密度が高くなり、強度が高くなる。なお、発泡成形法を用いていない胸部用パッド、つまり、非発泡体の胸部用パッドも、超臨界発泡成形法を用いて成形した胸部用パッドと比較するべく、発泡倍率を測定した。
この結果から、超臨界発泡成形法を用いて成形した胸部用パッド、つまり、発泡体の胸部用パッドの本体部では、非発泡体の胸部用パッドと比較して、発泡倍率が比較的大きく増加しているが、発泡体の胸部用パッドのフランジ部では、発泡倍率はさほど増加していないことが解る。具体的には、発泡体の胸部用パッドの本体部における発泡倍率は、非発泡体の胸部用パッドの1.25〜2.13倍となっており、発泡体の胸部用パッドのフランジ部における発泡倍率は、非発泡体の胸部用パッドの1.02〜1.24倍となっている。つまり、超臨界発泡成形法を用いて胸部用パッドを成形することで、フランジ部の強度を殆ど低下させることなく、胸を保持する本体部のクッション性を高めることが可能となる。これにより、胸を保持する本体部をフランジ部によって支持する力、つまり、胸の保形力を維持するとともに、快適な付け心地を向上させることが可能となる。
また、本体部のクッション性とフランジ部の強度とを評価するべく、本体部の発泡倍率に対するフランジ部の発泡倍率の比(以下、「発泡比」という)を演算した。発泡比は、それの値が1より小さい場合に、本体部の発泡倍率がフランジ部の発泡倍率より高いことを示しており、値が小さいほど、本体部の発泡倍率は高く、フランジ部の発泡倍率は低いことを示している。つまり、発泡比の値が1より小さい場合には、胸の保形性と快適な付け心地との両立を図ることが可能となり、その値が小さくなるほど、付け心地および保形性が向上するのである。
発泡体の胸部用パッドの発泡比は、0.58〜0.83となっており、この結果からも、超臨界発泡成形法を用いて胸部用パッドを成形することで、胸の保形性と快適な付け心地とを向上させることが可能であると解る。特に、実施例6の胸部用パッドおよび、実施例9の胸部用パッドでは、発泡比が非常に小さい値となっており、保形性および着用感に優れた胸部用パッドとなっている。
さらに、胸部用パッドが着用者の胸の形に応じて変形し易いか否かを評価するべく、80%撓み応力を測定した。具体的には、ハンディ圧縮試験機 KES−G5(カトーテック株式会社製)を用いて、80%撓み応力を求めた。80%撓み応力は、胸部用パッドの凹んだ側の面を下方にしてフランジ部が接触するように置き、図8に示すように、置いた平面から浮き上がる本体部12,22の中央から5mmフランジ部14,24側に入った位置(C点)に加圧子を押付け、押下げ、上記加圧子の押下げ位置が、高さにして80%になるまで圧縮する際の応力である。その測定値からは、上述したように、胸部用パッドの撓み易さを評価することで、胸部用パッドが胸の形に応じて変形し易いか否かを評価できる。
この結果から、超臨界発泡成形法を用いることで、胸部用パッドを撓み易くすることが可能となり、胸の方に応じて変形し易い胸部用パッドを成形可能であることが解る。また、リブが形成された胸部用パッド、つまり、実施例1の胸部用パッドでは、リブの働きによって撓み易くなっている。具体的には、実施例1の胸部用パッドと実施例4の胸部用パッドとを比較すると、実施例1の胸部用パッドの硬度は、実施例4の胸部用パッドの硬度より高い。しかし、実施例1の胸部用パッドの80%撓み応力は、実施例4の胸部用パッドの80%撓み応力より小さくなっている。つまり、リブの形成された胸部用パッドは、リブの形成されていない胸部用パッドより、硬度は高いが、撓み易くなっている。つまり、胸部用パッドの本体部にリブを形成することでも、胸部用パッドを撓み易くすることが可能となる。
本実施例の胸部用パッドでは、上述したように、肉厚の本体部において、胸を保持し、その本体部をアーチ状のフランジ部によって支持することで、胸をきれいな形に維持することが可能となっている。このため、本実施例の胸部用パッドは、ブラジャーに非常に適したものとなっており、本実施例の胸部用パッドを採用することで、着用感および胸の保形性の非常に優れたブラジャーを製造することが可能となる。本実施例の胸部用パッド10,20を取り付けたブラジャー30を、図9に示す。このブラジャー30は、お椀状とされた1対のカップ部32と、それら1対のカップ部32を繋ぐ接続部34と、1対のカップ部32に連続する1対のサイドベルト部36と、1対のカップ部32を吊るす1対のストラップ部38とから構成されており、各カップ部32の下縁に、実施例の胸部用パッド10,20がフランジ部14,24において縫着されている。
このように、実施例の胸部用パッド10,20のフランジ部14,24をブラジャー30に縫い付けるだけで、付け心地を良好にするとともに、胸の保形性を向上することが可能となる。つまり、従来の胸部用パッドであれば、保形性を高めるためのワイヤ等の別部品をブラジャーに取り付けなければならなかったが、実施例の胸部用パッド10,20であれば、ワイヤ等の別部品を取り付けなくても、付け心地と保形性との両立を図ることが可能となる。これにより、部品点数および、製造工程を削減することが可能となり、コストダウンを図ることが可能となる。
以下、本発明の諸態様について列記する。
(1)衣類の胸部に取り付けられる胸部用パッドであって、
(a)本体部と、(b)その本体部の下縁に位置し、前記本体部より薄肉のフランジ部とからなり、軟質樹脂によって一体的に成形されることを特徴とする胸部用パッド。
(2)前記フランジ部において衣類に縫着されることを特徴とする(1)項に記載の胸部用パッド。
(3)発泡成形法を用いて成形されることを特徴とする(1)項または(2)項に記載の胸部用パッド。
(4)超臨界発泡成形法を用いて成形されることを特徴とする(1)項ないし(3)項のいずれか1つに記載の胸部用パッド。
(5)前記フランジ部の発泡倍率は、前記本体部の発泡倍率より低いことを特徴とする(3)項または(4)項に記載の胸部用パッド。
(6)前記フランジ部の発泡倍率は、前記本体部の発泡倍率の1/2〜1/1.1であることを特徴とする(3)項ないし(5)項のいずれか1つに記載の胸部用パッド。
(7)前記フランジ部の発泡倍率は、0.9〜1.3cm/gであることを特徴とする(5)項または(6)項に記載の胸部用パッド。
(8)前記本体部の発泡倍率は、1〜2cm/gであることを特徴とする(5)項ないし(7)項のいずれか1つに記載の胸部用パッド。
(9)前記フランジ部の厚さは、0.5〜1mmであることを特徴とする(1)項ないし(8)項のいずれか1つに記載の胸部用パッド。
(10)前記本体部の厚さは、3〜5mmであることを特徴とする(9)項に記載の胸部用パッド。
(11)当該胸部用パッドの硬度は、A硬度で40〜90、若しくは、D硬度で30〜50であることを特徴とする(1)項ないし(10)項のいずれか1つに記載の胸部用パッド。
(12)当該胸部用パッドの80%撓み応力は、200〜720gf/cmであることを特徴とする(1)項ないし(11)項のいずれか1つに記載の胸部用パッド。
(13)前記本体部の装着者への装着面に、複数のリブが互いに平行となるように立設されたことを特徴とする(1)項ないし(12)項のいずれか1つに記載の胸部用パッド。
(14)射出成形法を用いて成形されることを特徴とする(1)項ないし(13)項のいずれか1つに記載の胸部用パッド。
(15)前記本体部は、三日月湾曲形状をなし、装着者の胸下部を保持することを特徴とする(1)項ないし(14)項のいずれか1つに記載の胸部用パッド。
(16)前記本体部の下縁は、円弧状をなし、
前記フランジ部は、逆アーチ状をなすことを特徴とする(1)項ないし(15)項のいずれか1つに記載の胸部用パッド。
(17)(1)項ないし(16)項のいずれか1つに記載の胸部用パッドが取り付けられたことを特徴とする女性用衣料。
(18)(1)項ないし(16)項のいずれか1つに記載の胸部用パッドが取り付けられたことを特徴とするブラジャー。
10:胸部用パッド
12:本体部
14:フランジ部
20:胸部用パッド
22:本体部
24:フランジ部
30:ブラジャー

Claims (11)

  1. 衣類の胸部に取り付けられる胸部用パッドであって、
    (a)本体部と、(b)その本体部の下縁に位置し、前記本体部より薄肉のフランジ部とからなり、軟質樹脂によって一体的に成形されることを特徴とする胸部用パッド。
  2. 前記フランジ部において衣類に縫着されることを特徴とする請求項1に記載の胸部用パッド。
  3. 発泡成形法を用いて成形されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の胸部用パッド。
  4. 超臨界発泡成形法を用いて成形されることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載の胸部用パッド。
  5. 前記フランジ部の発泡倍率は、前記本体部の発泡倍率より低いことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の胸部用パッド。
  6. 前記フランジ部の発泡倍率は、前記本体部の発泡倍率の1/2〜1/1.1であることを特徴とする請求項3ないし請求項5のいずれか1つに記載の胸部用パッド。
  7. 前記フランジ部の厚さは、0.5〜1mmであることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1つに記載の胸部用パッド。
  8. 当該胸部用パッドの硬度は、A硬度で40〜90、若しくは、D硬度で30〜50であることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1つに記載の胸部用パッド。
  9. 当該胸部用パッドの80%撓み応力は、200〜720gf/cmであることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1つに記載の胸部用パッド。
  10. 前記本体部の装着者への装着面に、複数のリブが互いに平行となるように立設されたことを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか1つに記載の胸部用パッド。
  11. 請求項1ないし請求項10のいずれか1つに記載の胸部用パッドが取り付けられたことを特徴とするブラジャー。
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