JP2013000785A - 管用中空鋼片の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 継目無し鋼管用の中空鋼片を連続鋳造によって製造するに当たり、凝固殻内面性状(平坦・空隙・内部割れ等)の改良を図る。
【解決手段】 湾曲式の連続鋳造方法において鋳片を3/4周点まで引き上げる過程で、溶融芯を分離させて真空の空洞を持つ中空鋳片を形成する。該鋳片を伸直し、次いで切断するに当たり一対の楔型歯(上流側は傾斜、下流側は垂直)を鋳片に圧入して噛み切るように切断する。上流側端部は圧下・圧接・閉鎖し、下流側は開口状態になり、片端開口の中空鋼片が得られる。凝固殻内面の空隙防止のため、溶融芯が分離される部位で電磁撹拌する。内部割れを圧着して無害化するため、伸直後の鋳片を圧延機で圧下し、且つ切断後の鋼片を軸方向圧縮加工する。製管に該鋼片を供すれば旋孔圧延が省略される。
【選択図】 図1
【解決手段】 湾曲式の連続鋳造方法において鋳片を3/4周点まで引き上げる過程で、溶融芯を分離させて真空の空洞を持つ中空鋳片を形成する。該鋳片を伸直し、次いで切断するに当たり一対の楔型歯(上流側は傾斜、下流側は垂直)を鋳片に圧入して噛み切るように切断する。上流側端部は圧下・圧接・閉鎖し、下流側は開口状態になり、片端開口の中空鋼片が得られる。凝固殻内面の空隙防止のため、溶融芯が分離される部位で電磁撹拌する。内部割れを圧着して無害化するため、伸直後の鋳片を圧延機で圧下し、且つ切断後の鋼片を軸方向圧縮加工する。製管に該鋼片を供すれば旋孔圧延が省略される。
【選択図】 図1
Description
本発明は継目無し鋼管の製造に供される中空鋼片の製造方法に関している。
継目無し鋼管の製造工程は、素材として丸又は角の鋼片を製造する製鋼、該鋼片を中心軸にそって孔を貫通させて粗管とする旋孔圧延、次いで旋孔された粗管を延伸する延伸圧延、次いで延伸された管の外径・肉厚を整える定径圧延から成る。各圧延には本体成形機の他に適時補助圧延機が付設され、また上記工程間には必要に応じて再加熱工程が挿入される。
旋孔工程では、旋孔機としてマンネスマン・ピアサーやプレス・ピアシング・ミルが使用されるが、設備が大仕掛けになり相応のコストも要する。また旋孔工程では素材の中心部に厳しい加工がなされるので良質の素材も要求される。
連続鋳造による中空の鋼片や粗管の製造が可能になれば旋孔工程が省略され、大きな経済効果が得られるが未だに成功していない。
先行例1: 非特許文献1には、実験用の特殊な連続鋳造機により中空円断面鋼片を試作した結果が詳述されている。
先行例1: 非特許文献1には、実験用の特殊な連続鋳造機により中空円断面鋼片を試作した結果が詳述されている。
試行された連続鋳造方法(図5参照)は以下である。湾曲式連続鋳造において鋳型断面形状を円とし、鋳片の引抜軌跡を1/4周の最下点を越えて1/2周以上に周回させる。鋳造条件を適切に設定して1/2周部位において所望寸法の溶融芯を残存させる。次いで鋳片をガストーチで溶断して一部が開口すると空気が侵入する。溶融芯のレベルが鋳込み面と同一となるまで下がり安定する。該レベル以後は中空鋳片として引き抜かれる。適切な長さで切断して円断面中空鋼片とする。
上記中空鋼片を管用の素材に供するには、凝固殻の内面性状が重要な条件、即ち延伸加工に耐え得るかどうかが問題となる。ステンレス鋼(JIS:SUS304相当)では内面性状は平坦であったが、高炭素鋼では凹凸が大きいと言う問題が判明した。対策として鋳込面から約150°部位に電磁撹拌装置を付設し、溶融芯を撹拌した結果、高炭素鋼においても凝固殻内面が平坦化された。鋼管の試作においてステンレス鋼と低炭素鋼では良品が得られたと明記されている。高炭素鋼については記載が無い。問題有りと推測される。
上記の実験データである鋳片断面のマクロ組織を詳細に見ると、ステンレス鋼では見当たらないが、低炭素鋼、高炭素鋼には凝固殻の内面直下に小さな割れ目状の空隙が所々認められる。これについては何も説明されていないが無視できない現象である。該空隙は、中心まで凝固させる通常の連続鋳造方法では収縮孔ないし多孔質に成長するものと見なされる。該空隙の大きさは1mmないし数mm以下であるが、鋳造中及び鋳造後の冷却中に空気により酸化する。鋼片として再加熱する場合には時間が長いので酸化が一層進行し、圧延に際して開口して拡大し、鋼管内面キズとなることは明白である。従って平坦化だけではなく、空隙消滅が重要な条件となることが解る。
先行例2: 特許文献1には前記連続鋳造方法を改良・発展させた新規の方法が開示されている。引抜中の鋳片を開口せず真空中空として引き上げ、該中空鋳片を圧下して中実材とする方法である。該方法では凝固殻内面直下に空隙欠陥やワレが発生しても圧下により圧接・消滅し、何ら問題とならない。しかし中実化に伴い中空と言う特徴が失われる。
先行例3: 特許文献2には上記連続鋳造方法の応用として、真空空洞を内封した鋼片の製造方法が開示されている。当方法の場合も先行例1と同様に空隙欠陥が発生する。該鋼片の両端を常温で切断除去すると内面が酸化していない中空粗管とすることができる。しかし再加熱時に該空隙は酸化侵攻され既述のごとく管用の素材として適格性を欠く。
ところで連続鋳造では凝固殻内の熱応力や曲げ応力に起因する内部割れがしばしば発生する。多くの場合次工程の熱間圧延において圧着して問題とならないが、中空鋳片の場合、殻内面にワレがあると鋼片の再加熱時に酸化反応が侵攻し、旋孔圧延、延伸圧延に際してワレが拡大するので当欠陥も管用の素材としては許容されない。
以上から連続鋳造鋳片を素材とする製管において旋孔圧延を省略又は軽減するには、1)鋼片は中空状であり少なくとも片端は開口していること、2)該鋼片は旋孔圧延・延伸圧延に耐えられるよう凝固殻内面には加工性を阻害する材料欠陥が無いことの二つが条件となることが解る。外径・内径が調節できるならばさらに好都合である。
R. Tarmann, W. Poppmeier; Journal of Metals, April 1966, 453
本願発明は継目無し鋼管に供することができる中空鋼片を連続鋳造によって製造することを目的とし、そのため凝固殻の内面性状を旋孔・延伸加工に耐えられる水準まで向上させることを解決すべき課題とする。
より具体的には、中空鋳片を形成する過程において凝固殻と溶融芯を分離させる際に殻内面に発生する小さな割れ目状の空隙を防止すること、且つ凝固殻内に連なる種々の内部割れの悪影響を消去することである。
より具体的には、中空鋳片を形成する過程において凝固殻と溶融芯を分離させる際に殻内面に発生する小さな割れ目状の空隙を防止すること、且つ凝固殻内に連なる種々の内部割れの悪影響を消去することである。
上記課題を解決するため以下の方法を採用する。
第1の発明は、下記連続鋳造方法によって形成された中空鋳片を切断して鋼片とする方法において、切断に当たり鋳片を挟んで配置された一対の楔形歯を対称的に該鋳片に圧入して噛み切るように切断するとともに、該楔形歯の楔の形状を引抜方向の上流側は鋳片面に対して傾斜、下流側は垂直状とすることにより該鋳片の先端形状を先細り型に変形させて空洞を圧接封鎖し、切断対面は垂直状に切り裂いて開口させ、よって片側開口の中空鋼片とすることを特徴とする中空鋼片の製造方法である。
記
一種の湾曲式連続鋳造であって、鋳片引抜軌跡は3/4周の湾曲部と該湾曲部に後続する水平の直進部から構成され、鋳型断面寸法と湾曲半径と引抜速度の3要因を適切に組み合わせることにより鋳片内部に溶融芯を残したまま該鋳片を1/2周を越え、さらに鋳込み面から大気圧相当溶鋼高さ(約1.4m)を越えて引抜き、該高さにおいて該溶融芯を凝固殻から分離させて真空の空洞を持つ中空鋳片を形成し、最上点の3/4周点において該鋳片を水平に伸直し、次いで該鋳片の空洞を部分的に閉鎖して切断することにより空洞を封入した鋼片とする連続鋳造方法。
第1の発明は、下記連続鋳造方法によって形成された中空鋳片を切断して鋼片とする方法において、切断に当たり鋳片を挟んで配置された一対の楔形歯を対称的に該鋳片に圧入して噛み切るように切断するとともに、該楔形歯の楔の形状を引抜方向の上流側は鋳片面に対して傾斜、下流側は垂直状とすることにより該鋳片の先端形状を先細り型に変形させて空洞を圧接封鎖し、切断対面は垂直状に切り裂いて開口させ、よって片側開口の中空鋼片とすることを特徴とする中空鋼片の製造方法である。
記
一種の湾曲式連続鋳造であって、鋳片引抜軌跡は3/4周の湾曲部と該湾曲部に後続する水平の直進部から構成され、鋳型断面寸法と湾曲半径と引抜速度の3要因を適切に組み合わせることにより鋳片内部に溶融芯を残したまま該鋳片を1/2周を越え、さらに鋳込み面から大気圧相当溶鋼高さ(約1.4m)を越えて引抜き、該高さにおいて該溶融芯を凝固殻から分離させて真空の空洞を持つ中空鋳片を形成し、最上点の3/4周点において該鋳片を水平に伸直し、次いで該鋳片の空洞を部分的に閉鎖して切断することにより空洞を封入した鋼片とする連続鋳造方法。
上記の『記』で記述した内容は先行例2の方法そのものである。
第2の発明は、真空空洞が形成される部位の直下に設けられた電磁撹拌装置によりメニスカスを含めて溶融芯を撹拌し、凝固殻内面を平坦化させ且つ固液境界面の高濃度液相を掻き出してCO反応を抑制して空隙形成を防止することを特徴とする第1発明に記載の中空鋼片の製造方法である。
第3の発明は、鋳型断面形状を断面アスペクト比が1以上3以下の円又は長円又は方形又は多角形とし、鋳片を伸直した後、該鋳片に少なくとも1対のロールによって空洞を残存させるよう長軸方向に圧下を加え、凝固殻内部のワレを圧着させることを特徴とする第1発明又は第2発明に記載した中空鋼片の製造方法である。
第4発明は、鋳片を切断して得られた鋼片を直ちにプレスにより鋼片軸方向に圧縮して凝固殻内部のワレを圧着させることを特徴とする第1発明又は第2発明又は第3発明に記載した中空鋼片の製造方法である。
本発明の方法によると、第1に鋳片を切断して中空鋼片とする際、新規の圧入分断方式を採用しているので、切断部の上流側は凝固殻を圧接切断して空洞の封鎖状態を維持し、下流側は開口させるので容易に片端開口の中空鋼片が得られ、管用鋼片の第1条件が解決される。
第2に中空を形成する過程で凝固殻内面に発生し易い小さな割れ目状の空隙欠陥は、以下の対策でその形成が防止される。即ち空洞側の液面を含めて液面直下の電磁撹拌により、1)凝固殻の内面が平坦化されること、2)固液境界面の高濃度液相を洗い出してCO反応に起因する気泡発生を抑制することの二つの効果に支えられている。
第3に、連続鋳造鋳片ではしばしば内部ワレが発生するが、該欠陥が凝固殻内面に近い場合は旋孔圧延や延伸圧延において内面キズに拡大する。本発明の方法によると真空中空鋳片は伸直後の鋳片の側面圧下により鋳片軸と平行状の内部割れは圧着して無害化される。さらに中空鋳片は切断後直ちに熱間で軸方向圧縮加工を受けるので軸と直交状のワレ面が圧着して消滅する。合わせて管用鋼片として第2の条件が解決される。
以上の効果により製管に際して中空連続鋳造鋼片を使用することが可能となって旋孔圧延工程が省略され、設備費、操業費が削減される。
以上の効果により製管に際して中空連続鋳造鋼片を使用することが可能となって旋孔圧延工程が省略され、設備費、操業費が削減される。
図1に従って本発明の管用中空鋼片の製造方法を説明する。図1において全体構造は一種の湾曲式連続鋳造であり、鋳片の引抜軌跡は3/4周の湾曲部と後続する水平伸直部から成る。タンデイシュ1から鋳型2に供給された溶鋼3は該鋳型2内で冷却され、凝固殻を形成しながらピンチロール5により適切な速度で連続的に引抜かれて鋳片4を形成する。該鋳片4は2次冷却帯6を経て1/2周点を越え、さらにに鋳込面から大気圧相当の溶鋼高さ(約1.4m)Q点に達して溶融芯を分離し、空洞7’が形成され、真空の中空鋳片7となる。該鋳片7は最上点の3/4周点で伸直ロール8により水平に伸直される。
次いで該鋳片7は切断機9により所定長さに切断される。切断に際して、図2に示すように1対の楔形切断歯21を鋳片7を挟んで対称的に圧入して噛み切る方法でなされる。
楔形歯の上流側の面22は鋳片軸に対して傾斜、下流側の面23はほぼ垂直になっていて、圧入の進行につれ上流側では凝固殻は傾斜状に圧下され、殻内面が互いに圧接して真空の空洞7’が封入される。その後分断に到る。下流側ではほぼ垂直に切り裂かれ端部の圧下は起こらない。対面圧接には到らず歯先が空洞に届くと通気する。その後開口24ができ分断される。切断面の開口周辺はダレる。しかし片端開口の中空鋼片10が得られる。封入と切断と鋼片側開口の3工程が1台の機械で同時に且つ容易になされる。
上記片端開口の中空鋼片10は通常の次工程である旋孔工程を省略してプラグミルによる延伸圧延に供される。
楔形歯の上流側の面22は鋳片軸に対して傾斜、下流側の面23はほぼ垂直になっていて、圧入の進行につれ上流側では凝固殻は傾斜状に圧下され、殻内面が互いに圧接して真空の空洞7’が封入される。その後分断に到る。下流側ではほぼ垂直に切り裂かれ端部の圧下は起こらない。対面圧接には到らず歯先が空洞に届くと通気する。その後開口24ができ分断される。切断面の開口周辺はダレる。しかし片端開口の中空鋼片10が得られる。封入と切断と鋼片側開口の3工程が1台の機械で同時に且つ容易になされる。
上記片端開口の中空鋼片10は通常の次工程である旋孔工程を省略してプラグミルによる延伸圧延に供される。
次ぎに材質問題の解決方法を説明する。
第1に、本発明者は高炭素鋼の中空鋳片の試作において凝固殻内面には小さな空隙が発生することを把握している。既述のように内面性状は管用鋼片には重要な問題で空隙は不可避の問題である。先行例1では、低炭素の場合は問題なく高炭素では内面の凹凸がひどく、対策として図5に示すように空洞が形成されるかなり手前(150°部位)で電磁撹拌を施し平坦化に成功している。しかし空隙問題は意識されていない。
第1に、本発明者は高炭素鋼の中空鋳片の試作において凝固殻内面には小さな空隙が発生することを把握している。既述のように内面性状は管用鋼片には重要な問題で空隙は不可避の問題である。先行例1では、低炭素の場合は問題なく高炭素では内面の凹凸がひどく、対策として図5に示すように空洞が形成されるかなり手前(150°部位)で電磁撹拌を施し平坦化に成功している。しかし空隙問題は意識されていない。
図6は同様の条件で試作された高炭素鋼鋼片の内面性状を示す写真である。電磁撹拌により同様に平坦化されているが、撹拌後の保持があるため空隙が発生していることが解る。
本願発明では図1に示されるように、回転磁界の電磁撹拌装置13は190°部位の下流、即ち空洞側液面を含んでなされる。その結果高炭素鋼においても凝固殻内面は平坦化されるだけでなく、固液境界の高濃度液相を掻き出して空隙を誘発するCO反応を防止する。空隙防止には撹拌部位が重要な要件となる。
第2に、得られる鋼片10の断面形状は円が望ましいが、鋳型断面形状は円だけではなく長円、正方形、長方形、多角形が用いられる。長8角形が望ましい。その理由を以下に述べる。
図1において、伸直された中空鋳片7を圧着圧延機11により空洞が消滅しない条件で断面長軸方向に圧下し、ワレを圧着・消滅させる。通常の圧延においては軽度のワレは圧着して無害化されるが、旋孔圧延や粗管の延伸圧延では内面近傍のワレは内面キズに拡大し易いので上記圧着処理が必要になる。
図1において、伸直された中空鋳片7を圧着圧延機11により空洞が消滅しない条件で断面長軸方向に圧下し、ワレを圧着・消滅させる。通常の圧延においては軽度のワレは圧着して無害化されるが、旋孔圧延や粗管の延伸圧延では内面近傍のワレは内面キズに拡大し易いので上記圧着処理が必要になる。
1回の圧下で円とするには鋳型断面のアスペクト比は1よりも大きい方が良い。即ち長円、長方形、長多角形がよい。長軸側を圧下して円に誘導する。円では水平垂直の2回の圧下が必要になる。圧着には圧下率が関係する。圧着を確実にするには圧下率は大きい方、例えば20%以上が良い。軽圧下は逆にワレを助長する。この理由からアスペクト比は1.2以上が良い。該比に1.0を含めた理由は、円では水平・垂直の2回の圧延により同じ効果が得られるからである。
図3は圧下により鋳片軸と平行状のワレが圧着する状態(点線は圧着後を示す)を説明する。鋳片断面形状は長8角形、孔型形状は円である。適切な形状関係を設定すると圧下により圧下方向・幅方向とも圧縮応力下で変形させることができる。即ち断面全体で圧着・消滅に都合良い。説明図では圧下方向は垂直だが図1に示すように実機では水平である。
アスペクト比をさらに大きくすると鋳造能率は比例的に増加するが圧着圧延機の他に円形に誘導する成形圧延機が必要になる。適切に選定すればよい。アスペクト比の上限を3とした理由は、圧延機台数よりも鋳造能率の強化を優先する場合の無難な条件である。さらに大きくすると成形圧延の負担が過大となる。
第3に、図4に示すように、切断されて得られた鋼片10は直ちにプレス12により軸方向に圧縮加工する。その理由はワレ面が軸と平行状の場合には、圧延により圧着され易いが垂直状の場合には不完全になることがある。軸方向の圧縮加工はこの問題の解決策になる。必要な圧下力は切断装置と同等であり、必要な圧下率は原理的には約1%だが諸要因のバラツキから数%例えば3%が望ましい。
なお圧縮に際して、プレスヘッド41の中心部には円錐状の旋孔突起42が付けてあり、開口側切断面の乱れた開口形状を修正する。これは延伸圧延の開始を円滑にする。
以上の圧下と圧縮により鋳片内部のワレは圧着して、旋孔圧延、延伸圧延には無害となる。
なお圧縮に際して、プレスヘッド41の中心部には円錐状の旋孔突起42が付けてあり、開口側切断面の乱れた開口形状を修正する。これは延伸圧延の開始を円滑にする。
以上の圧下と圧縮により鋳片内部のワレは圧着して、旋孔圧延、延伸圧延には無害となる。
楔形歯を圧入する際の鋳片切断部の形状の変化をプラスティシン・モデルで検証した。
試験片形状は外径50mm、内径25mm、長さ100mmであり、歯の開き角を片側45°他を0°とし、バイスによって圧入した。片側15mmの圧入で傾斜側の内面は圧接したが垂直側は未開口であった。さらに圧入を進めると歯先が空洞内に侵入し、開口して切断された。開口の形状はかなりダレていて(内面のヘリが中心に向かって引き込まれた状態)旋孔プラグの押し込みには不都合な形状となった。入口形状の矯正加工が必要と判明した。圧縮加工において円錐突起を挿入する理由となっている。
試験片形状は外径50mm、内径25mm、長さ100mmであり、歯の開き角を片側45°他を0°とし、バイスによって圧入した。片側15mmの圧入で傾斜側の内面は圧接したが垂直側は未開口であった。さらに圧入を進めると歯先が空洞内に侵入し、開口して切断された。開口の形状はかなりダレていて(内面のヘリが中心に向かって引き込まれた状態)旋孔プラグの押し込みには不都合な形状となった。入口形状の矯正加工が必要と判明した。圧縮加工において円錐突起を挿入する理由となっている。
以下本発明の方法によって中径管用の中空鋼片を製造する場合の具体的条件の一例を説明する。
鋳型断面寸法: 8角形 164mm×256mm、C=57mm
鋳片断面寸法: 8角形 160mm×250mm、C=56mm
湾曲半径R: 3.9m
実効機長L: π×R+1.4=13.5
凝固定数k: 23mm/√min
凝固殻厚d: 40mm
凝固殻厚比α: 40/160/2=0.5
単重w: 200kg/m
凝固時間t: 3min
引抜速度V: 4.5m/min
鋳造能率p: 54t/h
電磁撹拌部位: 190°〜200°
圧着圧下率h: 0.30
楔形歯開き角: 上流側45°、 下流側0〜20(曲面)
圧縮圧下率l: 0.03
鋼片断面寸法: 円、外径175mmφ、内径80mmφ
鋳型断面寸法: 8角形 164mm×256mm、C=57mm
鋳片断面寸法: 8角形 160mm×250mm、C=56mm
湾曲半径R: 3.9m
実効機長L: π×R+1.4=13.5
凝固定数k: 23mm/√min
凝固殻厚d: 40mm
凝固殻厚比α: 40/160/2=0.5
単重w: 200kg/m
凝固時間t: 3min
引抜速度V: 4.5m/min
鋳造能率p: 54t/h
電磁撹拌部位: 190°〜200°
圧着圧下率h: 0.30
楔形歯開き角: 上流側45°、 下流側0〜20(曲面)
圧縮圧下率l: 0.03
鋼片断面寸法: 円、外径175mmφ、内径80mmφ
図6は高炭素鋼の160mm角鋳片の連続鋳造において溶融芯を分離した鋳片の横断面の性状を示す写真である。電磁撹拌を終えた0.5分後の状態であり、凝固殻内面には空隙の発生が見られる。撹拌しつつ分離することの効果を読みとることができる。
本願発明の連続鋳造による中空鋼片の製造方法は、既存の同タイプの連続鋳造機を部分改造して実施することができ、既存工場の製造可能な品種を拡張することができる。
1:タンディシュ 2:鋳型 3:溶鋼 4:鋳片 5:ピンチロール 6:2次冷却帯 7:中空鋳片 7’:真空空洞 Q:空洞側液面 8:伸直ロール 9:切断機 10:片端開口中空鋼片 11:圧着圧延機 12:プレス 13:電磁撹拌装置 21: 楔形歯 22:傾斜面 23:垂直面 24:開口 41:プレスヘッド 42:円錐突起
Claims (4)
- 下記連続鋳造方法によって形成された中空鋳片を切断して鋼片とする方法において、切断に当たり鋳片を挟んで配置された一対の楔形歯を対称的に該鋳片に圧入して噛み切るように切断するとともに、該楔形歯の楔の形状を引抜方向の上流側は鋳片面に対して傾斜、下流側は垂直とすることにより該鋳片の先端形状を先細り型に変形させて空洞を圧接封鎖し、切断対面は垂直状に切り裂いて開口させ、よって片側開口の中空鋼片とすることを特徴とする中空鋼片の製造方法。
記
一種の湾曲式連続鋳造であって、鋳片引抜軌跡は3/4周の湾曲部と該湾曲部に後続する水平の直進部から構成され、鋳型断面寸法と湾曲半径と引抜速度の3要因を適切に組み合わせることにより鋳片内部に溶融芯を残したまま該鋳片を1/2周を越え、さらに鋳込み面から大気圧相当溶鋼高さ(約1.4m)を越えて引抜き、該高さにおいて該溶融芯を凝固殻から分離させて真空の空洞を持つ中空鋳片を形成し、最上点の3/4周点において該鋳片を水平に伸直し、次いで該鋳片の空洞を部分的に閉鎖して切断することにより空洞を封入した鋼片とする連続鋳造方法。 - 真空空洞が形成される部位の直下に設けられた電磁撹拌装置によりメニスカスを含めて溶融芯を撹拌し、凝固殻前面を平坦化させ且つ固液境界面の高濃度液相を掻き出してCO反応を抑制して空隙形成を防止することを特徴とする請求項1に記載の中空鋼片の製造方法。
- 鋳型断面形状を断面アスペクト比が1以上3以下の円又は長円又は方形又は多角形とし、鋳片を伸直した後、該鋳片に少なくとも1対のロールによって空洞を残存させるよう長軸方向に圧下を加えて凝固殻内部のワレを圧着させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載した中空鋼片の製造方法。
- 鋳片を切断して得られた鋼片を直ちにプレスにより鋼片軸方向に圧縮して凝固殻内部のワレを圧着させることを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3に記載した中空鋼片の製造方法。
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