JP2012531528A - 製品ウェブを処理する光沢機 - Google Patents
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Abstract
【課題】容積を維持しつつ、コストとエネルギーを節約するように紙または厚紙ウェブを艶出しする光沢機を提供する。
【解決手段】加熱可能ロール(4)と結合要素(5)との間に形成された少なくとも1つのニップ(3)と、ニップ(3)に所定の圧力を生成する装置(6)と、ニップ(3)の上流に配設され、処理ニップ(8)を形成する2つの接触面(9,10)を有するウェブ処理装置(7)とを有し、紙または厚紙ウェブ(2)を艶出し処理する光沢機であって、接触面の一方が、案内ロール(11,12,13)上を循環するベルト(14)により形成された循環接触面(9)であり、他方の接触面(10)が、加熱可能ロール(4)の循環面により形成され、処理ニップ(8)が、加熱可能ロール(4)の巻付角度(15)に沿って延びている光沢機。
【選択図】図2
【解決手段】加熱可能ロール(4)と結合要素(5)との間に形成された少なくとも1つのニップ(3)と、ニップ(3)に所定の圧力を生成する装置(6)と、ニップ(3)の上流に配設され、処理ニップ(8)を形成する2つの接触面(9,10)を有するウェブ処理装置(7)とを有し、紙または厚紙ウェブ(2)を艶出し処理する光沢機であって、接触面の一方が、案内ロール(11,12,13)上を循環するベルト(14)により形成された循環接触面(9)であり、他方の接触面(10)が、加熱可能ロール(4)の循環面により形成され、処理ニップ(8)が、加熱可能ロール(4)の巻付角度(15)に沿って延びている光沢機。
【選択図】図2
Description
本発明は、請求項1の前提部分に係る紙や厚紙ウェブ(board web)の艶出しをする光沢機(calender)に関する。
仕上げ面の品質を向上させるために、紙または厚紙ウェブ(board web)の艶出しを行う。艶出しに伴い生じる容積損失(loss of volume)は望ましくない。最大限可能な限り容積を維持しつつ、艶出しを行うには、拡張ニップ(extented nip) を用いて艶出しを行うことである。この点で、幅広ニップ(broad nip)も利用可能であると言われている。
WO 01/98585 A1は、50mm〜70mmの間のニップ幅を有し、400N/mmまでの線荷重(line load)で動作するシュー光沢機(shoe calenders)を用いることを開示している。このような方法で達成された容積維持艶出し(volume-maintaining calendering)は、200度〜300度以上の高いロール温度で、ニップの滞留時間を長くすることで達成される。ベルトの温度抵抗が低いため、ベルトが焼けるのを防ぐために多大の努力が必要となる。またさらに、ロール温度を高くすることは、操業コストを高くする。仕上げ面の同時艶出しによる、クロスマシン厚さプロファイル制御(cross-machine thickness profile control)により、シュー艶出しを用いるときに、ハードニップ(hard nip)またはソフトニップ(soft nip)艶出しがさらに必要である。これにより、コストが著しく高騰し、追加ニップに起因する厚さ低減の結果として、容積維持艶出しの利点が損なわれることになる。
EP 0 141 614 A2は、加熱可能ロールと循環ベルトの間に拡張ニップが形成された、紙または厚紙ウェブを艶出しする方法を開示している。ベルトは、巻付部に沿って加熱可能ロール上に裁置されている。循環ベルト用案内ロールは、ベルト張力およびプレスロールとしての使用により、拡張ニップへの圧力荷重を制御する。しかし、艶出しをするのに120℃〜315℃のロール温度も必要である。
EP 1 478 805 B1は、艶出しのために同時に用いることができる、繊維状ウェブを乾燥する装置を開示している。このため、拡張ニップを備えた金属ベルト光沢機が設けられている。ベルト張力により、約0.01MPaの表面圧力が維持される。ロールと金属ベルト両方を加熱できるので、ウェブの両側を艶出しできる。この場合に、金属ベルトを用いることで、100℃より高い、それどころか約400℃もの高温を加えることが可能になる。長時間かつ広い圧力制御範囲と相まって、この高温により良好な艶出し結果が得られる。ところが、金属ベルトを用いているので、この効果は硬いニップ光沢機の効果に対応し、これはウェブが、斑紋(mottling)を形成する傾向があることを意味する。高温を加えることは、コストとエネルギーに関してより費用が嵩む。
DE 10 2007 024 581 A1は、循環ベルトが形成された2つの拡張ニップが、少なくとも1つの短縮ニップ(shorter nip)により遮断される超艶出し(supercalendering)を行う光沢機とその方法を開示している。この場合、短縮ニップは、一般により高い圧力が加えられる。第1の拡張ニップは、実質的に熱を加えるのに用いられる。一方、ショートプレスニップ(short press nip)は、ウェブ上に艶出し衝撃を加える。第2の拡張ニップは、同時にウェブを冷却しながら、艶出し効果を均等にするのに用いられる。熱導電率が高いので、熱の入力に有利な金属ベルトが好適である。300℃までの高温を加えることが想定される。これにより、特に、第1の拡張ニップに高温を加えることができる。従って、既述した高温を加えることの不利益も、ここで容認されなければならない。
本発明の目的は、容積を維持しつつ、かつコストとエネルギーを節約できるように、紙または厚紙ウェブを艶出しする光沢機を考案することである。
この目的は、クレーム1の特徴により達成される。
このように、ニップに入る前に、紙または厚紙ウェブが、予備処理部を通過して、ニップの艶出し中に、最適な温度分布を生成する艶出し機が考案される。加熱可能ロールのロール表面温度は、選択可能湿度成分で、各紙または厚紙印刷用紙の可塑化温度よりもほんのわずか高い温度を選択する必要がある。例えば、この点で、わずか10〜30℃だけ高いロール表面温度で、艶出しを行うことが可能である。その結果、艶出し効果の増大が、ソフト光沢機、マルチニップ光沢機、および拡張ニップを有する光沢機において可能である。
循環ベルトの弾力のある表面と併せて長い滞留時間により、紙または厚紙ウェブの加熱を著しく向上させる。紙または厚紙ウェブが、加熱可能ロール上で均一にプレスされるため、良好な熱伝導が保証され、その結果、例えば、熱伝導を妨げるエアクッションが、大幅に回避される。従って、提案される光沢機の利点は、処理ニップの接触面を形成する循環ベルトの構造と併せて、ウェブを加熱するための延長された滞留時間に起因する。
処理ニップの紙または厚紙ウェブの加熱時間を長くした結果、技術的に必要な程度に至るまで、紙または厚紙ウェブの均一な加熱が可能である。この目的のために、80℃〜160℃までの範囲のロール表面温度が通常適切である。温度レベルは、温度作用の時間間隔延長の利益が得られるまで低減される。熱力学的艶出し動作の温度レベルを低下させることは、紙または厚紙ウェブに用いられる繊維状物質の可塑化温度と後者の含水量のみによって、実質的に決定される。ベルトの弾力表面により、この場合、均一な接触圧が保証され、これにより、加熱されたロールから紙または厚紙ウェブまでの均一な熱伝導が保証される。
接触圧は、ベルトの張力により設定される。ベルトの接線方向の張力は、通常、プラスチック、ゴム、プラスチック被覆キャリア材またはゴム被覆キャリア材から構成されるベルトに荷重を加えるが、径方向の荷重ははるかに少ない。径方向の荷重の場合、プラスチックは、層状複合体(layer composite)の積層剥離(delamination)がし易い傾向を示す。ベルトの熱応力は小さいので、ベルトの寿命は長い。
従って、容積維持艶出しは、ニップの上流に配設された処理ニップにより達成され、処理ニップのベルトは、紙または厚紙ウェブに対向する側の弾力のあるまたは柔らかい表面を有し、この処理ニップは、公知の拡張ニップと対照的に、例えば、80℃〜160℃の低温度範囲の拡張ニップの手法で動作する。これから得られるエネルギーの節約は、低減された熱放射と低減された強制対流に起因する。
そして、低温では生じない紙または厚紙ウェブ中への(過剰な)熱浸透深さは、より深部に位置する紙または厚紙ウェブの領域での艶出し効果を排除するので、艶出し用拡張ニップの後続のニップは、高い圧縮応力で動作できる。後者は弾力性を維持する。最大限に可能な容積維持が達成される。熱の伝達効率が高まるので、熱損失の大きさが低減される。
本発明による光沢機により、上記の利点の実現と、コストとエネルギーを節約するようにニップで圧力と温度の同時使用から期待される利点と効果を発揮することが可能になっている。
循環ベルトが、紙または厚紙ウェブに対向する側面上に閉止表面カバーを有するときに、特に、熱損失が著しく低減される。処理ニップの紙または厚紙ウェブ上の循環ベルトの熱融着(thermally sealing)および遮蔽効果(shielding effect)が増大する。断熱材として機能できる弾力面材料により、さらなる効果増大が達成可能である。このため、この材料は低熱伝導率を有することが好ましい。
熱の所望の浸透深さを達成することが要求される処理ニップ中の滞留時間(dwell time)は、案内ロールを用いて、加熱可能ロールの外周上のベルトの接触長さを調節することで最適化できる。
ニップを形成する結合要素(mating element)は、加熱可能ロール上の処理ニップの後に直接配設されるのが好ましい。横方向のウェブの特性プロファイルの同時制御のためのたわみ制御ロールの使用が好適である。両側面の艶出しが望ましい場合、結合要素は、ソフトロールまたは加熱可能なハードロールでもよい。線荷重(line load)は各目標物に一致させることができる。
光沢機は、1つ以上のニップを有することができる。つまり、複数のニップの場合、第1のニップの前に処理ニップを配設するのが好ましい。
処理ニップ中の制御された圧力増大は、好適には、プレスロールとして付加的に動作する循環ベルト用案内ロールにより設定できる。
また、本発明のさらなる改良は、以下の説明とサブクレームから知ることができる。
添付図面に図示した例示的実施形態を用いて、本発明を以下にさらに詳細に説明する。
本発明は、加熱可能ロール4と結合要素5との間に形成された少なくとも1つのニップ3を有する、紙または厚紙ウェブを艶出しする光沢機1に関する。この結合要素5は、ロールが好ましく、特に、横方向のウェブ2の特性プロファイル(property profile)を同時制御するたわみ制御ロールが好ましい。結合要素5は、ソフトロールが好ましい。あるいは、結合要素5は、ハードロールとして構成され、好適には加熱されて、両端部の紙または厚紙ウェブ2の艶出しができるようにされる。ニップ3のニップ長は、例えば、ハードロール、ソフトロール、またはシューロールなどの、結合要素5の種類に応じて、1〜40mmの範囲にあるのが好ましい。ロール4と結合要素5は、特に、各々の場合に、光沢機のオンライン動作のために駆動され得る。例えば、各紙または厚紙ウェブ2の可塑化温度と後者の含水量とに依存して、加熱可能ロール4は、80〜160℃のロール表面温度に加熱される。
光沢機1は、ニップ3中に所定の圧力を生成する装置6を備えている。例として、所定の圧力を生成する装置6は、ここでは、荷重シリンダ(loading cylinder)である。代替的に、或いは追加的に、結合要素5は、内部ストローク(internal stroke)で構成することができ、この手段を用いて、ニップ3中の圧力荷重を設定することができる。
ウェブ進行方向Lにおいてニップ3の上流に配設されているのは、処理ニップ8を形成する2つの接触面9,10を有するウェブ処理装置7である。接触面9は、循環接触面であり、案内ロール11,12,13上を巡回するベルト14により形成されている。外部接触面10は、加熱可能ロール4の循環外壁により形成されている。処理ニップ8は、加熱可能ロール4周囲の巻付角度(wrap angle)15に沿って延びている。処理ニップ8の長さを変更する巻付角度15は、紙または厚紙ウェブ2中への熱の所望の浸透深さの関数として調節できる。加熱可能ロール4の外周上のベルト14の接触長さを調節することにより、案内ロール11,12,13を用いて選択可能な滞留時間が最適化される。ロール4の外周上の接触長さは、好適には、0.25〜2.5まで可変に設定できる。
熱伝導の熱効率を増大させるために、循環ベルト14は、弾性面を有する加熱可能ロール4上に紙または厚紙ウェブを押圧する。案内ロール11,12,13は、処理ニップ8の巡回ベルト14の断面力(sectional force)を制御する。
処理ニップ8の接触圧は、ベルト14の張力により設定される。ベルト14の最大引張応力は、200kN/mまでに制限するのが好ましい。処理ニップ8の前処理ゾーンで達成可能な圧縮応力は、例えば、0.01MPa〜0.5MPaの範囲の値に達することができる。これは、ベルトの張力と加熱可能ロール4の寸法に依存している。
処理ニップ8に入る前に、ウェブ2を加熱可能ロール4の部分の周囲に巻き付けることができる。
加熱可能ロール4の表面温度は、ベルト14の真下のウェブ2の滞留時間内で、艶出し動作の各目標物にとって最適な浸透深さでガラス転移温度(glass transition temperature)が達成されるように、好適には制御される。容積維持艶出しのために、こうした加熱は、約10μmまでの深さのみが必要である。処理ニップ8の前処理部の表面温度と長さは、可塑化されるウェブ2の表面領域のガラス転移温度を実質的に超えない温度で動作が可能になるように最適化される。このように前処理され、ノズルを用いて予め湿らし、および/または光沢機1の前に蒸気で湿らすことが可能なウェブ2は、ニップ3、特に、ソフトまたはハードニップ中の前処理の直後で艶出しされる。ニップ3を形成し、好適にはロールである結合要素5は、巻き付けられた部位の直後の加熱可能ロール4上に配設される。技術的に必要であれば、光沢機1の後または2つの光沢機1の間に、湿気を与えることも可能である。
結合要素5がロールである場合、その直径は、加熱可能ロール4の直径の90%以下が好ましい。このように、処理ニップ8の端部とニップ3への入口との間の距離は、出来るだけ小さく維持されるように配慮されている。
循環ベルト14は、均一な接触圧を保証する弾性面を有し、これはベルト14の張力により設定可能である。紙または厚紙ウェブ2上へベルト14の熱作用を加えるために、循環ベルト14は、紙または厚紙ウェブ2に対向する側部上の閉止表面カバーを備える弾性面を有している。加熱ロール4から紙または厚紙ウェブ2に生じた熱伝導は、このように形成された循環ベルトにより、処理ニップ8の周囲に対して熱的に遮蔽される。周囲への熱損失(dissipation of heat)が低減されるので、紙または厚紙ウェブ2への加熱開始(initiation of the heat)が改善される。この弾性面が断熱材である場合、紙または厚紙ウェブ2への加熱開始がさらに改善される。そのため、循環ベルト14の弾性面は、好ましくは、10W/mK以下の熱伝導性、より好ましくは、5W/mK以下の熱伝導性、さらに好ましくは、1W/mK以下の熱伝導性を有する材料から構成するのが好ましい。ベルト14は、1W/mK以下かそれに等しい熱伝導性を有する材料から構成することが好ましい。弾性面の硬度は、50 Shore Aから92 Shore Dまでの範囲にあることが好ましい。
ベルト14は、1つ以上の弾性層が設けられた平坦なキャリア材を備えることが好ましい。そのようなプラスチック複合材料は、高い引張強度を有している、ベルトの機械的強度を増大させるために、支持ファブリック(supporing fabric)または支持ベルトを組み込むことができる。またさらに、循環ベルト14は、弾性層が設けられたキャリア材を備えることができるので、キャリア材もまた金属で構成することが可能である。弾性層が十分薄いとすると、金属の硬度により、循環ベルト14に対向する紙または厚紙ウェブ2の側部の艶出しを確実に行うことができる。ベルト14の弾性面の粗さは、0.5〜5μmの範囲にあるのが好ましい。ベルト14の弾性面の滑らかさは、紙または厚紙ウェブ2上の滑らかさとしてイメージできる。ベルト14は、例えば、シリコンである熱弾性面被膜を有している。熱弾性被膜は、高い耐摩耗性と滑らかな面を提供する。
処理ニップ8の前処理部は、特に、ウェブ2の前艶出しにも用いられる。
またさらに、循環ベルト14は、7%以下のわずかな伸縮性しか示さないのが好ましい。ベルト14のベルト張力の設定中に、ベルト14の引張応力により生じる伸縮は、艶出しに干渉しない。ベルト14は、少なくともウェブ2と同じ幅を有する。ベルト14の厚さは、その幅と長さに依存しており、4〜20mmの間にあってよい。
少なくとも1つの案内ロール12は、ベルト14を所望により引っ張る装置16を備えている。ベルト14を引っ張る案内ロール12は、移動(displaced)または回動できるように、各場合において、ガイド18を用いて端部に配設される。図2は、ガイド18としてのレバーシステムを示す。移動測定装置が割り当てられた駆動要素20(図示せず)は、レバーシステム上で動作する。
案内ロール11,13の少なくとも1つは、プレスロール(pressure roll)として構成することができ、これは、径方向追加圧力荷重を用いて、進行方向Lの部位に沿って処理ニップ8のウェブ14を押圧する。処理ニップ8の入口側および/または出口側の1つの案内ロール11,13は、好適には、プレスロールとして構成されている。径方向圧力荷重は、出口側よりも入口側を低く、またはその逆に設定できる。このようなプレスロールは、たわみ制御ロールであってもよい。
図1と図2は、180度より多く加熱可能ハードロール4周囲にベルトが巻き付けられた光沢機1を示している。巻付角度15は、90度〜270度の間にあるのが好ましく、120度以上が特に好ましい。循環無端ベルト(circulating endless belt)14は、3つの案内ロール11,12,13により、ループ状に、加熱可能ロール4の周囲に巻き付けられている。ここで、ベルト14は、案内ロール12で引っ張られている。引っ張ることで、ウェブ2上のベルト14の接触圧が決定される。ベルト14の張力がより大きいことも、ウェブ2の接触圧をより大きくし、ウェブの均一化、すなわち前艶出し(pre-calendering)に有益である。
処理ニップ8中で調整されたウェブ2は、その後、直後のニップ3中で最終的に艶出しされ、同じ加熱可能ロール4で形成される。ニップ3中の線荷重は、達成される艶出し効果に一致させることができる。2N/mm2〜55N/mm2までのニップ3中の紙または厚紙に加わる平均圧縮応力を設定できる。上記の領域の下側の領域の圧縮応力は、厚紙の場合に、厚さ補正に用いられる。上記の範囲の上側の領域の圧縮応力により、SC,LWC,MWC紙、または木材フリーコート紙(wood-free coated papers)などの、上質紙(high-quality papers)の艶出しを可能にする。これらの2つのロール4,5の間にベルト14を案内することなく、2つのロールの間に直接圧力を加えることで、精密なプロファイル制御(exact profile control)が可能である。製造公差または熱膨張により、ベルト14に生じる可能性のある厚さ差異は、艶出し結果に影響を及ぼさない。
加熱ロール4の温度およびベルト14の下に形成された処理部位の長さが、実質的に、加熱される表面に近いウェブ2の領域のみになるように設定されるので、調整部位(conditioning section)が生成され、ここで、ウェブ2の内側は、可塑化温度またはガラス転移温度以下のままである。その結果、容積維持艶出しが可能になる。表面に近く、可塑化温度より上に上げられたウェブ2の層の厚さは、何度も、紙または厚紙ウェブ表面に最も大きな凹凸を生じさせる。そのため、加熱される層の厚さは、処理されるウェブ2の粗さに依存している。処理ニップ8の長さと走行方向Lのウェブ2の速度は、処理ニップ8中のウェブ2の滞留時間を決定するので、ウェブ2中への熱の浸透深さと、変形温度まで加熱される層の厚さも決定する。
ウェブ2との境界層に入った周囲の空気は、加熱ロール4からウェブ2への熱伝導を悪化させる。境界層を除去することで、熱伝導の実質的改善が達成される。これは、例えば、ウェブ処理装置7の前の入口側の、加熱可能ロール4と紙または厚紙ウェブ2の表面との間を接着接触(adhering contact)させる接触部位を用いて行うことができる。また、適切なのは、加熱ロール4に対して案内ロール11を押圧することである。これらの処理により、破壊的(distructive)な境界層をウェブ2の走行方向Lに抗して(counter to)移動させ、処理ニップ8中の熱伝導をさらに増大させることができる。
図3は、ウェブ2の走行方向に交互に配設された2つの光沢機1を有する光沢機配置を示す。このようにして、ウェブ2の両側の艶出しが可能である。図示した光沢機の配置において、下部ウェブ側が、第1の光沢機1で最初に艶出しされ、続いて、上部ウェブ側が、第2の光沢機1で艶出しされる。2つの加熱可能ロール4の温度と2つの光沢機1の線荷重とは、互いに独立して設定できる。その結果、艶出し結果に基づくように(ウェブの2つの側部(two-sidedness)の滑らかさが異なる)、ウェブ2の両側面を最小にできるか、または所望により、特定の2つの側部も設定できる。その代わりに、上部ウェブ側も最初に艶出ししてもよい。
説明した例示的実施形態に係る光沢機1は、オンラインまたはオフラインで動作可能である。ロール4の駆動もできる。光沢機1により、ウェブ2の表面を非常に滑らかにし、循環ベルト14に加えられる機械的および熱的応力両方を小さくできる。
図4は、上質紙を艶出しするマルチニップ光沢機を示す。第1のニップの前に処理ニップ8を設けるのが好ましい。上述したように、巻付角度15と加えられた接触圧もここで変更できる。加えられた接触圧は、少なくとも1つの調節可能案内ロール12を用いて、ベルト張力により決定される。従って、異なる繊維材料または異なる種類の処理への適合の可能性がある。加熱前処理のために、処理ニップ8の前に、ウェブ2を加熱可能ロール4の周面にも巻き付けることができる。
図5は、図4に示すような、2つのロールスタック(roll stacks)を有する上質用紙を艶出しするマルチニップ光沢機を示している。第2のスタックは、好適には、紙ウェブの第2の側面を艶出しするのに用いられている。処理ニップ8が形成されているエンドロール4は、いまや底部エンドロールである。そうでなければ、上記の説明を対応する方法で適用する。
図示されていない例示的実施形態によれば、ベルトを直走行(straight run)させるために、制御ロールの両側のガイドを、ベルトの走行方向に対して、横方向に設けられたセンサ装置により互いに対してガイドを制御できるように、制御ロールの両側の上のガイドを構成できる。センサ装置は、加熱可能ロール4の中心に対するベルト14の位置を検出する。
Claims (15)
- 加熱可能ロール(4)と結合要素(5)との間に形成された少なくとも1つのニップ(3)と、前記ニップ(3)に所定の圧力を生成する装置(6)と、前記ニップ(3)の上流に配設され、処理ニップ(8)を形成する2つの接触面(9,10)を有するウェブ処理装置(7)とを有し、紙または厚紙ウェブ(2)を艶出し処理する光沢機であって、
前記接触面の一方が、案内ロール(11,12,13)上を循環するベルト(14)により形成された循環接触面(9)であり、
他方の接触面(10)が、前記加熱可能ロール(4)の循環面により形成され、
前記処理ニップ(8)が、前記加熱可能ロール(4)の巻付角度(15)に沿って延びており、ここで、
熱伝導の熱効率を高めるために、前記循環ベルト(4)は、弾性面を使って、前記紙または厚紙ウェブ(2)を前記加熱可能ロール(4)上に押圧し、
前記案内ロール(11,12,13)は、前記処理ニップ(8)の前記循環ベルト(14)の断面力を制御する
ことを特徴とする光沢機。 - 前記循環ベルト(14)は、前記紙または厚紙ウェブ(2)に対向する側に閉止表面カバーを備える弾性面を有することを特徴とする請求項1に記載の光沢機。
- 前記循環ベルト(14)は、前記紙または厚紙ウェブ(2)に対向する側に、前記処理ニップ(8)を区切る断熱材を形成する弾性面を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光沢機。
- 前記弾性面は、10W/mK以下の熱伝導率を有する材料から成ることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の光沢機。
- 前記弾性面は、1W/mK以下の熱伝導率を有する材料から成ることを特徴とする請求項4に記載の光沢機。
- 前記処理ニップ(8)の長さを調節する前記巻付角度(15)は、前記紙または厚紙ウェブ(2)への熱の浸透深さの関数として設定できることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の光沢機。
- 前記結合要素(5)は、ソフトロールであり、その直径が、前記加熱可能ロール(4)の直径の90%以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の光沢機。
- 前記循環ベルト(14)は、50Shore A〜92Shore Dの範囲の硬度を有するプラスチック弾性面を有することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の光沢機。
- 前記案内ロール(11,12,13)の少なくとも1つは、所望により、前記ベルト(14)を引っ張る装置(6)を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の光沢機。
- 前記ベルト(14)を引っ張る前記案内ロール(12)は、移動可能または回動可能なようにガイド(18)を用いて、いずれの場合にも、前記端部に取り付けられることを特徴とする請求項9に記載の光沢機。
- 前記ベルト(14)を直走行させるために、前記ガイド(18)は、前記ベルト(14)の走行方向に対して横方向に設けられたセンサ装置により互いに対して調節可能であることを特徴とする請求項10に記載の光沢機。
- 少なくとも1つの案内ロール(11,13)は、プレスロールとして構成され、追加的径方向圧力を用いて、走行方向部位に沿って前記処理ニップ(8)中の前記ウェブを押圧することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の光沢機。
- 前記加熱可能ロール(4)の前記外壁と前記紙または厚紙ウェブの前記表面との間を接着接触させる接触部位は、前記ウェブ処理装置(7)の入口側の上流に配設されていることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の光沢機。
- 前記光沢機(1)は、前記第1のニップ(3)の前に、前記処理ニップ(8)を提供する、マルチニップ光沢機であることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の光沢機。
- 前記ニップ(3)は、1から40mmの範囲のニップ長さを有するソフトまたはハードニップであることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の光沢機。
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