JP2012528819A - 味マスク活性成分含有口腔内崩壊性投薬形態 - Google Patents

味マスク活性成分含有口腔内崩壊性投薬形態 Download PDF

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Abstract

味をマスクするための、ポリマーのコーティングが設けられている味マスク活性成分の口腔内崩壊性投薬形態であって、そのポリマーが、その中に重合されているN,N−ジエチルアミノエチルメタクリラート(DEAEMA)を含み、口腔内崩壊性マトリックスの中にその味マスク活性成分が包埋されている、前記口腔内崩壊性投薬形態が提供される。
【選択図】なし

Description

本発明は、味をマスクする目的のために、カチオン性ポリマーでコートされた活性成分を含んでいる口腔内崩壊性医薬投薬形態に関する。この味マスク用コーティングは、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリラートを含んでいるモノマー混合物のフリーラジカルエマルジョン重合によるものである水性ポリマーディスパージョンを用いて塗布される。
迅速な口腔内崩壊性及び/又は迅速な溶解性を有するタブレットは、薬物の経口適用で、その重要性がますます大きくなってきている。そのようなタブレットは、口腔の中で、長くて30秒以内の、短時間内に崩壊しなければならず、感じよい味を有していて後にざらざらした感じを残してはならない。加えて、そのようなタブレットは、湿式粒状化に比べてかなりのメリットをもたらす直接タブレット化で、作製するのが容易であるべきであり、またそのようなタブレットが、包装工程、輸送、及び非損傷形態での包装からの搾り出しに耐えることができるように高い機械強度を有していなければならない。同じように口の中で溶解する噛み砕き可能な及び飲み込み可能なタブレットもより大きな重要性を獲得しつつある。
(特許文献1)は、胃の中で溶解するコーティング部で医薬をコーティングする方法を記載している。このコーティング部は、少なくとも1種の(メタ)アクリル酸のアミノエステル20〜80%と、不水溶性ポリマーをホモポリマーとして形成するモノマー80〜20%とのコポリマーを含んでいる。記載されている好適な重合性アミノエステルの具体的な例は、N,N−ジメチルアミノエタノール、N,N−ジエチルアミノエタノール、N,N−ジメチルアミノプロパノール及びN−(ヒドロキシエチル)モルホリンとアクリル酸及び(メタ)アクリル酸のエステルである。言及されている好適なコモノマーは、エチルアクリラート、メチル(メタ)アクリラート、ブチル(メタ)アクリラート及びヘキシル(メタ)アクリラートのような、アクリル酸及び好ましくは(メタ)アクリル酸の低級エステルである。その調製は、有機溶媒中での溶液重合により行われるが、実施例は記載されていない。
(特許文献2)は、反芻動物の反芻液の作用に対して保護されている獣医薬活性成分調製物の作製方法を記載している。そのためには、この調製物は、N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド、及び、(メタ)アクリラート類、アクリロニトリル及びビニル芳香族から選択されるその中に重合されているコモノマーを含むコポリマーでコートされている。N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリラートをベースとするコポリマーは、この文献の教示によれば、エステル基は、アミド基に比較して、塩基性媒体中では鹸化するのでかえって不利とみなされている。
(特許文献3)は、水性ポリマーディスパージョンを含んでいる医薬用コーティング組成物を記載しており、この文献では、そのポリマーは、カルボキシル基及び/又はモノアルキル−もしくはジアルキル−アミノアルキルエステル基を有するモノマーが10〜55重量%であるように構成されている。多くある他のモノマー以外に、ジエチルアミノエチルメタクリラート(DEAEMA)も適するものと特定されている。言及されている好適なコモノマーは、(メタ)アクリル酸の低級エステル(好ましくはメチルメタクリラート)、(メタ)アクリロニトリル、ビニル芳香族、塩化ビニル及び酢酸ビニルである。その調製は、水性エマルジョン重合により、好ましくはエマルジョンフィード法により行われる。DEAEMAをベースとする具体的なエマルジョンポリマーは開示されていない。
低残留モノマー含有量を有する医薬コーティング用バインダーを提供するために、(特許文献4)は、そのような医薬コーティング溶液を作製するためのポリマーディスパージョンをスプレー乾燥することによって得られる粉末の使用を教示している。そのスプレー乾燥に用いられたディスパージョンについては、(特許文献5)、(特許文献6)及び(特許文献7)を参照されたい。
(特許文献8)は、
a)少なくとも1個の塩基性アミノ基を有していて窒素含有量が3〜14%であり、pHが5.5以上の水性反芻液媒体中に24時間以内に溶ける少なくとも1種のフィルム形成性ポリマー、及び
b)C12〜C32−脂肪酸、そのような脂肪酸及び/又はポリカルボン酸のAl塩から選択される、そのポリマー中に分散されている少なくとも1種の疎水性物質、
を含んでいる反芻動物用経口投与形態コーティングを記載している。
そのコーティングを作製するためには、有機溶媒の溶液が用いられている。多くの窒素含有ホモポリマー及びコポリマーが適するポリマーとして掲載されているが、その適する調製方法については議論されていない。そこにある実施例29は、40%N,N−ジエチルアミノエチルメタクリラートコポリマーを記載しているが、その調製方法は述べられていない。
(特許文献9)は、反芻動物用経口投与形態コーティングポリマーを記載しているが、そのコーティングポリマーは、
a)少なくとも1種のN,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリラート、及び
b)ビニル芳香族並びにその誘導体、ビニルエステル、(メタ)アクリル酸のエステル及びアクリロニトリルから選択される、その中に重合されている少なくとも1種のエチレン性不飽和化合物、
を含んでいる。
開示されている好適なモノマーa)は、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリラート(DMAEMA)及びtert−ブチルアミノエチルメタクリラート(TBAEMA)である。コモノマーb)としては、特にメチルメタクリラートは、過度に脆いコーティングを形成する傾向があるので適していないとみなされている。バルク重合、懸濁重合、溶液重合及びエマルジョン重合が適する重合方法として述べられている。実施例のコポリマーは、溶液重合により製造されたものである。
(特許文献10)は、ぶらさがった三級アンモニウム塩基を有する溶解されたポリマーを含んでいる液体、フィルム形成性コーティング組成物のフィルムを塗布することによる医薬コーティング方法を記載している。そのポリマー溶液を作製するためには、特に、N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリラートをベースとするコポリマーを、水性無機又は有機酸で水性アンモニウム塩溶液に変換することができるとしている。
(特許文献11)は(特許文献4)の追加出願であり、熱ゲル化によるコーティングを作り出すための可塑剤をさらに含んでいる水性懸濁液の形態であるものを最後に言及した文献の教示に従ってスプレー乾燥することによって得られる粉末の使用に関する。
(特許文献12)は、アミノ基と(メタ)アクリラート基との間に直鎖状に配置された少なくとも3個の炭素原子を有している分枝アルキレン又はアラルキレン基が位置している、N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリラートをベースとするエマルジョンポリマーを、バインダーとして含んでいる、胃液に溶けるか又は膨潤する医薬用コーティング組成物を記載している。
(特許文献13)及び(特許文献14)は、pH依存膨潤性/溶解性挙動を有するポリマー及び医薬におけるその使用を記載している。
(特許文献15)は、その目的が単純乾燥又はさらなる水性処理ができることである、三級アミノ基を有するモノマーラジカルを有している(メタ)アクリラートコポリマーを含んでいる医薬用コーティング組成物及びバインダーの提供に関する。その目的には、この文献は、(a)(メタ)アクリル酸のC〜C−エステルと三級アンモニウム基を有している(メタ)アクリラートモノマーとのコポリマー、(b)可塑剤及び(c)HLB値が少なくとも14の乳化剤を一緒にブレンドし、それから溶融、注入、延展又は噴霧によってそのコーティング組成物又はバインダーを調製する方法であって、そのコポリマー(a)が、平均粒子サイズが1〜40μmの粉末形態で導入される方法を教示している。
(特許文献16)は、(特許文献15)に記載されているものと比較して高められた水蒸気透過率を有するコーティング組成物及びバインダーに関する。この文献では、そのコーティング組成物及びバインダーは、(a)平均粒子サイズが1〜40μmの粉末形態にある(メタ)アクリル酸のC〜C−エステルと官能性三級アンモニウム基を有するさらなる(メタ)アクリラートモノマーとのコポリマー、(b)HLB値が少なくとも14の乳化剤及び(c)C12〜C18−モノカルボン酸又はC12〜C18−ヒドロキシル化合物を含んでいる混合物で調製されている。
(特許文献17)は、その組成に関しては(特許文献15)及び(特許文献16)に記載されているものに対応しているコーティング組成物及びバインダーを記載している。
迅速な崩壊性タブレットは、多くの場合、糖及び糖アルコール、発泡系、微結晶セルロース並びにリン酸水素カルシウム、セルロース誘導体、コーンスターチ、又はポリペプチドのような他の非水溶性フィラーで構成されている。さらには、水溶性ポリマー、慣用の崩壊剤(架橋PVP、架橋カルボキシメチルセルロースのナトリウム及びカルシウム塩、カルボキシメチルデンプンのナトリウム塩、低置換ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC)及び実質的に不水溶性の無機成分(シリカ、シリケート、無機顔料))が用いられる。加えて、タブレットは、界面活性剤も含み得る。
(特許文献18)は、マンニトール及びソルビトールを含んでいる直接タブレット化可能な、容易圧縮化可能な補助的助剤を記載している。まず、マンニトールとソルビトールを水に溶解させることによって補助プレミックスが調製され、その後スプレー乾燥(慣用のスプレー乾燥及びSBD法)される。さらには、この共加工混合物には、マンニトールが加えられ得る。さらに崩壊剤、離型剤、顔料及び活性成分を含んでいるタブレットは、口腔中で60秒以内に崩壊するとされている。
(特許文献19)は、口腔中で60秒以内に崩壊するタブレットを記載しているが、このタブレットは、基本的には、スプレー乾燥マンニトールと粗粒状架橋ポリビニルピロリドンと限定選択活性成分との物理的混合物から製剤されている。このタブレットは約40Nの崩壊強度を有していて、感じよくない、ざらざらした口の感じをもたらす。
(特許文献20)によれば、崩壊剤としては、メタクリル酸コポリマータイプCが用いられるべきとしている。このメタクリル酸コポリマータイプCは、酸性pH範囲内では溶けないが、口腔中に存在している、7のpH範囲内では水溶性である、腸溶性のポリマーである。そのタブレットは、低崩壊強度(<20N)の他に、高摩損度(>7%)を有していて、15重量%の辺りの、高割合の粗粒状崩壊剤を包含している。結果としては、このタブレットは、低い機械強度を有し、その高割合の粗粒状崩壊剤のせいで、感じよくない、ざらざらした口の感じがある。
(特許文献21)は、活性成分、エリトリトール、結晶質セルロース及び崩壊剤で構成されている医薬投与形態を記載している。さらには、マンニトールが組み込まれて、さらには崩壊剤として架橋ポリビニルピロリドンが用いられている、物理混合物が記載されている。このタブレットは、口腔中で60秒以内に崩壊するとされている。
(特許文献22)の出願は、口の中で60秒以内に崩壊する、活性成分、水溶性ポリビニルアルコール−ポリエチレングリコールコポリマー、糖/糖アルコール(マンニトール)及び崩壊剤で構成されているタブレットを記載している。
医薬用途用では、糖アルコール、崩壊剤及び不溶性ポリマーをベースとするマトリックス成分は、一般的には、(特許文献23)から公知である。
(特許文献24)は、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリラートをベースとするカチオンポリマーの水性ポリマーディスパージョンの調製及び薬物をコーティングするためのその使用を開示している。
独国特許第1090381号明細書 独国特許第1219175号明細書 独国特許出願公開第2135073号明細書 独国特許第2512238号明細書 独国特許第1090381号明細書 独国特許第1219175号明細書 独国特許第2135073号明細書 独国特許出願公開第2838278号明細書 英国特許第1324087号明細書 独国特許出願公開第3426587号明細書 独国特許出願公開第3049179号明細書 欧州特許出願公開第0058765号明細書 国際公開第2005/055986号 国際公開第2005/056619号 国際公開第00/05307号 国際公開第02/067906号 国際公開第2004/019918号 国際公開第2003/051338号 米国特許出願公開第2002/0071864号明細書 米国特許第6,696,085号明細書 欧州特許出願公開第0839526号明細書 特開2004−265216号公報 国際公開第2007/071581号 国際公開第2009/016258号
本発明の目的は、感じよくない味がする活性成分の口腔内崩壊性投薬形態として用いるのに向いている改善された医薬投与形態を提供することである。
意外なこととして、この度、味をマスクするために、共重合された形態でN,N−ジエチルアミノエチルメタクリラート(DEAEMA)を含むポリマーディスパージョンで、味をマスクした活性成分が、その口腔内崩壊性投薬形態に特に向いていることが見出された。
味をマスクするのに用いられたそのコーティング組成物は、
a)N,N−ジエチルアミノエチルメタクリラート、及び
b)α,β−エチレン性不飽和モノ−及びジ−カルボン酸とC〜C−アルカノールとのエステル群から選択される少なくとも1種のフリーラジカル重合性化合物、
を含んでいる、モノマー混合物M)の、pHが少なくとも7である、好ましくは少なくとも8である水性媒体中フリーラジカルエマルジョン重合によって得られる水性ポリマーディスパージョンをベースとしている。
モノマーa)
本発明によれば、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリラートがモノマーa)として用いられる。
本発明による水性ポリマーディスパージョンPd)を調製するためには、成分a)は、重合に用いたモノマーの全体重量を基準にして、好ましくは25〜65%、特に好ましくは30〜60重量%、特には38〜48重量%、特定的には43〜47重量%の量で用いられる。
モノマーb)
成分b)は、α,β−エチレン性不飽和モノ−及びジ−カルボン酸とC〜C−アルカノールとのエステル群から選択される。
適する化合物b)は、メチル(メタ)アクリラート、メチルエトアクリラート、エチル(メタ)アクリラート、エチルエトアクリラート、n−プロピル(メタ)アクリラート、イソプロピル(メタ)アクリラート、n−ブチル(メタ)アクリラート、sec−ブチル(メタ)アクリラート、tert−ブチル(メタ)アクリラート、tert−ブチルエトアクリラート、n−ヘキシル(メタ)アクリラート、n−ヘプチル(メタ)アクリラート、n−オクチル(メタ)アクリラート、1,1,3,3−テトラメチルブチル(メタ)アクリラート及びエチルヘキシル(メタ)アクリラートである。
成分b)として、特に好ましいのは、メチルメタクリラート又はメチルメタクリラートを含んでいるモノマー混合物を用いることである。
本発明による水性ポリマーディスパージョンを調製するためには、成分b)は、重合に用いたモノマーの全体重量を基準にして、好ましくは35〜75重量%、特に好ましくは40〜70重量%、特には52〜62重量%、特定的には53〜57重量%の量で用いられる。
このポリマーディスパージョンを調製するのに用いられるモノマー混合物M)は、少なくとも1種のさらなるモノマーc)を追加的に含み得る。この追加モノマーc)は、好ましくは、α,β−エチレン性不飽和モノ−及びジ−カルボン酸とC〜C30−アルカノール及びC〜C30−アルカンジオールとのエステル、α,β−エチレン性不飽和モノ−及びジ−カルボン酸と一級もしくは二級アミノ基を有しているC〜C30−アミノアルコールとのアミド、α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸並びにそのN−アルキル及びN,N−ジアルキル誘導体の一級アミド、N−ビニルラクタム、開鎖N−ビニルアミド化合物、ビニルアルコール及びアリルアルコールとC〜C30−モノカルボン酸とのエステル、ビニルエーテル、ビニル芳香族、ビニルハロゲン化物、ビニリデンハロゲン化物、C〜C−モノオレフィン、不飽和ニトリル、少なくとも2つの共役二重結合を有する非芳香族炭化水素、及びこれらの混合物から選択される。
適する追加モノマーc)は、n−ノニル(メタ)アクリラート、n−デシル(メタ)アクリラート、n−ウンデシル(メタ)アクリラート、トリデシル(メタ)アクリラート、ミリスチル(メタ)アクリラート、ペンタデシル(メタ)アクリラート、パルミチル(メタ)アクリラート、ヘプタデシル(メタ)アクリラート、ノナデシル(メタ)アクリラート、アラキニル(メタ)アクリラート、ベヘニル(メタ)アクリラート、リグノセリル(メタ)アクリラート、セロチニル(メタ)アクリラート、メリッシニル(メタ)アクリラート、パルミトレイニル(メタ)アクリラート、オレイル(メタ)アクリラート、リノリル(メタ)アクリラート、リノレニル(メタ)アクリラート、ステアリル(メタ)アクリラート、ラウリル(メタ)アクリラート及びこれらの混合物のような、α,β−エチレン性不飽和モノ−及びジ−カルボン酸とC〜C30−アルカノールとのエステルである。
また、追加モノマーc)としては、2−ヒドロキシエチルアクリラート、2−ヒドロキシエチルメタクリラート、2−ヒドロキシエチルエトアクリラート、2−ヒドロキシプロピルアクリラート、2−ヒドロキシプロピルメタクリラート、3−ヒドロキシプロピルアクリラート、3−ヒドロキシプロピルメタクリラート、3−ヒドロキシブチルアクリラート、3−ヒドロキシブチルメタクリラート、4−ヒドロキシブチルアクリラート、4−ヒドロキシブチルメタクリラート、6−ヒドロキシヘキシルアクリラート、6−ヒドロキシヘキシルメタクリラート、3−ヒドロキシ−2−エチルヘキシルアクリラート、3−ヒドロキシ−2−エチルヘキシルメタクリラート等のような、α,β−エチレン性不飽和モノ−及びジ−カルボン酸とC〜C30−アルカンジオールとのエステルも適している。
また、追加モノマーc)としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−(n−ブチル)(メタ)アクリルアミド、N−(tert−ブチル)(メタ)アクリルアミド、N−(n−オクチル)(メタ)アクリルアミド、N−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)(メタ)アクリルアミド、N−エチルヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−(n−ノニル)(メタ)アクリルアミド、N−(n−デシル)(メタ)アクリルアミド、N−(n−ウンデシル)(メタ)アクリルアミド、N−トリデシル(メタ)アクリルアミド、N−ミリスチル(メタ)アクリルアミド、N−ペンタデシル(メタ)アクリルアミド、N−パルミチル(メタ)アクリルアミド、N−ヘプタデシル(メタ)アクリルアミド、N−ノナデシル(メタ)アクリルアミド、N−アラキニル(メタ)アクリルアミド、N−ベヘニル(メタ)アクリルアミド、N−リグノセリル(メタ)アクリルアミド、N−セロチニル(メタ)アクリルアミド、N−メリッシニル(メタ)アクリルアミド、N−パルミトレイニル(メタ)アクリルアミド、N−オレイル(メタ)アクリルアミド、N−リノリル(メタ)アクリルアミド、N−リノレニル(メタ)アクリルアミド、N−ステアリル(メタ)アクリルアミド、N−ラウリル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、モルホリニル(メタ)アクリルアミドのような、α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸並びにそのN−アルキル及びN,N−ジアルキル誘導体の一級アミドも適している。
また、追加モノマーc)としては、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル等のような、1個又はそれ以上の置換基を有していてもよいN−ビニルラクタム及びその誘導体も適している。そのようなものとしては、例えばN−ビニルピロリドン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニル−5−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−5−エチル−2−ピロリドン、N−ビニル−6−メチル−2−ピペリドン、N−ビニル−6−エチル−2−ピペリドン、N−ビニル−7−メチル−2−カプロラクタム、N−ビニル−7−エチル−2−カプロラクタム等が挙げられる。好ましいのは、N−ビニルピロリドン及びN−ビニルカプロラクタムを用いることである。
モノマーc)として適している開鎖N−ビニルアミド化合物は、例えば、N−ビニルホルムアミド、N−ビニル−N−メチルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−N−メチルアセトアミド、N−ビニル−N−エチルアセトアミド、N−ビニルプロピオンアミド、N−ビニル−N−メチルプロピオンアミド及びN−ビニルブチルアミドである。
また、追加モノマーc)としては、酢酸ビニル、ビニルプロピオナート、ビニルブチラート及びこれらの混合物も適している。
また、追加モノマーc)としては、エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン及びこれらの混合物も適している。
上記した追加モノマーc)は、個々に、又は、任意の所望混合物の形態で用いられ得る。
本発明による水性ポリマーディスパージョンを調製するためには、成分c)は、重合に用いたモノマーの全体重量を基準にして、好ましくは0〜80重量%の量で用いられる。特定の実施形態は、その中に重合されている追加モノマーc)が含まれていないポリマーディスパージョンPd)に関する。存在する場合は、成分c)は、重合に用いたモノマーの全体重量を基準にして、好ましくは0.1〜70重量%、特に好ましくは1〜60重量%、特には5〜50重量%の量で用いられる。
好ましくは、モノマーc)は、まったく用いられない。
モノマーd)
このポリマーディスパージョンを調製するのに用いられるモノマー混合物M)は、化合物a)に加えて、それとは異なっていて分子あたりフリーラジカル重合性α,β−エチレン性不飽和二重結合及び少なくとも1個のカチオン生成性基及び/又はカチオン基を有しているその中に重合されている少なくとも1種のさらなる化合物d)を含み得る。
好ましくは、成分d)のカチオン生成性基及び/又はカチオン基は、一級アミノ基、二級アミノ基及び三級アミノ基、さらには四級アンモニウム基のような、窒素含有基である。好ましくは、この窒素含有基は、三級アミノ基又は四級アンモニウム基である。荷電カチオン基は、そのアミン窒素から、プロトン化(例えば、乳酸や酒石酸のような、モノ塩基性又はポリ塩基性カルボン酸で、又は、リン酸、硫酸及び塩酸のような、無機酸で)か又は四級化(例えば、C〜C−アルキルハロゲン化物及び硫酸塩のような、アルキル化剤で)により作り出され得る。そのようなアルキル化剤の例は、塩化エチル、臭化エチル、塩化メチル、臭化メチル、硫酸ジメチル及び硫酸ジエチルである。
適する化合物d)は、例えば、α,β−エチレン性不飽和モノ−及びジ−カルボン酸とアミノアルコールとの、DEAEMAとは異なる、エステルである。好ましいアミノアルコールは、そのアミン窒素がC〜C−モノ−又はジ−アルキル化されているC〜C12−アミノアルコールである。そのようなエステルの適する酸成分は、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸、無水マレイン酸、モノブチルマレアート及びこれらの混合物である。そのようなエステルの酸成分としては、好ましいのは、アクリル酸、メタクリル酸及びこれらの混合物を用いることである。
適する追加化合物d)は、N,N−ジメチルアミノメチル(メタ)アクリラート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリラート、N,N−ジエチルアミノエチルアクリラート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリラート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリラート及びN,N−ジメチルアミノシクロヘキシル(メタ)アクリラートである。
適するモノマーd)としては、上記したα,β−エチレン性不飽和モノ−及びジ−カルボン酸と少なくとも1個の一級もしくは二級アミノ基を有しているジアミンとのアミドも適している。好ましいのは、1個の三級アミノ基及び1個の一級もしくは二級アミノ基を有しているジアミンである。
そのようなものとしては、N−[2−(ジメチルアミノ)エチル]アクリルアミド、N−[2−(ジメチルアミノ)エチル]メタクリルアミド、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド、N−[4−(ジメチルアミノ)ブチル]アクリルアミド、N−[4−(ジメチルアミノ)ブチル]メタクリルアミド、N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]アクリルアミド、N−[4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]アクリルアミド、N−[4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]メタクリルアミド等が挙げられる。
適するモノマーd)としては、N,N−ジアリルアミン及びN,N−ジアリル−N−アルキルアミン並びにこれらの酸付加塩及び四級化生成物も適している。ここでのアルキルは、好ましくはC〜C24−アルキルである。また、N,N−ジアリル−N−メチルアミン及びN,N−ジアリル−N,N−ジメチルアンモニウム化合物(例えば塩化物や臭化物等)も好ましい。
適するモノマーd)としては、N−ビニルイミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール、及びこれらの塩のような、ビニル−及びアリル−置換窒素へテロ環並びに2−及び4−ビニルピリジン、2−及び4−アリルピリジン、及びこれらの塩のような、ビニル−及びアリル−置換へテロ芳香族化合物も適している。
本発明による水性ポリマーディスパージョンPd)を調製するためには、成分d)は、存在する場合は、成分a)の量と成分d)の量の合計が、重合に用いたモノマーの全体重量を基準にして、好ましくは25〜65重量%、特に好ましくは30〜60重量%の範囲内にあるような量で用いられる。
本発明による水性ポリマーディスパージョンPd)を調製するためには、成分d)は、重合に用いたモノマーの全体重量を基準にして、好ましくは0〜50重量%の量で用いられる。
すでに説明したように、意外なこととして、本発明に記載のDEAEMA(成分a))をベースとする、また本発明に従って用いられるポリマーディスパージョンは、特に優れた物性のプロファイルを有していることが見出されている。この物性のプロファイルは、一般的には、カチオン生成性/カチオン性基を有しているさらなるモノマーを用いることなく達成され得るものである。特定の実施形態は、したがって、その中に重合されている追加モノマーd)をまったく含まないポリマーディスパージョンPd)に関する。
存在する場合は、成分d)は、重合に用いたモノマーの全体重量を基準にして、好ましくは0.1〜40重量%、特に好ましくは1〜30重量%、特には2〜25重量%の量で用いられる。
本発明に記載の方法の1つの特に好ましい実施形態では、
・重合に用いたモノマーの全体重量を基準にして、43〜47重量%のN,N−ジエチルアミノエチルメタクリラートa)、及び
・重合に用いたモノマーの全体重量を基準にして、53〜57重量%の少なくとも1種の化合物b)(特にはメチルメタクリラート)
で構成されるモノマー混合物M)が用いられる。
フリーラジカルエマルジョン重合によるこのポリマーの調製については、その結果としての、特に(特許文献23)にある開示を参照されたい(調製及び好ましい実施形態が詳細に述べられている)。
本発明によるディスパージョン中に存在しているポリマーは、ゲル透過クロマトグラフィーによって測定される、好ましくは30,000〜500,000、特に好ましくは60,000〜140,000、特には80,000〜120,000g/molの範囲内にある平均分子量Mを有している。
本発明によるディスパージョンPd)中に存在しているポリマーは、好ましくは40〜60の範囲内にあるK値(N−メチルピロリドン(NMP)中1%濃度溶液に対してFikentscherに従って測定される)を有している。
ガラス転移温度T(DSCにより測定される)は、好ましくは40〜70℃、特に好ましくは52〜62℃の範囲内にある。
本発明によるディスパージョン中に存在しているポリマーは、実質的には、ランダムコポリマーである。
このポリマーディスパージョン中に存在しているポリマー粒子の平均粒子直径(分析超遠心分離機により測定される)は、好ましくは70〜200nm、特に好ましくは80〜150nm、特には90〜120nmの範囲内にある。その粒子サイズ分布は、好ましくは、実質的に単峰型である。
本発明によるディスパージョンの、水中0.01%濃度ディスパージョン(2.5cmキュベット、白色光)に対して測定されるLT(光線透過率)値は、好ましくは少なくとも70%、特に好ましくは少なくとも80%である。光線透過率の測定は、例えば、Dieter Distler, Wassrige Polymerdispersionen [Aqueous polymer dispersions(水性ポリマーディスパージョン)], Wiley-VCH (1999), p. 40に述べられている。
本発明によるディスパージョンの固形分含有量は、好ましくは10〜50重量%、特に好ましくは20〜40重量%である。限外濾過によりディスパージョンを精製する場合は、本発明によるディスパージョンは、限外濾過の前及び後もそのような範囲内にある固形分含有量を有している。当然、希薄ポリマーディスパージョンを、同じように、限外濾過による濃縮に付すことがあり得る。
本発明に従って味をマスクするのに用いられるディスパージョンは、例えば30重量%の固形分含有量の場合でさえも、好ましくは50mPas未満、特に好ましくは25mPas未満、特には10mPas未満のきわめて低い粘度(Brookfield粘度計により20℃及び100s−1で測定される値)を有している。そのような低い粘度は、多くの用途にとって、非常に重要である。
本発明によるディスパージョン中に存在しているポリマーの電荷は、そのディスパージョンのpHに左右される。その等電点は、好ましくは約7.5〜8.5のpH範囲内にある。仕上がったディスパージョンは、好ましくは8〜10、特に好ましくは8.5〜9.5の範囲内にあるpHを有している(30重量%の固形分含有量で)。ディスパージョン中に存在しているポリマー粒子の溶解又は膨潤が望まれていないとして、仕上がったディスパージョンの選択されたpHは、その等電点より高い(より強くアルカリ性)ことが有利である。本発明によるディスパージョンは、したがって、好ましくは塩基性のディスパージョンである。
本発明によるポリマーディスパージョンは、そのpH依存溶解度を特徴としている。酸性化するとディスパージョンが溶解されるpH範囲の調整は、例えば、その中に重合されているN,N−ジエチルアミノエチルメタクリラート(モノマーa)の量、さらには場合によりカチオン生成性/カチオン性基を有するさらなるモノマー(モノマーd)の使用を通して可能である。好ましくは、本発明によるポリマーディスパージョンPd)中に存在しているポリマーは、高くて6.8のpHで、特に好ましくは高くて5.5のpHで溶解する。
1つの好ましい実施形態によれば、ポリマーを含んでいるポリマーディスパージョンが用いられるが、そのポリマーは、その中に重合されているモノマーとして、
・重合に用いたモノマーの全体重量を基準にして、43〜47重量%のN,N−ジエチルアミノエチルメタクリラートa)、及び
・重合に用いたモノマーの全体重量を基準にして、53〜57重量%の少なくとも1種の化合物b)、
のみを含んでいる。
本発明に従って用いられる医薬投与形態のためのコーティング組成物は、少なくとも1種のさらなる薬学的に許容される補助剤を含み得る。薬学的に許容される補助剤は、製薬の分野、食品工業及び関連の分野で用いられていることが知られているものであり、特には関連の薬局方(例えば、Ph.Eur.、USP、JP)に掲載されているもの、並びにその物性が生理学的適用を排除しない他の補助剤である。
適する補助剤は、芳香物質、味改善物質、甘味剤(糖、糖アルコール、甘味料、例えばアスパルテーム、サッカリン−Na、シクラミン酸ナトリウム等)、流動促進剤、湿潤剤、離型剤、可塑剤、抗粘着剤、安定剤、孔形成剤、中和剤、光沢剤、染料、顔料、殺菌剤又は防腐剤、増粘剤、等であり得る。そのような物質は、例えば、Fiedler, H. P. Lexikon der Hilfsstoffe fur Pharmazie, Kosmetik und angrenzende Gebiete [Lexicon of auxiliaries for pharmacy, cosmetics and related fields(製薬、化粧品及び関連の分野用補助剤の目録)], 4th edition, Aulendorf: ECV-Editio-Cantor-Verlag, 1996に述べられている。
これら補助剤の慣用の量は、各場合、そのコーティング組成物の全体重量を基準にして、0〜50重量%、好ましくは0〜20重量%、特には0.01〜10重量%の範囲内にある。
このコーティング組成物は、例えば、本発明によるポリマーディスパージョン又はそれから乾燥処理によって取得可能なポリマーと少なくとも1種の補助剤とを緊密に混合することによって作製され得る。
本発明によるコーティング組成物は、例えば、粉末形態で、融液としてあるいは水性エマルジョンで、粒状化により、注入により、延展によりあるいはスプレー塗布により用いられ得る。好ましいのは、ポリマーディスパージョンとしての、特定的には主分散物としての塗布である。本発明によるコーティング組成物は、少なくとも1種のさらなるポリマー成分をさらに含み得る。この関連では、少なくとも2種のディスパージョン、少なくとも1種のディスパージョンと少なくとも1種の溶液、少なくとも1種のディスパージョンと少なくとも1種の粉末、少なくとも2種の粉末、等の混合物を用いることがあり得る。
本発明に従った製剤は、原理的には、抗鬱薬、β受容体遮断薬、抗糖尿病薬、鎮痛薬、消炎剤、抗リウマチ薬、抗低血圧薬、抗高血圧薬、精神活性剤、精神安定剤、制吐剤、筋弛緩薬、グルココルチコイド、潰瘍性大腸炎又はクローン病治療剤、抗アレルギー薬、抗生物質、抗癲癇薬、抗凝固薬、抗真菌薬、鎮咳薬、動脈硬化薬物、利尿剤、酵素、酵素阻害剤、痛風治療薬、ホルモン及びその阻害薬、強心配糖体、免疫治療剤及びサイトカイン、下剤、抗高脂血剤、胃腸治療薬、片頭痛治療薬、ミネラル調製剤、耳鼻薬、パーキンソン薬、甲状腺治療薬、鎮痙剤、血小板凝集抑制剤、ビタミン、細胞増殖抑止剤及び転移抑制剤、生物学的製剤、化学療法薬、栄養補助食品、ビタミン、カロテノイド及びアミノ酸等の、好ましくは孤立又は保護形態で投与され得るいずれの所望医薬活性成分の投与にも適している。
適する活性成分の例は、アカルボース、非ステロイド系抗リウマチ薬、強心配糖体、アセチルサルチル酸、ウイルス増殖抑制剤、アクラルビシン、アシクロビル、シスプラチン、アクチノマイシン、α−及びβ−交感神経興奮薬、アロプリノール、アロセトロン、アルプロスタジル、プロスタグランジン、アマンタジン、アンブロキソール、アムロジピン、メトトレキセート、5−アミノサリチル酸、アミトリプチリン、アムロジピン、アモキシシリン、アナストロゾール、アテノロール、アトルバスタチン、アザチオプリン、バルサラジド、ベクロメタゾン、ベタヒスチン、ベザフィブラート、ビカルタミド、ジアゼパム及びジアゼパム誘導体、ブデソニド、ブフェキサマック、ブプレノルフィン、メタドン、カルシウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カンデサルタン、カルバマゼピン、カプトプリル、セファロスポリンス、セレトキシブ、セチリジン、ケノデオキシコール酸、ウルソデオキシコール酸、テオフィリン及びテオフィリン誘導体、トリプシン、シメチジン、クラリスロマイシン、クラブラン酸、クリンダマイシン、クロブチノール、クロニジン、コトリモキザゾール、コデイン、カフェイン、ビタミンD及びビタミンDの誘導体、コレスチラミン、クロモグリク酸、クマリン及びクマリン誘導体、システイン、シタラビン、シクロホスファミド、シクロスポリン、シプロテロン、シタラビン、ダピプラゾール、デソゲストレル、デソニド、ジヒドララジン、ジルチアゼム、麦角アルカロイド、ジメンヒドリネート、ジメチルスルホキシド、ジメチコン、ジピリダモール、ドンペリドン及びドンペリドン誘導体、ドネプジル、ドーパミン、ドキサゾシン、ドキソルビシン、ドキシラミン、ダピプラゾール、ベンゾジアゼピン、ジクロフェナク、配糖体抗生物質、デシプラミン、エコナゾール、ACE阻害薬、エナラプリル、エフェドリン、エピネフリン、エポエチン及びエポエチン誘導体、モルヒナン、カルシウム拮抗薬、イリノテカン、モダフィニル、オルリスタット、ペプチド抗生物質、フェニトイン、リルゾール、リセドロネート、シルデナフィル、トピラマト、マクロリド抗生物質、エゾメプラゾール、エストロゲン及びエストロゲン誘導体、ゲスタゲン及びゲスタゲン誘導体、テストステロン及びテストステロン誘導体、アンドロゲン及びアンドロゲン誘導体、エテンザミド、エトフェナメート、エトフィブラート、フェノフィブラート、エトフィリン、エトポシド、ファムシクロビル、ファモチジン、フェロジピン、フェノフィブラート、フェンタニル、フェンチコナゾール、ギラーゼ抑制剤、フルコナゾール、フルダラビン、フルナリジン、フルオロウラシル、フルオキセチン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、フルタミド、フラバスタチン、ホリトロピン、フォルモテロール、ホスホマイシン、フロセミド、フシジン酸、ガランタミン、ガロパミル、ガンシクロビル、ゲンフィブロジル、ゲンタミシン、ギンクゴ、セントジョンズ・ワート、グリベンクラミド、経口抗糖尿病薬としての尿素誘導体、グルカゴン、グルコサミン及びグルコサミン誘導体、グルタチオン、グリセロール及びグリセロール誘導体、視床下部ホルモン、ゴセレリン、グアネチジン、ハロファントリン、ハロペリドール、ヘパリン及びヘパリン誘導体、ヒアルロン酸、ヒドララジン、ヒドロクロロチアジド及びヒドロクロロチアジド誘導体、サリチル酸塩、ヒドロキシジン、イダルビシン、イホスファミド、イミプラミン、インドメタシン、インドラミン、インスリン、インターフェロンス、ヨウ素及びヨウ素誘導体、イソコナゾール、イソプレナリン、グルシトール及びグルシトール誘導体、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ケトプロフェン、ケトチフェン、ラシジピン、ランソプラゾール、レボドパ、レボメタドン、甲状腺ホルモン、リポ酸及びリポ酸誘導体、リシノプリル、リスリド、ロフェプラミン、ロムスチン、ロペルアミド、ロラタジン、マプロチリン、メベンダゾール、メベベリン、メクロジン、メフェンアミド酸、メフロキン、メロキシカム、メピンドロール、メプロバマート、メロペネム、メサラジン、メスキスイミド、メタミゾール、メトホルミン、メトトレキサート、メチルフェニダート、メチルプレドニゾロン、メチキセン、メトクロプルアミド、メトプロロール、メトロニダゾール、ミアンセリン、ミコナゾール、ミノサイクリン、ミノキシジル、ミソプロストール、マイトマイシン、ミゾラスチン、モエキシプリル、モルヒネ及びモルヒネ誘導体;月見草油、ナルブフィン、ナロキソン、チリジン、ナプロキセン、ナルコチン、ナタマイシン、ネオスチグミン、ニセルゴリン、ニセトアミド、ニフェジピン、ニフルム酸、ニモジピン、ニモラゾール、ニムスチン、ニソルジピン、アドレナリン及びアドレナリン誘導体、ノルフロキサシン、ノバミンスルホン、ノスカピン、ニスタチン、オフロキサシン、オランザピン、オルサラジン、オメプラゾール、オモコナゾール、オンダンセトロン、オルリスタト、オセルタミビル、オキサセプロール、オキサシリン、オキシコナゾール、オキシメタゾリン、パントプラゾール、パルアセタモール、パロキセチン、ペンシクロビル、オラールペニシリンス、ペンタゾシン、ペンチフィリン、ペントキシフィリン、ペルフェナジン、ペチジン、プラントエキストラクトス、フェナゾン、フェニラミン、バルビツル酸誘導体、フェニルブタゾン、フェニトイン、ピモジド、ピンドロール、ピペラジン、ピルアセタム、ピレンゼピン、ピリベジル、ピロキシカム、プラミペキソール、プラバスタチン、プラゾシン、プロカイン、プロマジン、プロピベリン、プロプラノロール、プロピフェナゾン、プロスタグランジンス、プロチオンアミド、プロキシフィリン、クェチアピン、キナプリル、キナプリラト、ラミプリル、ラニチジン、レプロテロール、レセルピン、リバビリン、リファンピシン、リスペリドン、リトナビル、ロピニロール、ロシグリタゾン、ロキサチジン、ロキシトロマイシン、ルスコゲニン、ルトシド及びルトシド誘導体、サバジラ、サルブタモール、サルメテロール、スコポラミン、セレギリン、セルタコナゾール、セルチンドール、セルトラリン、シリカテス、シムバスタチン、シトステロール、ソタロール、スパグルム酸、スパルフロキサシン、スペクチノマイシン、スピラマイシン、スピラプリル、スピロノラクトン、スタブジン、ストレプトマイシン、スクラルファート、スフェントアニル、スルバクタム、スルホンアミデス、スルファサラジン、スルピリド、スルタミシリン、スルチアム、スマトリプタン、スキサメトニウムクロリド、タクリン、タクロリムス、タリオロール、タモキシフェン、タウロリジン、タザロテン、テガセロド、テマゼパム、テニポシド、テノキシカム、テルアゾシン、テルビナフィン、テルブタリン、テルフェナジン、テルリプレッシン、テルタトロール、テトラサイクリネス、テトリゾリン、テオブロミン、テオフィリン、ブチジン、チアマゾール、フェノチアジネス、チオテパ、チアガビン、チアプリド、プロピオン酸誘導体、チクロピジン、チモロール、チニダゾール、チオコナゾール、チオグアニン、チオキソロン、チロプルアミド、チザニジン、トラゾリン、トルブトアミド、トルカポン、トルナフタート、トルペリソン、トポテカン、トラセミド、アンチエストロゲンス、トラマドール、トラマゾリン、トランドラプリル、トラニルシプロミン、トラピジル、トラゾドン、トリアムシノロン及びトリアムシノロン誘導体、トリアムテレン、トリフルペリドール、トリフルリジン、トリメトプリム、トリミプラミン、トリペレンアミン、トリプロリジン、トリホスフアミド、トロマンタジン、トロメタモール、トロパルピン、トロキセルチン、ツロブテロール、チラミン、チロトリシン、ウラピジル、ウルソデオキシコール酸、ケノデオキシコール酸、バラシクロビル、バルデコキシブ、バルプロ酸、バンコマイシン、ベクロニウムクロリド、ベンラファキシン、ベラパミル、ビダラビン、ビガバトリン、ビロキサジン、ビンブラスチン、ビンカミン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン、ビンポセチン、ビキジル、ワルファリン、キサンチノールニコチナート、キシプアミド、ザフィルルカスト、ザルシタビン、ザナミビル、ジドブジン、ゾルミトリプタン、ゾルピデム、ゾピクロン、ゾテピン等である。
所望なら、これら活性成分は、その薬学的に許容される塩又は誘導体の形態でも用いられ得るものであって、キラル活性成分の場合では、光学活性異性体もしくはラセミ体又はジアステレオ異性体混合物を用いることがあり得る。所望なら、本発明による組成物は、また、2種又はそれ以上の医薬活性成分を含み得る。
本発明によれば、味をマスクするためにコートされた活性成分は、押出体、ミニタブレット、カプセル、ソフトカプセル、粒体、ペレット、マイクロペレット、マイクロカプセル又はクリスタルの形態で用いられ得る。このコート活性成分形態の粒子サイズは、<1000μm、好ましくは<500μm、特に好ましくは25〜250μm、特には50〜150μmである。
口腔内崩壊性投薬形態を調製するためには、このコートされた粒体、ペレット、マイクロペレット、マイクロカプセル、クリスタルは、適する補助剤と混合され、圧縮されることで、口腔の水性媒体中で崩壊してそのコートされた微細成型薬品を元どおりに放出するタブレットをもたらし得る。ここで特に重要なのが、いわゆる口腔内分散性剤、すなわち、短時間内に口の中で崩壊してその味マスク小成型薬品を放出するタブレットである。
感じよくない苦い味を多くの場合引き起こすが本発明に従って有利に製剤化され得る活性成分の類及び物質は、例えば、
鎮痛薬及び抗リウマチ薬、例えばパルアセタモール、ジクロフェナク、アセクロフェナク、イブプロフェン、ケトプロフェン、フルビプロフェン、アセチルサリチル酸、レブアセチルメタドール及びオキシコドン;
精神活性剤、例えばプロメタジン、ドネペジル、モダフィニル、ネファゾドン、レボキセチン、セルチンドール及びセルトラリン;
抗生物質、例えばエリスロマイシン、ロキシトロマイシン、クラリトロマイシン、グレパフロキサシン、シプロフロキサシン、レボフロキサシン、スパルフロキサシン、トロバフロキサシン及びネビラピン;
ベータ遮断薬、例えばプロプラノロール、メトプロロール、ビソプロロール及びネビボロール;
抗糖尿病薬、例えばメトホルミン、ミグリトール及びレパグリニド;
抗ヒスタミン薬、例えばジフェンヒドラミン、フェキソフェナジン及びミゾラスチン;
抗ヒスタミン薬、例えばシメチジン、ファモチジン、ロキサチジン、ニザチジン、チクロピジン、セチリジン及びラニチジン;
ビタミン類例えばチアミンニトラート並びにキニジンスルファート、アミロプリロースHCl、プソイドエフェドリンHCl、シルデナフィル、トピルアマート、グラニセトロン、レバミピド、キニーネHCl、等;
である。
このひときわ優れた味マスクは、本発明によるポリマーが6より高いpH値では溶けないこと及び6以下のpH値では迅速に溶けることからもたらされる。これは、唾液(pH:7.2)中では、その結果、コート形態は非常に長い時間安定であってその苦い薬物と口腔内粘膜とが接触することはないことを意味し、それに対して、pH値が1〜5である胃の中では、非常に迅速なその活性成分の放出がもたらされる。この溶解は非常に迅速であるので非コート形態と比較しても効果の始まりに実質的に差はない。原則としては、本発明によるポリマーのフィルムコーティングは胃液中では5分以内に溶解するが、リン酸緩衝液pH7.2中では2時間を越えても安定である。意外なこととして、このフィルムコーティングは、また、4.5のpH値を有する媒体中でも比較的迅速に溶解するが、これは、それから作られた投与形態は、制酸剤患者つまり制酸剤で治療されている患者の場合でも、迅速な効果がもたらされることを意味している。
本発明によるコーティング組成物は低い水蒸気及び酸素透過率を有しているので、その結果として、例えば、アセチルサリチル酸、エナラプリル、コルチゾンアセタート、オメプラゾール、カロテノイドのような、特に水蒸気感受性又は酸素感受性の薬物の製剤化及び安定化を可能にするものである。本発明では、このコーティングは、保護性の特性を有している。
さらには、本発明によるコーティング組成物は、1つ又はそれ以上の各構成成分を包み囲むことによって、つまり、互いに接触することを回避することによって投与形態中の非相溶性の各活性成分又は補助剤を分けた状態にさせておくのに用いられ得る。
本発明によるフィルムコーティングのこの予想外に非常に優れた塗布特性は、そのポリマーディスパージョンの優れた均質フィルム形成性、そのフィルムの低粘着性、及びそのコーティングの素晴らしい柔軟性及び/又は延展性によって可能となったものであって、これは、たとえそのタブレット又はペレットコアが膨潤しても、そのフィルムコーティングは引き裂かれないことを意味している。通常、ポリマーは、硬い、すなわち非常に柔軟性ではなくまた粘着性でもないか、又は柔らかい、すなわち柔軟性であるが粘着性でもあるので、本発明では、特にこの高い柔軟性ときわめて低い粘着性の組み合わせは、意外なことである。
口腔内崩壊性投与形態に向いているマトリックスは、原理的には、そのような目的で知られているあらゆる補助剤又は補助剤混合物である。
マトリックスに向いている補助剤又は補助剤混合物は、特には、糖又は糖アルコールをベースとしているものである。向いている糖又は糖アルコールは、マンノース、トレハロース、マンニトール、エリトリトール、イソマルト、マルチトール、ラクチトール、キシリトール、ソルビトールである。
この関連では、マトリックスの基剤としてのゼラチンと糖アルコールとの混合物も向いている。この混合物水溶液は、味マスク活性成分成型薬品と混合され、型の中に導入され、固形化されて、投薬形態をもたらし得る。その固形化は、好ましくは、凍結乾燥によって行われ得る。
マトリックスには、共加工の糖(アルコール)を用いることもあり得る。共加工は、その各成分を溶液としたものをスプレー又はスピンすることによって行われ得る。
発泡性タブレットを調製することも可能である。このためには、糖(アルコール)成分の他に、発泡性混合物を含んでいるマトリックス材料が用いられる。適する発泡性混合物は、例えば、クエン酸と重炭酸ナトリウムとで構成されている。
マトリックス成分としては、好ましいのは、
a)少なくとも1種の糖もしくは糖アルコール又はこれらの混合物60〜98重量%、
b)崩壊剤1〜25重量%、
c)不水溶性ポリマー1〜15重量%、
d)水溶性ポリマー0〜15重量%、及び
e)さらなる補助剤0〜15重量%
(ここで、成分a)〜e)の合計は、100重量%である)
を共加工した混合物である。
この調製物は、成分a)として、60〜98重量%、好ましくは70〜95重量%、特に好ましくは75〜93重量%の糖、糖アルコール又はこれらの混合物を含んでいる。適する糖又は糖アルコールは、トレハロース、マンニトール、エリトリトール、イソマルト、マルチトール、ラクチトール、キスリトール、ソルビトールである。糖又は糖アルコール成分は、好ましくは、微細に粉砕されたものであって、5〜100μmの平均粒子サイズを有している。所望なら、粒子サイズは、破砕によって調整され得る。
好ましいのは、マンニトール、エリトリトール又はこれらの混合物を用いることである。
成分b)として、崩壊剤は、1〜25重量%、好ましくは2〜15重量%、特に好ましくは3〜10重量%の量で用いられる。そのような崩壊剤は、不水溶性であるが、フィルム形成性ではない。適する崩壊剤は、架橋ポリビニルピロリドン(クロスポビドン)、クロスカルメロース、架橋カルボキシメチルセルロースである(ここで、本発明によれば、クロスカルメロースは、そのナトリウム及びカルシウム塩も意味するものとする)。ナトリウムカルボキシメチルスターチも適している。同様に適しているのが、USP/NF 2005に記載されている、好ましくは5〜16%ヒドロキシプロポキシ基を有する、L−ヒドロキシプロピルセルロースである。好ましいのは、クロスポビドンを用いることである。
成分c)として、不水溶性ポリマーは、1〜15重量%、好ましくは1〜10重量%の量で用いられる。好ましいのは、1〜14のpH範囲において不溶性である、すなわちどのpHにおいてもpH非依存水非溶解性を有しているポリマーである。さらには、6〜14のpH範囲におけるどのpHにおいても不水溶性であるポリマーも適している。
このポリマーは、フィルム形成性ポリマーであるべきである。この関連では、フィルム形成性とは、そのポリマーが、水性ディスパージョン状態で、−20〜+150℃(好ましくは0〜100℃)の最低フィルム形成温度を有していることを意味する。
適するポリマーは、ポリ酢酸ビニル、エチルセルロース、メチルメタクリラート−エチルアクリラートコポリマー、エチルアクリラート−メチルメタクリラート−三メチルアンモニウムエチルメタクリラートターポリマー、ブチルメタクリラート−メチルメタクリラート−ジメチルアミノエチルメタクリラートターポリマーである。
そのアクリラート−メタクリラートコポリマーは、欧州薬局方ではPolyacrylate Dispersion 30%として、USPではAmmoniomethacrylate Copolymerとして、JPEではAminoalkyl−Methacrylate Copolymer Eとしてより詳細に述べられている。好ましい成分c)としてはポリ酢酸ビニルが用いられる。これは、固形分含有量が10〜45重量%の水性ディスパージョンとして用いられ得る。さらには、好ましいのは、分子量が100,000〜1,000,000ダルトン、特に好ましくは200,000〜800,000ダルトンのポリ酢酸ビニルである。
さらには、成分d)として、この処方は、0〜15重量%の量の水溶性ポリマーを含み得る。適する水溶性ポリマーは、例えば、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール−ポリエチレングリコールグラフトコポリマー、ポリエチレングリコール、エチレングリコール−プロピレングリコールブロックコポリマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カラゲナン、ペクチン、キサンタン、アルギナートである。
所望なら、例えば酸性化剤、緩衝剤、甘味剤、芳香剤、味強化剤及び染料のような、製薬で慣用の補助剤(成分e))を0〜15重量%の量で加えることによって、この処方から得られるタブレットの味及び外観をさらに良くすることが可能である。
本発明では以下の物質が特に適している。
適する酸性化剤は、例えば、クエン酸、酒石酸、アスコルビン酸及びリン酸二水素ナトリウムである。
適する甘味剤は、例えば、シクルアマート、サッカリン−Na、アスパルテーム及びネオヘスペリジンである。
適する芳香剤は、例えば、フルーツ芳香剤、バニラ芳香剤、ココア芳香剤、グルタミン酸塩である。
適する染料は、リボフラビン、クルクミン、ベータカロテン、食品を着色するのに使われている水溶性染料、並びに微細粉砕着色レーキである。
高分子量ポリサッカリド等の増粘剤を加えることにより、口への感じは、その柔らかさ及びその量感が増大されることによってさらに良くなり得る。
さらには、成分e)として界面活性剤も加えられ得る。適する界面活性剤は、例えば、ナトリウムラウリルスルファート、ジオクチルスルホスクシナート、アルコキシル化ソルビタンエステル例えばPolysorbat 80、ひまし油のポリアルコキシル化誘導体又は水素化ひまし油(例えばCremophor(登録商標)RH 40)、アルコキシル化脂肪酸、アルコキシル化ヒドロキシ脂肪酸、アルコキシル化脂肪アルコール、脂肪酸のアルカリ金属塩、及びレクチンである。ナトリウムステアリルフマラートも適している。
さらには、崩壊性をさらに良くするためには、細かく粉砕された顔料を加えることもあり得るが、これは、それによって、内部接触面が増大され、結果として、タブレットの中に水がより迅速に浸透することができるからである。そのような顔料(例えば酸化鉄、二酸化チタン、コロイド又は沈殿シリカ、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム)は、当然、非常に細かく粉砕されたものでなければならず、そうでないと、ざらざらした味がまた生じることになる。
この混合物は、例えば、共スプレー、粒状化又は凝集化によって共加工される。
成分a)〜e)の混合物は、凝集体の形態で好ましくは用いられる。
本発明による医薬組成物の処方基剤は、薬学的に許容される補助剤を好ましくは含んでいる。薬学的に許容される補助剤は、製薬の分野、食品工業及び関連の分野で用いられていることが知られているものであり、特には関連の薬局方(例えば、DAB、Ph.Eur.、BP、USP、JP)に掲載されているもの、並びにその物性が生理学的適用を排除しない他の補助剤である。
このマトリックス処方は、さらなる適する補助剤を含んでいることがあり得る。
適する補助剤は、滑沢剤、湿潤剤、乳化及び懸濁化剤、防腐剤、抗酸化剤、刺激緩和剤、キレート化剤、エマルジョン安定化剤、フィルム形成剤、ゲル形成剤、臭いマスク剤、レジン、親水コロイド、溶剤、溶解促進剤、中和剤、透過促進剤、顔料、染料、安定剤、崩壊剤、乾燥剤、乳白剤、増粘剤、ワックス、可塑剤、芳香剤、甘味剤、透過率低減性補助剤等であり得る。
この点での実施形態は、例えば、Fiedler, H. P. Lexikon der Hilfsstoffe fur Pharmazie, Kosmetik und angrenzende Gebiete [Lexicon of auxiliaries for pharmacy, cosmetics and relates fields(製薬、化粧品及び関連の分野用補助剤の目録)], 4th edition, Aulendorf: ECV-Editio-Cantor-Verlag, 1996に記載されている、専門家知識をベースとしたものである。
特に適している可塑剤は、例えば、トリエチルシトラート、トリブチルシトラート、トリアセチン、アセチルトリエチルシトラート、ラブラソール、グリコフロール、ポリプロピレングリコール400である。
このフィルムコーティングの透過率は、無機固形物(例えばタルク、カオリン、二酸化チタンのような顔料)又は脂、ワックス、グリセリド、例えばステアリン酸のような脂肪酸、例えばステアリルアルコールのような脂肪アルコール等の疎水有機固形物を組み込むことによってさらに低下され得る。
この味マスク用コーティングの層厚みは、1μm〜100μm、好ましくは2〜60μm、特に好ましくは5〜40μmである。
活性成分とコーティングとの間に相溶性がない場合は、いわゆるサブコーティングがコアと味マスク用コーティングとの間に塗布され得る。これにより、活性成分と味マスク用コーティングとの直接接触が回避される。そのような不相溶性は、例えば酸性活性成分がコーティング内の塩基性ポリマーと塩形成に入ることから、あるいは活性成分がコーティングの中に透過して可塑剤として作用することから起こり得る。サブコーティングに適しているポリマーは、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール−ポリエチレングリコールグラフトコポリマー(Kollicoat IR)、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマー、ゼラチン、マルトデキストリン、ポロキサマー、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース等の水溶解性ポリマーである。このサブコーティングは、また、可塑剤、顔料、安定剤、界面活性剤のようなフィルムコーティングのための慣用の補助剤、さらには、少量の、不水溶性ポリマーも含んでいることがあり得る。
サブコーティングの層厚みは、0.5μm〜50μm、好ましくは1〜30μm、特に好ましくは2〜20μmである。
以下の、非限定的実施例を参照にして、本発明を説明する。
(実施例1:ポリマーディスパージョンの調製)
初期仕込み:
481.75kgの脱塩水
5.59kgの約20エチレンオキシドユニットを有するC16−/C18−アルキルポリグリコールエーテル(医薬等級、10%濃度水溶液)
4.58kgのナトリウムラウリルスルファートGMP(15%濃度水溶液)
添加1:
14.60kgの脱塩水
0.38kgの過硫酸ナトリウム
フィード1:
248.52kgの脱塩水
86.43kgの約20エチレンオキシドユニットを有するC16−/C18−アルキルポリグリコールエーテル(医薬等級、10%濃度水溶液)
71.38kgのナトリウムラウリルスルファートGMP(15%濃度水溶液)
フィード2:
172.00kgのジエチルアミノエチルメタクリラート
258.00kgのメチルメタクリラート
フィード3:
153.09kgの脱塩水
3.92kgの過硫酸ナトリウム
適当な技術手段(アセトンで濯ぎ洗い及び/又はブロー乾燥)により、フィードタンク(フィード2)がおおむね無水であることを確実なものにした。添加1及びフィード3は、直前に、すなわち重合の開始、1時間前に、新しく調製した(固体過硫酸ナトリウムを脱塩水に溶解)ものである。この実験の開始の前には動的ミキサー(MegatronmT 3−61、Kinematica AG)は水で満たされている。
ポリマーディスパージョンと接触する重合反応器(タンク容積約2050l)及びすべての配管を実験の開始の前に3%濃度水酸化ナトリウム水溶液で濯ぎ洗いする。重合反応器をこの後初期仕込みで満たす。反応の開始の前に初期仕込みを真空にして、いったん5barの窒素でガス充満させ、もう一度真空にして、窒素で大気圧までもっていく。初期仕込みをこの後撹拌しながら75℃の反応温度まで加熱する。70℃の内部温度に達したら、添加1を2分の間に加える。
フィード1及び2を動的ミキサー(回転速度設定5000rpm)を介して反応器に計量投入し、フィード3を、動的ミキサーと重合反応器との間の配管区間内に位置している静的ミキサーを介して反応器に計量投入する。
フィード1をフィード2及び3の直前に開始する。フィード1の添加は1.75時間の間に、フィード2の添加は1.50時間の間に、フィード3の添加は3.75時間の間に行う。
フィード3が完了したら、その混合物をそのままさらに2時間撹拌しながら75℃で後重合に付す。この反応混合物をこの後室温まで冷却させ、その固形物含有量並びにpHを測定する。実施例1、及び後述の各実施例2〜6ではその重合の間(より具体的には:各モノマーの添加の間)のpHは、常に8.0より高かった。K値は、すべての実施例に対して、NMP中1%濃度として測定した。
Figure 2012528819
このディスパージョンをこの後遠心分離し、以下のパラメーターを測定した:
Figure 2012528819
(実施例2)
手順は実施例1にあるのと同じであるが、フィード3には2.2kgのみの過硫酸ナトリウム、及びフィード2にはさらなる0.4kgのエチルヘキシルチオグリコラートを用いた。
Figure 2012528819
このディスパージョンをこの後遠心分離し、以下のパラメーターを測定した:
Figure 2012528819
(実施例3)
手順は実施例1にあるのと同じであるが、フィード2には193.5kgのジエチルアミノエチルメタクリラート及び236.5kgのメチルメタクリラートを用いた。
Figure 2012528819
このディスパージョンをこの後遠心分離し、以下のパラメーターを測定した:
Figure 2012528819
(実施例4)
初期仕込み:
378.24kgの脱塩水
5.59kgの約20エチレンオキシドユニットを有するC16−/C18−アルキルポリグリコールエーテル(医薬等級、10%濃度水溶液)
4.58kgのナトリウムラウリルスルファートGMP(15%濃度水溶液)
添加1:
14.60kgの脱塩水
0.38kgの過硫酸ナトリウム
フィード1:
352.03kgの脱塩水
86.43kgの約20エチレンオキシドユニットを有するC16−/C18−アルキルポリグリコールエーテル(医薬等級、10%濃度水溶液)
71.38kgのナトリウムラウリルスルファートGMP(15%濃度水溶液)
フィード2:
172.00kgのジエチルアミノエチルメタクリラート
258.00kgのメチルメタクリラート
フィード3:
153.09kgの脱塩水
3.92kgの過硫酸ナトリウム
ポリマーディスパージョンと接触する重合反応器(タンク容積約2050l)及びすべての配管を実験の開始の前に3%濃度水酸化ナトリウム水溶液で濯ぎ洗いする。重合反応器をこの後初期仕込みで満たす。
反応の開始の前に初期仕込みを真空にして、いったん5barの窒素でガス充満させ、もう一度真空にして、窒素で大気圧までもっていく。初期仕込みをこの後撹拌しながら75℃の反応温度まで加熱する。70℃の内部温度に達したら、添加1を2分の間に加える。
フィード1及び2を動的ミキサー(回転速度設定5000rpm)を介して反応器に計量投入し、フィード3を、動的ミキサーと重合反応器との間の配管区間内に位置している静的ミキサーを介して反応器に計量投入する。
フィード1をフィード2及び3の直前に開始する。フィード1の添加は1.75時間の間に、フィード2の添加は1.50時間の間に、フィード3の添加は3.75時間の間に行う。
フィード3が完了したら、その混合物をそのままさらに2時間撹拌しながら75℃で後重合に付す。この反応混合物をこの後室温まで冷却させ、その固形物含有量並びにpHを測定する。
Figure 2012528819
このディスパージョンをこの後遠心分離し、以下のパラメーターを測定した:
Figure 2012528819
(実施例5)
手順は実施例4にあるのと同じであるが、添加1及びフィード3には過硫酸ナトリウムの代わりに過硫酸カリウムを用いる。
Figure 2012528819
このディスパージョンをこの後遠心分離し、以下のパラメーターを測定した:
Figure 2012528819
(実施例6)
手順は実施例4にあるのと同じであるが、添加1及びフィード3には過硫酸ナトリウムの代わりに過硫酸アンモニウムを用い、そしてpHは、各場合、NaOH水溶液を用いてpH9に調整する。
Figure 2012528819
このディスパージョンをこの後遠心分離し、以下のパラメーターを測定した:
Figure 2012528819
上述した実施例の1つの変形態様で、当然、30重量%とは異なる固形分含有量のディスパージョンも調製され得る。この目的を達成するためには、例えば、脱塩水が
a)初期仕込みに、及び/又は
b)フィード1に、及び/又は
c)フィード3に
加えられ得るか(より低い固形分含有量を目指して)、又は、それが除去され得る(より高い固形分含有量を目指して)。
もう1つの実施形態では、例えば初期仕込みの水が、フィード1及び/又はフィード3に加えられ得るが、この場合は、その固形分含有量は変わらない。この再配分は、しかしながら、初期仕込み及び/又はフィード1及び/又はフィード3から除去された水を、その全体又は一部分を、新規なフィード(フィード4)に加え、フィード4をこの後、連続的に又は一度に全部を、重合に平行して、重合の後期に、又は重合の後に加えることによっても行われ得る。これは、例えば、利用可能なタンクサイズに処方を適応させて、例えばフィード1の過剰充填及び/又はトップアップを回避するのに役立ち得る。
当然、初期仕込みのアニオン性及び/又は非イオン性乳化剤がフィード1に(又はその逆)加えられるように、実施例に開示されている初期仕込み及びフィード1に対する乳化剤配分を変えることが有利であり得る。当然、初期仕込み及び/又はフィード1のアニオン性及び/又は非イオン性乳化剤がさらなるフィード4(上記参照)にも加えられ得る。このような方策のすべてにおいて、乳化剤の全体量は、好ましくは、変わらないままである。
当然、フィード1及び/又はフィード2及び/又はフィード3が一定の速度で計量投入されずに、非一定の速度で導入されるのも有利であり得る。例えば、開始剤フィードは、重合期の間中は(すなわちフィード2の添加の間中は)、フィード2が完了した後の速度よりも速い速度で計量投入され得る。
投与形態のコーティング
(実施例7)
コートイブプロフェンミニペレット
ペレットの組成
Figure 2012528819
ペレットサイズ 100〜300μm
サブコーティング:
後に記載される味マスク用コーティングスプレー条件下で、イブプロフェンミニペレットに、サブコーティングとして、5重量%のKollicoat(登録商標)IR(ポリビニルアルコール−ポリエチレングリコールグラフトコポリマー、PVAl/PEG75/25、平均分子量45,000)及び5重量%のタルクの水性調製物を塗布した。塗布量は、用いたペレットの量を基準にして、4重量%であった。
スプレー処方の組成
Figure 2012528819
可塑剤トリアセチンをポリマーディスパージョンに加え、撹拌したままにしておいた。タルクを水にスラリー化し、高剪断ミキサーによりホモジナイズした。両調製物を、この後、混合した。
コーティングパラメーター
コーティングは、Glatt製「Glatt GPCG 3.1」流動床式粒状化装置で行った。
Figure 2012528819
タブレットを得るためのタブレット化
すべての成分をミキサーで10分間混合し、ロータリープレス機で圧縮成型して、タブレットを得た。
Figure 2012528819
)90重量%のD−マンニトール、5重量%のKollicoat(登録商標)SR30D(ポリ酢酸ビニル/ポリビニルピイロリドン/ナトリウムラウリルスルファート90/10/0.1)、5重量%のクロスポビドンの凝集体
集塊体の粒子サイズは、150〜200μmである。
タブレット及びペレットの物性:
崩壊強度:48N
放出、ペレット、パドル、50rpm、37℃、1000ml、初期重量244mg
Figure 2012528819
タブレット:
パドル、50rpm、37℃、1000ml
Figure 2012528819
タブレットの崩壊:
崩壊試験機Erweka型式ZT74、37℃
Figure 2012528819
(実施例8)
コートカフェインペレット
ペレットの組成
Figure 2012528819
押出により調製、ペレットサイズ200〜500μm
スプレー処方の組成
Figure 2012528819
可塑剤アセチルトリエチルシトラートを直接カチオンポリマーディスパージョンに加え、撹拌したままにしておいた。タルク及び酸化鉄イエローを水にスラリー化し、Ultraturraxによりホモジナイズした。両方の相を、この後、その顔料懸濁液をそのポリマーディスパージョンに加えることによって混合した。
コーティングパラメーター:
コーティングは、Glatt製「Glatt GPCG 3.1」流動床式粒状化装置で行った。
その設定からは以下の条件が設定された及び/又はもたらされた:
Figure 2012528819
タブレットを得るためのタブレット化
すべての成分をミキサーで10分間混合し、ロータリープレス機で圧縮成型して、タブレットを得た。
Figure 2012528819
タブレット及びペレット物性:
タブレットの崩壊強度:45N
放出、ペレット、パドル、50rpm、37℃、1000ml、初期重量115mg
Figure 2012528819
タブレット:
パドル、50rpm、37℃、1000ml
Figure 2012528819
タブレットの崩壊:
崩壊試験機Erweka型式ZT74、37℃
Figure 2012528819
(実施例9:コート硫酸キニーネミニペレット)
ペレットの組成
Figure 2012528819
スプレー処方の組成
Figure 2012528819
可塑剤トリアセチンを直接ポリマーディスパージョンに加え、撹拌したままにしておいた。タルク及びインディゴチンレーキを水にスラリー化し、Ultraturraxによりホモジナイズした。両調製物を、この後、その顔料懸濁液をそのポリマーディスパージョンに加えることによって混合した。
コーティングパラメーター:
コーティングは、Glatt製「Glatt GPCG 3.1」流動床式粒状化装置で行った。
その設定からは以下の条件が設定された及び/又は生じた:
Figure 2012528819
タブレットを得るためのタブレット化
すべての成分をミキサーで10分間混合し、ロータリープレス機で圧縮成型してタブレットを得た。
Figure 2012528819
タブレット及びペレット物性:
タブレットの崩壊強度:43N
放出、ペレット、パドル、50rpm、37℃、1000ml、初期重量120mg
Figure 2012528819
タブレット:
パドル、50rpm、37℃、1000ml
Figure 2012528819
タブレットの崩壊:
崩壊試験機Erweka型式ZT74、37℃
Figure 2012528819
(比較例)
実施例9に同じく、同じ塗布量の以下の各製品:
Opadry(登録商標)TM
Eudragit(登録商標)EPO
Eudragit(登録商標)RL 30 D
エチルセルロース
で硫酸キニーネミニペレットをコートした。
このコートペレットを同じように圧縮成型してタブレットを得、分析したが、タブレットの味試験を付加的に行った。その味を測定するのには、舌を使ってペレット又はタブレットを口の中でゆっくり5分間動かした。
結果:
Figure 2012528819
特にタブレット形態である各製品Opadry TM、Eudragit EPO、Eudragit RL 30 D及びエチルセルロースでは苦い味がすることが見出された。ペレットに比較してのこのより苦い味は、タブレット化の際のコーティングの不安定性によるものである。
それにひきかえ、本発明によるポリマーディスパージョンでは苦い味はしなかった。

Claims (8)

  1. 味をマスクするための、ポリマーのコーティングが設けられている味マスク活性成分の口腔内崩壊性投薬形態であって、そのポリマーが、その中に重合されているN,N−ジエチルアミノエチルメタクリラート(DEAEMA)を含み、口腔内崩壊性マトリックスの中に味マスク活性成分が包埋されている、前記口腔内崩壊性投薬形態。
  2. 味マスク用コーティングが、中に重合されているモノマーとして、
    ・重合に用いたモノマーの全体重量を基準にして、43〜47重量%のN,N−ジエチルアミノエチルメタクリラートa)、及び
    ・重合に用いたモノマーの全体重量を基準にして、53〜57重量%の少なくとも1種の化合物b)
    のみを含んでいるポリマーである、請求項1に記載の投薬形態。
  3. 糖及びゼラチンをベースとするマトリックスを含んでいる、請求項1又は2に記載の投薬形態。
  4. 糖もしくは糖アルコール又はこれらの混合物をベースとするマトリックスを含んでいる、請求項1〜3のいずれかに記載の投薬形態。
  5. マトリックスが、崩壊剤を含んでいる、請求項1〜4のいずれかに記載の投薬形態。
  6. マトリックスが、架橋ポリビニルピロリドン(クロスポビドン)、クロスカルメロース、及び架橋カルボキシメチルセルロースからなる群からの崩壊剤である、請求項1〜5のいずれかに記載の投薬形態。
  7. マトリックスが、難水溶性のポリマーを含んでいる、請求項1〜6のいずれかに記載の投薬形態。
  8. マトリックスが、マトリックス成分として、
    a)60〜98重量%の少なくとも1種の糖もしくは糖アルコール又はこれらの混合物、
    b)1〜25重量%の崩壊剤、
    c)1〜15重量%の不水溶性ポリマー、
    d)0〜15重量%の水溶性ポリマー、及び
    e)0〜15重量%のさらなる補助剤、
    (ここで、成分a)〜e)の合計は、100重量%である)
    の共加工混合物を含んでいる、請求項1〜7のいずれかに記載の投薬形態。
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