JP2012517025A - 耐久性及び耐熱性に優れた偏光素子、偏光板、画像表示装置 - Google Patents

耐久性及び耐熱性に優れた偏光素子、偏光板、画像表示装置 Download PDF

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Abstract

本発明は、偏光素子中の亜鉛、ホウ素及びヨウ素含量が特定の範囲に制御された耐久性及び耐熱性に優れた偏光素子、偏光板、画像表示装置に関する。本発明の一見地によると、偏光素子の表面から中心への深さ(D)0≦D≦200nmの全地点における亜鉛含量(重量%)xホウ素含量(重量%)/ヨウ素含量(重量%)の値が0.1〜3.0である偏光素子、このような偏光素子を含む偏光板及び画像表示装置が提供される。本発明の一具現による偏光素子、偏光板及び画層表示装置は初期直交透過度及び色相が保持され、高温条件下でも透過度、偏光度及び色相が保持される優れた耐久性及び耐熱性を示す。
【選択図】なし

Description

本発明は耐久性及び耐熱性に優れた偏光素子、偏光板、画像表示装置に関し、より詳細には偏光素子における亜鉛、ホウ素及びヨウ素の含量が特定の範囲に制御された耐久性及び耐熱性に優れた偏光素子、偏光板、画像表示装置に関する。
偏光板は液晶表示装置、有機発光(EL)表示装置、PDP(プラズマディスプレイパネル)などの画像表示装置に用いられるもので、色再現性に優れた画像を提供するために高い透過率及び偏光度を兼備することが求められる。このような偏光板は、従来ポリビニルアルコール系フィルムを二色性ヨウ素又は二色性染料等を使用して染色、架橋した後、一軸延伸等の方法により配向して製造された。
最近、偏光板を使用する画像表示装置はテレビ、モニター、自動車計器盤、コンピューター、ノート型コンピューター、PDA、電話機、オーディオ/ビデオ機器、各種事務用及び工業用機械の表示板に用いられている。このように画像表示装置の使用領域が拡大されるにつれ、高温、高湿等の苛酷な条件において、長期間使用することが多くなった。従って、このような苛酷な環境で偏光板本来の機能をうまく発揮できるように優れた耐久性及び耐熱性が必要とされる。
従来の偏光板の耐久性は、ポリビニルアルコール系フィルム自体を改質するか、及び/又は昇華性のヨウ素系偏光素子の代わりに非昇華性二色性染料を使用する方法により改善されて来た。しかし、ポリビニルアルコール系(以下、「PVA」とする)フィルム自体を改質する方法では、ヨウ素又は二色性染料が高分子マトリックスに充分に吸着されないため、偏光度が低くなったり、マトリックスの改質により透過度が落ちるという問題が発生し得る。非昇華性染料を使用する方法では、PVAフィルムを延伸する際、配向調節が難しくて充分な偏光度が得られないという問題がある。
本発明は、優れた耐久性及び耐熱性を示す偏光素子を提供するものである。
本発明は、優れた耐久性及び耐熱性を示す偏光素子を含む偏光板及び画像表示装置を提供するものである。
本発明の一見地によると、偏光素子の表面から中心への深さ(D)0≦D≦200nmの全地点における亜鉛含量(重量%)xホウ素含量(重量%)/ヨウ素含量(重量%)の値が0.1〜3.0である偏光素子が提供される。
本発明の他の見地によると、本発明の一具現による偏光素子を含む偏光板が提供される。
本発明のさらに他の見地によると、本発明の一具現による偏光素子又は偏光板を含む画像表示装置が提供される。
偏光素子の表面だけではなく、偏光素子の一定の深さ、具体的には、偏光素子の表面から中心への深さ(D)0≦D≦200nmの全地点におけるZn含量(重量%)xB含量(重量%)/I含量を0.1以上、3.0以下に制御することで、偏光素子、これを含む偏光板及び画像表示装置は優れた初期直交透過度及び色相を示し、このような特性が保持される上、高温条件で放置される場合にも初期の優れた透過度、偏光度及び色相が保持される優れた耐久性及び耐熱性を示す。
本発明者らは、耐久性及び耐熱性に優れた偏光素子及び偏光板に対する研究結果、偏光素子中の亜鉛、ホウ素、ヨウ素の特定の含量関係が耐熱性及び耐久性と非常に密接な相関関係にあり、偏光素子の耐久性及び耐熱性を向上させるために偏光素子中の亜鉛含量自体よりは亜鉛、ホウ素及びヨウ素の特定の含量関係を制御することで、偏光素子の耐久性及び耐熱性が著しく向上することを見出した。
偏光素子のうち架橋剤として使用されるホウ酸、ホウ酸塩又はホウ砂は水溶液中でヒドロキシ基(OH)を発生させ、これによりポリビニルアルコール系樹脂(以下、「PVA」という)が架橋される。また、ヨウ素がI 、I で存在するポリヨウ素はPVAとホウ素供与物質による架橋網状構造の間に挿入される。従って、架橋剤であるホウ素供与物質の含量が多くなるほど、PVA−ポリヨウ素の間の網状構造がより堅固となり、延伸した後、PVA及びポリヨウ素の変形、ポリヨウ素の分解(degradation)及び/又は昇華が抑制されて耐熱性が向上するものと思われる。しかし、ホウ素(B)の含量が無限大に多くなっても耐熱特性が無限大に優れるようにはならず、ホウ素を使用し過ぎると、初期直交光学物性が脆弱となる副作用が発生する。また、ホウ素の含量が少な過ぎると、初期直交特性だけではなく、耐熱性も脆弱となる。
これとともに、偏光素子中に含有されているIの含量が多いと、高温で下記反応式1の正反応が加速化され、高温条件で放置された後の色相変化及び偏光度の低下する可能性がある。
[反応式1]
+I →I+I +I
また、亜鉛を添加することで、偏光素子の耐熱性を改善するが、亜鉛が適量を超えて添加されると、偏光素子の初期光学物性が脆弱となる。従って、偏光素子中の亜鉛含量は偏光素子の初期光学物性と耐久性及び耐熱性の制御の側面から適量に制御されなければならない。
このように、偏光素子中の亜鉛、ホウ素及びヨウ素含量はそれぞれ偏光素子中の初期光学物性、高温条件における耐熱性及び耐久性に係るもので、偏光素子中のこれら成分含量が特定の関係式を満たすように制御することで、偏光素子が初期色相及び偏光度等の優れた初期光学物性を示すだけでなく、高温条件下で放置する場合にも初期の優れた光学物性の変化が最小化される優れた耐久性及び耐熱性を示す。従って、本発明は偏光素子のこのような特性を考慮し、特定の関係式で偏光素子中の亜鉛、ホウ素及びヨウ素の含量関係が特性の範囲を満たすように制御される。
上記のような研究結果により、本発明の一具現において、偏光素子の表面から中心への深さ(D)0≦D≦200nmの全地点におけるZn含量(重量%)xB含量(重量%)/I含量(重量%)の値が0.1〜3.0である偏光素子が提供される。
偏光素子は、一般的にポリビニルアルコール系フィルムで製造され、具体的には、ポリビニルアルコール系樹脂又はその誘導体からなるフィルムが使用される。ポリビニルアルコール系樹脂誘導体としては、この技術分野で一般的に知られている如何なるものも使用することができる。これに限定されないが、例えば、不飽和カルボン酸又はその誘導体、不飽和スルホン酸又はその誘導体、エチレン、プロピレン等のオレフィン等と共重合した変性ポリビニルアルコール系樹脂等を使用することができる。
偏光素子の厚さは一般的に20μm〜34μmの範囲であり、本発明の一具現による偏光素子は耐熱性だけではなく、優れた初期色相及び偏光度を示すように偏光素子の表面から中心への深さ(D)0≦D≦200nmの全地点におけるZnxB/I値が0.1以上、3.0以下であることを特徴とする。深さ(D)=0は偏光素子の表面である。
偏光素子の全地点における亜鉛、ホウ素及びヨウ素成分の含量を分析した結果、耐熱性に優れない偏光素子はZnが主に偏光素子の表面のみに集中的に浸透しており、偏光素子の表面で非常に大きいZnxB/I値を示すが、偏光素子の表面から中心への深さ(D)200nmに至るまでは、大きいZnxB/I値が保持されない。即ち、従来の偏光素子は過量の亜鉛が表面に集中しているため、配向されているヨウ素の偏光が崩れ、これにより初期光学物性が低下する。また、従来の、亜鉛が表面のみに集中している偏光素子は制限された領域でのみ亜鉛がヨウ素及びホウ素と反応するため、より広領域で亜鉛がヨウ素及びホウ素と反応できる偏光素子より、悪い耐熱性を示す。
これと異なって、本発明の一具現による、偏光素子の表面から中心への深さ(D)0≦D≦200nmに至るまで0.1≦ZnxB/I≦3.0の値を有する偏光素子は、より広領域で亜鉛塩がホウ素成分と反応し、例えば、ホウ酸亜鉛(zinc borate)を形成すると推定される。このように形成されたホウ酸亜鉛は外部から供給された熱を吸収及び/または遮断して上記反応式1によるヨウ素の反応を抑制する。よって、本発明による偏光素子の耐熱性が改善されるものと思われる。
このように、偏光素子における亜鉛、ホウ素及びヨウ素の特定の含量関係は偏光素子の耐熱性と非常に密接な相関関係にあり、偏光素子の表面から中心への深さ(D)0≦D≦200nmの全地点におけるZnxB/I値が0.1以上の偏光素子は優れた初期直交透過度を示し、色相が保持され、高温条件下でも透過度、偏光度及び色相が保持される優れた耐久性及び耐熱性を示す。ZnxB/I値が3.0を超えると、初期光学物性が脆弱となる。より具体的には、ZnxB/I値が3.0を超えるとは、偏光素子中のZn含量が過度に多いか、I含量が過度に少ないことを意味する。一方、偏光素子中のZn含量が多いか、I含量が少ないと、初期光学物性が脆弱となる。従って、本発明による偏光素子では0≦D≦200nmの全地点におけるZnxB/I値が0.1〜3.0に制御される。
偏光素子の表面から中心に深さ(D)0≦D≦200nmの全地点におけるZnxB/I値はESCA法により測定されたものである。光電子分光器(XPS又はESCA)ESCALAB 250(Vg)を使用してESCA法により偏光素子中のZnxB/I値、亜鉛、ホウ素及びヨウ素の含量を得る。具体的には、偏光素子の表面から中心への深さ(D)0≦D≦200nm(即ち、表面から200nm深さまで)の全地点におけるZnxB/I値は偏光素子を0.1nm/secで、最大200nm深さまで、2000秒間エッチングし、ESCA(Electron Spectroscopy of Chemical Analysis)分析法で分析して得る。
一方、本発明の一具現において、ZnxB/I値は各々亜鉛、ホウ素及びヨウ素の重量で計算したが、実際、偏光素子の全地点における亜鉛、ホウ素及びヨウ素の原子%(at%)を測定し、これから各元素成分の重量に換算して計算したものである。
本発明の一具現による偏光素子は、上記のZnxB/I値の範囲を満たすよう下記のような方法により製造されることができる。
偏光素子は一般的に延伸されないポリビニルアルコール系(PVA)フィルムを染色、架橋、延伸、水洗及び乾燥して製造する。但し、染色、架橋、延伸段階は個別的に、又は同時に行われることができ、各段階が行われる順序も可変的で、反応段階の順序は固定されない。
染色段階はポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素又は染料を染色する工程であって、二色性を有するヨウ素分子又は染料をポリビニルアルコール系樹脂フィルムに染着させる段階である。
上記ヨウ素分子又は染料分子は、偏光板の延伸方向に振動する光は吸収し、 延伸方向に対して垂直方向に振動する光は透過させることで、特定の振動方向を有する偏光が得られるようにする。
一般的に染色はポリビニルアルコール系樹脂フィルムをヨウ素溶液に含浸させることで行う。本発明による偏光素子を製造するにおいて、染色段階はヨウ素濃度が0.05〜0.2重量%、ヨウ化カリウム濃度が0.2〜1.5重量%、温度が20〜40℃、好ましくは20〜35℃の染色水溶液にポリビニルアルコール系フィルムを150秒〜300秒間浸漬することで行う。
上記染色段階における染色水溶液のヨウ素濃度が0.05重量%未満では、偏光素子の透過度が高くなりすぎるため、好ましくない。また、0.2重量%を超えると、偏光素子の透過度が低くなりすぎるため、好ましくない。また、ヨウ化カリウム濃度が0.2重量%未満では、ヨウ素の溶解補助剤として使用されるヨウ化カリウムの量が不充分でヨウ素が適切に溶解されず、1.5重量%を超えると、ヨウ化カリウム自体の水に対する溶解度の問題と、これにより異物が発生し得るため、好ましくない。ヨウ素水溶液の温度が20℃未満では、ヨウ素及びヨウ化カリウムの水に対する溶解度が脆弱となり、PVAフィルムに対する染色(染着)速度が遅くなるため、好ましくない。また、40℃を超えると、高温によりヨウ素が昇華することがあるため、好ましくない。一方、上記染色水溶液に対するポリビニルアルコール系フィルムが充分に染着されるよう150秒以上浸漬することが好ましい。また、偏光素子の透過度の側面から300秒以下浸漬することが好ましい。
架橋段階ではホウ酸、ホウ酸塩、ホウ砂で構成されるグループから選択された少なくとも1種のホウ素供与物質により、水溶液で発生するヒドロキシ基(OH)により上記ヨウ素分子又は染料分子がポリビニルアルコール系フィルムの高分子マトリックスに吸着される。ヨウ素分子や染料分子が高分子マトリックスにうまく吸着されないと、偏光度が低下し偏光板が本来の役割を行うことができない。
架橋はポリビニルアルコール系フィルムをホウ素成分供与物質を含む架橋水溶液に浸積させることで行う浸積法が一般的に使用されるが、PVAフィルムに架橋水溶液を噴射又は塗布して行うこともできる。
本発明による偏光素子を製造するにおいて、上記架橋段階はホウ素濃度が0.36 重量%〜0.83重量%、ヨウ化カリウムの濃度が4 重量%〜7重量%で、温度が15℃〜60℃の架橋水溶液にPVAフィルムを30秒〜120秒間浸漬することで行う。
上記架橋段階における架橋水溶液のホウ素濃度が0.36重量%未満では、PVAフィルムを充分に架橋させることができず、初期光学物性及び耐久性が脆弱となるため、好ましくない。また、0.83重量%を超えると、水に対する溶解度が低くなるため、好ましくない。これに限定されないが、例えば、ホウ素成分供与物質としてはホウ酸、ホウ酸塩及びホウ砂で構成されるグループから選択された少なくとも一種以上を使用することができる。
また、上記架橋段階では上記架橋水溶液にヨウ化カリウムなどを添加することで、上記架橋水溶液にヨウ素イオンを含ませることもできる。このようにヨウ素イオンが含有された架橋水溶液を使用すると、少ない着色を有する偏光子、即ち、可視光の全波長領域に対し、略一定の吸光度を提供するニュートラルグレー偏光素子を得ることができる。適切なニュートラルグレーが具現できるように架橋水溶液中のヨウ化カリウムの濃度が4重量%以上であることが好ましい。一方、ヨウ化カリウムの濃度が7重量%を超えると、ヨウ化カリウムにより過量のIが提供され、偏光素子に含有されている過量のIにより高温で上記反応式1の正反応が加速化され、高温で放置した後の色相変化及び偏光度の低下が引き起こされる。
架橋水溶液の温度が15℃未満ではホウ素成分供与物質が充分に溶解されず、60℃を超えると、高温によりフィルムにホウ素成分供与物質が流入され、架橋反応よりもフィルムからホウ素成分供与物質が溶出される反応が多く行われるため、適切な架橋反応が起きない。
一方、上記架橋水溶液に対するポリビニルアルコール系フィルム又は染色されたポリビニルアルコール系フィルムの浸漬時間が30秒未満ではPVAフィルムの深さ方向にホウ素成分供与物質が充分に浸透できないため、適切に架橋されず、120秒を超えると、PVAフィルムへの過度なホウ素成分供与物質の流入により架橋が過度に行われ、偏光素子の初期光学物性が脆弱となる。
延伸段階とはフィルムの高分子が一定の方向に配向されるようにフィルムを一軸に引き伸ばすことである。延伸によりヨウ素分子又は染料分子が延伸方向に並んで配列されてヨウ素分子(I)又は染料分子が二色性を示すため、延伸方向に振動する光は吸収し、延伸方向に対して垂直方向に振動する光は透過する機能を有するようになる。
延伸方法には湿式延伸法と乾式延伸法に分かれ、乾式延伸法はロ−ル間(inter−roll)延伸方法、加熱ロール(heating roll)延伸方法、圧縮延伸方法、テンター(tenter)延伸方法などを、湿式延伸方法はテンター延伸方法、ロ−ル間延伸方法などを使用することができる。
本発明において、延伸方法は特に制限されず、この技術分野で知られている如何なる延伸方法も使用することができる。上記湿式延伸法と乾式延伸法を全て用いることができ、必要に応じて、これらを組み合わせて用いることもできる。
延伸は4倍〜6倍の延伸比率で行うことが好ましい。延伸比率が4倍未満ではPVAフィルムの延伸が不充分で、6倍を超えると、過度な延伸によりPVAフィルムが破断されたり、PVA分子の配向がずれ、結果的にヨウ素イオン種の配向が脆弱となって初期光学物性が悪くなる。
上記延伸工程は上記染色工程又は架橋工程と同時に、又は別途に行われることができる。また、湿式延伸を別途に行う場合、延伸浴の温度は35℃〜60℃、好ましくは40℃〜60℃であることができる。延伸浴の温度はPVAフィルムの円滑な延伸、延伸工程の効率、延伸中のフィルム破断防止などの側面から35℃〜60℃にすることが好ましい。
延伸工程が染色工程と同時に行われる場合、上記延伸工程は染色水溶液内で行われることが好ましい。延伸工程が架橋工程と同時に行われる場合は架橋水溶液内で行われることが好ましい。
また、染色工程、架橋工程、又は後述する亜鉛塩処理工程と延伸工程が同時に行われる場合、水溶液の温度は同時に行われる工程温度と重複するさらに狭い温度条件で行うことが好ましい。例えば、架橋工程と湿式延伸工程が同時に行われる場合は、延伸工程の延伸浴の水溶液温度で架橋及び延伸を行うことができる。
一方、延伸が他の工程とともに行われる場合、様々な工程条件のうち、特に円滑に行いたい工程があるときには該当工程の条件に従ってもよい。延伸時間は特に限定されず、染色、架橋、別途の亜鉛塩処理、又は別途のリン酸化合物処理工程とともに行われる場合、上記染色、架橋、別途の亜鉛塩処理、又は別途のリン酸化合物処理工程の時間範囲で行うこともできる。湿式延伸工程を別途に行う場合は、特に限定されないが、PVAフィルムの配向性、偏光素子の光学的特性及び工程効率などを考慮し、60秒〜120秒の範囲で延伸することができる。
一方、本発明による偏光素子中の亜鉛含量は上記染色段階、架橋段階、湿式延伸段階及び別途の亜鉛塩処理段階のうち少なくとも1つ以上の段階に亜鉛塩を添加し、ホウ素及びヨウ素の含量と関わり、偏光素子中の深さ(D)0≦D≦200nmの全地点におけるZnxB/I値が0.1以上、3.0以下となるように調節することができる。亜鉛塩は上記染色段階、架橋段階、湿式延伸段階及び別途の亜鉛塩処理段階のうち少なくとも1つの段階の何れかの段階で投入されても構わず、複数の段階で添加されることがより好ましい。
水溶液における亜鉛塩の含量は水溶液の重量を基準として0.4重量%〜7.0重量%、好ましくは0.5〜6.5重量%、より好ましくは0.5〜3.0重量%であることができる。亜鉛塩の含量が0.4重量%未満では耐久性の向上効果が微々たるものであり、7重量%を超えると、溶解度の問題などにより偏光素子の表面に異物が発生することがあるため、好ましくない。亜鉛塩が2以上の工程に添加される場合も、各工程の水溶液の0.4重量%〜7重量%添加されることができる。
上記亜鉛塩処理を染色、架橋又は湿式延伸工程とともに行う場合には、染色、架橋又は湿式延伸工程の条件(水溶液温度及び浸漬時間)で行うことができる。
また、亜鉛塩を別途の工程で処理する場合、別途の亜鉛塩処理工程は水洗段階前の如何なる段階で行うことができるが、水洗段階の直前段階で行うことが最も効果的である。別途の亜鉛塩処理工程を行う場合、特に、水洗段階の直前段階で亜鉛塩処理段階を別途の工程で行う場合はこれに限定されないが、例えば、亜鉛塩の溶解度、偏光素子に対する亜鉛塩の浸透性、工程効率及び偏光素子の光学的特性を考慮し、15℃〜40℃の亜鉛塩水溶液にPVAフィルムを20〜60秒間浸漬して行うことができる。
上記亜鉛塩としては塩化亜鉛、ヨウ化亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、酢酸亜鉛などを単独で、又は2種以上の混合物で使用することができる。
亜鉛塩は各段階で予め作られた水溶液(例えば、染色段階のヨウ素及びヨウ化カリウム水溶液、架橋段階の架橋水溶液)に添加されるか、又は各段階の水溶液の製造時に添加されることができる。また、上記亜鉛塩はヨウ素、ヨウ化カリウム及び/又はホウ素成分供与物質とともに添加されることもできる。
染色水溶液及び/又は架橋水溶液に亜鉛塩が添加され、染色段階及び/又は架橋段階で偏光素子に亜鉛塩が付与されるように処理される場合、上記した染色水溶液及び/又は架橋水溶液の温度範囲で温度が高くなるほど、亜鉛塩が偏光フィルムの表面から偏光素子のより深い部分(厚さ方向に)にさらに多く拡散し、200nm深さ方向により深く浸透することができる。
水洗段階は25〜30℃のイオン交換水、蒸留水などの純水に染色、架橋及び延伸されたポリビニルアルコール系フィルムを10〜30秒間浸漬することで行う。純水の温度が25℃未満では、異物の溶解及び除去が微々たるものであるため、好ましくない。また、30℃を超えると、PVAフィルムからのホウ素、カリウム、亜鉛、リンなどが過度に溶出するため、好ましくない。純水に対するポリビニルアルコール系フィルムの浸漬時間が10秒未満では水洗効果が微々たるもので、30秒を超えると、PVAフィルムからホウ素、カリウム、亜鉛、リンなどが過度に溶出するため、好ましくない。
水洗は染色、架橋及び延伸段階の後、偏光素子の表面に残っている異物を除去するために行われる。水洗段階では偏光素子の表面に残存する異物が除去されるだけではなく、ポリビニルアルコール系フィルム内に含まれているホウ酸、ヨウ素、ヨウ化カリウム及び亜鉛塩が水洗溶液に溶出され、ポリビニルアルコール系フィルム(偏光素子)から一部除去される。水洗溶液に対する偏光素子の浸漬時間が長く、水洗溶液の温度が高いほど、偏光素子から溶出し出るホウ素、ヨウ素、ヨウ化カリウム及び亜鉛塩の含量が増加し、結果的に、最終偏光素子内に残留する含量が減少する。特に、水洗により偏光フィルムの表面からホウ酸、ヨウ素、ヨウ化カリウム、亜鉛塩の含量が減少するとともに、フィルムの表面に含有されている化合物が多く除去され、表面から厚さ方向へのZnxB/Iの含量比が異なるようになる。従って、水洗は染色段階及び架橋段階で使用されたヨウ素、ヨウ化カリウム、ホウ素成分供与化合物及び亜鉛塩などの含量を考慮し、偏光素子の深さ(D)0≦D≦200nmにおけるZnxB/I値が0.1以上、3.0以下となるよう25℃〜30℃の純水に偏光素子を10秒〜30秒浸漬することが好ましい。水洗段階はその順序が変わると、偏光素子内の物質含量の制御が変わるため、染色、架橋及び延伸工程完了後、乾燥直前に行うことが好ましい。
水洗されたPVAフィルムをオーブンに入れて乾燥させ、偏光素子を得る。乾燥段階は一般的に40〜100℃の温度で、10秒〜500秒間行う。乾燥温度が40℃未満では、PVAフィルム内に残留する水分が充分に乾燥されないため、フィルムにしわが発生し、偏光素子の色相がニュートラルグレー(neutral gray)を帯びず、青色を帯びるようになるため、初期直交物性が脆弱となる。具体的には、偏光素子は上記反応式1のような反応を通じて各ヨウ素イオン種の比率が適切に調節され、ニュートラルグレーを帯びるようになる。一方、このような反応はPVAフィルム乾燥過程で供給される熱によりさらに加速化され、このような原理による色相調節以前段階において、偏光フィルムは青色に近い。従って、乾燥段階の温度が低いと、上記反応式のような反応が円滑に起きないため、偏光素子の色相は青色(bluish)を帯び、これにより、初期直交物性が脆弱となる。乾燥温度が100℃を超えると、過度な乾燥によりフィルムが割れやすく、偏光素子の初期色相がニュートラルグレーから脱し赤色を帯びるようになる。これにより初期光学物性が脆弱となる。乾燥時間が10秒未満では乾燥が不充分であり、500秒を超えると、過度な乾燥によりフィルムが割れやすく、偏光素子の初期色相がニュートラルグレーから脱し赤色を帯びるようになる。これにより初期光学物性が脆弱となる。
上記の本発明による偏光素子の製造方法において、偏光素子中のZnxB/I値が0.1以上、3.0以下になるよう上記染色段階、架橋段階及び延伸段階のうち少なくとも1つ以上の段階でヨウ素成分の含量 、ヨウ化カリウムの含量 、ホウ素成分供与物質の含量 、亜鉛塩の含量、染色水溶液の温度 、架橋水溶液の温度、これら水溶液に対するポリビニルアルコール系フィルムの浸漬時間、水洗温度及び水洗時間などを上記範囲で制御することができる。
上記方法により製造された偏光素子の一面又は両面に接着剤を利用して保護フィルムを積層させることで偏光板を製造する。保護フィルムは工程を行う際、偏光板の外側面の露出を防止するためのもので、汚染物質が流入されることを防ぎ、偏光板の表面を保護する役割をする。
保護フィルムの樹脂フィルム基材としては、フィルム基材として製造することが容易で、且つPVAフィルム(偏光素子)との接着性がよく、光学的に透明なものを好ましくも使用することができる。これに限定されないが、例えば、セルロースエステルフィルム、ポリエステルフィルム(ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチルレンナフタレートフィルム)、ポリカーボネートフィルム、ポリアリレートフィルム、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンを含む)フィルム、ノルボルネン樹脂フィルム、ポリオレフィンフィルム(ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム)、セロハン、セルロースジアセテートフィルム、セルロースアセテートブチレートフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコールフィルム、ポリスチレンフィルム、シクロオレフィン重合体フィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリエーテルケトンイミドフィルム、ポリアミド系フィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、ポリアセテートフィルム、ポリアクリルフィルム基材などを挙げることができる。
特に、トリアセチルセルロースフィルム(TACフィルム)、セルロースアセテートプロピオネートフィルムなどのセルロースエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム(PCフィルム)、ポリスチレンフィルム、ポリアリレートフィルム、ノルボルネン樹脂フィルム及びポリスルホンフィルムが透明性、機械的性質、光学的異方性がないという点などから好ましい。トリアセチルセルロースフィルム(TACフィルム)及びポリカーボネートフィルム(PCフィルム)が除幕性がよく、加工性に優れるため、より好ましく使用され、TACフィルムが最も好ましく使用される。
上記偏光板保護フィルムは保護フィルムが接着されるPVAフィルムに対する接着力を向上させるために、表面改質処理を施すことができる。表面処理の具体的例としては、コロナ放電処理、グロー(glow)放電処理、火炎処理、酸処理、アルカリ処理及び紫外線照射処理などがある。また、アンダーコート層を提供することも好ましく用いられる。この中でも、アルカリ溶液を利用した表面改質処理は疎水性保護フィルムに−OHグループを導入して保護フィルムの表面を新水性に改質することで保護フィルムの偏光素子に対する接着力を増加させる。
接着剤としては一般的に水系接着剤が使用される。水系接着剤としては、この技術分野で一般的に用いられる如何なる水系接着剤も使用することができ、これに限定されないが、例えば、イソシアネート系接着剤、ポリビニルアルコール系接着剤、ゼラチン系接着剤、ビニル系 ラテックス 接着剤、水系ポリウレタン接着剤、水系ポリエステル接着剤等を例示することができる。この中でもポリビニルアルコール系接着剤が好ましく使用される。水系接着剤は架橋剤を含むことができる。上記接着剤は通常水溶液として使用される。水溶液の濃度は特に制限されないが、塗布性や放置安全性などを考慮すると、一般的に0.1〜15重量%、好ましくは0.5〜10重量%、より好ましくは0.5〜5重量%である。また、上記接着剤にはさらにシランカップリング剤、チタンカップリング剤などのカップリング剤、各種粘着付与剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐加水分解安定剤などの安定剤などを配合することもできる。
上記のように偏光素子、又は偏光素子の一面又は両面に保護フィルムが接着された偏光板は、これに制限されないが、例えば、液晶表示装置、有機発光(EL)表示装置、PDP(プラズマディスプレイパネル)などに使用することができる。
以下、実施例を通じて本発明についてより詳細に説明する。但し、下記の実施例に本発明が限定されるものではない。
比較例1
ヨウ素濃度が0.1重量%、ヨウ化カリウム濃度が1重量%である30℃の染色水溶液が入っている染色槽に厚さ75μmのポリビニルアルコールフィルムを30℃で5分間浸漬させて染色した(A.染色段階)。染色されたポリビニルアルコールフィルムをヨウ化カリウム濃度が5重量%、ホウ素濃度が0.64重量%の40℃の架橋水溶液に120秒間浸漬させて5倍延伸処理した(B.架橋及び延伸段階)。上記過程により得られたポリビニルアルコール偏光素子をオーブンに入れ、80℃で5分間乾燥させた。ポリビニルアルコール偏光素子が乾燥すると、上記偏光素子の両面に厚さ80μmのTACフィルムをポリビニルアルコール接着剤で接合させ、80℃で5分間乾燥して偏光板を製造した。
比較例2
架橋及び延伸段階(B)で硝酸亜鉛を1.0重量%添加したことを除き、上記比較例1と同じ方法で偏光素子及び偏光板を製造した。
比較例3
架橋及び延伸段階(B)で硝酸亜鉛を4.0重量%添加したことを除き、上記比較例1と同じ方法で偏光素子及び偏光板を製造した。
比較例4
染色段階(A)でヨウ素濃度は0.4重量%、ヨウ化カリウム濃度は8重量%、架橋及び延伸段階(B)でホウ素濃度は0.91重量%、ヨウ化カリウム濃度は9重量%、そして、架橋水溶液の温度は62℃に調整し、塩化亜鉛濃度を0.16重量%添加し、水洗段階(C)では15℃の蒸留水に1秒間浸漬したことを除き、上記比較例1と同じ方法で偏光素子及び偏光板を製造した。
比較例5
架橋及び延伸段階(B)でヨウ化カリウム濃度は0.01重量%、塩化亜鉛濃度は3.0重量%添加したことを除き、上記比較例1と同じ方法で偏光素子及び偏光板を製造した。
比較例6
染色段階(A)でヨウ素濃度を0.03重量%に調整し、架橋及び延伸段階(B)でホウ素濃度を0.46重量%に、硝酸亜鉛は1.0重量%、そして、架橋水溶液の温度は50℃に調整し、水洗段階(C)では15℃の蒸留水に1秒間浸漬したことを除き、上記比較例1と同じ方法で偏光素子及び偏光板を製造した。
実施例1
架橋水溶液の温度を50℃にし、2.0重量%の硝酸亜鉛を添加して架橋及び延伸段階(B)を行ってから、25℃の蒸留水に20秒間浸漬して水洗工程(C)を行ったことを除き、上記比較例1と同じ方法で偏光素子及び偏光板を製造した。
実施例2
架橋水溶液の温度を55℃にし、3.0重量%の硫酸亜鉛を添加して架橋及び延伸段階(B)を行ってから、25℃の蒸留水に10秒間浸漬して水洗工程(C)を行ったことを除き、上記比較例1と同じ方法で偏光素子及び偏光板を製造した。
実施例3
架橋水溶液の温度を55℃にし、ホウ素濃度を0.55重量%、塩化亜鉛を2.0重量%添加して架橋及び延伸段階(B)を行ってから、25℃の蒸留水に10秒間浸漬して水洗工程(C)を行ったことを除き、上記比較例1と同じ方法で偏光素子及び偏光板を製造した。
実施例4
架橋水溶液の温度を55℃にし、ホウ素濃度を0.46重量%、ヨウ化亜鉛を2.0重量%添加して架橋及び延伸段階(B)を行ってから、25℃の蒸留水に20秒間浸漬して水洗工程(C)を行ったことを除き、上記比較例1と同じ方法で偏光素子及び偏光板を製造した。
実施例5
染色段階(A)でヨウ素濃度を0.12重量%、ヨウ化カリウム濃度を1.2重量%にそれぞれ調節し、架橋及び延伸段階(B)でホウ素濃度を0.55重量%、酢酸亜鉛を0.5重量%、そして、架橋水溶液の温度は58℃に調整し、水洗段階(C)で25℃の蒸留水に10秒間浸漬したことを除き、上記比較例1と同じ方法で偏光素子及び偏光板を製造した。
実施例6
染色段階(A)でヨウ素濃度を0.12重量%、ヨウ化カリウム濃度を1.2重量%にそれぞれ調節し、架橋及び延伸段階(B)でホウ素濃度を0.46重量%、硝酸亜鉛を6.5重量%、そして、架橋水溶液の温度は60℃に調整し、水洗段階(C)で30℃の蒸留水に20秒間浸漬したことを除き、上記比較例1と同じ方法で偏光素子及び偏光板を製造した。
[試験例:耐熱性評価]
上記比較例1〜6及び実施例1〜6の方法で製造された偏光板を50mmx50mmのサイズに切断し、これをアクリル粘着剤でガラスに接合させて試片を用意した。その後、各偏光板の初期光学物性、即ち、単体透過度(Ts)、直交透過度(Tc)、単体色相(a、b)、直交色相(x、y)を測定した。次に、偏光板を100℃のオーブンで500時間放置した後、上記光学物性を再び測定し、耐熱前/後の光学物性を比較して△Lab相対変化量、直交色相x相対変化量及びTc相対変化量を下記表2に示した。一方、上記比較例1〜6及び実施例1〜6の偏光板の製造条件を表1に示した。
上記光学物性はN&K分析機(analyzer)(N&K Technology Inc.)で測定した。単体透過度(Ts)と単体色相(a、b)は偏光板一枚で測定し、直交透過度(Tc)と直交色相(x、y)は一枚の偏光板は延伸された方向に、残り一枚は延伸方向の直交方向に裁断し、裁断した偏光板二枚を吸収軸が90゜になるよう直交させた後、透過度を測定した。
耐熱変化量は下記のように計算した。
△Lab=[(L 500−L +(a 500−a +(b 500−b 0.5
(式中、L、a、bは単体状態の色相値で、L、a、bはColor Space色座標系(defined by the CIE in 1976)の色相のL値、a値、b値である。これはN&K分析機を用いて一枚の偏光板試片で測定した。L 、a 及びb は偏光板の初期単体状態の色相値であり、L 500、a 500、b 500は100℃のオーブンで500時間放置した後測定した単体状態の色相値である。)
Tc(%)=100x(Tc500−Tc)/Tc
(式中、Tcは各偏光板の初期直交透過度であり、Tc500は100℃のオーブンで500時間放置した後測定した直交透過度であり、直交透過度(Tc)は同じ単体透過度(Ts.)値で測定した。)
x(%)=100 x (x500−x)/x
(式中、xは偏光板二枚の直交状態の色相値である。xはxyz Chromaticity座標系(coordinates)の色相値を示し、N&K分析機により二枚の偏光素子の直交色相値から計算される。xは偏光板の初期直交状態の色相値であり、x500は100℃のオーブンで500時間放置した後測定した偏光板の直交状態の色相値である。)
△Lab相対変化率=実施例△Lab/比較例1△Lab
Tc相対変化率=実施例Tc(%)/比較例1Tc(%)
x相対変化率=実施例x(%)/比較例1x(%)
Figure 2012517025
Figure 2012517025
[無機含量分析]
比較例1〜6及び実施例1〜6の偏光素子のうち表4に示した深さに該当する地点におけるZnxB/I値をESCA(Electron Spectroscopy of Chemical Analysis)法で分析し、表4に示した。ESCA(Electron Spectroscopy of Chemical Analysis)分析法は光電子分光器(XPS又はESCA、モデル名ESCA LAB 250 SYSTEM(VG))を使用し、下記表3のように段階別に偏光素子の表面をエッチングし、偏光素子のうち表4に示した深さに該当する地点における亜鉛、ホウ素及びヨウ素の原子%(at%)を測定し、それから各元素成分の重量を計算してZnxB/I値を求めた。一方、本実施例におけるESCA分析条件は次のようにした。
<ESCA分析条件>
(1)全体ESCAシステム条件
ベースチャンバ圧力:2.5x10−10mbar
X−レイ供給源:monochromatic Al Kα(1486.6 eV)
X−レイスポット(spot)サイズ:400μm
レンズモード:LargeAreaXL
オペレーションモード:CAE(Constant Analyzer Energy)モード
Arイオンエッチング:エッチング速度〜0.1nm/sec(Mag 10)SiO2基準
電荷補償(Charge Compensation):低エネルギー電子フラッドガン(low energy flood gun)使用、イオンフラッドガン使用せず。
(2)偏光素子のエッチング
下記表3のエッチング時間で偏光素子をエッチングし、偏光素子の表面から200nm深さにおける亜鉛、ホウ素及びヨウ素の含量を測定した。10秒間エッチングすることで、偏光素子の1nmがエッチングされる。本試験では下記表3に示したような段階で、総200nm深さ(2000秒)までエッチングし、偏光素子の各地点における亜鉛、リン及びホウ素の含量を測定した。
Figure 2012517025
Figure 2012517025
上記表3及び4で分かるように、偏光素子の深さ(D)0≦D≦200nmにおけるZnxB/I値が本発明の範囲を満たす実施例1〜6の偏光素子を含む偏光板は耐熱後の色相、直交透過度の変化率などが小さいことが確認できた。このように本発明の一具現による偏光素子及び偏光板は耐久性及び耐熱性に優れ、高温で光学物性の変化が小さいため、苛酷な条件でも優れた物性が確保できることが分かる。しかし、偏光素子の表面でのみ大きいZnxB/I値を示す比較例2〜6の偏光板は実施例の偏光板よりよくない耐久性及び耐熱性を示した。

Claims (7)

  1. 偏光素子の表面から中心への深さ(D)0≦D≦200nmの全地点における亜鉛含量(重量%)xホウ素含量(重量%)/ヨウ素含量(重量%)の値が0.1〜3.0である偏光素子。
  2. 前記亜鉛成分は塩化亜鉛、ヨウ化亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛及び酢酸亜鉛で構成されるグループから選択された少なくとも一種に由来することを特徴とする請求項1に記載の偏光素子。
  3. 前記ホウ素成分はホウ酸、ホウ酸塩及びホウ砂で構成されるグループから選択された少なくとも一種に由来することを特徴とする請求項1に記載の偏光素子。
  4. 前記ヨウ素成分はヨウ素(I)及びヨウ化カリウムで構成されるグループから選択された少なくとも一種に由来することを特徴とする請求項1に記載の偏光素子。
  5. 偏光素子の表面から中心への深さ(D)0≦D≦200nmの全地点における亜鉛含量(重量%)xホウ素含量(重量%)/ヨウ素含量(重量%)の値は、
    偏光素子を0.1nm/secで、最大200nmの深さまで2000秒間エッチングし、ESCA(Electron Spectroscopy of Chemical Analysis)分析法により得られることを特徴とする請求項1に記載の偏光素子。
  6. 請求項1〜5の何れか1項に記載の偏光素子を含む偏光板。
  7. 請求項1〜5の何れか1項に記載の偏光素子を含む画像表示装置。
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