JP2012516362A - ポリウレタン表面層にカーボン粒子を組み込むための方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、ポリウレタンを含有する表面層に導電性カーボン粒子を組み込むための方法に関する。これらのカーボン粒子は、特に、カーボンナノチューブであり得る。本発明の方法において、0.3nm以上3000nm以下の平均粒径を有する非凝集カーボン粒子の溶液を、ポリウレタンを含有する表面層に作用させる。溶媒は、ポリウレタンを含有する表面層の浸軟をもたらすことができる。浸漬時間は、ポリウレタンが溶液中に移動するのに不十分なように測定される。本発明はさらに、導電性カーボン粒子を含有し、本発明の方法により得られる、ポリウレタン層に関する。本発明は同様に、本発明の方法により得られる導電性カーボン粒子を含有する表面層を有するポリウレタン物品に関する。
Description
本発明は、ポリウレタンを含有する表面層に導電性カーボン粒子を組み込むための方法に関する。特に、これらのカーボン粒子は、カーボンナノチューブであり得る。本発明は、導電性カーボン粒子を含有し、本発明の方法により得ることができる、ポリウレタン層にも関する。本発明は、また、本発明の方法により得られる導電性カーボン粒子を含有する表面層を有するポリウレタン物品に関する。
カーボンナノチューブ(CNT)は、その非常に優れた特性で知られている。例えば、その強度は鋼鉄のおよそ100倍であり、その熱伝導性はダイヤモンドの約2倍であり、その熱安定性は真空下で2800℃までであり、そして、その導電性は銅の何倍もであり得る。しかしながら、分子レベルにおいて、カーボンナノチューブを均一に分布させることができ最大限の接触がチューブと媒体との間で確立される場合にのみ、言い換えれば、カーボンナノチューブを相溶性にさせ媒体と安定分散性にさせることにより、これらの構造に関連する特徴が使用できる。導電性に関しては、チューブの均一なネットワークを形成することも必要であり、理想的には、チューブは末端でのみ接触する。カーボンナノチューブを、この種のネットワークがちょうど形成される濃度で、できる限り分離し(すなわち凝集がない)配向しないようにすべきであり、これは、カーボンナノチューブの濃縮(浸透極限)の作用として、導電性の急激な上昇に反映される。
したがって、このような粒子のポリマーマトリックスへの組み込みは、技術的応用のために興味深い。カーボンナノチューブの加工を成功させるためには2つの側面を考慮すべきであり、例えば、カーボンナノチューブの使用目的が材料を導電性にすることである場合、カーボンナノチューブ凝集体をばらばらにし完全に離散させるべきであり、(熟成工程の間でのまたは完成品を形成するためのこの分散体の加工の間での、同一媒体中における)カーボンナノチューブの高い再凝集傾向を抑制すべきである。カーボンナノチューブ加工におけるこれらの困難性は、カーボンナノチューブ表面の疎水的特徴およびこの準1次元構造の高いアスペクト比に由来する。
カーボンナノチューブが、束および/または凝集体の形状で、エネルギー極小を確認することができないならば、カーボンナノチューブとカーボンナノチューブを取り囲む媒体との相溶性を増大すべきである。カーボンナノチューブの化学的な、共有結合性の官能化が、カーボンナノチューブの媒体との相溶性を改善できることに注目すべきである。これは、例えば、増大した(熱的)長期安定性や、例えばポリウレタン製造中に再凝集がないことにより表される。しかしながら、この表面改質は、チューブの非局在化したπ電子系を妨げもするため、官能化の程度によっては、個々のチューブの導電性が低下する。
例えば分散添加剤を用いることによる、カーボンナノチューブの非共有結合性の官能化は、化学的な共有結合的改質およびチューブと媒体との相溶化の代替手段である。しかしながら、ポリウレタン原料またはポリウレタン製剤であろうとなかろうと、このアプローチは、化学の観点および分散添加剤濃度の観点から、新しい媒体ごとに最適化を再び行わなければならず、普遍的な解決方法を示すことは決してできないことに注目すべきである。
最後に、フィラーを、したがって、同様にカーボンナノチューブを処理する際は常に、新しい特性(例えば導電性)が得られるかもしれないが、同時に、他のいくつかの機械的特性が減少し得るリスクがあることに注目すべきである。これは、発泡していない、密度の高いおよび/または柔軟性のある系に、カーボンナノチューブを組み込む場合に、特に重要である。例えば、圧縮成形において、分散工程の間に完全に離散することができない残留凝集体は、所定の破壊点となる。耐衝撃性および耐破壊性などの機械的特性は、このような凝集体により減少する。先行技術によるならば、カーボンナノチューブの添加により圧縮材料を導電性にするためには、浸透極限を超えるように、同時にそれ以上の残留凝集体が残らないように、材料の全体積を通してカーボンナノチューブを均一に分布させなければならないであろう。
単に、浸透極限を超えるために必要なカーボンナノチューブの濃度により生じる粘度の劇的な増加のために、この方法は非常に多くの場合うまくいかない。さらに、均一に分散したカーボンナノチューブのポリウレタン加工での再凝集を、この方法では排除することができず、直接防ぐことはできない。
(熱可塑性の)ポリウレタンにおけるカーボンナノチューブの加工に関して、文献より多数の研究が既知であり、そこでは、まず、完成したポリマーを有機溶媒に完全に溶解させ、次いでナノチューブをこのポリマー溶液中に分散させて、得られたポリウレタン−/溶媒−をベースとするナノチューブ分散体をフィルムに引き出すか、または、型に流し込む。これらの工程における最終工程は、面倒な多量の溶媒の蒸発である。これに関する例として、次の文献が挙げられる:N.G. Sahoo、Y.C. Jung、H.J. Yoo、J.W. Cho著、『Composites Science and Technology』、2007年、第76巻、第1920−1929頁;N.G. Sahoo、Y.C. Jung、H.J. Yoo、J.W. Cho著、『Macromol. Chem. Phys.』、2006年、第207巻、第1773−1780頁; M. Xu、T. Zhang、B. Gu、J. Wu、Q. Chen著、『Macromolecules』、2006年、第39巻、第3540−3545頁;J. Deng、J. Cao、J. Li、H. Tan、Q. Zhang、Q. Fu著、『Journal of Applied Polymer Science』、2008年、第108巻、第2023−2028頁;R.N. Jana、J.W. Cho著、『Journal of Applied Polymer Science』、2008年、第108巻、第2857−2864頁およびX. Wang、Z. Du、C. Zhang、C. Li、X. Yang、H. Li著、『Journal of Polymer Science:Part A:Polymer Chemistry』、2008年、第46巻、第4857−4865頁、ならびに米国特許出願公開第2005/0127329号。
この分野の総括は、N. Grossiord、J. Loos、O. Regev、C. E. Koning著、『Chem. Mater.』、2006年、第18(5)巻、第1089−1099頁にもある。
方法も文献(B.S. Shim、W. Chen、C. Doty、C. Xu、N.A. Kotov著、『Nano Lett.』、2008年、第8(12)巻、第4151−4157頁)から既知であり、この文献において、エタノールナフィオン溶液またはPSS水溶液をベースとするカーボンナノチューブ分散体に綿繊維が浸される。このため、繊維の表面にカーボンナノチューブが不可逆的に吸着されて、均一なコーティングが形成され、これらの繊維が導電性となる。
B. Fugetsuら(Carbon 2008、ASAP、doi:10.1016/j.Carbon.2008.11.013)は、ポリエステル繊維を浸漬浴に通過させ、その表面をCNTでコートする方法を確立した。そのために、まず、界面活性剤を用いて多重壁カーボンナノチューブを水溶液中に分散させ、次いで、アニオン性ポリウレタン分散体と混合した。浸漬浴の温度は40℃であった。次に、その浸した繊維を、オーブンで30秒間、(ポリエステル繊維のガラス転移温度より100℃高い)170℃まで加熱した。ナノチューブの濃度によっては、水で洗浄した後でさえ、このようにして改質させた繊維が静電気防止の用途に対し興味深い範囲の導電性値を示した。
N.G. Sahoo、Y.C. Jung、H.J. Yoo、J.W. Cho著、『Composites Science and Technology』、2007年、第76巻、第1920−1929頁
N.G. Sahoo、Y.C. Jung、H.J. Yoo、J.W. Cho著、『Macromol. Chem. Phys.』、2006年、第207巻、第1773−1780頁
M. Xu、T. Zhang、B. Gu、J. Wu、Q. Chen著、『Macromolecules』、2006年、第39巻、第3540−3545頁
J. Deng、J. Cao、J. Li、H. Tan、Q. Zhang、Q. Fu著、『Journal of Applied Polymer Science』、2008年、第108巻、第2023−2028頁
R.N. Jana、J.W. Cho著、『Journal of Applied Polymer Science』、2008年、第108巻、第2857−2864頁
X. Wang、Z. Du、C. Zhang、C. Li、X. Yang、H. Li著、『Journal of Polymer Science:Part A:Polymer Chemistry』、2008年、第46巻、第4857−4865頁
N. Grossiord、J. Loos、O. Regev、C. E. Koning著、『Chem. Mater.』、2006年、第18(5)巻、第1089−1099頁
B.S. Shim、W. Chen、C. Doty、C. Xu、N.A. Kotov著、『Nano Lett.』、2008年、第8(12)巻、第4151−4157頁
B. Fugetsuら、Carbon 2008、ASAP、doi:10.1016/j.Carbon. 2008.11.013
ポリマーマトリックス全体ではなく、材料の表面に直接隣接する層のみに粒子を施すというアプローチは、可能な1つの代替案である。はじめに述べた溶媒消費および粘度の上昇という欠点を避ける手段として、このような方法は望ましい。
したがって、本発明により、次の工程を含む、ポリウレタンを含有する表面層に導電性粒子を組み込むための方法が提供される:
(A)ポリウレタンを含有する表面層の膨潤を生じさせることができる溶媒中で、0.3nm以上3000nm以下の平均粒径を有する非凝集カーボン粒子の溶液を調製する工程;
(B)ポリウレタンを含有する表面層を、カーボン粒子の溶液と接触させる工程;
(C)カーボン粒子の溶液を、ポリウレタンを含有する表面層に、ポリウレタンが溶液に変わるには不十分なしばらくの間、作用させる工程;
(D)ポリウレタンを含有する表面層でのカーボン粒子の溶液の作用を終了する工程。
(A)ポリウレタンを含有する表面層の膨潤を生じさせることができる溶媒中で、0.3nm以上3000nm以下の平均粒径を有する非凝集カーボン粒子の溶液を調製する工程;
(B)ポリウレタンを含有する表面層を、カーボン粒子の溶液と接触させる工程;
(C)カーボン粒子の溶液を、ポリウレタンを含有する表面層に、ポリウレタンが溶液に変わるには不十分なしばらくの間、作用させる工程;
(D)ポリウレタンを含有する表面層でのカーボン粒子の溶液の作用を終了する工程。
本発明の意味する範囲内で、導電性粒子とは、まず、全ての非絶縁材の粒子である。10−8S/m未満の導電率を有する材料は、通常、絶縁材として記載される。粒子はポリウレタンを含有する表面層に組み込まれ、これは、粒子でコートされるのは表面自体のみである必要はなく、表面のすぐ下にある材料も粒子を吸収することを意味する。本発明に関連して、表面層という用語は、2次元の表面とは異なり、その境界の1つとして表面を含有する3次元の材料層も意味する。少なくとも導電性粒子を含有するという事実により、表面層はこの材料の内部と区切られる。
ポリウレタン(PU)自体は、はじめに、いずれの種類のポリウレタンでもよく、充填剤や難燃剤などの従来の添加剤を含有することができる。ポリウレタン分類の例としては、600kg/m3以上の極めて高い密度を有する発泡ポリウレタンを含むPUフォーム、PU注型用樹脂、PU注型用エラストマーおよび熱可塑性のPU(TPU)が挙げられる。
表面層は、ポリウレタンを含有する成形物に付属するか、例えばフィルム、チューブまたはシートなどの半完成品に付属することが可能でありかつ好ましい。したがって、通常、ポリウレタンはポリマー分散体の形態ではない。
工程(A)は、非凝集カーボン粒子の溶液の提供を含む。これは、粒子が分離した状態で溶媒中に存在すること、あるいは、少なくとも、凝集がわずかなため溶液が安定であることを意味する。少なくとも1日、好ましくは1週間または4週間の期間、室温で安定溶液を保管した場合、安定溶液中でカーボン粒子の凝集や析出は生じない。このような溶液を製造するために、例えば超音波、粉砕処理または高剪断力を用いてエネルギーを導入することにより、存在するカーボン粒子の凝集体を離散することができる。最後に、カーボン粒子の溶液を形成でき、ポリウレタン表面を膨潤させることもできるという両方に基づいて、溶媒は選択される。
平均粒径は、1nm以上1000nm以下の範囲、または3nm以上100nm以下の範囲であってもよい。これは、例えば電子顕微鏡検査または動的光散乱法で走査して測定できる。
溶媒は、水性または非水性溶媒であり得る。後者の場合において、極性非プロトン性溶媒が好ましい。このようにして、溶媒とポリウレタン中の軟質セグメント領域とが効果的に相互作用できる。用語「非水性」は、追加の水が溶媒に添加されないことを意味するが、技術的に避けがたい少量の、例えば、5重量%以下、好ましくは3重量%以下、より好ましくは1重量%以下の量の水を除外しない。
溶媒が水性溶媒であるならば、溶液に界面活性剤または他の界面活性化物質を添加し、それらを溶液中に維持することによって、カーボン粒子を解凝集させることができる。
カーボン粒子は、例えば0.01重量%以上20重量%以下、0.1重量%以上15重量%以下、または1重量%以上10重量%以下の濃度で、溶媒中に存在し得る。
工程(B)における、ポリウレタンを含有する表面層と、カーボン粒子の溶液との接触は、ポリウレタンの表面を介して自然に行われる。
続く工程(C)において、カーボン粒子の溶液が表面層上で作用する。1つの理論にとらわれないが、ポリウレタン中の少なくとも軟質セグメント領域は、溶媒のために膨潤し、表面層において孔を形成し、そして、カーボン粒子がこれらの孔の中に移動することができる。ポリウレタン中に、長いポリエーテル部分が、エーテル架橋の間に小さい数の炭素原子を備えて存在するならば、水性溶媒中または水を含有する溶媒中において、軟質セグメント領域の膨潤が促進される。このような領域は、膨潤するのに十分に親水性である。粒子は、例えば、150nm以下、100nm以下または50nm以下の深さまで、表面層中に浸透することができる。
溶媒に基づく方法とは対照的に、表面層においてポリウレタンが溶液に変わらないように暴露時間が選択される。ここでは、例えば1重量%以下、0.1重量%以下または0.01重量%以下のポリウレタンが溶媒中に移動する、技術的に避けがたい溶解過程を含む。しかしながら、本発明の方法は、ポリマーがまず均一に溶解し、次いで、溶媒を除去することにより、ナノ粒子とともにマトリックス中に最終粒子が得られる方法ではない。その代わりに、ポリマー表面の膨潤を起こすことができるように、暴露時間が選択される。適当な暴露時間の例は、1分以上360分以下、好ましくは10分以上90分以下、より好ましくは3分以上5分以下である。
最終工程(D)は、表面層上でのカーボン粒子の溶液の作用を終了することを含む。したがって、カーボン粒子の溶液は、再び表面層から分離される。その後、付着した溶液を除去するために表面層をすすぐことができる。これは、例えば、改質する表面層を備えたポリウレタン物品を浸漬浴から取り出すことにより行える。その後、例えばアセトンで物品をすすぐことができる。
工程(D)の次に、有利には、膨潤した表面層に存在する溶媒を除去する乾燥工程が続き、この工程で、ポリウレタン中の孔が閉じ、カーボン粒子がポリマー中に密閉される。
したがって、本発明の方法は、ポリウレタン物品の表面層への、導電性粒子の選択的供給の可能性を提供する。物品の形状は溶解によって壊されないため、完成した成形品でさえ処理することができる。物品の表面に近い領域に粒子が集中するため、導電性ポリウレタン表面を得るために、全体として、比較的に少量が必要である。最後に、溶媒に基づく方法とは対照的に、完成した改質ポリマーを得るために、多量の溶媒を除去する必要がない。カーボン粒子の濃度を、工業的に不都合な粘度上昇を起こさないような範囲に保つこともできる。
本発明の方法の有利な用途は、その後に静電粉体コーティングを塗布されるまたは亜鉛メッキされる、ポリウレタン成形物の処理である。表面層中の導電性粒子により、改良された静電粉体用途が確実となる。さらなる用途は、ポリウレタン成形物の電着塗装の準備のための処理に関する。導電性電極材料または柔軟性ポリウレタンコンデンサーを得ることもできる。さらに、電子式構成部品またはケーブルシースに、静電気防止コーティングを施すことができる。
本発明の方法の好ましい態様において、ポリウレタンを含有する表面層でのカーボン粒子の溶液の作用は、超音波および/または熱を使用して生じる。超音波および/または熱によるエネルギーの導入は、粒子凝集体の形成を打ち消すため、溶液中での高い粒子濃度が可能になる。ポリウレタン表面層中への粒子の組む込みも促進される。超音波について、その周波数は有利に20kHz以上20MHz以下であり、それと独立して、溶媒中での出力密度は、1W/l以上200W/l以下である。暴露期間中に加熱が導入されるならば、その温度は、例えば30℃以上200℃以下、好ましくは40℃以上150℃以下であり得る。
本発明の方法のさらなる態様において、カーボン粒子は、その表面で、共有結合的に官能化されていない。これは、粒子が、それらの表面で、さらなる反応工程を介して共有結合的に結合したさらなる官能基を有さないことを意味する。特に、硝酸、過酸化水素、過マンガン酸カリウムおよび硫酸、またはこれらの剤の可能な混合物などの酸化剤を、カーボン粒子の官能化のために使用することは、避けられる。非共有結合的に官能化された粒子を使用することの利点は、表面のπ電子系が妨げられないため、制限なく導電性に寄与することができることである。
本発明の方法のさらなる態様において、カーボン粒子は、カーボンナノチューブ、単一壁カーボンナノチューブ、多重壁カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、カーボンナノオニオン、フラーレン、グラファイト、グラフェン、カーボンファイバーおよび/または導電性カーボンブラックからなる群から選択される。これらの粒子は、導電性の増加に加えて、例えば弾力性および耐衝撃性などの表面層の機械的特性を改善することもできる。
本発明において意味するカーボンナノチューブは、シリンダー型、スクロール型または多層スクロール型の、またはオニオン状構造を有する、単一壁または多重壁の全てのカーボンナノチューブである。シリンダー型、スクロール型または多層スクロール型の多重壁カーボンナノチューブまたはそれらの混合物が、好ましくは使用される。カーボンナノチューブが、外部直径に対して5以上、好ましくは100以上の長さの比率を有していることが有利である。
唯一の連続性のまたは非連続性のグラフェン層を有する、前述した既知のスクロール型のカーボンナノチューブとは異なり、共に重なり、かつ、巻かれた、複数のグラフェン層からなるカーボンナノチューブ構造も存在する。これらは、多層スクロール型として知られている。これらのカーボンナノチューブは、独国特許出願公開第10 2007 044031号に記載され、その全体が参照される。この構造が、シングルスクロール型のカーボンナノチューブと関する方法は、多重壁円筒形カーボンナノチューブ(円筒形MWNT)の構造が、単一壁円筒形カーボンナノチューブ(円筒形SWNT)の構造と関連する方法に相当する。
オニオン型構造とは対称的に、横断面を見れば、これらのカーボンナノチューブ中の個々のグラフェン層またはグラファイト層は、カーボンナノチューブの中心から外縁まで絶えず連続的にはっきりと通っている。これは、例えば、シングルスクロール構造を有するカーボンナノチューブ(Carbon 1996、34、1301−3)またはオニオン型構造を有するCNT(Science 1994、263、1744−7)と比較して、インターカレートの入口領域として使用できるより多くの開いたエッジが存在するので、他の物質をチューブ骨格により良好にかつより早く挿入することができる。
本発明の方法の好ましい態様において、カーボン粒子は、非共有結合的に官能化された、3nm以上100nm以下の直径を有する多重壁カーボンナノチューブである。ここで、直径は、ナノチューブの平均直径に関する。これは、5nm以上80nm以下、有利には6nm以上60nm以下の範囲であってもよい。ナノチューブの長さに対し、第1に限定はない。しかしながら、例えば1μm以上100μm以下、有利には10μm以上30μm以下の範囲であり得る。
本発明の方法のさらなる態様において、ポリイソシアネートとポリエステルポリオールおよび/またはポリエーテルポリオールとの反応からポリウレタンを得ることができる。好ましいポリイソシアネートは、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)およびトルエンジイソシアネート(TDI)に基づくものである。好ましいポリエステルポリオールおよびポリエーテルポリオールは、100mgKOH/g以上150mgKOH/g以下のヒドロキシル価を有する。好ましいポリオールは、さらに、250以上5000g/mol以下の、好ましくは400以上3500g/mol以下の範囲のモル質量、および、1.8以上6以下、好ましくは1.95以上3.5以下の官能価を有し得る。本発明によれば、前記の出発化合物のプレポリマーから、それに続く鎖延長で得られるポリウレタンが含まれる。
本発明の方法のさらなる態様において、溶媒は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセロール、ヒドロキノン、アセトン、酢酸エチル、トリクロロエチレン、トリクロロエタン、トリクロロメタン、塩化メチレン、シクロヘキサノン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、N−メチル−2−ピロリドン、ベンゼン、トルエン、クロロベンゼン、スチレン、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、前記溶媒の互いの混合物および/または前記溶媒と水との混合物からなる群から選択される。
これらの溶媒は、特定の方法で、低い凝集体または凝集体を含まない、カーボン粒子を含む溶液を形成する能力と、同時にポリウレタン表面の膨潤させる能力を兼ね備える。前記溶媒の混合物は、望ましい割合で溶媒が水にも可溶性である場合に当てはまる。
本発明の方法のさらなる態様において、ポリウレタンを含有する表面層を、浸漬、延展、印刷、ブラッシング、吹き付けおよび/または注入によりカーボン粒子の溶液と接触させる。例えば、浸漬浴で浸漬することにより、完成物品を簡単に処理できる。このようにして処理されたポリマーフィルムの製造の連続的方法も、簡単に実施することができる。例えばスクリーン印刷による、ポリウレタン物品の印刷により、ポリウレタン物品上に作られるプリント導体などの導電性構造が可能となる。
本発明の方法のさらなる態様において、ポリウレタンを含有する表面層は、少なくとも工程(C)において、マスクにより部分的に覆われる。マスクは表面の特定領域を覆い、他の領域をさらさせる。このようにして、プリント導体などの導電性構造を、エラストマー表面上に作ることができる。マスクの使用の別の可能な用途は、加工物のエッジに絶縁領域を得ることである。
本発明は、導電性カーボン粒子を含有し、本発明の方法により得られる、ポリウレタン層であって、ポリウレタン層の外表面が、50nm以上500nm以下の***の平均高さを有し、0.5μm以上1.5μm以下の隣接する***間の平均距離を有する、***およびくぼみを含むポリウレタン層も提供する。***の高さは、***の最も高い点から隣接するくぼみの最も低い点までの垂直距離から計算する。視覚的には、この距離は、波の峰から波の谷の距離に相当する。したがって、視覚的には、隣接する***間の距離は、2つの波の峰の間の距離である。これは、断面図において、すりきれた模様を作り得る。ポリウレタン層の表面は、例えば、延長された***および対応する谷の形状のくぼみのネットワークからなることができる。***の平均の高さは、100nm以上400nm以下、または150nm以上300nm以下の範囲であってもよい。隣接する***間の平均距離は、0.7μm以上1.2μm以下、または0.9μm以上1.0μm以下の範囲であってもよい。
カーボン粒子を有する溶液は、ポリウレタンセグメント構造に接触面での膨潤をもたらし、使用する溶液の極性によっては、軟質セグメントの膨潤から、硬質セグメントの膨潤までをもたらす。このようにして、カーボン粒子は、ポリウレタンと相互作用でき、ポリウレタンマトリックス中へ浸透することができる。したがって、続く溶液の蒸発は、カーボン粒子の埋め込みを通して、軟質および硬質のポリウレタンセグメントの表面に変化した形態をもたらす。原子間力顕微鏡画像において、これは、例えば波状の***およびくぼみとして見ることができる。
ポリウレタン層は、例えば10−3ohm cm以上108ohm cm以下の固有抵抗を有することができる。前記の固有抵抗は、DIN IEC 60093(12).93を参照して測定できる。このポリウレタン層の固有抵抗は、好ましくは0.01 ohm cm以上1,000,000 ohm cm以下、特に好ましくは0.1 ohm cm以上100,000 ohm cm以下の範囲である。
本発明は、同様に、導電性カーボン粒子を含有し、本発明の方法により得られる表面層を有するポリウレタン物品に関し、ここで、カーボン粒子は、ポリウレタン中に表面から1μm以下の深さまで存在する。既に述べたように、表面層はポリウレタンを含有する。この表面層中の粒子は、有利には、導電性が生じるようにネットワークを形成する。粒子を、表面から500nm以下または150nm以下の深さまで配置させることもできる。カーボン粒子を備え、加えて、更なる材料も有するポリウレタン表面層を含む物品も本発明に含まれる。それらは、例えば、少なくとも一部分にポリウレタン表面を含む消費者物品であってよく、ここで、導電性カーボン粒子がこの表面またはポリウレタン表面層に組み込まれている。
続いて静電粉体塗装または電着塗装によって塗装されるまたは亜鉛メッキされるポリウレタン成形品が、前記のポリウレタン物品の例として挙げられる。他の例は、導電性または導電性かつ柔軟性の電極材料、一般の電子部品または静電気防止コーティングを有するケーブルシースである。
ポリウレタン物品の1つの態様において、カーボン粒子を含有する表面層のポリウレタン材料中に、0.1重量%以上5重量%以下の割合でカーボン粒子が存在する。この割合は、0.5重量%以上4重量%以下または1重量%以上5重量%以下の範囲であってもよい。したがって、表面層中のカーボン粒子含量は、最終的にこれによって示される。内側の表面層の境界は、それを超えるとポリウレタン材料はもはや考慮のうちに入らず、ポリウレタン中にカーボン粒子が存在する最も低い(最も内部の)線により形成される。導電性が著しく改善されるように、指定の範囲内でカーボン粒子に対する浸透極限を超えさせる。
ポリウレタン物品のさらなる態様において、カーボン粒子を含有する表面層は、10−3ohm cm以上108ohm cm以下の固有抵抗を有する。この固有抵抗は、DIN IEC 60093(12).93を参照して決定することができる。このポリウレタン層の固有抵抗は、好ましくは0.01 ohm cm以上1,000,000 ohm cm以下、特に好ましくは0.1 ohm cm以上100,000 ohm cm以下の範囲である。
ポリウレタン物品のさらなる態様において、カーボン粒子は、官能化されていない、3nm以上100nm以下の直径を有する多重壁カーボンナノチューブである。ここで、直径は、ナノチューブの平均直径に関する。これは、5nm以上80nm以下、有利には6nm以上60nm以下の範囲であってもよい。ナノチューブの長さに対し、第1に限定はない。しかしながら、例えば1μm以上100μm以下、有利には10μm以上30μm以下の範囲であり得る。
ポリウレタン物品のさらなる態様において、ポリウレタン物品は導電性カーボン粒子を含有する第1表面層および第2表面層を有し、ここで、前記の第1表面層および第2表面層は、互いに反対側に位置し、ポリウレタン層によって互いに分離されている。この製造方法の結果として、第1表面層および第2表面層は、それらを分離する電気的に絶縁されたポリウレタン層に、一体となって連結する。このような絶縁体によって分離された2つの導電層の構造を備えた、柔軟性のコンデンサーを製造することができる。
ポリウレタン物品のさらなる態様において、ポリウレタン物品は、導電性カーボン粒子を含有するポリウレタン表面層を備えた、支持材料の複合体の形態をとる。支持材料の例は、セラミック、金属ならびに他のポリマー、例えばポリカーボネートまたはポリオレフィンである。したがって、例えば金属成形品を、まずポリウレタンでコートすることができ、次いで、ポリウレタン表面層にカーボン粒子を与えることができる。
図と共に以下の実施態様例を用いて、本発明をより詳細に述べる。
図1は、3層構造を有するポリウレタン物品を示す。
図2は、試料の横断面の原子間力顕微鏡画像を示す。
図3は、試料の横断面の別の原子間力顕微鏡画像を示す。
図4は、試料の横断面の別の原子間力顕微鏡画像を示す。
図5は、 試料の横断面の別の原子間力顕微鏡画像を示す。
図6は、 試料の表面の別の原子間力顕微鏡画像を示す。
図7は、 試料の表面の別の原子間力顕微鏡画像を示す。
図1は、3層構造を有するポリウレタン物品を示す。
図2は、試料の横断面の原子間力顕微鏡画像を示す。
図3は、試料の横断面の別の原子間力顕微鏡画像を示す。
図4は、試料の横断面の別の原子間力顕微鏡画像を示す。
図5は、 試料の横断面の別の原子間力顕微鏡画像を示す。
図6は、 試料の表面の別の原子間力顕微鏡画像を示す。
図7は、 試料の表面の別の原子間力顕微鏡画像を示す。
〔ポリウレタン製造および一般方法で使用した物質〕
ポリオール:112mgKOH/mgのOH価および25℃で140mPa・sの粘度を有するポリエーテルポリオール
触媒:ジブチル錫ジラウレート(0.02重量%)、DABCO 33−LV(登録商標)(0.54重量%、Air Products製)
イソシアネート:DESMODUR(登録商標)CD−S:29.0〜30.0重量%のNCO含量および25℃で20〜50mPa・sの粘度を有するジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネートに基づく変性イソシアネート
カーボン粒子:多重壁カーボンナノチューブ(BAYTUBES(登録商標)C150P)
浸漬溶液:BAYTUBES(登録商標)C150Pの溶媒中分散体
ポリオール:112mgKOH/mgのOH価および25℃で140mPa・sの粘度を有するポリエーテルポリオール
触媒:ジブチル錫ジラウレート(0.02重量%)、DABCO 33−LV(登録商標)(0.54重量%、Air Products製)
イソシアネート:DESMODUR(登録商標)CD−S:29.0〜30.0重量%のNCO含量および25℃で20〜50mPa・sの粘度を有するジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネートに基づく変性イソシアネート
カーボン粒子:多重壁カーボンナノチューブ(BAYTUBES(登録商標)C150P)
浸漬溶液:BAYTUBES(登録商標)C150Pの溶媒中分散体
前記のポリオール、触媒およびイソシアネート成分を室温で共に混合し、105の特性値を与えた。超音波浴でカーボン粒子を超音波処理することにより浸漬溶液を製造し、ただちに使用した。ポリウレタン表面を官能化するために、試料を溶液中完全に浸漬させ、取り出した後にアセトンで軽くすすぎ、過剰の溶媒を高温で取り除いた。
〔実施例1(NMP中、超音波あり)〕
ポリウレタンエラストマーの試験片(7×7×0.2cm)を、1重量%のBAYTUBES(登録商標)C 150PのN−メチル−2−ピロリドン溶液中に、完全に浸漬させた。暴露時間は、超音波浴中で超音波処理しながら0.5時間および室温で超音波なしでさらに5.5時間であった。試料をアセトンで軽くすすぎ、乾燥器中で、100℃で溶媒を取り除いた。測定した表面抵抗は102〜104ohm cmの範囲であった。約0.5μmの浸透深さまでのナノチューブのポリウレタン表面中への組み込みは、AFMによるより詳細な検査により示すことができた(図3)。対応する導電性測定(TUNA)も同様に、PU表面での導電性を示した(図2)。
ポリウレタンエラストマーの試験片(7×7×0.2cm)を、1重量%のBAYTUBES(登録商標)C 150PのN−メチル−2−ピロリドン溶液中に、完全に浸漬させた。暴露時間は、超音波浴中で超音波処理しながら0.5時間および室温で超音波なしでさらに5.5時間であった。試料をアセトンで軽くすすぎ、乾燥器中で、100℃で溶媒を取り除いた。測定した表面抵抗は102〜104ohm cmの範囲であった。約0.5μmの浸透深さまでのナノチューブのポリウレタン表面中への組み込みは、AFMによるより詳細な検査により示すことができた(図3)。対応する導電性測定(TUNA)も同様に、PU表面での導電性を示した(図2)。
〔実施例2(アセトン中、超音波あり)〕
ポリウレタンエラストマーの試験片(7×7×0.2cm)を、0.5重量%のBAYTUBES(登録商標)C150Pのアセトン溶液中に、超音波浴中で超音波処理しながら完全に浸漬させた。暴露時間は1時間であり、浸漬溶液の温度は45℃であった。試料をアセトンで軽くすすぎ、乾燥器において50℃で溶媒を取り除いた。測定した表面抵抗は、105ohm cmの範囲であった。
ポリウレタンエラストマーの試験片(7×7×0.2cm)を、0.5重量%のBAYTUBES(登録商標)C150Pのアセトン溶液中に、超音波浴中で超音波処理しながら完全に浸漬させた。暴露時間は1時間であり、浸漬溶液の温度は45℃であった。試料をアセトンで軽くすすぎ、乾燥器において50℃で溶媒を取り除いた。測定した表面抵抗は、105ohm cmの範囲であった。
〔実施例3(アセトン中、超音波なし)〕
ポリウレタンエラストマーの試験片(7×7×0.2cm)を、0.5重量%のBAYTUBES(登録商標)C150Pのアセトン溶液中に、浸漬させた。暴露時間は1時間であり、浸漬溶液の温度は23℃であった。試料をアセトンで軽くすすぎ、乾燥器において50℃で溶媒を取り除いた。測定した表面抵抗は、106ohm cmの範囲であった。
ポリウレタンエラストマーの試験片(7×7×0.2cm)を、0.5重量%のBAYTUBES(登録商標)C150Pのアセトン溶液中に、浸漬させた。暴露時間は1時間であり、浸漬溶液の温度は23℃であった。試料をアセトンで軽くすすぎ、乾燥器において50℃で溶媒を取り除いた。測定した表面抵抗は、106ohm cmの範囲であった。
図1は、3層構造を有する本発明のポリウレタン物品の概略図を示す。ポリウレタン加工物から出発して、ポリウレタンの上部表面層(1)および下部表面層(2)に、カーボンナノチューブを導入した。これらのナノチューブは、それぞれの層(1、2)中に線または点で示される。表面層において、ナノチューブが限られた浸透深さを有するのが見られる。ナノチューブを含有しないポリウレタン層(3)によって、表面層は互いに分離されている。本製造方法のために、ポリウレタン物品は、表面層(1、2)に関して一体構造をなお有し、表面層はナノチューブを含有しない層(3)に接着する。適当な寸法で、例えばフィルムコンデンサーとして、図示されたポリウレタン物品を使用することができる。
実施例1で得られたポリウレタン物品の試料を、原子間力顕微鏡(AFM)画像で観察した。図2のトンネルAFM画像よりカーボンナノチューブの存在および配置についての情報が得られる。これは、試料の横断面である。示した画像断面の幅は、10μmであった。画像の左側部分は、横断面を作るために試料をカプセル化したマトリックス材料である。右側部分は、変化していないポリウレタン材料である。それらの間が、明るい点として見ることができるトンネル電流−導電性カーボンナノチューブが浸透した表面層である。
図3および4は、位相敏感モードで横断面として見た、同一試料の異なる画像断面を示す。示した画像断面の幅は、2.5μmであった。画像の左側部分は、横断面を作るために試料をカプセル化したマトリックス材料である。右側部分は、変化していないポリウレタン材料である。それらの間が、カーボンナノチューブが浸透した表面層である。図3および4の位相敏感画像において、表面層に埋め込まれたカーボンナノチューブを明るい線としてはっきりと見ることができる。したがって、総合的に、ナノチューブが、ポリウレタンの表面下にも存在することが見られる。
図5は、5μmの画像断面幅で、さらなる横断面図を示す。表面層に埋め込まれたカーボンナノチューブを、はっきりと視認できる明るい線として見ることができる。
図6および7は、試料表面の上面図の画像を示す。図6の高さ画像は、***および谷の形状のくぼみを特徴づける構造を示す。示した画像断面の幅は、2.5μmであった。図7の対応する位相敏感図において、試料表面上に隣接するカーボンナノチューブを明るい線として見ることができる。
Claims (15)
- ポリウレタンを含有する表面層に導電性粒子を組み込むための方法であって、次の工程:
(A)ポリウレタンを含有する表面層の膨潤を生じさせることができる溶媒中で、0.3nm以上3000nm以下の平均粒径を有する非凝集カーボン粒子の溶液を調製する工程;
(B)ポリウレタンを含有する表面層を、カーボン粒子の溶液と接触させる工程;
(C)カーボン粒子の溶液を、ポリウレタンを含有する表面層に、ポリウレタンが溶液に変わるには不十分なしばらくの間、作用させる工程;
(D)ポリウレタンを含有する表面層でのカーボン粒子の溶液の作用を終了する工程
を含む方法。 - ポリウレタンを含有する表面層でのカーボン粒子の溶液の作用を、超音波および/または熱を用いて起こさせる請求項1に記載の方法。
- カーボン粒子は、その表面が共有結合的に官能化されていない、請求項1に記載の方法。
- カーボン粒子は、カーボンナノチューブ、単一壁カーボンナノチューブ、多重壁カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、カーボンナノオニオン、フラーレン、グラファイト、グラフェン、カーボンファイバーおよび/または導電性カーボンブラックからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
- カーボン粒子は、非共有結合的に官能化された、3nm以上100nm以下の直径を有する多重壁カーボンナノチューブである、請求項4に記載の方法。
- 溶媒は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセロール、ヒドロキノン、アセトン、酢酸エチル、トリクロロエチレン、トリクロロエタン、トリクロロメタン、塩化メチレン、シクロヘキサノン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、N−メチル−2−ピロリドン、ベンゼン、トルエン、クロロベンゼン、スチレン、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、前記溶媒の互いの混合物および/または前記溶媒と水との混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
- ポリウレタンを含有する表面層を、浸漬、延展、印刷、ブラッシング、吹き付けおよび/または注入によりカーボン粒子の溶液と接触させる、請求項1に記載の方法。
- ポリウレタンを含有する表面層を、少なくとも工程(C)において、マスクで部分的に覆う、請求項1に記載の方法。
- 請求項1に記載の方法により得られる導電性カーボン粒子含有ポリウレタン層であって、該ポリウレタン層の外表面が、50nm以上500nm以下の***の平均高さを有し、0.5μm以上1.5μm以下の隣接する***間の平均距離を有する、***およびくぼみを含む、ポリウレタン層。
- 請求項1に記載の方法により得られる導電性カーボン粒子含有表面層(1)を有するポリウレタン物品であって、該カーボン粒子がポリウレタン中に表面から1μm以下の深さまで存在する物品。
- カーボン粒子を含有する表面層(1)のポリウレタン材料中に、0.1重量%以上5重量%以下の割合で該カーボン粒子が存在する、請求項10に記載のポリウレタン物品。
- カーボン粒子を含有する表面層(1)が、表面で、10−3ohm cm以上108ohm cm以下の固有抵抗を有する、請求項10に記載のポリウレタン物品。
- カーボン粒子は、非共有結合的に官能化された、3nm以上100nm以下の直径を有する多重壁カーボンナノチューブである、請求項10に記載のポリウレタン物品。
- 導電性カーボン粒子を含有する第1表面層(1)および第2表面層(2)を有する請求項10に記載のポリウレタン物品であって、該第1表面層(1)および該第2表面層(2)は互いに反対側に位置し、ポリウレタン層(3)によって互いに分離されている物品。
- 導電性カーボン粒子を含有するポリウレタン表面層を備えた支持材料の複合体として存在する請求項10に記載のポリウレタン物品。
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