JP2012512244A - タンパク質の精製 - Google Patents

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    • C07K1/00General methods for the preparation of peptides, i.e. processes for the organic chemical preparation of peptides or proteins of any length
    • C07K1/14Extraction; Separation; Purification
    • C07K1/30Extraction; Separation; Purification by precipitation
    • C07K1/32Extraction; Separation; Purification by precipitation as complexes

Abstract

本発明は、バイモダルポリマー、例えば、不溶性粒子と可溶性不純物のサブセットとに不可逆的に結合することができ、未清澄生体物質含有ストリームの中の1つ以上の所望の生体分子に可逆的に結合することもできる可溶性ポリマーに関し、ならびに事前に清澄化する必要なく、このようなストリームからの1つ以上の所望の生体分子を精製するためにこのような材料を使用する方法に関する。このようなポリマーは、第一、第二、第三または第四アミンなどの荷電ペンダント基のドメインを含み(第一モード);ならびに溶解状態でもはや保持され得ない凝集体を形成するために十分な量の、反対の電荷を有する固体粒子および可溶性不純物の一部分と単に複合体を形成することにより、不溶性にされ、溶液から沈殿する。ポリマーは、pH、イオン強度、塩などのプロセス条件に依存して、荷電または非荷電、親水性または疎水性であるペンダント基の他のドメインをさらに含むか、対象の生体分子に対して選択的であるリガンドを有する(第二モード)。非荷電形態などの1つのモードで存在するとき、前記ペンダント基は、未清澄細胞ブロスに関するストリーム中の1つ以上の所望の生体分子(タンパク質、ポリペプチドなど)に結合することができる。その後、例えばこのストリームの残部から濾過することによってこのストリームから沈殿を除去することができ、ならびに例えば選択的溶出によって所望の生体分子を回収する。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2008年12月16日に出願された米国特許仮出願第61/201,880号の恩恵を主張するものであり、該仮出願の内容全体が参照により本明細書に援用されている。
本発明は、生体分子の精製に関する。より詳細には、沈殿メカニズムにより未清澄細胞培養ブロスから所望の生体分子を捕捉し、その後、これをさらに精製する、可溶化または可溶性ポリマーなどのポリマーによる、タンパク質、ポリペプチド、抗体などの生体分子の精製に関する。
生体分子、例えば、タンパク質、抗体、抗体フラグメント、ペプチド、ポリペプチドなど、特に組換えタンパク質の製造のための一般プロセスは、概して2つの主要な工程を含む:(1)宿主細胞におけるタンパク質の発現、続いて(2)生体分子の精製。この第一工程は、バイオリアクターまたは発酵槽において所望の宿主細胞を増殖させてタンパク質の発現を果たすことを含む。この目的に使用することができる細胞株の幾つかの例としては、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、骨髄腫(NSO)細菌細胞、例えばE.コリ(e−coli)、および昆虫細胞が挙げられる。
タンパク質が所望のレベルで発現されたら、生体分子を宿主細胞から除去し、採集する。一部の系の場合、生体分子は、細胞から発現され、このブロスの中に存在する。他の場合、生体分子は発現されず、細胞内に残存するか、実際に細胞の一部であり、従って、細胞を溶解する必要があり、および場合により、生体分子を回収できるように細胞をさらに処理する必要がある。懸濁粒子、例えば細胞、細胞フラグメント、脂質および他の不溶性物質を、概して、濾過または遠心分離によって生体分子含有液から除去し、その結果、溶解状態の対象の生体分子ならびに他の可溶性不純物およびより小さい粒子を含有する、清澄液が得られる。
第二工程は、このプロセスに付きものである不純物を除去するための、採集した生体分子の精製を含む。不純物の例としては、宿主細胞タンパク質(HCP、所望のまたはターゲットとなるタンパク質以外のタンパク質)、核酸、内毒素、ウイルス、生体分子変異体および生体分子凝集体が挙げられる。
この精製は、幾つかのクロマトグラフィー工程を概して含み、該クロマトグラフィー工程としては、固体マトリックス、例えば多孔質アガロース、高分子物質またはガラスを用いる、アフィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィーなどを挙げることができる。
タンパク質の精製のためのクロマトグラフィープロセスの順序の一例は、プロテインAアフィニティークロマトグラフィー、続いてカチオン交換クロマトグラフィー、続いてアニオン交換クロマトグラフィーを含む。プロテインAカラムは、対象のタンパク質またはターゲットタンパク質を親和性メカニズムにより捕捉し、その一方で不純物の大部分はこのカラムを通過して廃棄される。その後、このカラムからの溶出によりタンパク質を回収する。対象のタンパク質の大部分は、塩基性範囲(8から9)に等電点(PI)を有し、従って、正常処理条件(このタンパク質のPIより下のpH)のもとで正電荷を有するので、これらは、第二のカラム内のカチオン交換樹脂に結合する。他の正電荷を有する不純物もこの樹脂に結合する。その後、タンパク質は溶出するが不純物は樹脂に結合したままである条件(pH、塩濃度)のもとでのこのカラムからの溶出により、対象のタンパク質を回収する。アニオン交換カラムは、一切の負電荷を有する不純物が樹脂に結合するが、対象の正電荷を有するタンパク質はフロー・スルー・ストリーム中に回収されるような、フロー・スルー・モードで、概して動作される。このプロセスにより、結果として、高純度および高濃度のタンパク質溶液が得られる。
タンパク質を精製するための他の代替法が、近年、研究されており;1つのこのような方法は、フロキュレーション技術を含む。この技術は、可溶性高分子電解質を未清澄細胞培養ブロスに添加して、懸濁粒子および可溶性不純物を捕捉し、それによってフロキュレント(flocculent)を形成する。その後、後者(フロキュレント)を濾過または遠心分離によって生体分子含有溶液から除去し、その結果として、溶解状態の対象の生体分子ならびに他の可溶性不純物および多少のより小さな粒子を含有する、清澄液を得る。
または、可能性高分子電解質を清澄細胞培養ブロスに添加して、対象の生体分子を捕捉し、それによってフロキュレントを形成し、これを沈降させ、その後、この溶液の残部から単離することができる。概して、この沈殿を洗浄して、ゆるく付着している不純物を除去する。その後、溶液条件(pHまたはイオン強度)の変更により、フロキュレントを解離させ、その後、ターゲット生体分子を溶出させる。
このフロキュレーション技術の主な欠点は、不純物を除去するためにまたは対象の生体分子を捕捉するために必要とされる正確な量で高分子電解質を添加することが求められる点である。少なすぎる凝集剤(flocculent)を添加すると、不純物、またはターゲットタンパク質の小部分は、溶解状態のままである。一方、多すぎる凝集剤(flocculent)を添加すると、結果として生ずる溶液から過剰な高分子電解質を除去する必要がある。このプロセスの(バッチ間の)比較的大きな変動度ならびに異なる生体分子を生産するプロセス間の非常に大きな相違のため、ブロス中の不純物の正確なレベルを予測することが難しい。いずれの過剰な高分子電解質の除去も、これが可溶性物質であるため、事実上不可能であり、従って、望ましくない不純物としてこのプロセスを通して保持される。
2007年12月20日に出願された同時係属出願USSN 12/004,314では、温度、光、塩レベルおよび/またはpHなどの一定の条件下で可溶性のポリマーを使用して、不純物をこの可溶性状態の間に結合し、その後、条件(pHまたは温度など)の変化によって沈殿させて、これと不純物を除去する。その後、従来のクロマトグラフィーまたは膜付着装置などを用いて、対象の生体分子をさらに処理する。
2007年12月20日に出願された同時係属出願USSN 12/004,319において、上で述べた出願の清澄化プロセスおよび化学的性質を用いて、清澄供給原料を得、その後、2007年12月20日に出願された同時係属出願USSN 12/004,319の異なる化学的性質およびプロセスを用いて、対象の生体分子を精製することが提案された。
上で論じたタンパク質精製技術のすべてが共通のテーマを共有しており、前記テーマとは、先ず懸濁粒子を除去すること、および第二工程で、このプロセスに付きものの可溶性不純物から対象の生体分子を分離することである。
誘導体化磁気粒子でのインサイチュー製品回収は、対象の生体分子を未清澄細胞培養ブロスから直接精製することができるタンパク質精製技術の一例である。この技術では、磁気ビーズを封入するポリマー外皮を、ターゲットタンパク質を捜しだして結合するアフィニティーリガンドで官能化する。その後、磁場を印加してビーズ−タンパク質複合体を収集し、可溶性不純物および不溶性粒子を残す。
この技術の主な欠点は、高勾配磁選機の設計、構成および妥当性検査に相当な資本投資を必要とすることである。また、この技術は、バイオプロセス産業においてタンパク質精製の標準になるとみられる使い捨て利用に向いていない。
この日に出願された同時係属出願では、2007年12月20日に出願された同時係属出願USSN 12/004,314および2007年12月20日に出願された同時係属出願USSN 12/004,319の刺激変化型ポリマーと未清澄ブロスまたは液を使用すること、ならびに不純物にこの可溶性状態の間に結合し、所望の生体分子を結合すること、または溶解を脱してポリマー沈殿物として連行することが提案されている。その後、この材料の残部からこの沈殿を分離し、場合により洗浄し、選択的溶出などにより、ポリマーおよび一切の不純物を残して所望の生体分子を精製形態で回収する。
この発明の主な欠点は、ポリマーを沈殿させ、さらなる処理および精製のために生体分子を捕捉するために、依然として刺激を必要とする点である。
発見したのは、新規バイモダルポリマーを未清澄供給原料に使用できること、および沈殿させるために必ずしも刺激変化を行わずに精製形態で対象の生体分子を回収できることであり、それにより、従来の方法より単純におよび少ない工程で生体分子を回収する別の新規プロセスを提供する。
同時係属出願USSN 12/004,314 同時係属出願USSN 12/004,319
本発明は、バイモダルポリマー、例えば、不溶性粒子と可溶性不純物のサブセットとに不可逆的に結合することができ、未清澄生体物質含有ストリーム中の1つ以上の所望の生体分子に可逆的に結合することもできる可溶性ポリマーに関し、ならびに事前に清澄化する必要なく、このようなストリームからの1つ以上の所望の生体分子を精製するためにこのような材料を使用する方法に関する。
このようなポリマーは、第一、第二、第三または第四アミン、例えば四級化アミン、ピリジン、イミダゾールおよびトリアジンなどの荷電ペンダント基のドメインを含み(第一モード);ならびに溶解状態でもはや保持され得ない凝集体を形成するために十分な量の、反対の電荷を有する固体粒子および可溶性不純物の一部分と単に複合体を形成することにより、不溶性にされ、溶液から沈殿する。ポリマーは、pH、イオン強度、塩などのプロセス条件に依存して、荷電または非荷電、親水性または疎水性であるペンダント基の他のドメインをさらに含むか、対象の生体分子に対して選択的であるリガンドを有する(第二モード)。1つの形態、例えば非荷電形態で存在するとき、前記ペンダント基は、未清澄細胞ブロスに関するストリーム中の1つ以上の所望の生体分子(タンパク質、ポリペプチドなど)に結合することができる。その後、例えばこのストリームの残部から濾過することによってこのストリームから沈殿を除去することができ、ならびに例えば選択的溶出によって所望の生体分子を回収する。
ポリマーと不純物とターゲット生体分子とを含有する沈殿を、液中の、またはポリマー中もしくは上に捕捉された、一切の不純物を確実に除去してしまうために、1回以上洗浄することができる。溶液のイオン強度および/またはpH条件を変えることによる沈殿からのターゲット分子の選択的溶出などによって、可溶性および不溶性物質を含む不純物が沈殿ポリマーと複合体を形成したままで、対象の生体分子を回収することができる。精製されたターゲット生体分子を溶出プールに回収し、沈殿したポリマー−不純物複合体を廃棄する。
本発明の1つの目的は、永久電荷を有するペンダント基と可逆的電荷を有するペンダント基の混合物を含む、ならびに可溶性および不溶性不純物ならびに所望の生体分子と複合体を形成すると不溶性になり沈殿を形成する、可溶性ポリマーを提供することである。
本発明の1つの目的は、一定の条件下で選択的に可溶化することができる、ならびに可溶性および不溶性不純物ならびに所望の生体分子と複合体を形成するうちに不溶性にされて、溶解を脱して沈殿することができる、バイモダルポリマーを提供することである。
1つの目的は、所望の生体分子を選択的に捕捉するおよび所望の生体分子に可逆的に結合するためにこれに付いているリガンドまたは官能基のいずれかを有する、1つ以上のポリマーまたはコポリマー、例えば、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)、ポリ(メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド)、ポリ(N−ビニルカプロラクタム)、ポリ(N−アクリロイルピペリジン)、ポリ(N−ビニルイソブチルアミド)、ポリ(N−置換アクリルアミド)[ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(N,N’−ジエチルアクリルアミド)、およびポリ(N−アクリロイル−N’−アルキルピペラジン)を含む。]、ヒドロキシアルキルセルロース、アクリル酸およびメタクリル酸のコポリマー、2または4−ビニルピリジンのポリマー、2または4−ビニルピリジンと少なくとも1つの追加のモノマーとを含有するポリマーおよびキトサンを、1つ以上の不純物または他の要素と共に該生体分子を含有する該ストリームから生体分子を精製するために使用することである。
1つの目的は、所望の生体分子を選択的に捕捉するおよび所望の生体分子に可逆的に結合するためにこれに付いているリガンドまたは官能基のいずれかを有する、四級化N−ビニルアミン、N−イニルピリジン(N−inyl pyridine)またはN−ビニルイミダゾールの1つ以上のポリマーまたはコポリマーを、1つ以上の不純物または他の要素と共に該生体分子を含有するストリームから該生体分子を精製するために使用することである。
本発明のもう1つの目的は、様々な比率のN−ビニルピリジン、N−アクリロイルピペリジン、N−ビニルイソブチルアミドまたはN−置換アクリルアミドを含む、ポリ(N−アルキル2または4−エチニルピリジニウム塩)、ポリ(N−アルキルエチニルイミダゾリウム塩)、ポリ(N−アルキルエチニルトリアジニウム塩)、ポリ四級化アミン、およびポリ四級化環状アミンから選択されるコポリマーを提供することである。
本発明のさらなる目的は、ポリ(N−アルキル2または4−エチニルピリジニウム塩)、ポリ(N−アルキルエチニルイミダゾリウム塩)、ポリ(N−アルキルエチニルトリアジニウム塩)、ポリ四級化アミン、およびポリ四級化環状アミンから選択されるポリマーであって、対象の生体分子に選択的に結合する、該ポリマーに付いているリガンド、例えばメルカプトエチルピリジン(MEP)、メルカプトエチルピラジン、MEB、2−アミノベンゾイミダゾール(ABI)、AMBI、2−メルカプト−安息香酸(MBA)、4−アミノ−安息香酸(ABA)、2−メルカプト−ベンゾイミダゾール(MBI)、プロテインAまたはGなどを有するものであるポリマーを提供することである。
本発明のさらなる目的は、選択された生体分子を生体分子含有未清澄ストリームから精製するためのプロセスであって、該ストリームを所定の条件で獲得すること、または該ストリームを所定の条件に合わせて修飾すること、およびこの所定の条件でこのストリームに可溶性のバイモダルポリマーを添加すること、この可溶化バイモダルポリマーをこのストリーム全体にわたって循環させて、第一モードが1つ以上の粒子、例えば細胞成分および可溶性不純物に結合でき、第二モードが所望の生体分子に可逆的に結合し、沈殿を形成し、このストリームに不溶性になることができるようにすること、このストリームを沈殿したポリマーから分離すること、ならびにこのポリマーをさらに処理して、溶出により、この捕捉された不純物を有するポリマーをこの沈殿(固体)形態で維持しながら所望の生体分子を回収することによるプロセスを提供することである。
本発明の追加の目的は、温度、塩、温度および塩含有率またはpHから選択される条件に基づいて可溶性になるポリマーに基づくプロセスを提供することである。
本発明のもう1つの目的は、ポリ(2または4−ビニルピリジン)、ポリ(2または4−ビニルピリジン−co−スチレン)、ポリ(2または4−ビニルピリジン−co−メチルメタクリラート)、ポリ(2または4−ビニルピリジン−co−ブチルメタクリラート)、ポリ(2または4−ビニルピリジン)グラフト型ヒドロキシアルキルセルロース、ポリ(2または4−ビニルピリジン−co−N−イソプロピルアクリルアミド)、およびポリ(メタクリル酸−co−メチルメタクリラート)から選択されるポリマーを提供することである。
本発明のさらなる目的は、ポリ(2または4−ビニルピリジン)、ポリ(2または4−ビニルピリジン−co−スチレン)、ポリ(2または4−ビニルピリジン−co−メチルメタクリラート)、ポリ(2または4−ビニルピリジン−co−ブチルメタクリラート)、ポリ(2または4−ビニルピリジン)グラフト型ヒドロキシアルキルセルロース、ポリ(2または4−ビニルピリジン−co−N−イソプロピルアクリルアミド)、およびポリ(メタクリル酸−co−メチルメタクリラート)から選択されるポリマーであって、対象の生体分子に選択的に結合する、該ポリマーに付いている官能基、例えばカルボキシル化もしくはピリジン基、またはリガンド、例えばプロテインAを有するものであるポリマーを提供することである。
本発明の追加の目的は、混合物と可溶化ポリマーを混合させるための、およびポリマーを1つ以上の要素に結合させるための、スタティックミキサーを提供することである。
本発明のもう1つの目的は、1つ以上の要素が混合物中の生体分子であるものを提供することである。
本発明の追加の目的は、単一工程での生体成分の混合物を精製するためのプロセスを提供することである。
本発明のもう1つの目的は、タンパク質、ポリペプチド、モノクローナル抗体、ヒト化、キメラまたは動物モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、抗体フラグメント、多重特異性抗体、イムノアドヘシン、およびC2/C3領域含有タンパク質から選択される生体成分の混合物を精製するためのプロセスを提供することである。
本発明のさらなる目的は、選ばれた1つ以上のポリマーを溶解状態にさせる1セットの条件範囲で対象の生体分子を含有する混合物を獲得し、この1つ以上のポリマーを添加し、この1つ以上のポリマーを溶解状態にし、ポリマーの第一モードを粒子および他の不純物に結合させる一方で、第二モードを対象の生体分子に可逆的に結合させ、この1つ以上のポリマーを不純物および対象の生体分子と共に溶解から脱して沈殿させ、その後、この沈殿をこの混合物の残部から分離するが、さらなる処理のためにこの混合物の1つ以上の要素をこの沈殿にとどめておくというプロセスを提供することである。
本発明のさらなる目的は、対象の生体分子を、これを製造した発酵槽またはバイオリアクターから得られる未清澄混合物から回収するためのプロセスを提供することである。
本発明の追加の目的は、沈殿を混合物の残部から分離するための濾過工程を提供することである。
本発明のもう1つの目的は、沈殿を混合物の残部から分離するための全量濾過(normal flow filtration)工程を提供することである。
本発明のさらなる目的は、沈殿を混合物の残部から分離するためのタンジェンシャルフロー(tangential flow)濾過工程を提供することである。
本発明の追加の目的は、沈殿を混合物の残部から分離するための遠心分離工程を提供することである。
本発明のもう1つの目的は、沈殿を混合物の残部から分離するためのデカント工程を提供することである。
本発明の追加の目的は、混合物の1つ以上の生体分子を沈殿ポリマーから、該ポリマーをこの沈殿形態で保持する条件下で溶出することによって回収するためのさらなる工程を提供することである。
本発明のさらなる目的は、対象の生体分子にさらなる処理を施すことである。
本発明の追加の目的は、医薬的に許容される担体に生体分子を配合するさらなる工程、およびこのような生体分子について公知の様々な診断、治療または他の用途のためのこの使用を提供することである。
本発明の1つの目的は、バイオリアクター内でまたはバイオリアクターから直接、一工程で精製生体分子を提供することである。
本発明のさらなる目的は、生体分子を、これを精製して沈殿技術で回収した後、濃縮するためのUF工程の使用である。
本発明の追加の目的は、強化されたUF(荷電UF)プロセスを用いる追加の処理で生体分子の精製および回収を果たすことである。
図1は、本発明による第一プロセスのブロック線図を示すものである。
発明の詳細な記述
本発明は、沈殿したときでさえ、この第一モードで粒子および不純物に結合する、ならびにこの第二モードで対象の1つ以上の生体分子に選択的におよび可逆的に結合する能力、例えば、親和性または電荷または疎水性などを有する、1つ以上の液相または可溶化バイモダルポリマーの使用である。好ましいポリマーは、静電および疎水能力を有する。そこで、好ましくは、ポリマーをこの固体または沈殿形態で保持しながら対象の生体分子をポリマーから溶出し、さらなる処理のために回収する。
より具体的には、本考案は、液相に可溶性の1つ以上のポリマーであって、液体中の粒子および不純物に結合するためにこの第一モードを用い、ならびにこの第二モードにより溶液中の1つ以上の所望の生体分子に選択的に結合するポリマーを使用して、沈殿を形成し、この沈殿から生体分子を回収するプロセスに関する。例として、タンパク質精製に関連して本考案を最もよく説明できるが、対象のこの特定の溶質にこの除去メカニズムが適用されるのであれば、本考案を用いて複雑な混合物から任意の溶質を精製することができる。
一定のポリマー、例えば、ポリ(N−ビニルカプロラクタム)、ポリ(N−アクリロイルピペリジン)、ポリ(N−ビニルイソブチルアミド)、ポリ(N−置換アクリルアミド)[ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(N,N’−ジエチルアクリルアミド)、およびポリ(N−アクリロイル−N’−アルキルピペラジン)を含む。]およびヒドロキシアルキルセルロースは、温度の変化の結果として可溶性変化を呈示するポリマーの例である。他のポリマー、例えば、アクリル酸とメタクリル酸のコポリマー、2または4−ビニルピリジンのポリマーおよびコポリマーならびにキトサンは、pHまたは塩の変化の結果として可溶性の変化を呈示する。一定のポリマー、例えば、ポリ(N−アルキル2または4−エチニルピリジニウム塩)、ポリ(N−アルキルエチニルイミダゾリウム塩)、ポリ(N−アルキルエチニルトリアジニウム塩)、ポリ四級化アミン、およびポリ四級化環状アミンは、水溶液に可溶性である、および反対の電荷を有する不純物と複合体を形成することができる、ポリマーの例である。
これらのポリマーの一部は、対象の所望の分子を選択的に結合または溶出する固有第二モード能力を有さないことがあるので、これらを、所望の分子と複合体を形成するリガンドまたは化学基で修飾し、これを複合体状態で保持し、その後、適切な溶出条件下で所望の分子を放出する必要がある。適する化学基としては、このポリマーの一部として形成されているまたはこのポリマーに付いているカルボキシル基およびアミン基、例えばピリジン基を挙げることができるが、これらに限定されない。アフィニティーリガンドの化学的擬態などのリガンドを用いてもよい。このようなリガンドとしては、天然リガンドまたは合成リガンド、例えば、メルカプトエチルピリジン(MEP)、メルカプトエチルピラジン、MEB、2−アミノベンゾイミダゾール(ABI)、AMBI、2−メルカプト−安息香酸(MBA)、4−アミノ−安息香酸(ABA)、2−メルカプト−ベンゾイミダゾール(MBI)などが挙げられるが、これらに限定されない。
使用するポリマーに依存して、用いるプロセスが変わることがある。
先行発明とは異なり、本発明では、対象の生体分子を細胞、細胞破壊片、宿主細胞タンパク質、DNA、ウイルスなどと共に含有する未清澄細胞培養液を使用することができる。さらに、バイオリアクターからのものなどの採集した細胞培養液(未清澄細胞培養液)を用いてこのプロセスを行うことができ、または所望される場合には、バイオリアクターこれ自体の中でこれを行うことができる。
ポリマーが溶解状態にさせることおよび両方のモードにこれらの機能を行わせることを可能にする所望のpH、温度もしくは他の特性に合わせて前記液を予備調質することができ、またはポリマーの添加により前記液を調質することができ、またはポリマーを、該ポリマーが可溶化されこの液中で活性であるために必要なパラメータに合わせて適切に調質されたキャリア液に添加することができる。ポリマーを液と共に十分に循環させ、不純物および所望の生体分子に結合させて、溶解から脱して沈殿するであろう凝集体を形成する。前記ポリマー、不純物および所望の生体分子をこの液の残部から分離し、場合により1回以上洗浄して、一切の捕捉されているまたはゆるく結合している混在物を除去する。その後、溶出などにより、所望の生体分子をポリマーから回収する。好ましくは、この溶出は、所望の生体分子の溶出中にポリマーはこの固体(沈殿下)形態のままであるが、両方とも新たな液、例えば水または緩衝溶液には可溶化することができる、ならびにアフィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、疎水性クロマトグラフィー、またはポリマーもしくは不純物のものに勝る生体分子に対する嗜好性および選択性を有する他のタイプのクロマトグラフィーなどの手段によって生体分子を回収することができるような1セットの条件下で行う。その後、この溶出された生体分子を回収し、所望される場合には追加の処理工程に付す。
バイモダル特性を有するポリマーとしては、四級化ポリビニルピリジン(QPVP)が挙げられるが、これに限定されない。特に、四級化が50%以下であるQPVPが、好ましい。他のポリマーとしては、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)、ポリ(メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド)、四級化ポリビニルイミダゾール、四級化ポリビニルトリアジン、四級化ポリアミンおよび四級化多環式アミンを挙げることができる。これらは、親水性および/または疎水性である第一モードを有する。これらは、化学的であり得る第二モードメカニズム、例えば、官能基、例えばカルボキシルもしくはピリジン基、例えば四級化アミン基を有し、またはこれは、リガンド、例えば、プロテインA、プロテインG、プロテインAの合成擬態、例えばMEPまたはMABである場合もある。
プロセスは、妥当なpH、温度もしくは塩濃度、またはポリマーを可溶性にし、これらのバイモダル機能を果たさせるために用いられる他の条件で、混合物の液体の1つ以上の状態を獲得すること、およびその後、このポリマーを直接この混合物に添加する、または水もしくは緩衝溶液などのキャリア液に既に可溶化されたこのポリマーをこの混合物に添加することを、一般に含む。ある事例では、混合物は、ポリマーをこの混合物に単に添加することができる適切な状態である。
他の事例では、混合物は、所望の状態であるために調質または修飾を必要とすることがある。この修飾または調質は、混合物を先ず修飾し、その後、ポリマーに添加することによって;望ましい状態に調質されているキャリア液にポリマーを添加すること、および混合物をこの状態にこのようにして至らせるためにこのキャリア液が十分であるように、これをこの混合物に添加することによって;または両方を行うことによって、行うことができる。
ポリマーの第一および第二モードは、これらの選択的ターゲットに結合し、凝集体を形成し、これに起因して、刺激変化を必要とすることなくポリマーは不溶性になり、この混合物から分散固体懸濁物として沈殿する。
この沈殿を、遠心分離、または濾過、または液体部分をデカントする重力および時間などによって、分離する。回収したポリマー/所望の生体分子沈殿を1回以上洗浄して一切の残留不純物または混在物を除去し、その後、生体分子をポリマーから、この生体分子要素をこのポリマーから選択的に放出させる条件下で、溶出するので、これを回収することができ、さらなる処理に付すことができる。好ましくは、溶出条件は、ポリマーがこの固体または沈殿形態のままであり、その上、不純物も保持するような条件である。溶出された生体分子は、ポリマーを上流に保持するが生体分子を通過させる単純な濾過によって、ポリマーから分離される。
1つのポリマーまたはポリマーのブレンドを本発明において使用することができ、これは、今後、用語ポリマー、ポリマーまたは1つ以上のポリマーを用いるときは常に両方の実施形態を包含することを意味する。
上で論じたように、ポリマーは、混合物に、そのまま直接添加されることがあり、またはこれを添加するにつれてポリマーの第一および第二モードの溶解度および結合能力を向上させる調質状態で添加されることがある。または、これが可溶性であるキャリア液であって、好ましくは同じく混合物と相溶性であるキャリア液に、これを添加することがある。1つのこのようなキャリア液は、水、酸または塩基を使用して特定のpHに調整された水であり、もう1つは、水系溶液、例えば食塩水、生理緩衝液、または水と有機溶媒とのブレンド、例えば水/アルコールブレンドである。キャリア液の選択は、好ましいおよび許容されることに応じて添加される混合物に依存する。既に調質された(例えば、pH調整された、または所望の温度に加熱された、または1つ以上の塩を添加して所望の温度に加熱された、または1つ以上の塩を添加してもしくはせずに所望の温度に冷却された)キャリア液にポリマーを添加する、またはこれを添加することができ、その後、このポリマーをこのキャリアへ可溶化させるようにキャリアを調質する。その後、このキャリア/可溶性ポリマーブレンドを混合物に添加する。
混合物を、混合容器、例えばテーパー底金属(好ましくはステンレス鋼、さらに好ましくは304もしくは316Lステンレス鋼)またはガラスまたはプラスチックバッグ、バットまたはタンクに収容することができる。または、とりわけ細胞培養または微生物もしくは酵母培養の際には、これは、細胞を増殖させたバイオリアクターまたは発酵槽である場合がある。これは、使い捨てバイオリアクターもしくは発酵槽または使い捨て混合バッグ、例えば、マサチューセッツ州BillericaのMillipore Corporationから入手できるようなプラスチックバッグである場合もある。磁気攪拌棒、磁気駆動ミキサー、例えば、マサチューセッツ州BillericaのMillipore Corporationから入手できるNovAseptic(登録商標)ミキサー、電光型(Lightning−type)ミキサー、再循環ポンプ、またはUS 2005/0063259A1およびUS 7,377,686に示されているような揺動運動密閉混合バッグもしくはバイオリアクターもしくは発酵槽、または液中の上昇する起泡に起因して循環パターンが形成されるエアリフトタイプのミキサーもしくは反応器によって行うことができる混合動作によって、前記混合物とポリマーを均質に接触させる。
または、混合物およびポリマー(単独でのまたはキャリア中のもの)を別々の容器に入れ、スタティックブレンダーにおいてインラインで混合することができる。その後、このブレンドを容器にまたは遠心機もしくはフィルターに入れることができ、そこで沈殿ポリマーおよびこれに結合した1つ以上の生体分子要素をこの混合物の残部から分離し、その後、さらに処理する。
もう1つの実施形態では、混合物およびポリマー(単独でのまたはキャリア中のもの)を、この混合物を保持する容器内で共にブレンドし、スタティックブレンダーにおいてインラインでさらに混合する。このブレンドを、容器に、または遠心機に、またはフィルターに入れることができ、そこで沈殿ポリマーおよびこれに結合した1つ以上の要素をこの混合物の残部から分離する。その後、この沈殿ポリマーをさらに処理して対象の生体分子を回収する。
遠心分離を用いて、沈殿ポリマーを液体混合物の残部から容易におよび迅速に分離することができる。遠心分離後、この上清、一般にはこの混合物の残部を流出させる。この沈殿ポリマーをさらに処理して、生体分子を回収する。
所望される場合には、上清を1つ以上の追加のポリマー沈殿工程に付して、さらに一層多くの所望の生体分子を回収することができる。
所望される場合には、単純なデカントを用いてもよい。
濾過は、様々な仕様で遂行することができる。沈殿させたら、このポリマーのサイズに依存して、様々なサイズまたは非対称の1つ以上のフィルターを使用することができる。フィルターのタイプおよびサイズの選択は、捕捉すべき沈殿の体積に依存する。
膜ベースのフィルター、好ましくは微孔性膜を本発明では使用することができる。このようなフィルターは、一般に、実際にはポリマーのものであり、オレフィン、例えばポリエチレン(超高分子量ポリエチレンを含む。)、ポリプロピレン、EVAコポリマーおよびαオレフィン、メタロセンオレフィン系ポリマー、PFA、MFA、PTFE、ポリカーボネート、ビニルコポリマー、例えばPVC、ポリアミド、例えばナイロン、ポリエステル、セルロース、酢酸セルロース、再生セルロース、セルロース複合材、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリールスルホン、ポリフェニルスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、およびこれらのブレンドなどの(しかし、これらに限定されない)ポリマーから製造することができる。選択される膜は、用途、所望の濾過特性、濾過すべき粒子のタイプおよびサイズ、ならびに所望される流量に依存する。好ましい膜ベースのフィルターとしては、マサチューセッツ州BillericaのMillipore Corporationから入手できるDURAPORE(登録商標)PVDF膜、マサチューセッツ州BillericaのMillipore Corporationから入手できるMILLIPORE EXPRESS(登録商標)およびMILLIPORE EXPRESS(登録商標)PLUSまたはSH PES膜が挙げられる。プレフィルター、デプスフィルターなど、例えば、マサチューセッツ州BillericaのMillipore Corporationから入手できるPolygard(登録商標)プレフィルター(Polygard CEプレフィルター)およびデプスフィルター(Polygard CRデプスフィルター)も、これらの実施形態において使用することができる。
前記混合物、ポリマー、および生体分子の性質に依存して、フィルターは、親水性であることもあり、または疎水性であることもある。好ましいフィルターは、親水性であり、あまりタンパク質に結合しない。
フィルターは、これが膜であろうとなかろうと、この深さ全体にわたって細孔径が対称であることもあり(例えば、マサチューセッツ州BillericaのMillipore Corporationから入手できるDURAPORE(登録商標)PVDF膜)、またはマサチューセッツ州BillericaのMillipore Corporationから入手できるMILLIPORE EXPRESS(登録商標)およびMILLIPORE EXPRESS(登録商標)PLUSもしくはSH PES膜のようにこの厚さ全体にわたって細孔径が非対称であることもある。これは、所望される場合にはプレフィルター層を、別の上流層として、または膜これ自体の一体化上流部分として含有することがある。
フィルターまたはプレフィルターまたはデプスフィルターは、非膜材料、例えば連続巻取り繊維、繊維マット(Millistak+(登録商標)パッド)および/または不織材料、例えばTyvek(登録商標)プラスチックペーパーで構成されることがある。
膜の細孔径は、選択されるポリマーおよび混合物に依存して様々であり得る。一般に、これは、約0.05マイクロメートルから5マイクロメートル、好ましくは約0.05マイクロメートルから約1マイクロメートル、さらに好ましくは約0.05から約0.65マイクロメートルの平均細孔径を有する。
プレフィルターおよびデプスフィルターは、多くの場合、細孔径によって等級づけされないが、これらが存在する限りは、これらは、約0.22マイクロメートルから約10マイクロメートルの細孔径を有してもよい。
膜であろうとなかろうと、フィルターは、デッドエンド即ち全量(NF)形式またはタンジェンシャルフロー(TFF)形式で実行することができる。いずれも本発明で動作する場合、この選択は、多数の要因、主として使用者の好みまたは装備された濾過装置に依存する。TFFプロセスおよび装置は、大量のポリマーおよび分子を回収すべきときに好ましい。TFFは、NF法より目詰まりまたは汚損を受けないからである。
図1は、本発明の第一のプロセスのブロック線図を示すものである。最初の工程2において、非清澄混合物を妥当なパラメータに合わせて調質して、選ばれた捕捉ポリマーを溶液状態で維持し、添加したきに2つのモードを機能できるようにする;またはこの混合物の状態が、既に、ポリマーがこの混合物に可溶性であり、この混合物中で二機能性であるようなものである場合にはさらなる調質を必要としないことがある。または、ポリマーを固体として未清澄混合物に添加してもよく、その後、(固体ポリマーを含有する。)この混合物を妥当なパラメータに合わせて調質して、このポリマーをこの混合物に溶解し、これらのバイモダル機能を生じさせることができる。同様に、ポリマーをキャリア液に添加することができ、および妥当な条件で混合物に添加することができる。この混合物は、これ自体、予備調質されていることもあり、またはキャリアに依存して、この導入時にこれを調質することもある。第二の工程4では、ポリマーを、このストリーム中の混合物と、この混合物のすべての成分と均質に接触させるために適する分布を作る望ましい時間量にわたって混合する。第三の工程6において、このポリマーは、凝集体を形成し、この混合物から分散固体懸濁物として沈殿するが、結合した不純物および生体分子を保持する。その後、第四の工程8において、この混合物の残部および沈殿したポリマーを互いに分離する。上で論じたように、沈殿と残存混合物を、遠心分離、デカントまたは濾過によって分離することができる。
その後、水、当分野において公知であるような緩衝液または中間洗浄溶液でこの沈殿を1回以上、場合により洗浄して、この沈殿から一切の不純物をまたはこの沈殿から一切の非特異的結合不純物を除去することができる。
その後、所望の生体分子を回収する。好ましくは、これを、工程10において、(この分子および使用するポリマーに依存して酸性または塩基性の)pHの緩衝液の添加などによりポリマーから溶出し、この溶液の塩濃度または温度を変化させて、このポリマーのない所望の分子の回収を可能にする。好ましくは、溶出条件は、ポリマーが、この固体(沈殿した)形態のままであり、これに結合している不純物を保持するが、所望されるまたは必要とされる場合には、これを再び可溶性にすることができ、生体分子がこのポリマーから脱複合体化し(decomplexed)、その後、このポリマーを再沈させることができるので、第一モードは作用し不純物を除去するが、第二モードは作用せず、そのため生体分子がこの液と共に残存するような条件である。
生体分子を沈殿と共に回収する場合、沈殿から分離される液に一切の過剰なポリマーが託され、その結果、何らかの残留ポリマーが液体ストリーム中に残存するかどうかに関する一切の問題が減少される。
所望される場合には、追加のポリマーを残存する液に添加して、できるかぎり多くの生体分子を確実に回収することができる。
回収した後、対象の生体分子を1つ以上の公知の追加工程、例えば、クロマトグラフィー工程(イオン交換クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィーまたはアフィニティークロマトグラフィーを含むがこれらに限定されない。)、様々な濾過工程、例えば微量濾過、限界濾過、荷電UF膜を用いるまたは用いない高性能タンジェンシャルフロー濾過(HPTFF)、ウイルス除去/不活性化工程、最終濾過工程などに付すことがある。または、さらなる精製工程を必要とせずに対象の溶出生体分子をこのまま使用することがある。また、対象の生体分子を、クロマトグラフィー工程を必要としない、さらなる精製に付すことがある。
さらなる実施形態では、アフィニティークロマトグラフィーによる細胞採集のプロセス工程をなくす。この実施形態のもとでの生物学的プロセスは、ポリマーベースの精製工程による未清澄混合物からの生体分子の直接捕捉、このポリマーおよびこの混合物の残部からのこの生体分子の分離、2工程以上のウイルス除去または不活性化、例えばウイルスフィルターによる除去または熱、化学物質もしくは光での処理による不活性化、妥当な製剤への配合工程、および配合された生体分子を使用するためのこの最終容器(バイアル、注射器など)に充填する前の最終濾過から成る。
本発明の実施形態のいずれにおいても、このように回収されたタンパク質などの生体分子を医薬的に許容される担体に調合することができ、このような分子について公知の様々な診断、治療または他の用途に使用する。
プロセスの出発原料である混合物は、これを増殖させた細胞株ならびにこれを増殖させ、採集した条件に依存して変わる。例えば、大部分のCHO細胞プロセスにおいて、細胞は、細胞壁の外部の培地に分子を発現する。混合物中の不純物の量を減少させるために採集中にこれらの細胞を破壊しないように努力する。しかし、一部の細胞は、増殖および採集中に剪断もしくは他の取り扱い条件のため破壊して、または死滅し、溶解して、これらの含有物をこの混合物に流入させることがある。細菌細胞系では、生体分子は、多くの場合、細胞壁と共に保持され、またはこれが実際に細胞壁の一部である場合もある(プロテインA)。これらの系では、対象の生体分子を回収するために細胞壁を破壊または溶解する必要がある。
精製すべきターゲット分子は、任意の生体分子、好ましくは、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、オランダのCrucellから入手できるPer.C6(登録商標)細胞株、骨髄腫細胞、例えばNSO細胞、他の動物細胞、例えば、マウス細胞、昆虫細胞、または微生物細胞、例えばE.コリもしくは酵母をはじめとする(しかし、これらに限定されない)任意の宿主細胞において生産されたタンパク質、特に組換えタンパク質であり得る。加えて、混合物は、対象の生体分子を含有するミルクまたは血液などのトランスジェニック液を生産するように修飾された動物から採取した液である場合がある。最適なターゲットタンパク質は、抗体、イムノアドヘシンおよび他の抗体様分子、例えば、C2/C3領域を含む融合タンパク質である。特に、この産物およびプロセスは、組換えヒト化モノクローナル抗体、例えば、RhuMAbを発現するチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞において増殖させた調整採集細胞培養液(HCCF)から(RhuMAb)を精製するために使用することができる。
本発明の範囲内の抗体としては、トラツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))(Carterら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,89:4285−4289(1992)、U.S.Pat.No.5,725,856)をはじめとする抗HER2抗体;抗CD20抗体、例えば、U.S.Pat.No.5,736,137におけるようなキメラ抗CD20「C2B8」(RITUXAN.(登録商標))、U.S.Pat.No.5,721,108B1におけるような2H7抗体のキメラもしくはヒト化変異体、またはトシツモマブ(BEXXAR.(登録商標));抗IL−8(St Johnら,Chest,103:932(1993)、およびInternational Publication No.WO 95/23865);ヒト化および/または親和性成熟抗VEGF抗体、例えば、ヒト化抗VEGF抗体huA4.6.1 AVASTIN(登録商標)(Kimら,Growth Factors,7:53−64(1992)、International Publication No.WO 96/30046、および1998年10月15日に発行されたInternational Publication No.WO 98/45331)をはじめとする、抗VEGF抗体;抗PSCA抗体(WO01/40309);S2C6およびこのヒト化変異体(WO00/75348)をはじめとする、抗CD40抗体;抗CD11a(U.S.Pat.No.5,622,700、WO 98/23761、Steppeら,Transplant Intl.4:3−7(1991)、およびHourmantら,Transplantation 58:377−380(1994));抗IgE(Prestaら,J Immunol.151:2623−2632(1993)、およびInternational Publication No.WO 95/19181);抗CD18(1997年4月22日に発行されたU.S.Pat.No.5,622,700、または1997年7月31日に発行されたWO 97/26912におけるようなもの);抗IgE(E25、E26およびE27を含む;1998年2月3日に発行されたU.S.Pat.No.5,714,338または1992年2月25日に発行されたU.S.Pat.No.5,091 ,313、1993年3月4日に発行されたWO 93/04173、または1998年6月30日に出願されたInternational Application No.PCT/US98/13410、U.S.Pat.No.5,714,338);抗Apo−2受容体抗体(1998年11月19日に発行されたWO 98/51793);cA2(REMICADE(登録商標))、CDP571およびMAK−195(1997年9月30日に発行されたU.S.Pat.No.5,672,347、Lorenzら,J.Immunol.156(4):1646−1653(1996)、およびDhainautら,Crit.Care Med.23(9):1461−1469(1995)参照)をはじめとする抗TNF−α抗体;抗組織因子(TF)(1994年11月9日に付与されたEuropean Patent No.0420 937B1);抗ヒトαβインテグリン(1998年2月19日に発行されたWO 98/06248);抗EGFR(1996年12月19日に発行されたWO 96/40210におけるようなキメラ化またはヒト化225抗体);抗CD3抗体、例えば、OKT3(1985年5月7日に発行されたU.S.Pat.No.4,515,893);抗CD25または抗tac抗体、例えば、CHI−621(SIMULECT(登録商標))および(ZENAPAX(登録商標))(1997年12月2日に発行されたU.S.Pat.No.5,693,762参照);抗CD4抗体、例えば、cM−7412抗体(Choyら,Arthritis Rheum 39(1):52−56(1996));抗CD52抗体、例えば、CAMPATH−1H(Riechmannら,Nature 332:323−337(1988));抗Fc受容体抗体、例えば、Grazianoら,J.Immunol.155(10):4996−5002(1995)におけるようなFcγRIに対するM22抗体;抗癌胎児性抗原(CEA)抗体、例えば、hMN−14(Sharkeyら,Cancer Res.55(23 Suppl):5935s−5945s(1995);huBrE−3、hu−Mc 3およびCHL6(Cerianiら,Cancer Res.55(23):5852s−5856s(1995);およびRichmanら,Cancer Res.55(23 Supp):5916s−5920s(1995))をはじめとする、***上皮細胞に対する抗体;結腸癌腫細胞に結合する抗体、例えば、C242(Littonら,Eur J.Immunol.26(1):1−9(1996));抗CD38抗体、例えば、AT 13/5(Ellisら,J Immunol.155(2):925−937(1995));抗CD33抗体、例えば、Hu M 195(Jurcicら,Cancer Res 55(23 Suppl):5908s−5910s(1995)およびCMA−676またはCDP771;抗CD22抗体、例えば、LL2またはLymphoCide(Juweidら,Cancer Res 55(23 Suppl):5899s−5907s(1995));抗EpCAM抗体、例えば、17−1A(PANOREX(登録商標));抗GpIIb/IIIa抗体、例えば、アブシキシマブ(abciximab)またはc7E3 Fab(REOPRO(登録商標));抗RSV抗体、例えば、MEDI−493(SYNAGIS(登録商標));抗CMV抗体、例えば、PROTOVIR(登録商標);抗HIV抗体、例えば、PRO542;抗肝炎抗体、例えば、抗Hep B抗体OSTAVIR(登録商標);抗CA 125抗体OvaRex;抗イディオタイプGD3エピトープ抗体BEC2;抗αvβ3抗体VITAXIN(登録商標);抗ヒト腎細胞癌腫抗体、例えば、ch−G250;ING−1;抗ヒト17−1A抗体(3622W94);抗ヒト結腸直腸腫瘍抗体(A33);CD3ガングリオシドに対する抗ヒト黒色腫抗体R24;抗ヒト扁平上皮癌腫(SF−25);ならびに抗ヒト白血球抗原(HLA)抗体、例えば、Smart ID10および抗HLA DR抗体Oncolym(Lym−1)が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書における抗体に好ましいターゲット抗原は、HER2受容体、VEGF、IgE、CD20、CD11a、およびCD40である。
上で具体的に特定した抗体の他に、当業者は、対象の抗原に対する抗体を、例えば下で説明する技術を用いて、産生させることができる。
本明細書における抗体は、対象の抗原に対するものである。好ましくは、抗原は、生物学的に重要なポリペプチドであり、疾病または疾患に罹患している哺乳動物への抗体の投与は、結果として、この哺乳動物に治療的恩恵をもたらすことができる。しかし、非ペプチド抗原(例えば、腫瘍関連糖脂質抗原;U.S.Pat.No.5,091,178参照)に対する抗体も考えられる。抗原がポリペプチドである場合、これは、膜貫通型分子(例えば、受容体)またはリガンド、例えば成長因子であることがある。例示的抗原としては、下のセクション(3)において説明するタンパク質が挙げられる。本発明に包含される抗体についての例示的分子ターゲットとしては、CDタンパク質、例えば、CD3、CD4、CD8、CD19、CD20、CD22、CD34、CD40;ErbB受容体ファミリーのメンバー、例えば、EGF受容体、HER2、HER3もしくはHER4受容体;細胞接着分子、例えば、LFA−1、Mac1、p150,95、VLA−4、ICAM−1、VCAM、およびこのαもしくはβサブユニットのいずれかを含むαv/β3インテグリン(例えば、抗CD11a、抗CD18もしくは抗CD11b抗体);成長因子、例えば、VEGF;IgE;血液型抗原;flk2/flt3受容体;肥満(OB)受容体;mpl受容体;CTLA−4;プロテインC;または本明細書において言及する他の抗原のいずれかが挙げられる。上に列挙した抗体が結合する抗原は、本明細書における範囲に特に含まれる。
他の分子に場合によってはコンジュゲートしている可溶性抗原またはこれらのフラグメントを、抗体を産生させるための免疫原として使用することができる。膜貫通型分子、例えば受容体については、これらのフラグメント(例えば、受容体の細胞外ドメイン)を免疫原として使用することができる。または、膜貫通型分子を発現する細胞を免疫原として使用することができる。このような細胞は、天然源(例えば、癌細胞株)から採取される場合もあり、または膜貫通型分子を発現するように組換え技術によって形質転換された細胞である場合もある。
抗体の調製に有用な他の抗原およびこれらの形態は、当業者には明らかである。
本発明ではポリクローナル抗体を精製することもできる。ポリクローナル抗体は、好ましくは、関連抗原およびアジュバントの多回皮下(sc)または腹腔内(ip)注射によって、動物において産生される。二官能性薬剤または誘導体化剤、例えば、マレイミドベンゾイルスルホスクシンイミドエステル(システイン残基によるコンジュゲーション)、N−ヒドロキシスクシンイミド(リシン残基による。)、グルタルアルデヒド、無水コハク酸、SOCl、またはRN−C−NR(この場合のRおよびRは、異なるアルキル基である。)を使用して、免疫する種において免疫原性であるタンパク質、例えばキーホールリンペットヘモシアニン、血清アルブミン、ウシサイログロブリン、またはダイズトリプシン阻害剤に抗原をコンジュゲートさせることが有用である場合がある。
例えば、100μgもしくは5μg(それぞれ、ウサギもしくはマウスについて)のタンパク質もしくはコンジュゲートと3容量のフロイント完全アジュバントを併せ、この溶液を多数の部位に皮内注射することによって、動物を抗原、免疫原性コンジュゲートまたは誘導体に対して免疫する。1か月後、これらの動物を、多数部位での皮下注射により、フロイント完全アジュバント中の、最初の量の1/5から1/10の抗原またはコンジュゲートで、追加免疫する。7から14日後、これらの動物から採血し、血清を抗体力価についてアッセイする。力価がプラトーに達するまで、動物を追加免疫する。好ましくは、異なるタンパク質におよび/または異なる架橋剤によりコンジュゲートしたものであるが同じ抗原のコンジュゲートで、動物を追加免疫する。コンジュゲートを組換え細胞培養でタンパク質融合体として作製することもできる。また、ミョウバンなどの凝集剤を適切に使用して免疫応答を強化する。
モノクローナル抗体は、本発明において対象となるものであり、およびKohlerら,Nature,256:495(1975)によって最初に記載されたハイブリドーマを使用して作製することができ、または組換えDNA法(U.S.Pat.No.4,816,567)によって作製することができる。
ハイブリドーマ法では、免疫に使用するタンパク質に特異的に結合する抗体を生産するまたは生産することができるリンパ球を誘発するために、マウスまたは他の適切な宿主動物、例えばハムスターもしくはマカクザルを上で説明したように免疫する。または、リンパ球をインビトロで免疫してもよい。その後、ポリエチレングリコールなどの適切な融合剤を使用してリンパ球を骨髄腫細胞と融合させて、ハイブリドーマ細胞を形成する(Goding,Monoclonal Antibodies:Principles and Practice,pp.59−103(Academic Press,1986))。
このようにして調製したハイブリドーマ細胞を、融合していない親骨髄腫細胞の増殖または生存を阻害する1つ以上の物質を好ましくは含有する適する細胞培養基に接種し、増殖させる。例えば、親骨髄腫細胞に、酵素ヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPRTまたはHPRT)がない場合、ハイブリドーマのための培養基は、概して、ヒポキサンチン、アミノプロテインおよびチミジン(これらの物質がHGPRT欠損細胞の増殖を防止する。)を含む(HAT培地)。
好ましい骨髄腫細胞は、効率的に融合する;選択された抗体生産細胞による抗体の適切な高レベル生産を支持する;およびHAT培地などの培地に対して感受性であるものである。これらの中で、好ましい骨髄腫細胞株は、マウス骨髄腫系統、例えば、米国、カリフォルニア州、サンディエゴのSalk Institute Cell Distribution Centerから入手できるMOPC−21およびMPC−11マウス腫瘍から得られるもの、ならびに米国、メリーランド州、ロックヴィルの米国微生物系統保存機関(the American Type Culture Collection)から入手できるSP−2またはX63−Ag8−653細胞である。ヒト骨髄腫およびマウス−ヒト異種骨髄腫(heteromyeloma)細胞株もヒトモノクローナル抗体抗体の生産について記載されている(Kozbor,J.Immunol.,133:3001(1984);Brodeurら,Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications,pp.51−63(Marcel Dekker,Inc.,New York,1987))。
ハイブリドーマ細胞が増殖している培養基を、抗原に対するモノクローナル抗体の生産についてアッセイする。好ましくは、ハイブリドーマによって生産されたモノクローナル抗体の結合特異性を、免疫沈降法によって、またはインビトロ結合アッセイ、例えばラジオイムノアッセイ(RIA)もしくは酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)によって判定する。
所望の特異性、親和性および/または活性の抗体を生産するハイブリドーマ細胞を同定した後、これらのクローンを制限希釈手順によってサブクローニングすることおよび標準的な方法(Goding,Monoclonal Antibodies:Principles and Practice,pp.59−103(Academic Press,1986))によって増殖させることができる。この目的のために適する培養基としては、例えば、D−MEMまたはRPMI−1640培地が挙げられる。加えて、ハイブリドーマ細胞を動物において腹水腫瘍としてインビボで増殖させることができる。
これらのサブクローンによって分泌されたモノクローナル抗体を、例えばマサチューセッツ州BillericaのMillipore Corporationから入手できるPro−Sep(登録商標)プロテインA培地、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析、またはアフィニティークロマトグラフィーなどの従来の免疫グロブリン精製手順によって、培養基、腹水、または血清から適切に分離する。好ましくは、本明細書に記載するプロテインAクロマトグラフィー手順を用いる。
モノクローナル抗体をコードするDNAを、従来の手順を用いて(例えば、これらのモノクローナル抗体の重および軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合することができるオレゴヌクレオチドプローブを使用することにより)、容易に単離し、シークエンシングする。ハイブリドーマ細胞は、このようなDNAの好ましい供給源として役立つ。単離したら、このDNAを発現ベクター内に配置することができ、その後、これらのベクターを、そうしなければ免疫グロブリンタンパク質を生産しない宿主細胞、例えばE.コリ細胞、シミアンCOS細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、または骨髄腫細胞にトランスフェクトして、これらの組換え宿主細胞においてモノクローナル抗体の合成を達成する。
例えば、ヒト重および軽鎖定常領域についてのコーディング配列をこの相同マウス配列の代わりに用いることによって(U.S.Pat.No.4,816,567;Morrisonら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,81:6851(1984))、または非免疫グロブリンポリペプチドについてコーディング配列のすべてもしくは一部を免疫グロブリンコーディング配列に共有結合により連結させることによって、前記DNAを修飾することもできる。
概して、このような非免疫グロブリンポリペプチドで抗体の定常領域を置換し、またはこれらで、抗体の1つの抗原結合部位の可変ドメインを置換して、抗原に対する特異性を有する抗原結合部位と別の抗原に対する特異性を有するもう1つの抗原結合部位とを含むキメラ二価抗体を生じさせる。
さらなる実施形態では、McCaffertyら,Nature,348:552−554(1990)に記載されている技術を用いて産生させた抗体ファージライブラリーからモノクローナル抗体を単離することができる。Clacksonら,Nature,352:624−628(1991)およびMarksら,J.Mol.Biol.,222:581−597(1991)には、ファージライブラリーを使用するマウスおよびヒト抗体の単離がそれぞれ記載されている。その後の出版物には、チェーン・シャッフリングによる高親和性(nM範囲)ヒト抗体の生産(Marksら,Bio/Technology,10:779−783(1992))、ならびに非常の大きなファージライブラリーを構築するための戦略としてのコンビナトリアル感染およびインビボ組換え(Waterhouseら,Nuc.Acids.Res.,21:2265−2266(1993))が記載されている。このように、これらの技術は、モノクローナル抗体の単離のための従来のハイブリドーマ技術に対する実行可能な代案である。
ヒト化抗体は、非ヒトである供給源からこれに導入された1つ以上のアミノ酸残基を有する。これらの非ヒトアミノ酸残基は、多くの場合「インポート」残基と呼ばれ、これらの残基は、「インポート」可変ドメインから概して得られる。ヒト化は、本質的にはWinterおよび共同研究者の方法(Jonesら,Nature,321:522−525(1986);Riechmannら,Nature,332:323−327(1988);Verhoeyenら,Science,239:1534−1536(1988))に従って、齧歯動物CDRまたはCDR配列でヒト抗体の対応する配列を置換することによって行うことができる。従って、このような「ヒト化」抗体は、インタクトなヒト可変ドメインより実質的に少ない分が非ヒト種からの対応する配列によって置換されたキメラ抗体(U.S.Pat.No.4,816,567)である。実際には、ヒト化抗体は、概して、一部のCDR残基およびことによると一部のFR残基が齧歯動物抗体における類似部位からの残基によって置換されているヒト抗体である。
ヒト化抗体を作製する際に使用されるヒト可変領域、重鎖と軽鎖両方、の選択は、抗原性を低減するために非常に重要である。いわゆる「ベスト・フィット」法によると、齧歯動物抗体の可変ドメインの配列を既知ヒト可変ドメイン配列のライブラリー全体に対してスクリーニングする。それ故に、齧歯動物のものに近いヒト配列は、ヒト化抗体にヒトFRとして受け入れられる(Simsら,J.Immunol.,151:2296(1993))。もう1つの方法は、軽または重鎖の特定のサブグループのすべてのヒト抗体のコンセンサス配列から得られる特定のフレームワークを使用する。同じフレームワークを幾つかの異なるヒト化抗体に使用することができる(Carterら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,89:4285(1992);Prestaら,J.Immunol.,151:2623(1993))。
抗原に対する高い親和性および他の好適な生物学的特性を保持して、抗体をヒト化することが、さらに重要である。この目的を達成するために、好ましい方法によると、ヒト化抗体は、親およびヒト化配列の三次元モデルを用いる親配列および様々な概念ヒト化産物の分析プロセスによって調製される。三次元免疫グロブリンモデルは、一般利用可能であり、当業者によく知られている。選択された候補免疫グロブリン配列の推定三次元配座構造を図解し表示するコンピュータプログラムが利用可能である。これらの表示を点検することにより、候補免疫グロブリン配列が機能する際に残基が果たす可能性が高い役割を分析することができ、即ち、候補免疫グロブリンのこの抗原に対する結合能に影響する残基を分析することができる。このようにして、レシピエントおよびインポート配列からFR残基を選択し、組み合わせて、所望の抗体特性、例えばターゲット抗原に対する親和性の増大を達成することができる。一般に、CDR残基は、抗原の結合への影響に、直接的におよび最も実質的に関与する。
または、内因性免疫グロブリン生産がない状態でヒト抗体の完全レパートリーを生産することが(免疫処置に基づいて)できるトランスジェニック動物(例えば、マウス)を生産することが今では可能である。例えば、キメラおよび生殖細胞系突然変異体マウスにおける抗体重鎖結合領域(J)遺伝子のホモ接合欠失は、結果として、内因性抗体生産の完全阻害を生じさせることが記載されている。このような生殖細胞系突然変異体マウスへのヒト生殖細胞系免疫グロブリン遺伝子アレイの移入は、抗原攻撃に基づきヒト抗体の生産を生じさせる結果となる。例えば、Jakobovitsら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,90:2551(1993);Jakobovitsら,Nature,362:255−258(1993);Bruggermannら,Year In Immuno.,7:33(1993);およびDuchosalら,Nature 355:258(1992)参照。ヒト抗体をファージ・ディスプレイ・ライブラリーから得ることもできる(Hoogenboomら,J.Mol.Biol.,227:381(1991);Marksら,J.Mol.Biol.,222:581−597(1991);Vaughanら,Nature Biotech 14:309(1996))。
抗体フラグメントの生産のために様々な技術が開発された。従来、これらのフラグメントは、インタクトな抗体のタンパク質分解性消化によって得ていた(例えば、Morimotoら,Journal of Biochemical and Biophysical Methods 24:107−117(1992)およびBrennanら,Science,229:81(1985))。しかし、今では、これらのフラグメントを組換え宿主細胞によって直接生産することができる。例えば、上で論じた抗体ファージライブラリーから抗体フラグメントを単離することができる。または、Fab’−SHフラグメントをE.コリから直接回収し、化学的にカップリングさせてF(ab’)フラグメントを形成することができる(Carterら,Bio/Technology 10:163−167(1992))。もう1つのアプローチによると、組換え宿主細胞培養物からF(ab’)フラグメントを直接単離することができる。抗体フラグメントの生産のための他の技術は、当業者には明らかである。他の実施形態において、選ばれた抗体は、一本鎖Fvフラグメント(svFv)である。WO 93/16185参照。
多重特異的抗体は、少なくとも2つの異なる抗原に対する結合特異性を有する。このような分子は、通常は2つの抗原にしか結合しない(即ち、二重特異性抗体、BsAb)であるが、本明細書で用いるときのこの表現は、追加の特異性を有する抗体、例えば三重特異性抗体を包含する。
二重特異性抗体を作製するための方法は、当分野において公知である。完全長二重特異性抗体の従来の生産は、2本の鎖が異なる特異性を有する、2本の免疫グロブリン重−軽鎖ペアの共発現に基づく(Millsteinら,Nature,305:537−539(1983))。免疫グロブリン重および軽鎖の非選択組合せのため、これらのハイブリドーマ(クアドローマ)は、10の異なる抗体分子の可能な混合物を生産し、これらの分子のうちの1つだけが妥当な二重特異性構造を有する。アフィニティークロマトグラフィー工程によって通常は行われるこの妥当な分子の精製は、どちらかと言えば面倒であり、製品収率は低い。類似した手順が、WO 93/08829に、およびTrauneckerら,EMBO J.,10:3655−3659(1991)に開示されている。
WO 96/27011に記載されているもう1つのアプローチによると、一対の抗体分子間の界面を、ヘテロ二量体の百分率を最大にするように遺伝子工学で作り変えることができ、これらのヘテロ二量体を組換え細胞培養物から回収する。好ましい界面は、抗体定常ドメインのC3ドメインの少なくとも一部分を含む。この方法では、第一の抗体分子の界面からの一本以上の小さなアミノ酸側鎖を、より大きな側鎖(例えばチロシンまたはトリプトファン)で置換する。この大きな側鎖と同一のまたは類似した大きさの補償「キャビティー」を、大きなアミノ酸側鎖をより小さなもの(例えば、アラニンまたはトレオニン)で置換することによって、第二の抗体分子の界面に作る。この方法によって、ホモ二量体などの他の望ましくない最終産物よりヘテロ二量体の収率を増加させるメカニズムが得られる。
二重特異性抗体は、架橋または「ヘテロコンジュゲート」抗体を含む。例えば、ヘテロコンジュゲート中の抗体の一方をアビジンにカップリングさせ、他方をビオチンにカップリングさせることができる。このような抗体は、例えば、望ましくない細胞に免疫系細胞をターゲッティングするために(U.S.Pat.No.4,676,980)、およびHIV感染症の治療のために(WO 91/00360、WO 92/200373、および EP 03089)提案されている。任意の都合のよい架橋法を用いてヘテロコンジュゲート抗体を作製することができる。適する架橋剤は、当分野において周知であり、U.S.Pat.No.4,676,980に多数の架橋技術と共に記載されている。
抗体フラグメントから二重特異性抗体を生成する技術も文献に記載されている。例えば、化学的連結を用いて二重特異性抗体を調製することができる。Brennanら,Science,229:81(1985)には、インタクトな抗体をタンパク質分解的に切断して、F(ab’)フラグメントを生成する手順が記載されている。これらのフラグメントをジオール複合体形成性物質亜ヒ酸ナトリウムの存在下で還元して、隣接ジオールを安定させ、分子間ジスルフィド形成を防止する。その後、生成したFab’フラグメントをチオニトロベンゾアート(TNB)誘導体に転化させる。その後、このFab’−TNB誘導体の1つをメルカプトエチルアミンでの還元によってFab’−チオールに転化させ、等モル量の他のFab’−TNB誘導体と混合して二重特異性抗体を形成する。生成された二重特異性抗体を、酵素の選択的固定化のための作用因子として使用することができる。
最近の進歩は、化学的にカップリングさせて二重特異性抗体を形成することができるFab’−SHフラグメントのE.コリからの直接回収を助長した。Shalabyら,J Exp.Med.,175:217−225(1992)には、完全ヒト化二重特異性抗体F(ab’)分子の生産が記載されている。それぞれのFab’フラグメントをE.コリから別々に分泌させ、インビトロでの化学的カップリングに付して二重特異性抗体を形成した。このようにして形成された二重特異性抗体は、ErbB2受容体を過発現する細胞、および正常ヒトT細胞に結合することができ、ならびにヒト***腫瘍ターゲットに対するヒト細胞傷害性リンパ球の溶解活性を誘発することができた。
組換え細胞培養物から二重特異性抗体フラグメントを直接作製し単離するための様々な技術も記載されている。例えば、ロイシンジッパーを使用して二重特異性抗体が生産された。Kostelnyら,J.Immunol.,148(5):1547−1553(1992)。FosおよびJunタンパク質からのロイシンジッパーペプチドを、遺伝子融合により、2つの異なる抗体のFab’部分に連結させた。これらの抗体ホモ二量体をヒンジ領域で還元してモノマーを形成し、その後、再び酸化して抗体ヘテロ二量体を形成した。この方法は、抗体ホモ二量体の生産にも利用することができる。Hollingerら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,90:6444−6448(1993)によって記載された「ダイアボディー」技術は、二重特異性抗体フラグメントを作製するための代替メカニズムを提供した。これらのフラグメントは、同じ鎖の2つのドメイン間を対合させるには短すぎるリンカーによって軽鎖可変領域(V)に連結された重鎖可変領域(V)を含む。従って、1つのフラグメントのVおよびVドメインを、別のフラグメントの相補的VおよびVドメインと強制的に対合させ、それによって2つの抗原結合部位を形成する。一本鎖Fv(sFv)二量体の使用により二重特異性抗体フラグメントを作製する別の戦略も報告されている。Gruberら,J.Immunol.,152:5368(1994)参照。または、抗体は、Zapataら,Protein Eng.8(10):1057−1062(1995)に記載されているような「線状抗体」である場合がある。簡単に言うと、これらの抗体は、一対の抗原結合領域を形成する、一対のタンデムFdセグメント(V−C1−V−C1)を含む。線状抗体は、二重特異性である場合もあり、または単一特異性抗体である場合もある。
二価より大きい価を有する抗体が考えられる。例えば、三重特異性抗体を調製することができる。Tuttら,J.Immunol.147:60(1991)。
最も簡単で最も直接的なイムノアドヘシン設計は、アドヘシンの結合ドメイン(例えば、受容体の細胞外ドメイン(ECD))と免疫グロブリン重鎖のヒンジおよびFc領域とを組み合わせるものである。通常、本発明のイムノアドヘシンを調製するとき、アドヘシンの結合ドメインをコードする核酸を、免疫グロブリン定常ドメイン配列のN末端をコードする核酸にC末端融合させるが、N末端融合も可能である。
概して、このような融合の場合、コードされたキメラポリペプチドは、免疫グロブリン重鎖の定常領域の機能的に活性なヒンジ、C2およびC3ドメインを少なくとも保持する。定常領域のFc部分のC末端への融合、または重鎖のC1または軽鎖の対応する領域への直接N末端融合も行われる。融合を行う正確な部位は重要でない;特定の部位は周知であり、および免疫グロブリンの生物活性、分泌、または結合特性を最適化するようにこれらを選択することができる。
好ましい実施形態では、アドヘシン配列を免疫グロブリンG(IgG)のFcドメインのN末端に融合させる。重鎖定常領域全体をアドヘシン配列に融合させることが可能である。しかし、より好ましくは、IgG Fcを化学的に規定するパパイン開裂部位のすぐ上流のヒンジ領域内の初めの配列(即ち、重鎖定常領域の最初の残基を114と考えて、残基216)、または他の免疫グロブリンの類似部位を融合に用いる。特に好ましい実施形態では、アドヘシンアミノ酸配列をIgG重鎖の(a)ヒンジ領域およびC2およびC3または(b)C1、ヒンジ、C2およびC3ドメインに融合させる。
二重特異性イムノアドヘシンについては、イムノアドヘシンを、多量体として、および特にヘテロ二量体またはヘテロ四量体として構築する。一般に、これらの構築免疫グロブリンは、公知の単位構造を有する。基本的な4本鎖構造単位は、IgG、IgD、およびIgEが存在する形態である。より高分子量の免疫グロブリンでは、4本鎖単位が繰り返される;一般に、IgMは、ジスルフィド結合によって互いに保持されている4つの基本単位の五量体として存在する。IgAグロブリンおよび時としてIgGグロブリンは、血清中に多量体形態で存在することもある。多量体の場合、4単位のそれぞれが同じこともあり、または異なることもある。
本明細書における範囲内の様々な例示的構築イムノアドヘシンを下に略図で示す:
Figure 2012512244
(この場合、
それぞれのAは、同一のまたは異なるアドヘシンアミノ酸配列を表し;
は、免疫グロブリン軽鎖可変ドメインであり;
は、免疫グロブリン重鎖可変ドメインであり;
は、免疫グロブリン軽鎖定常ドメインであり;
は、免疫グロブリン重鎖定常ドメインであり;
nは、1より大きい整数であり;
Yは、共重合性架橋剤の残基である。)。
簡潔にするために、上述の構造は、重要な特徴のみを示しており;これらは、免疫グロブリンの連結(J)および他のドメインを示しておらず、ジスルフィド結合も示されていない。しかし、このようなドメインが結合活性に必要とされる場合、これらが免疫グロブリン分子内で占めている通常の位置に存在するように描かれているものとする。
または、キメラ重鎖を含む免疫グロブリンが得られるように、免疫グロブリン重鎖配列と軽鎖配列の間にアドヘシン配列を挿入することができる。この実施形態では、ヒンジドメインとC2ドメインの間、またはC2ドメインとC3ドメインの間のいずれかの、免疫グロブリンのそれぞれのアームにおける免疫グロブリン重鎖の3’末端にアドヘシン配列を融合させる。同様の構築物が、Hoogenboomら,Mol.Immunol.28:1027−1037(1991)によって報告されている。
免疫グロブリン軽鎖の存在は、本発明のイムノアドヘシンには必要でないが、アドヘシン−免疫グロブリン重鎖融合ペプチドに共有結合的に会合している、またはアドヘシンに直接融合している免疫グロブリン軽鎖が、存在することがある。前者の場合、免疫グロブリン軽鎖をコードしているDNAは、アドヘシン−免疫グロブリン重鎖融合タンパク質をコードするDNAと共に、概して共発現される。分泌されると、重鎖と軽鎖が共有結合的に会合して、2本のジスルフィドで結合された免疫グロブリン重−軽鎖ペアを含む免疫グロブリン様構造を生じさせる。このような構造の作製に適する方法は、例えば、1989年3月28日に発行されたU.S.Pat.No.4,816,567に開示されている。
最も適便には、アドヘシン部分をコードするcDNA配列を免疫グロブリンcDNA配列にインフレームで融合させることによりイムノアドヘシンが構築される。しかし、ゲノム免疫グロブリンフラグメントの融合を用いることもできる(例えば、Aruffoら,Cell 61:1303−1313(1990);およびStamenkovicら,Cell 66:1133−1144(1991)参照)。後者のタイプの融合は、発現のためにIg調節配列の存在を必要とする。IgG重鎖定常領域をコードするcDNAを、ハイブリダイゼーションによりまたはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術により、脾臓または末梢血リンパ球から得られたcDNAライブラリーから、出版物に掲載されている配列に基づいて単離することができる。イムノアドヘシンの「アドヘシン」部分および免疫グロブリン部分をコードするcDNAを、選択した宿主細胞での効率的な発現を指図するプラスミドベクターに、タンデムで挿入する。
他の実施形態において、精製するタンパク質は、C2/C3領域に融合している、またはC2/C3領域とコンジュゲートしているものである。このような融合タンパク質を生産して、このタンパク質の血清半減期を増すことができる。このようにしてコンジュゲートさせることができる生物学的に重要なタンパク質の例としては、レニン;成長ホルモン(ヒト成長ホルモンおよびウシ成長ホルモンを含む。);成長ホルモン放出因子;副甲状腺ホルモン;甲状腺刺激ホルモン;リポタンパク質;α−1−アンチトリプシン;インスリンA鎖;インスリンB鎖;プロインスリン;卵胞刺激ホルモン;カルシトニン;黄体形成ホルモン;グルカゴン;凝血因子、例えば、第VIIIC因子;第IX因子;組織因子、およびフォン・ヴィレブランド因子;抗凝血因子、例えば、プロテインC;心房性ナトリウム利尿因子;肺サーファクタント;プラスミノゲンアクチβ、例えば、ウロキナーゼまたはヒト尿もしくは組織型プラスミノゲンアクチβ(t−PA);ボンベシン;トロンビン;造血成長因子;腫瘍壊死因子−αおよび−β;エンケファリナーゼ;RANTES(活性化のもとに制御、正常T細胞が発現・分泌している。(regulated on activation normally T−cell expressed and secreted));ヒトマクロファージ炎症性タンパク質(MIP−1α);血清アルブミン、例えばヒト血清アルブミン;ミューラー管抑制物質;リラキシンA鎖;リラキシンB鎖;プロリラキシン;マウス性腺刺激ホルモン関連ペプチド;微生物タンパク質、例えば、β−ラクタマーゼ;DNアーゼ;IgE;細胞傷害性Tリンパ球関連抗原(CTLA)、例えば、CTLA−4;インヒビン;アクチビン;血管内皮細胞増殖因子(VEGF);ホルモンまたは成長因子についての受容体;プロテインAまたはD;リウマトイド因子;神経栄養因子、例えば、骨由来神経栄養因子(BDNF);ニューロトロフィン−3、−4、−5もしくは−6(NT−3、NT−4、NT−5もしくはNT−6)、または神経成長因子、例えば、NGF−β;血小板由来成長因子(PDGR);線維芽細胞増殖因子、例えば、aFGFおよびbFGF;上皮増殖因子(EGF);トランスフォーミング増殖因子(TGF)、例えば、TGF−αおよびTGF−β(TGF−β1、TGF−β2、TGF−β3、TGF−β4、またはTGF−β5を含む。);インスリン様成長因子−Iおよび−II(IGF−IおよびIGF−II);デス(1−3)−IGF−I(脳IGF−I)、インスリン様成長因子結合タンパク質;CDタンパク質、例えば、CD3、CD4、CD8、CD19、CD20、CD34、およびCD40;エリスロポエチン;骨誘導因子;免疫毒素;骨形成タンパク質(BMP);インターフェロン、例えば、インターフェロン−α、−β、および−γ;コロニー刺激因子(GSF)、例えば、M−CSF、GM−CSF、およびG−CSF;インターロイキン(IL)、例えば、IL−1からIL−10;スーパーオキシドジムスターゼ;T細胞受容体;表面膜タンパク質;崩壊促進因子;ウイルス抗原、例えば、AIDSエンベロープの一部分など;輸送タンパク質;ホーミング受容体;アドレシン;調節タンパク質;インテグリン、例えば、CD11a、CD11b、CD11c、CD18、ICAM、VLA−4およびVCAM;腫瘍関連抗原、例えば、HER2、HER3またはHER4受容体;ならびに上に列挙したポリペプチドのいずれかについてのフラグメントが挙げられる。
以下の実施例は、説明として提供するものであり、限定として提供するものではない。本明細書におけるすべての引用文の開示は、参照により本明細書に特に援用されている。
(実施例1)
未清澄細胞培養液のpH調整
非発現性チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞株から採取した細胞をバイオリアクター(New Brunswick Scientific)において、10Lの培養基中、2×10細胞/mLの密度に増殖させ、生存率64%で採集した。IgGを0.8g/Lの濃度にスパイクし、宿主細胞タンパク質(HCP)の濃度は、4075ng/mLであった。この液のpHは、7.2であった。0.5mLの1.0M HClを使用してこの未清澄細胞培養液をpHを4.5に調整した後、精製プロセスを開始した。
(実施例2)
この実施例は、ポリ(4−ビニルピリジン)からの残留4−ビニルピリジンモノマーの除去を説明するものである。
Scientific Polymer Products,Inc.から入手した線状ポリ(4−ビニルピリジン)、(PVP)MW 200,000をガラス皿の上に均一に塗布し、真空オーブン内に配置した。このオーブン内の雰囲気をアルゴンで5分間、数回、パージして、酸素を除去した。機械式真空ポンプを使用してオーブン内の圧力を0.1インチ水銀に低下させ、その後、温度を120℃に上昇させた。このポリマーを合計24時間にわたってこれらの条件に付した。この時間の間に、オーブン内の雰囲気をアルゴンで5分間、数回パージした。加熱時間が終了した時点で、オーブン温度を室温に低下させ、このオーブンをアルゴンで数回パージした後、ドアを開けた。得られたポリマーは、顕著な臭気を有さなかったが、未処理のポリマーは、4−ビニルピリジンモノマーの明確な臭気を有する。処理したポリマー中に存在する残留4−ビニルピリジンモノマーの量を、ゲル透過クロマトグラフィーによって検出できなかったが、未処理ポリマーは、0.05%(w/w)残留4−ビニルピリジンモノマーを有した。
(実施例3)
この実施例は、四級化ポリ(4−ビニルピリジン)、QPVPの合成を説明するものである。
実施例2において説明したとおりPVPを精製した。ヨードエタン、ジメチルホルムアミドおよびトルエンをSigmaから入手し、受け取ったまま使用した。
30mLのDMF中の5g(モノマー繰り返し単位に基づき0.047mol)のPVP、2.6g(0.016mol)のヨードエタンの溶液をT=80℃で12時間、窒素雰囲気下で維持した。室温に冷却した後、このポリマー溶液を200mLのトルエンで沈殿させた。得られた固体を100mLのトルエンでさらに洗浄し、その後、24時間、70℃のオーブンで乾燥させて、95%の収率を得た。生成物が35mol%の四級化ピリジン環を含むように、反応物のモル比を選択した。
(実施例4)
この実施例は、QPVP溶液の調製を説明するものである。
室温で20分間、継続的に攪拌しながら、実施例3からの10gの精製QPVPを70gの蒸留水および20gのメタノールに溶解することによって、QPVPの10%(w/w)溶液を調製した。得られた粘稠溶液は、色が褐色であった。
(実施例5)
この実施例は、QPVPを使用する未清澄細胞培養液からのIgGの捕捉を説明するものである。
過塩素酸ナトリウム・一水和物および塩酸(1.0M)をFisher Scientificから入手した。
実施例4からの0.3gのQPVP溶液を、実施例1からの10mLの未清澄細胞培養液に添加する。不溶性不純物(細胞および細胞破壊片)、可溶性不純物(HCPおよびDNA)およびIgGとのポリマーの複合体形成の結果として、分散固体懸濁物の形態の沈殿が直ちに形成する。0.75gの過塩素酸を添加した後、ポリマーへのIgGの結合を増進するために、得られた溶液を10分間、継続的に混合する。遠心分離(1分間、4000rpm)によって沈殿を回収し、リン酸緩衝液(50mM、0.2mM過塩素酸ナトリウム、pH7.5)で洗浄して、ゆるく結合している不純物を除去する。細胞、細胞破壊片、および可溶性不純物の一部分が沈殿に結合したままである間に、この沈殿からのIgGの選択的溶出をpH4.0(10mM酢酸ナトリウム、0.1M)で行い、その後、0.2μ Durapore(登録商標)フィルターによる濾過を行う。これらの条件下で、最初の液の中に存在するIgGの95%がポリマーに結合し、および溶出により回収されるIgGは、85重量%である。

Claims (26)

  1. 不純物を含有する未清澄混合物から生体分子を精製するための方法であって、
    a.1セットの条件で混合物を用意する工程;
    b.1つ以上のポリマーを添加する工程(該ポリマーは、セットの条件下で前記混合物に可溶性であり、ならびに混合物中の不純物の1つ以上に結合するための第一モードと、生体分子に可逆的におよび選択的に結合することができる第二モードとを有する。);
    c.混合物全体にわたって1つ以上の可溶化した1つ以上のポリマーを混合する工程;
    d.混合物から溶液の外へ1つ以上のポリマー、1つ以上の不純物および結合した生体分子を沈殿させる工程;および
    e.沈殿したポリマーおよび結合分子をこの混合物から分離する工程
    を含む方法。
  2. 工程bにおいて、ポリマーが、溶液に、該溶液中での1セットの条件下で添加され、この可溶化されたポリマーを含有する溶液が、混合物に添加される、請求項1の方法。
  3. 生体分子をポリマーから回収する工程(f)をさらに含む、請求項1の方法。
  4. 1つ以上のポリマーが、pH、温度、塩濃度、光、電荷およびこれらの組み合わせから成る群より選択される条件で可溶化される、請求項1の方法。
  5. ポリマーの第一モードが、荷電ペンダント基のドメインから成る群より選択され、ならびにポリマーの第二モードが、荷電ペンダント基、非荷電ペンダント基、親水性ペンダント基、疎水性ペンダント基、および対象の生体分子に対して選択的であるリガンドから成る群より選択される、請求項1の方法。
  6. ポリマーの第一モードが、第一、第二、第三および第四アミンから成る群より選択され、ならびに第二モードが、荷電ペンダント基、非荷電ペンダント基、親水性ペンダント基、疎水性ペンダント基、および対象の生体分子に対して選択的であるリガンドから成る群より選択される、請求項1の方法。
  7. ポリマーが、ポリ(2または4−ビニルピリジン)、ポリ(2または4−ビニルピリジン−co−スチレン)、ポリ(2または4−ビニルピリジン−co−メチルメタクリラート)、ポリ(2または4−ビニルピリジン−co−ブチルメタクリラート)、ポリ(2または4−ビニルピリジン)グラフト型ヒドロキシアルキルセルロース、ポリ(2または4−ビニルピリジン−co−N−イソプロピルアクリルアミド)、およびポリ(メタクリル酸−co−メチルメタクリラート)から成る群より選択され、ならびにポリマーの第二モードが、官能基およびリガンドから成る群より選択される、請求項1の方法。
  8. 生体分子が、タンパク質、組換えタンパク質、抗体、モノクローナル抗体、組換えモノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、ヒト化抗体および抗体フラグメントから成る群より選択される、請求項1の方法。
  9. 生体分子が、Fab、Fab’、f(ab’)およびFvフラグメント、抗体フラグメントから形成された一本鎖抗体分子ダイアボディー、線状抗体、二重特異性抗体および多重特異性抗体から成る群より選択される、請求項1の方法。
  10. 生体分子が、CD3、CD4、CD8、CD19、CD20、CD34、CD40、EGF受容体、HER2、HER3、HER4受容体、LFA−1、Mad、p150,95、VLA−4、ICAM−1、VCAM、av/b3インテグリン、CD11a、CD18、CD11b、VEGF、IgE、flk2/flt3受容体、肥満(OB)受容体、mpl受容体、CTLA−4およびポリペプチドCから成る群より選択される抗原に特異的に結合する抗体である、請求項1の方法。
  11. 生体分子が、抗HER2;抗CD20;抗IL−8;抗VEGF;抗PSCA;抗CD11a;抗IgE;抗Apo−2受容体;抗TNF−α、抗組織因子(TF);抗CD3;抗CD25;抗CD34;抗CD40;抗tac;抗CD4;抗CD52;抗Fc受容体;抗癌胎児性抗原(CEA)抗体;***上皮細胞に対する抗体;結腸癌腫細胞に結合する抗体;抗CD33;抗CD22;抗EpCAM;抗GpIIb/IIIa;抗RSV;抗CMV;抗HIV;抗肝炎;抗αvβ3;抗ヒト腎細胞癌腫;抗ヒト17−1A;抗ヒト結腸直腸腫瘍;抗ヒト黒色腫;抗ヒト扁平上皮癌腫;および抗ヒト白血球抗原(HLA)抗体から成る群より選択される、請求項1の方法。
  12. 生体分子が、抗HER2受容体、抗VEGF、抗IgE、抗CD20、抗CD11a、および抗CD40抗体から成る群より選択される、請求項1の方法。
  13. 生体分子が、イムノアドヘシンおよび抗体様分子から成る群より選択される、請求項1の方法。
  14. 生体分子が、抗体様分子であり、および該抗体様分子が、C2/C3領域に融合しているまたはC2/C3領域とコンジュゲートしているタンパク質である、請求項1の方法。
  15. 生体分子が、抗体様分子であり、および該抗体様分子が、C2/C3領域に融合しているまたはC2/C3領域とコンジュゲートしているタンパク質であり、ならびに前記タンパク質が、レンニン(rennin);成長ホルモン;成長ホルモン放出因子;副甲状腺ホルモン;甲状腺刺激ホルモン;リポタンパク質;α−1−アンチトリプシン;インスリンA鎖;インスリンB鎖;プロインスリン;卵胞刺激ホルモン;カルシトニン;黄体形成ホルモン;グルカゴン;第VIIIC因子;第IX因子;組織因子;フォン・ヴィレブランド因子;プロテインC;心房性ナトリウム利尿因子;肺サーファクタント;ウロキナーゼ;ヒト尿および組織型プラスミノゲンアクチβ(t−PA);ボンベシン;トロンビン;造血成長因子;腫瘍壊死因子−αおよび−β;エンケファリナーゼ;RANTES;ヒトマクロファージ炎症性タンパク質(MIP−1α);血清アルブミン;ミューラー管抑制物質;リラキシンA鎖;リラキシンB鎖;プロリラキシン;マウス性腺刺激ホルモン関連ペプチド;β−ラクタマーゼ;DNアーゼ;IgE;細胞傷害性Tリンパ球関連抗原(CTLA);インヒビン;アクチビン;血管内皮細胞増殖因子(VEGF);ホルモンまたは成長因子についての受容体;プロテインAまたはD;リウマトイド因子;骨由来神経栄養因子(BDNF);ニューロトロフィン−3、−4、−5および−6(NT−3、NT−4、NT−5およびNT−6)、神経成長因子;血小板由来成長因子(PDGF);線維芽細胞増殖因子;上皮増殖因子(EGF);トランスフォーミング増殖因子(TGF);インスリン様成長因子−Iおよび−II(IGF−IおよびIGF−II);デス(1−3)−IGF−I(脳IGF−I)インスリン様成長因子結合タンパク質(IGFBP);CDタンパク質;エリスロポエチン;骨誘導因子;免疫毒素;骨形成タンパク質(BMP);インターフェロン−α、−β、および−γ;コロニー刺激因子(GSF);インターロイキンIL−1からIL−10;スーパーオキシドジムスターゼ;T細胞受容体;表面膜タンパク質;崩壊促進因子;ウイルス抗原;輸送タンパク質;ホーミング受容体;アドレッシング(addressing);調節タンパク質;インテグリン;腫瘍関連抗原;ならびにこれらのフラグメントから成る群より選択される、請求項1の方法。
  16. 回収した生体分子を医薬製剤に組み込む工程をさらに含む、請求項1の方法。
  17. 1つ以上のポリマーが、溶解状態でもはや保持され得ない凝集体を形成するために十分な量の、反対の電荷を有する固体粒子および可溶性不純物の一部分と複合体を形成する第一のモードよって沈殿される、請求項1の方法。
  18. 1つ以上のポリマーが、ポリビニルピリジン、ビニルピリジンのコポリマー、第一アミン含有ポリマー、第二アミン含有ポリマーおよび第三アミン含有ポリマーから成る群より選択される、請求項1の方法。
  19. 1つ以上のポリマーを、該1つ以上のポリマーを溶液にさせる条件下でキャリア液に添加すること、ならびに溶解状態の前記キャリア液および前記1つ以上のポリマーをスタティックミキサーにより混合物に添加することをさらに含む、請求項1の方法。
  20. 回収した生体分子を医薬的に許容される担体で調合することをさらに含む、請求項1の方法。
  21. 回収した生体分子を、研究、診断および治療目的から成る群より選択される目的のために、医薬的に許容される担体で調合することをさらに含む、請求項1の方法。
  22. 生体分子をポリマーから回収すること、および回収した生体分子が、出発混合物と比べて不純物の少なくとも1LRVの減少を有することをさらに含む、請求項1の方法。
  23. ポリマーが生体分子に結合することなくこの沈殿形態のままでいるようにさせる条件下で生体分子を溶出すること、および沈殿したポリマーを生体分子から分離することによって、生体分子がポリマーから回収される、請求項1の方法。
  24. ポリマーが、四級化が50%以下である四級化ポリビニルピリジンであり、第一モードが、親水性および疎水性部分から成る群より選択され、ならびに第二モードが、カルボキシル基、ピリジン基およびリガンドから成る群より選択される、請求項1の方法。
  25. ポリマーが、四級化ポリビニルピリジン、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)およびポリ(メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド)から成る群より選択され、第一モードが、親水性および疎水性部分から成る群より選択される第一モードであり、ならびに第二モードが、カルボキシル基、ピリジン基およびリガンドから成る群より選択される、請求項1の方法。
  26. ポリマーが、四級化ポリビニルピリジン、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)およびポリ(メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド)から成る群より選択され、第一モードが、親水性および疎水性部分から成る群より選択される第一モードであり、ならびに第二モードが、カルボキシル基、ピリジン基、ならびにプロテインA、プロテインG、MEPおよびMABから成る群より選択されるリガンドから成る群より選択される、請求項1の方法。
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