JP2012505644A - オリゴヌクレオチド検出法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、陰イオン交換高速液体クロマトグラフィーを使用してオリゴヌクレオチドを検出するための方法に関する。前記オリゴヌクレオチドに相補的な蛍光標識されたペプチド核酸オリゴマーを、前記オリゴヌクレオチドにハイブリダイゼーションさせる。次いで、陰イオン交換高速液体クロマトグラフィーを行ない、そしてハイブリダイゼーションしている部分を検出および定量する。本発明はまた、1つの試料から並行してオリゴヌクレオチドの両鎖を同時に検出するための方法、並びにオリゴヌクレオチドの1本または2本の鎖の定性的および定量的な検出において使用するためのキットにも関する。

Description

本発明は、RNAオリゴヌクレオチド、DNAオリゴヌクレオチドおよび混合オリゴヌクレオチド、アンチセンスオリゴヌクレオチド、短鎖干渉RNA(siRNA)、ミクロRNA(miRNA)、アプタマーおよびまたスピーゲルマーを含む、オリゴヌクレオチドを検出するための新規で簡単な方法に関する。さらに、本発明は、例えばsiRNAについての、1回の測定で二本鎖オリゴヌクレオチドの両鎖を同時に検出するための方法に関する。
既知配列のオリゴヌクレオチドは、多種多様な化学的および生物学的な適用において一般的に使用され、そしてまた疾病の診断および処置において高い重要性を得ている。特に、アンチセンスオリゴヌクレオチド、短鎖干渉RNA(siRNA)およびアプタマーは、有望な薬理学的ツールおよび治療剤である。細胞、組織、血液または血漿のような試料中のこれらのオリゴヌクレオチドの定性的および定量的検出は、その治療使用を評価するためのおよびin vivoにおけるその安定性をモニタリングするための必要条件である。
オリゴヌクレオチドの検出のための異なる方法が文献において引用されており、そして公開特許出願、例えばWO/2008/046645において開示されている。オリゴヌクレオチドの定量的および定性的な検出のための大半の確立されている手順は、ワトソンクリック塩基対形成を介した相補的オリゴヌクレオチドとのハイブリダイゼーションに基づく。ペプチド核酸(PNA)は、糖骨格がN−アミノエチルグリシンモノマーの疑似ペプチド鎖によって置換されているオリゴヌクレオチド模倣体である。それらは、高い親和性、特異性および安定性で相補的DNA配列またはRNA配列に結合するので、プローブに基づいたオリゴヌクレオチド検出法に使用されることが多い(US Pat 6,395,474)。WO/2008/046645は、RT−PCRに基づいたオリゴヌクレオチド検出アッセイにおけるPNAプローブの使用を記述している。US Pat 6,045,995は、キャピラリーゲル電気泳動によるオリゴヌクレオチドの定性的および定量的な検出を記載している。Rossi et alは、陰イオン交換高速液体クロマトグラフィー(HPLC)におけるPNAプローブによるPCR増幅オリゴヌクレオチドの同定を記載している(J. Agric. Food Chem. 2007, 55, 2509-2516)。
しかしながら、生体試料中のオリゴヌクレオチドを決定するための既存のアッセイの殆どは、代謝物を検出することができないか、または代謝物シグナルをインタクトなオリゴヌクレオチドにより発生したシグナルから分離することができない。例えば、PCRに基づいた方法において、シグナルは、通常、インタクトな薬物のみから、またはインタクトな薬物と様々な代謝物との合計として発生する。蛍光による検出を伴うキャピラリーゲル電気泳動により、インタクトなオリゴヌクレオチドがその代謝物から定量的に分離されるが、この方法には試料調製中の抽出工程および脱塩工程が必要である。さらに、分析物分子の回収率は変動し、そして正規化のために内部標準が必要とされる。現在使用されているオリゴヌクレオチド検出法の別の主要な限界は、2本の鎖の一方しか1回の測定で検出することができないことであり、これはオリゴヌクレオチド二本鎖の決定(例えばsiRNA)には特に不都合である。
従って、試料中のオリゴヌクレオチドおよびその代謝物を分析することのできる、試料中のオリゴヌクレオチドの検出のための再現性がありかつ迅速な方法を有することは非常に有益である。さらに、療法および診断におけるsiRNAおよびその誘導体の重要性が高まっていることから、1回の測定でオリゴヌクレオチドおよびその代謝物の両鎖を検出することのできる再現性がありかつ迅速な方法が必要である。
オリゴヌクレオチドを含むかまたは含むことが疑われる試料を選択する工程、前記試料を、前記オリゴヌクレオチドの少なくとも10以上のヌクレオチドに対して完全に相補的である蛍光標識されたペプチド核酸(PNA)プローブと接触させることによってハイブリダイゼーション混合物を形成する工程、前記オリゴヌクレオチドと前記PNAプローブとの間に形成されたハイブリダイゼーションしている部分を、ハイブリダイゼーションしていない部分から、陰イオン交換高速液体クロマトグラフィー(aIEX−HPLC)によって分離する工程、および前記のハイブリダイゼーションしている部分を蛍光分光法によって定性的および/または定量的に検出する工程を含む、前記オリゴヌクレオチドの定性的および定量的な検出のための方法を開示する。他のオリゴヌクレオチド検出法を上回る本発明の主要な利点は、検出前の簡単な試料調製であり、例えば精製手順、増幅工程または抽出工程が全く必要とされない。それ故、分析物の回収率に関する変動が回避される。好ましい態様において、試料を、SDSを含む緩衝液中でプロテイナーゼKを用いて処理し、その後、飽和KCl溶液でSDSを沈降させる。これにより試料中のオリゴヌクレオチドの分解が効率的に防止される。
過剰なハイブリダイゼーションしていないPNAプローブがHPLCの空隙容量に溶出し、そして勾配による分離中にプローブからの干渉シグナルは全く予期されない。それ故、大過剰のPNAプローブを使用して、試料からの過剰なプローブを抽出する工程を確立することなく、ハイブリダイゼーションプロセスを動態学的に制御することができる。PNAプローブの使用はまた、PNAプローブがaIEX−HPLCの空隙容量に溶出するので、生体マトリックスからの完全なバックグラウンド蛍光を排除する。また、生体マトリックスに由来するRNAまたはDNAとPNAプローブとの非特異的ハイブリダイゼーションから発生したシグナルも、HPLC勾配の洗浄工程で別々に溶出される。それ故、HPLC勾配中に分析物に特異的なシグナルのみを高い選択性で検出することができる。従って、aIEX−HPLC装置は高い生物学的バックグラウンドがローディングされた場合でさえも非常に頑強に作動する。
PNAの非荷電な骨格のために、PNAは対応するオリゴヌクレオチド鎖に対して高い親和性を示し(DNA/DNA、DNA/RNAおよびRNA/RNAの二本鎖のような静電的反発が全くない)、これによりsiRNA二本鎖の場合のような競合するRNA鎖の存在下でさえも熱力学的に制御されたハイブリダイゼーションがもたらされる。他の方法を上回る本方法の別の主要な改良点は、代謝物を検出することができること、そして代謝物のシグナルを、インタクトなオリゴヌクレオチドによって発生したシグナルから分離することができることである。代謝物についてのより高度な分離力は、PNAプローブの非荷電骨格の別の結果である。溶出は、代謝物の長さに強く依存し、代謝物がより短くなればなるほど、勾配内でHPLCカラムからより早く溶出される。また、5’−リン酸化オリゴヌクレオチドを、同じ長さのリン酸化されていない同一配列から分離することもできる。5’−リン酸化は細胞内にsiRNAが送達された後にのみ起こるので、これを使用して、組織中の細胞内に送達されたsiRNAから細胞外に送達されたsiRNAを区別することができる。よって、細胞内5’−リン酸化siRNAは、臓器に送達された薬物の全体量と比較した組織中における活性薬物の量のマーカーとして作用することができる。
本明細書において記載したオリゴヌクレオチド検出法の感度および再現性:モデル配列(RD−1003)について血漿中の定量下限濃度(LLOQ)は、ストック検量アプローチを用いて約250amolのオリゴヌクレオチドである。このアッセイは高い再現性(変動は5%未満)で作動する。
他の公開されているHPLCに基づいたオリゴヌクレオチド定量法を上回る本発明の主要な利点は、迅速かつ簡単な試料調製、検出前の増幅工程がないこと、高い感度および再現性、アッセイの頑強さ、ハイスループット能、並びに1回の測定でオリゴヌクレオチドおよびその代謝物の両鎖を検出することができることである。Rossi et alは、陰イオン交換HPLCにおけるオリゴヌクレオチドの同定を記載している(J. Agric. Food Chem. 2007, 55, 2509-2516)。本発明とは対照的に、追加の試料調製工程およびPCRによるオリゴヌクレオチドの増幅が検出前に必要とされる。さらに、両鎖の同時検出は不可能である。なぜなら、ハイブリダイゼーションプロトコールが一方の鎖の核酸分解的切断を必要とするからである。
以前に記載のアッセイの殆どは、異なる組織または血漿に由来する変動性の非特異的なバックグラウンドに因り、個々の検量曲線を必要とする。これに対し、非特異的バックグラウンドシグナルは本発明のアッセイに干渉しない。従って、本発明の好ましい態様において、緩衝液中の連続希釈液から作成した検量曲線を、組織および血漿の試料のために使用することができる。
本発明の別の局面において、オリゴヌクレオチドを含むかまたは含むことが疑われる試料を選択する工程、前記試料を、前記オリゴヌクレオチドのセンス鎖の少なくとも10以上のヌクレオチドに対して完全に相補的である蛍光標識されたペプチド核酸(PNA)プローブと接触させることによってハイブリダイゼーション混合物を形成する工程、ハイブリダイゼーション混合物を、前記オリゴヌクレオチドのアンチセンス鎖の少なくとも10以上のヌクレオチドに対して完全に相補的である第2の蛍光標識されたPNAプローブと接触させる工程、前記オリゴヌクレオチド鎖と前記PNAプローブとの間に形成されたハイブリダイゼーションしている部分を、ハイブリダイゼーションしていない部分から、aIEX−HPLCによって分離する工程、前記のハイブリダイゼーションしている部分を蛍光分光法によって定性的および/または定量的に検出する工程を含む、1つの試料から並行してオリゴヌクレオチド二本鎖の両鎖を定性的および定量的に検出するための方法が提供される。これは、1つの試料から並行してオリゴヌクレオチド二本鎖の両鎖の検出を可能とする初めての手順である。
最も好ましい態様において、2つの蛍光標識されたPNAプローブが、オリゴヌクレオチド二本鎖の検出のために使用される。各プローブは、オリゴヌクレオチドのセンス鎖またはアンチセンス鎖のいずれかに特異的にハイブリダイゼーションする。1つの態様において、同じ蛍光標識を両鎖の検出のために使用する。二本鎖は、異なる長さを有する2本の鎖から設計されるか、または2つのプローブは、ハイブリダイゼーションによりaIEX−HPLC分析において2本の一本鎖の異なる保持時間が得られるように設計される。別の態様において、両鎖を検出するために2つの異なる蛍光標識が、1つのHPLC装置において2つの蛍光検出器と共に使用される。
これは、生体試料からの定量のためだけではなく、オリゴヌクレオチド二本鎖のCMC特徴付けのための、例えば個々の鎖のピーク面積の比としてsiRNA二本鎖中の2本の一本鎖の比を直接的に特徴付けるための新たな可能性を開拓する。シグナル強度はハイブリダイゼーション手順後の蛍光シグナルのみに依存し、そして一本鎖特異的UV吸光係数から独立している。
好ましい態様において、検出されるべき既知濃度のオリゴヌクレオチドを未知の試料に加え、そして検量試料およびブランク試料にも加える。このいわゆるストック検量アプローチは、実施例の章において詳述したようにアッセイの感度を向上させる。
別の好ましい態様において、試料は血漿であり、さらに別の好ましい態様において試料は組織である。
別の好ましい態様において、前記方法は、siRNAおよび誘導体の定量的および定性的な検出のために使用される。さらに別の態様において、前記方法は、治療的または診断的siRNAのin vivoにおける代謝の定量的および定性的な検出のために使用することができる。
1つの態様において、前記siRNAは、前記siRNAを用いてトランスフェクションされたin vitro細胞培養液から検出される。
1つの態様において、前記方法は、ミクロRNAおよび誘導体の定量的および定性的な検出のために使用される。好ましくは前記ミクロRNAは組織溶解液から検出される。
別の態様において、前記方法は、アプタマーの定量的および定性的な検出のために使用される。好ましくは、前記アプタマーは、L−リボース(L−RNA)またはL−デオキシリボース(L−DNA)を有するスピーゲルマーである。1つの態様において、前記アプタマーはPEG化されている。
さらに別の態様において、前記方法を使用して、組織中の細胞内に送達されたsiRNAから細胞外に送達されたsiRNAを区別することができる。
オリゴヌクレオチドを蛍光標識するための多くのダイが記載されている。好ましい蛍光標識としては、Atto610、Atto425およびAtto520が挙げられるが、当業者に公知の任意の他の蛍光標識も前記方法において使用することができる。
さらに別の態様において、本発明は、試料中のオリゴヌクレオチドおよびその代謝物の1本または2本の鎖の存在、不在または数を検出するアッセイを実施するのに適したキットに関する。本発明のキットは、1つ以上のPNAプローブおよびアッセイを実施するのに必要な全ての他の試薬または組成物を含む、すぐに使用できるプレート標品を含む。キットの使用はアッセイの実施を簡単にし、そしてアッセイの再現性を向上させる。本発明の好ましいキットはオリゴヌクレオチド検出のために完全に自動化されたロボットシステムを使用し、全ての試薬がピペッティングロボットによって添加される。従って、アッセイの再現性はさらに向上する。さらに、この装置を、異なる試料中のオリゴヌクレオチドのハイスループット分析に使用することができる。1つの好ましい態様において、前記キットは、96ウェルプレート標品を含み、さらに別の態様において前記キットは384ウェルプレート標品を含む。
簡便性のために、明細書、実施例および特許請求の範囲において使用される特定の用語および語句の意味を以下に提供する。本明細書の他の部分における用語の使用と、本章において提供されるその定義との間に明らかな矛盾がある場合には、本章において提供される定義が優先する。
本明細書において使用する「オリゴヌクレオチド」という用語は、リボ核酸(RNA)またはデオキシリボ核酸(DNA)のいずれかのオリゴマーまたはポリマー、並びに、天然に存在しないオリゴヌクレオチドをいう。天然に存在しないオリゴヌクレオチドは、天然に存在しな核酸塩基配列を含むオリゴマーもしくはポリマー、または天然に存在する核酸塩基、糖、糖間結合の機能的等価体を含む種、例えばアプタマー、スピーゲルマー、ペプチド核酸(PNA)、トレオース核酸(TNA)、ロックド核酸(LNA)もしくはグリセロール核酸(GNA)である。この用語は、天然に存在する核酸の核酸塩基のアデニン(A)、グアニン(G)、チミン(T)、シトシン(C)およびウラシル(U)を含むオリゴマー、並びに塩基類似体または改変された核酸塩基を含むオリゴマーを含む。それ故、当業者は、「オリゴヌクレオチド」という用語が、RNAオリゴヌクレオチド、DNAオリゴヌクレオチドおよび混合オリゴヌクレオチド、アンチセンスオリゴヌクレオチド、短鎖干渉RNA(siRNA)、ミクロRNA(miRNA)、アプタマーおよびまたスピーゲルマーを含むがそれらに限定されないことを理解する。
オリゴヌクレオチドは、ウイルス、細菌および真核生物のDNAおよびRNAなどの多種多様な天然源に由来し得る。他のオリゴヌクレオチドは合成源に由来してもよく、そして研究試薬、診断剤、または潜在的および確定的な治療剤として使用するために製造された複数のオリゴヌクレオチドのいずれかを含む。この用語は、一本鎖核酸または二本鎖核酸を含むオリゴマーを含む。二本鎖核酸の2本の鎖は「センス鎖」および「アンチセンス鎖」として定義される。
本明細書において使用する「配列を含む鎖」という用語は、標準的なヌクレオチド命名法を使用して言及される配列によって記載されるヌクレオチド鎖を含むオリゴヌクレオチドをいう。しかしながら、本明細書において詳述したこのような「配列を含む鎖」はまた、改変されたヌクレオチドのような、改変も含み得る。本明細書において使用する「相補的」という用語は第2ヌクレオチド配列と比較して第1ヌクレオチド配列を説明するために使用される場合、特記しない限り、当業者によって理解されているように、第1ヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドが、特定の条件下において、第2ヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドとハイブリダイゼーションしそして二本鎖構造を形成することができることをいう。本明細書において使用する「相補的」配列はまた、ハイブリダイゼーションするその能力に関して前記の必要条件が満たされている限りにおいて、ワトソンクリックではない塩基対および/または非天然ヌクレオチドおよび改変ヌクレオチドから形成された塩基対も含み得るか、あるいは完全にそれから形成され得る。
これは、第1および第2ヌクレオチド配列の全長におよぶ、第1ヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドと、第2ヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドとの塩基対形成を含む。このような配列は、本明細書において互いに対して「完全に相補的」ということができる。
「ハイブリダイゼーションしている部分」という用語は、PNAプローブにハイブリダイゼーションした任意のオリゴヌクレオチドまたはそのいずれかの代謝物をいい、一方、「ハイブリダイゼーションしていない部分」とは、PNAプローブにハイブリダイゼーションしていない任意のオリゴヌクレオチドまたはそのいずれかの代謝物をいう。「siRNA」という用語は、RNA干渉(RNAi)として知られる高度に保存された調節機序において遺伝子の発現を遮断することのできる二本鎖RNA分子をいう。
従って「治療的siRNA」という用語は、特定の疾病または疾患に関連した遺伝子の発現を遮断することによって、被験体の疾患および疾病を処置、予防または管理するための化合物として使用される二本鎖RNA分子をいう。好ましくは、このような被験体は哺乳動物、最も好ましくはヒト患者である。
「オリゴヌクレオチド代謝物」という用語は、1つ以上のヌクレオチドが3’末端および/または5’末端から欠失したオリゴヌクレオチドを含む。「オリゴヌクレオチド代謝物」という用語はさらに、任意の天然的にまたは合成的に改変されたオリゴヌクレオチド、例えばリン酸化3’末端または5’末端を含むオリゴヌクレオチドを含む。
特に以下の実施例を参照して本明細書において前記したような方法およびキットも特許請求される。以下の実施例、参考文献、配列表および図面は、本発明の理解を助けるために提供され、その真の範囲は添付の特許請求の範囲に示される。本発明の精神から逸脱することなく、示された手順に改変を行なうことができることを理解されたい。
図1は、siRNAの1本の鎖の検出のためのクロマトグラムを示す。 図2は、同じダイを含む2つのPNAプローブを使用する両鎖の同時分析を示す。 図3は、同じダイを含む2つのPNAプローブを使用する両鎖の同時分析のための検量曲線を示す。 図4は、異なる蛍光標識を含む2つのPNAプローブ、2つの蛍光検出器を用いての検出を使用する両鎖の同時分析を示す。 図5は、薬物代謝物の分離を示す。 図6は、miRNAの検出のためのクロマトグラムを示す。 図7は、肺組織中のスピーゲルマーの検出のためのクロマトグラムを示す。 図8は、3’伸長されたアンチセンス鎖配列による保持時間のシフトを示す。 図9は、より多量の組織のローディングによる感度の上昇を示す。
実施例
実施例1:PNAプローブHPLCによるGFP−siRNAの検出
この材料および方法の章は、生体試料からGFP−siRNAをどのように決定するかのアッセイ手順を説明する。さらにまた、この手順を少し変更して、ワトソンクリック塩基対を形成することのできる全ての他のオリゴヌクレオチドのために使用することができる。手順は、一本鎖および二本鎖オリゴヌクレオチドの場合には1本の鎖のみの決定、並びに、二本鎖オリゴヌクレオチド、例えばsiRNAからの並行的な両鎖の定量を可能とする。ダイ−プローブは、定量すべきオリゴヌクレオチドの少なくとも10以上のヌクレオチドに完全に相補的である蛍光標識されたPNA(ペプチド核酸)鎖である(相補性は、完全なワトソンクリック塩基対形成として定義される)。
血漿、血清または組織の試料はドライアイス上で出荷され、そして使用まで−80℃で保存される。分析前に血漿試料を氷上で解凍し、そしてEpicentre社製の細胞および組織溶解溶液中においてプロテイナーゼKにより65℃で25分間処理する。プロテイナーゼKによる処理のために、30μlの血漿を30μlのEpicentre社製の細胞および組織溶解溶液、4μlのプロテイナーゼK溶液および36μlのHOと混合し、最終容量を100μlとする。
組織試料を凍結状態で粉砕し、そして100mgまでの凍結粉末を1mLのEpicentre社製の細胞および組織溶解溶液中に懸濁し、超音波棒で処理し、続いて、65℃でのプロテイナーゼKによる処理で溶解した。全てのプロテイナーゼKで処理した試料をさらにEpicentre社製の細胞および組織溶解溶液で希釈し、その後、HPLC試料調製工程に使用する。
プロテイナーゼKによる処理後、20μlの3M KCl溶液を200リットルの血漿または組織試料に加え、SDSを沈降させる。続いて試料を15分間遠心分離にかけ、そして上清をsiRNAの決定のためにさらに使用する。
ハイブリダイゼーションのために、0.5〜250fmolのsiRNAを含む100μlの希釈上清を、96ウェルPCRプレート中で、アンチセンス鎖をターゲティングする5μlの1μMのAtto610−PNA−プローブ溶液と混合する。ハイブリダイゼーション緩衝液を加えて最終容量を200μlとする(siRNA二本鎖のセンス鎖も検出すべき場合には190μlとする)。プレートを密閉し、そしてPCR機器中で95℃で15分間インキュベーションする。
PCR機器の温度を50℃まで下げる。siRNA二本鎖のセンス鎖を検出すべき場合には、センス鎖をターゲティングする10μlの1μMのAtto425−PNA−プローブ(またはAtto610−PNA−プローブ)を各ウェルに加え、最終容量を200μlとする。さらに15分間50℃で振とうした後、室温まで冷却し、そして試料をHPLCオートサンプラーに入れる。
検量曲線を、同一条件下においてsiRNA連続希釈液から作成する。オリゴヌクレオチドの両鎖の分析に使用される検量曲線の代表的なクロマトグラムを図3に提供する。
プローブ/アンチセンス鎖の二本鎖の蛍光による検出を伴うHPLC分析
100μlの各々のハイブリダイゼーションした試料(1/2)を、Dionex RF2000蛍光検出器に接続されたHPLCシステムに注入する。2つの異なる蛍光ダイを含む両方のsiRNA鎖の検出のために、第2のDionex RF2000蛍光検出器を第1の検出器の後に並べて接続して使用する。クロマトグラフィーを、溶出塩としてNaClOを用いてネイティブな条件下において50℃でDionex DNA Pac PA100カラムで実施する。
1本の鎖の検出のための典型的なクロマトグラムを図1に示し、同じダイを含む2つのPNAプローブを使用する両鎖の同時分析のための典型的なクロマトグラムを図2に提供する。オリゴヌクレオチドの両鎖の分析に使用される検量曲線の代表的なクロマトグラムを図3に提供する。図4において、異なる蛍光標識を含む2つのPNAプローブおよび2つの蛍光検出器を用いたその検出を使用する両鎖の同時分析の典型的なクロマトグラムを示す。
HPLC条件:
カラム:Dionex DNAPac PA100 (4×250mmの分析カラム)
温度:50℃
流速:1mL/分
注入:100μl
検出:励起:612nm;発光:642nm(第1検出器)
励起:436nm;発光:484nm(必要であれば第2検出器)
血漿試料および組織試料中のGFP−siRNAの濃度をイオン交換HPLCを使用して決定し、蛍光の検出により分析物を分離し、そしてピーク下の面積を定量する。使用するネイティブなIEX−HPLC条件下においては、干渉するマトリックス化合物並びに過剰の蛍光標識されたプローブがカラムの空隙容量に溶出する。蛍光標識プローブとマトリックスRNA/DNAとのハイブリダイゼーションに由来する非特異的なシグナルはより長い保持時間にシフトするため、同時溶出するバックグラウンドを殆ど伴うことなく、シグナルを良好に分割することが可能となる。蛍光標識プローブおよび対応するインタクトなsiRNA鎖からなる二本鎖によって発生する特異的なシグナルは、典型的には5〜7分に溶出する。
前記のようにハイブリダイゼーションしそして分析される標準的なsiRNA連続希釈液(0.5〜250fmolのsiRNA)から作成した外部検量曲線に基づいて定量を行なう。このアッセイの直線範囲は、カラム上において0.5〜250fmolのsiRNAであり、1mLの血漿中におけるLLOQは約0.6ngのsiRNAであり、組織中におけるそれは約5ngのsiRNAである。
試薬:
・50μMの標準GFP−siRNAストック溶液(社内調製)
・ハイブリダイゼーション緩衝液:50mMトリス−Cl;10%ACN(社内調製)
・プロテイナーゼK(20mg/ml):Peqlab No. 04-1075; Lot: 11024
・溶解緩衝液:Epicentre社製の細胞および組織溶解溶液(MTC096H番)
・ミリQ水:18.2MΩ
・PNA−プローブ:表1参照
・KCl:3MのHO溶液(社内調製)
・蛍光検出のためのHPLC−システムA:
・HPLC溶出液A:25mMトリス−HCl;1mM EDTA;50%ACN;pH=8
・HPLC溶出液B:A中800mM NaClO
材料:
・超音波棒、Bandelin Sonoplus (Berlin)、UW 2070を含むHD 2070 MS72
・1.5mlのエッペンドルフチューブ
・エッペンドルフtwin.tec PCRプレート96 (951020389番)
・エッペンドルフマスターサイクラーグラジエント
・ウルトラクリアーキャップストリップ、Peqlab (82-0866-A番)
・Dionex Ultimate3000 HPLC:溶媒ラック
究極3000デュアルポンプ
究極3000オートサンプラー
10ポートスイッチ弁を有する究極3000カラムオーブン
UV検出器VWD3000
蛍光検出器RF2000
あるいは、以下のHPLC条件を、オリゴヌクレオチドの検出のために、特にmiRNAおよびsiRNAの検出のために使用した:
・カラム:Dionex DNA Pac PA100 (250×4mm)
・温度:50℃
・溶出液A:10mMリン酸ナトリウム;100mM NaCl;5%ACN
・溶出液B:10mMリン酸ナトリウム;1M NaCl;5%ACN
・溶出液C:90%ACN
実施例2:自動96ウェルプレート標品
この章は、マイクロタイタープレートを使用した新たな試料調製プロトコールを説明する。ここでは、アッセイの再現性を向上させるために、手作業の取扱い工程を最小限に減少させている。ハイブリダイゼーション緩衝液、ダイ−プローブおよびsiRNAスパイクを含む混合物の全成分をピペッティングロボットにより96ウェルプレートに加える。また、試料の事前のSDS沈降を、マイクロタイタープレートに基づいた装置において実施することができる。
前記手順を用いると、規定のオリゴヌクレオチドのためのストックされた96ウェルプレートを調製することが可能であり、試料溶液だけを加えなければならない。従って、このすぐに使用できる標品はキットのように作動し、これを、規定のオリゴヌクレオチドを含むかまたは含むことが疑われる試料の迅速なハイスループット分析のために使用することができる。
プレート標品
96ウェルマイクロタイタープレートにおいて、ウェルは、8つの行(AからHと標識)および12の列(1から12と標識)の長方形格子を形成する。自動96ウェルプレート標品のために、マスターミックスを表4に従って手作業で調製し、そして100μlをプレートの各ウェルにピペッティングロボットによって加える。第1〜第10行のウェルに、50μlの水を加える。第1〜9の行は試料分析のために作用し、第10の行は1fmolのスパイクのための対照として作用し、そして第1〜12の行は検量曲線のために作用する。第11〜12のウェルに、50μlの培地および50μlのsiRNA希釈液を加える。siRNA希釈液を、100nMのsiRNA溶液から開始してピペッティングロボットによって調製し、そしてこれを以下に列挙する。この96ウェルプレートはさらに「調製プレート」ともいわれる。
検量曲線のためのsiRNAの希釈
20nM(500fmol)
10nM(250fmol)
4nM(100fmol)
2nM(50fmol)
1nM(25fmol)
0.4nM(10fmol)
0.2nM(5fmol)
0.1nM(2.5fmol)
0.02nM(0.5fmol)
0.01nM(0.25fmol)
調製プレートへの試料の添加/SDS沈降工程
100μlのアリコートの試料を、予め冷却した96ウェルマイクロタイタープレートの第1〜9の列の全ての行(A〜H)のウェルにピペットで入れ、そしてこれらのウェルに10μlの3M KClをピペッティングロボットによって添加する。3800U/分および4℃で15分間遠心分離した後、50μlの上清を、調製プレートの相応の列にピペッティングロボットによって移す。
対照のために、溶解緩衝液または培地を3M KClを用いて沈降させ、そして50μlの上清を、調製プレートの第10〜12の列に加える。各ウェルの100μlをaIEX−HPLCに注入する。
実施例3:薬物代謝物の分離
異なる薬物代謝物の分離のために、GFP−siRNAのアンチセンス鎖の精製された3’末端(3’n−2、3’n−4、3’n−5、3’n−6)および5’末端(5’n−1、5’n−2、5’n−3)代謝物(1〜6個のヌクレオチドが3’末端または5’末端からそれぞれ欠失した)を、実施例1記載のアッセイ手順に従って分析した。代謝物を表5に示し、代謝物の分離についての典型的なクロマトグラムを図5に示す。
実施例4:miRNAの検出
標準的な条件下においてアッセイを使用して、組織溶解液からmiRNAを検出する可能性を評価した。一例として、マウス肝特異的miRNA−122を、マウス組織溶解液(陽性対照)から、空腸(陰性対照)から、および合成的に作製したmiRNA−122鎖(Lagos-Quintana, et al. Current Biology, Vol. 12, 735-739.)を用いてスパイクした溶解液から検出した。文献から、マウスの肝臓において、3つの異なるタイプのmiRNA−122配列が発現されることが知られている:
全ての合成標準物質は、5’−OHとして、および5’−リン酸配列として合成された。3つの種が3’末端において小さな相違を示したので、PNA−プローブは、miRNA−122の5’末端の3番目の塩基から始まり、17塩基長を有し、3つ全てのmiRNA−122配列と完全に一致するように設計された:
HPLCを、実施例1に詳述しそして表3に示した代替的なプロトコールに記載したような条件で実施した。合成的に作製したmiRNA−122を用いてスパイクされたマウス肺溶解液(miRNA122陰性組織)から作成したHPLCチャートは、3つの分離したピークを示した。このピークの保持時間は、肝臓に由来する溶解液(1mgの肝臓を注入)に見られたシグナルと完全に一致していた。全ピーク面積の定量および肝臓中の全miRNA−122濃度の計算により、約35ng/gが得られた。空腸または肺組織試料からのmiRNA−122陰性対照は、予期されたようにmiRNA−122についてのシグナルを全く示さなかった(図6)。
実施例5:PEG化を含むおよび含まないスピーゲルマー−DNA(L−DNA)の検出
スピーゲルマーは、天然D−オリゴヌクレオチドとのワトソンクリック塩基対相互作用を全く示さない、非天然L−リボース(L−RNA)またはL−デオキシリボース(L−DNA)糖骨格を有するアプタマー分子である。PNAはワトソンクリック塩基対特性を有するキラルではないオリゴヌクレオチド模倣体であるので、この非天然オリゴヌクレオチド種を検出するためにも、PNA−プローブを使用することができることが期待された。スピーゲルマーまたはアプタマーの循環中半減期を増加させるために、この分子は、この複合体分子の分析を通常は妨害する、40kDaの分岐PEGを用いてPEG化されていることが多い。
この治療的に興味深い分子クラスの検出のための概念証明として、PEG化および非PEG化バージョンの以下のL−DNA配列を合成し、そしてマウスへの経口気管内投与後に本明細書において記載したアッセイを用いて分析した。
非PEG−スピーゲルマー:
PEG−スピーゲルマー:
以下の17mer−PNA−プローブを、血漿、肺、肝臓、および腎臓の試料からのスピーゲルマーのハイブリダイゼーションおよび検出のために使用した:
勾配条件を、siRNA鎖と比較してより長いオリゴヌクレオチド配列に調整して、HPLC法の勾配内でスピーゲルマー−PNA−二本鎖を溶出させた。
以下のHPLC条件を適用した:
・カラム:Dionex DNA Pac PA100 (250×4mm)
・温度:50℃
・溶出液A:10mMリン酸ナトリウム;100mM NaCl;5%ACN
・溶出液B:10mMリン酸ナトリウム;1M NaCl;5%ACN
・溶出液C:90%ACN
PEG化スピーゲルマーについての前記方法の感度は、40kDaのPEG部分の多分散性によって誘導されるピーク拡大に因り幾分損なわれた。検出の下限は、カラム上で約1fmolのL−DNAまで増加した。より短い不純物の分割は試験しなかったが、より短いsiRNA鎖またはmiRNA鎖と比較してより低いと予測された。
試料の調製は標準的なプロトコールに従って行なった。スピーゲルマーを、図7に示したように生物学的なバックグラウンド干渉がほぼ含まれない鋭い単一のピークとして、試験した血漿および全ての組織からこの手順によって容易に検出することができた。
実施例6:in vitroのトランスフェクション実験からのsiRNAの検出
in vitroにおける細胞培養実験からの非標識siRNAの検出は、高い感度が必要とされるという事実によって限定され、それ故、改変されていない分子に対しては、PCRのような増幅工程を有するアプローチしか成功しなかった。
PNA−HPLCのアッセイ感度は、細胞培養実験からsiRNAを測定する範囲内であった。両鎖の3’末端において2ntのオーバーハングを有する19塩基対のsiRNAを、30nMのsiRNA濃度で、初代肝細胞のトランスフェクションに使用した。アンチセンス鎖のその5’末端のみが異なる同一配列を有するこの二本鎖の種々のバージョンをトランスフェクションした。トランスフェクション後、細胞をPBSで洗浄し、その後、溶解液1μLあたり約2500個の細胞の濃度でプロテイナーゼK処理によって溶解した。
細胞培養溶解液をPNA−HPLCアッセイ手順のために使用し、そして1回のHPLCの実行につき約50000個の細胞を、相補的なアンチセンス鎖PNA−プローブとハイブリダイゼーションさせた後にカラムに注入した。このアッセイ条件下において、インタクトなアンチセンス鎖およびまたアンチセンス鎖の5’−リン酸化種は、1個の細胞あたり約8000個まで減少したsiRNAコピーを検出することができた(データは提示せず)。
実施例7:正規化のための内部標準の使用(より高い正確性)
前記方法の正確性をさらに増加させるために、特にGxP環境において使用する場合、正規化のために内部標準を実行することがおそらく必要である。概念証明として21merのRNA鎖をその3’末端において3〜8個のデスオキシ−Tヌクレオチドを用いて伸長した。この正規化標準を、21merおよびその5’−リン酸化種と共に、血漿中にスパイクし、その後、標準的なアッセイ条件およびHPLC条件下で(実施例1、特にHPLCについての代替的なプロトコールおよび表3を参照されたい)siRNAについて分析した。
全ての伸長された標準物質は、より長い保持時間でもって、21mer並びに5’−リン酸化21merとは完全に基線から分割されて溶出した。いくつかの伸長鎖の合成不純物が5’−リン酸化21merと同時に溶出したように、いくつかのピーク干渉が、3−dT−ヌクレオチド伸長配列および5’−リン酸化21merにおいて観察された。
ここに示した例は、その5’末端に3個、4個および5個のデスオキシチミジンヌクレオチドを有する3’伸長アンチセンス鎖と混合された、アンチセンス鎖および5’−リン酸化アンチセンス鎖を含む試料のクロマトグラムの重ね合わせである(図8参照)。以下の配列を例示的なクロマトグラムのために使用した(大文字はRNAヌクレオチドを示し、小文字「c」、「g」、「a」および「u」は2’O−メチル修飾ヌクレオチドを示し、「s」はホスホロチオエートを示し、そして「dT」はデオキシチミジンを示す):
また、この実験を用いて、標準的なmiRNAおよびsiRNAのアッセイ条件下において、1ヌクレオチド長しか違わない29merまでのオリゴヌクレオチドについて基線分割を達成することができることが証明された。
実施例8:組織中のアッセイ感度の増加
前記したアッセイの感度は、組織1gあたり約2ngまでのsiRNAに限定された。この限界は、基線ノイズがより多量の組織のローディングで増加するので、カラム上にローディングされる組織の最大量が、1回の注入あたり2〜3mgであったという事実によりもたらされた。Atto610ダイからAtto425ダイへの切り替えは、シグナル感度の低下およびクロマトグラフィーの分割力の低下を伴うことなく、カラムへの11mgまでのはるかにより多量のローディングを可能とする。siRNAの検出限界の絶対量は依然としてカラム上で250amolのオリゴヌクレオチドである。これにより、siRNAの組織中濃度に関する検出下限は約400pg/gとなる(図9)。
以下の表9において、同じ組織試料であるが2つの別々の組織調製物の2つのクロマトグラフィー実行間の比較が示されている。上のクロマトグラムにおいては、3mgの肝臓がHPLCカラム上にローディングされ、下のクロマトグラムにおいては11.2mgがローディングされた。
結果は2つの異なる組織溶解液から作成されたが、計算された組織中siRNAおよび代謝物の濃度は、小さな相違しか示さない:

Claims (12)

  1. (a)オリゴヌクレオチドを含むかまたは含むことが疑われる試料を選択する工程、
    (b)前記試料を、前記オリゴヌクレオチドの少なくとも10以上のヌクレオチドに対して完全に相補的である蛍光標識されたペプチド核酸(PNA)プローブと接触させることによって、ハイブリダイゼーション混合物を形成する工程、
    (c)前記オリゴヌクレオチドと前記PNAプローブとの間に形成されたハイブリダイゼーションしている部分を、ハイブリダイゼーションしていない部分から、陰イオン交換高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって分離する工程、および
    (d)前記のハイブリダイゼーションしている部分を蛍光分光法によって定性的または定量的に検出する工程
    を含む、前記オリゴヌクレオチドを検出するための方法。
  2. 工程(b)の後に第2の蛍光標識されたPNAプローブを添加、およびその後、工程(c)から(d)を実施することを含む、1つの試料から並行してオリゴヌクレオチド二本鎖の両鎖を検出するための、請求項1記載の方法。
  3. siRNAおよびその誘導体の定量的分析または定量的分析のための、請求項1または2記載の方法。
  4. 治療的siRNAおよびその誘導体のin vivoにおける代謝の定量的分析または定性的分析のための、請求項1〜3記載の方法。
  5. 細胞外および細胞内に送達されたsiRNAの定量的分析または定性的分析のための、請求項1〜4記載の方法。
  6. 検出されるべき既知濃度のオリゴヌクレオチドを試料に加える、請求項1〜5記載の方法。
  7. PNAプローブが、Atto610、Atto425またはAtto520で標識される、請求項1〜6記載の方法。
  8. 試料が組織溶解液または血漿溶解液である、請求項1〜7記載の方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか記載の方法の全ての構成要素が加えられているプレート標品からなる、オリゴヌクレオチドの1本または2本の鎖の定性的および定量的な検出において使用するためのキット。
  10. プレート標品が、自動化プレート標品である、請求項9記載のキット。
  11. プレート標品が、自動96ウェルプレート標品または384ウェルプレート標品である、請求項9記載のキット。
  12. 特に前記の実施例を参照にして、本明細書において実質的に前記した方法およびキット。
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