JP2012254239A - 空気清浄装置 - Google Patents
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Abstract
従来の空気清浄装置は、複数の臭気に対応するフィルタを自動的に切り替える方法として、時間制御による切り替えを行っていたが、時間制御で切り替える方法では、例えば突発的に新たに臭気が発生した場合フィルタ切り替えの応答性が低く、複数臭気への対応が十分でないという課題がある。
【解決手段】
脱臭フィルタ5を回転式とし、駆動手段は脱臭フィルタ5を臭気センサ51にて検知した臭気の種類に対応する触媒を通風路11上に露出する位置まで駆動させるため、脱臭フィルタ5の切り替えの応答性が高く、複数の臭気や瞬時発生した臭気を効率的に脱臭することができる。
【選択図】図1
Description
以下本発明の実施の形態に係る空気清浄装置について図1〜9を参照して説明する。
図1において空気清浄装置は、吸込部9と吹出部10を有し空気が通過する通風路11と、吸込部9と吹出部10を開状態、閉状態にするための可動式の吸込部開閉板1と吹出部開閉板8を備えている。通風路11内には、空気清浄装置外部から空気を取り込むための吸引ファン7、紫外線を発生させる紫外線発生ランプ2、空気中の粒子状物質を捕集する集塵フィルタ3、臭気を検知する臭気センサ51、オゾン発生手段としてのオゾン発生素子4、回転可能に構成された脱臭フィルタ5、脱臭フィルタ5を回転軸50にて回転させるために空気清浄装置に設けられた図示しない駆動手段、駆動手段などを駆動させるために空気清浄装置に設けられた図示しない制御手段、脱臭フィルタ5を加熱する加熱手段6、オゾン発生素子4によって発生したオゾンの濃度を検知するオゾン濃度センサ41が設けられている。
脱臭フィルタ5は臭気センサ51の下流側に設けられ、後述する複数種類の触媒を通風路11の通風方向と直交方向に横設して構成されている。
生活環境における臭気は例えばトイレや、下駄箱、ペット、喫煙、人体から発生する。つまりこれらの臭気は人間の生活とともに発生し、その臭気は大きく分けると、アンモニア、トリメチルアミンなどが含まれている窒素化合物(N系臭気)、メチルメルカプタンや硫化水素などの硫黄化合物(S系臭気)、そしてアセトアルデヒド、酢酸、酪酸等のアルデヒド・有機酸類化合物の3種類に分けられる。これらの臭気類は生活環境における臭気閾値の低い臭気であり、つまりこれらの臭気の除去は臭気強度の低下に大きく影響する。そのため、脱臭フィルタ5は上述した3種類臭気の除去に特化した3種のフィルタ、つまり窒素化合物除去脱臭フィルタ52、硫化物除去脱臭フィルタ53、アルデヒド・有機酸類除去脱臭フィルタ54から構成されている。
一般家庭において検出される臭気の種類の比はおよそ窒素化合物:硫黄化合物:アルデヒド・有機酸類化合物=1:1:2である。これは、調理臭などアルデヒド・有機酸類化合物は生活環境に多く見られ、種類が多いためである。つまり、アルデヒド・有機酸類化合物を脱臭する機会が一番多いということになる。そのため図3に示すように脱臭フィルタ5も、窒素化合物除去脱臭フィルタ52と硫化物除去脱臭フィルタ53に比べ、アルデヒド・有機酸類除去脱臭フィルタ54の面積が大きくなるように構成されていることが望ましい。
図5は窒素化合物除去脱臭フィルタ52と複合臭気除去用脱臭フィルタによって窒素化合物以外の臭気を除去したときの経過時間と臭気残存率の関係を示すグラフである。
窒素化合物の除去に特化した窒素化合物除去脱臭フィルタ52は、窒素化合物の除去において、複数種類の臭気に対応する複合臭気除去用脱臭フィルタよりも高い除去性能を示した。しかし、窒素化合物以外の、例えば硫黄化物、アルデヒド・有機酸類化合物などを処理した場合、窒素化合物の除去に特化した窒素化合物除去脱臭フィルタ52は、臭気を除去するための触媒の種類や配合の割合に選択性があるため、複合臭気除去用フィルタよりも除去性能が落ちる結果を示した。
それぞれの識別性能を上げるため、臭気センサ51は、それぞれ前記3種類の臭気に強いIRセンサで構築しても良いし、臭気センサセットとして、3つの半導体式センサによって感知した臭気濃度のバランスで脱臭フィルタ5の回転を判断しても良い。
図6に示すように、加熱手段6は脱臭フィルタ5の下側両面、つまり吸込部9から吸い込まれた空気の流れと極力干渉しない位置に設けられている。
空気清浄装置に設けられた操作手段を操作することによって空気清浄装置が運転状態となると、まず制御手段は吸込部9に設けられた吸込部開閉板1と吹出部10に設けられた吹出部開閉板8を開状態とさせ、そして吸引ファン7によって空気清浄装置外部の空気は装置内に吸引される。吸い込まれた空気の中に含まれている粉塵や菌、ウイルスなどの粒子状物質は集塵フィルタ3で捕集される。集塵フィルタ3で捕集できない臭気を含む空気は通風路11下流に流れ、臭気センサ51まで到達する。
図7に示すように、加熱手段6脱臭フィルタ5を挟み込むように配置されている。加熱手段6にはヒータ61が取り付けられており、ヒータ61は40〜300℃にて発熱する。また、アルデヒド・有機酸類除去脱臭フィルタ54は使用頻度が高く、またアルデヒド・有機酸類除去脱臭フィルタ54のみを用いて除去するような臭気も多いため、図7に示すように加熱手段6の面積はアルデヒド・有機酸類除去脱臭フィルタ54の面積と略同一、つまり脱臭フィルタ5の半分を覆うほどの面積である。なお、通風路11に加熱手段6に覆われていない脱臭フィルタ5の残り半分が露出する構造の空気清浄装置の場合では脱臭フィルタ5のおよそ半分をアルデヒド・有機酸類除去脱臭フィルタ54が占めるように構成することが望ましいが、加熱手段6の大きさは脱臭フィルタ5の半分と限るものではなく、それに伴い通風路11上に露出する脱臭フィルタ5の割合、形状との関係によっても変わる。
脱臭フィルタ5は空気中に含まれる臭気を除去する内に、フィルタ添着の触媒は徐々に劣化し、その結果フィルタの除去性能は初期除去性能の10%まで落ちる。そこで、脱臭フィルタ5表面に付着した臭い成分を除去するために、脱臭運転を一定時間行うと、制御手段は加熱手段6に通電する。加熱手段6は脱臭フィルタ5を加熱し、触媒の活性化を高め、常温で分解できない成分を熱で取り除く。これにより脱臭フィルタ5は初期性能に近いところまで除去性能が回復し、脱臭フィルタ5はより長期間高い脱臭性能を保つことができる。
波長253.7nm紫外線の照射強度は照射対象物との距離と比例する。つまり効率よく紫外線を利用し集塵フィルタ3の表面と一定照射強度を得るためには、集塵フィルタ3と紫外線発生ランプ2の間の距離を一定にする必要がある。そこで、図9に示すように、制御手段は紫外線発生ランプ3が集塵フィルタ3の表面と一定距離になるように図示しないランプ駆動手段を上下駆動させ、これにより集塵フィルタ3の表面を満遍なく殺菌することができる。
Claims (9)
- 吸込部と吹出部を有し空気が通過する通風路と、
前記通風路内に設けられ、前記通風路を通過する前記空気に含まれる臭気を検知する臭気センサと、
前記臭気センサの下流側に設けられ、臭気を分解する複数種類の触媒を前記通風路の通風方向と直交方向に横設して構成された脱臭フィルタと、
前記臭気センサが検知した前記臭気に対応する触媒を含む前記脱臭フィルタの一部を前記通風路内に露出させるように駆動する駆動手段と、を備えたことを特徴とする空気清浄装置。 - 前記駆動手段は、前記脱臭フィルタを回転駆動させることを特徴とする請求項1記載の空気清浄装置。
- 前記複数種類の触媒のうち少なくとも2種類以上の触媒を含む前記脱臭フィルタの一部を前記通風路内に露出させることを特徴とする請求項2記載の空気清浄装置。
- 前記臭気センサが複数種類の臭気を検知すると、前記駆動手段は前記臭気センサが検知した前記複数種類の臭気の濃度の割合に応じて前記脱臭フィルタを回転させることを特徴とする請求項3記載の空気清浄装置。
- 前記脱臭フィルタを窒素化合物、硫黄化合物およびアルデヒド・有機酸類化合物に対し除去性能が高い触媒にて構成したことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の空気清浄装置。
- 前記触媒フィルタを構成するアルデヒド・有機酸類化合物に対し除去性能が高い触媒の表面積は、前記脱臭フィルタを構成する窒素化合物および硫黄化物に対し除去性能が高い触媒の面積よりも大きいことを特徴とする請求項5記載の空気清浄装置。
- 前記脱臭フィルタを加熱するための加熱手段を備え、
前記加熱手段は、前記通風路の通風方向と干渉しない位置に設けられたことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の空気清浄装置。 - 前記脱臭フィルタ上流側にオゾンを発生させるオゾン発生手段を備え、
前記脱臭フィルタはオゾン分解触媒を含有することを特徴とする請求項7に記載の空気清浄装置 - 前記吸込部と前記吹出部とをそれぞれ開閉可能とし、
少なくとも前記オゾン発生手段が駆動している間は前記吸込部と前記吹出部との両方を閉状態とすることを特徴とする請求項8記載の空気清浄装置。
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