JP2012246905A - スタータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電磁スイッチのM端子ボルトとモータリード線との間に追加インダクタンス分となる導体部品14が挿入され、この導体部品14の両端(A点、B点)とアース間にコンデンサC1、C2を含むノイズ抑制装置7が接続されている。ノイズ抑制装置7のノイズ低減効果は、スタータ等価回路のインピーダンスとノイズ抑制装置7のインピーダンスとの比になる。つまり、スタータ等価回路のインピーダンスに対し、ノイズ抑制装置7のインピーダンスが小さい程、ノイズ低減効果が大きくなる。よって、M端子ボルトとモータリード線2との間に追加インダクタンス分となる導体部品14を挿入したことで、スタータ等価回路のインピーダンスに対し、ノイズ抑制装置7のインピーダンスが相対的に小さくなるのでノイズ低減効果が向上する。
【選択図】図1
Description
同機能によってエンジンが停止した後、ユーザが発進操作を行うと、ECUの指令によりスタータが作動してエンジンを自動的に再始動させる。
ところで、整流子モータを使用するスタータでは、モータの回転時に整流子とブラシとの間で火花が発生し、この火花がノイズの原因となってラジオ等の機器に雑音が発生するため、ユーザに不快感を与えることがある。
このような問題に対し、特許文献1では、少なくとも一つのコンデンサをモータと並列に接続したコンデンサ回路を設けることで、モータから発生するノイズを抑制する技術が開示されている。
本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的は、モータから発生するノイズの抑制効果を向上できるノイズ抑制装置を備えたスタータを提供することにある。
本発明は、モータリード線を介して電源ラインに接続され、この電源ラインを通じてバッテリより電力の供給を受けて回転力を発生するモータと、バッテリ側の端子ボルトとモータ側の端子ボルトとを介して電源ラインに接続される電気接点を有し、ソレノイドのオン/オフ動作に連動して電気接点を開閉する電磁スイッチと、電源ラインとアース間に挿入される少なくとも一つのコンデンサを含むノイズ抑制装置とを備えるスタータであって、モータ側の端子ボルトとモータリード線との間にインダクタンス分となる導体部品が挿入され、ノイズ抑制装置に含まれる少なくとも一つのコンデンサは、モータ側の端子ボルトに接続される導体部品の一端とアース間に挿入されていることを特徴とする。
本発明では、モータの電源ラインに追加インダクタンス分となる導体部品を挿入したことにより、スタータ等価回路のインピーダンスが増大している。その結果、スタータ等価回路のインピーダンスに対し、少なくとも一つのコンデンサを含むノイズ抑制装置のインピーダンスが相対的に小さくなるので、ノイズ低減効果が向上する。
請求項1に記載したスタータにおいて、ノイズ抑制装置に含まれるコンデンサは、モータ側の端子ボルトに接続される導体部品の一端とアース間に挿入される第1のコンデンサと、モータリード線が接続される導体部品の他端とアース間に挿入される第2のコンデンサとを有し、第1のコンデンサと第2のコンデンサのうち、一方は低周波のノイズを低減できる大容量のコンデンサであり、他方は高周波のノイズを低減できる小容量のコンデンサであることを特徴とする。
従って、低周波ノイズを低減できる一方のコンデンサは、例えば、数十μF単位の容量を有し、高周波ノイズを低減できる他方のコンデンサは、例えば、数nF単位の容量を有していることが望ましい。
請求項2に記載したスタータにおいて、第1のコンデンサと第2のコンデンサの少なくとも一方には、抵抗体が直列に接続されていることを特徴とする。
容量の異なるコンデンサを並列に接続すると、それぞれの自己共振点の中間の周波数においてインダクタとキャパシタの並列共振回路となり、***振と呼ばれる現象が発生する。この場合、ノイズ抑制装置のインピーダンスが悪化(上昇)して減衰特性が低下する恐れがある。
これに対し、本発明では、第1のコンデンサと第2のコンデンサの少なくとも一方に抵抗体を直列接続したことにより、並列共振時の合成インピーダンスを低下させることができ、並列共振によってノイズ抑制装置の減衰特性が低下することを抑制できる。
請求項1〜3に記載した何れか一つのスタータにおいて、導体部品は、一端側が円筒状に設けられて、その内周に雌ねじ部が形成され、他端側が棒状に設けられて、その外周に雄ねじ部が形成されており、モータ側の端子ボルトに雌ねじ部を結合して取り付けられ、雄ねじ部にモータリード線が接続されていることを特徴とする。
上記の構成では、導体部品の一端側に雌ねじ部を形成しているので、その雌ねじ部をモータ側の端子ボルトにねじ結合することで、導体部品をモータ側の端子ボルトに容易に取り付けることができる。さらに、導体部品の他端側に雄ねじ部を形成しているので、モータリード線をモータ側の端子ボルトに接続する場合と同様に、導体部品の雄ねじ部にモータリード線を接続することができる。
実施例1では、ノイズ抑制装置を備えたスタータの一例を説明する。
スタータ1は、図3に示す様に、モータリード線2を介して電源ライン(図1参照)に接続され、バッテリ3より電力の供給を受けて回転力を発生するモータ4と、このモータ4の回転力をエンジンのリングギヤ(図示せず)に伝達するピニオン5と、モータ4への通電電流を断続する電磁スイッチ6等より構成され、モータ4の回転時に発生するノイズを低減できるノイズ抑制装置7を備えている。
モータ4は、磁気回路を形成するヨークの内周に複数の永久磁石または界磁巻線を配置して構成される界磁と、この界磁の内周に回転自在に配置され、且つ、整流子を備えた電機子と、この電機子の回転に伴って整流子の外周上を摺動するブラシ8(図1参照)等を有する周知の整流子電動機である。
メイン接点9は、図3に示すバッテリ側の端子ボルト10とモータ側の端子ボルト(以下、M端子ボルト11と呼ぶ)を介して電源ラインに接続される一組の固定接点12(図1参照)と、プランジャの動きに連動して一組の固定接点12間を電気的に断続する可動接点13(図1参照)とで構成され、この可動接点13が一組の固定接点12に当接して一組の固定接点12間が導通することでメイン接点9が閉成し、可動接点13が一組の固定接点12から離れることでメイン接点9が開成する。
ノイズ抑制装置7は、図1に示す様に、モータリード線2が接続される導体部品14の他端(図中A点)とアース間に挿入されるコンデンサC1と、このコンデンサC1と直列に接続される抵抗体Rと、M端子ボルト11に接続される導体部品14の一端(図中B点)とアース間に並列に挿入される2個のコンデンサC2とを備える。
コンデンサC1は、例えば、4.7nFの容量を有し、主にFM放送で使用される電波周波数帯域において問題となる高周波ノイズを低減するために使用される。
2個のコンデンサC2は、例えば、それぞれ10μFの容量を有し、主にAM放送で使用される電波周波数帯域において問題となる低周波ノイズを低減するために使用される。
なお、抵抗体Rの抵抗値は、並列共振を抑制するために必要な抵抗値から、コンデンサC1、C2の各ESR(等価直列抵抗)と配線等の抵抗分の合計を差し引いた値となる。並列共振を抑制するために必要な抵抗値は、コンデンサC1、C2の各ESL(等価直列インダクタンス)の合計と並列共振回路に含まれる全てのインダクタンス成分とを足し合わせた合計インダクタンスと、コンデンサC1、C2の合成容量を基に算出できる。
なお、コンデンサC1、C2は、例えば、セラミックコンデンサであり、それぞれ、2本のリード端子C1t、C2tを持ち、この2本のリード端子C1t、C2tがコンデンサ本体に対し同一方向に取り出されている。また、2個のコンデンサC2は、互いのリード端子C1t、C2tが向かい合う様に配置されている。
抵抗体Rは、2本のリード端子Rtを持ち、この2本のリード端子Rtが抵抗体本体の両端より互いに反対方向へ取り出されている。
上記のコンデンサC1、C2、および、抵抗体Rの各リード端子C1t、C2t、Rtは、それぞれ対応する電極17〜20に対して、溶接あるいは半田付けにより接続される。
第1のプラス電極17は、分岐配線21(図3参照)を介して、図1のA点に接続され、第2のプラス電極19は、分岐配線22(図3参照)を介して、図1のB点に接続される。また、アース電極20は、図3に示す様に、スクリュ23によりモータ4の後端を覆うエンドフレーム24に固定される。
分岐配線22の反電極側の端部は、図3に示す様に、M端子ボルト11に連結される連結プレート26に対しスクリュ27によって締め付け固定されている。
なお、図1に示すL1は分岐配線21に含まれるインダクタンス成分、L2は分岐配線22に含まれるインダクタンス成分、L3、L4はノイズ抑制装置7の各電極18、19、20に含まれるインダクタンス成分である。
実施例1に記載したスタータ1は、電磁スイッチ6のM端子ボルト11とモータリード線2との間に追加インダクタンス分となる導体部品14が挿入され、この導体部品14の両端(図1のA点、B点)とアース間にコンデンサC1、C2を含むノイズ抑制装置7が接続されている。
ノイズ抑制装置7のノイズ低減効果は、スタータ等価回路のインピーダンスとノイズ抑制装置7のインピーダンスとの比になる。つまり、スタータ等価回路のインピーダンスに対し、ノイズ抑制装置7のインピーダンスが小さい程、ノイズ低減効果が大きくなる。
よって、実施例1に示すスタータ1では、電磁スイッチ6のM端子ボルト11とモータリード線2との間に追加インダクタンス分となる導体部品14を挿入したことで、スタータ等価回路のインピーダンスが大きくなる。その結果、スタータ等価回路のインピーダンスに対し、ノイズ抑制装置7のインピーダンスが相対的に小さくなるのでノイズ低減効果が向上する。
さらに、スタータ1をエンジンルーム内に設置する際に、M端子ボルト11の周辺には比較的スペースに余裕があるため、M端子ボルト11に導体部品14を取り付けた場合でも、エンジン周辺に配置される補機類、給排気管、ケーブル等と干渉することはなく、搭載面で有利である。
なお、低周波ノイズとは、例えば、AM放送で使用されている電波周波数帯域において問題となるノイズであり、高周波ノイズとは、FM放送で使用されている電波周波数帯域において問題となるノイズである。
実施例1に記載したノイズ抑制装置7は、コンデンサC1と直列に抵抗体Rを接続しているので、並列共振時の合成インピーダンスを低減でき、並列共振よって減衰特性が低下することを抑制できる。
実施例1に記載したノイズ抑制装置7は、モータリード線2が接続される導体部品14の他端とアース間にコンデンサC1を接続し、M端子ボルト11に接続される導体部品14の一端とアース間に2個のコンデンサC2を並列に接続しているが、どちらか一方のコンデンサのみを、M端子ボルト11に接続される導体部品14の一端(図1のB点)とアース間に挿入した構成でも良い。
また、実施例1では、コンデンサC1と直列に抵抗体Rを接続しているが、2個のコンデンサC2と直列に抵抗体Rを接続しても良い。
なお、実施例1では、コンデンサC1の容量を4.7nF、コンデンサC2の容量を10μFと記載したが、これらの数値は、あくまでも一例であり、適宜に設定できることは言うまでもない。
2 モータリード線
3 バッテリ
4 モータ
6 電磁スイッチ
7 ノイズ抑制装置
9 メイン接点(電気接点)
10 バッテリ側の端子ボルト
11 M端子ボルト(モータ側の端子ボルト)
14 導体部品
14a 導体部品の雌ねじ部
14b 導体部品の雄ねじ部
C1 コンデンサ(第1のコンデンサまたは第2のコンデンサ)
C2 コンデンサ(第1のコンデンサまたは第2のコンデンサ)
R 抵抗体
Claims (4)
- モータリード線を介して電源ラインに接続され、この電源ラインを通じてバッテリより電力の供給を受けて回転力を発生するモータと、
バッテリ側の端子ボルトとモータ側の端子ボルトを介して前記電源ラインに接続される電気接点を有し、ソレノイドのオン/オフ動作に連動して前記電気接点を開閉する電磁スイッチと、
前記電源ラインとアース間に挿入される少なくとも一つのコンデンサを含むノイズ抑制装置とを備えるスタータであって、
前記モータ側の端子ボルトと前記モータリード線との間にインダクタンス分となる導体部品が挿入され、
前記ノイズ抑制装置に含まれる少なくとも一つのコンデンサは、前記モータ側の端子ボルトに接続される前記導体部品の一端とアース間に挿入されていることを特徴とするスタータ。 - 請求項1に記載したスタータにおいて、
前記ノイズ抑制装置に含まれる前記コンデンサは、
前記モータ側の端子ボルトに接続される前記導体部品の一端とアース間に挿入される第1のコンデンサと、
前記モータリード線が接続される前記導体部品の他端とアース間に挿入される第2のコンデンサとを有し、
前記第1のコンデンサと前記第2のコンデンサのうち、一方は低周波のノイズを低減できる大容量のコンデンサであり、他方は高周波のノイズを低減できる小容量のコンデンサであることを特徴とするスタータ。 - 請求項2に記載したスタータにおいて、
前記第1のコンデンサと前記第2のコンデンサの少なくとも一方には、抵抗体が直列に接続されていることを特徴とするスタータ。 - 請求項1〜3に記載した何れか一つのスタータにおいて、
前記導体部品は、一端側が円筒状に設けられて、その内周に雌ねじ部が形成され、他端側が棒状に設けられて、その外周に雄ねじ部が形成されており、前記モータ側の端子ボルトに前記雌ねじ部を結合して取り付けられ、前記雄ねじ部に前記モータリード線が接続されていることを特徴とするスタータ。
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