JP2012246822A - 駆動系制御装置 - Google Patents

駆動系制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2012246822A
JP2012246822A JP2011118709A JP2011118709A JP2012246822A JP 2012246822 A JP2012246822 A JP 2012246822A JP 2011118709 A JP2011118709 A JP 2011118709A JP 2011118709 A JP2011118709 A JP 2011118709A JP 2012246822 A JP2012246822 A JP 2012246822A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
torque
gears
pair
gear
sensors
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2011118709A
Other languages
English (en)
Inventor
Masashi Hikita
真史 疋田
Toshiro Toyoda
俊郎 豊田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP2011118709A priority Critical patent/JP2012246822A/ja
Publication of JP2012246822A publication Critical patent/JP2012246822A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

【課題】実用的な構造で、エンジン1の出力トルクを測定し、経年劣化したり、指定以外の燃料を給油されたエンジン1でも、それぞれの状態に応じた最適な制御を行える構造を実現する。
【解決手段】前記エンジン1のクランクシャフトから変速機2に入力されるトルクを求めるトルク測定器4を備える。このトルク測定器4は、前記クランクシャフト又はこのクランクシャフトと比例したトルクで回転する回転軸の一部に支持固定された円板状の被検出板と、固定の部分に支持された状態で、検出部をこの被検出板の外径側端部に対向させたセンサと、このセンサの出力信号に基づいて前記クランクシャフトのトルクを算出するトルク演算器とを備える。そして、エンジン制御器3は、このトルク演算器が算出したトルクの値に基づいて、前記エンジン1への燃料供給量を調整したり、前記変速機2の変速比を調節する。
【選択図】図1

Description

この発明は、例えば運転者によるアクセルペダルの操作状態に関連する状態量を表す信号に基づいて、自動車のエンジンを制御する事により、最適な運行状態を実現する為の、駆動系制御装置の改良に関する。具体的には、例えば経年劣化や不適切な燃料補給等により、エンジンの出力が設計値からずれた場合にも、その状況に応じた最適な制御を行える制御装置を実現するものである。
近年の電子制御された自動車の場合、アクセルペダルの操作状態(開度、操作速度等)に応じてエンジンが出力すべきトルク(目標トルク)を求め、エンジン制御器によりこのエンジンの燃焼室に供給する燃料(ガソリン、軽油等の燃料と空気との混合気)の供給量を調整する事が、例えば特許文献1等に記載されて広く知られており、実際に広く行われている。又、更に電子化された自動車の場合、前記操作状態に対応して、自動変速機の変速比を調節する事も、例えば特許文献2等に記載されて広く知られており、実際に広く行われている。尚、前記自動変速機が遊星歯車式等の有段式の場合には、変速機調節は段階的に行われ、ベルト式、トロイダル式等の無段式の場合には、変速比調節は連続的に行われる。
図19は、アクセルペダルの操作状況に応じてエンジン及び変速機(自動変速機)を制御する自動車の駆動系制御装置の動作状況の1例を示している。ステップ1(S1)で運転者によるアクセルの操作状態を検出したならば、ステップ2でエンジン制御器により、エンジンの燃焼室内への燃料の供給状態(供給量)を決定し、ステップ3で、実際にエンジンを、前記操作状況に応じて運転する。そして、ステップ4で、このエンジンの出力トルクを推定する。この出力トルクの推定は、前記燃料の供給量とこのエンジンの回転速度とから前記燃焼室内の圧力を算出し、更にこの圧力と燃焼室の数(気筒数)とから求める。そして、求めたトルクの推定値を前記エンジン制御器にフィードバックし、このエンジン制御器による前記エンジン制御の精度を向上させる。又、前記トルクの推定値を表す信号は、前記自動変速機の制御器にも送り、ステップ5で、この自動変速機の変速比を制御する。
上述の図19に示した、エンジン及び自動変速機の制御は、このエンジンの性能が設計値通りである事を前提としている。これに対して、エンジンの性能は、長期間に亙る使用に伴って、僅かずつではあるが低下(経年劣化)する事が避けられない。例えば、燃焼室の内周面やピストンリングの外周縁は次第に摩耗し、シリンダ室内の圧力が、僅かずつ低下して、前記出力トルクが低下する。従って、前記図19に示した様な手順で、経年劣化したエンジンをフィードバック制御すると、適切な制御を行えず、運転者が意図する走行性能を得られなかったり、燃費性能が悪化する可能性がある。尚、この様に、実際の出力トルクが設計値からずれる状況は、燃料として指定された以外のものを使用した場合(ハイオクガソリン指定に拘らずレギュラーガソリンを給油したり、粗悪な燃料を給油された場合)にも生じる。何れにしても、前記燃焼室内に圧力センサを設置して、この燃焼室内の圧力を実際に測定すれば、前記経年劣化に拘らず、適切なフィードバック制御が可能になる。但し、各燃焼室内の圧力を実測してこのフィードバック制御に利用する事は現実的ではない。
特開2010−13003号公報 特開2003−166640号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、実用的な構造で、エンジンの出力トルクを測定し、例えば、経年劣化したり、指定以外の燃料を給油されたエンジンでも、それぞれの状態に応じた最適な制御を行える、自動車、各種産業機械等、エンジンを動力源とする各種機械装置の駆動系制御装置を実現すべく発明したものである。
本発明の駆動系制御装置は、エンジンと、変速機と、エンジン制御器と、エンジントルク測定手段とを備える。
このうちのエンジンは、シリンダ内への燃料供給に基づいてクランクシャフトを回転させる。
又、前記変速機は、前記クランクシャフトの回転を入力し、この回転の速度を変更してから、例えば駆動輪等の被駆動部に向けて出力する。
又、前記エンジン制御器は、運転者或いはオペレータが行う、アクセルペダル、アクセルレバー等のアクセルの操作に関連する状態量を表す信号に基づいて、前記エンジンのシリンダ内への燃料供給量を調整する。尚、この状態量を表す信号には、本発明を自動車用駆動系制御装置として実施する場合に於いて、オートクルーズ或いはクルーズコンピュータ等と称される、自動走行モード用のスイッチがONされた状態で、指定された走行状態を維持する為に必要な条件を表す信号も含む。同様に、各種産業機械用駆動系制御装置として実施する場合に於いて、運転速度を一定に維持する為の装置から出力される信号も含む。
又、前記エンジントルク測定手段は、前記クランクシャフトから前記変速機に入力されるトルクを求めるもので、被検出板と、センサと、トルク演算器とを備える。
このうちの被検出板は、円板状で、前記クランクシャフト又はこのクランクシャフトと比例したトルクで回転する回転軸である、被検出回転軸の一部に、この被検出回転軸と同心に支持固定されており、外径側端部の特性を円周方向に関して交互に且つ等間隔で変化させている。
又、前記センサは、固定の部分に支持された状態で、検出部を前記被検出板の外径側端部に対向させている。
又、前記トルク演算器は、前記センサの出力信号に基づいて前記クランクシャフトのトルクを算出する。
上述の様な本発明の駆動系制御装置を実施する場合に、例えば請求項2に記載した発明の様に、前記エンジン制御器は、前記トルク演算器が算出したトルクの値に基づいて、前記燃料供給量を調整する。
或いは、請求項3に記載した発明の様に、前記変速機を自動変速機とする。又、前記アクセルの操作に関連する状態量を表す信号に基づいてこの自動変速機の変速比を調整する、変速機制御器を備える。そして、この変速機制御器は、前記トルク演算器が算出したトルクの値に基づいて、前記変速比を調整する。
又、上述の様な本発明の駆動系制御装置を実施する場合に、例えば請求項4に記載した発明の様に、前記被検出板を、前記変速機内の歯車伝達装置を構成する歯車とする。
又、前記歯車伝達装置は、1対の回転軸と、これら両回転軸のそれぞれの一部に固定されて、それぞれの外径側端部に形成した歯を互いに噛合させる事により、これら両回転軸同士の間でのトルクの伝達を可能とした1対の歯車とを備えたものとする。
そして、前記センサを1対設けて、これら両センサの検出部をそれぞれ、前記1対の歯車のうちの少なくとも一方の歯車の前記外径側端部に設けた歯に対向させる。そして、前記両センサの出力信号を、当該歯車の回転に伴って変化させる。
そして、前記トルク演算器は、前記両センサの出力信号同士の間に存在する位相差と、前記被検出板である歯車を固定した回転軸と前記クランクシャフトとの間に存在する歯車伝達機構の変速比及び摩擦損失に基づいて、このクランクシャフトのトルクを算出する。
上述の様な請求項4に記載した発明を実施する場合に、より具体的には、例えば請求項5に記載した発明の様に、前記1対の歯車をはすば歯車とする。又、前記1対のセンサのうちの一方のセンサの検出部を前記1対の歯車のうちの一方の歯車の外径側端部に形成した歯に対して径方向に、他方のセンサの検出部をこの一方の歯車の外径側端部に形成した歯に対して軸方向に、それぞれ対向させる。そして、前記トルク演算器は、前記両センサの出力信号同士の間に存在する位相差の変化に基づいて、前記クランクシャフトのトルクを算出する。
或いは、前記請求項4に記載した発明を実施する場合に、請求項6に記載した発明の様に、前記1対の歯車をはすば歯車とする。又、前記1対のセンサのうちの一方のセンサの検出部を何れか一方の歯車の外径側端部に形成した歯に対して、他方のセンサの検出部を他方の歯車の外径側端部に形成した歯に対して、それぞれ径方向に対向させる。そして、前記トルク演算器は、前記両歯車同士の軸方向に関する相対変位に伴って発生する、前記両センサの出力信号同士の間に存在する位相差の変化に基づいて、前記クランクシャフトのトルクを算出する。
この様な請求項6に記載した発明を実施する場合に好ましくは、請求項7に記載した発明の様に、前記1対のセンサを、前記1対の歯車の噛合部から円周方向に関して90度の位置よりもこの噛合部に近い位置に配置する。そして、これら両センサを単一のホルダに保持する。
或いは、前記請求項4に記載した発明を実施する場合に、請求項8に記載した発明の様に、前記1対のセンサのそれぞれを、前記1対の歯車のそれぞれの前記外径側端部に形成した歯に、それぞれ径方向に対向させる。そして、前記トルク演算器は、前記歯車の中心軸同士の相対位置変化に伴って発生する、前記両センサの出力信号同士の間に存在する位相差の変化に基づいて、前記クランクシャフトのトルクを算出する。
この様な請求項8に記載した発明を実施する場合に、例えば請求項9に記載した発明の様に、前記1対のセンサの検出部を、前記1対の歯車の噛合部を挟んで180度反対側位置に存在させる。そして、これら両センサは、これら両歯車の回転中心が前記噛合部の接線方向に相対変位する事に伴って、互いの出力信号同士の間の位相差を変化させる。
或いは、請求項10に記載した発明の様に、前記1対のセンサの検出部を、前記1対の歯車の噛合部を挟んで180度反対側位置から、これら両歯車の圧力角分だけ周方向にそれぞれ移動した位置に存在させる。そして、前記両センサは、前記両歯車の回転中心が前記噛合部の接線方向から前記圧力角分傾斜した方向に相対変位する事に伴って互いの出力信号同士の間の位相差を変化させる。
或いは、前記請求項4に記載した発明を実施する場合に、請求項11に記載した発明の様に、前記1対のセンサの検出部を、前記1対の歯車のうち一方の歯車の外周面に対向させる。又、これら両センサの検出部がこの一方の歯車に対向している位置を、前記歯車同士の噛合部から円周方向にそれぞれ90度ずれた部分とする。そして、前記1対のセンサは、前記一方の歯車が他方の歯車から離れる方向に変位する事に伴って、互いの出力信号同士の間の位相差を変化させる。
或いは、前記請求項4に記載した発明を実施する場合に、請求項12に記載した発明の様に、前記1対の歯車をはすば歯車とする。又、前記1対のセンサのうちの一方のセンサの検出部を、これら両歯車のうちの一方の歯車の前記外径側端部に形成した歯に径方向に対向させる。更に、他方のセンサの検出部を、この一方の歯車に隣接してこの一方の歯車と同じ回転軸に固定された平歯車の外径側端部に形成した歯に径方向に対向させる。そして、前記トルク演算器は、前記1対のセンサの出力信号同士の間に存在する位相差に基づいて前記クランクシャフトのトルクを算出する。
或いは、前記請求項4に記載した発明を実施する場合に、請求項13に記載した発明の様に、前記1対の歯車のうちの少なくとも一方の歯車のうちで、前記1対のセンサのうちの少なくとも一方のセンサの検出部が対向する歯車の前記外径側端部に設けた各歯の歯先面の一部に、当該歯車の軸方向に対し傾斜した凹溝を設ける。そして、前記少なくとも一方のセンサの検出部を、前記各歯のうちでこれら各凹溝を形成した部分に対向させる。
又、上述の請求項4〜7、12、13に記載した発明を実施する場合に、例えば請求項14に記載した発明の様に、前記1対の歯車のうち、前記被検出板として機能する歯車を外嵌固定した回転軸に、この回転軸を軸方向に所定の力で押圧する弾力を付与する。
更に、本発明を実施する場合の具体的構造の別例として、請求項15に記載した発明の様に、前記クランクシャフトの両端部に、それぞれが前記被検出板である1対のエンコーダを固定すると共に、これら両エンコーダの外径側端部に設けた被検出面に、それぞれセンサの検出部を対向させる。そして、前記トルク演算器は、これら両センサの出力信号同士の間の位相差に基づいて、前記クランクシャフトのトルクを求める。
上述の様に構成する本発明によれば、実用的な構造で、エンジンの出力トルクを測定し、このトルクの測定値に応じて各種制御を適切に行える機械装置の駆動系制御装置を実現できる。
例えば、請求項2に記載した発明によれば、経年劣化したり、指定以外の燃料を給油されたエンジンでも、それぞれの状態に応じた最適な制御を行える駆動系制御装置を実現できる。即ち、実際のエンジンの出力トルクを測定し、この測定値をエンジン制御器による燃料供給量にフィードバックできるので、前記エンジンの置かれている状況に関係なく、前記最適な制御を行える。又、請求項3に記載した発明によれば、前記エンジンだけでなく、自動変速機の変速比制御も最適に行える。
又、請求項4〜14に記載した発明によれば、センサ以外に、トルク測定の為の専用の部品を変速機内の歯車伝達装置部分に設置しなくても、この歯車伝達装置が伝達するトルクの方向及び大きさを測定する事が可能となる。この結果、部品製作、部品管理、組立作業が何れも容易になり、歯車伝達装置に繋がったクランクシャフトの出力トルクを測定する事に伴うコスト上昇を低く抑えられる。しかも、設置スペースを小さく抑えて、例えば変速機の構成部品を収納したケーシング内の限られた空間に設置する事が容易になる。
本発明の駆動系制御装置を自動車に適用した場合の基本的構造を示す模式図。 エンジンのクランクシャフトの出力トルクを測定する測定装置の1例を示す模式図。 前記測定装置の具体的構造を説明する為の模式図。 この測定装置により測定した前記出力トルクを利用して、エンジン及び自動変速機を制御する状態を示すフローチャート。 変速機内の歯車伝達装置部分に組み込んだ前記出力トルクの測定装置の第1例を説明する為、互いに噛合した1対のはすば歯車及び1対のセンサを、これら両はすば歯車の軸方向から見た状態で示す正面図。 前記1対のはすば歯車のうち一方のはすば歯車と前記1対のセンサとの組み合わせ状態を示す斜視図。 互いに噛合した1対のはすば歯車に加わる力を説明する為の模式図。 前記1対のセンサの出力信号の位相差に基づいて前記1対のはすば歯車により伝達されるトルクを求める手順を示すフローチャート。 前記1対のはすば歯車の軸方向変位に伴って前記1対のセンサの出力信号の位相が変化する状態を示す線図。 変速機内の歯車伝達装置部分に組み込んだ前記出力トルクの測定装置の第2例を説明する為、互いに噛合した1対のはすば歯車及び1対のセンサを、これら両はすば歯車の径方向から見た状態で示す略側面図。 同第3例を説明する為、互いに噛合した1対のはすば歯車及び1対のセンサを、これら両はすば歯車の軸方向から見た状態で示す略正面図。 同第4例を説明する為、互いに噛合した1対のはすば歯車及び1対のセンサを、これら両はすば歯車の軸方向から見た状態で示す略正面図。 同第5例を説明する為、互いに噛合した1対のはすば歯車及び1対のセンサを、これら両はすば歯車の軸方向から見た状態で示す略正面図。 同第6例を説明する為、互いに噛合した1対のはすば歯車及び1対のセンサを、これら両はすば歯車の軸方向から見た状態で示す略正面図。 同第7例を説明する為、互いに噛合した1対のはすば歯車及びこれら両はすば歯車に隣接して設けた1対の平歯車と2対のセンサとを、これら両歯車の径方向から見た状態で示す略側面図。 同第8例を説明する為、一方の平歯車及び1対のセンサのうちの一方のセンサを、平歯車の径方向から見た状態で示す側面図(A)と斜視図(B)。 前記第8例の変形例を説明する為の、図16の(A)と同様の図。 変速機内の歯車伝達装置部分に組み込んだ前記出力トルクの測定装置の第9例を説明する為、一方のはすば歯車及び1対のセンサのうちの一方のセンサを、このはすば歯車の径方向から見た状態で示す側面図。 従来から行われている、エンジン及び自動変速機を制御する状態を示すフローチャート。
[実施の形態の第1例]
図1〜4は、請求項1〜3、15に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。本例の駆動系制御装置は、図1に示す様に、エンジン1と、変速機2と、エンジン制御器3と、エンジントルク測定手段であるトルク測定器4とを備える。このうちのエンジン1は、シリンダ内への燃料供給に基づいて、図2に示したクランクシャフト5を回転させる。又、前記変速機2は、このクランクシャフト5の回転を入力し、この回転の速度を変更してから、図示しないデファレンシャルギヤ等を介して、左右1対の駆動輪6、6に向けて出力する。
又、前記エンジン制御器3は、運転者が行う、アクセルペダル7の操作に関連する状態量、即ち、操作方向(開閉方向)、踏み込み量、踏み込み速度(開放速度)等を表す信号に基づいて、前記エンジン1のシリンダ内への燃料供給量を調整する。
又、前記トルク測定器4は、前記クランクシャフト5から前記変速機2に入力されるトルクを、このトルクに基づくこのクランクシャフト5の捩れを利用して求めるもので、図3に示す様に構成している。即ち、このクランクシャフト5の両端部に、それぞれが特許請求の範囲に記載した被検出板である1対のエンコーダ8a、8bを固定し、これら両エンコーダ8a、8bの被検出面(外周面)に、それぞれセンサ9a、9bの検出部を対向させている。これら両センサ9a、9bの出力信号同士の関係は、前記クランクシャフト5がトルクを出力せず、従ってこのクランクシャフト5が弾性変形していない状態で、所定の位相差を初期値として有する。これに対して、このクランクシャフト5がトルクを出力し、このクランクシャフト5が捩り方向に弾性変形した状態では、前記両センサ9a、9bの出力信号同士の間の位相差が初期値からずれる。この位相差の初期値からのずれの大きさは、前記クランクシャフト5が出力するトルクの大きさに応じて、ほぼ比例するので、前記位相差に基づいて、このトルクを求める事ができる。
即ち、図4に示す様に、S(ステップ)1で運転者によるアクセルの操作状態を検出したならば、S2でエンジン制御器により、前記エンジン1の燃焼室内への燃料の供給状態(供給量)を決定し、S3で、実際にこのエンジン1を、前記操作状況に応じて運転する。そして、S4で、前記図3に示したトルク測定器4により、実際に前記エンジン1の出力トルクを測定する。そして、求めたトルクの測定値を前記エンジン制御器3にフィードバックし、このエンジン制御器3による前記エンジン1の制御の精度を向上させる。又、前記トルクの測定値を表す信号は、前記変速機2(自動変速機)の制御器にも送り、S5で、この自動変速機の変速比を制御する。
上述の様に構成し作用する本例の駆動系制御装置は、実用的な構造で、実際にエンジン1が出力するトルクを測定し、この測定値に基づいて、前記エンジン制御器3による燃料供給量の制御や前記変速機2の制御を行うので、経年劣化したり、指定以外の燃料を給油された場合でも、それぞれの状態に応じた最適な制御を行える。
[実施の形態の第2例]
図5〜9は、請求項1〜5に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。尚、本例及び後述する実施の形態の第3〜9例の特徴は、エンジンの出力トルクを測定する為の測定装置を、変速機2(図1参照)内の歯車伝達装置13部分に組み込んだ点にある。トルク測定器4aの点を除き、駆動系制御装置全体の構成は、上述した実施の形態の第1例と同様、前記図1に示した通りであるから、重複する説明を省略し、以下、本例の特徴である前記トルク測定器4aの点を中心に説明する。
本例の構造の場合、互いに平行に配置された1対の回転軸10a、10bの中間部に、1対の歯車11a、11bを、それぞれこれら両回転軸10a、10bと共に回転する様に支持固定し、更に、これら両歯車11a、11b同士を互いに噛合させている。前記両回転軸10a、10bは、前記変速機2の構成部品を収納したケーシング内に、径方向及び軸方向に関するがたつきを抑えた状態で、回転自在に支持している。この為に前記回転軸10a、10bを前記ケーシングの端壁或いは中間支持壁に、アンギュラ型玉軸受、円すいころ軸受等の、予圧を付与した転がり軸受により支持している。又、前記両歯車11a、11bは、何れも、工具鋼等の磁性金属製のはすば歯車で、それぞれの外径側端部に、それぞれ軸方向に対し傾斜した歯12a、12bを形成している。そして、これら両歯12a、12b同士を、互いに隙間なく(バックラッシを零とした状態で)噛合させている。この構成により、前記両回転軸10a、10b同士の間でトルクを、バックラッシに基づくタイムラグを生じる事なく伝達可能な、歯車伝達装置13を構成している。
前記両歯車11a、11bのうちの一方(例えば、後述する基準円直径dが小さく、噛合に加わる力が大きくなる小径側)の歯車11aの外径側端部に、1対のセンサ9a、9bの検出部を近接対向させている。これら両センサ9a、9bは何れも、ホール素子、磁気抵抗素子等の磁気検出素子と永久磁石とを組み合わせた磁気検出式のもので、前記検出部が対向する部分の磁気特性の変化に応じて出力信号を変化させる。本例の場合には、前記センサ9a、9bに、波形整形回路を有するICを組み込んでいる。従って、これら両センサ9a、9bは、それぞれの検出部の近傍(微小隙間を介して対向する直前部分)を、前記一方の歯車11aの外径側端部に形成した歯12aが通過すると、この歯12aの凹凸に基づいて、後述する図9に示す様な矩形波(パルス信号)を出力する。
それぞれがこの様な特性を有する前記両センサ9a、9bのうち、一方のセンサ9aの検出部は、前記一方の歯車11aの外周面(前記歯12aの先端縁)に、径方向に対向させている。これに対して他方のセンサ9bは、前記一方の歯車11aの外径側端部の軸方向片端面(前記歯12aの軸方向端面)に、軸方向に対向させている。尚、前記一方の歯車11aの円周方向に関する、前記両センサ9a、9bの検出部の位置は、互いにほぼ同じとして、これら両センサ9a、9bを近接配置している。この理由は、前記両センサ9a、9bを単一の合成樹脂製ホルダ(図示せず)内に包埋支持して一体型のセンサユニットとし、これら両センサ9a、9bの位置決め精度及び組み付け作業性を良好にする為である。尚、この合成樹脂製ホルダに就いては、形状は異なるが、後述する図11に示す様な、合成樹脂製ホルダ20を採用できる。
前記両センサ9a、9bの出力信号は、図示しないトルク演算器に入力する。すると、このトルク演算器は、これら両センサ9a、9bの出力信号同士の間に存在する位相差に関する情報に基づき、前記一方の歯車11aのうちで、前記両センサ9a、9bを設置した部分の軸方向に関する変位量を算出する。又、この変位量に基づいて、前記歯車伝達装置13により伝達されるトルクを算出する。以下、この変位量並びにトルクTを求める手順に就いて、図7〜9を参照しつつ説明する。
それぞれがはすば歯車である1対の歯車11a、11b同士の噛合部には、図7に矢印で示す様な方向の力が加わる。即ち、歯車伝達の分野で広く知られている様に、前記両歯車11a、11bのそれぞれの歯12a、12b同士の噛合に基づいて、これら両歯12a、12b同士の噛合部の接線方向に接線方向力Ft(Ft1、Ft2)が、これら両歯12a、12bの円周方向側面同士の押し付け合いに基づいて、前記トルクTの伝達方向に応じた方向に加わる。又、前記両歯車11a、11bの回転中心同士を離す方向に半径方向力Fr(Fr1、Fr2)が、前記両歯12a、12bの円周方向側面の傾斜に基づいて加わる。更に、前記両歯車11a、11b同士を軸方向に相対変位させる方向に軸方向力Fx(Fx1、Fx2)が、これら両歯車11a、11bの中心軸の方向に対する前記両歯12a、12bの傾斜(捩れ角の存在)に基づいて、前記トルクTの伝達方向に応じた方向に加わる。
又、前記各力Ft、Fr、Fxの大きさは、次式で表す様に、前記両歯車11a、11b同士の間で伝達するトルクTに比例する。
Ft∝2000T/d −−−(1)
Fr∝Ft・(tanα/cosβ) −−−(2)
Fx∝Ft・tanβ −−−(3)
尚、これら各式中、Tはトルク[N・m]を、dは基準円直径[mm]を、αは圧力角[deg]を、βは捩れ角[deg]を、それぞれ表している。この捩れ角βは、一般的には20度程度であるが、本例の場合、例えば15度〜30度程度の範囲で設定する。
そして、前記両歯車11a、11bは、前記噛合部から入力される、前記各力Ft、Fr、Fxに基づいて、各方向に押される。
尚、本例の場合には関係ない(後述する実施の形態の実施の形態の第4〜5例の場合には関係する)が、平歯車の場合には、捩れ角β=0であり、cosβ=1、tanβ=0であるから、
Fr∝Ft・tanα −−−(4)
Fx=0 −−−(5)
となる。
一方、前記両歯車11a、11bは前記両回転軸10a、10bにそれぞれ固定されており、これら両回転軸10a、10bは、前述した様にケーシング内に、予圧を付与された転がり軸受により、回転自在に支持されている。そして、前記歯車伝達装置13により前記トルクTを伝達する際には、前記各転がり軸受、更には、これら各転がり軸受を設置した、前記ケーシングの端壁或いは中間支持壁は、前記各力Ft、Fr、Fxに基づいて弾性変形する。そして、この弾性変形に基づいて、前記両回転軸10a、10b、及び、これら両回転軸10a、10bに支持固定された、前記両歯車11a、11bが変位する。この様にして生じる変位の量は、前記トルクTに応じて前記各力Ft、Fr、Fxが大きくなる程大きくなり、前記両歯車11a、11bの支持剛性が高い程小さくなる(支持剛性が低い程大きくなる)。本例の場合には、前記一方の歯車11aの歯12aにそれぞれの検出面を近接対向させた、前記両センサ9a、9bの出力信号の位相差に基づいて、前記一方の歯車11aの、前記軸方向力Fxに基づく軸方向に関する変位量を測定する。更に、この変位量に基づいて、前記歯車伝達装置13が伝達するトルクTを算出する。この手順に就いて、図8〜9により説明する。
図8のフローチャートに示したS(ステップ)1で、前記歯車伝達装置13がトルクTを伝達している場合には、S2で、前記両歯車11a、11bの歯12a、12b同士の噛合部に、前記各力Ft、Fr、Fxが加わる。本例の場合には、このうちの軸方向力Fxに基づき、S3で、前記一方の歯車11aが軸方向に(例えば数十μm程度)微小変位する。この微小変位に基づいて、前記両センサ9a、9bの出力信号同士の位相差が変化する。即ち、これら両センサ9a、9bのうち、前記歯12aの軸方向端面に検出部を対向させたセンサ9bの出力信号に関しては、前記変位に基づいて位相が変化する事はない。これに対して、前記歯12aの外周面(先端縁)に検出部を対向させたセンサ9aの出力信号に関しては、この歯12aの捩れ角βの存在により、前記変位に基づいて位相が変化する。
例えば、前記歯車伝達装置13がトルクTを伝達しない状態(初期状態)では、前記両センサ9a、9bの出力信号同士の位相差(初期位相差)δが、図9の(A)(B)の上段の破線及び下段の実線で示す様に、1周期Lの1/2(δ=L/2)であると仮定する。尚、この様な初期位相差δ(L/2)の設定は、前記トルクTの伝達方向に拘らず、常に所定方向の位相差を存在させ(トルクTの作用方向が逆転する過程で、位相差がゼロにならない様にし)、この位相差に基づいて、前記トルクTの作用方向及びその大きさを容易に求められる様にする為に重要である。
上述の様な中立状態から、前記歯車11aが軸方向に変位した場合に、前記センサ9bの被検出面(歯12bの軸方向端面で、このセンサ9bの検出部が対向している部分)は、図8のS4の様に、前記歯車11aの周方向には移動しないので、前記センサ9bの出力信号の位相は変化しない。これに対して、前記外周面側のセンサ9aの被検出面(歯12bの先端面で、このセンサ9aの検出部が対向している部分)は、前記捩れ角βの存在に基づいて、図8のS5に示す様に周方向に移動するので、前記センサ9aの出力信号の位相が変化する。例えば、前記歯車11aが図6の矢印A方向に回転する場合、この歯車11aが同図の矢印B方向に変位すると、前記外周面側のセンサ9aの出力信号の位相が進み、このセンサ9aと前記軸方向端面側のセンサ9bとの位相差が、図9の(A)のδ1(0<δ1<L/2)程度に短くなる。これに対して、前記歯車11aが同図の矢印C方向に変位すると、前記外周面側のセンサ9aの出力信号の位相が遅れ、このセンサ9aと前記軸方向端面側のセンサ9bとの位相差が、図9の(B)のδ2(L>δ2>L/2)程度に長くなる。
要するに、図8のS6の様に、前記両センサ9a、9bの出力信号同士の間に存在する位相差δ(δ1、δ2)が変化する。この様に、この位相差δ(δ1、δ2)が前記初期状態の位相差{δ(L/2)}に対して変化する方向は、前記トルクTの伝達方向に応じて決まり、変化の大きさはこのトルクTの大きさに応じて決まる。即ち、前記図9の(A)に示すδ1なる位相差が存在する場合には、前記歯車11aに、図6の矢印B方向に、「δ−δ1」なる大きさの位相差に見合う軸方向力Fxが加わっている事になる。これに対して、前記図9(B)に示すδ2なる位相差が存在する場合には、前記歯車11aに、図6の矢印C方向に、「δ2−δ」なる大きさの位相差に見合う軸方向力Fxが加わっている事になる。
尚、前記位相差δ(δ1、δ2)の大きさの絶対値は、前記歯車11aの回転速度に応じて変化する。従って、この絶対値からでは、この回転速度が既知の一定値である場合にしか前記トルクTを求められないのに対して、前記変速機2内の歯車11aの回転速度は、大きく変化する。そこで、S7で、この回転速度の影響を排除すべく、前記位相差δ(δ1、δ2)を前記1周期Lにより除して、この1周期Lに対するこの位相差の比、即ち、位相差比δ(δ1、δ2)/Lを求める。そして、S8で、この位相差比δ(δ1、δ2)/Lに所定の定数(変位変換定数)を乗じる(積を求める)事により、S9で、前記歯車11aの、軸方向に関する変位量を求める。尚、前記変位変換定数は、前記歯12aの歯数、捩れ角β等に基づいて、数学的に、容易に求められる。
この様にして、前記歯車11aの軸方向に関する変位量を求めたならば、S10で、この変位量に、この変位量と前記軸方向力Fxとの関係を示す定数(荷重変換定数)を乗じる。尚、この荷重定数は、S11に示す様に、前記歯車11aの支持剛性を勘案しつつ、S12に示す様に、実験或いは計算により、予め求めて、前記変位量に基づいて前記軸方向力Fxを求める為のソフトウェア中に組み込んでおく。そして、このソフトウェアを使用した計算により、S13に示す様に、前記軸方向力Fxを算出する。前述した通り、この軸方向力Fxと前記トルクTとの間には、前記(1)(3)式で表される様な関係があるので、S14に示す様に、前記噛合部に存在する摩擦の影響(フリクションロス)等の影響を補正しつつ、前記(1)(3)式を組み込んだソフトウェアにより、図8のS15で、前記軸方向力Fxから前記トルクTを求める。この様にして前記歯車伝達装置13部分を通過するトルクを求めたならば、被検出板である前記歯車11aを固定した前記回転軸10aとクランクシャフト5(図2参照)との間に存在する歯車伝達機構の変速比及び摩擦損失に基づいて、このクランクシャフト5の出力トルクを算出する。尚、このうちの摩擦損失は僅少であるから、無視する事もできる。
上述の様に本例の駆動系制御装置に組み込むトルク測定器4aによれば、変速機2のケーシング内に、1対のセンサ9a、9bを単一のホルダ内に包埋支持した単一のセンサユニット、及び、これら両センサ9a、9bの出力信号を取り出す為のハーネスを設置するのみで、前記クランクシャフト5の出力トルクを求められる。即ち、前記センサユニット及び前記ハーネス以外に、トルク測定の為の専用の部品を前記歯車伝達装置13部分に設置しなくても、この歯車伝達装置13が伝達するトルクの方向及び大きさを測定可能となる。この結果、部品製作、部品管理、組立作業が何れも容易になり、前記変速機2を構成する歯車伝達装置13に物理量測定装置を組み込む事に伴うコスト上昇を低く抑えられる。しかも、設置スペースを小さく抑えて、前記ケーシング内の限られた空間に設置する事が容易になる。
尚、前記変速機2に複数組の歯車伝達装置が設けられている場合、前記センサユニットを、より後段(出力側)の歯車伝達装置に設置する事が、トルクの測定精度を高くする面から有利である。この理由は、一般的な自動車用変速機の場合、後段程、伝達するトルクが大きくなり、歯車の変位量も多くなる為である。但し、この場合には、前記摩擦損失を考慮する必要性が高くなる。勿論、変速比の変化も考慮して、前記クランクシャフト5の出力トルクを求める必要がある。
又、前記両センサ9a、9bの出力信号同士の間に存在する位相差比δ(δ1、δ2)/Lに基づいて前記トルクTを求める場合、必ずしも前記歯車11aの軸方向の変位量を求める必要はない。例えば、位相差比δ(δ1、δ2)/LとトルクTとの関係を表した式を組み込んだソフトウェアを、前記トルク演算器中にインストールしておく事により、位相差比δ(δ1、δ2)/Lから直接前記トルクTを求める事もできる。尚、この様な位相差比δ(δ1、δ2)/LとトルクTとの関係を表した式は、前記歯車伝達装置13に既知のトルクを入力しつつ、前記両センサ9a、9bの出力信号同士の間に存在する位相差比δ(δ1、δ2)/Lを測定する事により求める事ができる。
[実施の形態の第3例]
図10は、請求項1〜4、6に対応する、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の駆動系制御装置に組み込むトルク測定器4bの場合には、1対のセンサ9a、9bのうちの一方のセンサ9aの検出部を、一方の歯車11aの外径側端部に形成した歯12aに対して、他方のセンサ9bの検出部を、他方の歯車11bの外径側端部に形成した歯12bに対して、それぞれ径方向に対向させている。本例の場合には、前記両センサ9a、9bの検出部を、それぞれ前記両歯車11a、11bの外周面のうちで、前記両歯12a、12bの噛合部から、円周方向に90度外れた位置に対向させている。
この様な本例の構造は、それぞれがはすば歯車である前記両歯車11a、11bにより構成する、歯車伝達装置13によるトルクの伝達時に、これら両歯車11a、11bが軸方向に相対変位する事を利用して、このトルクを求めるものである。即ち、前記歯車伝達装置13によるトルクの伝達時に前記両歯車11a、11bには、前述した図7に示す、軸方向力Fx(Fx1、Fx2)が、このトルクの伝達方向に応じて、互いに反対方向に加わる。この結果、前記両歯車11a、11b同士が、軸方向に関して相対変位する。そして、前記両センサ9a、9bの出力信号同士の間に存在する位相差が、前記トルクの伝達方向に応じた方向に、初期値からずれる。
そこで、前記両センサ9a、9bの出力信号を処理する演算器により、これら両センサ9a、9bの出力信号同士の間に存在する位相差に基づいて、前記歯車伝達装置13が伝達するトルクを算出する。
本例の場合、一方のセンサ9aの位相が進む(又は遅れる)場合に、他方のセンサ9bの位相が遅れる(又は進む)。従って、前記歯車伝達装置13により伝達するトルクTの大きさが同じであると仮定した場合に、前述した実施の形態の第2例の場合に比べて、前記両センサ9a、9bの位相差δを2倍程度に大きくできる。この為、この位相差δから前記トルクTを求める場合のゲインを2倍程度大きくできて、このトルクTの測定精度向上を図れる。
前記位相差δに基づいて求めた変位量(或いはこの位相差δそのもの)から前記トルクTを求める為の式に関しては、前述した実施の形態の第2例の場合と同様、予め実験等により求めておく。
その他の部分の構成及び作用は、前述した実施の形態の第2例と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は省略する。
[実施の形態の第4例]
図11は、請求項1〜4、6、7に対応する、本発明の実施の形態の第4例を示している。本例の駆動系制御装置に組み込むトルク測定器4cの場合には、1対のセンサ9a、9bを、上述した実施の形態の第3例の場合よりも、歯車伝達装置13を構成する1対の歯車11a、11bの歯12a、12b同士の噛合部に近い位置に配置している。そして、前記両センサ9a、9bを単一の合成樹脂製ホルダ20に保持している。
この様な本例の構造によれば、前記両センサ9a、9bの設置を容易にでき、且つ、これら両センサ9a、9b同士の位置関係を精度良く規制できる。更に、前記両歯車11a、11bの歯12a、12b同士の噛合部に働く軸方向力Fxに基づく、これら両歯車11a、11bの傾斜が、前記センサ9a、9bの出力信号同士の間に存在する位相差δを大きくする方向に寄与する。この為、上述した実施の形態の第3例よりも更に、この位相差δから前記歯車伝達装置13が伝達するトルクTを求める場合のゲインを大きくできて、このトルクTの測定精度向上を図れる。
その他の部分の構成及び作用は、上述した実施の形態の第3例と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は省略する。
[実施の形態の第5例]
図12は、請求項1〜4、8、9に対応する、本発明の実施の形態の第5例を示している。先に述べた実施の形態の第2〜4例は、何れも、前述の図7により説明した各方向の力のうち、軸方向力Fxに基づく歯車の変位を測定する事により、歯車伝達装置13が伝達するトルクTを算出する様にしている。これに対して本例の駆動系制御装置に組み込むトルク測定器4dの場合には、接線方向力Ft(Ft1、Ft2)に基づく1対の歯車11a、11bの相対変位を測定する事により、歯車伝達装置13が伝達するトルクTを算出する様にしている。この為に本例の場合には、1対のセンサ9a、9bの検出部を、前記両歯車11a、11bの外周面のうちで、これら両歯車11a、11bの歯12a、12b同士の噛合部を挟んで180度反対側位置に対向させている。
前記歯車伝達装置13によりトルクTを伝達する際には、前記両歯車11a、11bが、前記接線方向力Ft(Ft1、Ft2)に基づいて、前記噛合部の接線方向に、且つ、互いに逆方向に変位する。この結果、一方のセンサ9aの出力信号の位相が進む(又は遅れる)と同時に、他方のセンサ9bの出力信号の位相が遅れ(又は進み)、これら両センサ9a、9bの出力信号同士の間に存在する位相差が変化する。そこで、この位相差が変化する方向により前記トルクTの伝達方向を、同じくこの位相差の変化量によりこのトルクTの大きさを、それぞれ求める。
尚、本例の様に、前記接線方向力Ft(Ft1、Ft2)に基づいて前記トルクTを求める構造を実施する場合には、前記両歯車11a、11bは、はすば歯車に限らず、平歯車であっても良い。これら両歯車11a、11bがはすば歯車である場合には、前記接線方向力Ft(Ft1、Ft2)に基づく変位と、軸方向力Fx(Fx1、Fx2)による変位とが合成された変位に基づいて、前記トルクTを求める事になる。平歯車である場合には、前記接線方向力Ft(Ft1、Ft2)による変位のみに基づき、前記トルクTを求める。
何れにしても、前記位相差に基づいて求めた変位量(或いはこの位相差そのもの)から前記トルクTを求める為の式に関しては、前述した実施の形態の第1例の場合と同様、予め実験等により求めておく。
その他の部分の構成及び作用は、前述した実施の形態の第2例と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は省略する。
[実施の形態の第6例]
図13は、請求項1〜4、8、10に対応する、本発明の実施の形態の第6例を示している。本例の駆動系制御装置に組み込むトルク測定器4eは、上述した実施の形態の第5例と同様に、接線方向力Ft(Ft1、Ft2)に基づく1対の歯車11a、11bの相対変位を測定する事により、歯車伝達装置13が伝達するトルクTを算出する様にしている。
但し、本例の場合には、1対のセンサ9a、9bの検出部を、前記両歯車11a、11bの外周面のうちで、これら両歯車11a、11bの歯12a、12b同士の噛合部を挟んで180度反対側位置に対向させる位置ではなく、この位置から、当該歯車11a、11bの圧力角(各歯車の歯面の基準円上の1点に於ける、当該歯車の半径線と歯面の接線との成す角度)分だけ周方向にそれぞれ更に移動した位置に於いて、前記両歯車11a、11bに対向させている。この圧力角は、14.5度〜22.5度の範囲内の所定値に設定されるが、通常は20度である。
より具体的には、図13に示す通り、前記両歯車11a、11bの歯12a、12b同士の噛合部を挟んで180度反対側位置から、これら両歯車11a、11bの噛合部に於ける基準円上の歯面の法線に平行な直線αに対し直角であって、これら両歯車11a、11bの回転中心を通る線上β、γまでずらした位置にセンサ9a、9bを配置する。歯車11aが歯車11bを押す場合にこの押す力は、これら両歯の歯面同士の当接部に於ける、これら歯面の法線に平行な直線(共通法線)α上の方向に働く。この為、これら両歯車11a、11bの相対変位量は、この直線α方向で、これら両歯車11a、11bの歯12a、12b同士の噛合部の接線方向よりも大きくなる。従って、センサ9a、9bの設置位置を、歯車11a、11bの歯12a、12b同士の噛合部を挟んで180度反対側位置から圧力角分だけずらす事により、トルク変動に伴うこれら両歯車11a、11bの相対変位量の最大値を検出する事が可能となる。そして、この検出ゲインの増加により、これら両歯車11a、11bの接線方向に於ける変位量の検出精度を実質的に向上させる事ができる。
その他の部分の構成及び作用は、上述した実施の形態の第5例と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は省略する。
[実施の形態の第7例]
図14は、請求項1〜4、8、11に対応する、本発明の実施の形態の第7例を示している。本例の駆動系制御装置に組み込むトルク測定器4fの場合には、前述の図7により説明した各方向の力のうち、径方向力Fr(Fr1、Fr2)に基づく1対の歯車11a、11bの変位を測定する事により、歯車伝達装置13が伝達するトルクTを算出する様にしている。この為に本例の場合には、2対のセンサ9a〜9dを設け、これら各センサ9a〜9dの検出部を、前記歯車伝達装置13を構成する1対の歯車11a、11bの外周面に、これら両歯車11a、11b毎に、それぞれ1対ずつ対向させている。前記各センサ9a〜9dの検出部が対向している位置は、それぞれ前記両歯車11a、11bの噛合部から円周方向に90度ずれた部分としている。即ち、1対のセンサ9a、9bの検出部を、一方の歯車11aの外周面のうちで、前記噛合部の接線方向反対側2箇所位置に対向させている。これに対して、別の1対のセンサ9c、9dの検出部を、他方の歯車11bの外周面のうちで、前記噛合部の接線方向反対側2箇所位置に対向させている。
本例の場合には、前記噛合部で発生する前記径方向力Fr(Fr1、Fr2)に基づいて前記両歯車11a、11bが互いに離れる方向に関する変位量を求め、前記トルクTを算出する様にしている。先ず、前記一方の歯車11aの変位量は、前記1対のセンサ9a、9bの出力信号同士の間に存在する位相差の変化量により求められる。即ち、前記一方の歯車11aが前記離れる方向に変位すると、前記両センサ9a、9bのうちの一方のセンサ9a(又は9b)の出力信号の位相が進み、他方のセンサ9b(又は9a)の出力信号の位相が遅れる。そして、これら両センサ9a、9bの出力信号同士の間に存在する位相差の変化に基づいて、前記一方の歯車11aの変位量を求められる。同様に、前記他方の歯車11bの変位量に関しても、前記別の1対のセンサ9c、9dの出力信号同士の間に存在する位相差の変化量に基づいて求められる。そして、前記両歯車11a、11bの変位量の合計、即ち、トルク伝達時にこれら両歯車11a、11bの回転中心同士が離れる量から、前記トルクTを算出する。この変位量からトルクTを求める式に関しても、実験等により予め求めておく。
その他の部分の構成及び作用は、前述した実施の形態の第2例と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は省略する。
[実施の形態の第8例]
図15は、請求項1〜4、12に対応する、本発明の実施の形態の第8例を示している。本例の駆動系制御装置に組み込むトルク測定器4gの場合には、歯車伝達装置13を構成する1対の歯車11a、11bをはすば歯車としている。特に、本例の場合には、これら両歯車11a、11bにそれぞれ隣接する状態で1対の平歯車14a、14bを、それぞれ設けている。一方の歯車11aの歯数と一方の平歯車14aの歯数とは同じとし、他方の歯車11bの歯数と他方の平歯車14bの歯数とは同じとしている。又、2対のセンサ9a〜9dを設け、一方の対となるセンサ9a、9bの検出部を、一方の歯車11aの外周面と一方の平歯車14aの外周面とに、それぞれ対向させている。これに対して、別の対となるセンサ9c、9dの検出部を、他方の歯車11bの外周面と他方の平歯車14bの外周面とに、それぞれ対向させている。本例の場合、それぞれの検出部を平歯車14a、14bの外周面に対向させたセンサ9b、9dが、前述の実施の形態の第1例で、歯12aの軸方向端面に検出部を対向させたセンサ9bの役目を持つ。
この様な本例の構造は、それぞれがはすば歯車であって互いに噛合した1対の歯車11a、11bに隣接する部分に、それぞれこれら両歯車11a、11bと歯数が同じである(又は整数倍の関係がある)平歯車14a、14bが設けられている場合に有効である。1対のセンサ9a、9b(又は9c、9d)の出力信号同士の間に存在する位相差の変化に応じて前記歯車11a(又は11b)の軸方向に関する変位量を求め、この変位量から前記歯車伝達装置13が伝達するトルクTを算出する手順に関しては、前述の実施の形態の第2例の場合と同様である。従って、このトルクTは、前記各センサ9a〜9dのうちの一方の組9a、9b(又は9c、9d)のみ設ければ足りるし、その場合には、一方の平歯車14a(又は14b)のみ存在すれば良い。
その他の部分の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1例と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は省略する。
[実施の形態の第9例]
図16〜17は、請求項1〜4、13に対応する、本発明の実施の形態の第9例を示している。本例の駆動系制御装置に組み込むトルク測定器4hの場合には、1対の歯車のうち、センサ9aの検出部が対向する一方又は両方の歯車の外径側端部に設けた歯の歯先面の一部に、センサ検知用の凹溝15、15を設けた点に特徴がある。本例では、センサの位置決めを当該センサ検知用の凹溝15、15の設置位置に応じて行う必要があるが、以下の様な利点を有する。
図16の(A)(B)に示した例では、平歯車14cの歯12cの各歯先面にセンサ検知用の凹溝15、15を形成している。平歯車の場合、それ自体の噛合によっては、歯車同士が軸方向に相対変位する事はないが、隣接するはすば歯車同士の噛合によって、その回転軸が軸方向に移動する事に伴い、平歯車が軸方向に変位する場合がある。平歯車の歯自体は捩れ角を持たないので、平歯車14cに軸方向力Fx(Fx1、Fx2)が掛かっても、その軸方向変位に基づいて、センサ9aの出力信号に関して位相が変化する事はない。しかしながら、本例では、センサ検知用の凹溝15をその傾き角を自由に設定した状態で設けている。従って、このセンサ検知用の凹溝15の傾きに基づいて、前記平歯車14cの軸方向変位を検知する事が可能となる。この様な構成は、隣接するはすば歯車自体の周囲にセンサを対向させるスペースがない場合に好適である。
又、図17の(A)(B)に示した例では、はすば歯車である歯車11cの歯12dの各歯先面に対して、センサ検知用の凹溝15a又は15bを形成している。図面から明らかな通り、センサ検知用の凹溝15a、15bの傾き角は任意に設定でき、且つ、その傾き方向も任意とする事ができる。これらの例では、前記歯車11cの歯12d自体の傾きと関係なく、測定すべき変位に応じて適切な傾きのセンサ検知用の凹溝15a、15bを別途設ける事で、歯12d自体の傾きに制限される事なく、歯車11cの変位を測定する事が可能となる。従って、動力伝達に適する様に設定されたはすば歯車の捩れ角に依存される事なく、検出ゲインを高める事が可能となる。又、前記歯車11cの歯12d自体の設計精度が十分でなかったり、経年による形状精度の劣化等が生じたりした場合でも、歯精度に依存する事なく、前記凹溝15a、15bの形状の精度に応じた測定が可能となる為、より精度の高い変位検出が可能となる。
その他の部分の構成及び作用は、前述した実施の形態の第2例と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は省略する。尚、本例は、実施の形態の第2例のみならず、第3〜8例と組み合わせても実施する事ができる。
[実施の形態の第10例]
図18は、請求項1〜4、14に対応する、本発明の実施の形態の第10例を示している。本例の駆動系制御装置に組み込むトルク測定器4iの場合には、それぞれがはすば歯車である1対の歯車のうち、1対のセンサの検出部が対向する一方又は両方の歯車を外嵌固定した回転軸に、この回転軸を軸方向に所定の力で押圧する弾力を付与している。
図18に示す例では、はすば歯車である歯車11aが固定された回転軸10aの端部に外嵌固定され、この回転軸10aを回転可能にケーシング17に回転自在に支持する転がり軸受18とこのケーシング17との間に、弾性部材である皿ばね19を設けて、前記回転軸10aに対して、軸方向に押圧する弾力を付与している。この為、前記ケーシング17の一部に、前記転がり軸受18の外輪を、軸方向の移動を可能に内嵌支持している。
この様に皿ばね19等の弾性部材を設ける事により、前記回転軸10a及びこの回転軸10aに固定された歯車11aには、トルクTの作用に拘わらず、軸方向の弾力が付与される。そして、この歯車11aにトルクTに応じた軸方向力Fx(Fx1、Fx2)が加わった場合には、この軸方向力Fx(Fx1、Fx2)と前記皿ばね19による軸方向の弾力との和又は差が歯車11aに作用する。この様にして、本例では、この皿ばね19によりこの歯車11aを支持した前記回転軸10aのアキシアル剛性を安定させて、この回転軸10aの軸方向変位とトルクTとの関係を安定化させる事ができる為、より安定したトルク検出を実現する事ができる。
その他の部分の構成及び作用は、前述した実施の形態の第2例と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は省略する。尚、本例は、実施の形態の第2例のみならず、第3〜9例と組み合わせても実施する事ができる。
本発明の駆動系制御装置は、図示の様な自動車用エンジンへの燃料供給量や変速機の変速比を調整する場合に限らず、エンジンの出力トルクを求めて各種制御を行う場合に利用できる。
1 エンジン
2 変速機
3 エンジン制御器
4、4a〜4i トルク測定器
5 クランクシャフト
6 駆動輪
7 アクセルペダル
8a、8b エンコーダ
9a、9b、9c、9d センサ
10a、10b 固定軸
11a、11b、11c 歯車
12a、12b、12c、12d 歯
13 歯車伝達装置
14a、14b、14c、14d 平歯車
15、15a、15b 凹溝
16 平歯車
17 ケーシング
18 転がり軸受
19 皿ばね
20 合成樹脂製ホルダ

Claims (15)

  1. シリンダ内への燃料供給に基づいてクランクシャフトを回転させるエンジンと、このクランクシャフトの回転を入力し、この回転の速度を変更してから出力する変速機と、運転者が行う、アクセルの操作に関連する状態量を表す信号に基づいて、前記エンジンのシリンダ内への燃料供給量を調整するエンジン制御器と、前記クランクシャフトから前記変速機に入力されるトルクを求めるエンジントルク測定手段とを備え、このエンジントルク測定手段は、前記クランクシャフト又はこのクランクシャフトと比例したトルクで回転する回転軸である、被検出回転軸の一部に、この被検出回転軸と同心に支持固定された、外径側端部の特性を円周方向に関して交互に且つ等間隔で変化させた、円板状の被検出板と、固定の部分に支持された状態で、検出部をこの被検出板の外径側端部に対向させたセンサと、このセンサの出力信号に基づいて前記クランクシャフトのトルクを算出するトルク演算器とを備えたものである駆動系制御装置。
  2. 前記エンジン制御器は、前記トルク演算器が算出したトルクの値に基づいて前記燃料供給量を調整する、請求項1に記載した駆動形制御装置。
  3. 前記変速機が自動変速機であって、前記アクセルの操作に関連する状態量を表す信号に基づいてこの自動変速機の変速比を調整する変速機制御器を備え、この変速機制御器は、前記トルク演算器が算出したトルクの値に基づいて前記変速比を調整する、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載した駆動系制御装置。
  4. 前記被検出板が、前記変速機内の歯車伝達装置を構成する歯車であり、
    この歯車伝達装置は、1対の回転軸と、これら両回転軸のそれぞれの一部に固定されて、それぞれの外径側端部に形成した歯を互いに噛合させる事により、これら両回転軸同士の間でのトルクの伝達を可能とした1対の歯車とを備えたものであり、
    前記センサは1対設けられていて、これら両センサはそれぞれの検出部を、前記1対の歯車のうちの少なくとも一方の歯車の前記外径側端部に設けた歯に対向させる事により、当該歯車の回転に伴って出力信号を変化させるものであり、
    前記トルク演算器は、前記両センサの出力信号同士の間に存在する位相差と、前記被検出板である歯車を固定した回転軸と前記クランクシャフトとの間に存在する歯車伝達機構の変速比及び摩擦損失に基づいて、このクランクシャフトのトルクを算出する、請求項1〜3のうちの何れか1項に記載した駆動系制御装置。
  5. 前記1対の歯車がはすば歯車であり、前記1対のセンサのうちの一方のセンサの検出部が前記1対の歯車のうちの一方の歯車の外径側端部に形成した歯に対して径方向に、他方のセンサの検出部がこの一方の歯車の前記外径側端部に形成した歯に対して軸方向に、それぞれ対向しており、前記トルク演算器は、前記センサの出力信号同士の間に存在する位相差の変化に基づいて前記クランクシャフトのトルクを算出する、請求項4に記載した駆動系制御装置。
  6. 前記1対の歯車がはすば歯車であり、前記1対のセンサのうちの一方のセンサの検出部が何れか一方の歯車の外径側端部に形成した歯に対して、他方のセンサの検出部が他方の歯車の外径側端部に形成した歯に対して、それぞれ径方向に対向しており、前記トルク演算器は、前記両歯車同士の軸方向に関する相対変位に伴って発生する、前記両センサの出力信号同士の間に存在する位相差の変化に基づいて前記クランクシャフトのトルクを算出する、請求項4に記載した駆動系制御装置。
  7. 前記1対のセンサを前記1対の歯車の噛合部から円周方向に関して90度の位置よりもこの噛合部に近い位置に配置して、これら両センサを単一のホルダに保持している、請求項6に記載した駆動系制御装置。
  8. 前記1対のセンサのそれぞれが、前記1対の歯車のそれぞれの前記外径側端部に形成した歯に、それぞれ径方向に対向しており、前記トルク演算器は、前記両歯車の中心軸同士の相対位置変化に伴って発生する、前記両センサの出力信号同士の間に存在する位相差の変化に基づいて前記クランクシャフトのトルクを算出する、請求項4に記載した駆動系制御装置。
  9. 前記1対のセンサの検出部が、前記1対の歯車の噛合部を挟んで180度反対側位置に存在しており、これら両センサは、これら両歯車の回転中心が前記噛合部の接線方向に相対変位する事に伴って、互いの出力信号同士の間の位相差を変化させる、請求項8に記載した駆動系制御装置。
  10. 前記1対のセンサの検出部が、前記1対の歯車の噛合部を挟んで180度反対側位置から、これら両歯車の圧力角分だけ周方向にそれぞれ移動した位置に存在しており、前記両センサは、前記両歯車の回転中心が前記噛合部の接線方向から前記圧力角分傾斜した方向に相対変位する事に伴って互いの出力信号同士の間の位相差を変化させる、請求項8に記載した駆動系制御装置。
  11. 前記1対のセンサの検出部が、前記1対の歯車のうち一方の歯車の外周面に対向しており、これら両センサの検出部がこの一方の歯車に対向している位置は、前記両歯車同士の噛合部から円周方向にそれぞれ90度ずれた部分であり、前記1対のセンサは、前記一方の歯車が他方の歯車から離れる方向に変位する事に伴って、互いの出力信号同士の間の位相差を変化させる、請求項4に記載した駆動系制御装置。
  12. 前記1対の歯車がはすば歯車であり、前記1対のセンサのうちの一方のセンサの検出部が、これら両歯車のうちの一方の歯車の前記外径側端部に形成した歯に径方向に対向し、他方のセンサの検出部がこの一方の歯車に隣接してこの一方の歯車と同じ回転軸に固定された平歯車の外径側端部に形成した歯に径方向に対向しており、前記トルク演算器は、前記1対のセンサの出力信号同士の間に存在する位相差に基づいて前記クランクシャフトのトルクを算出する、請求項4に記載した駆動系制御装置。
  13. 前記1対の歯車のうちの少なくとも一方の歯車のうちで、前記1対のセンサのうちの少なくとも一方のセンサの検出部が対向する歯車の前記外径側端部に設けた各歯の歯先面の一部に、当該歯車の軸方向に対し傾斜した凹溝が設けられており、前記少なくとも一方のセンサの検出部が、前記各歯のうちでこれら各凹溝を形成した部分に対向している、請求項4に記載した駆動系制御装置。
  14. 前記1対の歯車のうち、前記検出板として機能する歯車を外嵌固定した回転軸に、この回転軸を軸方向に所定の力で押圧する弾力を付与している、請求項4〜7、12、13のうちの何れか1項に記載した駆動系制御装置。
  15. 前記クランクシャフトの両端部に、それぞれが前記被検出板である1対のエンコーダを固定すると共に、これら両エンコーダの外径側端部に設けた被検出面に、それぞれセンサの検出部を対向させており、前記トルク演算器は、これら両センサの出力信号同士の間の位相差に基づいて前記クランクシャフトのトルクを求める、請求項1〜3のうちの何れか1項に記載した駆動系制御装置。
JP2011118709A 2011-05-27 2011-05-27 駆動系制御装置 Withdrawn JP2012246822A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011118709A JP2012246822A (ja) 2011-05-27 2011-05-27 駆動系制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011118709A JP2012246822A (ja) 2011-05-27 2011-05-27 駆動系制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2012246822A true JP2012246822A (ja) 2012-12-13

Family

ID=47467508

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011118709A Withdrawn JP2012246822A (ja) 2011-05-27 2011-05-27 駆動系制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2012246822A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110715052A (zh) * 2019-10-28 2020-01-21 周翔 一种传动变速控制***
WO2021184142A1 (zh) * 2020-03-16 2021-09-23 周翔 一种传动变速控制***

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110715052A (zh) * 2019-10-28 2020-01-21 周翔 一种传动变速控制***
WO2021184142A1 (zh) * 2020-03-16 2021-09-23 周翔 一种传动变速控制***

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6622924B2 (ja) 自動変速機のプーリ推進装置および自動変速機の制御装置
JP2016516633A (ja) 連続可変変速機
EP2450218A1 (en) Traction transmission capacity control device used in drive force distribution device
CN103998824A (zh) 无级变速器、离合器***、车辆以及用于控制变速器的方法
JP5190826B2 (ja) フレキシブル駆動カップリングプレートにおけるトルク測定
JP2007139160A (ja) 無段変速装置
JP2012246822A (ja) 駆動系制御装置
US20110313719A1 (en) Belt-type continuously variable transmission
JP2012098268A (ja) 歯車伝達装置用物理量測定装置
JP2012098268A5 (ja)
CN107044515A (zh) 具有输出扭矩传感器的变速器
JP7380289B2 (ja) トルク測定装置及びその製造方法
WO2014171318A1 (ja) 車両用動力伝達装置
EP3721115B1 (en) Fixed-ratio planetary traction gear
JP2013050344A (ja) 歯車伝達装置用トルク測定装置と駆動系制御装置と転がり軸受の予圧測定方法
US10253879B2 (en) Transmission control system
JP4294465B2 (ja) 動力伝達装置の制御装置
JP6186318B2 (ja) 無段変速機の変速制御装置
US11927232B2 (en) Degradation estimation device, degradation estimation method, and non-transitory storage medium
JP5447884B2 (ja) チェーンcvtのための機能最適化されたプーリセット輪郭を備えたプーリセットアッセンブリ
JP2014117778A (ja) ナットランナー
JP6155219B2 (ja) 車両用動力伝達装置
WO2018070294A1 (ja) 自動変速機および自動変速機の制御方法
JP2012163181A (ja) 円錐摩擦車リング式無段変速装置の変速制御装置
JP4899785B2 (ja) 無段変速装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20140805