JP2012246537A - 通電加熱に適した硬質金型およびその材料 - Google Patents

通電加熱に適した硬質金型およびその材料 Download PDF

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Abstract

【課題】通電加熱に適した硬質金型およびその材料を提供する。
【解決手段】導電性のセラミックス粒子と鉄およびアルミニウムの金属間化合物からなる複合材料に、球状の炭素を分散させた当該硬質複合材料の焼結体からなる複合硬質材料であって、上記鉄とアルミニウムで構成される金属間化合物の結合金属相に炭素粒子が分散した複合構造を有することからなる複合硬質材料、導電性のセラミックス粒子が、タングステンおよび/またはチタンを含有し、分散した炭素が、10質量%以下であり、通電焼結に適したものであり、分散させた炭素の粒子径が、20μm以下であり、鉄とアルミニウムで構成される結合金属相が、40質量%以下である複合硬質材料、および、上記複合硬質材料から構成される通電焼結用の金型。
【効果】新しい複合硬質材料および通電焼結用の金型を提供できる。
【選択図】図3

Description

本発明は、通電加熱に適した硬質金型およびその材料に関するものであり、更に詳しくは、通電によって加熱を行うプロセスに適した金型材料に関するものである。本発明は、金型に用いられる硬質材料に耐熱性と耐酸化性を付与し、通電時に発熱する炭素粒子を均質に分散させることで通電焼結などのプロセスへ適用できる新たな複合硬質材料および金型に関する新技術・新製品を提供するものである。
金属やセラミックスの粉末を焼結して、バルク状の焼結体を作製するには、高温での加熱が要求される。なかでも融点が高く、難焼結性といわれる材料粉末に対しては、加圧と加熱を同時に行うホットプレス法などのプロセスが適用されている。近年、このような難焼結性の材料に対して、低エネルギーで焼結する技術として、通電焼結法が注目されている。
通電焼結法では、型と粉末に通電を行うことで、ジュール加熱を利用した短時間・高速加熱が実現される。しかし、その効率を高めるためには、高い電気抵抗を有する型材料を使用する必要があり、一般には、黒鉛などの材料が型として利用されてきた。しかし、黒鉛の強度は、数10MPaと低く、高圧を要する焼結には適用できない。
そこで、高圧下での焼結では、超硬合金が型材料として用いられているが、この合金は、電気の良導体であり、効率的な加熱ができない。また、超硬合金に黒鉛を複合化することで、電気抵抗率の向上を試みても、炭素が超硬合金内に片状に析出し、強度を大幅に低下させることが知られている。
加えて、超硬合金は、純金属であるコバルトを用いていることから、耐熱性に劣るという欠点もある。すなわち、通電焼結に用いられている型材料は、発熱効率がよい黒鉛型は、高圧で使用できず、また、金属粉末に対しては、黒鉛との反応を抑制することができなかった。一方、高圧で使用できる超硬型は、耐熱性や発熱効率が悪い。
ただ、500℃以下の低温での通電焼結では、炭化タングステンをコバルトで焼き固めた硬質な複合材料である超硬合金を使用することができ、高精度の焼結体を作製することができている。この省エネ性に優れる通電焼結技術で、様々な材料粉末を高精度に焼結するためには、超硬合金のように硬質で、黒鉛のような耐熱性と電気を熱に変換できる材料の開発が切望されている。
しかし、超硬合金は、高温では軟化し、酸化も激しくなることから、型材料としての使用温度には限界があり、通電加熱を行うには、低温でも電気を熱に変換する効率が悪い。更に、超硬合金に黒鉛を添加しても、コバルトと反応し、片状の黒鉛が析出することが知られており、機械的な特性を低下させる。また、黒鉛は、その機械的強度が低いため、大きな加圧力で高精度の焼結体を作製することは困難であり、繰り返し成形で、同じ精度を維持することも不可能である。
一方、化学的に安定な鉄とアルミニウムからなる金属間化合物を結合相として用いた超硬合金にWC−FeAlがある[特許文献1、非特許文献1、2]。この合金は、化学的に安定なFe−Alを結合相として用いることで、耐熱性が向上することがわかっている[非特許文献3]。しかしながら、電気抵抗率は、従来の超硬合金程度であり、電気エネルギーを効率的に熱に変換することができないことから、当技術分野においては、通電加熱に適した硬質な金型材料を開発することが重要な課題となっていた。
特許第2611177号公報
粉体および粉末冶金,Vol.49(2002)284−289 粉体および粉末冶金,Vol.49(2002)1089−1093 粉体および粉末冶金 Vol.48(2001)986−989
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来に鑑みて、耐熱性、高強度、耐酸化性、高い電気抵抗を有する硬質複合材料を開発することを目標として鋭意研究を積み重ねた結果、セラミックス粒子−(Fe−Al)金属間化合物の硬質複合材料に球状の黒鉛粒子を複合化し、硬質複合材料と黒鉛粒子の反応を抑制しながら複合化することで、高い電気抵抗と強度、耐熱性などに優れる金型材料を作製できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、かかる事情に鑑み、通電加熱に適した硬質な金型材料を提供すべく、耐熱性、高強度、耐酸化性、高い電気抵抗を有する硬質複合材料を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決する本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)導電性のセラミックス粒子と鉄およびアルミニウムの金属間化合物からなる硬質複合材料に、球形の炭素粒子を分散させた当該硬質複合材料の焼結体からなる複合硬質材料であって、上記鉄とアルミニウムで構成される金属間化合物の結合金属相に炭素粒子が分散した複合構造を有することを特徴とする複合硬質材料。
(2)導電性のセラミックス粒子が、タングステンおよび/またはチタンを含有する、前記(1)記載の複合硬質材料。
(3)複合材料に対して、分散した炭素が10質量%以下であり、通電焼結に適した、ものである前記(2)記載の複合硬質材料。
(4)分散させた炭素の粒子径が、20μm以下である、前記(3)記載の複合硬質材料。
(5)鉄とアルミニウムで構成される結合金属相が、40質量%以下である、前記(3)記載の複合硬質材料。
(6)前記(1)から(5)のいずれかに記載の複合硬質材料から構成されることを特徴とする通電焼結用の金型。
次に、本発明について、更に詳細に説明する。
本発明は、従来技術の問題点を鑑み、発熱特性に優れ、高温でも使用可能な金型材料を提供することを目的としている。通電焼結用の型材料としては、高温・低圧力用の黒鉛型、低温・高圧力用の超硬合金型が存在する。しかしながら、従来の型材料には、これら中間の特性を有する型材料は存在しなかった。また、黒鉛型は、金型に比べ精度が劣り、黒鉛と金属が反応するといった問題点も存在した。そこで、本発明者らは、両者の中間の特性を有し、かつ耐熱性に優れる金型材料の開発を行った。
開発には、シーズ技術として、(独)産業技術総合研究所が開発したWC−FeAl超硬合金を用いた。この合金に炭素を複合化することで、従来の超硬合金に比べ高い電気抵抗率を有し、黒鉛型よりも強度の高い金型材料を作製することに成功した。
従来の超硬合金は、WCをCoで結合した複合材料(WC−Co)であるが、この超硬合金に炭素を複合化させた場合、超硬合金作製時に添加した炭素はフリーカーボンとして片状に析出し、その強度を大幅に低下させることが知られている。
一方、WC−FeAl合金では、このようはフリーカーボンが生じず、強度の大幅な劣化を防ぐことができる。また、添加する炭素の粒子サイズを小さくすることで、強度低下を更に抑制することができる。更には、炭素の形状を球状とすることで、材料強度の異方性をなくすことが可能となる。また、用いる合金もWC−FeAlのみではなく、導電性を有するセラミックス粒子(TiBやTiN)でWCの一部あるいは全てを置き換えることができる。
本発明者らは、耐酸化性に優れる鉄とアルミニウムからなる金属間化合物を結合金属相として用いたセラミックス粒子−(Fe−Al)金属間化合物の硬質複合材料に球状の黒鉛粒子を複合化し、硬質複合材料と黒鉛粒子の反応を抑制しながら複合化することで、高い電気抵抗と強度、耐熱性などに優れる金型材料を作製できることを見出した。すなわち、本発明は、上記知見に基づき以下の新しい手法を提供するものである。
超硬合金(WC−Co)に、黒鉛を添加すると、焼結時に反応して、片状の黒鉛が分散してしまう。この片状の黒鉛は、フリーカーボンとして、超硬合金における不良組織として知られており、機械的特性を著しく低下させる。そこで、本発明では、コバルトにかわり、炭素との反応が抑制できる可能性を有する金属間化合物を結合金属相として利用する。金属間化合物としては、これまでに、鉄とアルミニウムからなる金属間化合物が超硬合金の結合相として利用されており、本合金をベースに、炭素粒子を分散する。
炭素粒子は、焼結体の機械的特性を低下させないように、応力集中が生じにくい球状の炭素粒子を用いる。炭素には、アモルファスや黒鉛など様々な形態があるが、本発明では、特に、その形態による制約はない。重要なことは、炭素粒子の形状であり、球形に近いほど好ましい。炭素粒子の大きさは、硬質複合材料に分散しやすく、通電時の発熱効果を考慮すると、孤立粒子として存在することが好ましいため、20ミクロン以下の粒子が好ましい。加えて、強度の面からも、微細であることが好ましい。
また、金属間化合物を結合相とする硬質材料の混合方法は、特に指定しないが、これまでに公表されているメカニカルミリングや乳鉢混合などの方法が利用できる。この混合粉末に、炭素粉末を添加して、更に混合を行うが、その混合方法についても、同様のプロセスを利用することができる。ただ、炭素粒子は、崩壊しやすいので、混合時のエネルギーを低くし、緩衝材などを一緒に混合することが好ましい。緩衝材には、有機系のものや低融点の軟質な金属などを利用できる。
得られた混合粉末を、プレスなどで予備成形したのち焼結することによって、目的の炭素粒子が分散した金属間化合物を結合相とする硬質複合材料を作製することができる。焼結方法は、特に限定しないが、真空焼結やパルス通電焼結法などの焼結技術を利用することができる。
また、予備成形についても、特に限定しないが、一般の粉末冶金の成形方法として知られるプレス成形やCIP(冷間等方加圧成形)などを利用することができる。成形助剤についても、一般の粉末冶金に用いられるパラフィンやステアリン酸を利用可能であるが、炭素の形状を維持するためには、用いない方がよい。
得られた焼結体は、一般の超硬合金の加工技術で目的の金型形状に仕上げ加工することができる。たとえば、焼結体に、ワイヤーカット法や放電加工、砥石を用いた研削加工などを施すことができ、更に、ダイヤモンド砥粒を用いたラッピングも行える。
このように得られた金型素材の電気抵抗率を測定すると、炭素の添加量に伴い電気抵抗率は上昇するが、曲げ強度は、反対に低下する。その際の、炭素の粒子サイズが小さいほど、炭素添加による強度低下が抑制でき、その添加量が10質量%以下、特に、0超〜5質量%の場合には、比較的高い電気抵抗率と強度を実現することができる。
また、その形状が球形の場合には、材料に異方性が生じない。このような材料に、直流電流を流し、発熱特性を評価したところ、炭素量が多いほど、急速に、かつ高温への加熱が可能となることが分かった。また、空気中での加熱による酸化開始温度が、従来の超硬合金に比べて、高いことも明らかとなった。
作製したWC−(FeAl)に、炭素を複合化した合金の強度は、Fe−Al合金の量によっても変化する。すなわち、結合金属相の量が多いほど、合金の強度は低下する。結合金属相の量が40質量%を超えると、WC−(Fe−Al)超硬合金の硬度が85HRA以下となり、耐摩耗性や強度が著しく低下する。
製造プロセスにおける低CO化、省エネが叫ばれる中、通電焼結技術は、それを実現できるプロセスの一つである。しかし、これまで、黒鉛型を使用した焼結しか行われていないため、高精度の焼結体を作製することができなかった。また、焼結体と型との反応のため、連続した自動化の焼結プロセスとしては展開することができなかった。本発明を用いることで、高精度の焼結体を作製できるだけでなく、連続した自動化のプロセスに展開することが可能になるものと考えられる。
また、焼結体では、どうしても気孔が残存し、信頼性が低下していたが、加圧力をあげた焼結を実現することで、欠陥の発生を抑えた高信頼性の焼結体を作製することが可能となる。また、1mm以下の薄い焼結体も、本発明による金型を利用すれば、作製することが可能となる。本発明による材料を用いることで、これまで、焼結が困難であった材料に対する型材料として適用でき、新規特性を有した材料の焼結が可能となる。
本発明により、次のような効果が奏される。
(1)導電性のセラミックス粒子と鉄およびアルミニウムの金属間化合物からなる複合材料に、球状の炭素を分散させた複合材料の焼結体からなる金型を提供することができる。
(2)導電性のセラミックス粒子が、タングステンおよび/あるいはチタンを含有する上記の金型を提供することができる。
(3)分散した炭素が10質量%以下であり、通電焼結に適した上記の金型を提供することができる。
(4)分散させた炭素の粒子径が20μm以下であり、通電焼結に適した上記の金型を提供することができる。
(5)鉄とアルミニウムで構成される結合金属相が40質量%以下である、上記の金型を提供することができる。
(6)上記の金型を構成する複合硬質材料を提供することができる。
98(WC−30mass%(Fe−Al))+2CのXRDを示す。 98(WC−30mass%(Fe−Al))+2CのSEM像を示す。 (100−x)(WC−10mass%(Fe−Al))+xCのカーボン添加量に対する電気抵抗率変化を示す。 (100−x)(WC−10mass%(Fe−Al))+xCのカーボン添加量に対する曲げ強度変化を示す。 (100−x)(WC−30mass%(Fe−Al))+xCの通電による昇温特性の違いを示す。 (100−x)(WC−30mass%(Fe−Al))+xCの強度変化を示す。 96(WC−10mass%(Fe−Al))+4Cの耐酸化性を示す。 96(WC−10mass%(Fe−Al))+2Cの100MPa下での外観写真を示す。
次に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらの例によって何ら限定されるものではない。すなわち、本発明は、その技術思想の範囲で、本実施例以外の態様あるいは変形を全て包含するものである。
炭化タングステン粉末、鉄粉末、アルミニウム粉末、炭素粉末を、98(WC−30mass%(Fe−Al))+2C(質量%)の組成になるように秤量し、アルゴン雰囲気下でメカニカルミリングを行ったのち、内径30mm、外径50mm、高さ30mmの黒鉛型に充填して、φ30mm×4mmの焼結体を作製した。焼結は、真空中で行い、30MPaの加圧下にて加熱し、1150℃で3分間保持した。
得られた焼結体の構成相をX線回折により、組織をSEMにより観察した。その結果を図1および2に示す。図1より、作製した硬質材料からは炭化タングステンとFe−Al金属間化合物のピークが確認できる。また、添加した炭素は、非晶質的結晶構造を有しているため、X線回折には表れていない。図2より、添加した炭素が均一に合金内に分散していることがわかる。
炭化タングステン粉末、鉄粉末、アルミニウム粉末、炭素粉末を、(100−x)(WC−10mass%(Fe−Al))+xC(質量%)の組成になるように秤量し、アルゴン雰囲気下でメカニカルミリングを行ったのち、内径30mm、外径50mm、高さ30mmの黒鉛型に充填して、φ30mm×4mmの焼結体を作製した。焼結は、真空中で行い、30MPaの加圧下にて加熱し、1150℃で3分間保持した。
この時の炭素の添加量(x)は、0〜8とした。得られた焼結体の電気抵抗率を四探針法により、強度を三点曲げにより評価した。図3および4に作製した焼結体の電気抵抗率および曲げ強度を示す。これらの図より、電気抵抗率および曲げ強度は、炭素添加量の増加に従い、それぞれ、上昇、低下することがわかる。
炭化タングステン粉末、鉄粉末、アルミニウム粉末、炭素粉末を、(100−x)(WC−30mass%(Fe−Al))+xC(質量%)の組成になるように秤量し、アルゴン雰囲気下でメカニカルミリングを行ったのち、内径30mm、外径50mm、高さ30mmの黒鉛型に充填して、φ30mm×4mmの焼結体を作製した。焼結は、真空中で行い、30MPaの加圧下にて加熱し、1100℃で3分間保持した。
この時の炭素の添加量(x)は、0〜4とした。作製した焼結体を3×3×20mmの大きさに切りだしたのち、上下間電極で挟み込み、50Aの直流電流を60秒間通電し、温度変化を調べた。その結果を図5に示す。炭素量が多くなるほど、高温まで高速で昇温できることがわかる。
炭化タングステン粉末、鉄粉末、アルミニウム粉末、炭素粉末を、(100−x)(WC−30mass%(Fe−Al))+xC(質量%)の組成になるように秤量し、アルゴン雰囲気下でメカニカルミリングを行ったのち、内径30mm、外径50mm、高さ30mmの黒鉛型に充填して、φ30mm×4mmの焼結体を作製した。焼結は、真空中で行い、30MPaの加圧下にて加熱し、1100℃で3分間保持した。この時の炭素の粒子径を変化させ、その際の曲げ強度を評価した。図6に、その結果を示す。添加した炭素粒子が微細であるほど、複合化による強度低下が抑えられることがわかる。
炭化タングステン粉末、鉄粉末、アルミニウム粉末、炭素粉末を、96(WC−10mass%(Fe−Al))+4C(質量%)の組成になるように秤量し、アルゴン雰囲気下でメカニカルミリングを行ったのち、内径30mm、外径50mm、高さ30mmの黒鉛型に充填して、φ30mm×4mmの焼結体を作製した。焼結は、真空中で行い、30MPaの加圧下にて加熱し、1100℃で3分間保持した。
作製した焼結体の空気中での酸化増量を調べた結果を図7に示す。また、比較のため、結合相量の割合が等しいWC−Co合金の酸化増量も併せて示す。この図より、Fe−Al合金を結合相として用いた場合、酸化による重量増加が、WC−Co合金に比べ、高温側にシフトし、耐酸化性が向上していることがわかる。
炭化タングステン粉末、鉄粉末、アルミニウム粉末、炭素粉末を、98(WC−10mass%(Fe−Al))+2C(質量%)の組成になるように秤量し、アルゴン雰囲気下でメカニカルミリングを行ったのち、内径10mm、外径20mm、高さ50mmの黒鉛型に充填して、φ10mm×15mmの焼結体を作製した。焼結は、真空中で行い、30MPaの加圧下にて加熱し、1200℃で3分間保持した。作製した焼結体の上下を100 MPaで加圧した。この状態で800℃まで昇温させた結果を図8に示す。この図より、800℃の高温においても、変形は生じず、高温、高圧力下での使用が可能であることがわかる。
硼化チタン粉末、鉄粉末、アルミニウム粉末、炭素粉末を、98(TiB−10mass%(Fe−Al))+2C(質量%)の組成になるように秤量し、乳鉢を用いて混合した。この粉末を、内径30mm、外径45mm、高さ30mmの黒鉛型に充填して、φ30mm×4mmの焼結体を作製した。焼結は、真空中で行い、60MPaの加圧下にて加熱し、1200℃で4分間保持した。この焼結体の電気伝導率を測定したところ、3.5×10−5Ωcmであった。
窒化チタン粉末、鉄粉末、アルミニウム粉末、炭素粉末を、98(TiN−10mass%(Fe−Al))+2C(質量%)の組成になるように秤量し、乳鉢を用いて混合した。この粉末を、内径30mm、外径45mm、高さ30mmの黒鉛型に充填して、φ30mm×4mmの焼結体を作製した。焼結は、真空中で行い、60MPaの加圧下にて加熱し、1250℃で5分間保持した。この焼結体の電気伝導率を測定したところ、14.8×10−5Ωcmであった。
以上詳述した通り、本発明は、通電加熱に適した硬質金型およびその材料に係るものであり、本発明を用いることで、高精度の焼結体を作製できるだけでなく、連続した自動化のプロセスに展開することを可能にすることができる。通電焼結技術は、製造プロセスにおける低CO化、省エネが叫ばれる中、それを実現できるプロセスの一つであるが、これまで、黒鉛型を使用した焼結しか行われていないため、高精度の焼結体を作製することができなかった。また、焼結体と型との反応のため、連続した自動化の焼結プロセスとしては展開することができなかった。また、焼結体では、どうしても気孔が残存し、信頼性が低下していた。しかし、本発明により、加圧力をあげた焼結を実現することで、欠陥の発生を抑えた高信頼性の焼結体を作製でき、また、1mm以下の薄い焼結体も本発明による金型を利用すれば作製することが可能となる。本発明による材料を用いることで、これまで焼結が困難であった材料に対する型材料として適用でき、新規特性を有した材料の焼結が可能となる。

Claims (6)

  1. 導電性のセラミックス粒子と鉄およびアルミニウムの金属間化合物からなる硬質複合材料に、球形の炭素粒子を分散させた当該硬質複合材料の焼結体からなる複合硬質材料であって、上記鉄とアルミニウムで構成される金属間化合物の結合金属相に炭素粒子が分散した複合構造を有することを特徴とする複合硬質材料。
  2. 導電性のセラミックス粒子が、タングステンおよび/またはチタンを含有する、請求項1記載の複合硬質材料。
  3. 複合材料に対して、分散した炭素が10質量%以下であり、通電焼結に適した、ものである請求項2記載の複合硬質材料。
  4. 分散させた炭素の粒子径が、20μm以下である、請求項3記載の複合硬質材料。
  5. 鉄とアルミニウムで構成される結合金属相が、40質量%以下である、請求項3記載の複合硬質材料。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の複合硬質材料から構成されることを特徴とする通電焼結用の金型。
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JP2012246538A (ja) * 2011-05-27 2012-12-13 National Institute Of Advanced Industrial Science & Technology 発熱体を埋設した硬質材料とその作製方法

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