JP2012244972A - 植物油を含む冷凍クリームソース類の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】冷凍クリームソースの製造方法であって、冷凍前の冷却工程において植物油を添加する直前のソースの温度が5℃以上30℃以下となったとき植物油を添加し乳化することを特徴とする冷凍クリームソース類の製造方法である。また、乳化の方法がミキサー、高圧ホモジナイザー、コロイドミルである前記冷凍クリームソース類の製造方法である。
【選択図】なし
Description
例えば、とろみのあるソースを得る目的で、原料A(油4/5カップ、小麦粉1.5カップ、牛乳4カップ、ブイヨン2.5カップ、香料・調味料 適量)でソースをつくり、これを冷却してコーンスターチ大さじ4杯、水1.5カップを加えて冷凍する冷凍ソースの製造する方法が知られている(例えば特許文献1参照)。
また、白く、ツヤ、テリがあり、できたてはもちろん、冷めてもボテつきを生せずに滑らかな食感を維持することを可能としたホワイトソースの提供を目的として、油脂を溶解させた上でモノグリセリドを添加し、小麦粉を加えて120℃以上になるまで撹拌し、ルーを作製し、水に残りの原料を混合したものを徐々に加えていき、品温が85℃以上になるまで念入りに撹拌し、最終歩留まりは85%に調整した後、冷却しながら撹拌して気泡を含有させ急速凍結する冷凍ソースの製造方法が知られている(例えば特許文献2参照)。
また、離水がなく、解凍後加熱した後冷めても滑らかな食感を有する乳脂肪分を含む乳原料と穀粉類及び/又は澱粉類、その他必要な副資材を含む原料を加熱し加熱工程後、冷却することなく、高圧ホモジナイザー処理を行う冷凍クリームソース類の製造方法が知られている(例えば特許文献3参照)。
また、釜にバター2.5kgを溶かし、小麦粉3kgを加えて炒めてルーを作りそこに牛乳40kg、粉乳5kg、卵黄0.2kg、ショ糖脂肪酸エステル0.1kg、レシチン0.1kg、化工澱粉0.5kg、クリームチーズ6.5kg、チキンブイヨン0.5kg、食塩0.5kg、清水25kgを加え攪拌混合し、85℃に達温後、生クリーム9.5kg、これにバジルペーストを加え、80℃で30分間加熱攪拌し、得られたソース100kgをパウチに1kgずつ充填し、冷却後、−35℃で40分間冷凍処理を行う冷凍バジル入り緑色クリームソースの製造方法が知られている(例えば特許文献4参照)。
また、冷凍処理を施したにも拘わらずコク味を有した冷凍ソースを提供する目的で、特殊加工液卵白20%、トマトペースト20%、タマネギペースト10%、大豆サラダ油5%、砂糖4%、食塩1%、グルタミン酸ナトリウム1%、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉1%、キサンタンガム0.1%、清水37.9%を原料とし、球形ニーダーに大豆サラダ油を投入し、攪拌加熱しながらタマネギペーストを炒め、残りの原材料を投入して均一混合し、90℃まで達温させてソース100kgを得、得られたソースをそれぞれ140g(1食分)ずつパウチに充填・密封し、その後、−30℃の冷凍庫に1日保管し冷凍ソースを製造する方法が知られている(例えば特許文献5参照)。
いずれの場合でも、油脂を使用する場合に加熱攪拌後、冷凍前の冷却工程で油脂を添加することは行われていない。
温かい状態でクリームソースと麺との絡みを良くするためには澱粉の配合量を増やす方法が知られているが、冷めたときに糊っぽい食感となりべたつくという問題があった。
従って、本発明の目的は、温かい状態でも麺とのからみが良く冷めても口溶けの良い滑らかな食感を有する冷凍クリームソース類の製造方法を提供することである。
従って、本発明は、冷凍クリームソースの製造方法であって、冷凍前の冷却工程において植物油を添加する直前のソースの温度が5℃以上30℃以下となったとき植物油を添加し乳化することを特徴とする冷凍クリームソース類の製造方法である。
また、乳化の方法がミキサー、高圧ホモジナイザー、コロイドミルである前記冷凍クリームソース類の製造方法である。
植物油を含む冷凍クリームソース類とは、植物油を必須の原材料として含む冷凍したクリームソースをいい、例えば、冷凍したカルボナーラソース、クリームソース、トマトクリームソース、明太子クリームソース、ホワイトソース(ベシャメルソース)等を挙げることができる。
これらの冷凍クリームソース類は、パスタソース、グラタン用ソース、ドリア用ソース、クリームシチュー用ソース、スープ用として使用できる。
特にパスタソースとして使用する場合は、麺とのからみが良好なソースが求められている。
前記カルボナーラソースとはベーコン、卵、チーズ、澱粉、調味料、香辛料、生クリーム、牛乳などを原料とするソースをいう。
一般的には、ベーコンを炒めた後、その他の原料を加えて加熱して調製する。
前記ホワイトソースとは澱粉、バター、マーガリン、牛乳、生クリーム、調味料、香辛料などを原料とするソースをいう。
一般的には澱粉、バター、マーガリンを加熱して白色のルーを作り、牛乳、生クリームでのばし、調味料、香辛料をダマにならない様少しずつ加えて加熱して調製する。
これらの冷凍クリームソース類の原料は、従来の冷凍クリームソース類に使用されている原料であれば特に限定なく使用できる。
植物油は、冷凍前の冷却工程において必須原料として添加使用するが、攪拌加熱工程において任意に使用する原料としての使用を制限するものではなく、攪拌加熱工程で使用してあってもよい。
まずバッターミキサーやハンドミキサー等を使用して原料の混合を行う。
混合の方法としては、液体の原料に少しずつ粉末資材を投入して、ダマがなくなるまで混合する。
ルーを使用する場合は、始めに油脂類と澱粉を加熱してルーを調製しておき、他の原料と混合を行う。
この冷却工程で植物油を加えミキサー等を使用して乳化する。
乳化方法は従来公知の方法が使用でき、例えば、ミキサー、高圧ホモジナイザー、コロイドミルなどを使用することができる。
乳化する能力が低いミキサーなどを使用する場合は、原材料に乳化剤を使用すると乳化効率が向上する。
植物油は、少しずつ加えて乳化していくほうが一度に投入するより乳化が容易となる。
植物油を加えるときの、植物油を添加する直前のソースの温度は5℃以上30℃以下である。
5℃未満に植物油を添加する直前のソースの温度が低下した場合では、粘度が上がってしまい撹拌が難くなる傾向があり好ましくない。
また、冷却が十分ではなく植物油を添加する直前のソースの温度が30℃を超えている場合は、粘度がゆるく分離する傾向があり好ましくない。
植物油の添加量は、求める製品の種類により適宜調整することができるが、植物油を全体量に対して3質量%以上20質量%以下使用する。
なお、本発明で全体量とは、製品となったソースの全体質量をいう。
一般にソースを調製するとき加熱による水分蒸発等により歩留まりが減少するので加えた原料がすべて製品質量とはならない。
植物油の量は3質量%未満では効果が得られず、20質量%を超えると分離してしまうため、3質量%以上20質量%以下が好ましい。
また、乳化剤を使用する場合は、全体量に対して0.2質量%以上2質量%以下程度である。
乳化剤の使用量が多いと味に悪影響が出たり、粘度がゆるくなる傾向があり好ましくない。
使用できる乳化剤は植物油を乳化できれば特に限定はなく、モノグリセリド、有機酸モノグリセリド、ポリグリセリンエステル、ショ糖エステル、ソルビタンエステル、PGエステル、レシチンなどを挙げることができる。
乳化が完了したらこれを冷凍する。
本発明の冷凍クリームソース類は−15℃以下で保存すれば約1年間保存することができる。
また、ゆでたスパゲッティやマカロニ類を容器に入れクリームソースを盛り付けして急速冷凍する方法もある。
本発明の冷凍クリームソース類の解凍方法としては、電子レンジや冷水や湯煎や冷蔵解凍や常温解凍等による解凍方法を挙げることができる。
パスタソースとして使用する場合も解凍方法は同様でよい。
[試験例:植物油の配合量]
表1に示す配合で下記の工程により冷凍カルボナーラソースを調製した。
表中単位は質量部である。
(1)バッターミキサーに水を半量入れ調味料と香辛料とでんぷんを加えて、回転数1
700rpmで5分間ミキシングし、ほぼ均一に混合した。
(2)別のバッターミキサーに残りの水を入れ、チーズと増粘剤と乳化剤と卵とクリームと牛乳を加えて回転数1700rpmで5分間ミキシングし、ほぼ均一に混合した。
(3)ニーダーに前記工程(1)と前記工程(2)で得られた混合物を投入し、85℃で10分間程度加熱し全質量が100質量部になるまで加熱した。
(4)このソースを20℃まで真空冷却した。
(5)バッターミキサーに前記工程(4)で得られたソースを投入後、回転数1700rpmで撹拌しながら植物油を6分間かけて少しずつ投入し、投入終了後さらに3分間混合した。
(6)このソースを−40℃の冷凍庫で40分間冷凍し冷凍カルボナーラソースを得た。
結果(平均点)を表3に示す。
試験例3、試験例4、試験例5は、良好な製品であった。
試験例4の配合で前記工程(4)の植物油を添加する直前のソースの温度を表4のとおり変更した以外は前記工程と同様にして冷凍カルボナーラソースを得た。
これらのカルボナーラソースをスパゲッティ200gに対し100gトッピングして冷凍し、1日保管後、600Wの電子レンジで4分間加熱後10名のパネラーにより表2に示す評価基準で評価を行った。
結果(平均点)を表5に示す。
試験例9、試験例10は、良好な製品であった。
下記の工程・配合で試験例12の冷凍きのこクリームソースを得た。
(配合)
小麦粉 2.5質量部
バター 2.5質量部
チーズ 3質量部
乳化剤 1.5質量部
牛乳 20質量部
きのこ 10質量部
調味料 3質量部
香辛料 0.3質量部
水 52.2質量部
植物油 15質量部
(製造工程)
(1)バターを加熱溶解し小麦粉を加え100℃以上で加熱してルウを調製した。
(2)チーズと乳化剤と牛乳をバッターミキサーに投入し回転数2100rpmで7分間攪拌した。
(3)きのこをフードプロセッサにかけ、10mm以下のみじん切りにした。
(4)調味料、香辛料を適量の水で水溶きした。
(5)前記工程(1)〜(4)で得られた材料をニーダーに投入し、85℃で10分間程度加熱し全質量が100質量部になるまで加熱した。
(6)このソースを30℃まで真空冷却した。
(7)ソースをバッターミキサーに投入後、回転数2100rpmで撹拌しながら植物油を7分間かけて少しずつ投入し、投入完了後さらに2分間撹拌した。
(8)このソースを−40℃の冷凍庫で40分間冷凍し冷凍きのこクリームソースを得た。
結果(平均点)を表6に示す。
Claims (2)
- 冷凍クリームソースの製造方法であって、冷凍前の冷却工程において植物油を添加する直前のソースの温度が5℃以上30℃以下となったとき植物油を添加し乳化することを特徴とする冷凍クリームソース類の製造方法。
- 乳化の方法がミキサー、高圧ホモジナイザー、コロイドミルである請求項1又は請求項2に記載の冷凍クリームソース類の製造方法。
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