JP2012243461A - 二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】充放電効率の高い二次電池を提供する。
【解決手段】下記式(1)で表される正極活物質と、所定のホウ素を含む化合物および環状スルホン酸エステルを含む非水電解液と、を備える二次電池であって、前記非水電解液が前記ホウ素を含む化合物を0.1質量%以上、2.0質量%以下含む二次電池。
Lia(MxMn2-x-yy)(O4-ww) (1)
(式(1)中、0.4≦x≦1.2、0≦y、x+y<2、0≦a≦1.2、0≦w≦1であり、Mは、Co、Ni、Fe、CrおよびCuからなる群から選択される少なくとも一種であり、Aは、Li、B、Na、Mg、Al、Ti、Si、KおよびCaからなる群から選択される少なくとも一種であり、Zは、FおよびClの少なくとも一種である。)
【選択図】図1

Description

本実施形態は充放電効率の高い二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池は、アルカリ蓄電池等に比べて体積が小さく、質量容量密度が大きく、高電圧を取り出すことが可能なため、小型機器用の電源として広く採用され、携帯電話、ノート型パソコン等のモバイル機器用の電源として広く用いられている。また、近年では小型のモバイル機器用途以外にも、環境問題に対する配慮と省エネルギー化に対する意識の高まりから、電気自動車(EV)や電力貯蔵分野等の大容量で長寿命が要求される大型電池への応用が期待されている。
現在市販されているリチウムイオン二次電池では、正極活物質として層状構造のLiMO2(MはCo、Ni、Mnの少なくとも1種)またはスピネル構造のLiMn24をベースとしたものが使用されている。また、負極活物質としては黒鉛等の炭素材料が使用されている。このようなリチウムイオン二次電池の動作電圧は、主に4.2V以下であり、前記正極活物質は4V級正極活物質と呼ばれている。
一方、LiMn24のMnの一部をNi等で置換した材料は、リチウム金属に対して4.5〜4.8Vと高い充放電領域を有することが知られている。具体的には、LiNi0.5Mn1.54等のスピネル化合物は、Mn3+とMn4+の酸化還元ではなく、MnはMn4+の状態で存在しNi2+とNi4+の酸化還元を利用するため、4.5V以上の高い動作電圧を示す。このような材料は5V級正極活物質と呼ばれ、二次電池の高電圧化によりエネルギー密度の向上を図ることができるため、有望な正極活物質材料として期待されている。
しかしながら、正極の電位が高くなると電解液が酸化分解されやすくなり、充放電効率の低下による電池容量の減少、サイクル容量維持率の低下、ガス発生によるセル体積の増加等が発生するため、未だ実用化には至っていない。
一方、電池性能の低下を抑える方法として、電解液に適当な添加剤を加えることにより初回充電時に電極活物質表面にSEI(Solid Electrolyte Interface)皮膜を形成する方法が知られている。SEI皮膜はリチウムイオンを通す一方で電子的には絶縁体と考えられており、電解液と活物質との反応を防止する働きをする。
例えば、特許文献1には、4V級正極活物質の容量を十分に引き出すために4.25V以上の高電圧で充電した際の充放電効率を改善させることを目的として、LiBOB、ビニレンカーボネート等を含む電解液を用いた電池が開示されている。特許文献2には、正極にLiFePO4を用いた電池において、LiBOBのBOBアニオンを酸化分解する電位まで電圧を上げることにより正極に皮膜を形成するリチウム二次電池の製造方法が開示されている。特許文献3には、4V級正極活物質と、鎖状スルホン酸エステルおよびホウ素を含む化合物を含む電解液とを備える二次電池が開示されている。
特開2007−128723号公報 特開2009−252489号公報 特開2006−244776号公報
しかしながら、前記添加剤の効果は電極材料や電解液組成により大きな影響を受け、ある二次電池において有効な添加剤が他の二次電池では効果がなかったり、逆に電池性能が低下したりする場合がある。これは、使用する電極材料の電極電位や表面状態、使用する電解液の種類によって、形成されるSEI皮膜の性状が変化するためと考えられる。したがって、電池性能の向上を図るためにはその二次電池系に適した添加剤およびその使用方法を選択することが重要となる。
5V級正極活物質を用いるにあたり、有効な添加剤およびその使用方法はこれまで検討がなされておらず、5V級正極活物質を用いた二次電池の更なる電池特性の向上が望まれる。
本実施形態は上記課題に鑑みてなされたものであり、充放電効率の高い二次電池を提供することを目的とする。
本実施形態に係る二次電池は、下記式(1)で表される正極活物質と、
下記式(2)で表されるホウ素を含む化合物および環状スルホン酸エステルを含む非水電解液と、を備える二次電池であって、
前記非水電解液が前記ホウ素を含む化合物を0.1質量%以上、2.0質量%以下含む。
Lia(MxMn2-x-yy)(O4-ww) (1)
(式(1)中、0.4≦x≦1.2、0≦y、x+y<2、0≦a≦1.2、0≦w≦1であり、Mは、Co、Ni、Fe、CrおよびCuからなる群から選択される少なくとも一種であり、Aは、Li、B、Na、Mg、Al、Ti、Si、KおよびCaからなる群から選択される少なくとも一種であり、Zは、FおよびClの少なくとも一種である。)
Figure 2012243461
(式(2)中、Z1はハロゲン原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のポリフルオロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数4〜20の環状炭化水素、またはXR1(ここでXは酸素原子、硫黄原子またはNR2を表し、R2は水素原子または置換もしくは無置換の炭素数1〜10のアルキル基を表し、R1は置換もしくは無置換の炭素数4〜20の環状炭化水素を表す。)を表す。A1およびA2はそれぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、またはA1がNR3でA2がNR4(ここでR3とR4はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のポリフルオロアルキル基、または置換もしくは無置換の炭素数4〜20の環状炭化水素を表す。R3とR4とは互いに結合して環構造を形成していても良い。)を表す。B1およびB2はそれぞれ独立に、カルボニル基、置換もしくは無置換のアルキレン基、またはポリフルオロアルキレン基を表す。L1は、メチレン基または単結合を表す。mは1または2、nは0または2を表し、2m+n=4である。)。
本実施形態に係る二次電池は、リチウム金属に対して4.5V以上に充放電領域を有する正極活物質と、
前記式(2)で表されるホウ素を含む化合物および環状スルホン酸エステルを含む非水電解液と、を備える二次電池であって、
前記非水電解液が前記ホウ素を含む化合物を0.1質量%以上、2.0質量%以下含む。
本実施形態に係る二次電池の製造方法は、前記式(1)で表される正極活物質と、前記式(2)で表されるホウ素を含む化合物および環状スルホン酸エステルを含む非水電解液であって、前記ホウ素を含む化合物を0.1質量%以上、2.0質量%以下含む非水電解液と、を準備する工程と、
前記正極活物質と、前記非水電解液とを備える二次電池を組み立てる工程と、を含む。
本実施形態に係る二次電池の製造方法は、リチウム金属に対して4.5V以上に充放電領域を有する正極活物質と、前記式(2)で表されるホウ素を含む化合物および環状スルホン酸エステルを含む非水電解液であって、前記ホウ素を含む化合物を0.1質量%以上、2.0質量%以下含む非水電解液と、を準備する工程と、
前記正極活物質と、前記非水電解液とを備える二次電池を組み立てる工程と、を含む。
本実施形態によれば、充放電効率の高い二次電池を提供することができる。
本実施形態に係る二次電池の一例を示す断面図である。
[二次電池]
本実施形態に係る二次電池は、前記式(1)で表される正極活物質またはリチウム金属に対して4.5V以上に充放電領域を有する正極活物質(以下、5V級正極活物質とも示す)と、前記式(2)で表されるホウ素を含む化合物および環状スルホン酸エステルを含む非水電解液と、を備える二次電池であって、前記非水電解液が前記ホウ素を含む化合物を0.1質量%以上、2.0質量%以下含む。本実施形態によれば、高エネルギー密度で充放電効率およびサイクル特性に優れ、ガス発生量の少ない二次電池を提供することができる。
非水電解液に含まれる前記ホウ素を含む化合物は、初回充電時に負極上で還元分解、または正極上で酸化分解され、電極表面に重合皮膜が形成される。前記ホウ素を含む化合物による皮膜は主に負極に形成され、正極にも形成される。該皮膜はSEI皮膜として働き、非水電解液との反応を抑制して電池特性を向上させる。
本実施形態では、前記式(1)で表される正極活物質または5V級正極活物質と、前記ホウ素を含む化合物とを併用する。これにより、正極電位が高いため負極のみならず正極にも良質な皮膜を形成することができ、正極で副生する非水電解液の分解物や正極活物質から溶出したMnやNi等の金属の、負極上での副反応を効果的に防止することができると考えられる。
本実施形態では、非水電解液中に前記ホウ素を含む化合物が0.1質量%以上、2.0質量%以下含まれる。前記ホウ素を含む化合物の含有量が0.1質量%未満の場合、電極全体に均一に皮膜が形成されず、十分な効果が得られない。一方、前記ホウ素を含む化合物の含有量が2.0質量%を超える場合、皮膜形成に使用されずに残存した前記ホウ素を含む化合物が副反応を起こし、サイクル特性の低下や多量のガス発生等を引き起こす。
本実施形態では正極活物質として、前記式(1)で表される正極活物質または5V級正極活物質を用いるため正極電位が高く、前記副反応が促進されやすいため、従来のリチウム金属に対して4.5V未満に充放電領域を有する正極活物質(以下、4V級正極活物質とも示す)の場合よりもその含有量を厳しく制限する必要がある。しかしながら、前記ホウ素を含む化合物の含有量を0.1〜2.0質量%の範囲内にしたとしても、未反応の前記ホウ素を含む化合物がどうしても残存し、その影響を完全には排除することはできない。
そこで、本実施形態では、前記ホウ素を含む化合物の含有量の範囲を満たしつつ、非水電解液に環状スルホン酸エステルを添加する。前記範囲の含有量のホウ素を含む化合物と環状スルホン酸エステルとを併用することで、その相乗効果により電池性能の向上を図ることができる。この相乗効果は、環状スルホン酸エステルおよび環状スルホン酸エステルにより形成されるSEI皮膜が、前記ホウ素を含む化合物の副反応を防止する働きをすることにより発揮されると推測される。
したがって本実施形態では、本実施形態に係る正極活物質、本実施形態に係るホウ素を含む化合物とその含有量、および環状スルホン酸エステルの組み合わせによりその効果が発揮される。
以下、本実施形態の詳細を説明する。
(二次電池の構成)
本実施形態に係る二次電池は、本実施形態に係る正極活物質と、非水電解液とを備えていれば特に限定されない。図1に本実施形態に係る二次電池の一例として、ラミネート型二次電池を示す。図1に示す二次電池は、本実施形態に係る正極活物質を含む正極活物質層1と正極集電体3とからなる正極と、リチウムを吸蔵放出し得る負極活物質を含む負極活物質層2と負極集電体4とからなる負極との間に、セパレータ5が挟まれている。正極集電体3は正極タブ8と接続され、負極集電体4は負極タブ7と接続されている。外装体にはラミネート外装体6が用いられ、二次電池内部は本実施形態に係る非水電解液で満たされている。
(正極活物質)
本実施形態では、正極活物質として下記式(1)で表されるリチウムマンガン複合酸化物を用いる。
Lia(MxMn2-x-yy)(O4-ww) (1)
(式(1)中、0.4≦x≦1.2、0≦y、x+y<2、0≦a≦1.2、0≦w≦1であり、Mは、Co、Ni、Fe、CrおよびCuからなる群から選択される少なくとも一種であり、Aは、Li、B、Na、Mg、Al、Ti、Si、KおよびCaからなる群から選択される少なくとも一種であり、Zは、FおよびClの少なくとも一種である。)
前記式(1)で表されるリチウムマンガン複合酸化物はスピネル構造を有し、高電位で動作することからエネルギー密度の向上が期待できる。さらに、LiCoO2やLiNiO2のような層状化合物に比べて結晶構造の熱安定性が高いため、安全性にも優れた二次電池を提供することができる。
前記式(1)において、Mは、Niを単独で、またはNiを主成分とし、副成分としてCoおよびFeの少なくとも一種を含むことが好ましい。Aは、Ti、Si、Al、Mgの少なくとも一種を含むことが好ましく、少なくともTiを含むことがより好ましい。0.4≦x≦0.8が好ましく、0.4≦x≦0.6がより好ましい。0.05≦y≦0.3が好ましく、0.1≦y≦0.2がより好ましい。0.5≦x+y<2が好ましく、0.6<x+y<2とすることもできる。0≦w≦0.4が好ましく、0≦w≦0.2がより好ましい。前記式(1)で表されるリチウムマンガン複合酸化物は一種のみを用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
また、本実施形態では正極活物質としてリチウム金属に対して4.5V(vs.Li/Li+)以上に充放電領域を有する正極活物質(5V級正極活物質)を用いることができる。正極活物質がリチウム金属に対して4.5V(vs.Li/Li+)以上に充放電領域を有するか否かは、充放電曲線においてリチウム金属電位に対して4.5V以上の範囲に電位平坦部を有するかどうかにより判断することができる。
エネルギー密度の点から、正極活物質質量当たりの電気容量(比容量)は120mAh/g以上であることが好ましい。
正極活物質の平均粒径(D50)は、1〜50μmが好ましく、5〜25μmがより好ましい。正極活物質の平均粒径を前記範囲内とすることにより、正極活物質と非水電解液との反応性を低下させることができるため、寿命特性が向上する。また、リチウムイオンの移動速度の低下を抑制することができるため、レート特性が向上する。なお、正極活物質の平均粒径(D50)は、レーザー回折散乱法(マイクロトラック法)により測定することができる。
前記式(1)で表されるリチウムマンガン複合酸化物の作製において、原料は特に限定されないが、例えばLi原料としては、Li2CO3、LiOH、Li2O、Li2SO4等を用いることができる。この中でも、Li2CO3、LiOHが好ましい。Mn原料としては、電解二酸化マンガン(EMD)、Mn23、Mn34、CMD(chemical manganese dioxide)等の種々のMn酸化物、MnCO3、MnSO4等を用いることができる。Ni原料としては、NiO、Ni(OH)、NiSO4、Ni(NO32等を用いることができる。Fe原料としては、Fe23、Fe34、Fe(OH)2、FeOOH等を用いることができる。他の元素の原料としては、他の元素の酸化物、炭酸塩、水酸化物、硫化物、硝酸塩等を用いることができる。これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記式(1)で表されるリチウムマンガン複合酸化物の作製方法としては、特に限定されないが、例えば以下の方法により作製することができる。前記原料を目的の金属組成比となるように秤量して混合する。混合は、ボールミル、ジェットミル等により粉砕混合することにより行うことができる。得られた混合粉を400℃から1200℃の温度で、空気中又は酸素中で焼成することにより前記式(1)で表されるリチウムマンガン複合酸化物が得られる。それぞれの元素を拡散させるために焼成温度は高い方が好ましいが、焼成温度が高すぎると酸素欠損を生じ電池特性が低下する場合がある。このことから、焼成温度は450℃から1000℃であることが好ましい。なお、前記式(1)における各元素の組成比は、各元素の原料の仕込み量から算出した値とする。
(ホウ素を含む化合物)
本実施形態に係る非水電解液は、下記式(2)で表されるホウ素を含む化合物を含む。
Figure 2012243461
(式(2)中、Z1はハロゲン原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のポリフルオロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数4〜20の環状炭化水素、またはXR1(ここでXは酸素原子、硫黄原子またはNR2を表し、R2は水素原子または置換もしくは無置換の炭素数1〜10のアルキル基を表し、R1は置換もしくは無置換の炭素数4〜20の環状炭化水素を表す。)を表す。A1およびA2はそれぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、またはA1がNR3でA2がNR4(ここでR3とR4はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のポリフルオロアルキル基、または置換もしくは無置換の炭素数4〜20の環状炭化水素を表す。R3とR4とは互いに結合して環構造を形成していても良い。)を表す。B1およびB2はそれぞれ独立に、カルボニル基、置換もしくは無置換のアルキレン基、またはポリフルオロアルキレン基を表す。L1は、メチレン基または単結合を表す。mは1または2、nは0または2を表し、2m+n=4である。)。
前記式(2)において、Z1のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。Z1の置換もしくは無置換の炭素数1〜10のアルキル基、および炭素数1〜10のポリフルオロアルキル基のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、イソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。Z1の炭素数1〜10のアルキル基の置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、水酸基等が挙げられる。これら一種のみにより置換されていてもよく、二種以上により置換されていてもよい。Z1の置換もしくは無置換の炭素数4〜20の環状炭化水素の環状炭化水素としては、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基等が挙げられる。Z1の炭素数4〜20の環状炭化水素の置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、水酸基等が挙げられる。これら一種のみにより置換されていてもよく、二種以上により置換されていてもよい。R2の置換もしくは無置換の炭素数1〜10のアルキル基は、前記Z1の置換もしくは無置換の炭素数1〜10のアルキル基と同様とすることができる。R1の置換もしくは無置換の炭素数4〜20の環状炭化水素は、前記Z1の置換もしくは無置換の炭素数4〜20の環状炭化水素と同様とすることができる。なお、前記式(2)においてn=2の場合には、Z1は互いに同一でもよく、異なっていてもよい。また、XがNR2の場合、R1は窒素原子(N)に結合するものとする。
前記式(2)において、A1およびA2のR3およびR4の置換もしくは無置換の炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のポリフルオロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数4〜20の環状炭化水素は、Z1と同様とすることができる。
前記式(2)において、B1およびB2の置換もしくは無置換のアルキレン基、ポリフルオロアルキレン基のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等が挙げられる。B1およびB2のアルキレン基の置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、水酸基等が挙げられる。これら一種のみにより置換されていてもよく、二種以上により置換されていてもよい。
なお、本明細書において、「ポリフルオロアルキル基」、「ポリフルオロアルキレン基」はそれぞれ対応するアルキル基、アルキレン基の炭素原子に結合した水素原子が全てフッ素原子により置換されたものを表し、「フルオロアルキル基」、「フルオロアルキレン基」はそれぞれ対応するアルキル基、アルキレン基の炭素原子に結合した水素原子の一部がフッ素原子により置換されたものを表す。
また、「置換アルキル基」、「置換アルキレン基」における「置換」とは、炭素原子に結合した水素原子の少なくとも1つが他の原子または官能基で置換されていることを表し、「置換アルキル基」、「置換アルキレン基」には、それぞれポリフルオロアルキル基、ポリフルオロアルキレン基は含まれない。なお、これらの官能基中に炭素原子が含まれる場合、この炭素原子は「置換もしくは無置換の炭素数1〜10のアルキル基」等の記載における「炭素数1〜10」の数には含まれないものとする。同様に、「置換もしくは無置換の炭素数4〜20の環状炭化水素」において、置換する官能基中に炭素原子が含まれる場合、この炭素原子は「置換もしくは無置換の炭素数4〜20の環状炭化水素」の記載における「炭素数4〜20」の数には含まれないものとする。
前記式(2)で表されるホウ素を含む化合物としては、例えば下記式(3)から(7)で表される化合物が挙げられる。これらは一種のみを用いてもよく、二種以上を併用してもよい。この中でも、下記式(3)で表される化合物(リチウムビスオキサレートボラート、LiBOB)、下記式(4)で表される化合物が好ましい。
Figure 2012243461
Figure 2012243461
Figure 2012243461
Figure 2012243461
Figure 2012243461
本実施形態においては、非水電解液に含まれる前記ホウ素を含む化合物の割合は、0.1質量%以上、2.0質量%以下である。該割合は、0.5質量%以上、1.5質量%以下が好ましく、0.8質量%以上、1.3質量%以下がより好ましい。
なお、前記式(2)で表されるホウ素を含む化合物は、例えばDE19829030C1、特表2002−519352号公報の他に、特開2001−256983号公報、特開2001−110450号公報等を参照して製造することができる。
(環状スルホン酸エステル)
本実施形態に係る非水電解液は環状スルホン酸エステルを含む。環状スルホン酸エステルとしては、特に限定されないが、例えば環状モノスルホン酸エステル、環状ジスルホン酸エステル等を用いることができる。これらは一種のみを用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
環状モノスルホン酸エステルとしては、例えば下記式(8)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2012243461
(式(8)中、kは0〜2の整数である。R5〜R10は、それぞれ独立して水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜12のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜6のフルオロアルキル基、および炭素数1〜6のポリフルオロアルキル基から選ばれる原子または基を示す。)。
前記式(8)で示される化合物おいて、化合物の安定性、化合物の合成の容易性、溶媒への溶解性、価格などの観点から、kは0または1が好ましく、R5〜R10は、それぞれ独立して、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜12のアルキル基、および炭素数1〜5のポリフルオロアルキル基から選ばれる原子又は基が好ましく、それぞれ独立して、水素原子、または炭素数1〜5のポリフルオロアルキル基がより好ましい。さらに好ましくは、R5〜R10の全てが水素原子、またはR5〜R10の1つもしくは2つが炭素数1〜5のポリフルオロアルキル基で他が水素原子である。前記炭素数1〜5のポリフルオロアルキル基としては、トリフルオロメチル基が好ましい。
具体的には、1,3−プロパンスルトン(PS)、α−トリフルオロメチル−γ−スルトン、β−トリフルオロメチル−γ−スルトン、γ−トリフルオロメチル−γ−スルトン、α−メチル−γ−スルトン、α,β−ジ(トリフルオロメチル)−γ−スルトン、α,α−ジ(トリフルオロメチル)−γ−スルトン、α−ウンデカフルオロペンチル−γ−スルトン、α−ヘプタフルオロプロピル−γ−スルトン、1,4−ブタンスルトン(BS)等が挙げられる。これらは一種のみを用いてもよく、二種以上を併用してもよい。この中でも、PSまたはBSが好ましい。
環状ジスルホン酸エステルとしては、例えば下記式(9)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2012243461
(式(9)中、Qは酸素原子、メチレン基または単結合、A3は、置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルキレン基、カルボニル基、スルフィニル基、炭素数1〜5のポリフルオロアルキレン基、置換もしくは無置換の炭素数1〜5のフルオロアルキレン基、置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルキレン基におけるC−C結合の少なくとも一箇所がC−O−C結合となった基、炭素数1〜5のポリフルオロアルキレン基におけるC−C結合の少なくとも一箇所がC−O−C結合となった基、および置換もしくは無置換の炭素数1〜5のフルオロアルキレン基におけるC−C結合の少なくとも一箇所がC−O−C結合となった基、から選ばれる基を示す。B3は、置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルキレン基、炭素数1〜5のポリフルオロアルキレン基、および置換もしくは無置換の炭素数1〜5のフルオロアルキレン基から選ばれる基を示す。)。
前記式(9)で示される化合物おいて、化合物の安定性、化合物の合成の容易性、溶媒への溶解性、価格などの観点から、A3は、置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルキレン基、炭素数1〜5のポリフルオロアルキレン基、置換もしくは無置換の炭素数1〜5のフルオロアルキレン基、置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルキレン基におけるC−C結合の少なくとも一箇所がC−O−C結合となった基、炭素数1〜5のポリフルオロアルキレン基におけるC−C結合の少なくとも一箇所がC−O−C結合となった基、および置換もしくは無置換の炭素数1〜5のフルオロアルキレン基におけるC−C結合の少なくとも一箇所がC−O−C結合となった基、から選ばれる基が好ましい。置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルキレン基、炭素数1〜5のポリフルオロアルキレン基、および置換もしくは無置換の炭素数1〜5のフルオロアルキレン基、から選ばれる基がより好ましく、置換もしくは無置換の炭素数1〜5のアルキレン基がさらに好ましく、メチレン基、エチレン基または2,2−プロパンジイル基が特に好ましい。前記炭素数1〜5のフルオロアルキレン基は、メチレン基とジフルオロメチレン基を含むことが好ましく、メチレン基とジフルオロメチレン基とで構成されていることがより好ましい。
また、同様の理由から、B3は炭素数1〜5のアルキレン基が好ましく、メチレン基、1,1−エタンジイル基、または2,2−プロパンジイル基がより好ましい。
前記式(9)で表される化合物は、米国特許第4950768号明細書に開示されている。前記式(9)で表される化合物としては、例えば表1に示す式(10)〜(31)で表される化合物が挙げられる。これらは一種のみを用いてもよく、二種以上を併用してもよい。この中でも、式(10)で表されるメチレンメタンジスルホン酸エステル(MMDS)、式(12)で表されるエチレンメタンジスルホン酸エステル(EMDS)を用いることが好ましい。
Figure 2012243461
本実施形態においては、非水電解液に含まれる前記環状スルホン酸エステルの割合は、0.1質量%以上、10質量%以下であることが好ましい。前記環状スルホン酸エステルの含有量は、前記ホウ素を含む化合物の含有量ほど厳密に制限されるものではないが、0.1質量%以上とすることで十分な電池特性向上の効果が得られ、10質量%以下とすることで二次電池の内部抵抗増加を抑制することができる。非水電解液に含まれる前記環状スルホン酸エステルの割合は、1.0質量%以上、5.0質量%以下であることがより好ましく、2.0質量%以上、4.0質量%以下であることがさらに好ましい。
非水電解液に含まれる前記ホウ素を含む化合物(A)と前記環状スルホン酸エステル(B)との配合比率(A/B、質量比)は、0.02以上、0.8以下であることが電池特性向上の観点から好ましい。該配合比率は0.1以上、0.7以下であることがより好ましく、0.2以上、0.6以下であることがさらに好ましい。
なお、非水電解液は環状スルホン酸エステル以外に鎖状スルホン酸エステルを含むこともできるが、その含有量は少ない方が好ましい。非水電解液中に鎖状スルホン酸エステルが含まれる場合、非水電解液中に含まれる環状スルホン酸エステルと鎖状スルホン酸エステルとの合計に対する環状スルホン酸エステルの割合(質量比)は、70%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、特に100%、すなわち環状スルホン酸エステルのみを含み、鎖状スルホン酸エステルは含まないことが好ましい。
(非水電解液)
非水電解液としては、電解質としてのリチウム塩が非水溶媒に溶解された溶液を用いることができる。
リチウム塩としては、LiPF6、リチウムイミド塩、LiAsF6、LiAlCl4、LiClO4、LiBF4、LiSbF6等が挙げられる。リチウムイミド塩としては、LiN(Ck2k+1SO2)(Cm2m+1SO2)(kおよびmは、それぞれ独立して1または2である)が挙げられる。これらは一種のみを用いてもよく、二種以上を併用してもよい。中でも、LiPF6は電気化学的な安定性、イオン伝導性等の観点から好ましく用いることができる。
非水電解液中のLiPF6の濃度は、0.8mol/L以上、1.5mol/L以下であることが好ましく、0.9mol/L以上、1.2mol/L以下であることがより好ましい。LiPF6の濃度を0.8mol/L以上とすることで、十分なイオン伝導性が得られるため、電池特性が向上する。また、LiPF6の濃度を1.5mol/L以下とすることで、電解液の粘度が上昇せずイオン導電性が向上する。特に、本実施形態で用いる正極活物質は、イオン伝導度が低下して電極界面の過電圧が大きくなると、電解液の分解をより生じやすくなるため、LiPF6の濃度を前記範囲内とすることが好ましい。
非水溶媒としては、環状カーボネート、鎖状カーボネート、脂肪族カルボン酸エステル、γ−ラクトン、環状エーテルおよび鎖状エーテルからなる群から選択される少なくとも1種類以上の有機溶媒を用いることができる。環状カーボネートとしては、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート(BC)、およびこれらの誘導体(フッ素化物を含む)が挙げられる。鎖状カーボネートとしては、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジプロピルカーボネート(DPC)、およびこれらの誘導体(フッ素化物を含む)が挙げられる。脂肪族カルボン酸エステルとしては、ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸エチル、およびこれらの誘導体(フッ素化物を含む)が挙げられる。γ−ラクトンとしては、γ−ブチロラクトンおよびその誘導体(フッ素化物を含む)が挙げられる。環状エーテルとしては、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランおよびその誘導体(フッ素化物を含む)が挙げられる。鎖状エーテルとしては、1,2−エトキシエタン(DEE)、エトキシメトキシエタン(EME)、ジエチルエーテル、およびこれらの誘導体(フッ素化物を含む)が挙げられる。その他、非水溶媒として、ジメチルスルホキシド、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルホルムアミド、1,3−ジオキソラン等のジオキソラン、アセトニトリル、プロピルオニトリル、ニトロメタン、エチルモノグライム、リン酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン誘導体、スルホラン、メチルスルホラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、プロピレンカーボネート誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、エチルエーテル、アニソール、N−メチルピロリドン、およびこれらの誘導体(フッ素化物を含む)を用いることもできる。
非水溶媒としては、粘度は高いが誘電率が高くリチウム塩の溶解性に優れる環状カーボネートと、粘度が低い鎖状カーボネートとの混合溶媒を使用することが好ましい。環状カーボネートとしては、ECまたはPCを用いることが好ましい。ただし、PCは黒鉛負極に対して分解反応を生じやすいため、その使用が限定される場合がある。鎖状カーボネートとしては、DMC、EMC、DECを単独で、または複数混合して用いることが好ましい。
また、本実施形態に係る正極活物質では正極側で非水電解液の酸化分解反応が生じやすいため、耐酸化性が大きい溶媒を選択することが好ましい。溶媒分子の耐酸化性を判定する指標として最高占有軌道エネルギー(HOMO)があり、HOMOが低いほど耐酸化性は向上する傾向がある。HOMOは分子軌道計算という手法を用いて算出することが可能であり、前記鎖状カーボネートの中ではDMCが最も低いHOMOの値を示す。したがって、鎖状カーボネートにはDMCを選択することが好ましい。また、溶媒分子中の水素をフッ素で置換したフッ素化溶媒は耐酸化性が高い傾向にあることから、フッ素化溶媒を用いることもできる。
(負極活物質)
負極活物質としては、黒鉛、非晶質炭素等の炭素材料を用いることができるが、エネルギー密度の観点から、黒鉛を用いることが好ましい。また、負極活物質として、Si、Sn、Al等のLiと合金を形成する材料、Si酸化物、SiとSi以外の他の金属元素とを含むSi複合酸化物、Sn酸化物、SnとSn以外の他の金属元素とを含むSn複合酸化物、Li4Ti512、これらの材料にカーボンを被覆した複合材料等を用いることもできる。負極活物質は、1種を単独で用いることができ、2種以上を組み合わせて用いることもできる。負極活物質の平均粒径(D50)は5〜35μmが好ましい。
(電極)
正極は、正極集電体の少なくとも一方の面に正極活物質層が形成されてなり、正極活物質層は、例えば正極活物質と、結着剤と、導電助剤とによって構成される。負極は、負極集電体の少なくとも一方の面に負極活物質層が形成されてなり、負極活物質層は、例えば負極活物質と、結着剤と、導電助剤とによって構成される。
正極で用いる結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、アクリル系ポリマー等が挙げられる。負極で用いる結着剤としては、前記のもの以外に、スチレンブタジエンゴム(SBR)等が挙げられる。SBR系エマルジョンのような水系の結着剤を用いる場合、カルボキシメチルセルロース(CMC)等の増粘剤を用いることもできる。
導電助剤としては、正極および負極とも、カーボンブラック、粒状黒鉛、燐片状黒鉛、炭素繊維などの炭素材料を用いることができる。特に、正極においては、結晶性の低いカーボンブラックを用いることが好ましい。
正極集電体としては、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル、チタンまたはこれらの合金等を用いることができる。負極集電体としては、銅、ステンレス鋼、ニッケル、チタンまたはこれらの合金等を用いることができる。
電極は、活物質と、結着剤と、導電助剤とを、所定の配合量でN−メチル−2−ピロリドン(NMP)等の溶剤中に分散混練し、得られたスラリーを集電体に塗布して活物質層を形成することで得ることができる。得られた電極は、ロールプレス等の方法により圧縮して、適当な密度に調整することもできる。
(タブ)
正極タブおよび負極タブの材質としては、Al、Cu、燐青銅、Ni、Ti、Fe、真鍮、ステンレス等が使用できる。これらは一種のみを用いてもよく、二種以上を組み合わせて、又は合金として用いてもよい。正極タブおよび負極タブは必要であれば焼き鈍し処理が施されていてもよい。正極タブおよび負極タブの形状としては平板状が好ましい。正極タブおよび負極タブの厚さとしては20μm〜2mmの範囲であることが好ましい。なお、正極タブおよび負極タブはクランク状に曲げられていてもよい。
(セパレータ)
セパレータとしては、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィンや、フッ素樹脂等からなる多孔性フィルムを用いることができる。
(外装体)
外装体としては、コイン型、角型、円筒型等の缶や、ラミネート外装体を用いることができるが、軽量化が可能であり電池のエネルギー密度の向上を図る観点から、合成樹脂と金属箔との積層体からなる可撓性フィルムを用いたラミネート外装体が好ましい。ラミネート外装体を備えるラミネート型二次電池は、放熱性にも優れているため、電気自動車等の車載用電池として好適である。
[二次電池の製造方法]
本実施形態に係る二次電池の製造方法は、前記式(1)で表される正極活物質と、前記式(2)で表されるホウ素を含む化合物および環状スルホン酸エステルを含む非水電解液であって、前記ホウ素を含む化合物を0.1質量%以上、2.0質量%以下含む非水電解液と、を準備する工程と、前記正極活物質と、前記非水電解液とを備える二次電池を組み立てる工程と、を含む。
また、本実施形態に係る二次電池の製造方法は、リチウム金属に対して4.5V以上に充放電領域を有する正極活物質と、前記式(2)で表されるホウ素を含む化合物および環状スルホン酸エステルを含む非水電解液であって、前記ホウ素を含む化合物を0.1質量%以上、2.0質量%以下含む非水電解液と、を準備する工程と、前記正極活物質と、前記非水電解液とを備える二次電池を組み立てる工程と、を含む。
本実施形態に係る二次電池は、例えば以下の方法により製造することができる。正極と負極とをセパレータを挟んで対向配置させ、積層させた電極積層体を作製する。各正極及び各負極にそれぞれ正極集電体及び負極集電体を介して正極タブ、負極タブを接続する。該電極積層体を外装体に収容し、非水電解液に浸す。正極タブ、負極タブの一部を外部に突出するようにして外装体を封止することで、二次電池を作製する。
封止操作の際、二次電池の大きさを極力小さくするため、二次電池内部を減圧にした状態で封止することが好ましい。また、タブは外装体と接触する部分において、封止前に熱可塑性樹脂からなる被覆材で熱溶着されていることが好ましい。
以下、本実施形態の実施例について詳細に説明するが、本実施形態は以下の実施例のみに限定されるものではない。
[実施例1]
(負極の作製)
負極活物質としての黒鉛粉末(平均粒径(D50):20μm、比表面積:1.2m2/g)と、結着剤としてのPVDFとを、質量比95:5でNMP中に均一に分散させて、負極スラリーを作製した。この負極スラリーを負極集電体となる厚み15μmの銅箔上に塗布後、125℃にて10分間乾燥させてNMPを蒸発させることにより、負極活物質層を形成し、さらにプレスすることによって負極を作製した。なお、乾燥後の単位面積当たりの負極活物質層の質量を0.008g/cm2とした。
(正極の作製)
正極活物質としてのLiNi0.5Mn1.54粉末(平均粒径(D50):10μm、比表面積:0.5m2/g)を用意した。該正極活物質と、結着剤としてのPVDFと、導電助剤としてのカーボンブラックとを、質量比93:4:3でNMP中に均一に分散させて、正極スラリーを作製した。この正極スラリーを正極集電体となる厚み20μmのアルミニウム箔上に塗布後、125℃にて10分間乾燥させてNMPを蒸発させることにより正極活物質層を形成し、正極を作製した。なお、乾燥後の単位面積当たりの正極活物質層の質量を0.018g/cm2とした。
(非水電解液)
EC:DMC=40:60(体積%)の比率で混合した非水溶媒に、電解質として1mol/LのLiPF6を溶解させ、さらに前記式(3)で表される化合物(リチウムビスオキサレートボラート、LiBOB)を0.1質量%、1,3−プロパンスルトン(PS)を3質量%添加して溶解させることで、非水電解液を調製した。
(ラミネート型二次電池の作製)
上記のように作製した正極および負極を各々5cm×6.0cmに切り出した。このうち、一辺5cm×1cmはタブを接続するために電極活物質層を形成していない部分(未塗布部)であって、電極活物質層が形成された部分は5cm×5cmであった。幅5mm×長さ3cm×厚み0.1mmのアルミニウム製の正極タブを、正極の正極活物質未塗布部に長さ1cmで超音波溶接した。また、正極タブと同サイズのニッケル製の負極タブを、負極の負極活物質未塗布部に超音波溶接した。6cm×6cmのポリエチレンおよびポリプロピレンからなるセパレータの両面に前記負極と前記正極とを電極活物質層がセパレータを隔てて重なるように配置して、電極積層体を得た。2枚の7cm×10cmのアルミニウムラミネートフィルムの長辺の一方を除いて三辺を熱融着により幅5mmで接着して、袋状のラミネート外装体を作製した。ラミネート外装体の一方の短辺より1cmの距離となるように前記電極積層体を挿入した。前記非水電解液を0.2g注液して真空含浸させた後、減圧下にて開口部を熱融着により幅5mmで封止することで、ラミネート型二次電池を作製した。
(初回充放電)
上記のように作製したラミネート型二次電池を、20℃にて5時間率(0.2C)相当の12mAの定電流で4.8Vまで充電した後、合計で8時間の4.8V定電圧充電を行ってから、12mAで3.0Vまで定電流放電した。
(充放電効率)
充放電効率は初回充電容量に対する初回放電容量の比率(初回放電容量/初回充電容量×100%)から算出した。
(サイクル試験)
初回充放電が終了したラミネート型二次電池を、1C(60mA)で4.8Vまで充電した後、合計で2.5時間の4.8V定電圧充電を行ってから、1Cで3.0Vまで定電流放電する充放電サイクルを、45℃で100回繰り返した。初回放電容量に対する100サイクル後の放電容量の比率を容量維持率(%)として算出した。
(体積変化量の測定)
初回充放電前と100サイクル後の電池体積を測定し、サイクル試験前後での体積変化量(cc)を測定した。体積変化量(cc)を初回放電容量(mAh)で除して得られる電池容量で規格化した体積変化量(cc/mAh)を算出した。体積測定はアルキメデス法で行った。なお、この体積変化は主に非水電解液の分解によるガス発生量を反映しており、なるべく少ないことが望ましい。
(実施例2)
LiBOBを非水電解液に対して0.5質量%添加して溶解させた以外は実施例1と同様の方法で二次電池を作製して評価した。
(実施例3)
LiBOBを非水電解液に対して1.0質量%添加して溶解させた以外は実施例1と同様の方法で二次電池を作製して評価した。
(実施例4)
LiBOBを非水電解液に対して1.5質量%添加して溶解させた以外は実施例1と同様の方法で二次電池を作製して評価した。
(実施例5)
LiBOBを非水電解液に対して2.0質量%添加して溶解させた以外は実施例1と同様の方法で二次電池を作製して評価した。
(比較例1)
LiBOBを非水電解液に対して3.0質量%添加して溶解させた以外は実施例1と同様の方法で二次電池を作製して評価した。
(比較例2)
LiBOBを非水電解液に対して5.0質量%添加して溶解させた以外は実施例1と同様の方法で二次電池を作製して評価した。
(比較例3)
LiBOBを非水電解液に対して0.05質量%添加して溶解させた以外は実施例1と同様の方法で二次電池を作製して評価した。
(比較例4)
LiBOB、PSいずれも添加していない非水電解液を使用した以外は実施例1と同様の方法で二次電池を作製して評価した。
(比較例5)
PSを添加していない非水電解液を使用した以外は実施例3と同様の方法で二次電池を作製して評価した。
(比較例6)
LiBOBを添加していない非水電解液を使用した以外は実施例1と同様の方法で二次電池を作製して評価した。
表2に、実施例1〜5と比較例1〜6の充放電効率、100サイクル後の容量維持率、サイクル試験前後での体積変化量の各測定結果を示す。充放電効率は実施例1〜5および比較例1、2において89%以上の高い値を示した。一方、比較例3〜6では充放電効率が低く、LiBOBを含んでいない比較例4、6において特に充放電効率が低かった。比較例1、2は、充放電効率は高かったものの容量維持率は非常に低く、体積変化量も大きかった。
LiBOBとPSを両方とも含まない比較例4に対して、LiBOBのみを添加した比較例5と、PSのみを添加した比較例6の特性の変化を足し合わせても、実施例には及ばないことから、ホウ素を含む化合物と環状スルホン酸エステルの両方ともを含むことによる相乗効果が存在すると考えられる。また、実施例2から4より、ホウ素を含む化合物の含有量は0.5〜1.5質量%が好ましいことが確認された。
Figure 2012243461
(実施例6)
正極活物質としてLiNi0.4Co0.2Mn1.44を用いた以外は実施例3と同様の方法で二次電池を作製して評価した。
(実施例7)
正極活物質としてLiNi0.4Fe0.2Mn1.44を用いた以外は実施例3と同様の方法で二次電池を作製して評価した。
(実施例8)
正極活物質としてLiNi0.5Mn1.35Ti0.154を用いた以外は実施例3と同様の方法で二次電池を作製して評価した。
(実施例9)
正極活物質としてLiNi0.5Mn1.46Mg0.044を用いた以外は実施例3と同様の方法で二次電池を作製して評価した。
(実施例10)
正極活物質としてLiNi0.5Mn1.44Al0.064を用いた以外は実施例3と同様の方法で二次電池を作製して評価した。
(実施例11)
正極活物質としてLiNi0.5Mn1.470.034を用いた以外は実施例3と同様の方法で二次電池を作製して評価した。
(実施例12)
正極活物質としてLiNi0.5Mn1.53.980.02を用いた以外は実施例3と同様の方法で二次電池を作製して評価した。
(比較例7)
正極活物質としてLiMn24を用いた以外は実施例3と同様の方法で二次電池を作製して評価した。
(比較例8)
正極活物質としてLiMn24を用いた以外は比較例5と同様の方法で二次電池を作製して評価した。
(比較例9)
正極活物質としてLiMn24を用いた以外は比較例6と同様の方法で二次電池を作製して評価した。
表3に、実施例6〜12、比較例7〜9の測定結果を示す。実施例6〜12については、いずれも実施例3と同様に良好な特性を示した。このことから、本実施形態における効果はいわゆる5V級正極活物質全般に有効であることが確認された。一方、比較例7〜9から、いわゆる4V級正極活物質であるLiMn24ではホウ素を含む化合物および環状スルホン酸エステルの両方ともを含むことによる電池特性の向上は認められなかったことから、相乗効果はいわゆる5V級正極活物質において得られることが確認された。
Figure 2012243461
(実施例13)
LiBOBの代わりに前記式(4)で表される化合物を用いた以外は実施例1と同様の方法で二次電池を作製して評価した。
(実施例14)
LiBOBの代わりに前記式(4)で表される化合物を用いた以外は実施例2と同様の方法で二次電池を作製して評価した。
(実施例15)
LiBOBの代わりに前記式(4)で表される化合物を用いた以外は実施例3と同様の方法で二次電池を作製して評価した。
(実施例16)
LiBOBの代わりに前記式(4)で表される化合物を用いた以外は実施例4と同様の方法で二次電池を作製して評価した。
(実施例17)
LiBOBの代わりに前記式(4)で表される化合物を用いた以外は実施例5と同様の方法で二次電池を作製して評価した。
(比較例10)
LiBOBの代わりに前記式(4)で表される化合物を用いた以外は比較例1と同様の方法で二次電池を作製して評価した。
(比較例11)
LiBOBの代わりに前記式(4)で表される化合物を用いた以外は比較例3と同様の方法で二次電池を作製して評価した。
(比較例12)
LiBOBの代わりに前記式(4)で表される化合物を用いた以外は比較例5と同様の方法で二次電池を作製して評価した。
表4に、実施例13〜17、比較例10〜12の測定結果を示す。ホウ素を含む化合物としてLiBOBを用いた場合と同様に、前記式(4)で表される化合物を用いた場合にも、ホウ素を含む化合物と環状スルホン酸エステルの両方ともを含み、ホウ素を含む化合物の含有量が0.1〜2質量%であることにより、良好な特性が得られた。また、実施例14から16より、ホウ素を含む化合物の含有量は0.5〜1.5質量%が好ましいことが確認された。
LiBOBおよび前記式(4)で表される化合物は、いずれも分子中にホウ素を含む環状構造を有するアニオンとリチウムカチオンとの塩であり、このような構造は、負極または正極において該環状構造が開環してホウ素を含む皮膜を形成するのに適していると考えられる。したがって、本実施形態においては、LiBOBおよび前記式(4)で表される化合物に限定されず、前記式(2)で表されるホウ素を含む化合物を使用することができる。
Figure 2012243461
(実施例18)
PSの代わりに1,4−ブタンスルトン(BS)を用いた以外は実施例3と同様の方法で二次電池を作製して評価した。
(実施例19)
PSの代わりにメチレンメタンジスルホネート(MMDS)を1質量%用いた以外は実施例3と同様の方法で二次電池を作製して評価した。
(実施例20)
PSの代わりにエチレンメタンジスルホネート(EMDS)を1質量%用いた以外は実施例3と同様の方法で二次電池を作製して評価した。
表5に、実施例18〜20の測定結果を示す。いずれの環状スルホン酸エステルを用いた場合にも、PSと同様の電池性能が得られた。このことから、本実施形態においては、PS、BS、MMDSおよびEMDSに限定されず、負極上にスルホン酸基に由来する硫黄を含む皮膜を形成することが期待される環状スルホン酸エステルを用いることができる。
Figure 2012243461
(実施例21)
非水電解液のLiPF6濃度を0.7mol/Lとした以外は実施例3と同様の方法で二次電池を作製して評価した。
(実施例22)
非水電解液のLiPF6濃度を0.8mol/Lとした以外は実施例3と同様の方法で二次電池を作製して評価した。
(実施例23)
非水電解液のLiPF6濃度を1.2mol/Lとした以外は実施例3と同様の方法で二次電池を作製して評価した。
(実施例24)
非水電解液のLiPF6濃度を1.5mol/Lとした以外は実施例3と同様の方法で二次電池を作製して評価した。
表6に、実施例21〜24の測定結果を示す。実施例21〜24より、LiPF6濃度は0.8mol/L以上、1.5mol/L以下が好ましいことが確認された。
Figure 2012243461
本実施形態によれば、高い充放電効率および容量維持率を示す二次電池を提供することができる。また、該二次電池は、非水電解液の分解により発生するガスに由来する二次電池の体積増加を抑制することができる。したがって、内部ガスの影響を受けやすいラミネート型二次電池においても好適に用いることができる。
1 正極活物質層
2 負極活物質層
3 正極集電体
4 負極集電体
5 セパレータ
6 ラミネート外装体
7 負極タブ
8 正極タブ

Claims (20)

  1. 下記式(1)で表される正極活物質と、
    下記式(2)で表されるホウ素を含む化合物および環状スルホン酸エステルを含む非水電解液と、を備える二次電池であって、
    前記非水電解液が前記ホウ素を含む化合物を0.1質量%以上、2.0質量%以下含む二次電池。
    Lia(MxMn2-x-yy)(O4-ww) (1)
    (式(1)中、0.4≦x≦1.2、0≦y、x+y<2、0≦a≦1.2、0≦w≦1であり、Mは、Co、Ni、Fe、CrおよびCuからなる群から選択される少なくとも一種であり、Aは、Li、B、Na、Mg、Al、Ti、Si、KおよびCaからなる群から選択される少なくとも一種であり、Zは、FおよびClの少なくとも一種である。)
    Figure 2012243461
    (式(2)中、Z1はハロゲン原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のポリフルオロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数4〜20の環状炭化水素、またはXR1(ここでXは酸素原子、硫黄原子またはNR2を表し、R2は水素原子または置換もしくは無置換の炭素数1〜10のアルキル基を表し、R1は置換もしくは無置換の炭素数4〜20の環状炭化水素を表す。)を表す。A1およびA2はそれぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、またはA1がNR3でA2がNR4(ここでR3とR4はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のポリフルオロアルキル基、または置換もしくは無置換の炭素数4〜20の環状炭化水素を表す。R3とR4とは互いに結合して環構造を形成していても良い。)を表す。B1およびB2はそれぞれ独立に、カルボニル基、置換もしくは無置換のアルキレン基、またはポリフルオロアルキレン基を表す。L1は、メチレン基または単結合を表す。mは1または2、nは0または2を表し、2m+n=4である。)
  2. リチウム金属に対して4.5V以上に充放電領域を有する正極活物質と、
    下記式(2)で表されるホウ素を含む化合物および環状スルホン酸エステルを含む非水電解液と、を備える二次電池であって、
    前記非水電解液が前記ホウ素を含む化合物を0.1質量%以上、2.0質量%以下含む二次電池。
    Figure 2012243461
    (式(2)中、Z1はハロゲン原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のポリフルオロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数4〜20の環状炭化水素、またはXR1(ここでXは酸素原子、硫黄原子またはNR2を表し、R2は水素原子または置換もしくは無置換の炭素数1〜10のアルキル基を表し、R1は置換もしくは無置換の炭素数4〜20の環状炭化水素を表す。)を表す。A1およびA2はそれぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、またはA1がNR3でA2がNR4(ここでR3とR4はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のポリフルオロアルキル基、または置換もしくは無置換の炭素数4〜20の環状炭化水素を表す。R3とR4とは互いに結合して環構造を形成していても良い。)を表す。B1およびB2はそれぞれ独立に、カルボニル基、置換もしくは無置換のアルキレン基、またはポリフルオロアルキレン基を表す。L1は、メチレン基または単結合を表す。mは1または2、nは0または2を表し、2m+n=4である。)
  3. 前記式(2)で表される化合物が、下記式(3)で表される化合物である請求項1または2に記載の二次電池。
    Figure 2012243461
  4. 前記式(2)で表される化合物が、下記式(4)で表される化合物である請求項1または2に記載の二次電池。
    Figure 2012243461
  5. 前記非水電解液が前記ホウ素を含む化合物を0.5質量%以上、1.5質量%以下含む請求項1から4のいずれか1項に記載の二次電池。
  6. 前記非水電解液が前記環状スルホン酸エステルを0.1質量%以上、10質量%以下含む請求項1から5のいずれか1項に記載の二次電池。
  7. 前記環状スルホン酸エステルが1,3−プロパンスルトンである請求項1から6のいずれか1項に記載の二次電池。
  8. 前記非水電解液に含まれる前記環状スルホン酸エステルに対する前記ホウ素を含む化合物の質量比が、0.02以上、0.8以下である請求項1から7のいずれか1項に記載の二次電池。
  9. 前記非水電解液がLiPF6を0.8mol/L以上、1.5mol/L以下含む請求項1から8のいずれか1項に記載の二次電池。
  10. 前記二次電池がラミネート型二次電池である請求項1から9のいずれか1項に記載の二次電池。
  11. 下記式(1)で表される正極活物質と、下記式(2)で表されるホウ素を含む化合物および環状スルホン酸エステルを含む非水電解液であって、前記ホウ素を含む化合物を0.1質量%以上、2.0質量%以下含む非水電解液と、を準備する工程と、
    前記正極活物質と、前記非水電解液とを備える二次電池を組み立てる工程と、を含む二次電池の製造方法。
    Lia(MxMn2-x-yy)(O4-ww) (1)
    (式(1)中、0.4≦x≦1.2、0≦y、x+y<2、0≦a≦1.2、0≦w≦1であり、Mは、Co、Ni、Fe、CrおよびCuからなる群から選択される少なくとも一種であり、Aは、Li、B、Na、Mg、Al、Ti、Si、KおよびCaからなる群から選択される少なくとも一種であり、Zは、FおよびClの少なくとも一種である。)
    Figure 2012243461
    (式(2)中、Z1はハロゲン原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のポリフルオロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数4〜20の環状炭化水素、またはXR1(ここでXは酸素原子、硫黄原子またはNR2を表し、R2は水素原子または置換もしくは無置換の炭素数1〜10のアルキル基を表し、R1は置換もしくは無置換の炭素数4〜20の環状炭化水素を表す。)を表す。A1およびA2はそれぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、またはA1がNR3でA2がNR4(ここでR3とR4はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のポリフルオロアルキル基、または置換もしくは無置換の炭素数4〜20の環状炭化水素を表す。R3とR4とは互いに結合して環構造を形成していても良い。)を表す。B1およびB2はそれぞれ独立に、カルボニル基、置換もしくは無置換のアルキレン基、またはポリフルオロアルキレン基を表す。L1は、メチレン基または単結合を表す。mは1または2、nは0または2を表し、2m+n=4である。)
  12. リチウム金属に対して4.5V以上に充放電領域を有する正極活物質と、下記式(2)で表されるホウ素を含む化合物および環状スルホン酸エステルを含む非水電解液であって、前記ホウ素を含む化合物を0.1質量%以上、2.0質量%以下含む非水電解液と、を準備する工程と、
    前記正極活物質と、前記非水電解液とを備える二次電池を組み立てる工程と、を含む二次電池の製造方法。
    Figure 2012243461
    (式(2)中、Z1はハロゲン原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のポリフルオロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数4〜20の環状炭化水素、またはXR1(ここでXは酸素原子、硫黄原子またはNR2を表し、R2は水素原子または置換もしくは無置換の炭素数1〜10のアルキル基を表し、R1は置換もしくは無置換の炭素数4〜20の環状炭化水素を表す。)を表す。A1およびA2はそれぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、またはA1がNR3でA2がNR4(ここでR3とR4はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のポリフルオロアルキル基、または置換もしくは無置換の炭素数4〜20の環状炭化水素を表す。R3とR4とは互いに結合して環構造を形成していても良い。)を表す。B1およびB2はそれぞれ独立に、カルボニル基、置換もしくは無置換のアルキレン基、またはポリフルオロアルキレン基を表す。L1は、メチレン基または単結合を表す。mは1または2、nは0または2を表し、2m+n=4である。)
  13. 前記式(2)で表される化合物が、下記式(3)で表される化合物である請求項11または12に記載の二次電池の製造方法。
    Figure 2012243461
  14. 前記式(2)で表される化合物が、下記式(4)で表される化合物である請求項11または12に記載の二次電池の製造方法。
    Figure 2012243461
  15. 前記非水電解液が前記ホウ素を含む化合物を0.5質量%以上、1.5質量%以下含む請求項11から14のいずれか1項に記載の二次電池の製造方法。
  16. 前記非水電解液が前記環状スルホン酸エステルを0.1質量%以上、10質量%以下含む請求項11から15のいずれか1項に記載の二次電池の製造方法。
  17. 前記環状スルホン酸エステルが1,3−プロパンスルトンである請求項11から16のいずれか1項に記載の二次電池の製造方法。
  18. 前記非水電解液中に含まれる前記環状スルホン酸エステルに対する前記ホウ素を含む化合物の質量比が、0.02以上、0.8以下である請求項11から17のいずれか1項に記載の二次電池の製造方法。
  19. 前記非水電解液がLiPF6を0.8mol/L以上、1.5mol/L以下含む請求項11から18のいずれか1項に記載の二次電池の製造方法。
  20. 前記二次電池がラミネート型二次電池である請求項11から19のいずれか1項に記載の二次電池の製造方法。
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