JP2012241596A - 点火装置及び点火システム - Google Patents

点火装置及び点火システム Download PDF

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Abstract

【課題】ダイオードに規制されることなく点火プラグへと投入可能な電力エネルギーを増大させることで、エネルギー効率を改善し、着火性の向上を図る。
【解決手段】点火装置71は、点火プラグ1の間隙29に電圧を印加する電圧印加部31と、コンデンサ42を有し、間隙29に電力を投入する電力投入部41と、点火プラグ1及び電力投入部41間に直列接続され、電圧印加部31から電力投入部41への電流流入を防止するダイオード43と、点火プラグ1及び電力投入部41間に直列接続されたインダクタ44とを備える。コンデンサ42から間隙29までの電流経路の抵抗値と間隙29に電力を投入しているときの間隙29の抵抗値との合計抵抗値をR(Ω)とし、インダクタ44のインダクタンスをL(μH)とし、コンデンサ42の静電容量をC(μF)としたとき、1<4L/(C×R2)≦16を満たす。
【選択図】 図1

Description

本発明は、プラズマを生成して混合気等への着火を行うプラズマジェット点火プラグ用の点火装置に関する。
従来、内燃機関等の燃焼装置においては、火花放電により混合気へと着火する点火プラグが使用されている。また近年では、燃焼装置の高出力化や低燃費化の要求に応えるべく、燃焼の広がりが速く、着火限界空燃比のより高い希薄混合気に対してもより確実に着火可能な点火プラグとして、プラズマジェット点火プラグが提案されている。
一般にプラズマジェット点火プラグは、軸孔を有する筒状の絶縁碍子と、先端面が絶縁碍子の先端面よりも没入した状態で軸孔内に挿設される中心電極と、絶縁碍子の外周に配置される主体金具と、主体金具の先端部に接合される円環状の接地電極とを備える。また、プラズマジェット点火プラグは、中心電極の先端面及び軸孔の内周面によって形成された空間(キャビティ部)を有しており、当該キャビティ部は接地電極に形成された貫通孔を介して外部に連通されるようになっている。
このようなプラズマジェット点火プラグにおいては、次のようにして混合気への着火が行われる。まず、中心電極と接地電極との間に形成された間隙に電圧を印加して、当該間隙に火花放電を生じさせて絶縁破壊する。その上で、前記間隙に電力を投入することによってキャビティ部内の気体をプラズマ化させて、キャビティ部にプラズマを発生させる。そして、発生したプラズマをキャビティ部の開口から噴出させることで、混合気への着火が行われる。
また、一般にプラズマジェット点火プラグ用の点火装置は、間隙に電圧を印加し火花放電を生じさせるための電圧印加部と、コンデンサを有し間隙に電力を投入するための電力投入部とを備えている(例えば、特許文献1等参照)。また、プラズマジェット点火プラグと電圧印加部との間、及び、プラズマジェット点火プラグと電力投入部(コンデンサ)との間にはそれぞれダイオードが設けられ、電圧印加部及び電力投入部の一方から他方に対する電流の流入等を防止できるようになっている。さらに、プラズマジェット点火プラグ及び電力投入部(コンデンサ)間には、インダクタを設けることがある。インダクタを設けることで、電力投入部からプラズマジェット点火プラグに対する電力の投入時間の長期化や電流ピーク値の低減を図ることができ、着火性の向上やノイズ抑制等を図ることができる。
特開2010−218768号公報
ところで、インダクタを設けた場合には、電力投入部(コンデンサ)からプラズマジェット点火プラグに対する電力投入の際に、インダクタでエネルギーが発生することとなる。しかしながら、プラズマジェット点火プラグ及び電力投入部(コンデンサ)間に配置されたダイオードにより電流の流れる方向は一方向に限定されている。そのため、インダクタで発生したエネルギーによる逆電流は流れることなく、発生したエネルギーがそのまま消費されてしまうおそれがある。すなわち、電力投入部から出力される電力エネルギーの一部しかプラズマジェット点火プラグへと投入することができず、エネルギー効率が低下してしまうおそれがある。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、電力投入部から出力される電力エネルギーのうちダイオードに規制されることなく点火プラグへと投入可能な電力エネルギーを増大させることで、エネルギー効率を改善し、着火性の向上を図ることができる点火装置、及び、点火システムを提供することにある。
以下、上記目的を解決するのに適した各構成につき、項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する構成に特有の作用効果を付記する。
構成1.本構成の点火装置は、中心電極と、接地電極と、前記両電極間に形成された間隙の少なくとも一部の周囲を包囲して放電空間を形成するキャビティ部とを有するプラズマジェット点火プラグ用の点火装置であって、
前記間隙に電圧を印加する電圧印加部と、
コンデンサを有し、前記間隙に電力を投入する電力投入部と、
前記プラズマジェット点火プラグ及び前記電力投入部間に直列接続され、前記電圧印加部から前記電力投入部への電流流入を防止するダイオードと、
前記プラズマジェット点火プラグ及び前記電力投入部間に直列接続されたインダクタとを備え、
前記コンデンサから前記間隙までの電流経路の抵抗値と、前記間隙に電力を投入しているときの前記間隙の抵抗値との合計抵抗値をR(Ω)とし、
前記インダクタのインダクタンスをL(μH)とし、
前記コンデンサの静電容量をC(μF)としたとき、
1<4L/(C×R2)≦16
を満たすことを特徴とする。
ダイオードが存在しないものと仮定した場合において、コンデンサから点火プラグの間隙までの電流経路の抵抗値と、電力投入時における間隙の抵抗値との合計抵抗値をR(Ω)とし、インダクタのインダクタンスをL(μF)とし、コンデンサの静電容量をC(μF)としたとき、4L/C−R2>0〔4L/(C×R2)>1〕を満たす場合に、インダクタで発生したエネルギーにより逆電流が流れ、点火プラグを流れる電流は減衰振動することとなる〔図4(a)参照〕。そして、このような減衰振動が発生する条件において、ダイオードが存在する場合には、電力投入部から出力される電力エネルギーの多くが失われてしまい、エネルギー効率が低下してしまうおそれがある。
この点、上記構成1によれば、減衰振動する電流のうち最初の山部分(ファーストピーク)の電流は、ダイオードにより阻害されることなく点火プラグを流れる点を踏まえて〔図4(b)参照〕、4L/(C×R2)≦16(H/F・Ω2)を満たすように構成されており、ファーストピークで流れる電流を極力増大させることができるようになっている。すなわち、電力投入部から点火プラグへと出力される総電力エネルギーのうち、ダイオードにより阻害されることなく点火プラグへと投入される電力の占める割合が十分に大きくなるように構成されている。従って、ダイオードによるエネルギーの損失を低減させることができ、電力投入部から出力される電力エネルギーの大部分を点火プラグへと投入することができる(つまり、エネルギー効率を改善し、着火性の向上を図ることができる)。
尚、4L/(C×R2)の値を小さくするほど、ファーストピークで流れる電流を増大させることができ、エネルギー効率の改善効果を高めることができる。従って、4L/(C×R2)≦11を満たすように構成することがより好ましく、4L/(C×R2)≦6を満たすように構成することがより一層好ましい。
構成2.本構成の点火装置は、上記構成1において、前記コンデンサから前記間隙までの電流経路の抵抗値が0.1Ω以下であることを特徴とする。
上記構成2によれば、電力投入部から点火プラグへの電力投入時におけるエネルギーの損失を極めて少なくすることができる。その結果、エネルギー効率の更なる改善を図ることができ、着火性をより一層向上させることができる。
構成3.本構成の点火システムは、上記構成1又は2に記載の点火装置と、
前記電圧印加部及び前記電力投入部と電気的に接続されるプラズマジェット点火プラグとを備えることを特徴とする。
上記構成3によれば、上記構成1等と同様の作用効果が奏されることとなる。
点火システムの概略構成を示すブロック図である。 点火プラグの構成を示す一部破断正面図である。 コンデンサやインダクタ等に注目した場合の等価回路である。 (a)は、等価回路において、ダイオードが存在しないものとした場合の電流値の波形図であり、(b)は、等価回路における電流値の波形図である。 ダイオードが存在しないものとした等価回路において、4L/(C×R2)=51とした場合に点火プラグを流れる電流値の波形図である。 ダイオードが存在しないものとした等価回路において、4L/(C×R2)=11とした場合に点火プラグを流れる電流値の波形図である。 ダイオードが存在しないものとした等価回路において、4L/(C×R2)=2とした場合に点火プラグを流れる電流値の波形図である。 4L/(C×R2)の値とエネルギー投入効率との関係を示すグラフである。 別の実施形態における点火システムの概略構成を示すブロック図である。
以下に、一実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1は、プラズマジェット点火プラグ(以下、「点火プラグ」と称す)1と、電圧印加部31及び電力投入部41を具備する点火装置71とを備えた点火システム101の概略構成を示すブロック図である。尚、図1では、点火プラグ1を1つのみ示しているが、内燃機関ENには複数の気筒が設けられており、各気筒に対応して点火プラグ1が設けられている。そして、各点火プラグ1ごとに電圧印加部31や電力投入部41が設けられている。
まず、点火システム101の説明に先立って、点火プラグ1の概略構成を説明する。
図2は、点火プラグ1を示す一部破断正面図である。尚、図2では、点火プラグ1の軸線CL1方向を図面における上下方向とし、下側を点火プラグ1の先端側、上側を後端側として説明する。
点火プラグ1は、筒状をなす絶縁碍子2、これを保持する筒状の主体金具3などから構成されるものである。
絶縁碍子2は、周知のようにアルミナ等を焼成して形成されており、その外形部において、後端側に形成された後端側胴部10と、当該後端側胴部10よりも先端側において径方向外向きに突出形成された大径部11と、当該大径部11よりも先端側においてこれよりも細径に形成された中胴部12と、当該中胴部12よりも先端側においてこれよりも細径に形成された脚長部13とを備えている。加えて、絶縁碍子2のうち、大径部11、中胴部12、及び、脚長部13は、主体金具3の内部に収容されている。そして、中胴部12と脚長部13との連接部にはテーパ状の段部14が形成されており、当該段部14にて絶縁碍子2が主体金具3に係止されている。
さらに、絶縁碍子2には、軸線CL1に沿って軸孔4が貫通形成されており、当該軸孔4の先端側には中心電極5が挿入、固定されている。当該中心電極5は、熱伝導性に優れる銅や銅合金等からなる内層5A、及び、ニッケル(Ni)を主成分とするNi合金〔例えば、インコネル(商標名)600や601等〕からなる外層5Bを備えている。さらに、中心電極5は、全体として棒状(円柱状)をなし、その先端が絶縁碍子2の先端面よりも軸線CL1方向後端側に配置されている。加えて、中心電極5のうち、その先端から軸線CL1方向後端側に少なくとも0.3mmまでの部位には、タングステン(W)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、又は、これらの金属のうち少なくとも一種を主成分とする合金により形成された電極チップ5Cが設けられている。
また、軸孔4の後端側には、絶縁碍子2の後端から突出した状態で端子電極6が挿入、固定されている。
さらに、中心電極5と端子電極6との間には、円柱状のガラスシール層9が配設されている。当該ガラスシール層9により、中心電極5と端子電極6とがそれぞれ電気的に接続されるとともに、中心電極5及び端子電極6が絶縁碍子2に固定されている。
加えて、前記主体金具3は、低炭素鋼等の金属により筒状に形成されており、その外周面には点火プラグ1を燃焼装置(例えば、内燃機関や燃料電池改質器等)の取付孔に取付けるためのねじ部(雄ねじ部)15が形成されている。また、ねじ部15の後端側の外周面には座部16が形成され、ねじ部15後端のねじ首17にはリング状のガスケット18が嵌め込まれている。さらに、主体金具3の後端側には、主体金具3を前記燃焼装置に取付ける際にレンチ等の工具を係合させるための断面六角形状の工具係合部19が設けられるとともに、後端部において絶縁碍子2を保持するための加締め部20が設けられている。併せて、主体金具3の先端部外周には、軸線CL1方向先端側に向けて突出するように形成された環状の係合部21が形成されており、当該係合部21に対して後述する接地電極27が接合されるようになっている。
また、主体金具3の内周面には、絶縁碍子2を係止するためのテーパ状の段部22が設けられている。そして、絶縁碍子2は、主体金具3の後端側から先端側に向かって挿入され、自身の段部14が主体金具3の段部22に係止された状態で、主体金具3の後端側の開口部を径方向内側に加締めること、つまり上記加締め部20を形成することによって主体金具3に固定されている。尚、絶縁碍子2及び主体金具3双方の段部14,22間には、円環状の板パッキン23が介在されている。これにより、燃焼室内の気密性を保持し、絶縁碍子2の脚長部13と主体金具3の内周面との隙間に入り込む燃料ガスが外部に漏れないようになっている。
さらに、加締めによる密閉をより完全なものとするため、主体金具3の後端側においては、主体金具3と絶縁碍子2との間に環状のリング部材24,25が介在され、リング部材24,25間にはタルク(滑石)26の粉末が充填されている。すなわち、主体金具3は、板パッキン23、リング部材24,25及びタルク26を介して絶縁碍子2を保持している。
また、主体金具3の先端部には、絶縁碍子2の先端よりも軸線CL1方向先端側に位置するようにして、円板状をなす接地電極27が接合されている。当該接地電極27は、前記主体金具3の係合部21に係合された状態で、自身の外周部分が前記係合部21に対して溶接されることで主体金具3に接合されている。尚、本実施形態において、接地電極27は、W、Ir、Pt,Ni、又は、これらの金属のうち少なくとも一種を主成分とする合金により構成されている。
加えて、接地電極27は、自身の中央に板厚方向に貫通する貫通孔27Hを有している。そして、軸孔4の内周面と中心電極5の先端面とにより形成され、先端側に向けて開口する円柱状の空間であるキャビティ部28が、前記貫通孔27Hを介して外部へと連通されている。
上述した点火プラグ1においては、中心電極5と接地電極27との間に形成された間隙29に高電圧を印加することにより火花放電を生じさせた上で、間隙29に電力を投入し、放電状態を遷移させることで、キャビティ部28にプラズマを生成するようになっている。そこで次に、点火プラグ1の前記間隙29に高電圧を印加するための電圧印加部31、及び、間隙29に電力を投入するための電力投入部41の構成について説明する。
図1に示すように、電圧印加部31は、電力投入部41から自身に対する電流の流入を防止するためのダイオード36、及び、ノイズ抑制用の抵抗37を介して点火プラグ1に対して電気的に接続されている。また、電圧印加部31は、一次コイル32、二次コイル33、コア34、及び、イグナイタ35を備えている。
一次コイル32は、前記コア34を中心に巻回されており、その一端が電力供給用のバッテリVAに接続されるとともに、その他端がイグナイタ35に接続されている。また、二次コイル33は、前記コア34を中心に巻回されており、その一端が一次コイル32及びバッテリVA間に接続されるとともに、その他端が点火プラグ1の端子電極6に接続されている。
加えて、イグナイタ35は、所定のトランジスタにより形成されており、所定のECU(電子制御装置)51から入力される通電信号に応じて、バッテリVAから一次コイル32に対する電力の供給及び供給停止を切り替える。点火プラグ1に高電圧を印加する場合には、バッテリVAから一次コイル32に電流を流し、前記コア34の周囲に磁界を形成した上で、ECU51からの通電信号をオンからオフに切り替えることにより、バッテリVAから一次コイル32に対する通電を停止する。通電の停止により、前記コア34の磁界が変化し、二次コイル33に負極性の高電圧(例えば、5kV〜30kV)が発生する。この高電圧が点火プラグ1(端子電極6)に印加されることで、間隙29において火花放電を発生させることができる。
加えて、前記電力投入部41は、点火プラグ1に対して電気的に接続されており、電源装置PSと、コンデンサ42とを備えている。
電源装置PSは、負極性の高電圧(例えば、500V〜1500V)を発生可能な電源回路であり、点火プラグ1及びコンデンサ42に対して電気的に接続されている。また、ECU51により、電源装置PSからコンデンサ42に対する充電タイミングが制御されており、電力投入部41(コンデンサ42)から点火プラグ1に対する電力の投入前(点火プラグ1における火花放電の前)に、コンデンサ42に対する充電が行われるようになっている。
加えて、コンデンサ42は、一端が電源装置PS及び後述するインダクタ44間に接続されるとともに、自身の他端が接地されている。そして、前記間隙29にて火花放電が生じ、前記両電極5,27間が絶縁破壊されると、コンデンサ42に蓄積された電力が後述するダイオード43やインダクタ44を介して点火プラグ1へと投入され、プラズマが生成されるようになっている。尚、プラズマ生成時において、間隙29を流れる電流は比較的大きく(例えば、10A以上)、点火プラグ1の間隙29の抵抗値R2は小さいもの(例えば、0.1Ω〜10Ω程度)となる。
また、電力投入部41と点火プラグ1との間には、電圧印加部31から電力投入部41への電流流入を防止するダイオード43(本発明のダイオードに相当する)が直列接続されている。加えて、ダイオード43と電力投入部41との間には、インダクタ44が直列接続されている。インダクタ44の存在により、キャビティ部28からのプラズマの噴出をある程度の時間に亘って継続させることや、電力投入時における電流のピーク値を低減させること等が可能となっている。
さらに、本実施形態では、電力投入部41から点火プラグ1に投入される電力エネルギーの損失抑制を図るべく、コンデンサ42から間隙29(中心電極5の先端)までの電流経路の抵抗値R1が0.1Ω以下とされている。
ところで、コンデンサ42、ダイオード43、インダクタ44、及び、点火プラグ1に注目した場合において、点火プラグ1のプラズマ生成時における回路構成は、図3に示す等価回路と同様のものとなる。そして、本実施形態における点火装置71においては、コンデンサ42の静電容量をC(μF)とし、インダクタ44のインダクタンスL(μH)とし、コンデンサ42から間隙29までの電流経路の抵抗値R1(Ω)と、間隙29に電力を投入しているときの間隙29の抵抗値R2(Ω)との合計抵抗値をR(Ω)としたとき、4L/C−R2>0を満たす〔つまり、1<4L/(C×R2)を満たす〕ように構成されている。すなわち、次述する減衰振動の発生条件を満たすこととなっている。
4L/C−R2>0を満たすことにより、前記等価回路においてダイオード43が存在しないものと仮定した場合には、図4(a)に示すように、電力投入部41(コンデンサ42)から点火プラグ1への電力投入に伴いインダクタ44で逆電流が生じるため、コンデンサ42とインダクタ44との間でエネルギーが行き来し、点火プラグ1を流れる電流は減衰振動することとなる。ところが、本実施形態のように、ダイオード43が存在する場合には、電流が一方向にしか流れないため、図4(b)に示すように、点火プラグ1には、減衰振動する電流のうち最初の山部分(ファーストピーク)の電流のみが流れることとなる。すなわち、ダイオード43の存在により、インダクタ44で発生したエネルギーによる逆電流は流れることなく、発生したエネルギーがそのまま消費されてしまうこととなる。
この点を考慮して、本実施形態においては、コンデンサ42の静電容量C(μF)、インダクタ44のインダクタンスL(μH)、及び、前記合計抵抗値Rが、4L/(C×R2)≦16(H/F・Ω2)を満たすように構成されている。すなわち、前記等価回路を流れる電流i(t)は、i(t)=A×exp(−αt)×sin(βt)の式で表されるところ、4L/(C×R2)の値を小さくすることで、ファーストピークで流れる電流が極力大きなものとなるように構成されている〔尚、A=C×V×{β+(α2/β)}であり、α=R/2Lであり、β=(1/2L)×{(4L/C)−R21/2であり、また、Vは、電源装置PSの出力電圧(V)である〕。
例えば、ダイオード43が存在しないものと仮定した前記等価回路において、4L/(C×R2)>16とした場合には、図5〔図5は、4L/(C×R2)=51としたときの電流値を示す波形図である〕に示すように、ファーストピーク以降にも比較的大きな電流が流れることとなるが、この電流は実際にはダイオード43の存在により点火プラグ1へと流れることなく、無駄に消費されてしまう。(尚、図5は、電源装置PSの出力電圧Vを300Vとし、コンデンサ42の静電容量Cを2.2μFとし、インダクタ44のインダクタンスLを1.1μHとし、合計抵抗値Rを1Ωとしたときのものである。)
これに対して、ダイオード43が存在しないものと仮定した前記等価回路において、4L/(C×R2)≦16とした場合には、図6及び図7〔図6は、4L/(C×R2)=11としたときの電流値を示す波形図であり、図7は、4L/(C×R2)=2としたときの電流値を示す波形図である〕に示すように、ファーストピークで流れる電流が大きなものとなり、ファーストピーク以降に流れる電流が小さくなる。すなわち、本実施形態では、電力投入部41から点火プラグ1へと出力される総電力エネルギーのうち、ダイオード43により阻害されることなく点火プラグ1へと投入される電力の占める割合が十分に大きなものとなるように構成されている。(尚、図6は、電源装置PSの出力電圧Vを300Vとし、コンデンサ42の静電容量Cを2.2μFとし、インダクタ44のインダクタンスLを6μHとし、合計抵抗値Rを1Ωとしたときのものである。また、図7は、電源装置PSの出力電圧Vを300Vとし、コンデンサ42の静電容量Cを2.2μFとし、インダクタ44のインダクタンスLを28μHとし、合計抵抗値Rを1Ωとしたときのものである。)
以上詳述したように、本実施形態によれば、4L/(C×R2)≦16を満たすように構成されているため、ファーストピークで流れる電流を極力増大させることができる。これにより、ダイオード43によるエネルギーの損失を低減させることができ、電力投入部41から出力される電力エネルギーの大部分を点火プラグ1へと投入することができる。
さらに、コンデンサ42から間隙29までの電流経路の抵抗値R2が0.1Ω以下とされているため、電力投入部41から点火プラグ1への電力投入時におけるエネルギーの損失を極めて少なくすることができる。その結果、エネルギー効率の更なる改善を図ることができ、着火性をより一層向上させることができる。
また、中心電極5を負極として火花放電及びプラズマ生成を行うことができ、着火性や電極の耐消耗性を向上させることができる。
次いで、上記実施形態によって奏される作用効果を確認すべく、投入効率評価試験を行った。投入効率評価試験の概要は次の通りである。すなわち、インダクタのインダクタンスL(μH)などを変更することで、4L/(C×R2)の値を種々変更した点火装置のサンプルを作製するとともに、各サンプルのコンデンサを充電し、コンデンサに充電された電力エネルギー(充電エネルギー)を測定した。そして、各サンプルの電力投入部から点火プラグへと電力を供給するとともに、間隙の放電電流を測定し、当該放電電流と放電時における間隙の抵抗とに基づいて、点火プラグに対して投入された電力エネルギーを算出した。その後、算出された電力エネルギーを前記充電エネルギーで除算した値に100を乗じることにより、エネルギー投入効率を得た。尚、放電時における間隙の抵抗は厳密には一定とならないが、一般に0.5Ω〜2Ω程度となり、また、前記抵抗値R2は非常に小さい。そこで、本試験では、前記合計抵抗値Rが放電時における間隙の抵抗と等しいものとし、合計抵抗値R(間隙の抵抗)を0.5Ω、1Ω、又は、2Ωとしたときのエネルギー投入効率をそれぞれ算出した。図8に、4L/(C×R2)の値とエネルギー投入効率との関係を表すグラフを示す。尚、図8においては、合計抵抗値Rを0.5Ωとしたときの試験結果を丸印で示し、合計抵抗値Rを1Ωとしたときの試験結果を三角で示し、合計抵抗値Rを2Ωとしたときの試験結果を四角で示す。また、各サンプルともに、コンデンサの静電容量を3.3μFとし、電源装置の出力電圧を600Vとした。
図8に示すように、4L/(C×R2)≦16を満たすサンプルは、エネルギー投入効率が80%以上となり、優れたエネルギー効率を実現できることが確認された。また特に、4L/(C×R2)≦11を満たすサンプルは、エネルギー投入効率が85%以上となり、4L/(C×R2)≦6を満たすサンプルは、エネルギー投入効率が90%以上となることが分かった。
以上の結果より、エネルギー効率を改善し、着火性の向上を図るべく、4L/(C×R2)≦16を満たすように構成することが好ましいといえる。また、エネルギー効率の更なる改善を図るべく、4L/(C×R2)≦11を満たすことがより好ましく、4L/(C×R2)≦6を満たすことがより一層好ましいといえる。
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
(a)上記実施形態では、電源装置PSとして、負極性の高電圧を発生可能な電源回路が用いられているが、一般に負極性の高電圧を発生させることは比較的難しく、負電圧の発生を確認するモニタリング手段の構成は複雑なものとなってしまいやすい。そのため、製造コストの増大や装置の複雑化を招いてしまうおそれがある。この点を鑑みて、図9に示すように、電源装置PS2として、正極性の高電圧を発生可能な電源回路を用いてもよい。電源装置PS2として正極性の電圧を発生させるものを用いることで、製造コストを抑制できるとともに、装置の複雑化をより確実に防止することができる。また、正極性の高電圧を発生させる電源装置PS2を用いる場合には、コンデンサ45をインダクタ44及び電源装置PS2間に直列接続するとともに、一端がインダクタ44及びコンデンサ45間に接続され、他端が接地された半導体スイッチ(例えば、FETやトランジスタなど)52と、一端がコンデンサ45及び電源装置PS2間に接続され、他端が接地された半導体スイッチ53とを設けることとしてもよい〔尚、半導体スイッチ52は、コンデンサ45への充電時にオンとされ、電力投入部41(コンデンサ45)から点火プラグ1への電力投入時にオフとされる。また、半導体スイッチ53は、コンデンサ45への充電時にオフとされ、点火プラグ1への電力投入時にオンとされる。〕。この場合には、正極性の電圧を発生させる電源装置PS2を用いつつ、中心電極5を負極としてプラズマ生成を行うことができ、着火性や耐消耗性を向上させることができる。
(b)上記実施形態では、各点火プラグ1ごとに電圧印加部31や電力投入部41が設けられているが、各点火プラグ1ごとに電圧印加部31や電力投入部41を設けることなく、電圧印加部31や電力投入部41からの電力をディストリビュータを介して各点火プラグ1に供給することとしてもよい。
(c)上記実施形態における点火プラグ1の構成は例示であって、利用可能なプラズマジェット点火プラグの構成は特に限定されるものではない。従って、例えば、接地電極27のうち火花放電に伴い消耗する内周側の部位のみをWやIr等の金属により形成することとしてもよいし、電極チップ5Cを設けることなく、中心電極5を構成することとしてもよい。
1…点火プラグ(プラズマジェット点火プラグ)、5…中心電極、27…接地電極、28…キャビティ部、29…間隙、31…電圧印加部、41…電力投入部、42…コンデンサ、43…ダイオード、44…インダクタ、71…点火装置、101…点火システム。

Claims (3)

  1. 中心電極と、接地電極と、前記両電極間に形成された間隙の少なくとも一部の周囲を包囲して放電空間を形成するキャビティ部とを有するプラズマジェット点火プラグ用の点火装置であって、
    前記間隙に電圧を印加する電圧印加部と、
    コンデンサを有し、前記間隙に電力を投入する電力投入部と、
    前記プラズマジェット点火プラグ及び前記電力投入部間に直列接続され、前記電圧印加部から前記電力投入部への電流流入を防止するダイオードと、
    前記プラズマジェット点火プラグ及び前記電力投入部間に直列接続されたインダクタとを備え、
    前記コンデンサから前記間隙までの電流経路の抵抗値と、前記間隙に電力を投入しているときの前記間隙の抵抗値との合計抵抗値をR(Ω)とし、
    前記インダクタのインダクタンスをL(μH)とし、
    前記コンデンサの静電容量をC(μF)としたとき、
    1<4L/(C×R2)≦16
    を満たすことを特徴とする点火装置。
  2. 前記コンデンサから前記間隙までの電流経路の抵抗値が0.1Ω以下であることを特徴とする請求項1に記載の点火装置。
  3. 請求項1又は2に記載の点火装置と、
    前記電圧印加部及び前記電力投入部と電気的に接続されるプラズマジェット点火プラグとを備えることを特徴とする点火システム。
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