以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本実施形態の電子内視鏡装置1のブロック図である。図1に示されるように、本実施形態の電子内視鏡装置1は、電子内視鏡100と、電子内視鏡用プロセッサ200と、モニタ300とを有する。
電子内視鏡用プロセッサ200は、システムコントローラ202、タイミングコントローラ204等を有している。システムコントローラ202は、メモリ203に記憶された各種プログラムを実行し、電子内視鏡装置1全体を統括的に制御する。また、システムコントローラ202は、タッチパネル218に接続され、タッチパネル218から入力されるユーザからの指示に応じて、電子内視鏡装置1の各動作及び各動作のためのパラメータを変更する。タイミングコントローラ204は、信号の処理タイミングを調整するクロックパルスを電子内視鏡装置1内の各種回路に出力する。
ランプ208は、ランプ電源イグナイタ206による始動後、白色光を放射する。ランプ208には、キセノンランプ、ハロゲンランプ、水銀ランプ、メタルハライドランプ等の高輝度ランプが適している。ランプ208から放射された照明光Lは、後述するように、フィルタターレット212に設けられたフィルタ212a、212b、212c及び212dのいずれか1つを通過する。そして、集光レンズ210によって集光されつつ、絞り(不図示)を介して適正な光量に制限されて、LCB(Light Carrying Bundle)102の入射端に入射する。
図2は、本実施形態のフィルタターレット212を集光レンズ210側から見た時の正面図である。フィルタターレット212は、フィルタ212a、212b、212c及び212dが配置された円盤状の部材であり、その中心はモータ214の回転軸214aに連結され、モータ214によって回転駆動される。フィルタ212a、212b、212c及び212dは、それぞれ異なる透過特性を有した光学フィルタであり、モータ214の回転軸214aを中心として、略90度の間隔で配置されている。また、フィルタターレット212のフィルタ212cと212dとの間には、フィルタターレット212の基準位置を示す円形の開口212eが形成されている。開口212eは、フィルタターレット212がモータ214によって回転駆動される時、フィルタターレット212の近傍に配置されたフォトインタラプタ213によって検出され、フィルタターレット212の回転位置の制御のために用いられる。フォトインタラプタ213は、開口212eを検出してその検出信号をドライバ216に出力する。モータ214は、例えばパルスモータであり、ドライバ216の制御下で駆動する。ドライバ216は、フォトインタラプタ213からの検出信号(すなわち、開口212eの位置)を基準として、所定のパルス信号をモータ214に供給し、フィルタターレット212の回転位置を制御する。ユーザは、タッチパネル218を操作することにより、フィルタ212a、212b、212c又は212dのいずれか1つを選択することが可能になっており、ランプ208から放射された照明光Lが、ユーザに選択されたフィルタ212a、212b、212c又は212dのいずれか1つを透過するようにフィルタターレット212の回転位置が制御される。例えば、フィルタターレット212が、図2に示されるように配置された場合、照明光L(図2の点線部)は、フィルタ212aを透過し、集光レンズ210によって集光されて、LCB102の入射端に入射する。
図3は、本実施形態のフィルタ212a、212b、212c及び212dの透過特性図である。フィルタ212aは、ランプ208から放射された照明光Lをそのまま透過させる無色のフィルタである。従って、ランプ208から放射された幅広いスペクトルを有する白色光がフィルタ212aを介して放射される。フィルタ212bは、ランプ208から放射された照明光Lについて波長415nmをピークとする狭帯域(例えば、±10nm)の光だけ抽出するフィルタである。従って、ランプ208から放射された照明光Lは、フィルタ212bを通過することによって青色の狭帯域光に変換されて放射される。また、フィルタ212cは、ランプ208から放射された照明光Lについて波長540nmをピークとする狭帯域(例えば、±10nm)の光だけ抽出するフィルタである。従って、ランプ208から放射された照明光Lは、フィルタ212cを通過することによって緑色の狭帯域光に変換されて放射される。また、フィルタ212dは、ランプ208から放射された照明光Lについて波長650nmをピークとする狭帯域(例えば、±10nm)の光だけ抽出するフィルタである。従って、ランプ208から放射された照明光Lは、フィルタ212dを通過することによって赤色の狭帯域光に変換されて放射される。上述のように、本実施形態においては、ユーザがタッチパネル218を操作することにより、フィルタ212a、212b、212c又は212dのいずれか1つを選択可能に構成されており、これらのフィルタを適宜切り換えることにより、所望する白色光又は狭帯域光(すなわち、特殊光)による被写体の観察が可能となっている。なお、フィルタ212b及び212cによって得られる光は、血液中のヘモグロビンによって吸収される波長帯域であるため、電子内視鏡装置1によって血管を観察する場合に有効である。また、フィルタ212dによって得られる光は、フィルタ212b及び212cによって得られる光よりも被写体の上皮に深く侵入するため、被写体の深層部を観察する場合に有効である。
図1に示すように、フィルタ212a、212b、212c又は212dを透過し、LCB102の入射端に入射した光は、LCB102内を全反射を繰り返すことによって伝播する。LCB102内を伝播した照明光は、電子内視鏡100の先端に配されたLCB102の出射端から出射する。LCB102の出射端から出射した照明光は、配光レンズ104を介して被写体を照明する。被写体からの反射光は、対物レンズ106を介して固体撮像素子108の受光面上の各画素で光学像を結ぶ。
固体撮像素子108は、IR(InfraRed)カットフィルタ108a、ベイヤ配列カラーフィルタ108bの各種フィルタが受光面前面に配置された単板式カラーCCD(Charge-Coupled Device)イメージセンサであり、受光面上の各画素で結像した光学像を光量に応じた電荷として蓄積して、R、G、Bの各色に応じた撮像信号に変換する。変換された撮像信号は、ドライバ信号処理回路112に入力されAD変換、信号増幅等の処理後、電子内視鏡用プロセッサ200の色補間回路220に出力される。なお、別の実施形態では、固体撮像素子108は、CCDイメージセンサに限らず、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサであってもよい。
ドライバ信号処理回路112は、メモリ114にアクセスして電子内視鏡100の固有情報を読み出す。電子内視鏡100の固有情報には、例えば固体撮像素子108の画素数や感度、対応可能なレート、型番等が含まれる。ドライバ信号処理回路112は、メモリ114から読み出した固有情報をシステムコントローラ202に出力する。
システムコントローラ202は、電子内視鏡100の固有情報に基づいて各種演算を行い、制御信号を生成する。システムコントローラ202は、生成された制御信号を用いて、電子内視鏡用プロセッサ200に接続中の電子スコープに適した処理がなされるように電子内視鏡用プロセッサ200内の各種回路の動作やタイミングを制御する。
タイミングコントローラ204は、システムコントローラ202によるタイミング制御に従って、ドライバ信号処理回路112にクロックパルスを供給する。ドライバ信号処理回路112は、タイミングコントローラ204から供給されるクロックパルスに従って、固体撮像素子108を電子内視鏡用プロセッサ200側で処理される映像のフレームレートに同期したタイミングで駆動制御する。
色補間回路220は、ドライバ信号処理回路112によって処理されたR、G、Bの各色の撮像信号、すなわち固体撮像素子108の各画素に対応する輝度信号について周知の色補間処理を行う。具体的には、固体撮像素子108のRの画素に対応する輝度信号については、周辺のG及びBの画素に対応する輝度信号からRの画素におけるG及びBの輝度信号を演算によって求め、固体撮像素子108のGの画素に対応する輝度信号については、周辺のR及びBの画素に対応する輝度信号からGの画素におけるR及びBの輝度信号を演算によって求め、固体撮像素子108のBの画素に対応する輝度信号については、周辺のR及びGの画素の輝度信号からBの画素におけるR及びGの輝度信号を演算によって求める。すなわち、色補間回路220における色補間処理によって、固体撮像素子108の各画素に対応するR、G、Bの輝度信号(輝度情報)が生成されることとなる。そして、色補間処理がされた撮像信号は、信号処理回路230の色変換回路232に送られる。
信号処理回路230は、色変換回路232、輝度調整回路234及び色調整回路236を有する。
色変換回路232は、色補間回路220から入力される各画素のR、G、Bの輝度信号について、色変換処理を行う回路である。具体的には、下記の数1に示すマトリックス演算を行うことにより、色補間回路220から入力されるR、G、Bの撮像信号について色変換を行うと共に、さらに色変換されたR、G、Bの撮像信号について輝度信号Y及び色差信号Cb、Crに変換する。
数1においては、色補間回路220から入力されるR、G、Bの各撮像信号をRin、Gin、Binで表わし、色変換処理後のR、G、Bの各撮像信号をRout、Gout、Boutで表わしている。また、M11〜M33は、カラーマトリックスMの行列要素であり、この値を適宜変更しRin、Gin、Binのバランスを変更することにより、内視鏡画像の色バランスを調整することが可能となる。本実施形態においては、M11、M12、・・・M33をそれぞれ、画像パラメータ1、2、・・・9と称する。画像パラメータ1、2、・・・9は、後述する画像調整処理において、ユーザと、ユーザによって選択されたフィルタ212a、212b、212c又は212dとに応じて設定され、また、ユーザが所望する値に変更可能に構成される。このように、数1によって色変換されたR、G、Bの各撮像信号(Rout、Gout、Bout)は、さらに周知のマトリックス演算によってR、G、B表色系からY、Cr、Cb表色系、すなわち輝度信号Y及び色差信号Cr、Cbに変換されて、後段の輝度調整回路234及び色調整回路236に送られる。
輝度調整回路234は、色変換回路232から入力される輝度信号Yのゲイン値(増幅率)を調整することにより、内視鏡画像の明るさ(輝度)を調整する。輝度信号Yのゲイン値は、画像パラメータ1、2、・・・9と同様、後述する画像調整処理において、ユーザと、ユーザによって選択されたフィルタ212a、212b、212c又は212dとに応じて設定され、また、ユーザが所望する値に変更可能に構成される。このように、輝度調整回路234によってゲインが調整された輝度信号Yは、後段のガンマ補正回路240に送られる。なお、本実施形態においては、輝度調整回路234によって調整される輝度信号Yのゲイン値を画像パラメータ10と称する。
色調整回路236は、色変換回路232から入力される色差信号Cb、Crのゲイン値(増幅率)を調整することにより、内視鏡画像の色バランスを調整する。色差信号Cb、Crは、画像パラメータ1、2、・・・10と同様、後述する画像調整処理において、ユーザと、ユーザによって選択されたフィルタ212a、212b、212c又は212dとに応じて設定され、また、ユーザが所望する値に変更可能に構成される。このように、色調整回路236によってゲインが調整された色差信号Cb、Crは、後段のガンマ補正回路240に送られる。なお、本実施形態においては、色調整回路236によって調整される色差信号Cb、Crのゲイン値をそれぞれ画像パラメータ11及び12と称する。
輝度調整回路234及び色調整回路236によって調整された輝度信号Y及び色差信号Cb、Crは、ガンマ補正回路240に入力される。ガンマ補正回路240は、周知のガンマ補正を行うための回路であり、入力される輝度信号Y及び色差信号Cb、Crを、モニタ300の特性に応じて補正し、所定の形式のビデオ信号(例えば、NTSC形式)に変換してモニタ300に出力する。この結果、電子内視鏡100の固体撮像素子108によって撮像された被写体の内視鏡画像が、色バランス調整及び輝度調整された上でモニタ300に表示されることになる。
上述のように、本実施形態の電子内視鏡装置1に内蔵される信号処理回路230は、色変換回路232、輝度調整回路234及び色調整回路236を有し、これらの回路で用いられる画像パラメータ1〜12を、ユーザと、ユーザによって選択されたフィルタ212a、212b、212c又は212dとに応じて設定することにより、選択された特殊光(照明光)に応じた色バランス調整及び輝度調整を可能にすると共に、ユーザが所望する色バランス調整及び輝度調整をも可能にしている。従って、ユーザが観察する部位や被写体の画角(大きさ)によって特殊光を変えながら観察を行った場合でも、最適な色バランス調整及び輝度調整が行われることとなる。なお、色変換回路232の画像パラメータ1〜9は、色バランスに大きく影響を及ぼすパラメータであるため、一種の粗調整として機能し、輝度調整回路234及び色調整回路236の画像パラメータ10〜12は、微調整として機能する。本実施形態においては、輝度調整回路234及び色調整回路236の画像パラメータ10〜12は、モニタ300を見ながら調整することも可能に構成され、例えば、タッチパネル218に輝度調整用のユーザインターフェース及び色調整用のユーザインターフェースを表示し、ユーザがこれらを操作することによって画像パラメータ10〜12を変更することも可能である。
本実施形態においては、画像パラメータ1〜12は、メモリ203に記憶された画像パラメータ管理データベースによって管理されており、画像パラメータ管理データベースは、システムコントローラ202によって所望の画像パラメータ1〜12の読み出し及び書き込み(記憶)がなされる。メモリ203は、例えば、フラッシュROM等の不揮発性メモリである。図4は、本実施形態の画像調整処理で用いられる画像パラメータ1〜12が記憶された画像パラメータ管理データベースを説明する図である。画像パラメータ管理データベースは、タッチパネル218を介して設定されるユーザと、ユーザによって選択されているフィルタ212a、212b、212c又は212dとの組み合わせによって既に記憶されている(プリセットされている)画像パラメータ1〜12を読み出したり、新たに画像パラメータ1〜12を記憶したりするためのデータベースである。本実施形態においては、ユーザは、タッチパネル218を介してユーザIDを入力することができるように構成されており、入力されたユーザIDは、カレントユーザIDとしてシステムコントローラ202に内蔵されたメモリ(不図示)に記憶される。また、ユーザがタッチパネル218を操作することにより選択したフィルタ212a、212b、212c又は212dは、カレントフィルタNoとして、システムコントローラ202に内蔵されたメモリ(不図示)に記憶される。なお、本実施形態においては、フィルタ212a、212b、212c及び212dは、それぞれカレントフィルタNoの「0」、「1」、「2」、「3」に対応する。そして、システムコントローラ202は、システムコントローラ202に内蔵されたメモリに記憶されたカレントユーザID及びカレントフィルタNoの情報に基づいて、画像パラメータ管理データベースから所定の画像パラメータ1〜12を読み出したり、新たな画像パラメータを1〜12を記憶したりする。
図4に示されるように、画像パラメータ管理データベースは、ユーザデータベース(以下、「ユーザDB」と称する)、パラメータデータベース(以下、「パラメータDBと称する」及びパラメータセットデータベース(以下、「パラメータセットDB」と称する)より構成される。ユーザDBは、カレントユーザIDとカレントフィルタNoとから、各ユーザがフィルタ212a、212b、212c及び212dのそれぞれに対して予め設定している画像パラメータ1〜12を求めるものであり、画像パラメータ1〜12を一組のパラメータセットとして特定するためのプリセット設定値を求めるデータベースである。パラメータDBは、フィルタNoと、ユーザDBで求められたプリセット設定値とからパラメータセットDB内のパラメータセットを特定するデータベースである。パラメータセットDBは、画像パラメータ1〜12を一組のパラメータセットとして複数のパラメータセットを記憶するデータベースであり、パラメータDBで一組のパラメータセット(すなわち、画像パラメータ1〜12(図4におけるParam1〜12))が特定されることにより、特定されたParam1〜12の設定値がシステムコントローラ202によって参照される。図4の場合、カレントユーザID及びカレントフィルタNoにはそれぞれ「3」が設定されているため、システムコントローラ202は、このカレントユーザIDに対応するユーザID「3」と、カレントフィルタNoに対応するフィルタNo「3」とを条件にユーザDBを検索し、プリセット設定値「2」を得る。次いで、システムコントローラ202は、フィルタNo「3」とプリセット設定値「2」とを条件にパラメータDBを検索し、「パラメータセット12」を得る。そして、システムコントローラ202によって、パラメータセットDBの「パラメータセット12」として記憶されているParam1〜12(画像パラメータ1〜12)が参照される。システムコントローラ202によって参照された画像パラメータ1〜12は、システムコントローラ202に内蔵されるワーキングメモリ(不図示)に記憶された後、上述の色変換回路232、輝度調整回路234及び色調整回路236に設定される。その結果、カレントユーザID「3」のユーザ(すなわち、Dr.C)がカレントフィルタNo「3」(すなわち、フィルタ212c)に対して予め設定していた色バランス調整及び輝度調整がなされた内視鏡画像がモニタ300上に表示される。このように、本実施形態においては、ユーザと、ユーザによって選択されているフィルタ212a、212b、212c又は212dとの組み合わせによって、画像パラメータ1〜12がデータベース管理されている。そして、フィルタ212a、212b、212c及び212dの各フィルタ(すなわち、各特殊光)に対するユーザの好みの色バランス値及び輝度調整値をパラメータセットとして画像パラメータ管理データベースに登録しておくことで、各フィルタを切り換えた時に、ユーザが所望する色バランス調整及び輝度調整を自動で行えるように構成されている。なお、本実施形態においては、フィルタ212a、212b、212c及び212dの各フィルタに対して、3つのプリセット設定値を割り当て、12個のパラメータセットを用いる構成としているが、本発明はこの構成に限定されるものではなく、プリセット設定値及びパラメータセットの数は、例えば、ユーザIDの数に応じて増減する構成としてもよい。
次に、図5から図11を参照しながら、本実施形態のシステムコントローラ202で実行される画像調整処理について説明する。図5は、本実施形態の画像調整処理ルーチンのメインフローチャートである。図5に示される画像調整処理ルーチンは、本実施形態の電子内視鏡装置1の電源投入によって実行される。
本ルーチンが開始すると、ステップS1が実行される。ステップS1では、システムコントローラ202は、メモリ203及びメモリ114から各種パラメータを読み出し、電子内視鏡装置1全体のシステム起動処理(すなわち、初期化処理)を行う。次いでステップS2に進む。
ステップS2では、システムコントローラ202は、メモリ203に記憶されている画像パラメータ1〜12のデフォルト値(初期値)を読み出す。具体的には、電源投入直後(すなわち、ステップS2では)、カレントユーザID及びカレントフィルタNoに「0」を設定し、このユーザID及びフィルタNoに基づいて画像パラメータ管理データベースから画像パラメータ1〜12を読み出す。図6は、初期値を読み出す時の画像パラメータ管理データベースを説明する図である。システムコントローラ202は、カレントユーザID及びカレントフィルタNoに基づいてユーザDBを検索し(ユーザID:0、フィルタNo:0)、プリセット設定値「0」を得る。次いで、システムコントローラ202は、フィルタNoとプリセット設定値に基づいてパラメータDBを検索し(フィルタNo:0、プリセット設定値:0)、「パラメータセット1」を得る。そして、パラメータセットDBに「パラメータセット1」として記憶されている画像パラメータ1〜12を参照し、その設定値をワーキングメモリに記憶する。次いで、処理はステップS3に進む。
ステップS3では、システムコントローラ202は、ステップS2で読み出した画像パラメータ1〜12(パラメータセット1)を上述の色変換回路232、輝度調整回路234及び色調整回路236に設定すると共に、ドライバ216を介してモータ214を駆動し、照明光Lがフィルタ212aを透過するようにフィルタターレット212の回転位置を制御する。従って、配光レンズ104からは白色光が出射されると共に、白色光に最適な画像パラメータ1〜12(すなわち、通常観察に最適な画像パラメータ1〜12(パラメータセット1))が色変換回路232、輝度調整回路234及び色調整回路236に設定されることとなる。そして、上述のように白色光によって得られた内視鏡画像が、色変換回路232、輝度調整回路234及び色調整回路236によって色バランス調整及び輝度調整されてモニタ300に表示される。次いで、処理はステップS4に進む。
ステップS4では、システムコントローラ202は、タッチパネル218からユーザによって入力される各種イベントの入力を待つ。具体的には、タッチパネル218には、フィルタ212a、212b、212c及び212dを切り替えるためのフィルタ変更ボタン、ユーザを変更するためのユーザ変更ボタン、ユーザを追加するためのユーザ追加ボタン、画像パラメータを変更するためのパラメータ変更ボタン及びプリセット設定を行うためのプリセット変更ボタンが表示され、ユーザがタッチパネル218をタッチし、いずれかのボタンを選択するまで待機する。ステップS4において、システムコントローラ202がフィルタ変更ボタンのタッチを検出した場合(S4:フィルタ変更コマンド)、処理はステップS5に進み、ユーザ変更ボタンのタッチを検出した場合(S4:ユーザ変更コマンド)、処理はステップS6に進み、ユーザ追加ボタンのタッチを検出した場合(S4:ユーザ追加コマンド)、処理はステップS7に進み、パラメータ変更ボタンのタッチを検出した場合(S4:パラメータ変更コマンド)、処理はステップS8に進み、プリセット変更ボタンのタッチを検出した場合(S4:プリセット設定コマンド)、処理はステップS9に進む。また、ステップS4において、電源がOFFされた場合、画像調整処理ルーチンは終了する。
図7は、図5のステップS5で実行されるフィルタ変更サブルーチンのフローチャートである。フィルタ変更サブルーチンが実行されると、ステップS51が実行される。
ステップS51では、タッチパネル218にフィルタ212a、212b、212c及び212dの選択肢が表示され、ユーザからの入力が待たれる(ステップS51:NO)。ユーザによって、フィルタ212a、212b、212c又は212dのいずれかが選択されると(ステップS51:YES)、処理は、ステップS52に進む。
ステップS52では、システムコントローラ202は、ドライバ216を介してモータ214を駆動し、照明光LがステップS51でユーザによって選択されたフィルタ212a、212b、212c又は212dのいずれかを透過するようにフィルタターレット212の回転位置を制御する。次いで、処理はステップS53に進む。
ステップS53では、システムコントローラ202のメモリ(不図示)に記憶されているカレントフィルタNo(図4)をステップS51でユーザによって選択されたフィルタ212a、212b、212c又は212dのいずれかに対応した変数、すなわち、0〜3のいずれかに変更し、ステップS54に進む。
ステップS54では、システムコントローラ202は、システムコントローラ202のメモリ(不図示)に記憶されているカレントユーザIDとカレントフィルタNoとを用いて画像パラメータ管理データベースのユーザDBを検索し、カレントユーザIDとカレントフィルタNoとによって特定されるプリセット設定値を取得する。次いで、処理はステップS55に進む。
ステップS55では、システムコントローラ202は、システムコントローラ202のメモリ(不図示)に記憶されているカレントフィルタNoとステップS54で取得したプリセット設定値とを用いて画像パラメータ管理データベースのパラメータDBを検索し、カレントフィルタNoとプリセット設定値とによって特定される一組のパラメータセット(すなわち、画像パラメータ1〜12)を取得する。そして、フィルタ変更サブルーチンは終了し、処理は、ステップS10(図5)に進む。
ステップS10(図5)では、システムコントローラ202は、ステップS55で取得した画像パラメータ1〜12を色変換回路232、輝度調整回路234及び色調整回路236に設定する。このように、ステップS55で取得した画像パラメータ1〜12が対応する各回路に設定されることにより、ステップS51で選択されたフィルタ212a、212b、212c又は212dに対応する、ユーザの好みの色バランス及び輝度調整がモニタ300上に表示される内視鏡画像に反映されることとなる。続いて、処理はステップS4に戻り、再びユーザからの入力が待たれる。
図8は、図5のステップS6で実行されるユーザ変更サブルーチンのフローチャートである。ユーザ変更サブルーチンが実行されると、ステップS61が実行される。
ステップS61では、画像パラメータ管理データベースのユーザDBに登録されているユーザIDとユーザ名(図4)がタッチパネル218に表示され、ユーザからの入力が待たれる(ステップS61:NO)。ユーザがタッチパネル218を操作することによって、ユーザIDが入力されると(ステップS61:YES)、処理は、ステップS62に進む。
ステップS62では、入力されたユーザIDとカレントユーザIDとが比較される。そして、入力されたユーザIDとカレントユーザIDとが異なる場合(ステップS62:YES)、処理は、ステップS63に進む。一方、入力されたユーザIDとカレントユーザIDとが同じ場合(ステップS62:NO)、ユーザ変更サブルーチンは終了し、処理は、ステップS10(図5)に進む。
ステップS63では、システムコントローラ202は、システムコントローラ202のメモリ(不図示)に記憶されているカレントユーザID(図4)をステップS61で入力されたユーザIDに変更し、ステップS64に進む。
ステップS64では、システムコントローラ202は、システムコントローラ202のメモリ(不図示)に記憶されているカレントユーザIDとカレントフィルタNoとを用いて画像パラメータ管理データベースのユーザDBを検索し、カレントユーザIDとカレントフィルタNoとによって特定されるプリセット設定値を取得する。次いで、処理はステップS65に進む。
ステップS65では、システムコントローラ202は、システムコントローラ202のメモリ(不図示)に記憶されているカレントフィルタNoとステップS64で取得したプリセット設定値とを用いて画像パラメータ管理データベースのパラメータDBを検索し、カレントフィルタNoとプリセット設定値とによって特定される一組のパラメータセット(すなわち、画像パラメータ1〜12)を取得する。そして、フィルタ変更サブルーチンは終了し、処理は、ステップS10(図5)に進む。
ステップS10(図5)では、システムコントローラ202は、ステップS65で取得した画像パラメータ1〜12を色変換回路232、輝度調整回路234及び色調整回路236に設定する。このように、ステップS65で取得した画像パラメータ1〜12が対応する各回路に設定されることにより、ステップS61で入力されたユーザIDに対応するユーザの好みの色バランス及び輝度調整がモニタ300上に表示される内視鏡画像に反映されることとなる。続いて、処理はステップS4に戻り、再びユーザからの入力が待たれる。
図9は、図5のステップS7で実行されるユーザ追加サブルーチンのフローチャートである。ユーザ追加サブルーチンが実行されると、ステップS71が実行される。
ステップS71では、タッチパネル218に画像パラメータ管理データベースのユーザDBに登録されるユーザIDとユーザ名(図4)の入力を促す画面が表示され、ユーザからの入力が待たれる(ステップS71:NO)。ユーザによって、ユーザIDとユーザ名が入力されると(ステップS71:YES)、処理は、ステップS72に進む。
ステップS72では、ステップS71で入力されたユーザIDについて、フィルタNo毎にプリセット設定値を入力する画面が表示され、ユーザがタッチパネル218を操作することにより、フィルタNo毎に所望する画像パラメータ1〜12が記憶されたパラメータセットが入力される。次いで、処理は、ステップS73に進む。
ステップS73では、システムコントローラ202は、ステップS71で入力されたユーザIDについて、ユーザIDの重複の有無を判断する。具体的には、システムコントローラ202は、画像パラメータ管理データベースのユーザDBに既に登録されているユーザIDとステップS71で入力されたユーザIDとを比較し、重複の有無を判断する。ステップS73において、ユーザIDが重複すると判断された場合(ステップS73:YES)、処理は、ステップS78に進み、ユーザIDが重複する旨のエラー表示をタッチパネル218に表示し、本サブルーチンを終了する。一方、ステップS73において、ユーザIDが重複しないと判断された場合(ステップS73:NO)、処理は、ステップS74に進む。
ステップS74では、システムコントローラ202は、ステップS71で入力されたユーザIDとユーザ名及びステップS72で入力されたプリセット設定値を画像パラメータ管理データベースのユーザDBに登録する。次いで、処理はステップS75に進む。
ステップS75では、システムコントローラ202は、システムコントローラ202のメモリ(不図示)に記憶されているカレントユーザIDをステップS74で登録したユーザIDに変更する。次いで、処理はステップS76に進む。
ステップS76では、システムコントローラ202は、システムコントローラ202のメモリ(不図示)に記憶されているカレントユーザIDとカレントフィルタNoとを用いて画像パラメータ管理データベースのユーザDBを検索し、カレントユーザIDとカレントフィルタNoとによって特定されるプリセット設定値を取得する。次いで、処理は、ステップS77に進む。
ステップS77では、システムコントローラ202は、システムコントローラ202のメモリ(不図示)に記憶されているカレントフィルタNoとステップS76で取得したプリセット設定値とを用いて画像パラメータ管理データベースのパラメータDBを検索し、カレントフィルタNoとプリセット設定値とによって特定される一組のパラメータセット(すなわち、画像パラメータ1〜12)を取得する。そして、フィルタ変更サブルーチンは終了し、処理は、ステップS10(図5)に進む。
ステップS10(図5)では、システムコントローラ202は、ステップS77で取得した画像パラメータ1〜12を色変換回路232、輝度調整回路234及び色調整回路236に設定する。このように、ステップS77で取得した画像パラメータ1〜12が対応する各回路に設定されることにより、ステップS71で入力されたユーザIDに対応するユーザの好みの色バランス及び輝度調整がモニタ300上に表示される内視鏡画像に反映されることとなる。続いて、処理はステップS4に戻り、再びユーザからの入力が待たれる。
図10は、図5のステップS8で実行されるパラメータ変更サブルーチンのフローチャートである。パラメータ変更サブルーチンが実行されると、ステップS81が実行される。
ステップS81では、システムコントローラ202は、システムコントローラ202のメモリ(不図示)に記憶されているカレントユーザIDとカレントフィルタNoとを用いて画像パラメータ管理データベースのユーザDBを検索し、カレントユーザIDとカレントフィルタNoとによって特定されるプリセット設定値を取得する。次いで、処理は、ステップS82に進む。
ステップS82では、システムコントローラ202は、システムコントローラ202のメモリ(不図示)に記憶されているカレントフィルタNoとステップS81で取得したプリセット設定値とを用いて画像パラメータ管理データベースのパラメータDBを検索し、カレントフィルタNoとプリセット設定値とによって特定される一組のパラメータセット(すなわち、画像パラメータ1〜12)を取得する。次いで、処理は、ステップS83に進む。
ステップS83では、ステップS82で取得した画像パラメータ1〜12がタッチパネル218上に表示され、ユーザによって画像パラメータ1〜12のいずれか1つが指定されるのを待たれる(ステップS83:NO)。ユーザによって、画像パラメータ1〜12のいずれか1つが指定されると(ステップS83:YES)、処理は、ステップS84に進む。
ステップS84では、ステップS83で指定された画像パラメータ1〜12のいずれか1つについて、設定値(変更値)の入力を促す画面がタッチパネル218上に表示され、ユーザからの入力が待たれる(ステップS84:NO)。ユーザによって、新しい設定値が入力されると(ステップS84:YES)、処理は、ステップS85に進む。
ステップS85では、システムコントローラ202は、ステップS84で入力された設定値を、ステップS83で指定された画像パラメータ1〜12のいずれかの設定値として登録(すなわち、パラメータセットDBに記録)すると共に、ステップS82で取得した画像パラメータ1〜12の設定値について、ステップS84で入力された設定値に変更(更新)する。次いで、処理は、ステップS86に進む。
ステップS86では、パラメータ変更サブルーチンを終了するか否かの確認画面がタッチパネル218上に表示され、ユーザからの入力が待たれる。ステップS86において、パラメータ変更サブルーチンを終了しない(すなわち、画像パラメータ1〜12の設定値の変更を継続して行う)旨の入力がなされた場合には、処理はステップS83に戻り、再度ステップS83〜85までの処理が繰り返される。一方、ステップS86において、パラメータ変更サブルーチンを終了する旨の入力がなされた場合には、処理は、ステップS87に進む。
ステップS87では、システムコントローラ202は、画像パラメータ1〜12に関する表示を非表示にしてパラメータ変更サブルーチンを終了し、処理は、ステップS10(図5)に進む。
ステップS10(図5)では、システムコントローラ202は、ステップS82で取得し、ステップS85で更新された画像パラメータ1〜12を色変換回路232、輝度調整回路234及び色調整回路236に設定する。このように、ステップS85で更新した画像パラメータ1〜12が対応する各回路に設定されることにより、ユーザの好みの色バランス及び輝度調整がモニタ300上に表示される内視鏡画像に反映されることとなる。続いて、処理はステップS4に戻り、再びユーザからの入力が待たれる。
図11は、図5のステップS9で実行されるプリセット設定サブルーチンのフローチャートである。プリセット設定サブルーチンが実行されると、ステップS91が実行される。
ステップS91では、画像パラメータ管理データベースのユーザDBに登録されているユーザIDとユーザ名(図4)がタッチパネル218に表示され、システムコントローラ202は、ユーザがタッチパネル218を操作し、ユーザIDが入力されるのを待つ(ステップS91:NO)。ユーザIDが入力されると(ステップS91:YES)、処理は、ステップS92に進む。
ステップS92では、システムコントローラ202は、ステップS91で入力されたユーザIDを条件にユーザDBを検索し、ステップS91で入力されたユーザIDに対応したフィルタNo毎のプリセット設定値を取得し、取得したプリセット設定値をフィルタNoと共にタッチパネル218上に表示する。次いで、処理は、ステップS93に進む。
ステップS93では、ステップS91でタッチパネル218上に表示されたフィルタNoの1つが、ユーザによって指定されるのを待つ(ステップS93:NO)。ユーザによって、フィルタNoの1つが指定されると(ステップS93:YES)、処理は、ステップS94に進む。
ステップS94では、ステップS93で指定されたフィルタNoについて、プリセット設定値を設定するための画面がタッチパネル218上に表示され、ユーザが所望する画像パラメータ1〜12(パラメータセット)に対応するプリセット設定値の入力が待たれる(ステップS94:NO)。ユーザによって、プリセット設定値が入力されると、処理は、ステップS95に進む。
ステップS95では、システムコントローラ202は、ステップS94で入力されたプリセット設定値を、ステップS93で指定されたフィルタNoのプリセット設定値として登録(すなわち、ユーザDBに記録)し、処理は、ステップS96に進む。
ステップS96では、システムコントローラ202は、ステップS91で入力されたユーザIDとシステムコントローラ202のメモリ(不図示)に記憶されているカレントユーザIDとの比較を行う。ステップS96において、ユーザIDとカレントユーザIDが等しくないと判断された場合(ステップS96:NO)、プリセット設定サブルーチンを終了し、処理は、ステップS10(図5)に進む。一方、ステップS96において、ユーザIDとカレントユーザIDが等しいと判断された場合(ステップS96:YES)、処理は、ステップS97に進む。
ステップS97では、システムコントローラ202は、システムコントローラ202のメモリ(不図示)に記憶されているカレントユーザIDとカレントフィルタNoとを用いて画像パラメータ管理データベースのユーザDBを検索し、カレントユーザIDとカレントフィルタNoとによって特定されるプリセット設定値を取得する。次いで、処理は、ステップS98に進む。
ステップS98では、システムコントローラ202は、システムコントローラ202のメモリ(不図示)に記憶されているカレントフィルタNoとステップS97で取得したプリセット設定値とを用いて画像パラメータ管理データベースのパラメータDBを検索し、カレントフィルタNoとプリセット設定値とによって特定される一組のパラメータセット(すなわち、画像パラメータ1〜12)を取得する。そして、プリセット設定サブルーチンは終了し、処理は、ステップS10(図5)に進む。
ステップS10(図5)では、システムコントローラ202は、ステップS98で取得された画像パラメータ1〜12(すなわち、ステップS94で入力されたプリセット設定値に基づいて特定される一組のパラメータセット)を色変換回路232、輝度調整回路234及び色調整回路236に設定する。このように、ステップS98で取得された画像パラメータ1〜12が対応する各回路に設定されることにより、カレントユーザIDで特定されるユーザの好みの色バランス及び輝度調整がモニタ300上に表示される内視鏡画像に反映されることとなる。なお、ステップS96において、ユーザIDとカレントユーザIDが等しくないと判断された場合(すなわち、他のユーザのプリセット設定値を変更したような場合)、ステップS98の処理が行われず、新たな画像パラメータ1〜12を取得することはないため、ステップS10では、その時点で既にワーキングメモリ内に記憶されている画像パラメータ1〜12を色変換回路232、輝度調整回路234及び色調整回路236に再設定する。すなわち、本実施形態においては、他のユーザのプリセット設定値を変更したような場合には、ユーザ自体の変更はないため、色バランス及び輝度調整は実質的に行われないように構成されている。
以上が、本実施形態の説明であるが、本発明は、本実施形態の構成に限定されるものではなく、発明の技術的思想の範囲内で様々な変形が可能である。例えば、本実施形態においては、白色光源とフィルタの構成で特殊光を得る構成としたが、特殊光(狭帯域光)を出射するLED光源を用いる構成としてもよい。
また、本実施形態のフィルタターレット212は、モータ214の回転軸214aを中心として略90度の間隔でフィルタ212a、212b、212c及び212dが配置されるものとしたが、例えば、特許文献1に記載されているように、フィルタ212a、212b、212c及び212dをモータ214の回転軸214aを中心とした同心円状の複数の領域にそれぞれ分割して配置する構成とすることも可能である。この場合、フィルタターレット212の位置を照明光Lの光軸に対して進退させる機構を設け、ユーザが選択するフィルタ(白色光又は特殊光)に応じてフィルタターレット212の位置を変える構成とすることが望ましい。また、この場合、同心円状の第1の領域にフィルタ212aと212bをフィルタターレット212の回転方向において交互に配置し、同心円状の第2の領域にフィルタ212aと212cをフィルタターレット212の回転方向において交互に配置し、同心円状の第3の領域にフィルタ212aと212dをフィルタターレット212の回転方向において交互に配置し、フィルタターレット212を回転させた状態で被写体を撮像する構成とすることも可能である。この場合、同心円状の各領域において白色光と特殊光とが交互に出射されることとなるため、白色光と特殊光との切り換えタイミングと、固体撮像素子108のフレームレートとを合わせることにより、白色光による通常観察画像と特殊光による特殊光観察画像とを交互に(同時に)得ることが可能となる。
また、本実施形態のフィルタ212b、フィルタ212c及びフィルタ212dは、波長415nm、540nm及び650nmの狭帯域光をそれぞれ透過させる単色フィルタとして説明したが、これに限定されるものでなく、例えば、波長415nm及び540nmを同時に透過させる多峰性フィルタ、または、波長415nm、540nm及び650nmを同時に透過させる多峰性フィルタで構成することも可能である。この場合、各狭帯域光の色分離は、固体撮像素子108のベイヤ配列カラーフィルタ108bによって行う構成とすればよい。
また、本実施形態においては、固体撮像素子108は、R、G、Bのベイヤ配列カラーフィルタ108bを有し、R、G、Bの各撮像信号は、数1によって色変換され、さらに色変換されたR、G、Bの撮像信号が輝度信号Y及び色差信号Cb、Crに変換される構成としたが、この構成に限定されるものではない。例えば、固体撮像素子108は、補色系のCy(シアン)、Mg(マゼンタ)、Ye(イエロー)、G(グリーン)のフィルタを有したものでもよい。この場合、色変換回路232は、Cy、Mg、Ye、Gの各撮像信号を数1と同様のマトリックス演算によって一旦R、G、Bに変換し、さらに色変換されたR、G、Bの撮像信号を輝度信号Y及び色差信号Cb、Crに変換する構成とすればよい。