JP2012232418A - 液体吐出ヘッドおよび該液体吐出ヘッドを備えた画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】液滴を吐出する吐出口を有するノズル板と、前記吐出口が連通する個別液室を有する流路板と、を備え、前記ノズル板と前記流路板とは、エポキシ接着剤が硬化して接合されてなり、アミド系有機溶剤と、水と、を含むインクを吐出し、前記アミド系有機溶剤量は、前記インク中に20重量%以上含有されてなり、且つ、N−メチルピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、及び下記構造式(1)で示される化合物のいずれか1以上を含み、前記エポキシ接着剤は、(A)水酸基を有しないエポキシ樹脂モノマーと、(B)アミン系硬化剤と、を含有する。
【選択図】なし
Description
従来、インクジェットヘッドを構成する部材の接合には湿式の接着剤、フィルム接着剤などの接着剤接合が一般的であるが、この他、シリコン基板を液室基板やノズル板に用いた場合には直接接合や金属材料を介した共晶接合、あるいは金属材料を用いた場合には陽極接合なども行われている。
インクジェットヘッドは接着部の端部がインクに曝されており、またインク吐出の圧力が部材間にかかる。これらの吐出サイクルは数kHzであり、高周波の圧力変動を受ける部材のため接着部の劣化が進みやすい。そのため一般的な接着より耐液性が求められる。
そのため接着剤は使用されるインクに対して耐性を持ち、かつ接合界面への浸透乖離を極力抑えて充分な接合強度を持つものが望まれているが、すべてのインクに対して優位な接着剤は存在しておらず、特定のインクに対する低劣化な接着剤の選定も極めて困難であった。
しかし最近は紙媒体への印字におけるカールの抑制や非吸収性フィルム媒体への印字のためのインクが開発されており、従来の水系インクや油系インクとは異なる特性を有している。
すなわち特許文献4(特開2005−220296号公報)に示されるようにカール抑制インクはインク中の水分を押さえ溶剤を増やした組成を示しており、従来の水系インクのように水の特性が強く出たものではなく水溶性有機溶媒の特性がより強く表れたインクとなっている。また特許文献5(特許4277898号公報)に示されるような非吸収性フィルム媒体への印字インクは、メチルピロリドンのような溶解性の高い溶媒を多く添加するインクとなっており、従来の水性インクに比べて有機物への攻撃性が高くなっている。
そこで本発明は、以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであり、長期に亘り充分な接着性とインク吐出性を有する液体吐出ヘッドおよび該液体吐出ヘッドを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるから技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は以下の説明において本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
インクを構成する成分としての親水性有機溶剤や水分が、接着剤や接着界面に浸透することで剥離を促進し接着強度を低下させる原因となっている。そのためインクの接着剤への浸透を抑えることが重要となる。インクの浸透を抑制するには硬化後の構造面からは接着剤の密度を向上させ接着剤の膨潤を押さえ込むことと、化学面からはインクと合い交えない組成とし浸透を防ぐ事が必要となる。
しかしながら前記のような水酸基をもつエポキシ樹脂は、インクジェットヘッドに用いるとヘッド内のインクから透湿した水により水素結合が切れて、接合界面の密着性が徐々に低下してしまう。それでもエポキシ接着剤は複数のエポキシ基が3次元架橋を行うことで接着するため、他の接着剤に比べて架橋密度が高く膨潤しにくいことから、従来の水系インクに対して比較的効果的な接着剤として用いられてきた。しかしながら、カールの抑制インクや非吸収性フィルム媒体用のインクのような親水性有機溶剤が多いインクでは、従来のエポキシ接着剤では強度低下を抑制できないという問題があった。
即ち、本発明に係る液体吐出ヘッドに用いられるエポキシ接着剤は、前記(A)及び(B)を含有する処方とした。
水酸基を有しないエポキシ樹脂モノマーが硬化したエポキシ樹脂は吸湿による性能の劣化が比較的緩やかとなる。この理由は以下のように考えられる。
水酸基間で働く水素結合は物理的な結合力は強いものの、化学的には水による反応で容易に加水分解してしまう性質のものである。これに対して、水酸基を有しないエポキシ樹脂モノマーが硬化したエポキシ樹脂は、エポキシ基が開環してできる水酸基以外には水酸基を有しないため、硬化物は比較的水酸基の濃度の低い樹脂となり、水素結合もでき難い。したがって、水酸基を有しないエポキシ樹脂モノマーが硬化したエポキシ樹脂は、結合力の変化もし難い。
エポキシ接着剤を構成するエポキシ樹脂モノマーについては、水酸基を有しないエポキシ樹脂モノマーを用い、エポキシ基を有する多官能化合物を使用することで、三次元架橋を構成した硬化物が得られる。
インクジェットヘッドは通常箔板を接着して作られる。強度は接着面に対して垂直方向のベクトルに対して求められる。
そこで、2官能、あるいは分子量に対して比較的官能基数が小さいエポキシ樹脂がインクジェットヘッドに用いる接着剤のエポキシ樹脂モノマーとしてより望ましい。
また上述のとおり、主剤に用いるエポキシ樹脂モノマーとして水酸基を有しないエポキシ樹脂モノマーを選択すると、硬化樹脂の吸湿性が低く、強度劣化を起こしにくいエポキシ接着剤とすることができる。
そこで、本発明ではエポキシ接着剤をタック性レスの状態とすることで接着剤の引きずりを防止できるため好ましい。
この酸化膜の上にさらにシランカップリング剤層を形成する、あるいはエポキシ接着剤にシランカップリング剤を混合することで、界面の密着性が強化でき、エポキシ接着剤の耐インク性が向上する。酸化膜層は大気中の水分を元に水酸基を界面に形成する。この水酸基とシランカップリング剤のシラノール基が脱水縮合して強固に結合する。このため耐インク性が向上する。
ただし、シランカップリング剤をエポキシ接着剤に混合する場合は、過度に添加すると、シランカップリング剤がエポキシと結合する反応基を分子鎖の片末端にしか持たないため、硬化樹脂の分子鎖長が短くなり、弾性が減るため、結合強度の低下を招く。このため、エポキシ接着剤におけるシランカップリング剤の配合量の適量はエポキシ樹脂の分子量にもよるが、10重量%未満に止めることが好ましい。
アミン系硬化剤で結合した接着剤は、強度低下しにくい。理由として、以下のように考えられるが、本発明はこれに限定されるものではない。
アミン系硬化剤は結合時にエポキシ基が開環してアミド結合を作るが、前記アミド結合でできる水酸基はアルコール性水酸基と比べ電気吸引性が弱く、水素結合を作りにくい。
代表的なポリアミンとして、鎖状脂肪族ポリアミン、例えばエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサメチレンジアミン、ポリオキシプロピレンジアミン、ポリオキシプロピレントリアミンなど、環状脂肪族アミン、例えばメンセンジアミン、イソホロンジアミン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ジアミノジシクロヘキシルメタン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、N−アミノメチルピペラジン、ノルボルネンジアミンなど、芳香環含有脂肪族アミン、例えばキシレンジアミンなど、芳香族アミン、例えばフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、ジエチルトルエンジアミン、変性脂肪族ポリアミン、例えばポリエチレンポリアミン、ポリオキシアルキレンポリアミンなどが挙げられる。
エポキシ接着剤としては無溶剤で有って良いが、希釈溶剤で希釈した方が上述したシランカップリング剤を用いる場合にこのシランカップリング剤の表面濃縮が起こりやすく望ましい。また、エポキシ接着剤にシランカップリング剤を用いない場合であっても、インクジェットヘッドに用いる接着剤としては、振動板の弾性への影響を小さくする、あるいはノズル孔を接着剤で塞がないためにはみ出し量を極僅かとする必要が有るが、希釈溶剤で希釈された状態であれば、凸版印刷やスプレー塗布等の工法で塗りムラを極小さく、且つ均一に薄く接着剤を塗布することができるため、希釈溶剤で希釈することが好ましい。
希釈溶剤としては、エポキシ基と反応性がある活性水素のある溶剤よりも、活性水素のない溶剤の方が接着剤の保存性の面から好ましいが、部材への濡れ性や乾燥速度、粘度等の面から自由に選択することが可能である。
また、希釈溶剤としては、完全に溶解した状態ではなく分散した状態とするものであっても、乾燥時に接着剤層が形成されるならば問題なく使用可能である。
乾燥させたエポキシ接着剤にタック性を持たせなくするためには、常温で固体のエポキシ樹脂モノマーを一定量エポキシ接着剤に含んでいる必要が有る。
使用可能な溶剤はエポキシ樹脂モノマー、硬化剤、その他添加剤に応じて自由に選択することができるが、硬化反応を安定的に進めるためにも不純物が管理された溶剤が望ましい。
本発明に用いられるエポキシ接着剤は、上述のとおり水酸基を有しないエポキシ樹脂とアミン系硬化剤を混合したものを用いる。
また、本発明に用いられるエポキシ接着剤には上記のエポキシ樹脂モノマーや硬化剤、溶剤以外に、副資材としてカップリング剤、フィラーやウレタン、その他のバインダー樹脂、粘度調整剤などを含んでもよい。カップリング剤としてはシランカップリング剤等が挙げられる。フィラーとしてはシリカやアルミナのような無機粒子で有っても、メラミン樹脂やアクリル樹脂の樹脂微粒子で有っても良い。また粘度調整剤として高級脂肪酸アマイドなどを添加して、接着剤の塗工に適した粘度に調整することも可能である。また塗膜に泡による塗布斑が発生しないために抑泡剤や消泡剤を添加しても良い。
本発明のインクジェットヘッドは構成の詳細については後述するが、箔板を積層して作成する。本発明に用いられるエポキシ接着剤は、界面が多くインクに触れる積層面に塗布しても充分な接液性を保って、充分な強度を維持して接着することができるため、インクに触れるいずれの箇所であっても利用することができる。
理由の一つ目として加熱乾燥ほど硬化剤の反応が進まないことが挙げられる。貼り合せの前に接着剤の硬化が進んでいないこと、また、反応が進んでおらずより低粘度であることからシランカップリング剤モノマーが接合界面に濃縮し易いことが接着硬化後、より高い接液性を維持する作用を示す。
理由の二つ目として加熱乾燥では分子量の小さいシランカップリング剤モノマーが蒸発し易いこと、が挙げられる。接合時、シランカップリング剤が表面により高濃度に存在している方がエポキシ接着剤の接液性が高くなると考えられる。
例えば、エポキシ接着剤の塗布後、真空乾燥や加熱により十分に溶媒を飛ばした後、直ちに、数十分間、湿度75%〜100%RHほどの高湿度下に加湿放置する。このとき湿度と時間をコントロールし、定めた湿度、時間で放置することが肝要である。
本発明に用いられるインクジェット用インクは、アミド系有機溶剤と水とを含み、前記アミド系有機溶剤は、インク全体の20重量%以上配合されてなる。
また、アミド系有機溶剤は水溶性であることが好ましく、以下において水溶性アミド化合物とも称する。
さらに、本発明に用いられるインクジェット用インクは、前述のほか、界面活性剤及び着色剤を含有することが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
本発明に用いられるインクジェット用インクとして、水溶性有機溶剤としてのアミド系有機溶剤(水溶性アミド化合物)を含有し、必要に応じて下記に記載する水溶性有機溶剤を混合して用いることができる。
水溶性アミド化合物は多くの有機化合物や無機塩を溶解することが可能な極性溶媒となっており、水から有機溶剤へ幅広く混合することが可能である。そのためメディアに対する濡れ性や溶解性、他の成分の混和安定性などを向上させる効果が得られる。
このような水溶性アミド化合物としては、例えば環状アミド化合物として、2−ピロリドン(bp250℃)、N−メチル−2−ピロリドン(bp202℃)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(bp226℃)、ε−カプロラクタム(bp270℃)など、非環状アミド化合物として、ホルムアミド(bp210℃)、N−メチルホルムアミド(bp199−201℃)、N,N−ジメチルホルムアミド(bp153℃)、N,N−ジエチルホルムアミド(bp176−177℃)、N,N−ジメチルアセトアミド(bp165℃)などが挙げられる。
また非環状アミド化合物の一種である下記構造式(1)で示されるアミド化合物も含まれる。
このようなアミド系有機溶剤の添加量は、印字画像のベタ均一性の面から20重量%以上が好ましく、60重量%を超えると、紙面上での乾燥性に劣り更に普通紙上の文字品位が低下することがあるため60重量%以下が好ましい。
特に好ましくは、アミド系有機溶剤が、インク中において添加される量が40重量%以上である。
該糖類の例としては、単糖類、二糖類、オリゴ糖類(三糖類、四糖類を含む)、多糖類、などが挙げられる。具体的には、グルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース、などが挙げられる。
ここで、多糖類とは広義の糖を意味し、α−シクロデキストリン、セルロースなど自然界に広く存在する物質を含む意味に用いることとする。
また、これらの糖類の誘導体としては、前記した糖類の還元糖(例えば、糖アルコール(一般式:HOCH2(CHOH)nCH2OH(ただし、nは2〜5の整数を表す)で表わされる。)、酸化糖(例えば、アルドン酸、ウロン酸など)、アミノ酸、チオ酸などが挙げられる。
着色剤については、耐候性の面から主として顔料が用いられるが、色調調整の目的で耐候性を劣化させない範囲内で同時に染料を含有しても構わない。
上記形態の顔料に加え、ポリマー微粒子に顔料を含有させたポリマーエマルジョンを使用することも可能である。顔料を含有させたポリマーエマルジョンとは、ポリマー微粒子中に顔料を封入したもの、及び/またはポリマー微粒子の表面に顔料を吸着させたものである。この場合、全ての顔料が封入及び/または吸着している必要はなく、本発明の効果が損なわれない範囲で該顔料がエマルジョン中に分散にしていてもよい。ポリマーエマルジョンを形成するポリマーとしてはビニル系ポリマー、ポリエステル系ポリマー、及びポリウレタン系ポリマー等が挙げられるが、特に好ましく用いられるポリマーはビニル系ポリマー及びポリエステル系ポリマーであり、特開2000−53897号公報、2001−139849号公報に開示されているポリマーを引用することができる。
界面活性剤としてはアニオン系界面活性剤またはノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤が用いられる。色材の種類や湿潤剤、水溶性有機溶剤の組合せによって、分散安定性を損なわない界面活性剤を選択する。
浸透剤としては、20℃の水に対する溶解度が0.2重量%以上5.0重量%未満のポリオールの少なくとも1種を含有することが望ましい。
これらのなかで最も望ましいものは2−エチル−1,3−ヘキサンジオール及び/または2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールである。
水分散性樹脂としては、縮合系合成樹脂(ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、珪素樹脂など)や付加系合成樹脂(ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルエステル系樹脂、ポリアクリル酸系樹脂、不飽和カルボン酸系樹脂など)、天然高分子(セルロース類、ロジン類、天然ゴムなど)を用いることができ、樹脂はホモポリマーとして使用されても良く、またコポリマーして使用して複合系樹脂として用いても良く、単相構造型及びコアシェル型、パワーフィード型エマルジョンの何れのものも使用できる。水分散性樹脂としては、樹脂自身に親水基を持ち自己分散性を持つもの、樹脂自身は分散性を持たず界面活性剤や親水基をもつ樹脂にて分散性を付与したものが使用できる。特にポリエステル樹脂やポリウレタン樹脂のアイオノマーや不飽和単量体の乳化および懸濁重合によって得られた樹脂粒子のエマルジョンが最適である。不飽和単量体の乳化重合の場合、不飽和単量体、重合開始剤、及び界面活性剤、連鎖移動剤、キレート剤、PH調整剤などを添加した水にて反応を行い樹脂エマルジョンを得るため、容易に水分散性樹脂を得ることができ、樹脂構成を容易に替えやすいため目的の性質を作りやすい。使用可能な不飽和単量体としては不飽和カルボン酸類、(メタ)アクリル酸エステル単量体類、(メタ)アクリル酸アミド単量体類、芳香族ビニル単量体類、ビニルシアン化合物単量体類、ビニル単量体類、アリル化合物単量体類、オレフィン単量体類、ジエン単量体類、不飽和炭素を持つオリゴマー類などを単独および複数組み合わせて用いることができる。これらの単量体を組み合わせることで柔軟に性質を改質することが可能であり、オリゴマー型重合開始剤を用いて重合反応、グラフト反応を行うことで樹脂の特性を改質することもできる。
その他インクに添加する添加剤としては、防腐紡黴剤やPH調整剤、キレート剤、防錆剤などが含まれるが、これらに限定されるものではない。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、必要に応じて適宜選択することができ、例えば、pH調整剤、防腐防黴剤、キレート剤、防錆剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、酸素吸収剤、光安定化剤、消泡剤などが挙げられる。
pH調整剤としては、調合される記録液に悪影響をおよぼさずにpHを所望の値に調整できるものであれば、任意の物質を使用することができる。
pH調整剤としては、調合される記録用インクに悪影響を及ぼさずにpHを7〜11に調整できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アルコールアミン類、アルカリ金属元素の水酸化物、アンモニウムの水酸化物、ホスホニウム水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩、などが挙げられる。
前記pHが7未満及び11を超えるとインクジェットのヘッドやインク供給ユニットを溶かし出す量が大きく、インクの変質や漏洩、吐出不良などの不具合が生じることがある。
前記アルカリ金属の炭酸塩としては、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられる。
防腐防黴剤としては、例えば、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、等が挙げられる。
キレート剤としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウム等がある。
防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライトなどが挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、などが挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤、などが挙げられる。
消泡剤としては、シリコーン消泡剤、ポリエーテル消泡剤、脂肪酸エステル消泡剤などが挙げられる。また一般的な消泡剤を併用し、破泡効果を高める観点から無機微粒子を多量に含有するものを使用する場合、該消泡剤を用いた前記記録用インクが、粒径が0.5μm以上の粗大粒子を3.0×107(個/5μl)以下含み、かつ粒径が1μm以上5μm未満の粒子の前記粗大粒子における量が1個数%以下である必要があることから、前記無機微粒子を必要に応じて適宜除去等すればよい。
本発明に用いられるインクは、着色剤、水溶性有機溶剤(湿潤剤、アミド系有機溶剤)、界面活性剤、浸透剤、水分散性樹脂及び水、更に必要に応じて他の成分を水性媒体中に分散又は溶解し、更に必要に応じて攪拌混合して製造する。
前記インク粘度が3mPa・s以上とすることによって、印字濃度や文字品位を向上させる効果が得られる。一方、インク粘度を20mPa・s以下に抑えることで、吐出性を確保することができる。ここで、前記粘度は、例えば、粘度計(RL−550、東機産業株式会社製)を使用して、25℃で測定することができる。
これらの着色を2種以上併用したインクセットを使用して記録を行うと、多色画像を形成することができ、全色併用したインクセットを使用して記録を行うと、フルカラー画像を形成することができる。
本発明の液体吐出ヘッドは図1、図2、及び図3に示すように箔板を積層した構造であっても良い。
本発明によれば、エポキシ接着剤に十分な接液性が備わっているため、液室を一体構成では無く、エポキシ接着剤を使って積層された構成を採用できる。積層構造とすることで、容易にヘッドを構成することが可能で有る。
図1、図2及び図3はオンデマンド型ヘッド部の詳細を示す図で、図1はヘッド部の分解斜視図、図2はヘッド部の組立後の断面図、図3は図2A−A線上の断面図である。
本発明では、少なくともこのノズル板72と流路板74とが、上述のエポキシ接着剤が硬化して接合されてなる。
次に、本発明に係る液体吐出ヘッドであるインクジェットヘッドを搭載した画像形成装置であるインクジェット記録装置の一例について図4及び図5を参照して説明する。
なお、図4は同記録装置の斜視説明図、図5は同記録装置の機構部の側面説明図である。
また、キャリッジ123にはヘッド124に各色のインクを供給するための各インクカートリッジ125を交換可能に装着している。
また、記録ヘッドとしてここでは各色のヘッド124を用いているが、各色のインク滴を吐出するノズルを有する1個のヘッドでもよい。
そして、このキャリッジ123を主走査方向に移動走査するため、主走査モータ127で回転駆動される駆動プーリ128と従動プーリ129との間にタイミングベルト130を張装し、このタイミングベルト130をキャリッジ123に固定しており、主走査モータ127の正逆回転によりキャリッジ123が往復駆動される。
搬送ローラ134は副走査モータ137によってギヤ列を介して回転駆動される。
この印写受け部材139の用紙搬送方向下流側には、用紙113を排紙方向へ送り出すために回転駆動される搬送コロ141、拍車142を設け、さらに用紙113を排紙トレイ116に送り出す排紙ローラ143及び拍車144と、排紙経路を形成するガイド部材145,146とを配設している。
記録終了信号または、用紙113の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了させ用紙113を排紙する。
回復装置147はキャップ手段と吸引手段とクリーニング手段を有している。
また、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出することにより、全ての吐出口のインク粘度を一定にし、安定した吐出性能を維持する。
また、吸引されたインクは、本体下部に設置された廃インク溜(不図示)に排出され、廃インク溜内部のインク吸収体に吸収保持される。
なお、上記実施形態においては、本発明に係る液体吐出ヘッドをインクジェットヘッドに適用したが、インク以外の液体の滴、例えば、パターニング用の液体レジストを吐出する液体吐出ヘッド、遺伝子分析試料を吐出する液体吐出ヘッドなどにも適用することできる。
なお、得られたインクジェットヘッド製造用エポキシ樹脂組成物は後述する試験で評価した。
ポリマー溶液Aの調整
機械式攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管及び滴下ロートを備えた1Lのフラスコ内を充分に窒素ガス置換した後、スチレン11.2g、アクリル酸2.8g、ラウリルメタクリレート12.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート4.0g、スチレンマクロマー4.0g及びメルカプトエタノール0.4gを混合し、65℃に昇温した。次にスチレン100.8g、アクリル酸25.2g、ラウリルメタクリレート108.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート36.0g、ヒドロキシルエチルメタクリレート60.0g、スチレンマクロマー36.0g、メルカプトエタノール3.6g、アゾビスメチルバレロニトリル2.4g及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を2.5時間かけて、フラスコ内に滴下した。滴下後、アゾビスメチルバレロニトリル0.8g及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を0.5時間かけて、フラスコ内に滴下した。65℃で1時間熟成した後、アゾビスメチルバレロニトリル0.8gを添加し、更に1時間熟成した。反応終了後、フラスコ内にメチルエチルケトン364gを添加し、濃度が50%のポリマー溶液800gを得た。
ジョンクリル679(BASF製、分子量7000、酸価200)を7.7g、トリエタノールアミン22.5g、2−プロパノール0.8gと水331gと攪拌し溶解した均一な状態とする。そこにC.I..ピグメントブルー15:3を155gを撹拌しながら混合して、ビーズミルにて顔料を2時間分散する。純水483gを添加して超遠心分離機で粗大粒子を除去して、顔料分15.5%の青色顔料分散液を得た。
インク組成は表1に示す。上記方法で調合し、評価用インクAとした。
下記表2の処方に従い、実施例1、比較例1〜3のエポキシ接着剤を作製した。
なお、表2中の水酸基を有しないエポキシ樹脂モノマーであるDIC製 HP−7200HHは、常温固体である。また、表2中のjERキュアDICY15はアミン系硬化剤、キュアゾール2PZはイミダゾール系硬化剤である。
なお、接着条件等は各実施例、比較例に記載した。
(i)初期接着性:剥離強度試験で行った。
剥離強度試験:幅140μm、長さ2000μmのスリットを150dpiピッチで形成し、このスリット群が4列に配列して、スリット位置が42.3μmずつずれて配置された、幅19mm、厚み40μmの圧延SUS304板(接着面積率は64.7%)に、接着面に対してエポキシ接着剤を乾燥膜厚で0.6μmになるように塗布し、溶剤を真空乾燥させ、85%RHに保った密閉空間に20分放置した後、SUS304の幅19mm、厚み50μmの圧延SUS平板と重ね合わせて240cN・mで加圧しつつ加熱して接着したサンプルを卓上型材料試験機((株)オリエンテック製、テンシロンSTA−1150)にて90°方向剥離強度測定5mm/minの速度で5mm剥離させたときの平均剥離強度を測定した。
○:2N以上、△:1.5Nより大きく2N未満、×:1.5N以下とした。
初期剥離強度と比較し、剥離強度低下率を求めた。
初期接着性:○:2N以上、△:1.5Nより大きく2N未満、×:1.5N以下とした。
接着信頼性:○:低下率5%以下、△:低下率5%より大きく10%未満、×:低下率10%以上1.5N以下とした。
インクジェットヘッドに関しては、上記説明に準じたインクジェットヘッドを実施例のエポキシ接着剤を用いて流路板とノズルプレートを接合させ、評価用のインクジェットヘッドとした。作成したインクジェットヘッドは、表1及び表2に示すインクと接着剤の組合せに応じて評価を行った。インクジェットヘッドの評価を以下に示す。
72 オリフィスプレート
73 圧力室
74 圧力室プレート
75 リストリクタ
76 リストリクタプレート
77 ダイヤフラム
78 フィルタ
79 ダイヤフレームプレート
80 穴部
81 サポートプレート
82 共通液通路
83 ハウジング
84 接着剤
85 圧電アクチュエータ
86 圧電振動子
87 外部電極
88 導電性接着剤
89 支持基板
90 個別電極
91 共通電極
92 スルーホール
93 液導入パイプ
111 記録装置本体
112 印字機構部
113 用紙
114 給紙カセット
115 手差しトレイ
116 排紙トレイ
121 主ガイドロッド
122 従ガイドロッド
123 キャリッジ
124 ヘッド
125 インクカートリッジ
127 主走査モータ
128 駆動プーリ
129 従動プーリ
130 タイミングベルト
131 給紙ローラ
132 フリクションパッド
133 ガイド部材
134 搬送ローラ
135 搬送コロ
136 先端コロ
137 副走査モータ
139 印写受け部材
141 搬送コロ
142 拍車
143 排紙ローラ
144 拍車
145,146 ガイド部材
147 回復装置
Claims (3)
- 前記アミド系有機溶剤は、前記インク中に40重量%以上含有されてなることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
- 液体吐出ヘッドを備えて画像を形成する画像形成装置であって、
前記液体吐出ヘッドは、請求項1または2に記載の液体吐出ヘッドであることを特徴とする画像形成装置。
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