以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。まず、本発明に係る液体吐出ヘッドの第1実施形態について図1ないし図3を参照して説明する。なお、図1は同液体吐出ヘッドの分解斜視説明図、図2は同じく液室長手方向(ノズル並び方向と直交する方向)に沿う断面説明図、図3は同じく液室短手方向(ノズル並び方向)に沿う断面説明図である。
この液体吐出ヘッドは、流路板(液室基板)1と、この流路板1の下面に接合した振動板部材2と、流路板1の上面に接合したノズル板3とを有し、これらによって液滴(液体の滴)を吐出するノズル4がノズル連通路(連通管)5を介して連通する個別流路としての加圧液室(圧力室、加圧室、流路などとも称される。)6、加圧液室6に液体であるインク(記録液)を供給する供給路を兼ねた流体抵抗部7などを形成している。
ここで、流路板1は、SUS基板を、酸性エッチング液を用いてエッチング、あるいは打ち抜きなどの機械加工することで、各加圧液室6、流体抵抗部7、ダンパ室18などの開口をそれぞれ形成している。なお、流路板1とノズル板3或いは振動板部材2とを電鋳で一体形成することもできる。また、結晶面方位(110)の単結晶シリコン基板を水酸化カリウム水溶液(KOH)などのアルカリ性エッチング液を用いて異方性エッチングすることで形成したものや、その他感光性樹脂などを用いることもできる。
振動板部材2は、図2に示すように加圧液室6側から第1層2a、第2層2b、第3層2cの3層構造のニッケルプレートで形成したもので、例えば電鋳によって作製している。なお、この振動板部材2は、例えば、ポリイミドなどの樹脂部材とSUS基板などの金属プレートとの積層部材、或いは、樹脂部材から形成したものなどを用いることもできる。
ノズル板3は、各加圧液室6に対応して多数のノズル4を形成し、流路板1に接着剤接合している。このノズル板3としては、ステンレス、ニッケルなどの金属、ポリイミド樹脂フィルムなどの樹脂、シリコン、及びそれらの組み合わせからなるものを用いることができる。また、ノズル4の内部形状(内側形状)は、ホーン形状(略円柱形状又は略円錘台形状でもよい。)に形成し、このノズル4の穴径はインク滴出口側の直径で約20〜35μmとしている。さらに、各列のノズルピッチは150dpiとした。
また、ノズル板3のノズル面(吐出方向の表面:吐出面)には、図示しない撥水性の表面処理を施した撥水処理層を設けている。撥水処理層としては、例えば、PTFE−Ni共析メッキやフッ素樹脂の電着塗装、蒸発性のあるフッ素樹脂(例えばフッ化ピッチなど)を蒸着コートしたもの、シリコン系樹脂・フッ素系樹脂の溶剤塗布後の焼き付け等、記録液物性に応じて選定した撥水処理膜を設けて、記録液の滴形状、飛翔特性を安定化し、高品位の画像品質を得られるようにしている。
そして、振動板部材2には、図2に示すように、各加圧液室6に対応して第1層2aで形成した変形可能な領域であるダイアフラム部2Aの中央部に第2層2b、第3層2cの2層構造の凸部2Bを形成し、この凸部2Bに圧力発生手段(アクチュエータ手段)を構成する圧電素子12をそれぞれ接合している。また、各加圧液室6の隔壁6Aに対応して3層構造部分(厚肉部2B)に支柱部13を接合している。
これらの圧電素子12及び支柱部13は積層型圧電素子部材14にハーフカットのダイシングによるスリット加工を施して櫛歯状に分割して形成したもので、支柱部13も圧電素子であるが駆動電圧を印加しないために単なる支柱となっている。この積層型圧電素子部材14はベース部材15に接合している。
なお、圧電素子12(圧電素子部材14)は、例えば厚さ10〜50μm/1層のチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)の圧電層と、厚さ数μm/1層の銀・パラジューム(AgPd)からなる内部電極層とを交互に積層したものであり、内部電極を交互に端面の端面電極(外部電極)である個別電極、共通電極に電気的に接続し、これらの電極にFPCケーブル16を介して駆動信号を供給するようにしている。
また、圧電素子12の圧電方向としてd33方向の変位を用いて加圧液室6内記録液を加圧する構成とすることも、圧電素子12の圧電方向としてd31方向の変位を用いて加圧液室6内記録液を加圧する構成とすることもできる。本実施形態ではd33方向の変位を用いた構成をとっている。
ベース部材15は金属材料で形成することが好ましい。ベース部材13の材質(材料)が金属であれば、圧電素子12の自己発熱による蓄熱を防止することができる。圧電素子12とベース部材13は接着剤により接着接合しているが、チャンネル数が増えると、圧電素子12の自己発熱により100℃近くまで温度が上昇し、接合強度が著しく低下することになる。また、自己発熱によりヘッド内部の温度上昇が発生し、インク温度が上昇するが、インクの温度が上昇すると、インク粘度が低下し、噴射特性に大きな影響を与える。したがって、ベース部材15を金属材料で形成して圧電素子12の自己発熱による蓄熱を防止することで、これらの接合強度の低下、記録液粘度の低下による噴射特性の劣化を防止することができる
さらに、振動板部材2の周囲には例えばエポキシ系樹脂或いはポリフェニレンサルファイトで射出成形により形成したフレーム部材17を接着剤で接合している。
このフレーム部材17には、各加圧液室6に記録液を供給する共通液室8を形成し、共通液室8から振動板部材2に形成した供給口9、流体抵抗部7の上流側に形成した流路10、流体抵抗部7を介して加圧液室6に記録液が供給される。なお、フレーム部材17には共通液室8に外部から記録液を供給するための記録液供給口19も形成される。また、共通液室8は、図1に示すように、加圧液室6の並び方向(ノズル並び方向:これを「共通液室長手方向」とする)に平面形状で長方形状に形成している。
そして、この共通液室8内の圧力変動を吸収減衰させるためのダンパ手段20を設けている。このダンパ手段20は、共通液室8の少なくとも1つの壁面を形成する変形可能な部材である薄肉部23と、この薄肉部23に接して薄肉部23の振動を減衰させる振動減衰部材であるダンパ材24によって構成している。
すなわち、加圧液室6の壁面を形成する部材である振動板部材2で共通液室8の一部の壁面を形成し、この共通液室8の壁面を形成する部分を自由振動面(ダンパエリア)21としている。この自由振動面21は、図4(共通液室側から見た斜視図)にも示すように、3層構造の振動板部材2の3層構造部分(第1層2aないし第3層2c)で形成した厚肉部22と、第2層2b及び第3層2cの一部を肉抜きして第1層2aの1層構造とした部分で形成した平面矩形状の変形可能な部分である薄肉部(ダイアフラム部)23とによって構成している。この場合、厚肉部22と薄肉部23とは共通液室8の長手方向(ノズル配列方向)でストライプ状に配置されることになる。
ここで、薄肉部23は共通液室8の少なくとも1つの壁面を形成する変形可能な部材であり、振動板部材2と一体形成している。変形可能な部材が加圧液室の壁面を形成する部材(ここでの振動板部材2)と一体形成されていることで、ヘッドの構成部品数や製造工程数を減らすことができ、ヘッドの製造コストを抑えることができる。また、変形可能な部材(薄肉部23)が加圧液室の壁面を形成する部材と同一の厚みであることで、加圧液室の壁面を形成する部材と一体形成することが容易になる。
なお、厚肉部22を2層構造とし、薄肉部23を1層構造とし、あるいは、厚肉部22を3層構造とし、薄肉部23を2層構造としても良い。また、共通液室8の一部の壁面を形成する振動板部材2の少なくとも共通液室8側は耐インク性(耐液性)を有することが好ましい。
そして、自由振動面21上には薄肉部23に接して薄肉部23の振動を減衰させる粘弾性物質からなる振動減衰部材としてダンパ材24が設けられている。本実施形態ではダンパ材24は自由振動面21上の全面に形成しているが、全面に形成しなくても良い。少なくとも変形可能な部材である薄肉部23の上には形成することが好ましい。薄肉部23は共通液室内の圧力を吸収するために変形可能であり、ダンパ材24は薄肉部23の振動を減衰させる機能を持つことにより正確なメニスカス制御が可能となる。
また、本実施形態のようにダンパ材24を変形可能な部材(薄肉部23)の共通液室8と反対側に設けて、共通液室8内の液体(本実施形態ではインク)に接しない構造であるため、ダンパ材24が耐インク性(耐液性)を持たなくてもよく、液体(インク)や粘弾性物質の種類の選択の幅が広がる。これにより、ヘッドの製造コストを安価にしやすく、使用できるインク種も多くなり、高画質化し易くなる。
また、ダンパ材24は、自由振動面21の共通液室8の外側に原液をディスペンサなどで塗布し、熱や紫外線により硬化形成して設けることができ、製造が簡易である。
ここで、ダンパ材24は上述したように粘弾性物質で形成している。薄肉部23が共通液室8内の圧力変動に応じて振動するとき、この振動を弾性部材だけで短時間で低減することはできず、薄肉部23の振動によって共通液室8内の液体に対して振動が伝達されて、逆に加圧液室6内に伝播することになる。これに対して、弾性と粘性の両方を備える粘弾性物質を用いることで、薄肉部23の振動を粘弾性物質で吸収して減衰させることができる。
粘弾性物質としては、ゲル状の物質が好ましく、特にシリコーンゲルは弾性と粘性の温度変化が小さく好ましい。また、この粘弾性物質の粘度が共通液室8内の液体よりも粘度が高い物質であることがより好ましい。粘度が共通液室内の液体よりも粘度が高い物質であることにより、共通液室内の圧力・振動を吸収・減衰させるのに効果的である。ゲル状の粘弾性物質としては、シリコーンゲル以外に、例えば、ウレタン系、スチレン系、オレフィン系などのゲル物質を挙げることができる。
このダンパ材24の形成方法は、例えば、原液の塗布と硬化による形成の他、成型品にして配置することにより形成してもよい。
このように構成した液体吐出ヘッドにおいては、例えば圧電素子12に印加する電圧を基準電位から下げることによって圧電素子12が収縮し、振動板部材2が下降して加圧液室6の容積が膨張することで、加圧液室6内にインクが流入し、その後圧電素子12に印加する電圧を上げて圧電素子12を積層方向に伸長させ、振動板部材2をノズル4方向に変形させて加圧液室6の容積/体積を収縮させることにより、加圧液室6内の記録液が加圧され、ノズル4から記録液の滴が吐出(噴射)される。
そして、圧電素子12に印加する電圧を基準電位に戻すことによって振動板部材2が初期位置に復元し、加圧液室6が膨張して負圧が発生するので、このとき、共通液室8から加圧液室6内に記録液が充填される。そこで、ノズル4のメニスカス面の振動が減衰して安定した後、次の液滴吐出のための動作に移行する。
なお、このヘッドの駆動方法については上記の例(引き−押し打ち)に限るものではなく、駆動波形の与えた方によって引き打ちや押し打ちなどを行うこともできる。
このようにしてノズル4から液滴を吐出させるために加圧液室6内に圧力変動が生じさせると、加圧液室6内の圧力変動が流体抵抗部7を通じて共通液室8に伝播される。
これにより、ダンパ手段20がない場合、或いは、薄肉部23は有しているがダンパ材24を備えていない場合には、共通液室8に伝播した圧力変動が、再び当該加圧液室6に逆流伝播し、或いは、他の加圧液室6に伝播して、液滴を吐出させる加圧液室6の圧力を変動させて所要の滴体積、滴速度で液滴を吐出できなくなったり、液滴を吐出させない加圧液室6の圧力を変動させてノズルメニスカスを崩して、記録液が漏洩したり、液滴が吐出されたりする可能性がある。
これに対して、この液体吐出ヘッドにおいては、共通液室8に振動板部材2と一体の薄肉部23を設けているので、共通液室8内に圧力変動が伝播したときには、薄肉部23が変形(変位)して圧力変動が吸収される。このとき、薄肉部23は共通液室8内の圧力変動に応じて変位することになって振動しようとするが、薄肉部23には粘弾性物質からなるダンパ材24が接しているので、薄肉部23の振動をダンパ材24が吸収して減衰させるため、薄肉部23が共通液室8内の圧力振動に応じて振動することが抑制(減衰)される。
つまり、単に薄肉部23を設けて共通液室8内の圧力変動に応じて変形させても、今度は薄肉部23が振動することになり、この薄肉部23の振動による圧力変動が共通液室8内の液体を変動させ、この共通液室8内の液体の変動が加圧液室6に伝播されて、滴吐出のタイミングでメニスカスの完全な復帰がなされない現象が起こる。そのため、ノズルのメニスカス制御性が困難になり、吐出滴の体積、速度、噴射方向が安定しなくなって画質が劣化することになる。この現象は連続して吐出が繰り返された後、つまり振動が減衰すると、定常的なインク供給が成されメニスカスの動作が正常な状態になるため生じなくなるが、薄肉部23の振動が減衰するまでの間は、その振動周期で吐出滴の体積や速度が微妙に変動してしまい画質品位を落とすことになる。
そこで、この液体吐出ヘッドのように、薄肉部23の振動を粘弾性物質からなるダンパ材24で吸収減衰させることで、薄肉部23の振動による共通液室8内の液体の変動を低減して、早期に圧力変動を抑制することができる。この場合、ダンパ部材24が粘弾性部材ではなくゴム弾性部材であると、振動周波数を若干低周波にシフトさせる効果は見込めるものの、振動減衰効果は小さいために振動自体を抑制することはできない。振動自体を抑制するためにはダンパ部材の粘性特性が非常に有効であり、不可欠である。
このように、共通流路の少なくとも1つの壁面を形成する変形可能な部材と、この変形可能な部分に接して設けられた粘弾性物質からなる振動減衰部材とを有する構成としたので、共通流路内の圧力変動に応じて1つの壁面を形成する変形可能な部材が変形して圧力変動を吸収し、更に変形可能な部材の振動を振動減衰部材で減衰させることで、変形可能な部材の振動を速やかに減衰させることができ、共通流路内に大きな圧力変動が生じても正確なメニスカス制御を行うことができる。
また、薄肉部23を加圧液室の一面に配置される振動板部材2と同一の層として同一の厚みで一体形成することで、ヘッドの構成部品の数を減らすことができるとともに、加圧液室6の変形可能な領域と共通液室8上の薄肉部23を同一の工程で同時に形成することが可能となる。さらに、加圧液室6を構成する部品及び共通液室8を構成する部品を形成後、振動板部材2と自由振動面21からなる層を一度の接合により加圧液室部及び共通液室部を形成することが可能となって、製造コスト、製造工数、組立て工数などを減らすことができる。
なお、本実施形態では圧力発生手段として圧電素子を用いているが、発熱体を加熱して熱エネルギーの作用によって液に気泡を発生させる方法を用いても良く、本発明に係る液体吐出ヘッドにおける圧力発生手段は限定されるものではない。
次に、本発明に係る液体吐出ヘッドの第2実施形態について図5を参照して説明する。なお、図5は同液体吐出ヘッドの液室長手方向に沿う断面説明図である。なお、第1実施形態と対応する部分には同じ符号を付している。
このヘッドにおいては、ダンパ手段20を保護する部材を兼ねたノズル部材3の周囲を保護するノズルカバー31を備えている。
ノズルカバー31によりダンパ手段20を外部との接触や汚染から保護でき、液体吐出ヘッドの破損や特性の劣化を防ぐことができる。ここで、外部からの接触とは、製造工程中での部品や組立装置、治具、人の手などとの接触、画像形成装置での用紙ジャムによる用紙との接触などがある。また、ノズル3の吐出面側にインク(液体)がダンパ手段20を構成するダンパ材24に接触してダンパ材24を腐食することなども防止できる。
次に、本発明に係る液体吐出ヘッドの第3実施形態について図6を参照して説明する。なお、図6は同液体吐出ヘッドの液室長手方向に沿う断面説明図である。なお、第1実施形態と対応する部分には同じ符号を付している。
このヘッドにおいては、ダンパ材24の表面を覆う保護層32を形成している。保護層32はフッ素樹脂(例えばフッ化ピッチなど)を蒸着コートしたもの、シリコン系樹脂・フッ素系樹脂・エポキシ系樹脂・ポリイミド等の溶剤塗布後の焼き付けや紫外線硬化等により形成することができる。保護層31はタック性を有する固体であることが、ヘッド製造上扱い易いために好ましい。また、保護層32は耐液性(耐インク性)を有することが好ましい。
このように、保護層32によって振動を減衰させる機能を有するダンパ材24を保護することにより、製造歩留まりやヘッド特性を維持して耐久性を向上させることができる。
なお、上述した各実施形態において、ダンパ材24として耐液性(耐インク性)を有するものを用いることで、吐出したインクや薄肉部23にピンホールがあった場合でも、ダンパ材24が溶解したり、薄肉部23から剥離したりすることを防止でき、液体吐出ヘッドの特性の劣化を防ぐことができる。
また、図7に示すように、第1実施形態の構造におけるダンパ材24が撥液性(撥インク性)を有することで、第2実施形態のようなノズルカバーがなくとも、ヘッドの維持回復動作でワイパーブレード40によってノズル3の吐出面をワイピングするときにダンパ材24の表面もワイピングして清浄化することができ、ヘッドの構成部品の数を減らすことができ、低コスト化を図れる。
同様に、第3実施形態の保護層32が撥液性(撥インク性)を有することで、第2実施形態のようなノズルカバーがなくとも、ヘッドの維持回復動作でワイパーブレード40によってノズル3の吐出面をワイピングするときにダンパ材24の表面もワイピングして清浄化することができ、ヘッドの構成部品の数を減らすことができ、低コスト化を図れる。
次に、本発明に係る液体吐出ヘッドの第4実施形態について図8及び図9を参照して説明する。なお、図8は同液体吐出ヘッドの液室長手方向に沿う断面説明図、図9は同液体吐出ヘッドの分解斜視説明図である。なお、第1実施形態と対応する部分には同じ符号を付している。
このヘッドにおいては、振動板部材2と流路板1及びノズル板3の大きさを略同じにして、流路板1にダンパ手段20の自由振動面21に対応して貫通穴33を形成し、この貫通穴33内にダンパ材24を設け、更にダンパ材24を保護する部材としてノズル板3の一部3Aを用いたものである。この貫通穴33は図8に示すように両側側方に開口する連通路33a、33bを形成し、この連通路33a、33bを介して組立て後の貫通穴33内部にダンパ材24を充填している。
このようにすれば、特別に部材や保護層を増加することなく、ダンパ手段20を保護することができる。
次に、共通液室8の構造の他の例について図10を参照して説明する。なお、図10はフレーム部材の斜視説明図である。
この例では、共通液室8は長手方向の端部8a、8aで短手方向の幅が狭くなり深さが浅くなる形状となっている。共通液室8をこのような形状とすることにより記録液の流れ性と気泡排出性を高めることができる。
次に、本発明に係る液体カートリッジについて図11を参照して説明する。なお、図12は同液体カートリッジの一例を示す斜視説明図である。
この液体カートリッジ90は、ノズル91を有する本発明に係る液体吐出ヘッド92と、この液体吐出ヘッド92に液体としての例えば記録液を供給する液体収容部(タンク)93とを一体に備えている。
これによって、レイアウト上の制約が低減し、圧力変動も吸収できて相互干渉を効率的に抑制することができる液体吐出ヘッド一体型の液体カートリッジが得られる。
次に、本発明に係る液体吐出ヘッドを備える本発明に係る液体吐出装置を含む画像形成装置の一例について図12を参照して説明する。なお、図12は同装置の機構部の全体構成を説明する概略構成図である。
この画像形成装置は、媒体の印字領域幅以上の長さのノズル列(ノズル4を並べたもの)を有するフルライン型ヘッドからなる記録ヘッドを搭載したライン型画像形成装置である。
この画像形成装置は、例えばブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色の液滴を吐出する、フルライン型の4個の本発明に係る液体吐出ヘッドで構成した記録ヘッド101k、101c、101m、101y(色を区別しないときには「記録ヘッド101)という。)を備え、各記録ヘッド101はノズル4を形成した面を下方に向けて図示しないヘッドホルダに装着している。また、各記録ヘッド101に対応してヘッドの性能を維持回復するための維持回復機構102を備え、パージ処理、ワイピング処理などのヘッドの性能維持動作時には、記録ヘッド101と維持回復機構102とを相対的に移動させて、記録ヘッド101のノズル面に維持回復機構102を構成するキャッピング部材などを対向させる。
なお、ここでは、記録ヘッド101は、用紙搬送方向上流側から、ブラック、シアン、マゼンダ、イエローの順に各色の液滴を吐出する配置としているが、配置及び色数はこれに限るものではない。また、ライン型ヘッドとしては、各色の液滴を吐出する複数のノズル列を所定間隔で設けた1又は複数のヘッドを用いることもできるし、ヘッドとこのヘッドに記録液を供給する記録液カートリッジを一体とすることも別体とすることもできる。
給紙トレイ103は、用紙104を載置する底板105と、用紙104を給送するための給紙コロ(半月コロ)106を備えている。底板105はベース108に取り付けられた回転軸109を中心に回転可能であって、加圧ばね110によって給紙コロ106側に付勢されている。なお、給紙コロ106に対向して、用紙104の重送を防止するため、人工皮、コルク材等の摩擦係数の大きい材質からなる図示しない分離パッドが設けられている。また、底板105と給紙コロ106の当接を解除する図示しないリリースカムが設けられている。
そして、この給紙トレイ103から給紙された用紙104を搬送ローラ112とピンチローラ113との間に送り込むために用紙104を案内するガイド部材110、111を設けている。
搬送ローラ112は、図示しない駆動源によって回転されて、送り込まれる用紙104を記録ヘッド101に対向して配置したプラテン115に向けて搬送する。プラテン115は、記録ヘッド101と用紙104とのギャップを維持することができるものであれば、剛体構造体でもよいし、搬送ベルトなどを用いることもできる。
プラテン115の下流側には、画像が形成された用紙104を排紙するための排紙ローラ116及びこれに対向する拍車117を配置し、排紙ローラ116によって画像が形成された用紙104を排紙トレイ118に排紙する。
また、排紙トレイ118と反対側には、用紙104を手差し給紙するための手差しトレイ121と、手差しトレイ121に載置された用紙104を給紙する給紙コロ122を配置している。この手差しトレイ121から給紙される用紙104はガイド部材111に案内されて搬送ローラ112とピンチローラ113との間に送り込まれる。
この画像形成装置においては、待機状態では、リリースカムが給紙トレイ103底板105を所定位置まで押し下げ、底板105と給紙コロ106との当接を解除している。そして、この状態で、搬送ローラ112が回転されることによって、この回転駆動力が図示しないギア等により給紙コロ106及び図示しないリリースカムに伝達されて、リリースカムが底板105から離れて底板105が上昇し、給紙コロ106と用紙104が当接し、給紙コロ106の回転に伴って用紙104がピックアップされて給紙が開始され、図示しない分離爪によって一枚ずつ分離される。
そして、給送コロ106の回転によって用紙104がガイド部材110、111に案内されて搬送ローラ112とピンチローラ113との間に送り込まれ、搬送ローラ112によって用紙104がプラテン115上に送り出される。その後、用紙104の後端は給紙コロ106のDカット部に対向して当接が解除され、搬送ローラ112によってプラテン115上に搬送される。なお。給紙コロ106と搬送ローラ112との間に、補助的に、搬送回転対を設けることもできる。
このようにしてプラテン115上を搬送される用紙104に対して、記録ヘッド1から液滴を吐出して画像を形成し、画像が形成された用紙104は排紙ローラ116によって排紙トレイ118に排紙される。なお、画像形成時における紙搬送の速度と液滴吐出のタイミングは図示しない制御部によって制御される。
このように、本発明に係るライン型の液体吐出ヘッドを備えることによって、高速で高画質画像を形成することができる。
次に、本発明に係る液体吐出ヘッドを備える本発明に係る液体吐出装置を含む画像形成装置の他の例について図13及び図14を参照して説明する。なお、図13は同装置の機構部の全体構成を説明する概略構成図、図14は同機構部の要部平面説明図である。
この画像形成装置はシリアル型画像形成装置であり、左右の側板201A、201Bに横架したガイド部材である主従のガイドロッド231、232でキャリッジ233を主走査方向に摺動自在に保持し、図示しない主走査モータによってタイミングベルトを介して図14で矢示方向(キャリッジ主走査方向)に移動走査する。
このキャリッジ233には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色のインク滴を吐出するための本発明に係る液体吐出ヘッドからなる記録ヘッド234a、234b(区別しないときは「記録ヘッド234」という。)を複数のノズルからなるノズル列を主走査方向と直交する副走査方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
記録ヘッド234は、それぞれ2つのノズル列を有し、記録ヘッド234aの一方のノズル列はブラック(K)の液滴を、他方のノズル列はシアン(C)の液滴を、記録ヘッド234bの一方のノズル列はマゼンタ(M)の液滴を、他方のノズル列はイエロー(Y)の液滴を、それぞれ吐出する。
また、キャリッジ233には、記録ヘッド234のノズル列に対応して各色のインクを供給するためのヘッドタンク235a、235b(区別しないときは「ヘッドタンク35」という。)を搭載している。このサブタンク235には各色の供給チューブ36を介して、各色のインクカートリッジ210から各色のインクが補充供給される。
一方、給紙トレイ202の用紙積載部(圧板)241上に積載した用紙242を給紙するための給紙部として、用紙積載部241から用紙242を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ)243及び給紙コロ243に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド244を備え、この分離パッド244は給紙コロ243側に付勢されている。
そして、この給紙部から給紙された用紙242を記録ヘッド234の下方側に送り込むために、用紙242を案内するガイド部材245と、カウンタローラ246と、搬送ガイド部材247と、先端加圧コロ249を有する押さえ部材248とを備えるとともに、給送された用紙242を静電吸着して記録ヘッド234に対向する位置で搬送するための搬送手段である搬送ベルト251を備えている。
この搬送ベルト251は、無端状ベルトであり、搬送ローラ252とテンションローラ253との間に掛け渡されて、ベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成している。また、この搬送ベルト251の表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ256を備えている。この帯電ローラ256は、搬送ベルト251の表層に接触し、搬送ベルト251の回動に従動して回転するように配置されている。この搬送ベルト251は、図示しない副走査モータによってタイミングを介して搬送ローラ252が回転駆動されることによって図14のベルト搬送方向に周回移動する。
さらに、記録ヘッド234で記録された用紙242を排紙するための排紙部として、搬送ベルト251から用紙242を分離するための分離爪261と、排紙ローラ262及び排紙コロ263とを備え、排紙ローラ262の下方に排紙トレイ203を備えている。
また、装置本体1の背面部には両面ユニット271が着脱自在に装着されている。この両面ユニット271は搬送ベルト251の逆方向回転で戻される用紙242を取り込んで反転させて再度カウンタローラ246と搬送ベルト251との間に給紙する。また、この両面ユニット271の上面は手差しトレイ272としている。
さらに、図14に示すように、キャリッジ233の走査方向一方側の非印字領域には、記録ヘッド234のノズルの状態を維持し、回復するための回復手段を含むヘッドの維持回復装置である維持回復機構281を配置している。
この維持回復機構281には、記録ヘッド234の各ノズル面をキャピングするための各キャップ部材(以下「キャップ」という。)282a、282b(区別しないときは「キャップ282」という。)と、ノズル面をワイピングするためのブレード部材であるワイパーブレード283と、増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け284などを備えている。
また、図14に示すように、キャリッジ233の走査方向他方側の非印字領域には、記録中などに増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける液体回収容器であるインク回収ユニット(空吐出受け)288を配置し、このインク回収ユニット288には記録ヘッド234のノズル列方向に沿った開口部289などを備えている。
このように構成したこの画像形成装置においては、給紙トレイ202から用紙242が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙242はガイド245で案内され、搬送ベルト251とカウンタローラ246との間に挟まれて搬送され、更に先端を搬送ガイド237で案内されて先端加圧コロ249で搬送ベルト251に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
このとき、帯電ローラ256に対してプラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返すように、つまり交番する電圧が印加され、搬送ベルト251が交番する帯電電圧パターン、すなわち、周回方向である副走査方向に、プラスとマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電されたものとなる。このプラス、マイナス交互に帯電した搬送ベルト251上に用紙242が給送されると、用紙242が搬送ベルト251に吸着され、搬送ベルト251の周回移動によって用紙242が副走査方向に搬送される。
そこで、キャリッジ233を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド234を駆動することにより、停止している用紙242にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙242を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙242の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙242を排紙トレイ203に排紙する。
このようなシリアル型画像形成装置であっても、本発明に係る液体吐出ヘッドを備えることによって、安定した滴吐出特性が得られるので、高速で高画質画像を記録できるようになる。
次に、上述した液体吐出ヘッドから吐出する液体としての記録液(インク)について説明する。
本発明に係る液体吐出ヘッドで吐出するインクは、少なくとも水、着色剤、及び湿潤剤を含有してなり、浸透剤、界面活性剤、更に必要に応じてその他の成分を含有してなるものが好ましい。
ここで、インクは、25℃における表面張力が、15〜30mN/mであることがより好ましい。表面張力が15/m未満であると、本発明に係る液体吐出ヘッドのノズルプレート(ノズル板)に濡れすぎてインク滴の形成(粒子化)がうまくできなくなって、安定したインクの吐出が得られないことがある。また、30mN/mを超えると、記録用メディアへのインク浸透が十分に起こらず、ビーディングの発生や乾燥時間の長時間化を招くことがある。
上記表面張力は、例えば、表面張力測定装置(協和界面科学株式会社製、CBVP−Z)を用い、白金プレートを使用して25℃で測定することができる。
−着色剤−
インクに含有する着色剤としては、顔料、染料、及び着色微粒子の少なくともいずれかを用いることが好ましい。
着色微粒子としては、顔料及び染料の少なくともいずれかの色材を含有させたポリマー微粒子の水分散物が好適に用いられる。
ここで、上記「色材を含有させた」とは、ポリマー微粒子中に色材を封入した状態及びポリマー微粒子の表面に色材を吸着させた状態の何れか又は双方を意味する。この場合、本発明のインクに配合される色材はすべてポリマー微粒子に封入又は吸着されている必要はなく、本発明の効果が損なわれない範囲において、該色材がエマルジョン中に分散していてもよい。前記色材としては、水不溶性又は水難溶性であって、前記ポリマーによって吸着され得る色材であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
また、「水不溶性又は水難溶性」とは、20℃で水100質量部に対し色材が10質量部以上溶解しないことを意味する。また、「溶解する」とは、目視で水溶液表層又は下層に色材の分離や沈降が認められないことを意味する。
また、色材を含有させたポリマー微粒子(着色微粒子)の体積平均粒径は、インク中において0.01〜0.16μmが好ましい。
着色剤としては、例えば、水溶性染料、油溶性染料、分散染料等の染料、顔料等が挙げられる。良好な吸着性及び封入性の観点からは油溶性染料及び分散染料が好ましいが、得られる画像の耐光性からは顔料が好ましく用いられる。
なお、前記各染料は、ポリマー微粒子に効率的に含浸される観点から、有機溶剤、例えば、ケトン系溶剤に2g/リットル以上溶解することが好ましく、20〜600g/リットル溶解することがより好ましい。
水溶性染料としては、カラーインデックスにおいて酸性染料、直接性染料、塩基性染料、反応性染料、食用染料に分類される染料であり、好ましくは耐水性、及び耐光性に優れたものが用いられる。
この場合、酸性染料及び食用染料としては、例えば、C.I.アシッドイエロー 17,23,42,44,79,142;C.I.アシッドレッド 1,8,13,14,18,26,27,35,37,42,52,82,87,89,92,97,106,111,114,115,134,186,249,254,289;C.I.アシッドブルー 9,29,45,92,249;C.I.アシッドブラック 1,2,7,24,26,94;C.I.フードイエロー 3,4;C.I.フードレッド 7,9,14;C.I.フードブラック 1,2などが挙げられる。
また、直接性染料としては、例えば、C.I.ダイレクトイエロー 1,12,24,26,33,44,50,86,120,132,142,144;C.I.ダイレクトレッド 1,4,9,13,17,20,28,31,39,80,81,83,89,225,227;C.I.ダイレクトオレンジ 26,29,62,102;C.I.ダイレクトブルー 1,2,6,15,22,25,71,76,79,86,87,90,98,163,165,199,202;C.I.ダイレクトブラック 19,22,32,38,51,56,71,74,75,77,154,168,171などが挙げられる。
また、塩基性染料としては、例えば、C.I.べーシックイエロー 1,2,11,13,14,15,19,21,23,24,25,28,29,32,36,40,41,45,49,51,53,63,64,65,67,70,73,77,87,91;C.I.ベーシックレッド 2,12,13,14,15,18,22,23,24,27,29,35,36,38,39,46,49,51,52,54,59,68,69,70,73,78,82,102,104,109,112;C.I.べーシックブルー 1,3,5,7,9,21,22,26,35,41,45,47,54,62,65,66,67,69,75,77,78,89,92,93,105,117,120,122,124,129,137,141,147,155;C.I.ベーシックブラック 2,8などが挙げられる。
また、反応性染料としては、例えば、C.I.リアクティブブラック 3,4,7,11,12,17;C.I.リアクティブイエロー 1,5,11,13,14,20,21,22,25,40,47,51,55,65,67;C.I.リアクティブレッド 1,14,17,25,26,32,37,44,46,55,60,66,74,79,96,97;C.I.リアクティブブルー 1,2,7,14,15,23,32,35,38,41,63,80,95などが挙げられる。
前記顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、
無機顔料、有機顔料のいずれであってもよい。
無機顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエロー、カーボンブラック、などが挙げられる。これらの中でも、カーボンブラックなどが好ましい。なお、前記カーボンブラックとしては、例えば、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法
などの公知の方法によって製造されたものが挙げられる。
また、有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、多環式顔料、染料キレート、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、などが挙げられる。これらの中でも、アゾ顔料、多環式顔料などがより好ましい。なお、前記アゾ顔料としては、例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、などが挙げられる。前記多環式顔料としては、例えば、フタロシアニン顔料、ぺリレン顔料、ぺリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料、などが挙げられる。前記染料キレートとしては、例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート、などが挙げられる。
顔料の色としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、黒色用のもの、カラー用のもの、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
黒色用のものとしては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料、などが挙げられる。
カラー用のものとしては、黄色インク用では、例えば、C.I.ピグメントイエロー1(ファストイエローG)、3、12(ジスアゾイエローAAA)、13、14、17、23、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83(ジスアゾイエローHR)、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、128、138、150、153、などが挙げられる。
マゼンタ用では、例えば、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22(ブリリアントファーストスカーレット)、23、31、38、48:2(パーマネントレッド2B(Ba))、48:2(パーマネントレッド2B (Ca))、48:3(パーマネントレッド2B(Sr))、48:4(パーマネントレッド2B(Mn))、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81(ローダミン6Gレーキ)、83、88、92、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(ジメチルキナクリドン)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、185、190、193、209、219、などが挙げられる。
シアン用では、例えば、C.I.ピグメントブルー1、2、15(銅フタロシアニンブルーR)、15:1、15:2、15:3(フタロシアニンブルーG)、15:4、15:6(フタロシアニンブルーE)、16、17:1、56、60、63等が挙げられる。
また、中間色としてはレッド、グリーン、ブルー用として、C.I.ピグメントレッド177、194、224、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントバイオレット3,19,23,37、C.I.ピグメントグリーン7,36などが挙げられる。
顔料としては、少なくとも1種の親水基が顔料の表面に直接若しくは他の原子団を介して結合した分散剤を使用することなく安定に分散させることができる自己分散型顔料が好適に用いられる。その結果、従来のインクのように、顔料を分散させるための分散剤が不要となる。前記自己分散型顔料としては、イオン性を有するものが好ましく、アニオン性に帯電したものやカチオン性に帯電したものが好適である。
自己分散型顔料の体積平均粒径は、インク中において0.01〜0.16μmが好ましい。
また、アニオン性親水基としては、例えば、−COOM、−SO3M、−PO3HM、−PO3M2、−SO2NH2、−SO2NHCOR(ただし、式中のMは、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム又は有機アンモニウムを表す。Rは、炭素原子数1〜12のアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基又は置換基を有してもよいナフチル基を表す)等が挙げられる。これらの中でも、−COOM、−SO3Mがカラー顔料表面に結合されたものを用いることが好ましい。
上記親水基中における「M」は、アルカリ金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、等が挙げられる。前記有機アンモニウムとしては、例えば、モノ乃至トリメチルアンモニウム、モノ乃至トリエチルアンモニウム、モノ乃至トリメタノールアンモニウムが挙げられる。前記アニオン性に帯電したカラー顔料を得る方法としては、カラー顔料表面に−COONaを導入する方法として、例えば、カラー顔料を次亜塩素酸ソーダで酸化処理する方法、スルホン化による方法、ジアゾニウム塩を反応させる方法が挙げられる。
また、カチオン性親水基としては、例えば、第4級アンモニウム基が好ましく、下記に挙げる第4級アンモニウム基がより好ましく、これらのいずれかが顔料表面に結合されたものが色材として好適である。
前記親水基が結合されたカチオン性の自己分散型カーボンブラックを製造する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、下記構造式で表されるN−エチルピリジル基を結合させる方法としては、カーボンブラックを3−アミノ−N−エチルピリジウムブロマイドで処理する方法などが挙げられる。
ここで、親水基が、他の原子団を介してカーボンブラックの表面に結合されていてもよい。他の原子団としては、例えば、炭素原子数1〜12のアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基又は置換基を有してもよいナフチル基が挙げられる。上記した親水基が他の原子団を介してカーボンブラックの表面に結合する場合の具体例としては、例えば、−C2H4COOM(ただし、Mはアルカリ金属、第4級アンモニウムを表す)、−PhSO3M(ただし、Phはフェニル基、Mはアルカリ金属、第4級アンモニウムを表す)、−C5H10NH3+等が挙げられる。
本発明に係る記録方法で用いるインクには、顔料分散剤を用いた顔料分散液を用いることもできる。
顔料分散剤としては、前記親水性高分子化合物として、天然系では、アラビアガム、トラガンガム、グーアガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、アラビノガラクトン、ペクチン、クインスシードデンプン等の植物性高分子、アルギン酸、カラギーナン、寒天等の海藻系高分子、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲン等の動物系高分子、キサンテンガム、デキストラン等の微生物系高分子などが挙げられる。半合成系では、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の繊維素系高分子、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプンリン酸エステルナトリウム等のデンプン系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等の海藻系高分子などが挙げられる。純合成系では、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル等のビニル系高分子、非架橋ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸又はそのアルカリ金属塩、水溶性スチレンアクリル樹脂等のアクリル系樹脂、水溶性スチレンマレイン酸樹脂、水溶性ビニルナフタレンアクリル樹脂、水溶性ビニルナフタレンマレイン酸樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のアルカリ金属塩、四級アンモニウムやアミノ基等のカチオン性官能基の塩を側鎖に有する高分子化合物、セラック等の天然高分子化合物等が挙げられる。これらの中でも、アクリル酸、メタクリル酸、スチレンアクリル酸のホモポリマーや他の親水基を有するモノマーの共重合体からなるようなカルボキシル基を導入したものが高分子分散剤として特に好ましい。
ここで、共重合体の重量平均分子量は、3,000〜50,000が好ましく、5,000〜30,000がより好ましく、7,000〜15,000が更に好ましい。
また、顔料と分散剤との混合質量比(顔料:分散剤)は、1:0.06〜1:3が好ましく、1:0.125〜1:3がより好ましい。
前記着色剤のインクにおける添加量は、6〜15質量%が好ましく、8〜12質量%がより好ましい。前記添加量が6質量%未満であると、着色力の低下により、画像濃度が低くなったり、粘度の低下によりフェザリングや滲みが悪化することがあり、15質量%を超えると、インクジェット記録装置を放置しておいた場合等に、ノズルが乾燥し易くなり、不吐出現象が発生したり、粘度が高くなりすぎることにより浸透性が低下したり、ドットが広がらないために画像濃度が低下したり、ぼそついた画像になることがある。
−湿潤剤−
湿潤剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリオール化合物、ラクタム化合物、尿素化合物及び糖類から選択される少なくとも1種が好適である。
ここで、ポリオール化合物としては、例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類、多価アルコールアリールエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上併用して使用してもよい。
多価アルコール類としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1、3−プルパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール1,3−プロパンジオール、1,5ペンタンジオール、1、6ヘキサンジオール、グリセロール、1、2、6−ヘキサントリオール、1、2、4−ブタントリオール、1、2、3−ブタントリオール、ペトリオールなどが挙げられる。
多価アルコールアルキルエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどが挙げられる。
多価アルコールアリールエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテルなどが挙げられる。
含窒素複素環化合物としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラクタムなどが挙げられる。
アミド類としては、例えば、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミドなどが挙げられる。
アミン類としては、例えば、モノエタノ−ルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミンなどが挙げられる。
含硫黄化合物類としては、例えば、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノールなどが挙げられる。
これらの中でも、溶解性と水分蒸発による噴射特性不良の防止に対して優れた効果が得られる点から、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、テトラエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドンが好適である。
前記ラクタム化合物としては、例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、ε−カプロラクタムから選択される少なくとも1種が挙げられる。
また、尿素化合物としては、例えば、尿素、チオ尿素、エチレン尿素及び1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンから選択される少なくとも1種が挙げられる。前記尿素類のインクへの添加量は、一般的に0.5〜50質量%が好ましく、1〜20質量%がより好ましい。
また、糖類としては、単糖類、二糖類、オリゴ糖類(三糖類及び四糖類を含む)、多糖類、又はこれらの誘導体などが挙げられる。これらの中でも、グルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオースが好適であり、マルチトース、ソルビトース、グルコノラクトン、マルトースが特に好ましい。
上記多糖類とは、広義の糖を意味し、α−シクロデキストリン、セルロースなど自然界に広く存在する物質を含む意味に用いることができる。
糖類の誘導体としては、糖類の還元糖(例えば、糖アルコール(ただし、一般式:HOCH2(CHOH)nCH2OH(ただし、nは2〜5の整数を表す)で表される)、酸化糖(例えば、アルドン酸、ウロン酸など)、アミノ酸、チオ酸などが挙げられる。これらの中でも、特に糖アルコールが好ましい。該当アルコールとしては、例えば、マルチトール、ソルビット、などが挙げられる。
また、湿潤剤のインク中における含有量は、10〜50質量%が好ましく、20〜35質量%がより好ましい。前記含有量が少なすぎると、ノズルが乾燥しやすくなり液滴の吐出不良が発生することがあり、多すぎるとインク粘度が高くなり、適正な粘度範囲を超えてしまうことがある。
−浸透剤−
前記浸透剤としては、ポリオール化合物やグリコールエーテル化合物等の水溶性有機溶剤が用いられ、特に、炭素数8以上のポリオール化合物、及びグリコールエーテル化合物の少なくともいずれかが好適に用いられる。
ここで、ポリオール化合物の炭素数が8未満であると、十分な浸透性が得られず、両面印刷時に記録用メディアを汚したり、記録用メディア上でのインクの広がりが不十分で画素の埋まりが悪くなるため、文字品位や画像濃度の低下が生じることがある。
炭素数8以上のポリオール化合物としては、例えば、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール(溶解度:4.2%(25℃))、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール(溶解度:2.0%(25℃))、などが好適である。
グリコールエーテル化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類などが挙げられる。
また、浸透剤の添加量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜10質量%がより好ましい。
−界面活性剤−
前記界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アニオン界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、フッ素系界面活性剤などが挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩、などが挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、アセチレングリコール系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどが挙げられる。
アセチレングリコール系界面活性剤としては、例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オールなどが挙げられる。該アセチレングリコール系界面活性剤は、市販品として、例えば、エアープロダクツ社(米国)のサーフィノール104、82、465、485、TGなどが挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなどが挙げられる。具体的には、ラウリルジメチルアミンオキシド、ミリスチルジメチルアミンオキシド、ステアリルジメチルアミンオキシド、ジヒドロキシエチルラウリルアミンオキシド、ポリオキシエチレンヤシ油アルキルジメチルアミンオキシド、ジメチルアルキル(ヤシ)ベタイン、ジメチルラウリルベタイン、などが挙げられる。
これら界面活性剤の中でも、次の一般式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、及び(VI)で示される界面活性剤が好適である。
ただし、前記一般式(I)中、R1は、アルキル基を表し、炭素数6〜14の分岐していてもよいアルキル基を表す。hは、3〜12の整数を表す。Mは、アルカリ金属イオン、第4級アンモニウム、第4級ホスホニウム、及びアルカノールアミンから選択されるいずれかを表す。
ただし、前記一般式(II)中、R2は、アルキル基を表し、炭素数5〜16の分岐していてもよいアルキル基を表す。Mは、アルカリ金属イオン、第4級アンモニウム、第4級ホスホニウム、及びアルカノールアミンから選択されるいずれかを表す。
ただし、上記一般式(III)中、R3は、炭化水素基を表し、例えば、分岐していてもよい炭素数6〜14のアルキル基を表す。kは5〜20の整数を表す。
ただし、上記一般式(IV)中、R4は、炭化水素基を表し、例えば、炭素数6〜14のアルキル基を表す。jは、5〜20の整数を表す。
ただし、上記一般式(V)中、R
6は、炭化水素基を表し、例えば、炭素数6〜14の分岐していてもよいアルキル基を表す。L及びpは、1〜20の整数を表す。
ただし、上記一般式(VI)中、q及びrは0〜40の整数を表す。
以下、前記構造式(I)、及び(II)の界面活性剤を具体的に遊離酸型で示す。先ず、(I)の界面活性剤としては、次の(I−1)ないし(I−6)で表わされるものを挙げることができる。
次に、(II)の界面活性剤としては、次の(II−1)ないし(II−4)で表わされるものを挙げることができる。
前記フッ素系界面活性剤としては、下記一般式(A)で表されるものが好適である。
ただし、前記一般式(A)中、mは、0〜10の整数を表す。nは、1〜40の整数を表す。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物、などが挙げられる。これらの中でも、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物は起泡性が少なく、近年問題視されているフッ素化合物の生体蓄積性についても低く安全性の高いものであり、特に好ましい。
ここで、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、などが挙げられる。
また、パーフルオロアルキルカルボン化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、などが挙げられる。
また、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルリン酸エステルの塩、などが挙げられる。
また、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩、などが挙げられる。
これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH4、NH3CH2CH2OH、NH2(CH2CH2OH)2、NH(CH2CH2OH)3などが挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113、S−121、S−131、S−132、S−141、S−145(いずれも旭硝子社製)、フルラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129、FC−135、FC−170C、FC−430、FC−431(いずれも住友スリーエム社製)、メガファックF−470、F1405、F−474(いずれも大日本インキ化学工業社製)、ゾニールTBS、FSP、FSA、FSN−100、FSN、FSO−100、FSO、FS−300、UR(いずれもデュポン社製)、FT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW(いずれも株式会社ネオス社製)、PF−151N(オムノバ社製)などが挙げられる。これらの中でも、信頼性と発色向上に関して良好な点から、ゾニールFS−300、FSN、FSN−100、FSO(デュポン社製)が特に好ましい。
−その他の成分−
その他の成分としては、特に制限はなく、必要に応じて適宜選択することができ、例えば、樹脂エマルジョン、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、酸素吸収剤、光安定化剤、などが挙げられる。
−樹脂エマルジョン−
樹脂エマルジョンは、樹脂微粒子を連続相としての水中に分散したものであり、必要に応じて界面活性剤のような分散剤を含有しても構わない。
分散相成分としての樹脂微粒子の含有量(樹脂エマルジョン中の樹脂微粒子の含有量)は一般的には10〜70質量%が好ましい。また、前記樹脂微粒子の粒径は、特にインクジェット記録装置に使用することを考慮すると、平均粒径10〜1000nmが好ましく、20〜300nmがより好ましい。
分散相の樹脂微粒子成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリルスチレン系樹脂、アクリルシリコーン系樹脂などが挙げられ、これらの中でも、アクリルシリコーン系樹脂が特に好ましい。
樹脂エマルジョンとしては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
市販の樹脂エマルジョンとしては、例えば、マイクロジェルE−1002、E−5002(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、日本ペイント株式会社製)、ボンコート4001(アクリル系樹脂エマルジョン、大日本インキ化学工業株式会社製)、ボンコート5454(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、大日本インキ化学工業株式会社製)、SAE−1014(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、日本ゼオン株式会社製)、サイビノールSK−200(アクリル系樹脂エマルジョン、サイデン化学株式会社製)、プライマルAC−22、AC−61(アクリル系樹脂エマルジョン、ローム・アンド・ハース製)、ナノクリルSBCX−2821、3689(アクリルシリコーン系樹脂エマルジョン、東洋インキ製造株式会社製)、#3070(メタクリル酸メチル重合体樹脂エマルジョン、御国色素社製)などが挙げられる。
樹脂エマルジョンにおける樹脂微粒子成分の前記インクにおける添加量としては、0.1〜50質量%が好ましく、0.5〜20質量%がより好ましく、1〜10質量%が更に好ましい。前記添加量が0.1質量%未満であると、耐目詰まり性及び吐出安定性の向上効果が十分でないことがあり、50質量%を超えると、インクの保存安定性を低下させてしまうことがある。
また、防腐防黴剤としては、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、などが挙げられる。
また、pH調整剤としては、インクに悪影響をおよぼさずにpHを7以上に調整できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて任意の物質を使用することができる。
pH調製剤としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属元素の水酸化物;水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩、などが挙げられる。
また、防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト、などが挙げられる。
また、酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、りん系酸化防止剤、などが挙げられる。
フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)としては、例えば、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−[β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]2,4,8,10−テトライキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス[メチレン−3−(3',5'−ジ−tert−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、などが挙げられる。
アミン系酸化防止剤としては、例えば、フェニル−β−ナフチルアミン、α−ナフチルアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、フェノチアジン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,4−ジメチル−6−tert−ブチル−フェノール、ブチルヒドロキシアニソール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、テトラキス[メチレン−3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ジヒドロキフェニル)プロピオネート]メタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、などが挙げられる。
硫黄系酸化防止剤としては、例えば、ジラウリル3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ラウリルステアリルチオジプロピオネート、ジミリスチル3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリルβ,β’−チオジプロピオネート、2−メルカプトベンゾイミダゾール、ジラウリルサルファイド等が挙げられる。
リン系酸化防止剤としては、トリフェニルフォスファイト、オクタデシルフォスファイト、トリイソデシルフォスファイト、トリラウリルトリチオフォスファイト、トリノニルフェニルフォスファイト、等が挙げられる。
また、紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤、などが挙げられる。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、例えば、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、等が挙げられる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2'−ヒドロキシ−5'−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−4'−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3'−tert−ブチル−5'−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、等が挙げられる。
サリチレート系紫外線吸収剤としては、例えば、フェニルサリチレート、p−tert−ブチルフェニルサリチレート、p−オクチルフェニルサリチレート、等が挙げられる。
シアノアクリレート系紫外線吸収剤としては、例えば、エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート、ブチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート、等が挙げられる。
ニッケル錯塩系紫外線吸収剤としては、例えば、ニッケルビス(オクチルフェニル)サルファイド、2,2’−チオビス(4−tert−オクチルフェレート)−n−ブチルアミンニッケル(II)、2,2’−チオビス(4−tert−オクチルフェレート)−2−エチルヘキシルアミンニッケル(II)、2,2’−チオビス(4−tert−オクチルフェレート)トリエタノールアミンニッケル(II)、等が挙げられる。
本発明のインクメディアセットにおけるインクは、少なくとも水、着色剤、及び湿潤剤、必要に応じて浸透剤、界面活性剤、更に必要に応じてその他の成分を水性媒体中に分散又は溶解し、更に必要に応じて攪拌混合して製造する。前記分散は、例えば、サンドミル、ホモジナイザー、ボールミル、ペイントシャイカー、超音波分散機等により行うことができ、攪拌混合は通常の攪拌羽を用いた攪拌機、マグネチックスターラー、高速の分散機等で行うことができる。
インクの粘度は、25℃で、1mPa・s以上20mPa・s以下が好ましく、2〜20mPa・sがより好ましい。前記粘度が20Pa・sを超えると、吐出安定性の確保が困難になることがある。さらに、画像の滲みを少なくするためには25℃で、5mPa・s以上であることが好ましい。
インクのpHとしては、例えば、7〜10が好ましい。
インクの着色としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックなどが挙げられる。これらの着色を2種以上併用したインクセットを使用して記録を行うと、多色画像を形成することができ、全色併用したインクセットを使用して記録を行うと、フルカラー画像を形成することができる。
次に、具体的な実施例について説明する。なお、本発明に係る液体吐出ヘッドで吐出する液体(記録液)は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(調製例1)
−銅フタロシアニン顔料含有ポリマー微粒子分散体の調製−
機械式攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管、及び滴下ロートを備えた1Lフラスコ内を十分に窒素ガスで置換した後、スチレン11.2g、アクリル酸2.8g、ラウリルメタクリレート12.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート4.0g、スチレンマクロマー(東亜合成株式会社製、商品名:AS−6)4.0g、及びメルカプトエタノール0.4gを仕込み、65℃に昇温した。次に、スチレン100.8g、アクリル酸25.2g、ラウリルメタクリレート108.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート36.0g、ヒドロキシエチルメタクリレート60.0g、スチレンマクロマー(東亜合成株式会社製、商品名:AS−6)36.0g、メルカプトエタノール3.6g、アゾビスジメチルバレロニトリル2.4g、及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を2.5時間かけてフラスコ内に滴下した。
滴下終了後、アゾビスジメチルバレロニトリル0.8g、及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を0.5時間かけてフラスコ内に滴下した。65℃にて1時間熟成した後、アゾビスジメチルバレロニトリル0.8gを添加し、更に1時間熟成した。反応終了後、フラスコ内に、メチルエチルケトン364gを添加し、濃度が50質量%のポリマー溶液800gを得た。次に、ポリマー溶液の一部を乾燥し、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(標準:ポリスチレン、溶媒:テトラヒドロフラン)で測定したところ、重量平均分子量(Mw)は15,000であった。
次に、得られたポリマー溶液28g、銅フタロシアニン顔料26g、1mol/L水酸化カリウム水溶液13.6g、メチルエチルケトン20g、及びイオン交換水30gを十分に攪拌した。その後、3本ロールミル(株式会社ノリタケカンパニー製、商品名:NR−84A)を用いて20回混練した。得られたペーストをイオン交換水200gに投入し、十分に攪拌した後、エバポレーターを用いてメチルエチルケトン及び水を留去し、固形分量が20.0質量%の青色のポリマー微粒子分散体160gを得た。
得られたポリマー微粒子について、粒度分布測定装置(マイクロトラックUPA、日機装株式会社製)で測定した平均粒子径(D50%)は93nmであった。
(調製例2)
−ジメチルキナクリドン顔料含有ポリマー微粒子分散体の調製−
調製例1において、銅フタロシアニン顔料をC.I.ピグメントレッド122に変更した以外は、調製例1と同様にして、赤紫色のポリマー微粒子分散体を調製した。
得られたポリマー微粒子について、粒度分布測定装置(マイクロトラックUPA、日機装株式会社製)で測定した平均粒子径(D50%)は127nmであった。
(調製例3)
−モノアゾ黄色顔料含有ポリマー微粒子分散体の調製−
調製例1において、銅フタロシアニン顔料をC.I.ピグメントイエロー74に変更した以外は、調製例1と同様にして、黄色のポリマー微粒子分散体を調製した。
得られたポリマー微粒子について、粒度分布測定装置(マイクロトラックUPA、日機装株式会社製)で測定した平均粒子径(D50%)は76nmであった。
(調製例4)
−スルホン化剤処理したカーボンブラック分散体の調製−
市販のカーボンブラック顔料(デグサ社製、「プリンテックス#85」)150gをスルホラン400ml中に良く混合し、ビーズミルで微分散後、アミド硫酸15gを添加して140〜150℃で10時間攪拌した。得られたスラリーをイオン交換水1000ml中に投入し、12,000rpmで遠心分離機により表面処理カーボンブラックウェットケーキを得た。得られたカーボンブラックウェットケーキを2,000mlのイオン交換水中に再分散し、水酸化リチウムにてpHを調整し、限外濾過膜により脱塩濃縮して顔料濃度10質量%のカーボンブラック分散体とし、平均孔径1μmのナイロンフィルターで濾過し、カーボンブラック分散体を得た。
得られたカーボンブラック分散体について、粒度分布測定装置(マイクロトラックUPA、日機装株式会社製)で測定した平均粒子径(D50%)は80nmであった。
(製造例1)
−シアンインクの作製−
調製例1の銅フタロシアニン顔料含有ポリマー微粒子分散体20.0質量%、3−メチル−1,3−ブタンジオール23.0質量%、グリセリン8.0質量%、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール2.0質量%、フッ素系界面活性剤としてのFS−300(DuPont社製)2.5質量%、防腐防カビ剤としてのプロキセルLV(アベシア社製)0.2質量%、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール0.5質量%、及びイオン交換水を適量加えて100質量%とし、その後、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過を行った。以上により、シアンインクを調製した。
(製造例2)
−マゼンタインクの作製−
調製例2のジメチルキナクリドン顔料含有ポリマー微粒子分散体20.0質量%、3−メチル−1,3−ブタンジオール22.5質量%、グリセリン9.0質量%、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール2.0質量%、フッ素系界面活性剤としてのFS−300(DuPont社製)2.5質量%、防腐防カビ剤としてのプロキセルLV(アベシア社製)0.2質量%、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール0.5質量%、及びイオン交換水を適量加えて100質量%とし、その後、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過を行った。以上により、マゼンタインクを調製した。
(製造例3)
−イエローインクの作製−
調製例3のモノアゾ黄色顔料含有ポリマー微粒子分散体20.0質量%、3−メチル−1,3−ブタンジオール24.5質量%、グリセリン8.0質量%、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール2.0質量%、フッ素系界面活性剤としてのFS−300(DuPont社製)2.5質量%、防腐防カビ剤としてのプロキセルLV(アベシア社製)0.2質量%、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール0.5質量%、及びイオン交換水を適量加えて100質量%とし、その後、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過を行った。以上により、イエローインクを調製した。
(製造例4)
−ブラックインクの作製−
調製例4のカーボンブラック分散体20.0質量%、3−メチル−1,3−ブタンジオール22.5質量%、グリセリン7.5質量%、2−ピロリドン2.0質量%、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール2.0質量%、フッ素系界面活性剤としてのFS−300(DuPont社製)2.5質量%、防腐防カビ剤としてのプロキセルLV(アベシア社製)0.2質量%、及び2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール0.5質量%、及びイオン交換水を適量加えて100質量%とし、その後、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過を行った。以上によりブラックインクを調製した。
次に、得られた製造例1〜4の各インクについて、以下のようにして、表面張力、及び粘度を測定した。結果を表2に示す。
<粘度の測定>
粘度は、R−500型粘度計(東機産業株式会社製)を用いて、コーン1°34’×R24、60rpm、3分後の条件により、25℃で測定した。
<表面張力の測定>
表面張力は、表面張力測定装置(協和界面科学株式会社製、CBVP−Z)を用い、白金プレートを使用して25℃で測定した静的表面張力である。
なお、上記実施形態では本発明に係る液体吐出装置をプリンタ構成の画像形成装置に適用した例で説明したが、これに限るものではなく、例えば、プリンタ/ファックス/コピア複合機などの画像形成装置にも適用することができる。また、記録液以外の液体を用いる液体吐出装置や画像形成装置にも適用することができる。