JP2012223875A - 研磨パッド - Google Patents

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Abstract

【課題】シリコンベアウエハ、ガラス、化合物半導体基板およびハードディスク基板等の高精度研磨特性が得られる仕上げ研磨パッドを提供する。
【解決手段】研磨シートaとクッションシートbを有する研磨パッドであって、研磨シートaは湿式凝固法で得られるポリウレタンを主成分とする多孔質ポリウレタンシートまたは不織布内部にポリウレタンを主成分とした溶液を含浸させ後に湿式凝固法でポリウレタンを凝固させた状態で不織布内部に含有させたポリウレタン含浸不織布であり、クッションシートbは多孔質架橋ポリウレタンシートであり、その多孔質架橋ポリウレタンシートの圧縮弾性率が0.05MPa以上0.20MPa以下で、かつ5分後回復率と1分後回復率の比率が1.04以上であり、研磨シートaとクッションシートbとの間にプラスチックフィルムcが介在されてなる研磨パッド。
【選択図】図1

Description

本発明は、シリコンベアウエハ、ガラス、化合物半導体基板およびハードディスク基板等において良好な鏡面を形成するために使用される仕上げ用に好適な研磨パッドに関するものである。
従来、研磨シートからなる研磨布は、合成繊維と合成ゴム等からなる不織布や編織布を基材にして、その上面にポリウレタン系溶液が塗布され、湿式凝固法によりポリウレタン系溶液が凝固されて連続気孔を有する多孔層の表皮層が形成され、必要に応じてその表皮層の表面が研削、除去されることにより(以下、表皮層の表面が研削されたものをスエードと表現することがある。)製造されている(特許文献1参照。)。
このような研磨シートからなる研磨布は、既に、液晶ガラス、ガラスディスク、シリコンウエハ、化合物半導体基板およびハードディスク等の電子部品用表面鏡面研磨のための粗研磨から仕上げ用研磨パッドまで広く使用されている。しかしながら、近年、鏡面研磨面の測定機器の発達とあいまって、ユーザーからの要求品質が高くなり、ますます精度の高い鏡面研磨が出来る研磨パッドが求められており、一層の研磨シートと硬質プラスチックシートとゴム弾性体層から構成される研磨布が提案されている(特許文献2参照。)。しかしながら、かかる技術では、研磨時の被鏡面研磨面のスクラッチ・パーティクル等の欠陥を少なくし、同時に被鏡面研磨面の表面粗さを小さくすることは困難であった。
また別に、一層の研磨シートと硬質薄板と熱可塑性エラストマーからなる独立気泡の発泡体の積層研磨布が提案されている(特許文献3参照。)。しかしながら、かかる技術でも、研磨時の被鏡面研磨面のスクラッチ・パーティクル等の欠陥を少なくし、同時に被鏡面研磨面の表面粗さを小さくすることは困難であった。
特開平11−335979号公報 特開平11−277408号公報 特開平7−164308号公報
そこで本発明の目的は、上記従来技術の背景に鑑み、シリコンベアウエハ、ガラス、化合物半導体基板およびハードディスク基板等において良好な鏡面を形成するために使用される仕上げ用に好適な研磨パッドであって、研磨時の被鏡面研磨面のスクラッチ・パーティクル等の欠陥が少なく、かつ、被鏡面研磨面の表面粗さが小さくなる安定した研磨特性が得られる仕上げ用に好適な研磨パッドを提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するために、次の手段を採用するものである。すなわち、本発明の研磨パッドは、研磨シート(a)とクッションシート(b)を有する研磨パッドであって、前記研磨シート(a)は湿式凝固法で得られるポリウレタンを主成分とする多孔質ポリウレタンシートまたは不織布内部にポリウレタンを主成分とした溶液を含浸させ後に湿式凝固法でポリウレタンを凝固させた状態で不織布内部に含有させたポリウレタン含浸不織布であり、前記クッションシート(b)は乾式発泡製膜法で得られた多孔質架橋型ポリウレタンシートであり、該多孔質架橋型ポリウレタンシートの圧縮弾性率が0.05MPa以上0.20MPa以下で、かつ5分後回復率と1分後回復率の比率が1.04以上であり、前記研磨シート(a)と前記クッションシート(b)との間にプラスチックフィルム(c)が介在されてなることを特徴とする研磨パッドである。
本発明の研磨パッドの好ましい態様によれば、前記の乾式発泡製膜法で得られた多孔質架橋型ポリウレタンシートは、シート内に存在する気泡が概略互いに連通しているシートである。
本発明の研磨パッドの好ましい態様によれば、前記の乾式発泡製膜法で得られた多孔質架橋型ポリウレタンシートの5分後回復率と1分後回復率の比率は、1.07以上である。
本発明の研磨パッドの好ましい態様によれば、前記のプラスチックフィルム(c)の平均引張り弾性率は、3.5〜5.5GPaである。
本発明の研磨パッドの好ましい態様によれば、前記のプラスチックシート(c)厚みは、100μm以上250μm以下である。
本発明によれば、シリコンベアウエハ、ガラス、化合物半導体基板およびハードディスク基板等において良好な鏡面を形成するために使用される仕上げ用に好適な研磨パッドであって、研磨時の被鏡面研磨面のスクラッチ・パーティクル等の欠陥が少なく、かつ、被鏡面研磨面の表面粗さが小さくなる安定した研磨特性が得られる仕上げ用に好適な研磨パッドが得られる。
図1は、本発明の実施例1で得られた研磨パットを例示説明するための模式断面図である。
本発明の研磨パッドは、研磨シート(a)とクッションシート(b)を有する研磨パッドであって、前記研磨シート(a)は湿式凝固法で得られるポリウレタンを主成分とする多孔質ポリウレタンシートまたは不織布内部にポリウレタンを主成分とした溶液を含浸させ後に湿式凝固法でポリウレタンを凝固させた状態で不織布内部に含有させたポリウレタン含浸不織布であり、前記クッションシート(b)は多孔質架橋型ポリウレタンシートであり、その多孔質架橋型ポリウレタンシートの圧縮弾性率が0.05MPa以上0.20MPa以下で、かつ5分後回復率と1分後回復率の比率が1.04以上であり、前記研磨シート(a)と前記クッションシート(b)との間にプラスチックフィルム(c)が介在されてなる研磨パッドである。
まず、本発明で用いられる研磨シート(a)について説明する。
本発明で用いられる研磨シート(a)は、湿式凝固法で得られるポリウレタンを主成分とする多孔質ポリウレタンシートまたは不織布内部にポリウレタンを主成分とした溶液を含浸させ後に湿式凝固法でポリウレタンを凝固させた状態で不織布内部に含有させたポリウレタン含浸不織布で構成される。
本発明において、上記の湿式凝固法とは、ポリウレタンを有機溶媒に溶解させたポリウレタン溶液をシート状の基材に塗布後、水系凝固液中でポリウレタンを凝固再生させることにより、上記の多孔質ポリウレタンシートを製造する方法である。
本発明で研磨シート(a)として用いられる多孔質ポリウレタンシートは、ポリウレタンの凝固再生に伴う微多孔が緻密に形成された厚さ数μm程度の表面層(スキン層)を有しており、その内部(表面層の内側)にスキン層の微多孔より平均孔径の大きい多数の好適には50μm〜400μm程度の粗大孔が形成された内部層を有している。スキン層に形成された微多孔が緻密なため、スキン層の表面はミクロな平坦性を有している。このスキン層表面のミクロな平坦性を使用して、被研磨物であるシリコンベアウエハ、ガラス、化合物半導体基板およびハードディスク基板等の仕上げ研磨加工が行われる。
本発明で用いられるポリウレタンとは、末端に複数の活性水素を有するプレポリマと複数のイソシアネート基を有する化合物から重合されたウレタン結合またはウレア結合を有する重合体である。末端に複数の活性水素を有するプレポリマは、主鎖骨格によってポリエステル系、ポリエーテル系、ポリカーボネート系およびポリカプロラクトン系等のプレポリマに分類することができる。
上記の湿式凝固法に使用される有機溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジオキサンおよびN−メチルピロリドン等の極性を有する溶媒が用いられる。上記のポリウレタンを溶解させる溶媒としては、ジメチルホルムアミド(DMF)が特に好適に用いられる。
上記のポリウレタン溶液には、他の樹脂、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエステル樹脂、ポリエーテルスルホンおよびポリスルホン等を適宜配合することができる。また、ポリウレタン溶液に、必要に応じて、カーボンを代表とする有機顔料、表面張力を下げる界面活性剤および撥水性を付与できる撥水剤等を添加することもできる。
本発明で用いられるシート状の基材の例としては、綿、レーヨン、ポリアミド、ポリエステルおよびポリアクリロニトリル等の繊維またはこれらの混合物よりなる編織布や不織布、あるいはこれらに合成ゴムやポリウレタン等の樹脂を含浸して得られるシート類またはポリエステルフィルム等が挙げられる。
ポリウレタンの凝固再生後にこれらのシート状の基材を剥離することにより、研磨パットを構成する最上層の表層(多孔質ポリウレタンシート)を得ることができる。
シート状の基材に上記のポリウレタン溶液を塗布する手段の例としては、ロールコーター、ナイフコーター、ナイフオーバーロールコーターおよびダイコーター等が挙げられる。ポリウレタン溶液をシート状の基材に塗布した後、多孔質層を形成させる凝固浴には、DMFとは親和性を有するが、ポリウレタンは溶解しない溶媒を使用する。一般的には、凝固浴には、水または水とDMFの混合溶液が使用される。
本発明における多孔質ポリウレタンシートの厚みは、300μm〜1200μmが好ましく、より好ましくは400〜800μmである。多孔質ポリウレタンシートの厚みが300μm未満の場合、研磨後ウエハのスクラッチが多くなる懸念がある。また、多孔質ポリウレタンシートの厚みが1200μmより大きい場合、研磨後ウエハの平坦性が悪くなる懸念がある。
本発明で研磨シート(a)として用いられるポリウレタン含浸不織布は、不織布内部にポリウレタンを主成分とした溶液を含浸させ後に、湿式凝固法でポリウレタンを凝固させた状態で不織布内部に含有させたシート状物である。用いられる不織布は、DMF、MEKおよびテトラヒドロフラン等のポリウレタン可溶性の溶剤に対して耐性があり、かつ研磨時に使用されるpH10〜11程度の研磨液に対する耐アルカリ性を有するものが好ましく使用される。不織布としては、例えば、ナイロン、ポリエステル、アラミド繊維等からなる繊維質シートが挙げられる。この繊維質シートは、シートを構成する繊維が単繊維繊度2.2dtex〜11.1dtex、繊維長30〜100mmで、その目付質量が150〜400g/mの範囲の不織布が好ましく、さらに好ましくはバインダーを含まないニードルパンチ不織布が好ましく用いられる。
これらのうち目付質量は、通常、ニードルパンチの頻度や繊維長によって変更し得る。また、不織布の構成繊維の単繊維繊度が2.2dtexに満たない場合は、研磨パットの研磨面に繊維が非常に緻密な状態にあるので、研磨時の研磨屑が目詰まりしやすく、単繊維繊度が11.1dtexを超える場合には、研磨布の表面にある繊維が被研磨面のスクラッチの原因となることがある。
不織布内部に含有させるポリウレタンは、弾性体であり、100%伸び時のモジュラスが10MPa以上のものが好ましく用いられる。使用されるポリウレタンは、一般的に人工皮革用として市販されているものがいずれも使用できる。ポリウレタンとしては、例えば、ポリエステル系あるいはポリエーテル系のMDI(4、4′−ジフェニルメタンイソシアネート)あるいはTDI(トリレンジイソシアネート)末端を持つウレタンプレポリマー単体、あるいは研磨布の硬度や圧縮率を調整するためにメラミン樹脂やポリカーボネート樹脂等をブレンドしたものが挙げられる。これらのポリウレタンは、3、3′ジクロロ−4、4′ジアミノジフェニルメタン等の2官能性有機アミン硬化剤、さらに必要であれば、アジピン酸等のジカルボン酸を主体とした促進剤を含有し得る。
ポリウレタン含浸不織布の製造方法は、不織布に上記のポリウレタンのDMF溶液を含浸させ、水系凝固液中でポリウレタンを凝固再生させる方法である。得られた表面は、サンドペーパーを巻いたバフロールで表面を研削して、厚み調整をおこなうことができる。ポリウレタン含浸不織布の厚みは、0.5〜4.0mmが好ましい。ポリウレタン含浸不織布の厚みが0.5mmより小さい場合、研磨後ウエハのスクラッチが多くなる懸念がある。また、リウレタン含浸不織布の厚みが4.0mmより大きい場合、研磨後ウエハの平坦性が悪くなる懸念がある。
次に、本発明で用いられるクッションシート(b)について説明する。本発明において、クッションシート(b)は、多孔質架橋型ポリウレタンシートであり、好ましくは多孔質架橋型の発泡ポリウレタンシートが用いられる。ここで言う架橋型とは、反応が進行して架橋が形成された状態のことである。
本発明で用いられるポリウレタンとは、末端に複数の活性水素を有するプレポリマと複数のイソシアネート基を有する化合物から重合されたウレタン結合またはウレア結合を有する重合体である。末端に複数の活性水素を有するプレポリマは、主鎖骨格によってポリエステル系、ポリエーテル系、ポリカーボネート系およびポリカプロラクトン系等のプレポリマに分類することができる。
本発明で用いられる多孔質架橋型ポリウレタンシートは、圧縮弾性率が0.05MPa以上0.20MPa以下であることが必要である。
本発明における圧縮弾性率は、断面積1cmの圧子を用いて0gf/cmから50gf/cmまで加圧したときの、16gf/cmと40gf/cmの歪率(初期厚みに対する圧縮歪量)から算出した値である。
本発明においては、多孔質架橋型ポリウレタンシートの圧縮弾性率は、上記のとおり0.05MPa以上0.20MPa以下であることが重要であり、好ましくは0.08〜0.15MPaである。
圧縮弾性率が0.05MPa未満の場合は、被鏡面研磨面の表面粗さが小さくならない。また、圧縮弾性率が0.20MPaを超える場合は、スクラッチ・パーティクル等の欠陥が多くなる。ここでスクラッチとは、研磨の際にウエハ表面に生じた細かい傷のことであり、パーティクルとは研磨の際にウエハ表面に付着したパッド屑、ウエハ屑およびスラリー屑等の付着物のことである。
本発明で用いられる多孔質架橋型ポリウレタンシートは、5分後回復率と1分後回復率の比率(5分後回復率を1分後回復率で除した値)が1.04以上であることが重要である。
本発明における5分後回復率とは、多孔質架橋型ポリウレタンシートを3枚重ねて、初荷重50g/cmでの厚み(T0)を測定し、荷重を300g/cmにして1分間放置後の厚み(T1)を測定し、荷重を除き初荷重50g/cmにして5分放置後の厚み(T(5)0′)を測定し、5分後回復率=(T(5)0′−T1)/(T0−T1)×100で求めた数値である。
また、1分後回復率とは、多孔質架橋型ポリウレタンシートを3枚重ねて、初荷重50g/cmでの厚み(T0)を測定し、荷重を300g/cmにして1分間放置後の厚み(T1)を測定し、荷重を除き初荷重50g/cmにして1分放置後の厚み(T(1)0′)を測定し、1分後回復率=(T(1)0′−T1)/(T0−T1)×100で求めた数値である。
5分後回復率と1分後回復率の比率が1.04に満たない場合は、研磨時の被鏡面研磨面のスクラッチ・パーティクル等の欠陥は少なくならない。5分後回復率と1分後回復率の比率が1.04以上になるということは、クッションシートの変形速度が非常に遅いということであるが、研磨メカニズムははっきりしないが、驚くべきことに、5分後回復率と1分後回復率の比率を1.04以上にすることにより、研磨時の被鏡面研磨面のスクラッチ・パーティクル等の欠陥が少なくなるという特性を示す。さらに好ましい5分後回復率と1分語回復率の比率は、1.07以上である。
本発明でクッションシート(b)として用いられる多孔質架橋型ポリウレタンシートは、シート内に存在する気泡が概略互いに連通している発泡ポリウレタンシートであることが好ましい。この様な構造であれば、5分後回復率と1分後回復率の比率は1.04以上が得られやすい。シート内に存在する気泡が概略互いに連通している発泡ポリウレタンシートの製造方法としては、乾式発泡製膜法が用いられる。乾式発泡製膜法としては、具体的に上記のポリウレタンに発泡剤を添加した後、加熱して発泡させる乾式発泡方法や、ポリウレタンを構成する官能基と反応してガスを発生させる添加剤を混合して発泡させる乾式発泡方法等が挙げられる。ポリウレタンは、乾式発泡により、比較的球状に近い形状の気泡を作りやすいので、密度を小さくすることや、発泡剤や整泡剤の添加量を調整することでシート内に存在する気泡が概略互いに連通した構造を作成しやすい。この連通の程度が小さいと圧縮弾性率は大きくなり、程度が大きいと圧縮弾性率は小さくなりやすい。材料の密度と連通の程度を調整することで、圧縮弾性率を調整することができる。
本発明における概略気泡が連通している状態の気泡連通の程度は、材料全体の密度の影響も受けるが、全気泡の50%以上が連通していることが好ましく、全気泡の60%以上が連通していることがより好ましく、全気泡の70%以上が連通していることがさらに好ましい態様である。
本発明において、クッションシート(b)の見かけ密度は、0.05〜0.40(g/cm)であることが好ましく、より好ましくは0.10〜0.30(g/cm)である。見かけ密度が0.05(g/cm)より小さい場合、安定した研磨特性が得られないことがあり、また、見かけ密度が0.4(g/cm)より大きい場合、被鏡面研磨面のスクラッチ・パーティクル等の欠陥が多くなる傾向を示す。
本発明において、クッションシート(b)の厚みは、300μm〜1000μmが好ましく、より好ましくは400μm〜900μmである。厚みが300μmより小さい場合、安定した研磨特性が得られないことがあり、また厚みが1000μmより大きい場合、被鏡面研磨面のスクラッチ・パーティクル等の欠陥が多くなる懸念がある。
本発明で用いられるプラスチックフィルム(c)は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリウレア、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリテトラフルオロエチレン、エポキシ樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂およびポリフェニレンスルフィド等から製膜されるフィルムのことである。このような中で、ポリエステルフィルムが好ましく、特にポリエチレンテレフタレートからなるフィルムが好ましく用いられる。
本発明で用いられるプラスチックフィルム(c)は、平均引張り弾性率が3.5GPa以上5.5GPa以下であることが好ましい。平均引張り弾性率とは、プラスチックフィルムは製膜時に異方性があるので、MD(製膜方向)とTD(製膜方向と垂直方向)の引張り弾性率の平均値を表す。平均引張り弾性率が3.5GPaを下回る場合は、被鏡面研磨面の表面粗さが大きくなる傾向がある。また、平均引張り弾性率が5.5GPaを超える場合は、スクラッチ・パーティクル等の欠陥が多くなる傾向がある。
本発明において、平均引張り弾性率は、短冊形状にして引張り応力を加え、初期の最初の傾きから求めることができる。用いられる測定装置として、オリエンテック社製テンシロン万能試験機RTF−1210などが挙げられる。測定条件としては、試験速度は20cm/分で、試験片形状は幅10mmで試料長100mmのダンベル形状である。
本発明の研磨パッドにおいては、プラスチックフィルム(c)は研磨シート(a)とクッションシート(b)との間に介在されている。
本発明で用いられる研磨シート(a)とプラスチックフィルム(c)は、接着剤で貼り合わせすることができる。接着剤としては、アクリル樹脂系接着剤、α−オレフィン系接着剤、ウレタン樹脂系接着剤およびホットメルト接着剤が挙げられるが、短時間で接着できるという観点から、ウレタン樹脂系接着剤やホットメルト接着剤が好ましく用いられる。ウレタン樹脂系接着剤については、各種有機溶剤に接着剤を溶解させたものをラミネーターで乾式塗工する方法を好適な例として挙げることができる。
ホットメルト接着剤の市販品として、日立化成ポリマー(株)製の“ハイボン”(登録商標)シリーズ、三井武田ケミカル(株)の“タケメルト”(登録商標)MAシリーズ、東亜合成(株)の“アロンメルト”(登録商標)Rシリーズ、新田ゼラチン(株)の“ニッタイト”(登録商標)ARXシリーズ、およびコニシ(株)の“ボンド”(登録商標)KUMシリーズを挙げることができる。
接着剤(層)の厚みは、接着力が高く維持できているという点で、30〜150μmが好ましく、40〜100μmがより好ましい態様である。
本発明で用いられるクッションシート(b)とプラスチックフィルム(c)との接合には、接着剤で貼り合わせる方法と、クッションシート(b)とプラスチックフィルム(c)を熱融着する方法が挙げられる。接着剤としては、アクリル樹脂系接着剤、α−オレフィン系接着剤、ウレタン樹脂系接着剤およびホットメルト接着剤が挙げられるが、短時間で接着することができるという観点から、ウレタン樹脂系接着剤やホットメルト接着剤が好ましく用いられる。
プラスチックフィルム(c)の厚みは、100μm〜250μmが好ましく、より好ましくは120μm〜190μmである。厚みが100μmより小さい場合、被研磨基板のフチダレが大きくなることがあり、また、厚みが250μmより厚くなると被鏡面研磨面のスクラッチ・パーティクル等の欠陥が多くなる傾向がある。
本発明の研磨パッドにおいて、研磨シート(a)とプラスチックフィルム(c)とクッションシート(b)を積層形成する手順としては、例えば、各層を一層ずつラミネートしていく手順が挙げられる。
具体的な積層手順の例としては、まず、プラスチックフィルム(c)にクッションシート(b)をラミネートし、次いでプラスチックフィルム(c)の反対面に研磨シート(a)をラミネートし、さらにクッションシート(b)の反対面に裏面テープ(d)をラミネートする。ラミネートには、ウレタン系接着剤を用いることが好ましい。
本発明の研磨パッドの研磨層表面には、安定した研磨特性を得るために、上層の研磨シート(a)の上面に、格子状溝が形成されていることが好ましい。さらに、安定した研磨特性を得るために、溝幅0.8mm以上1.2mm以下で、かつ、溝ピッチ7.5mm以上15mm以下で、かつ、溝深さは上層の研磨シート(a)の厚みより小さい正方格子状溝を設けることが好ましい。溝深さが上層の研磨シート(a)の厚みより深いと、下層のクッションシートにスラリーが侵入して、研磨特性が不安定となり好ましくない。
本発明の研磨パッドは、シリコンベアウエハ、ガラス、化合物半導体基板およびハードディスク基板等に良好な鏡面研磨面を形成するために好適に使用される。
次に、実施例によって、さらに本発明の研磨パットについて詳細に説明する。しかしながら、本実施例により本発明が限定して解釈される訳ではない。研磨評価および各測定は、次のとおりに行った。
〔研磨評価〕
岡本工作機械製作所製研磨装置(型式:SPP600)を使用し、二次研磨(SUBA400パッド使用)上がりの6インチシリコンベアウエハを用いて、次の条件で研磨評価を行い、研磨後ウエハを得た。(4回測定の平均値)。
・プラテン回転:46rpm
・ウエハヘッド回転:49rpm
・ヘッド荷重:100g/cm
・スラリー量:700ml/min(スラリー:コロイダルシリカスラリー砥粒濃度1%)
・ 研磨時間:15分。
〔多孔質架橋型ポリウレタンシートの5分後回復率〕
多孔質架橋型ポリウレタンシートを3枚重ねて、初荷重50g/cmでの厚み(T0)を測定し、荷重を300g/cmにして1分間放置後の厚み(T1)を測定し、荷重を除き初荷重50g/cmにして5分放置後の厚み(T(5)0′)を測定し、5分後回復率=(T(5)0′−T1)/(T0−T1)×100で求めた値を数値とした。(3回測定の平均値)。
〔多孔質架橋型ポリウレタンシートの1分後回復率〕
多孔質架橋型ポリウレタンシートを3枚重ねて、初荷重50g/cmでの厚み(T0)を測定し、荷重を300g/cmにして1分間放置後の厚み(T1)を測定し、荷重を除き初荷重50g/cmにして1分放置後の厚み(T(1)0′)を測定し、1分後回復率=(T(1)0′−T1)/(T0−T1)×100で求めた値を数値とした。(3回測定の平均値)。
〔クッションシートの圧縮弾性率の測定〕
カトーテック社製自動化圧縮試験機(KESFB3−AUTO−A)を使用して、次の条件で測定した。本機を用いて0gf/cmから50gf/cmまで加圧したときの、16gf/cm(0.00157MPa)と40gf/cm(0.00392MPa)のひずみ率から算出した。(5回測定の平均値)。
・ひずみ率:(初期厚み−所定圧力時の厚み)/初期厚み
・ 圧縮弾性率:(0.00392−0.00157)/(ひずみ率40gf/cm2−ひずみ率16gf/cm2
〔MPa〕
・圧子面積:1.0cm
圧子速度:0.02mm/sec
上限荷重:50gf/cm。
〔見かけ密度の測定〕
30mm×30mmに打ち抜かれたサンプルの厚みと重量から算出した。
〔気泡連通の程度〕
シートの厚み方向断面を×50でSEM観察し、SEM画像中の全気泡数に対し、他の気泡と連通している気泡の数の割合を連通の程度とした。(3回測定の平均値)。
〔表面粗さの測定〕
ZYGO社製走査型白色干渉計(NEW VIEW 6300)を使用して、研磨後のウエハ表面のRaを測定した。(5回測定の平均値)。
〔フチダレ〕
ZYGO社製走査型白色干渉計(NEW VIEW 6300)を使用して、研磨後ウエハのエッジ0mmから内側5mmまでの形状を測定した。フチ部の垂れ込み量をフチダレとした。(3回測定の平均値)。
〔スクラッチ・パーティクル等の欠陥数の測定〕
トップコン社製ゴミ検査装置商品名“WM−3”を使用して、0.5μm以上の欠陥数を測定した。(ウエハ2枚でのn=2測定の平均値)。
〔プラスチックフィルムの平均引張り弾性率の測定〕
オリエンテック社製テンシロン万能試験機RTM−100い、次の条件で測定した。(5回測定の平均値)。
・試験片形状:幅10mm、試料長100mmのダンベル形状
・試験速度:20cm/分。
次に、各シートの製造方法について説明する。
〔研磨シート(多孔質ポリウレタンシート1)の製造方法〕
ポリエステルMDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)ポリウレタン樹脂25質量部を、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)100質量部に溶解した。さらに、これにカーボンブラックを2質量部と疎水性活性剤を2質量部添加し、ポリウレタン溶液を調整した。
次いで、ポリエステルフィルム基材の上に上記ポリウレタン溶液をナイフコーターで塗布し、水浴に浸漬してポリウレタンを凝固し、水による洗浄でポリウレタン中のDMFを除去した後、水分を乾燥し、最後にポリエステルフィルム基材を剥離することにより、連通型の多孔質ポリウレタンシートを作製した。
得られた多孔質ポリウレタンシートの微多孔形成面を、#200のサンドペーパーでバフ掛けすることにより、開口径の調整された厚み400μm、見かけ密度0.25g/cm、圧縮回復率0.5%の多孔質ポリウレタンシート1を得た。
〔研磨シート(ポリウレタン含浸不織布1)の製造方法〕
単繊維繊度3.0デニール、繊維長50mmのポリエステル繊維で構成された厚さ4.0mm、嵩密度0.12g/cm、目付質量260g/cmのニードルパンチ不織布を基材として用いた。分子量200000、100%モジュラス120kg/cmのポリエステル系ポリウレタン:“クリスボン”(登録商標)8867(大日本インキ化学工業(株)製)100質量部、ジメチルホルムアミド200質量部の溶液中に、上記の基材を十分浸漬含浸した後、ジメチルホルムアミド対純水の比率が10対90(質量比)で且つ温度30℃の凝固液に20分間浸漬後、60分間純水中で水洗いし、湿式凝固させ、ポーラス状にフェルト基材を形成した後、ジメチルホルムアミドを完全に純水と置換し、さらに120℃の温度の熱風で乾燥し、厚さ3.6mm、嵩密度0.24g/cm、目付質量520g/cmの複合基材を得、表裏面を60メッシュのバフロールで研削し、厚さ3mmのポリウレタン含浸不織布1を得た。
〔多孔質架橋ポリウレタンシート(発泡ポリウレタンシート1)の製造方法〕
分子量2800のポリエチレングリコール100質量部、1,4−ブタンジオール5質量部、4,4′−メチレンビス(o−クロロアニリン)5.0質量部、触媒としてのアミン触媒(DABCO)0.4質量部、整泡剤としてのシリコーン整泡剤(KF6002;信越化学工業社製)4.0質量部、発泡剤としての水0.3質量部、およびイソシアネートとしてのMDIの38質量部を混合撹拌し、剥離ライナー上にコーティングして発泡させつつ、100℃の温度で20分間加熱を行い、剥離ライナーを剥離して、厚み800μm、見かけ密度0.20g/cm、5分後回復率と1分後回復率の比率1.31(5分後回復率72%、1分後回復率55%)、圧縮弾性率0.05MPa、気泡が概略互いに連通構造のポリエーテル型発泡ポリウレタンシート1を得た。
〔多孔質架橋ポリウレタンシート(発泡ポリウレタンシート2)の製造方法〕
分子量2400のポリエチレングリコール100質量部、1,4−ブタンジオール6質量部、4,4′−メチレンビス(o−クロロアニリン)5.3質量部、触媒としてのアミン触媒(DABCO)0.5質量部、整泡剤としてのシリコーン整泡剤(KF6002;信越化学工業社製)3.8質量部、発泡剤としての水0.2質量部、およびイソシアネートとしてのMDIの36質量部を混合撹拌し、剥離ライナー上にコーティングして発泡させつつ、100℃の温度で20分間加熱を行い、剥離ライナーを剥離して、厚み700μm、見かけ密度0.27g/cm、5分後回復率と1分後回復率の比率1.10(5分後回復率69%、1分後回復率63%)、圧縮弾性率0.11MPa、気泡が概略互いに連通構造のポリエーテル型発泡ポリウレタンシート2を得た。
〔多孔質架橋ポリウレタンシート(発泡ポリウレタンシート3)の製造方法〕
分子量3200のポリエチレングリコール100質量部、1,4−ブタンジオール7質量部、4,4′−メチレンビス(o−クロロアニリン)5.5質量部、触媒としてのアミン触媒(DABCO)0.5質量部、整泡剤としてのシリコーン整泡剤(KF6002;信越化学工業社製)3.7質量部、発泡剤としての水0.2質量部、およびイソシアネートとしてのMDIの34質量部を混合撹拌し、剥離ライナー上にコーティングして発泡させつつ、100℃の温度で20分間加熱を行い、剥離ライナーを剥離して、厚み650μm、見かけ密度0.32g/cm、5分後回復率と1分後回復率の比率1.05(5分後回復率67%、1分後回復率64%)、圧縮弾性率0.07MPa、気泡が概略互いに連通構造のポリエーテル型発泡ポリウレタンシート3を得た。
〔多孔質架橋ポリウレタンシート(発泡ポリウレタンシート4)の製造方法〕
分子量2400のポリエチレングリコール100質量部、1,4−ブタンジオール9質量部、4,4′−メチレンビス(o−クロロアニリン)7.0質量部、触媒としてのアミン触媒(DABCO)0.3質量部、整泡剤としてのシリコーン整泡剤(KF6002;信越化学工業社製)3.0質量部、発泡剤としての水0.2質量部、およびイソシアネートとしてのMDIの36質量部を混合撹拌し、剥離ライナー上にコーティングして発泡させつつ、100℃の温度で20分間加熱を行い、剥離ライナーを剥離して、厚み500μm、見かけ密度0.51g/cm、5分後回復率と1分後回復率の比率1.28(5分後回復率77%、1分後回復率60%)、圧縮弾性率0.19MPa、気泡が概略互いに連通構造のポリエーテル型発泡ポリウレタンシート4を得た。
〔多孔質架橋ポリウレタンシート(発泡ポリウレタンシート5)の製造方法〕
分子量3700のポリエチレングリコール100質量部、1,4−ブタンジオール4質量部、4,4′−メチレンビス(o−クロロアニリン)4.0質量部、触媒としてのアミン触媒(DABCO)0.3質量部、整泡剤としてのシリコーン整泡剤(KF6002;信越化学工業社製)3.0質量部、発泡剤としての水0.2質量部、およびイソシアネートとしてのMDIの35質量部を混合撹拌し、剥離ライナー上にコーティングして発泡させつつ、100℃の温度で20分間加熱を行い、剥離ライナーを剥離して、厚み500μm、見かけ密度0.49g/cm、5分後回復率と1分後回復率の比率1.05(5分後回復率87%、1分後回復率83%)、圧縮弾性率0.18MPa、気泡が概略互いに連通構造のポリエーテル型発泡ポリウレタンシート5を得た。
〔多孔質架橋ポリウレタンシート(発泡ポリウレタンシート6)の製造方法〕
分子量3300のポリプロピレングリコール100質量部、エチレングリコール7質量部、4,4′−メチレンビス(o−クロロアニリン)2.0質量部、触媒としてのアミン触媒(DABCO)0.4質量部、整泡剤としてのシリコーン整泡剤(KF6002;信越化学工業社製)3.2質量部、発泡剤としての水0.1質量部、マイクロバルー0.2部、およびイソシアネートとしてのMDIの40質量部を混合撹拌し、剥離ライナー上にコーティングして発泡させつつ、100℃の温度で20分間加熱を行い、剥離ライナーを剥離して、厚み600μm、見かけ密度0.39g/cm、5分後回復率と1分後回復率の比率1.06(5分後回復率74%、1分後回復率70%)、圧縮弾性率0.08MPa、気泡が概略独立気泡構造のポリエーテル型発泡ポリウレタンシート6を得た。
〔多孔質架橋ポリウレタンシート(発泡ポリウレタンシート7)の製造方法〕
分子量3500のポリエチレングリコール100質量部、1,4−ブタンジオール6質量部、4,4′−メチレンビス(o−クロロアニリン)1.0質量部、触媒としてのアミン触媒(DABCO)0.2質量部、整泡剤としてのシリコーン整泡剤(KF6002;信越化学工業社製)2.0質量部、発泡剤としての水0.2質量部、およびイソシアネートとしてのMDIの34質量部を混合撹拌し、剥離ライナー上にコーティングして発泡させつつ、100℃の温度で20分間加熱を行い、剥離ライナーを剥離して、厚み550μm、見かけ密度0.47g/cm、5分後回復率と1分後回復率の比率1.03(5分後回復率89%、1分後回復率86.5%)、圧縮弾性率0.12MPa、気泡は概略独立構造のポリエーテル型発泡ポリウレタンシート7を得た。
〔多孔質架橋ポリウレタンシート(発泡ポリウレタンシート8)の製造方法〕
分子量2000のポリエチレングリコール100質量部、1,4−ブタンジオール9質量部、4,4′−メチレンビス(o−クロロアニリン)5質量部、触媒としてのアミン触媒(DABCO)0.5質量部、整泡剤としてのシリコーン整泡剤(KF6002;信越化学工業社製)2.0質量部、発泡剤としての水0.2質量部、およびイソシアネートとしてのMDIの46質量部を混合撹拌し、剥離ライナー上にコーティングして発泡させつつ、100℃の温度で20分間加熱を行い、剥離ライナーを剥離して、厚み300μm、見かけ密度0.57g/cm、5分後回復率と1分後回復率の比率1.09(5分後回復率70%、1分後回復率64%)、圧縮弾性率0.22MPa、気泡が概略互いに連通構造のポリエーテル型発泡ポリウレタンシート8を得た。
〔多孔質架橋ポリウレタンシート(発泡ポリウレタンシート9)の製造方法〕
分子量5000のポリエチレングリコール100質量部、1,4−ブタンジオール6質量部、4,4′−メチレンビス(o−クロロアニリン)9質量部、触媒としてのアミン触媒(DABCO)0.4質量部、整泡剤としてのシリコーン整泡剤(KF6002;信越化学工業社製)4.5質量部、発泡剤としての水0.3質量部、およびイソシアネートとしてのMDIの30質量部を混合撹拌し、剥離ライナー上にコーティングして発泡させつつ、100℃の温度で20分間加熱を行い、剥離ライナーを剥離して、厚み900μm、見かけ密度0.23g/cm、5分後回復率と1分後回復率の比率1.19(5分後回復率68%、1分後回復率57%)、圧縮弾性率0.02MPa、気泡が概略互いに連通構造のポリエーテル型発泡ポリウレタンシート9を得た。
〔発泡プラスチックシート10の製造方法〕
オレフィン系熱可塑性EPRエラストマー100質量部に、アゾジカルボンアミド22質量部を溶融混練したものをシート状に成型した。次いで、放射線(15秒間)により架橋を形成した後、ヒーターで加熱(210℃、3分)することにより、厚み1100μm、見かけ密度0.18g/cm、5分後回復率と1分後回復率の比率1.05(5分後回復率59%、1分後回復率56%)、圧縮弾性率0.19MPa、気泡が概略独立気泡構造の発泡プラスチックシート10を得た。
[実施例1]
厚みが190μmで平均引張り弾性率が4.5GPaのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに、クッションシートとして上記で作製した発泡ポリウレタンシート1を接着した。次いで、PETフィルムの反対面に研磨シートとして上記で作製した多孔質ポリウレタンシート1を接着し、さらに発泡ポリウレタンシート1の反対面に裏面テープを貼り付け積層体とした。それぞれのシートの接着には、ウレタン系の接着剤を使用した。
得られた積層体を、直径610mmに円抜きして研磨パッドとした。図1に、実施例1で得られた積層体(研磨パッド)の模式断面図を示す。図1において、研磨パットは、上部から順に、多孔質ポリウレタンシート(a)、プラスチックフィルム(c)およびクッションシート(b)が積層され、その下部に裏面テープ(d)が貼り付けられている。得られた研磨パッドを用いて、岡本研磨機でシリコンウエハを研磨し、欠陥数および表面粗さを測定した。結果は、表1に示すように良好であった。
[実施例2]
実施例1の発泡ポリウレタンシート1の代わりに、上記で作製した発泡ポリウレタンシート2を使用したこと以外は、実施例1と同じ条件で研磨パッドを製作した。得られた研磨パッドを用いて岡本研磨機でシリコンウエハを研磨し、欠陥数および表面粗さを測定した。結果は、表1に示すように良好であった。
[実施例3]
実施例1の発泡ポリウレタンシート1の代わりに、上記で作製した発泡ポリウレタンシート3を使用したこと以外は、実施例1と同じ条件で研磨パッドを製作した。得られた研磨パッドを用いて岡本研磨機でシリコンウエハを研磨し、欠陥数および表面粗さを測定した。結果は、表1に示すように良好であった。
[実施例4]
実施例1の発泡ポリウレタンシート1の代わりに、上記で作製した発泡ポリウレタンシート4を使用したこと以外は、実施例1と同じ条件で研磨パッドを製作した。得られた研磨パッドを用いて岡本研磨機でシリコンウエハを研磨し、欠陥数および表面粗さを測定した。結果は、表1に示すように良好であった。
[実施例5]
実施例1の発泡ポリウレタンシート1の代わりに、上記で作製した発泡ポリウレタンシート5を使用したこと以外は、実施例1と同じ条件で研磨パッドを製作した。得られた研磨パッドを用いて岡本研磨機でシリコンウエハを研磨し、欠陥数および表面粗さを測定した。結果は、表1に示すように良好であった。
[実施例6]
実施例1の発泡ポリウレタンシート1の代わりに、上記で作製した発泡ポリウレタンシート6を使用したこと以外は、実施例1と同じ条件で研磨パッドを製作した。得られた研磨パッドを用いて岡本研磨機でシリコンウエハを研磨し、欠陥数および表面粗さを測定した。結果は、表1に示すように良好であった。
[比較例1]
実施例1の発泡ポリウレタンシート1の代わりに、上記で作製した発泡ポリウレタンシート7を使用したこと以外は、実施例1と同じ条件で研磨パッドを製作した。得られた研磨パッドを用いて岡本研磨機でシリコンウエハを研磨し、欠陥数および表面粗さを測定した。結果は、表1に示すように、欠陥数および表面粗さとも不良であった。
[比較例2]
実施例1の発泡ポリウレタンシート1の代わりに、上記で作製した発泡ポリウレタンシート8を使用したこと以外は、実施例1と同じ条件で研磨パッドを製作した。得られた研磨パッドを用いて岡本研磨機でシリコンウエハを研磨し、欠陥数および表面粗さを測定した。結果は、表1に示すように、欠陥数および表面粗さとも不良であった。
[比較例3]
実施例1の発泡ポリウレタンシート1の代わりに、上記で作製した発泡ポリウレタンシート9を使用したこと以外は、実施例1と同じ条件で研磨パッドを製作した。得られた研磨パッドを用いて岡本研磨機でシリコンウエハを研磨し、欠陥数および表面粗さを測定した。結果は、表1に示すように、欠陥数および表面粗さとも不良であった。
[比較例4]
実施例1の発泡ポリウレタンシート1の代わりに、上記で作製した発泡プラスチックシート10を使用したこと以外は、実施例1と同じ条件で研磨パッドを製作した。得られた研磨パッドを用いて岡本研磨機でシリコンウエハを研磨し、欠陥数および表面粗さを測定した。結果は、表1に示すように、欠陥数および表面粗さとも不良であった。
[実施例7]
実施例1の発泡ポリウレタンシート1の代わりに、上記で作製した発泡ポリウレタンシート2を使用し、さらにポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの代わりに、厚みが90μmで平均引張り弾性率が3.6GPaのナイロン6フィルムを使用したこと以外は、実施例1と同じ条件で研磨パッドを製作した。得られた研磨パッドを用いて岡本研磨機でシリコンウエハを研磨し、欠陥数および表面粗さを測定した。結果は、表1に示すように良好であった。
[実施例8]
実施例1の発泡ポリウレタンシート1の代わりに、上記で作製した発泡ポリウレタンシート2を使用し、さらにポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの代わりに、厚みが190μmで平均引張り弾性率が5.4GPaのポリフェニレンスルフィドフィルムを使用したこと以外は、実施例1と同じ条件で研磨パッドを製作した。得られた研磨パッドを用いて岡本研磨機でシリコンウエハを研磨し、欠陥数および表面粗さを測定した。結果は、表1に示すように良好であった。
[実施例9]
実施例1の発泡ポリウレタンシート1の代わりに、上記で作製した発泡ポリウレタンシート2を使用し、さらにポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの代わりに、厚みが10μmで平均引張り弾性率が4.5GPaのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを使用したこと以外は、実施例1と同じ条件で研磨パッドを製作した。得られた研磨パッドを用いて岡本研磨機でシリコンウエハを研磨し、欠陥数および表面粗さを測定した。結果は、表1に示すように良好であった。
[実施例10]
実施例1の発泡ポリウレタンシート1の代わりに、上記で作製した発泡ポリウレタンシート2を使用し、さらにポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの代わりに、厚みが240μmで平均引張り弾性率が4.5GPaのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを使用したこと以外は、実施例1と同じ条件で研磨パッドを製作した。得られた研磨パッドを用いて岡本研磨機でシリコンウエハを研磨し、欠陥数および表面粗さを測定した。結果は、表1に示すように良好であった。
〔実施例11〕
実施例1の発泡ポリウレタンシート1の代わりに、上記で作製した発泡ポリウレタンシート2を使用し、さらに多孔質ポリウレタンシート1の代わりに、上記で作製したポリウレタン含浸不織布1を使用したこと以外は、実施例1と同じ条件で研磨パッドを製作した。得られた研磨パッドを用いて岡本研磨機でシリコンウエハを研磨し、欠陥数および表面粗さを測定した。結果は、表1に示すように良好であった。
a.研磨シート
b.クッションシート
c.プラスチックフィルム
d.裏面テープ

Claims (5)

  1. 研磨シート(a)とクッションシート(b)を有する研磨パッドであって、前記研磨シート(a)は湿式凝固法で得られるポリウレタンを主成分とする多孔質ポリウレタンシートまたは不織布内部にポリウレタンを主成分とした溶液を含浸させ後に湿式凝固法でポリウレタンを凝固させた状態で不織布内部に含有させたポリウレタン含浸不織布であり、前記クッションシート(b)は乾式発泡製膜法で得られた多孔質架橋型ポリウレタンシートであり、該多孔質架橋ポリウレタンシートの圧縮弾性率が0.05MPa以上0.20MPa以下で、かつ5分後回復率と1分後回復率の比率が1.04以上であり、前記研磨シート(a)と前記クッションシート(b)との間にプラスチックフィルム(c)が介在されてなることを特徴する研磨パッド。
  2. クッションシートが、シート内に存在する気泡が概略互いに連通している多孔質架橋ポリウレタンシートであることを特徴とする請求項1記載の研磨パッド。
  3. 多孔質架橋型ポリウレタンシートの5分後回復率と1分後回復率の比率が、1.07以上であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の研磨パッド。
  4. プラスチックフィルム(c)の平均引張り弾性率が、3.5〜5.5GPaであることを特徴とする請求項1または請求項2記載の研磨パッド。
  5. プラスチックシート(c)の厚みが、100μm以上250μm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の研磨パッド。
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