JP2012221735A - 燃料電池用電極触媒 - Google Patents

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Abstract

【課題】白金などの貴金属材料に代替可能な新規の燃料電池用の電極触媒を、従来技術に比べて穏和な条件と簡易な手段を用いて提供する。
【解決手段】1〜20質量%の窒素を含有し、粉末X線回折法により測定されるd002面の間隔が3.40〜4.00Åであるグラファイト構造を有し、ラマンスペクトルのラマンシフト波数の1200〜1600cm−1の範囲に少なくとも3つピークを有する含窒素炭素化合物を含む燃料電池用電極触媒。
【選択図】なし

Description

本発明は、酸素還元活性を有する含窒素炭素化合物からなる、燃料電池用電極触媒に関する。
燃料電池の原理は次のようなものである。まず、一方の電極(燃料極)に供給した水素などの燃料をプロトンおよび電子に変換し、かかるプロトンおよび電子をそれぞれ電解質および回路を通して、他方の電極(空気極)に移動させる。一方、空気極では別途供給する酸素を燃料極から移動してきたプロトンおよび電子と還元的に反応させて水を生成する。このように燃料極に供給した燃料によって空気極に供給した酸素を還元し、この際移動する電子によって通電する。燃料のプロトンおよび電子への変換と、酸素の水への変換はそれぞれ燃料極、空気極に含まれる電極触媒によって促進される。
かかる電極触媒としては、白金や白金合金等の貴金属材料が使用されている。しかしながら、かかる貴金属材料は希少かつ高価であるため、燃料電池の実用化および普及の観点からその一部または全部を代替でき、かつ安価に入手可能な燃料電池用の電極触媒の開発が求められている。
異種元素として窒素がグラファイト層内に炭素と置換されるように取り込まれている含窒素炭素化合物が電極触媒として提案されている。かかる含窒素炭素化合物は、イオン交換樹脂(例えばイミノジアセテート基が導入されたスチレン−ジビニルベンゼン共重合体により構成されるキレートイオン交換樹脂)を窒素流通下1000℃で熱処理して得られる炭化材料にメラミンを混合し、550〜1500℃で熱処理する製造方法が開示されている。また、他の窒素源として、アセトニトリルを含む窒素ガス、またはアンモニアなどの気体を使用してもよいことが記載されている(特許文献1参照)。
含窒素炭素化合物の別の製法として、窒素源であるフタロシアニン(またはメラミン)と、フラン樹脂の前駆体であるフルフリルアルコールの反応により得られるフタロシアニン含有フラン樹脂(またはメラミン含有フラン樹脂)を、窒素雰囲気下1000℃で熱処理する方法が知られている(特許文献2参照)。また、含窒素炭素化合物は、フェノールとキノリノールとから形成される共重合体を配位子として含む高分子金属錯体を1000℃で焼成することによって得ることもできる(特許文献3参照)。
さらに、石炭系バインダーピッチとメラミンとの混合物を1000℃で焼成することにより、同様の含窒素炭素化合物が得られることが知られている(特許文献4参照)。
他方、異種元素を含有しないグラフェン構造を有する炭素材料(カーボンナノチューブ)は、炭化水素液中アセチレンおよび水素の混合ガスの供給下で、炭素電極間にプラズマ放電を生じさせることにより得られることが報告されている(特許文献5参照)。
特開2007−207662号公報 特開2007−311026号公報 特開2008−282725号公報 特開2009−090287号公報 特開2007−169159号公報
特許文献1〜4の製造方法では原料が炭化しにくくグラファイト構造が成長しにくいため、得られる含窒素炭素化合物は炭素−水素結合を多く有し、酸素の還元に伴って酸化されやすいので電極触媒としての寿命が短い。また、特許文献4の方法では、窒素源となる化合物が機械的に混合されるため窒素を均一に分布させることが困難なこと、約1000℃の高温を用いる必要があり、含窒素炭素化合物の生成反応中に発生するガスに対処するために反応装置に付帯設備が必要となるなどの問題点がある。
他方、引用文献5には、炭化水素系の有機液体媒体中で炭素電極間に放電を発生させることによりグラフェン構造を有する炭素化合物が生成することは記載されているが、含窒素炭素化合物を生成させた例は記載されていない。
本発明の目的は、簡易な製造装置で穏和な条件で製造できる、窒素を均一に含有する含窒素炭素化合物からなる燃料電池用電極触媒を提供することである。
本発明者らは、含窒素有機化合物を含む有機液体媒体中に炭素電極を配置して、該炭素電極間にプラズマ放電を発生させたところ、窒素が炭素と置換されるように取り込まれたグラファイト構造を有する新規な含窒素炭素化合物が生成し、これが酸素還元活性を有し、燃料電池の空気極の電極触媒に適した材料であることを見出した。
すなわち本発明は、
[1]1〜20質量%の窒素を含有し、粉末X線回折法により測定されるd002面の間隔が3.40〜4.00Åであるグラファイト構造を有し、ラマンスペクトルのラマンシフト波数の1200〜1600cm−1の範囲に少なくとも3つピークを有する含窒素炭素化合物を含む燃料電池用電極触媒;および
[2]燃料電池の空気極用である上記[1]の電極触媒;
を提供する。
本発明によれば、簡易な製造装置で、温和な条件で均一に窒素が分布したグラファイト構造を有する含窒素炭素化合物を含む燃料電池用電極触媒を提供できる。
実施例1から得られた含窒素炭素化合物のラマンスペクトルである。 実施例1から得られた含窒素炭素化合物の粉末X線回折パターンである。 実施例2から得られた含窒素炭素化合物のラマンスペクトルである。 実施例2から得られた含窒素炭素化合物の粉末X線回折パターンである。 実施例3から得られた含窒素炭素化合物のラマンスペクトルである。 実施例3から得られた含窒素炭素化合物の粉末X線回折パターンである。 本発明の含窒素炭素化合物の酸素還元活性を測定するための装置の概略図である。
<燃料電池用電極触媒として使用する含窒素炭素化合物の製造について>
本発明の燃料電池用電極触媒を構成する含窒素炭素化合物は、含窒素有機化合物を含有する有機液体媒体中で、炭素電極間にプラズマ放電する方法で製造できる。かかる製造方法によれば、窒素が均一に分布した含窒素炭素化合物が得られる。
前記製造方法で用いる有機液体媒体は、含窒素有機化合物が液体である場合、含窒素有機化合物のみからなっていてもよい。かかる含窒素有機化合物としては、例えば、ピリジン、キノリン、イソキノリン、メチルピリジン、ルチジン、アミノピリジン、ピロールなどの含窒素芳香族化合物;アニリン、モノメチルアニリン、モノエチルアニリン、ジメチルアニリン、ジエチルアニリンなどの芳香族アミン、ピペリジン、ピロリジンなどの含窒素環式化合物;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミンなどの脂肪族アミン;エタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアミノアルコールなどが挙げられる。中でも含窒素有機化合物の安定性および生成物である含窒素炭素化合物のグラファイト構造の成長の容易性の観点から、含窒素芳香族化合物、芳香族アミンが好ましい。これらは、1種を単独で使用しても、複数種を混合して使用しても構わない。
上記有機液体媒体は、含窒素有機化合物以外の有機化合物(すなわち窒素を含有しない有機化合物)を含有してもよい。該窒素を含有しない有機化合物としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、シクロヘキサン、シクロオクタンなどの脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、ナフタレンなどの芳香族炭化水素;メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピランなどのエーテルが挙げられる。生成物である含窒素炭素化合物を構成するグラファイト構造の成長の容易性の観点から、芳香族炭化水素を使用するのが好ましい。該窒素を含有しない有機化合物は、単独で使用しても、複数を混合して使用しても構わない。含窒素有機化合物と窒素を含有しない有機化合物の混合比率としては、特に限定されるものではないが、生成物である含窒素炭素化合物への窒素導入量を考慮して、通常モル比として含窒素化合物:窒素を含有しない有機化合物の比率が1:10〜10000:1の範囲、好ましくは1:1〜1000:1の範囲で混合する。
上記製造方法では、放電のための電極として炭素電極を使用する。電極に用いる炭素材料の種類としては、グラファイト、アモルファスカーボン、グラッシーカーボンのいずれでもよく、陽極および陰極の各電極の材料に、同一または相異なる炭素材料を使用してよい。放電効率、電極の材料コストの観点から、グラファイトを電極に使用することが好ましい。
炭素電極の形状に特に限定はなく、板状、棒状、針状などのものを使用できる。電極のサイズにも特に限定はなく、板状の場合、一辺10mm〜1mの長さの平面と0.2mm〜20mmの厚みを有するもの、棒状の場合、1辺1mm〜30mmの角状の断面、または1mmφ〜3mmφの円形の断面で長さ1mm〜1mのものを使用できる。
炭素電極の純度は、生成するグラファイト中に取り込まれる不純物の量に影響するため、金属や他の元素を含まないものが好ましく、通常、99.0%以上、より好ましくは99.9%以上の純度のものを用いる。
上記製造方法において、燃料電池用電極触媒としての使用に適した含窒素炭素化合物を生成させるためのプラズマ放電は、炭素電極間に電圧を印加して発生させることができる。このときの電圧に特に制限はなく、含窒素有機化合物を含有する有機液体媒体中で放電させることが可能な電圧であればよい。通常、10〜800Vの範囲内であり、好ましくは20〜500Vの範囲内であり、より好ましくは50〜300Vの範囲内である。過大な電圧を加えると、目的とする含窒素炭素化合物の生成速度が律速となり、エネルギー効率が低くなる。他方、電圧が極端に低い場合にはプラズマ放電が安定せず、生成効率が低くなる傾向となる。
電流は含窒素炭素化合物の生成量に関係しており、通常5〜200Aの範囲内であり、好ましくは10〜180Aの範囲内であり、より好ましくは20〜160Aの範囲内である。過剰な電流を流すと目的とする含窒素炭素化合物の生成速度が律速となり、エネルギー効率が低下する。電流が少ないと生産性が低下する傾向となる。
プラズマ放電時の電流および電圧のパターンは特に限定されず、正弦波、矩形波、三角波などいずれの波形を用いてもよい。反応場にプラズマ放電が迅速かつ均一に発生し、得られる含窒素炭素化合物の構造および組成の均一性が高まることから、矩形波を用いることが好ましい。
電流の種類としては、直流電流または交流電流のいずれを用いてもよい。電流を矩形波とする場合、波形制御の観点から直流電流が好ましい。
プラズマ放電の方式は、パルスプラズマ放電および連続プラズマ放電のいずれの方式を採用してもよい。プラズマ放電の持続時間は特に限定されず、パルスプラズマ放電および連続プラズマ放電のいずれの方式を採用するかによっても異なる。含窒素炭素化合物のグラファイト構造を大きく成長させるには放電持続時間を長くすることが好ましく、グラファイト構造を小さくするためには放電持続時間を短くすることが好ましい。
パルスプラズマ放電を採用する場合、1回あたりのプラズマ放電持続時間を1μ秒以上とすることが好ましく、プラズマ放電をより安定させるためには10μ秒以上とすることがより好ましい。パルス休止時間は通常1μ秒〜100m秒の範囲、より好ましくは、2μ秒〜50m秒の範囲で実施される。パルス休止時間が長すぎる場合、含窒素炭素化合物の生成量が少なくなる一方、パルス休止時間が短すぎる場合、得られる含窒素炭素化合物の構造や組成の均一性が低下する傾向となる。
連続プラズマ放電を採用する場合、必要に応じて、プラズマ放電持続時間を秒単位、分単位ないし時間単位で任意に設定することができるが、1秒以上の持続時間が好ましく、高電流を流す際の機器への負荷制限を考慮して1分以下の持続時間が好ましい。
プラズマ放電を発生させる反応装置内の圧力に関して特に制限はなく、加圧状態から減圧状態にわたるいずれの圧力の下でも本発明を実施できるが、通常、大気圧下にて、窒素、アルゴンなどの不活性ガス下で実施される。圧力調整のための付帯設備の増加は、反応装置の操作性を低下させ、また、気体の反応性が高い場合には、操作上の安全性を考慮する必要が生じる。
プラズマ放電を実施する温度は、使用する有機液体媒体を構成する化合物の種類、性質、状態を考慮して決定するが、通常、0〜200℃の範囲、好ましくは5〜160℃の範囲であり、操作性、安全性の観点から、より好ましくは10〜140℃の範囲である。
プラズマ放電によって生成した含窒素炭素化合物は、ろ過および/または有機液体媒体の留去などにより容易に分離・回収することができる。
本発明の燃料電池用電極触媒を構成する含窒素炭素化合物は、通常1〜20質量%、好ましくは2〜15質量%、より好ましくは3〜12質量%、最も好ましくは3.5〜10質量%の窒素を含有する。
また、本発明の燃料電池用電極触媒を構成する含窒素炭素化合物は、粉末X線回折法により測定される回折強度のピークトップの2θ値から算出されるd002面の間隔が3.40〜4.00Åであり、好ましくは3.40〜3.90Å、より好ましくは3.45〜3.80Å、最も好ましくは3.50〜3.76Åであるようなグラファイト構造を有することにより特徴づけられる。
また、本発明の燃料電池用電極触媒を構成する含窒素炭素化合物のラマンスペクトルを測定すると、1200〜1600cm−1のラマンシフトの波数範囲に少なくとも3つのピークが存在することが確認できる。かかる波数領域に観測される3つのピークは、本発明の燃料電池用電極触媒を構成する含窒素炭化水素の化学構造を特徴付ける、グラファイト構造と、グラファイト構造に取り込まれている窒素の存在に由来する。
本発明の燃料電池用電極触媒は、上記の含窒素炭素化合物に、他の金属を担持したものであってもよい。かかる他の金属としては白金、パラジウム、ルテニウムが挙げられ、その使用量は、含窒素炭素化合物に対して、好ましくは0.001〜100質量%、より好ましくは0.01〜50質量%である。
かかる他の金属を含窒素炭素化合物に担持する方法は、公知の方法を適用できる。例えば、白金塩化物と含窒素炭素化合物を混合し、ホルマリンなどの還元剤を用いて、含窒素炭素化合物上に添着することができる。
<電極触媒>
上述したとおり、燃料電池の空気極では酸素を還元的に水素化し、水を生成する反応が進行する。この酸素還元反応を促進するために、空気極の表面には酸素の還元を促進する触媒が担持されている。本発明で用いる含窒素炭素化合物は、後述するように酸素還元活性を有しており、燃料電池の空気極用の電極触媒として使用するのに適している。
<燃料電池用電極の作製>
上記の含窒素炭素化合物を燃料電池用の電極触媒として使用する場合、常法に従って燃料電池用電極(空気極)を作製することができる。例えば、プロトン伝導性物質またはアニオン伝導性物質からなる固体高分子電解質膜に本発明の燃料電池用の電極触媒を塗布して電極触媒層を形成することができる。さらに、電極触媒の結着性を向上させるために、必要に応じて、テトラフルオロエチレン等のバインダーを添加してもよく、電極活性を高めるために、含窒素炭素化合物にカーボンブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラックなどの導電剤を加えたものを電極触媒とすることができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
粉末X線回折測定は、リガクRINT-2500VHF(CuKα)を使用して行った。
ラマン分光スペクトルの測定は、顕微レーザラマン分光装置(堀場製作所製 LabRAM ARAMIS)を使用して行った。
プラズマ放電用の炭素電極は、株式会社ニラコから入手した炭素ロッド(C Rod C−072621, 8mmφ, 100mm)を使用した。
<燃料電池用電極触媒の製造>
[実施例1]
ピリジン(和光純薬工業社製、特級試薬)50mlを容量100mlのビーカーに入れ、8mmφの炭素電極と10mm×5mm×2mmの炭素板電極をピリジンに浸漬し、極間距離を1mmとして、各電極を直流電源に接続した。反応器を窒素ボックスに入れ、ボックス内を窒素置換した後、両極間に200Vの電圧を印加した。1回あたりのプラズマ放電時間を250μ秒に、パルス休止時間を30m秒にそれぞれ設定して矩形波で60Aの電流を流した。放電回数をオシロスコープと放電カウンターで算出し、10万回のプラズマ放電を行った。反応液をろ過し、100.5mgの生成物を得た。得られた生成物の元素分析値は、炭素84.6質量%、水素0.7質量%、窒素6.2質量%であり、含窒素炭素化合物であることがわかった。
得られた含窒素炭素化合物のラマン分光スペクトルを測定したところ、図1に示すスペクトルが得られ、1200〜1600cm−1のラマンシフトの波数範囲内に3つのピークが存在することが確認された。図1中、矢印で示したピークのラマンシフト波数は1520cm−1であった。
また、粉末X線回折測定の結果、図2に示す回折強度パターンが得られた。回折強度のピークトップの位置(2θ)が、24.8°であり、グラファイトのピーク(2θ=26.5°)より低角側に現れた。上記のピークトップの2θ値から、d002面間隔を3.59Åと算出した。
[実施例2]
アニリン(和光純薬製、特級試薬)50mlを用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、166.1mgの生成物を得た。得られた生成物の元素分析値は、炭素86.9質量%、水素0.5質量%、窒素4.4質量%であり、含窒素炭素化合物であることがわかった。
得られた含窒素炭素化合物のラマン分光スペクトルを測定したところ、図3に示すスペクトルが得られ、1200〜1600cm−1のラマンシフトの波数範囲内に3つのピークが存在することが確認された。図3中、矢印で示したピークのラマンシフト波数は1515cm−1であった。
また、粉末X線回折測定の結果、図4に示す回折強度のパターンが得られた。回折強度のピークトップは、グラファイトのピーク(2θ=26.5°)より低角側の2θ=24.6°の位置に現れた。上記のピークトップの2θ値から、d002面間隔を3.58Åと算出した。
[実施例3]
実施例1において、放電時間を50μ秒、休止時間を30m秒にそれぞれ設定して矩形波で60Aの電流を流した以外は、実施例1と同様の操作を行い、90.1mgの生成物を得た。得られた生成物の元素分析値は、炭素86.1質量%、水素0.9質量%、窒素7.8質量%であり、含窒素炭素化合物であることがわかった。
得られた含窒素炭素化合物のラマン分光スペクトルを測定したところ、図4に示すスペクトルが得られ、1200〜1600cm−1のラマンシフトの波数範囲内に3つのピークが存在することが確認された。図5中、矢印で示したピークのラマンシフト波数は1520cm−1であった。
また、粉末X線回折測定の結果、図6に示す回折強度パターンが得られた。回折強度のピークトップが、グラファイトのピーク(2θ=26.5°)より低角側の2θ=23.6°の位置に現れた。上記のピークトップの2θ値から、d002面間隔を3.76Åと算出した。
<燃料電池用電極触媒の酸素還元活性の測定>
[実施例4]
(1)試験用電極の作製
実施例1で調製した含窒素炭素化合物50mgを、カーボンブラック(キャボット社製、商標名「Vulcan XC−72R」)5mgとともに、5質量%パーフルオロスルホン酸樹脂溶液(アルドリッチ社製)0.5mlをイオン交換水で1mlに溶解させた溶液に加え、超音波により分散させて触媒ペーストを調製した。触媒ペースト2μlを回転グラッシーカーボンディスク電極に塗布面積0.07cmで塗布し、十分に乾燥して、電極触媒層を形成し、試験用電極とした。
(2)測定装置
図7に示す3極回転電極セルを用いて測定した。この3極回転電極セルには、前記試験用電極からなる作用電極の両側に、参照電極(Ag/AgCl)と対極(Pt)を装着した。電極触媒層を形成した作用電極を酸素で飽和した0.1mol/L過塩素酸水溶液に浸漬し、サイクリックボルタンメトリーを操作速度50mV/s、電位幅0.05V〜1.02V、25℃にて測定した。電圧が0.7Vの時の還元電流密度を酸素還元活性値とした。得られた酸素還元活性値は、−0.312mA/cmであった。
[実施例5]
実施例1で調製した含窒素炭素化合物の代わりに実施例2で調製した含窒素炭素化合物を用いたこと以外は、実施例4と同様に行った。得られた酸素還元活性値は−0.300mA/cmであった。
[実施例6]
実施例1で調製した含窒素炭素化合物の代わりに実施例3で調製した含窒素炭素化合物を用いたこと以外は、実施例4と同様に行った。得られた酸素還元活性値は−0.287mA/cmであった。
[比較例1]
実施例1で調製した含窒素炭素化合物の代わりにカーボンブラック(商標名「Vulcan XC−72R」、キャボット社製)を用いたこと以外は、実施例4と同様に行った。酸素還元活性値は0であり、酸素還元活性は得られなかった。
本発明は、従来技術に比べて穏和な条件と簡易な手段を用いて燃料電池用電極触媒を提供できることから、燃料電池の製造に有用である。

Claims (2)

  1. 1〜20質量%の窒素を含有し、粉末X線回折法により測定されるd002面の間隔が3.40〜4.00Åであるグラファイト構造を有し、ラマンスペクトルのラマンシフト波数の1200〜1600cm−1の範囲に少なくとも3つピークを有する含窒素炭素化合物を含む燃料電池用電極触媒。
  2. 燃料電池の空気極用である請求項1に記載の電極触媒。
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