JP2012221623A - 燃料電池単セルの製造方法および燃料電池単セル - Google Patents

燃料電池単セルの製造方法および燃料電池単セル Download PDF

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Shinya Teranishi
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重彦 杉浦
Hidekazu Hattori
秀和 服部
Kazuya Komagata
和也 駒形
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Abstract

【課題】少ない焼成回数で、層間の接着強度を向上させることが可能な燃料電池単セルの製造方法、層間の接着強度に優れた燃料電池単セルを提供する。
【解決手段】固体電解質層11と、固体電解質層11の一方面に設けられた燃料極層12と、固体電解質層11の他方面に中間層13を介して設けられた空気極層14とを有する燃料電池単セル1を製造するにあたり、空気極層14は、中間層13に接する緻密質電極層141と、緻密質電極層141に接し、かつ、緻密質電極層141よりも多孔質な多孔質電極層142とから構成する。焼成により中間層13になる未焼成の第1層23と、焼成により緻密質電極141層になる未焼成の第2層241と、焼成により多孔質電極層142になる未焼成の第3層242とが、この順で積層されてなる積層体2を焼成する工程を経る。
【選択図】図1

Description

本発明は、電解質として固体電解質を利用した燃料電池単セルの製造方法および燃料電池単セルに関する。
燃料電池は、反応物質(燃料)と酸化剤(空気や酸素)とを電池内部に供給することによって電気エネルギーを発生させる変換器である。燃料電池の基本的な要素は、燃料極、電解質、空気極である。これら要素の接合体が単セルと称される。電解質として固体電解質を利用した単セルの構造としては、固体電解質層の一方面に燃料極層、他方面に空気極層を配置した単セルが知られている。固体電解質層と空気極層との中間には、接触抵抗の低減等の目的で中間層を介在させることもある。
上記単セルの製造方法としては、固体電解質層を構成する材料からなるグリーンシート(未焼成シート、生シートともいう。)を焼成して焼結体としての固体電解質層を形成するともに、空気極層を構成する材料からなるグリーンシートを焼成して焼結体としての空気極層を形成し、これらを接着剤により接着する工程を有する方法が知られている。
例えば、特許文献1には、以下の単セルの製造方法が開示されている。先ず、8mol%イットリア安定化ジルコニア(8YSZ)の焼結体を作製する。次いで、8YSZ焼結体上に接着剤としてのマンガン酸化物粉末を塗布する。次いで、このマンガン酸化物粉末の塗布面に、別途作製しておいたランタンマンガネート多孔質焼結体を載置し、接着面に荷重を加えながら焼成する。最後に、8YSZ焼結体の多孔質焼結体を設けた側と反対側に燃料極を設け、単セルとする。
特開平5−198304号公報
しかしながら、従来技術は以下の点で問題がある。すなわち、生産性向上、省エネ等の観点から、単セル製造時における焼成回数はできる限り少ない方がよい。この点、従来技術は、焼成により空気極層を作製した後、さらに接着のために焼成を行う。そのため、焼成回数が多く、無駄な工程が増えるという問題がある。また、中間層を設ける場合に、この技術を適用すると、中間層の焼結体を作製する必要があるため、さらに焼成回数が増えてしまうという問題が発生する。
他にも、従来技術は、硬い焼結体どうしの接着であるため、反り等による接着ムラが生じやすく、層間の接着強度が低下するおそれがある。中間層を設ける場合にも、同様の問題が発生するおそれがある。この種の問題は、接着する焼結体が大きくなるほど生じやすい。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、少ない焼成回数で、層間の接着強度を向上させることが可能な燃料電池単セルの製造方法を提供しようとするものである。また、層間の接着強度に優れた燃料電池単セルを提供しようとするものである。
第1の発明は、固体電解質層と、該固体電解質層の一方面に設けられた燃料極層と、上記固体電解質層の他方面に中間層を介して設けられた空気極層とを有する燃料電池単セルの製造方法であって、
上記空気極層は、上記中間層に接する緻密質電極層と、該緻密質電極層に接し、かつ、上記緻密質電極層よりも多孔質な多孔質電極層とを備えており、
焼成により上記中間層になる未焼成の第1層と、焼成により上記緻密質電極層になる未焼成の第2層と、焼成により上記多孔質電極層になる未焼成の第3層とが、この順で積層されてなる積層体を焼成する工程を有することを特徴とする燃料電池単セルの製造方法にある(請求項1)。
第2の発明は、固体電解質層と、該固体電解質層の一方面に設けられた燃料極層と、上記固体電解質層の他方面に中間層を介して設けられた空気極層とを有する燃料電池単セルであって、
上記空気極層は、上記中間層に接する緻密質電極層と、該緻密質電極層に接し、かつ、上記緻密質電極層よりも多孔質な多孔質電極層とを備えていることを特徴とする燃料電池単セルにある(請求項8)。
第1の発明の燃料電池単セルの製造方法は、上記のように、固体電解質層に中間層を介して空気極層を設けるにあたり、空気極層を、中間層に接する緻密質電極層と、緻密質電極層に接し、かつ、緻密質電極層よりも多孔質な多孔質電極層とを備えた構成とする。そして、焼成により中間層になる未焼成の第1層と、焼成により緻密質電極層になる未焼成の第2層と、焼成により多孔質電極層になる未焼成の第3層とが、この順で積層されてなる積層体を焼成する工程を経て、燃料電池単セルを製造する。
上記燃料電池単セルの製造方法によれば、中間層と空気極層とを一度の焼成により接着する。そのため、一体焼成により焼成回数を減らすことが可能になり、接着のためなどの無駄な焼成工程を削減することができる。したがって、省エネ、生産性の向上に寄与することができる。また、上記積層体において、焼成により緻密質電極層になる未焼成の第2層が接着層として機能する。そのため、中間層と多孔質電極層との気孔率差が大きくても、両層の気孔率差を緩和して良好な接着を得ることができる。それ故、両層間の接着強度を向上させることができる。これは、第1層、第2層および第3層がいずれも未焼成の生材層であるため、第1層と第2層との界面、第2層と第3層との界面における密着性が向上するからである。また、良好な接着を確保できるため、接触抵抗の低減にも寄与することができる。
また、第2の発明の燃料電池単セルは、上記のように、固体電解質層に中間層を介して空気極層が設けられており、空気極層は、中間層に接する緻密質電極層と、緻密質電極層に接し、かつ、緻密質電極層よりも多孔質な多孔質電極層とを備えている。そのため、上記燃料電池単セルは、中間層と多孔質電極層との気孔率差が大きくても、両層間の接着強度に優れる。
以上のように、本発明によれば、少ない焼成回数で、層間の接着強度を向上させることが可能な燃料電池単セルの製造方法、層間の接着強度に優れた燃料電池単セルを提供することができる。
実施例1における、燃料電池単セルの製造方法で用いる積層体を示す説明図である。 実施例1における、燃料電池単セルの製造方法により得られる燃料電池単セルを説明する説明図である。 実施例1〜3、比較例1における、燃料電池単セルの製造方法により得られた燃料電池単セルについて層間の接着強度を比較した試験結果である。
第1の発明は、固体電解質層と、固体電解質層の一方面に設けられた燃料極層と、固体電解質層の他方面に中間層を介して設けられた空気極層とを有する燃料電池単セル(以下、「単セル」と略称することがある。)の製造方法(以下、「本製造方法」ということがある。)である。空気極層は、中間層に接する緻密質電極層と、緻密質電極層に接する多孔質電極層とを備えている。
緻密質電極層、多孔質電極層は、いずれも空気極層の一部である。そのため、いずれの層も空気、酸素等の酸化剤ガスを透過させるガス透過性を有する。但し、多孔質電極層は、緻密質電極層よりも多孔質に形成される。換言すれば、緻密質電極層は、多孔質電極層よりも緻密質に形成される。つまり、本製造方法で製造する単セルにおいて、緻密質電極層、多孔質電極層は、緻密質電極層の気孔率<多孔質電極層の気孔率の関係を満たしている。このような気孔率の調整は、緻密質電極層、多孔質電極層の形成時に、各層形成材料中に含有させる造孔材料の量を調節することなどによって行うことができる。
上記単セルの形状は、好ましくは、単セルの製造性に優れる平面型であるとよい。上記単セルは、固体電解質層、燃料極層、空気極層のいずれの発電主要素を支持体として機能させてもよい。発電主要素以外のものを別途支持体として具備することもできる。
上記単セルは、焼成プロセスを経て製造される。それ故、上記固体電解質層を構成する固体電解質としては、例えば、希土類酸化物(例えば、Y、Sc、Gd、Sm、Yb、Nd等から選択される1種または2種以上)が固溶された(部分)安定化ジルコニア、セリア系固溶体、ペロブスカイト型酸化物(例えば、SrCeO、BaCeO、CaZrO、SrZrO等)等の固体酸化物セラミックスなどを例示することができる。
固体電解質層を構成する固体電解質としては、好ましくは、酸素イオン導電性を示す固体酸化物セラミックスであり、より好ましくは、ジルコニア系の固体酸化物セラミックスである。以下、固体電解質層として固体酸化物層を用いた燃料電池単セルを、固体酸化物形燃料電池単セル(SOFC単セル)という。固体電解質層の厚みは、5〜200μm程度が好ましい。
燃料極層を構成する材料としては、例えば、SOFC単セルの場合、金属ニッケル、酸化ニッケル、これらとイットリア安定化ジルコニア等のジルコニア系の固体酸化物セラミックスとのサーメットなどを例示することができる。燃料極層の厚みは、10〜80μmまたは200〜800μm程度が好ましい。
中間層を構成する材料としては、例えば、SOFC単セルの場合、セリア、セリア系固溶体などを例示することができる。セリア系固溶体は、具体的には、Gd、La、Y、Sm等の希土類酸化物から選択される1種または2種以上を固溶したセリア系固溶体などを例示することができる。
多孔質電極層を構成する材料としては、例えば、SOFC単セルの場合、ランタン−コバルト系酸化物、ランタン−ニッケル系酸化物、(La,AE)MO(但し、AEは、Laの一部を置き換えうるSrまたはCaであり、Mは、Co、FeおよびMnから選択される1種または2種以上)等の遷移金属ペロブスカイト型酸化物などを例示することができる。上記(La,AE)MOは、具体的には、ランタン−ストロンチウム−コバルト−鉄系酸化物((La,Sr)(Co,Fe)O)、ランタン−ストロンチウム−コバルト系酸化物((La,Sr)CoO)、ランタン−ストロンチウム−マンガン系酸化物((La,Sr)MnO)、ランタン−カルシウム−マンガン系酸化物((La,Ca)MnO)などを例示することができる。これらは1種または2種以上併用することが可能である。
緻密質電極層を構成する材料としては、例えば、上記多孔質電極層を構成する材料と同様の材料、上記中間層を構成する材料と同様の材料、上記多孔質電極層を構成する材料と上記中間層を構成する材料とを含む混合物などを例示することができる。好ましくは、多孔質電極層を構成する材料と中間層を構成する材料とを含む混合物であるとよい。
ここで、本製造方法は、焼成により上記中間層になる未焼成の第1層と、焼成により上記緻密質電極層になる未焼成の第2層と、焼成により上記多孔質電極層になる未焼成の第3層とが、この順で積層されてなる積層体を焼成する工程を有する。上記積層体は、各層が生材層からなり、第1層に接して第2層、第2層に接して第3層が積層されていればよい。上記積層体の形成方法は、特に限定されるものではない。各層の密着性や層形成性等を考慮して最適な方法を選択することができる。
上記積層体の具体的な形成方法としては、例えば、(1)第1層形成材料より第1層を形成するとともに第3層形成材料より第3層を形成し、第1層の第3層側の面および/または第3層の第1層側の面に、第2層形成材料を層状に形成して互いに重ね合わせる(貼り合わせる)方法、(2)第1層形成材料より第1層、第2層形成材料より第2層、第3層形成材料より第3層をそれぞれ形成し、上記積層体の積層順となるように重ね合わせる(貼り合わせる)方法、(3)第1層形成材料より第1層を形成し、この第1層の第2層側の面に第2層形成材料より第2層を形成し、この第2層の第3層側の面に第3層形成材料より第3層を形成する方法、(4)第3層形成材料より第3層を形成し、この第3層の第2層側の面に第2層形成材料より第2層を形成し、この第2層の第1層側の面に第1層形成材料より第1層を形成する方法などを例示することができる。上記積層体の形成方法としては、好ましくは、上記(1)の方法や上記(2)の方法であり、より好ましくは、上記(1)の方法である。重ね合わせにより第2層を介して第1層と第3層とを密着させやすいので、中間層と多孔質電極層との接着性に優れた単セルを得やすくなるからである。
また、第1層、第2層および第3層の形成方法は、特に限定されるものではなく、層厚等を考慮して選択することができる。第1層、第2層および第3層の形成方法としては、例えば、ドクターブレード法等のテープ・キャスト法、スラリー塗布法、スプレー法、スクリーン印刷法、溶射法、刷毛塗り法などを例示することができ、これらは1または2以上組み合わせて用いることができる。同一の形成方法を1または2回以上行うことも可能である。なお、各層の形成後、あるいは、積層体とした後に、加圧処理等を施すことも可能である。
したがって、上記積層体の形成を上記(1)の方法により行う場合、具体的には例えば、以下の方法を用いることができる。先ず、テープ・キャスト法に適した第1層形成材料、第3層形成材料を調製し、テープ・キャスト法により未焼成シートから形成された第1層、第3層をそれぞれ形成する。次に、スラリー塗布法に適した第2層形成材料を調製し、第1層の第3層側の面および/または第3層の第1層側の面に、第2層形成材料を層状に形成して互いに重ね合わせる。これにより上記積層体を形成することができる。
また、上記積層体の形成を上記(2)の方法により行う場合、具体的には例えば、以下の方法を用いることができる。先ず、テープ・キャスト法に適した第1層形成材料、第2層形成材料および第3層形成材料を調製し、テープ・キャスト法により未焼成シートから形成された第1層、第2層および第3層をそれぞれ形成する。次に、第1層と第3層との間に第2層が挟持された状態となるように各層を重ね合わる。これにより上記積層体を形成することができる。
上記積層体の形成を上記(3)、(4)の方法により行う場合、具体的には例えば、以下の方法を用いることができる。先ず、テープ・キャスト法に適した第1層形成材料、第2層形成材料および第3層形成材料を調製する。次に、第1層と第3層との間に第2層が挟持された状態となるように、テープ・キャスト法を用いて各層形成材料を順次積層する。これにより上記積層体を形成することができる。
上記において、各層形成材料は、例えば、各層を構成する材料の粉末と、バインダーと、必要に応じて添加しうる造孔材料とを、適当な溶媒に分散させることなどにより調製することができる。なお、第1層形成材料は、上記造孔材料が基本的に添加されていなくてもよい。第2層形成材料は、上記造孔材料が少量添加されていてもよいが、添加されていなくてもよい場合もありうる。第3層形成材料は、上記造孔材料が添加されていることが好ましい。上記造孔材料としてはアクリル、カーボンなどを例示することができる。これらは1種または2種以上併用することができる。
本製造方法は、単セルを製造するにあたり上記積層体を焼成する工程を含む。上記積層体を用いて単セルを製造する方法は、特に限定されるものではない。上述したように、上記単セルは、固体電解質層、燃料極層、空気極層のいずれを支持体としてもよい。したがって、いずれの層を支持体とするかによって最適な方法を適宜選択することができる。
例えば、固体電解質層を支持体とする場合、以下の方法を例示することができる。(A)一方面に予め燃料極層を形成した固体電解質層を準備し、この固体電解質層の他方面に上記積層体を形成(第1層は、固体電解質層に接した状態にする)し、焼成する方法、(B)固体電解質層の他方面に上記積層体を形成(第1層は、固体電解質層に接した状態にする)して焼成した後、固体電解質層の一方面に燃料極層を形成する方法、(C)焼成により固体電解質層になる未焼成層を形成し、この未焼成層の他方面に上記積層体を形成(第1層は、焼成により固体電解質層になる未焼成層に接した状態にする)して焼成した後、固体電解質層の一方面に燃料極層を形成する方法、(D)焼成により固体電解質層になる未焼成層を形成し、この未焼成層の一方面に、焼成により燃料極層になる未焼成層を形成するとともに、他方面に上記積層体を形成(第1層は、焼成により固体電解質層になる未焼成層に接した状態にする)し、焼成する方法などを例示することができる。好ましくは、上記(A)の方法である。
また例えば、燃料極層を支持体とする場合、以下の方法を例示することができる。(E)一方面に予め固体電解質層を形成した燃料極層を準備し、固体電解質層の燃料極層形成側と反対側の面に上記積層体を形成(第1層は、固体電解質層に接した状態にする)し、焼成する方法、(F)燃料極層の片面に、焼成により固体電解質層になる未焼成層を形成し、この未焼成層の燃料極層形成側と反対側の面に上記積層体を形成(第1層は、焼成により固体電解質層になる未焼成層に接した状態にする)し、焼成する方法、(G)焼成により燃料極層になる未焼成層の片面に、焼成により固体電解質層になる未焼成層を形成し、この焼成により固体電解質層になる未焼成層の、焼成により燃料極層になる未焼成層形成側と反対側の面に上記積層体を形成(第1層は、焼成により固体電解質層になる未焼成層に接した状態にする)し、焼成する方法などを例示することができる。好ましくは、上記(E)または(G)の方法である。
なお、上記固体電解質層、燃料極層の形成方法は、特に限定されるものではない。固体電解質層、燃料極層の形成方法としては、例えば、ドクターブレード法等のテープ・キャスト法、スラリー塗布法、スプレー法、スクリーン印刷法、溶射法、刷毛塗り法、プレス法などを用いて、各層形成材料から各未焼成層を形成し、焼成する方法を例示することができる。未焼成層の形成方法は、1または2以上組み合わせて用いることができるし、同一の形成方法を1または2回以上行うことも可能である。
また、本製造方法において、焼成温度、焼成時間等の焼成条件は、各層を構成する材料の種類などを考慮して最適な範囲を選択することができる。
上記本製造方法において、上記第2層は、上記中間層を構成する材料と上記多孔質電極層を構成する材料とを含む混合材料より形成されていることが好ましい(請求項2)。
この場合には、中間層と多孔質電極層との気孔率差が大きくても、両層の気孔率差を緩和して良好な接着を確保しやすくなる。これは界面反応が起きやすくなるためであると考えられる。
上記混合材料に含まれる、中間層を構成する材料と多孔質電極層を構成する材料との混合割合は、(中間層を構成する材料)/(多孔質電極層を構成する材料)の質量比が、好ましくは、0.1〜1.0、より好ましくは、0.17〜0.43の範囲内にあるとよい。良好な接着を確保しやすくなり、有利だからである。
上記本製造方法において、上記積層体は、いずれの形成方法を用いて形成されていてもよいが、上記第1層および上記第3層が未焼成シートから形成されており、上記第2層がスラリーから形成されていることが好ましい(請求項3)。
この場合には、第1層の未焼成シートと第3層の未焼成シートとの間に第2層のスラリーが挟持される。そのため、第1層の未焼成シートと第3層の未焼成シートとの密着性が一層向上し、この状態で焼成が行われることになるので、良好な接着を確保しやすくなる。
上記本製造方法において、上記緻密質電極層の厚みは、5〜30μmの範囲内にあることが好ましい(請求項4)。
この場合には、上記緻密質電極層が存在していても移動イオンの拡散が損なわれ難い。そのため、電池反応を確保しやすくなる。上記緻密質電極層の厚みの下限値は、接着性を確保しやすくなるなどの観点から、より好ましくは、7μm、さらに好ましくは、10μmであるとよい。一方、上記緻密質電極層の厚みの上限値は、電池反応を確保しやすくなるなどの観点から、より好ましくは、25μm、さらに好ましくは、20μmであるとよい。
また、上記多孔質電極層の厚みは、ガス拡散性や電気的接触性などの観点から、10〜40μmの範囲内にあることが好ましい。より好ましくは、10〜30μm、さらに好ましくは、10〜20μmにあるとよい。また、上記中間層の厚みは、空気極と電解質との反応防止や電気抵抗などの点から、3〜20μmの範囲内にあることが好ましい。より好ましくは、3〜15μm、さらに好ましくは、3〜10μmにあるとよい。
上記本製造方法において、上記緻密質電極層の気孔率は、5〜30%の範囲内にあることが好ましい(請求項5)。
この場合には、上記緻密質電極層が存在していても移動イオンの拡散が損なわれ難い。そのため、電池反応を確保しやすくなる。上記緻密質電極層の気孔率の下限値は、ガス反応サイトを確保しやすいなどの観点から、より好ましくは、7%、さらに好ましくは、10%であるとよい。一方、上記緻密質電極層の気孔率の上限値は、接着性を確保しやすくなるなどの観点から、より好ましくは、25%、さらに好ましくは、20%であるとよい。
また、上記多孔質電極層の気孔率は、ガス拡散性などの観点から、40〜80%の範囲内にあることが好ましい。より好ましくは、40〜70%、さらに好ましくは、40〜60%にあるとよい。また、上記中間層の気孔率は、空気極と電解質との反応防止や電気抵抗などの点から、0〜20%の範囲内にあることが好ましい。より好ましくは、0〜10%、さらに好ましくは、0〜5%にあるとよい。なお、上記気孔率は、SEM等の画像解析や水銀ポロシメーターにより測定することができる。
上記本製造方法において、上記固体電解質層は、酸素イオン導電性を有する固体酸化物より構成され、上記中間層は、Gdを含むセリア系固溶体より構成され、上記多孔質電極層は、ランタン−コバルト系酸化物またはランタン−ニッケル系酸化物より構成されていることが好ましい(請求項6)。
この場合には、少ない焼成回数で、層間の接着強度に優れるSOFC単セルが得られる。また、中間層と多孔質電極層との間の接触抵抗が低減されたSOFC単セルが得られる。
この際、上記本製造方法において、上記緻密質電極層は、Gdを含むセリア系固溶体とランタン−コバルト系酸化物またはランタン−ニッケル系酸化物とを含む混合物より構成されていることが好ましい(請求項7)。
この場合には、中間層と多孔質電極層との気孔率差が大きくても、両層の気孔率差を緩和して良好な接着が確保され、両層間の接着強度に優れるSOFC単セルが得られる。
第2の発明の燃料電池単セルは、上記のように、固体電解質層に中間層を介して空気極層が設けられており、空気極層は、中間層に接する緻密質電極層と、緻密質電極層に接し、かつ、緻密質電極層よりも多孔質な多孔質電極層とを備えている。各層を構成する材料、厚み、気孔率等については、第1の発明である上記本製造方法で上述した記載に準ずるので説明は省略する。
ここで、上記燃料電池単セルにおいて、上記緻密質電極層は、上記中間層を構成する材料と上記多孔質電極層を構成する材料とを含む混合物より構成されていることが好ましい(請求項9)。
この場合には、中間層と多孔質電極層との気孔率差が大きくても、両層間の接着強度に優れる燃料電池単セルになる。
また、上記燃料電池単セルにおいて、上記固体電解質層は、酸素イオン導電性を有する固体酸化物より構成され、上記中間層は、Gdを含むセリア系固溶体より構成され、上記多孔質電極層は、ランタン−コバルト系酸化物またはランタン−ニッケル系酸化物より構成され、上記緻密質電極層は、Gdを含むセリア系固溶体とランタン−コバルト系酸化物またはランタン−ニッケル系酸化物とを含む混合物より構成されていることが好ましい(請求項10)。
この場合には、中間層と多孔質電極層との気孔率差が大きくても、両層間の接着強度に優れるSOFC単セルになる。
また、上記燃料電池単セルにおいて、上記緻密質電極層と上記中間層との界面、および、上記緻密質電極層と上記多孔質電極層との界面に、各界面に接する両層を構成する材料成分を含む拡散部を有することが好ましい(請求項11)。つまり、緻密質電極層と中間層との界面には、緻密質電極層を構成する材料成分、中間層を構成する材料成分を含む拡散部を有していることが好ましい。また、緻密質電極層と多孔質電極層との界面には、緻密質電極層を構成する材料成分、多孔質電極層を構成する材料成分を含む拡散部を有していることが好ましい。上記拡散部は、単セル製造時における焼時に、隣接する各層の材料成分が相互拡散して形成される。拡散部の材料成分は、EPMAにより分析することができる。
(実施例1)
本発明の実施例に係る燃料電池単セルの製造方法、燃料電池単セルについて、図1、図2を用いて説明する。なお、以下では、符号は適宜使用する。
本例の製造方法は、図2に示すように、固体電解質層11と、固体電解質層11の一方面に設けられた燃料極層12と、固体電解質層11の他方面に中間層13を介して設けられた空気極層14とを有する燃料電池単セル1を製造する方法である。燃料電池単セル1の空気極層14は、中間層13に接する緻密質電極層141と、緻密質電極層141に接し、かつ、緻密質電極層141よりも多孔質な多孔質電極層142とを備えている。
本例の製造方法は、図1に示すように、焼成により中間層13になる未焼成の第1層23と、焼成により緻密質電極層141になる未焼成の第2層241と、焼成により多孔質電極層142になる未焼成の第3層242とが、この順で積層されてなる積層体2を焼成する工程を有している。具体的には、本例では、図1に示すように、一方面に予め燃料極層12を形成した固体電解質層11の他方面に積層体2を形成し、これを焼成することにより、固体酸化物形の燃料電池単セル1とした。以下、本例の製造方法について詳述する。
・各層形成材料の準備
8mol%のイットリアを固溶したイットリア安定化ジルコニア粉末(平均粒径:0.6μm)と、ポリビニルブチラール(以下、PVB)(バインダー)と、2−ブタイソアミルおよびエタノール(混合溶媒)とを含有する固体電解質層形成スラリーを調製した。
酸化ニッケル粉末(平均粒径:0.5μm)と、8mol%のイットリアを固溶したイットリア安定化ジルコニア(8YSZ)粉末(平均粒径:0.6μm)と、PVB(バインダー)と、アクリルまたはカーボン(造孔材料)と、2−ブタイソアミルおよびエタノール(混合溶媒)とを含有する燃料極層形成スラリーを調製した。なお、酸化ニッケル粉末と8YSZ粉末の質量比は、60:40とした。
10mol%のGdを含むセリア系固溶体(GDC)粉末(平均粒径:0.5μm)と、PVB(バインダー)と、2−ブタイソアミルおよびエタノール(混合溶媒)とを含有する第1層形成スラリーを調製した。
10mol%のGdを含むセリア系固溶体(GDC)粉末(平均粒径:0.5μm)と、La0.6Sr0.4Co0.2Fe0.8(LSCF)粉末(平均粒径:1.0μm)と、PVB(バインダー)と、アクリルまたはカーボン(造孔材料)と、2−ブタイソアミルおよびエタノール(混合溶媒)とを含有する第2層形成混合スラリーを調製した。なお、GDC粉末とLSCF粉末の質量比は、50:50とした。
La0.6Sr0.4Co0.2Fe0.8(LSCF)粉末(平均粒径:0.5μm)と、PVB(バインダー)と、アクリルまたはカーボン(造孔材料)と、2−ブタイソアミルおよびエタノール(混合溶媒)とを含有する第3層形成スラリーを調製した。
・燃料極層を形成した固体電解質層の準備
ドクターブレード法を用いて、調製した固体電解質層形成スラリーをプラスチック基材上に層状に塗工し、乾燥させることにより、焼成により固体電解質層になる未焼成シート(厚み200μm)を作製した。この未焼成シートを1400℃で焼成することにより、固体電解質層(厚み160μm)を作製した。上記作製した固体電解質層の一方面に、調製した燃料極層形成スラリーをスクリーン印刷することにより、焼成により燃料極層になる未焼成層(厚み50μm)を形成した。その後、これを1300℃で焼成した。これにより、一方面に予め燃料極層を形成した固体電解質層を準備した。
・積層体の形成
ドクターブレード法を用いて、調製した第1層形成スラリーをプラスチック基材上に層状に塗工し、乾燥させることにより、焼成により中間層になる未焼成シート(厚み10μm)を作製した。同様に、ドクターブレード法を用いて、調製した第3層形成スラリーをプラスチック基材上に層状に塗工し、乾燥させることにより、焼成により多孔質電極層になる未焼成シート(厚み40μm)を作製した。焼成により多孔質電極層になる未焼成シートの片面に、ドクターブレード法を用いて、調製した第2層形成スラリーを層状に塗工し、焼成により緻密質電極層になるスラリー層(厚み20μm)を形成した。このスラリー層の表面に、焼成により中間層になる未焼成シートの片面を貼りあわせた。これにより、焼成により中間層になる未焼成シートと焼成により多孔質電極層になる未焼成シートとの間に、焼成により緻密質電極層になるスラリー層を挟持した積層体を形成した。
・積層体の焼成
一方面に予め燃料極層を形成した固体電解質層における、燃料極層形成側とは反対側の面に、第1層が固体電解質層と接するようにして上記積層体を重ね合せた。そしてこの積層体を1100℃にて焼成することにより、実施例1に係るSOFC単セル(形状:80mm×80mm)を作製した。
上記SOFC単セル1は、図2に示すように、8YSZからなる固体電解質層11(厚み160μm)と、8YSZからなる固体電解質層11の一方面に設けられた、Ni/8YSZサーメットからなる燃料極層12(厚み40μm)と、8YSZからなる固体電解質層11の他方面に、GDCからなる中間層13(厚み5μm)を介して設けられた空気極層14とを有している。また、上記空気極層14は、GDCからなる中間層13に接し、GDCとLSCFとの混合物からなる緻密質電極層141(厚み15μm、気孔率20%)と、上記緻密質電極層141に接しかつ上記緻密質電極層141よりも多孔質な、LSCFからなる多孔質電極層142(厚み40μm、気孔率60%)とを備えている。なお、上記気孔率は、水銀ポロシメータにより測定した値である。
(実施例2)
実施例1において、第2層形成混合スラリーを調製する代わりに、La0.6Sr0.4Co0.2Fe0.8(LSCF)粉末(平均粒径:1μm)と、PVB(バインダー)と、アクリルまたはカーボン(造孔材料)と、2−ブタイソアミルおよびエタノール(混合溶媒)とを含有する、GDC粉末を含有しない第2層形成スラリー(2)を調製した。
この第2層形成スラリー(2)を用いて第2層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例2に係るSOFC単セル(形状:80mm×80mm)を作製した。
上記SOFC単セルは、8YSZからなる固体電解質層(厚み160μm)と、8YSZからなる固体電解質層の一方面に設けられた、Ni/8YSZサーメットからなる燃料極層(厚み40μm)と、8YSZからなる固体電解質層の他方面に、GDCからなる中間層(厚み5μm)を介して設けられた空気極層とを有している。また、上記空気極層は、GDCからなる中間層に接し、LSCFからなる緻密質電極層(厚み15μm、気孔率20%)と、上記緻密質電極層に接しかつ上記緻密質電極層よりも多孔質な、LSCFからなる多孔質電極層(厚み40μm、気孔率60%)とを備えている。
(実施例3)
実施例1において、第2層形成混合スラリーを調製する代わりに、10mol%のGdを含むセリア系固溶体(GDC)粉末(平均粒径:0.5μm)と、PVB(バインダー)と、2−ブタイソアミルおよびエタノール(混合溶媒)とを含有する、LSCF粉末を含有しない第2層形成スラリー(3)を調製した。
この第2層形成スラリー(3)を用いて第2層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例3に係るSOFC単セルを作製した。
上記SOFC単セルは、8YSZからなる固体電解質層(厚み160μm)と、8YSZからなる固体電解質層の一方面に設けられた、Ni/8YSZサーメットからなる燃料極層(厚み40μm)と、8YSZからなる固体電解質層の他方面に、GDCからなる中間層(厚み5μm)を介して設けられた空気極層とを有している。また、上記空気極層は、GDCからなる中間層に接し、GDCからなる緻密質電極層(厚み10μm、気孔率20%)と、上記緻密質電極層に接しかつ上記緻密質電極層よりも多孔質な、LSCFからなる多孔質電極層(厚み40μm、気孔率60%)とを備えている。
(比較例1)
実施例1と同様にして、Ni/8YSZサーメットからなる燃料極層(厚み40μm)を一方面に予め形成した、8YSZからなる固体電解質層(厚み160μm)を準備した。また、実施例1と同様にして、焼成により中間層になる未焼成シートを準備した。
次に、上記固体電解質層の燃料極層形成側とは反対側の面に、焼成により中間層になる未焼成シートを重ね合せ、1200℃にて焼成した。これにより、上記固体電解質層の燃料極層形成側とは反対側の面に、GDCからなる中間層(厚み5μm)を形成した。
次に、上記焼結体としての中間層の表面に、MnO粉末を塗布し、この塗布面に、別途作製しておいた、焼結体としてのランタンストロンチウムマンガネート(LSM)からなる空気極層(厚み50μm、気孔率60%)を載置した。その後、接着面に荷重を加えながら1500℃で焼成し、比較例1に係るSOFC単セルを作製した。
<接着強度の評価>
層間の接着強度を評価した結果を図3に示す。なお、図3は、接着強度の強弱を相対比較したものである。接着強度の評価は、いわゆる粘着テープなどを用いて引き剥がしを行い、どの粘着力までであれば引き剥がされないかを相対比較することにより行った。
<考察>
空気極層側の作製工程に着目すると、比較例1に係る製造方法は、中間層の焼成、空気極層の焼成、中間層と空気極層との接着のための焼成と、3回の焼成が必要である。これに対し、実施例1〜3に係る製造方法は、上記積層体を焼成する工程を有する。つまり、中間層と空気極層とを一度の焼成により接着する。そのため、一体焼成により焼成回数を減らすことが可能になり、比較例1に係る製造方法に比べ、無駄な焼成工程を減らすことができる。したがって、省エネ、生産性の向上に寄与することができるといえる。
また、実施例1〜3に係る製造方法において、上記積層体における、焼成により緻密質電極層になる未焼成の第2層は接着層として機能する。そのため、中間層と多孔質電極層との気孔率差が大きくても、両層の気孔率差を緩和して良好な接着を得ることができる。それ故、図3に示すように、両層間の接着強度を向上させることができた。これは、第1層、第2層および第3層がいずれも未焼成の生材層であるため、第1層と第2層との界面、第2層と第3層との界面における密着性が向上したからである。
なお、比較例1に係る製造方法によるSOFC単セルが、実施例2、3に係る製造方法によるSOFC単セルと同等の接着強度を示したのは、試験に用いたSOFC単セルの大きさが比較的小さかったため、接着ムラが再現され難かったためであると推察される。である。いずれにせよ、比較例1に係る製造方法は、焼結体どうしの接着であるため、セル形状が大きくなるほど接着ムラが生じやすく、層間の接着強度の向上を図るうえで不利であるといえる。
また、実施例どうしを比較すると、とりわけ、中間層を構成するGDCと多孔質電極層を構成するLSCFを含有する第2層形成混合スラリーを用いて上記積層体の第2層を形成した、実施例1に係るSOFC単セルは、混合スラリーを用いずに作製した実施例2、3に係るSOFC単セルに比べ、層間の接着強度の向上効果が大きいことが確認できた。
以上、実施例について説明したが、本発明は、上記実施例により限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
1 燃料電池単セル
11 固体電解質層
12 燃料極層
13 中間層
14 空気極層
141 緻密質電極層
142 多孔質電極層
2 積層体
23 第1層
241 第2層
242 第3層

Claims (11)

  1. 固体電解質層と、該固体電解質層の一方面に設けられた燃料極層と、上記固体電解質層の他方面に中間層を介して設けられた空気極層とを有する燃料電池単セルの製造方法であって、
    上記空気極層は、上記中間層に接する緻密質電極層と、該緻密質電極層に接し、かつ、上記緻密質電極層よりも多孔質な多孔質電極層とを備えており、
    焼成により上記中間層になる未焼成の第1層と、焼成により上記緻密質電極層になる未焼成の第2層と、焼成により上記多孔質電極層になる未焼成の第3層とが、この順で積層されてなる積層体を焼成する工程を有することを特徴とする燃料電池単セルの製造方法。
  2. 請求項1に記載の燃料電池単セルの製造方法において、
    上記第2層は、上記中間層を構成する材料と上記多孔質電極層を構成する材料とを含む混合材料より形成されていることを特徴とする燃料電池単セルの製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の燃料電池単セルの製造方法において、
    上記積層体は、上記第1層および上記第3層が未焼成シートから形成されており、上記第2層がスラリーから形成されていることを特徴とする燃料電池単セルの製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池単セルの製造方法において、
    上記緻密質電極層の厚みは、5〜30μmの範囲内にあることを特徴とする燃料電池単セルの製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料電池単セルの製造方法において、
    上記緻密質電極層の気孔率は、5〜30%の範囲内にあることを特徴とする燃料電池単セルの製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の燃料電池単セルの製造方法において、
    上記固体電解質層は、酸素イオン導電性を有する固体酸化物より構成され、
    上記中間層は、Gdを含むセリア系固溶体より構成され、
    上記多孔質電極層は、ランタン−コバルト系酸化物またはランタン−ニッケル系酸化物より構成されていることを特徴とする燃料電池単セルの製造方法。
  7. 請求項6に記載の燃料電池単セルの製造方法において、
    上記緻密質電極層は、Gdを含むセリア系固溶体とランタン−コバルト系酸化物またはランタン−ニッケル系酸化物とを含む混合物より構成されていることを特徴とする燃料電池単セルの製造方法。
  8. 固体電解質層と、該固体電解質層の一方面に設けられた燃料極層と、上記固体電解質層の他方面に中間層を介して設けられた空気極層とを有する燃料電池単セルであって、
    上記空気極層は、上記中間層に接する緻密質電極層と、該緻密質電極層に接し、かつ、上記緻密質電極層よりも多孔質な多孔質電極層とを備えていることを特徴とする燃料電池単セル。
  9. 請求項8に記載の燃料電池単セルにおいて、
    上記緻密質電極層は、上記中間層を構成する材料と上記多孔質電極層を構成する材料とを含む混合物より構成されていることを特徴とする燃料電池単セル。
  10. 請求項8または9に記載の燃料電池単セルにおいて、
    上記固体電解質層は、酸素イオン導電性を有する固体酸化物より構成され、
    上記中間層は、Gdを含むセリア系固溶体より構成され、
    上記多孔質電極層は、ランタン−コバルト系酸化物またはランタン−ニッケル系酸化物より構成され、
    上記緻密質電極層は、Gdを含むセリア系固溶体とランタン−コバルト系酸化物またはランタン−ニッケル系酸化物とを含む混合物より構成されていることを特徴とする燃料電池単セル。
  11. 請求項8〜10のいずれか1項に記載の燃料電池単セルにおいて、
    上記緻密質電極層と上記中間層との界面、および、上記緻密質電極層と上記多孔質電極層との界面に、各界面に接する両層を構成する材料成分を含む拡散部を有することを特徴とする燃料電池単セル。
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