JP2012220325A - 高速炉 - Google Patents
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Abstract
【課題】ウラン濃度を低くして軽水炉よりも発電量当りのウラン所要量を少なくするとともに、燃料交換なしで長時間運転が可能な高速炉を提供する。
【解決手段】高速炉は、濃縮度が11%〜13%の範囲に設定された濃縮ウランを主成分とする炉心燃料25と、トリウム、劣化ウラン又は天然ウランもしくはこれらの組み合わせを主成分とするブランケット26と、炉心燃料25の上下にブランケット26(26a,26b)を配置する燃料棒22と、水平断面における炉心燃料25の空間占有率と対理論密度比の積が0.35以上となるように複数の燃料棒22を配置する燃料集合体20と、燃料集合体20が複数配置されるとともに炉心直径Dと炉心燃料の高さHとの比(D/H)が4〜7の範囲にある炉心部10と、を備える。
【選択図】 図2
【解決手段】高速炉は、濃縮度が11%〜13%の範囲に設定された濃縮ウランを主成分とする炉心燃料25と、トリウム、劣化ウラン又は天然ウランもしくはこれらの組み合わせを主成分とするブランケット26と、炉心燃料25の上下にブランケット26(26a,26b)を配置する燃料棒22と、水平断面における炉心燃料25の空間占有率と対理論密度比の積が0.35以上となるように複数の燃料棒22を配置する燃料集合体20と、燃料集合体20が複数配置されるとともに炉心直径Dと炉心燃料の高さHとの比(D/H)が4〜7の範囲にある炉心部10と、を備える。
【選択図】 図2
Description
本発明は、高速炉の炉心に関する。
世界的な原子力発電の拡大傾向の中、ウラン資源の需要増大に対処することが重要な課題となっている。低速中性子によりウランを核***させる軽水炉に対し、高速増殖炉は、高速中性子によりプルトニウムを増殖させ核燃料とするものである。この高速増殖炉の実用化は、前記した課題の解決策の一つである。
高速炉は、水を冷却材とする軽水炉と異なり、ナトリウムを冷却材として用いている。これにより核燃料が核***して発生した中性子は、エネルギーを落とさずに次の核***を起こし、さらにプルトニウムを増殖させる。
これまで開示されている高速炉として次のようなものがある。
濃縮ウランから劣化ウランへ中性子を供給して核***性物質を生成し、炉心端部まで燃焼したところで燃料を取り替えて、長期間運転を可能にした高速炉が開示されている(例えば、特許文献1)。
また、反射体により炉心からの中性子漏洩を制御することで長期運転を可能にした高速炉が開示されている(例えば、特許文献2)。
また、炉心中央部に濃縮ウランを、外側にブランケットを配置し、このブランケットにプルトニウムが蓄積したところで、濃縮ウランの集合体とブランケットとの配置を交換する。このように、核***性物質が減少した濃縮ウランの集合体の交換を繰り返すことで長期間運転を可能にした高速炉が開示されている(例えば、非特許文献1)。
濃縮ウランから劣化ウランへ中性子を供給して核***性物質を生成し、炉心端部まで燃焼したところで燃料を取り替えて、長期間運転を可能にした高速炉が開示されている(例えば、特許文献1)。
また、反射体により炉心からの中性子漏洩を制御することで長期運転を可能にした高速炉が開示されている(例えば、特許文献2)。
また、炉心中央部に濃縮ウランを、外側にブランケットを配置し、このブランケットにプルトニウムが蓄積したところで、濃縮ウランの集合体とブランケットとの配置を交換する。このように、核***性物質が減少した濃縮ウランの集合体の交換を繰り返すことで長期間運転を可能にした高速炉が開示されている(例えば、非特許文献1)。
Tyler Ellis et al: "Traveling-Wave Reactors: A Truly Sustainable and Full-Scale Resource for Global Energy Needs"(Paper 10189), Proceedings of ICAPP ’10, San Diego, CA, USA, June 13-17, 2010.
ところで、プルトニウムの利用が可能な国は限られているために、今後も濃縮ウランの需要は大幅に伸びると考えられている。
そこで、高速炉の実用化がすすめば、ウラン資源の節約が可能と考えられる。しかし、前記した従来の高速炉においては、必要とされるウラン濃縮度が高いために、軽水炉よりも、発電量当りの天然ウラン所要量が増大する課題があった。
これは高速炉では、中性子のエネルギーが高いために、臨界とするのに必要なウラン濃縮度が、軽水炉のときよりも大幅に高くなるためである。
そこで、高速炉の実用化がすすめば、ウラン資源の節約が可能と考えられる。しかし、前記した従来の高速炉においては、必要とされるウラン濃縮度が高いために、軽水炉よりも、発電量当りの天然ウラン所要量が増大する課題があった。
これは高速炉では、中性子のエネルギーが高いために、臨界とするのに必要なウラン濃縮度が、軽水炉のときよりも大幅に高くなるためである。
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、ウラン濃度を低くして軽水炉よりも発電量当りのウラン所要量を少なくするとともに、燃料交換なしで長時間運転が可能な高速炉を提供することを目的とする。
高速炉において、濃縮度が11%〜13%の範囲に設定された濃縮ウランを主成分とする炉心燃料と、トリウム、劣化ウラン又は天然ウランもしくはこれらの組み合わせを主成分とするブランケットと、前記炉心燃料の上下に前記ブランケットを配置する燃料棒と、水平断面における前記炉心燃料の空間占有率と対理論密度比の積が0.35以上となるように複数の前記燃料棒を配置する燃料集合体と、前記燃料集合体が複数配置されるとともに炉心直径と前記炉心燃料の高さとの比が4〜7の範囲にある炉心部と、を備えることを特徴とする。
本発明により、ウラン濃度を低くして軽水炉よりも発電量当りのウラン所要量を少なくするとともに、燃料交換なしで長時間運転が可能な高速炉が提供される。
本発明の実施形態を説明するのに先立って、比較例として従来の高速炉を説明する。
図13は、従来の高速炉の炉心部35の中心Oで交わる半径で区画された1/6水平断面を示している。そして、表1の比較例1の欄にこの従来の高速炉の仕様を示す。
この高速炉は、電気出力が約30万kWeの原型炉級高速炉である。その炉心35は、ウラン濃縮度が内側と外側で異なる燃料集合体30と、出力調整用の制御棒31と、炉停止用の制御棒32と、径方向ブランケット34と、径方向反射体33とから構成されている。また、図示を省略しているが、燃料集合体30に配置されている炉心燃料の上下には軸方向ブランケットが設けられている。
図13は、従来の高速炉の炉心部35の中心Oで交わる半径で区画された1/6水平断面を示している。そして、表1の比較例1の欄にこの従来の高速炉の仕様を示す。
この高速炉は、電気出力が約30万kWeの原型炉級高速炉である。その炉心35は、ウラン濃縮度が内側と外側で異なる燃料集合体30と、出力調整用の制御棒31と、炉停止用の制御棒32と、径方向ブランケット34と、径方向反射体33とから構成されている。また、図示を省略しているが、燃料集合体30に配置されている炉心燃料の上下には軸方向ブランケットが設けられている。
燃料集合体30に配置されている炉心燃料のウラン濃縮度は、中心Oに向かって内側と外側でそれぞれ24%,30%である。そして、約5ヶ月の運転サイクルごとに5分の1の燃料を交換する。そして、従来の高速炉における発電量あたり天然ウラン所要量は、130万kWe軽水炉の約4倍となる。
これは130万kWe軽水炉(ウラン濃縮度約4%)に比べて、従来の高速炉(ウラン濃縮度が炉心平均で約26%)では、要求されるウラン濃縮度を達成するのに必要な天然ウランが多くなるためである。この理由は、高速炉では、中性子スペクトルが硬いため、核***を起こす割合が軽水炉よりも小さく、原子炉を臨界とするためのU−235を軽水炉よりも多く必要とするからである。
(第1実施形態)
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、第1実施形態における高速炉の炉心部10の中心Oで交わる半径で区画された1/6水平断面を示している。
表1の実施例1の欄に示すように、この高速炉の熱出力と電気出力はそれぞれ750MWth及び300MWeである。
炉心部10は、濃縮ウランが装荷されている燃料集合体20と、出力調整用の制御棒11と、炉停止用の制御棒12と、径方向反射体13とから構成されている。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、第1実施形態における高速炉の炉心部10の中心Oで交わる半径で区画された1/6水平断面を示している。
表1の実施例1の欄に示すように、この高速炉の熱出力と電気出力はそれぞれ750MWth及び300MWeである。
炉心部10は、濃縮ウランが装荷されている燃料集合体20と、出力調整用の制御棒11と、炉停止用の制御棒12と、径方向反射体13とから構成されている。
図2(A)は、各実施形態における燃料集合体の外観図を示し、図2(B)は燃料棒の縦断面図を示し、図2(C)は燃料棒の水平断面図を示している。
図2に示すように、高速炉は、濃縮度が11%〜13%の範囲に設定された濃縮ウランを主成分とする炉心燃料25と、トリウム、劣化ウラン又は天然ウランもしくはこれらの組み合わせを主成分とするブランケット26と、炉心燃料25の上下にブランケット26(26a,26b)を配置する燃料棒22と、水平断面における炉心燃料25の空間占有率と対理論密度比の積が0.35以上となるように複数の燃料棒22を配置する燃料集合体20と、燃料集合体20が複数配置されるとともに炉心直径Dと炉心燃料の高さHとの比(D/H)が4〜7の範囲にある炉心部10(図3)と、を備えている。
図2に示すように、高速炉は、濃縮度が11%〜13%の範囲に設定された濃縮ウランを主成分とする炉心燃料25と、トリウム、劣化ウラン又は天然ウランもしくはこれらの組み合わせを主成分とするブランケット26と、炉心燃料25の上下にブランケット26(26a,26b)を配置する燃料棒22と、水平断面における炉心燃料25の空間占有率と対理論密度比の積が0.35以上となるように複数の燃料棒22を配置する燃料集合体20と、燃料集合体20が複数配置されるとともに炉心直径Dと炉心燃料の高さHとの比(D/H)が4〜7の範囲にある炉心部10(図3)と、を備えている。
燃料集合体20は、ラッパ管とよばれる六角形の中空管21に、燃料棒22を、多数(271本)束ねて収納したものである。
燃料棒22は、外径14mm、内径12mmの中空の被覆管23の中央部に高さ60cmの炉心燃料25、その上下にそれぞれ高さ60cmのブランケット26(26a,26b)が配置されている。そして、上部のブランケット26bの上にはガスプレナム27が配置され、燃料棒22の下端と上端は端栓24(24a,24b)で密封されている。
なお、実施例の燃料棒22の外径及び内径は、比較例の二倍になっている。
燃料棒22は、外径14mm、内径12mmの中空の被覆管23の中央部に高さ60cmの炉心燃料25、その上下にそれぞれ高さ60cmのブランケット26(26a,26b)が配置されている。そして、上部のブランケット26bの上にはガスプレナム27が配置され、燃料棒22の下端と上端は端栓24(24a,24b)で密封されている。
なお、実施例の燃料棒22の外径及び内径は、比較例の二倍になっている。
炉心燃料25は、ウラン濃縮度12%(重量割合)の金属形態のウランとジルコニウムをそれぞれ重量割合9:1で混合した合金燃料である。
ここで、ウラン濃縮度の好ましい範囲は、11%〜13%であり、濃縮度が11%より低いと初期臨界に到達するのが困難になり、濃縮度が13%より高いとウラン所要量の低減を図る目的に反することになる。
ここで、ウラン濃縮度の好ましい範囲は、11%〜13%であり、濃縮度が11%より低いと初期臨界に到達するのが困難になり、濃縮度が13%より高いとウラン所要量の低減を図る目的に反することになる。
ブランケット26は、天然ウランよりも低濃縮度である濃縮度0.2%(重量割合)の金属形態の劣化ウランとジルコニウムをそれぞれ重量割合9:1で混合したものである。このブランケット26は、核***はほとんどおこさないが中性子を捕獲してプルトニウムを増殖する。
そして、ウランに対するジルコニウムの重量割合は、前記した比率で炉心部10の水平断面を均一に設定するほかに、炉心部10の径方向外側を小さく設定する場合がある。
つまり、実施例1では、すべての炉心燃料25及びブランケット26において、ウラン−ジルコニウム組成におけるジルコニウムの重量割合を10%としたが、径方向内側の燃料集合体20ではジルコニウムの重量割合10%とし、径方向外側の燃料集合体20ではジルコニウムの重量割合5%と低く設定してもよい。これにより、径方向外側の炉心燃料25では核***性物質であるウランが多くなるため、その領域の出力が相対的に増大する。これにより、径方向炉心出力分布の平坦化を図ることができる。
つまり、実施例1では、すべての炉心燃料25及びブランケット26において、ウラン−ジルコニウム組成におけるジルコニウムの重量割合を10%としたが、径方向内側の燃料集合体20ではジルコニウムの重量割合10%とし、径方向外側の燃料集合体20ではジルコニウムの重量割合5%と低く設定してもよい。これにより、径方向外側の炉心燃料25では核***性物質であるウランが多くなるため、その領域の出力が相対的に増大する。これにより、径方向炉心出力分布の平坦化を図ることができる。
また、ブランケット26は、前記した組成に限定されることはなく、トリウム、トリウムと劣化ウランの混合体、またはトリウムと天然ウランの混合体とすることができる。トリウムは、核***しないが、ウランと同様に中性子を吸収して核***性物質を生成する。
表2に炉心燃料25の代表的な組成及び物性値について記す。
炉心燃料25及びブランケット26は、ウランが実施例1に記載したような金属形態である場合に限定されず、窒化物、炭化物及び珪化物のうちいずれかにすることもできる。
炉心燃料25及びブランケット26は、ウランが実施例1に記載したような金属形態である場合に限定されず、窒化物、炭化物及び珪化物のうちいずれかにすることもできる。
表1に、実施例2として、窒化物燃料を使用した高速炉の炉心部の仕様を示す。
窒化物燃料の特徴は、金属燃料と同様に、酸化物燃料よりも燃料単位体積当たりのウラン重量が大きいことである。実施例2は、実施例1に比べて、ウラン濃縮度が高くなる結果、発電量当たりの天然ウラン所要量が若干大きくなる(0.5→0.6)。
実施例1,2では、軽水炉の場合に比べ、発電量当たりの天然ウラン所要量を半分程度にすることができる。さらに50年の長期運転が可能となる。
炭化物燃料、珪化物燃料、酸化物燃料については、詳細な仕様の記載を省略するが、燃料単位体積当たりのウラン重量が大きいので、金属や窒化物と同様の炉心特性を得ることができる。
窒化物燃料の特徴は、金属燃料と同様に、酸化物燃料よりも燃料単位体積当たりのウラン重量が大きいことである。実施例2は、実施例1に比べて、ウラン濃縮度が高くなる結果、発電量当たりの天然ウラン所要量が若干大きくなる(0.5→0.6)。
実施例1,2では、軽水炉の場合に比べ、発電量当たりの天然ウラン所要量を半分程度にすることができる。さらに50年の長期運転が可能となる。
炭化物燃料、珪化物燃料、酸化物燃料については、詳細な仕様の記載を省略するが、燃料単位体積当たりのウラン重量が大きいので、金属や窒化物と同様の炉心特性を得ることができる。
図2(C)の水平断面図に示すように燃料棒22は、棒状の炉心燃料25の外径に対し、被覆管23の内径が大きく設定されている。これにより、照射により膨張する炉心燃料25の逃げのスペースが被覆管23との間に形成される。この被覆管23の内径で定められる断面積において炉心燃料25は約75%を占めており、残りの25%のスペースにはナトリウムが充填されている。
実施例1において、水平断面に占める燃料棒22の空間占有率は約38%である。なお、実施例1の炉心燃料25は、金属形態であるので対理論密度比は1である。残りの62%は被覆管23やラッパ管21の構造材と、被覆管23の内部に充填されたナトリウムやラッパ管21の内部及び外部を冷却するナトリウムとで占められる。
なお、水平断面における炉心燃料25の空間占有率と対理論密度比の積の好ましい範囲は0.35以上である。この値が0.35より小さいと低いウラン濃縮度で炉心を臨界とするのが困難となる。
なお、水平断面における炉心燃料25の空間占有率と対理論密度比の積の好ましい範囲は0.35以上である。この値が0.35より小さいと低いウラン濃縮度で炉心を臨界とするのが困難となる。
ここで、比較例と実施例1とを対比すると、燃料組成が比較例では二酸化ウラン等の酸化物であるのに対し実施例1では金属ウランである点で相違する。
酸化物燃料と金属燃料を比較すると、単位体積当たりの燃料重量は金属燃料の方が1.3倍であり、さらに空間占有率と対理論密度比の積も約1.3倍であるため、燃料集合体の単位断面積当たりに含まれるウラン重量が約1.7倍となる。
酸化物燃料と金属燃料を比較すると、単位体積当たりの燃料重量は金属燃料の方が1.3倍であり、さらに空間占有率と対理論密度比の積も約1.3倍であるため、燃料集合体の単位断面積当たりに含まれるウラン重量が約1.7倍となる。
なお、実施例1において燃料の空間占有率が大きいのは、燃料棒22の直径が従来例の場合よりも大きいため、相対的に構造材や冷却材の空間占有率が小さくなることに関連している。
このように、燃料集合体20の単位断面積当たりに含まれるウラン重量を増大させることにより、炉心を臨界とするのに必要なウラン濃縮度を低減することができる。
なお、比較例の燃料を単に酸化物燃料から金属燃料に変更しただけでは、燃料集合体の単位断面積当たりに含まれるウラン重量の増大は約1.3倍にとどまる。
なお、比較例の燃料を単に酸化物燃料から金属燃料に変更しただけでは、燃料集合体の単位断面積当たりに含まれるウラン重量の増大は約1.3倍にとどまる。
次に、炉心部10における炉心直径Dと炉心燃料の高さHの関係について検討する。
図3は、炉心部10の縦断面を示し、炉心燃料25及びブランケット26の領域以外のラッパ管21、燃料棒22、冷却材等の構造物の記載を省略している。
各実施形態において、炉心直径Dと炉心燃料の高さHとの比(D/H)は、4〜7の範囲に設定されている。ここでD/Hが4よりも小さいと、後述するように実効増倍率の変動量が大きくなる(図5)。そして、D/Hが7よりも大きいと、後述するように初期臨界を達成させるのに必要なウラン濃縮度を高くする必要がある(図6)。
図3は、炉心部10の縦断面を示し、炉心燃料25及びブランケット26の領域以外のラッパ管21、燃料棒22、冷却材等の構造物の記載を省略している。
各実施形態において、炉心直径Dと炉心燃料の高さHとの比(D/H)は、4〜7の範囲に設定されている。ここでD/Hが4よりも小さいと、後述するように実効増倍率の変動量が大きくなる(図5)。そして、D/Hが7よりも大きいと、後述するように初期臨界を達成させるのに必要なウラン濃縮度を高くする必要がある(図6)。
実施例1では、燃料棒22の直径が、比較例よりも大きいため、燃料集合体20のサイズが大きくなる。このため、実施例1は、燃料集合体20の数が比較例と同一の198本であるが、炉心直径Dは従来例の200cmよりも大きい約400cmとなる。
このために、炉心直径Dと炉心燃料の高さHの比(D/H)が、比較例では200/100=2であるのに対し、実施例1では400/60=6.67と大きくなる。
この差異に基づき、後述する理由により、実施例1の高速炉では燃料交換をせずに50年間運転することが可能となる。
このために、炉心直径Dと炉心燃料の高さHの比(D/H)が、比較例では200/100=2であるのに対し、実施例1では400/60=6.67と大きくなる。
この差異に基づき、後述する理由により、実施例1の高速炉では燃料交換をせずに50年間運転することが可能となる。
図4のグラフは、炉心直径Dと炉心燃料の高さHとの比がそれぞれ1.67(比較例2)及び6.67(実施例1)である場合、横軸に運転期間(年)をとり縦軸に実効増倍率の変化を計算した結果である。
このグラフは、全ての制御棒を引き抜いた条件で計算されている。実施例1の実効増倍率は、50年間の運転において、臨界である1を若干上回る程度の極めて少ない変動といえる。このために、実施例1では、制御棒のわずかな操作により50年間運転することが可能である。
一方、比較例2(D/H=1.67;D=250,H=150)では、運転15年まで実効増倍率が増大し、その後減少して運転40年で実行増倍率が1を下回り、実施例1と比較して臨界状態の安定性に欠ける挙動を示している。
このグラフは、全ての制御棒を引き抜いた条件で計算されている。実施例1の実効増倍率は、50年間の運転において、臨界である1を若干上回る程度の極めて少ない変動といえる。このために、実施例1では、制御棒のわずかな操作により50年間運転することが可能である。
一方、比較例2(D/H=1.67;D=250,H=150)では、運転15年まで実効増倍率が増大し、その後減少して運転40年で実行増倍率が1を下回り、実施例1と比較して臨界状態の安定性に欠ける挙動を示している。
図5のグラフは、炉心燃料の体積を一定とした条件で、横軸に炉心直径Dと炉心燃料の高さHとの比(D/H)をとり、縦軸に50年間における実効増倍率の変動量を示したものである。
このグラフから、炉心直径Dと炉心燃料の高さHとの比(D/H)を4〜9とすることにより、実効増倍率の変化が小さくなることが判る。つまり、実施例1の炉心部10における炉心燃料25の形状は、炉心直径D=400cm、炉心燃料の高さH=60cmといった扁平形状であるために、軸方向(上下)のブランケット26(26a,26b)に向かう中性子の量が増大する。このため、ブランケット26において、U-238からプルトニウムへの変換量が増大し、炉心燃料25におけるU-235の燃焼量の減少を相殺することになる。このため、実施例1では、長期に渡って臨界状態が安定的に維持されることになる。
このグラフから、炉心直径Dと炉心燃料の高さHとの比(D/H)を4〜9とすることにより、実効増倍率の変化が小さくなることが判る。つまり、実施例1の炉心部10における炉心燃料25の形状は、炉心直径D=400cm、炉心燃料の高さH=60cmといった扁平形状であるために、軸方向(上下)のブランケット26(26a,26b)に向かう中性子の量が増大する。このため、ブランケット26において、U-238からプルトニウムへの変換量が増大し、炉心燃料25におけるU-235の燃焼量の減少を相殺することになる。このため、実施例1では、長期に渡って臨界状態が安定的に維持されることになる。
一方、比較例2において、実施例1よりも臨界状態の安定性が欠ける理由は、炉心直径Dと炉心燃料の高さHの比(D/H)が小さいために、炉心燃料25から軸方向(上下)のブランケット26(26a,26b)に向かう中性子の量が少なくなるためと考えられる。
図6のグラフは、炉心燃料の体積を一定とした条件で、炉心直径Dと炉心燃料の高さHとの比(D/H)に対し、初期臨界を達成させるのに必要なウラン濃縮度を示している。
このグラフに示すように、D/H比が小さくなるに従い初期臨界を達成させるのに必要なウラン濃縮度は単調減少する。
比較例2(D/H=1.67)の場合、初期臨界を達成させるのに必要なウラン濃縮度は約11%である。このウラン濃縮度が低いほど、U−235/U−238の比が小さくなるために、炉心燃料25におけるU−235の消費量に対する炉心部10におけるU−238からプルトニウムへの変換量が増大する。
このグラフに示すように、D/H比が小さくなるに従い初期臨界を達成させるのに必要なウラン濃縮度は単調減少する。
比較例2(D/H=1.67)の場合、初期臨界を達成させるのに必要なウラン濃縮度は約11%である。このウラン濃縮度が低いほど、U−235/U−238の比が小さくなるために、炉心燃料25におけるU−235の消費量に対する炉心部10におけるU−238からプルトニウムへの変換量が増大する。
これにより、比較例2(D/H=1.67)では、図4に示すように、初期の実効増倍率が増大する傾向を示す。しかし、軸方向のブランケット26に向かう中性子の量が少なく、この領域でのプルトニウム生成が少なくなる。このために、長期的にはプルトニウムの生成量が不足し、実効増倍率はピークを迎えた後に次第に減少していく傾向を示し、運転40年以降は臨界に至らず運転不能となる。
図5より、実効増倍率の変動量を最小化するには、炉心直径Dと炉心燃料の高さHとの比(D/H)を4〜9程度とするのが良い。一方、図6からは、ウラン濃縮度を低減するには炉心直径Dと炉心燃料の高さHとの比(D/H)ができるだけ小さい方が良い。
そこで、実効増倍率の変動量の最小化とウラン濃縮度の低減とを両立させるため、炉心直径と炉心燃料の高さとの比(D/H比)を4〜7の範囲に設定する。
この範囲の設定の根拠は、実効増倍率の変動量が最小化する炉心直径Dと炉心燃料の高さHとの比(D/H=7)を上限とし、ウラン濃縮度の低減と実効増倍率の変動量の低減が両立する炉心直径Dと炉心燃料の高さHとの比の小さい側(D/H=4)を下限に選定したことによる。
そこで、実効増倍率の変動量の最小化とウラン濃縮度の低減とを両立させるため、炉心直径と炉心燃料の高さとの比(D/H比)を4〜7の範囲に設定する。
この範囲の設定の根拠は、実効増倍率の変動量が最小化する炉心直径Dと炉心燃料の高さHとの比(D/H=7)を上限とし、ウラン濃縮度の低減と実効増倍率の変動量の低減が両立する炉心直径Dと炉心燃料の高さHとの比の小さい側(D/H=4)を下限に選定したことによる。
表1に示すように、発電量当りの天然ウラン所要量を、電気出力130万kW級軽水炉において1とした場合、実施例1では0.5に低下している。さらに臨界とするのに必要なウラン濃縮度を比較例1(炉心平均26%)と比較しても、実施例1では12%と小さいことが判る。さらに、運転サイクルを比較しても、比較例1が0.5年であるのに対し、実施例1では50年と長い。
以上より、実施形態に係る高速炉では、従来の軽水炉や高速炉よりも天然ウランの節約が可能で燃料コストの大幅な低減も可能である。さらに、最初に装荷した燃料だけで燃料交換せずに50年間運転できるため、稼働率の向上や運転の簡素化に貢献する。
(第2実施形態)
図7は、第2実施形態に係る高速炉で用いられる燃料棒22の縦断面図である。図8は、第2実施形態の高速炉における炉心部10の縦断面図である。図7及び図8において図2(B)及び図3と同一又は相当する部分は、同一符号で示し、重複する説明を省略する。
図7は、第2実施形態に係る高速炉で用いられる燃料棒22の縦断面図である。図8は、第2実施形態の高速炉における炉心部10の縦断面図である。図7及び図8において図2(B)及び図3と同一又は相当する部分は、同一符号で示し、重複する説明を省略する。
第2実施形態では、図7に示すように、燃料棒22は、炉心燃料25(25a,25b)の各々が、軸方向においてブランケット26(26a,26b,26c)に挟まれて2段となっている。
そして、図8に示すように、炉心部10を縦断面視した場合、炉心燃料25(25a,25b)の層が複数形成され(図面では2層)、各々の炉心燃料25の層の上下にブランケット26(26a,26b,26c)の層が形成されている。
そして、炉心直径Dと各々の炉心燃料25の高さHとの比(D/H)が4〜7の範囲に設定されている。
そして、図8に示すように、炉心部10を縦断面視した場合、炉心燃料25(25a,25b)の層が複数形成され(図面では2層)、各々の炉心燃料25の層の上下にブランケット26(26a,26b,26c)の層が形成されている。
そして、炉心直径Dと各々の炉心燃料25の高さHとの比(D/H)が4〜7の範囲に設定されている。
このように構成される第2実施形態の高速炉では、第1実施形態と同様に50年の長期運転を可能にしつつ、発電量当たりの天然ウラン所要量を軽水炉の半分程度にすることができる。さらに、炉心直径Dを増大させることなく、高速炉の出力を2倍に増大することができる。
(第3実施形態)
図9は、第3実施形態の高速炉における炉心部の縦断面図である。なお、図9において図3と同一又は相当する部分は、同一符号で示し、重複する説明を省略する。
第3実施形態の高速炉では、炉心部10の径方向外側において炉心燃料25が高く設定されている。
つまり、図9に示すように、炉心燃料の高さH1=70cmの炉心燃料25cを炉心部10の外側に配置し、炉心燃料の高さH2=50cmの炉心燃料25dを炉心部10の内側に配置する。
図9は、第3実施形態の高速炉における炉心部の縦断面図である。なお、図9において図3と同一又は相当する部分は、同一符号で示し、重複する説明を省略する。
第3実施形態の高速炉では、炉心部10の径方向外側において炉心燃料25が高く設定されている。
つまり、図9に示すように、炉心燃料の高さH1=70cmの炉心燃料25cを炉心部10の外側に配置し、炉心燃料の高さH2=50cmの炉心燃料25dを炉心部10の内側に配置する。
第1実施形態(図3)の高速炉によれば、径方向外側の炉心燃料25から放出される中性子は、外側に漏洩し易いために、径方向外側は径方向内側よりも出力が低下する傾向がある。これに対し、第3実施形態の高速炉によれば、径方向外側の炉心燃料25cから放出される中性子が増加するために径方向出力分布が平坦化する。
比較例1で示した従来例では、表1に示すように、ウラン濃縮度が内側24%に対し外側30%に増加させていた。この比較例1では、燃焼初期では出力は平坦化するが、運転が長期化すると、ウラン濃縮度の高い外側において核***性物質の消費が増加する。その結果、炉心部10の外側の出力が低下し、相対的に内側の出力が増大して、出力分布に大きな変動をもたらす。
比較例1で示した従来例では、表1に示すように、ウラン濃縮度が内側24%に対し外側30%に増加させていた。この比較例1では、燃焼初期では出力は平坦化するが、運転が長期化すると、ウラン濃縮度の高い外側において核***性物質の消費が増加する。その結果、炉心部10の外側の出力が低下し、相対的に内側の出力が増大して、出力分布に大きな変動をもたらす。
これに対し、第3実施形態では、ウラン濃縮度を一種類とするが、径方向外側の炉心燃料の高さH1を、内側の炉心燃料の高さH2よりも高くすることで、外側の出力を相対的に増大させることができる。これによって、炉心全体の出力分布の平坦化をはかることができ、さらにウラン濃縮度が均一であるために核***性物質の消費も均一となり、運転が長期化しても出力分布はさほど変動しない。
図10(A)のグラフは、第1実施形態の高速炉における炉心部10の径方向出力分布を示し、図10(B)のグラフは、第1実施形態の高速炉の径方向内側よりも外側においてウラン濃度が高くなるようにした場合の径方向出力分布を示している。
ここで、横軸の番号1は炉心部10の中心O(図1)における制御棒11の位置を示し、番号2以降はそれぞれ燃料集合体20の位置を示している。
ここで、横軸の番号1は炉心部10の中心O(図1)における制御棒11の位置を示し、番号2以降はそれぞれ燃料集合体20の位置を示している。
図10(A)に示すように、第1実施形態では、炉心部10の出力分布は、燃焼初期と燃焼末期との間でほとんど変化がないといえる。これに対し、図10(B)では、ウラン濃縮度を二段とした結果、燃焼初期の出力分布は平坦化するが、燃焼末期では内側の出力が低下し外側の出力が増大して平坦化のくずれが観測される。
図10(C)のグラフは、第3実施形態の高速炉(図9)における燃料集合体の径方向出力分布を示している。
図10(C)に示すように、第3実施形態では、径方向の出力分布の平坦化と、燃焼初期から末期にわたる出力分布の変化抑制とが共に達成されている。このように、第3実施形態では、運転期間全体にわたって出力分布の平坦化を図ることができる。これにより、燃料寿命や燃料健全性に影響を及ぼす最大線出力や燃焼度を低減し、さらに被覆管や燃料の最高温度を低下させることができ、運転期間の長期化に貢献する。
図10(C)に示すように、第3実施形態では、径方向の出力分布の平坦化と、燃焼初期から末期にわたる出力分布の変化抑制とが共に達成されている。このように、第3実施形態では、運転期間全体にわたって出力分布の平坦化を図ることができる。これにより、燃料寿命や燃料健全性に影響を及ぼす最大線出力や燃焼度を低減し、さらに被覆管や燃料の最高温度を低下させることができ、運転期間の長期化に貢献する。
(第4実施形態)
図11(A)は、第4実施形態の高速炉における炉心部の縦断面図である。なお、図11(A)において図3と同一又は相当する部分は、同一符号で示し、重複する説明を省略する。
第4実施形態の高速炉では、炉心燃料の高さHを一定とし、炉心部10の径方向外側においてブランケット26が高く設定されている。
このように、径方向外側のブランケット26a,26bを内側のブランケット26d,26eよりも高くすることで、炉心燃料25の外側の領域から漏洩する中性子の量を減少させることができる。このため、この外側の領域における出力密度を増大させることができる。
図11(A)は、第4実施形態の高速炉における炉心部の縦断面図である。なお、図11(A)において図3と同一又は相当する部分は、同一符号で示し、重複する説明を省略する。
第4実施形態の高速炉では、炉心燃料の高さHを一定とし、炉心部10の径方向外側においてブランケット26が高く設定されている。
このように、径方向外側のブランケット26a,26bを内側のブランケット26d,26eよりも高くすることで、炉心燃料25の外側の領域から漏洩する中性子の量を減少させることができる。このため、この外側の領域における出力密度を増大させることができる。
図11(B)のグラフは、第4実施形態の高速炉における燃料集合体の径方向出力分布に第1実施形態の結果を重ね書きした結果である。
このように、第4実施形態では、第1実施形態の場合と比較して径方向の集合体出力分布が平坦化されることが判る。
このように、第4実施形態では、第1実施形態の場合と比較して径方向の集合体出力分布が平坦化されることが判る。
(第5実施形態)
図12を参照して、第5実施形態の高速炉における燃料集合体の移動方法を説明する。なお、図12において図1と同一又は相当する部分は、同一符号で示し、重複する説明を省略する。
第5実施形態の高速炉においては、炉心燃料の燃焼が進んだ後に、燃焼度の高い燃料集合体20を炉心部10の径方向外側へ、燃焼度の低い燃料集合体20を径方向内側へ移動させる。
図12を参照して、第5実施形態の高速炉における燃料集合体の移動方法を説明する。なお、図12において図1と同一又は相当する部分は、同一符号で示し、重複する説明を省略する。
第5実施形態の高速炉においては、炉心燃料の燃焼が進んだ後に、燃焼度の高い燃料集合体20を炉心部10の径方向外側へ、燃焼度の低い燃料集合体20を径方向内側へ移動させる。
図12に示されるように、炉心部10は、水平断面視において、中心Oから同心状に(1)〜(4)のゾーンに分類される。そして、予め定められているシャッフリング計画に基づいて、同じゾーンの燃料集合体20をまとめて他のゾーンへ周期的に移動する。
一般に、炉心部10は、径方向内側ほど出力が高いことから、径方向内側に位置する燃料集合体20ほど、燃料寿命を決定付ける燃焼度や照射量が高くなる。このため、一定の燃焼期間が経過した後に、ゾーン1の燃料集合体20をゾーン2へ、ゾーン2のものをゾーン3へ、ゾーン3のものをゾーン4へ、ゾーン4のものをゾーン1へといった具合に移動する。このような移動を定期的に繰り返すことにより、全ての燃料集合体20の燃焼度や照射量を均一化する。
一般に、炉心部10は、径方向内側ほど出力が高いことから、径方向内側に位置する燃料集合体20ほど、燃料寿命を決定付ける燃焼度や照射量が高くなる。このため、一定の燃焼期間が経過した後に、ゾーン1の燃料集合体20をゾーン2へ、ゾーン2のものをゾーン3へ、ゾーン3のものをゾーン4へ、ゾーン4のものをゾーン1へといった具合に移動する。このような移動を定期的に繰り返すことにより、全ての燃料集合体20の燃焼度や照射量を均一化する。
本発明は前記した実施形態に限定されるものでなく、共通する技術思想の範囲内において、適宜変形して実施することができる。
10…炉心部、11…出力調整用の制御棒、12…炉停止用の制御棒、13…径方向反射体、20…燃料集合体、21…ラッパ管(中空管)、22…燃料棒、23…被覆管、24…端栓、25(25a,25b,25c,25d)…炉心燃料、26(26a,26b,26c,26d)…ブランケット、27…ガスプレナム、30…燃料集合体、D…炉心直径、H…炉心燃料の高さ。
Claims (7)
- 濃縮度が11%〜13%の範囲に設定された濃縮ウランを主成分とする炉心燃料と、
トリウム、劣化ウラン又は天然ウランもしくはこれらの組み合わせを主成分とするブランケットと、
前記炉心燃料の上下に前記ブランケットを配置する燃料棒と、
水平断面における前記炉心燃料の空間占有率と対理論密度比の積が0.35以上となるように複数の前記燃料棒を配置する燃料集合体と、
前記燃料集合体が複数配置されるとともに炉心直径と前記炉心燃料の高さとの比が4〜7の範囲にある炉心部と、を備えることを特徴とする高速炉。 - 請求項1に記載の高速炉において、
前記炉心部を縦断面視した場合、
前記炉心燃料の層が複数形成され、各々の前記炉心燃料の層の上下に前記ブランケットの層が形成され、
前記炉心直径と前記各々の炉心燃料の高さとの比が前記4〜7の範囲にあることを特徴とする高速炉。 - 請求項1又は請求項2の高速炉において、
前記炉心燃料及び前記ブランケットは、金属、窒化物、炭化物及び珪化物のうち少なくとも一つから構成されることを特徴とする高速炉。 - 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の高速炉において、
前記炉心部の径方向外側において前記炉心燃料の高さが高く設定されることを特徴とする高速炉。 - 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の高速炉において、
前記炉心部の径方向外側において前記ブランケットの高さが高く設定されることを特徴とする高速炉。 - 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の高速炉において、
前記炉心燃料の燃焼が進んだ後に、燃焼度の高い前記燃料集合体を前記炉心部の径方向外側へ、燃焼度の低い燃料集合体を径方向内側へ移動させることを特徴とする高速炉。 - 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の高速炉において、
前記炉心燃料と前記ブランケットは、ウランがジルコニウムとの合金であり、前記炉心部の径方向外側において前記ジルコニウムの重量割合が小さいことを特徴とする高速炉。
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JP2017504034A (ja) * | 2014-01-31 | 2017-02-02 | ステート・アトミック・エナジー・コーポレーション・ロスアトム・オン・ビハーフ・オブ・ザ・ロシアン・フェデレーションState Atomic Energy Corporation ‘Rosatom’ On Behalf Of The Russian Federation | 鉛冷却形式の高速原子炉の活性域 |
WO2023113174A1 (ko) * | 2021-12-16 | 2023-06-22 | 한국과학기술원 | 용융염 원자로 및 이를 위한 피동적 연료 주입방법 |
-
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- 2011-04-07 JP JP2011085755A patent/JP2012220325A/ja not_active Withdrawn
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