JP2012219342A - 合金化溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法 - Google Patents

合金化溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】引張強度780MPa以上の高強度と、優れた曲げ性、伸びフランジ性および延性とを有する合金化溶融亜鉛めっき鋼板の提供と製造。
【解決手段】基材鋼板が、質量%で、C: 0.03〜0.35%、Si: 0.005〜2.0%、Mn: 1.0〜4.0%、P: 0.0004〜0.1%、S: 0.02%以下、sol.Al: 0.0002〜2.0%、およびN: 0.01%以下を含有する化学組成を有し、鋼板の表面から50μmの深さの位置における圧延方向に展伸したMnおよびSiが濃化した濃化部の圧延直角方向の平均間隔である濃化部平均間隔が1000μm以下であり、鋼板の表面における深さ3μm以上10μm以下のクラックの数密度が3個/mm以上1000個/mm以下であり、面積%で、ベイナイト:60%以上、残留オーステナイト:1%以上、マルテンサイト:1%以上、およびフェライト:2%以上20%未満を含有するとともに、マルテンサイトおよび残留オーステナイトの最近接距離の平均値である超硬質相平均間隔が20μm以下である鋼組織を有する合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
【選択図】 なし

Description

本発明は、合金化溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法に関する。より詳しくは、本発明は、自動車の足回り部品やメンバー等の補強部材のように、高い強度に加えて、優れた曲げ性、伸びフランジ性および延性が要求される用途に好適な合金化溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造する方法に関する。
近年、地球環境保護のため、自動車の燃費向上が求められており、自動車用鋼板において、車体軽量化および安全性確保を目的として、780MPa以上の引張強度(TS)を有する高強度鋼板へのニーズが高まっている。このような鋼板は、高い強度のみならず、多様な特性が求められる。例えば、成形性の観点からは、曲げ性、伸びフランジ性、延性等が求められる。また、防錆性の観点からは、溶融めっきを施した鋼板が求められる。
一般に鋼の強化手法としては、固溶強化、析出強化および変態強化があり、これらを組み合わせることにより、目的とする引張強度を達成することができる。しかし、これらの組合せが異なると、引張強度が同一であっても、曲げ性、伸びフランジ性、延性等が異なる鋼板が得られる。したがって、各種要求性能を高度にバランスさせるには、強化手法を適正にバランスさせることが重要である。
上記強化手法のうち、変態強化を用いると、比較的容易に高強度化を達成することができる。
例えば、特許文献1に記載された合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法では、Si、Mn、Cr、Moを多量に添加し、さらに冷却速度を制御することによって、フェライト・ベイナイト・マルテンサイト混合組織を得て、TS≧780MPaを達成している。
特許文献2には、焼き戻しマルテンサイトを得ることにより、曲げ性と高強度化が達成されることが記載されている。
これらの技術によれば、フェライトと硬質相との混合組織とすることにより、比較的容易に高強度化が図ることができる。
しかし、マルテンサイトを多く含む混合組織を用いると、組織間の硬度差が大きいことに起因して、組織間の界面から亀裂が発生しやすく、伸びフランジ性や曲げ性に劣るという欠点がある。
伸びフランジ性や曲げ性の劣化を抑制しつつ高強度化を図る方法としては、析出強化を用いることが多い。析出強化を用いる場合には、TiやNbを添加することが多く行われているが、その中で安価であり、かつ添加量に対する強度上昇量が多いTiを多く添加することが一般的である。さらに、Tiの添加によりフェライト粒が微細化される効果があるため、Ti炭窒化物による析出強化に加え、フェライト粒の微細化による高強度化を図れるメリットもある。
Tiによる析出強化を用いた高張力溶融亜鉛めっき鋼板の従来技術としては、特許文献3、特許文献4および特許文献5が挙げられる。
しかし、Tiを添加してフェライトの微細化や析出強化を利用すると、フェライト自体が非常に硬くなってしまい、延性が著しく劣化する傾向がある。
このように、従来技術においては、高い引張強度を有するとともに、優れた曲げ性、伸びフランジ性および延性を有する合金化溶融亜鉛めっき鋼板は未だ提供されていない。
特開平4−173946号公報 特開平6−108152号公報 特開平6−322479号公報 特開2002−161336号公報 特開2003−231941号公報
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであり、自動車や各種の産業機械に用いられる構造部材の素材、特に自動車のメンバーや足廻り部品に代表される構造部材の素材として好適な、高い引張強度を有するとともに、優れた曲げ性、伸びフランジ性および延性を有する合金化溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った。
その結果、めっき基材となる鋼板の表面近傍の成分偏析や表面形状(表面クラックの密度)を適正化するとともに、鋼組織を適正化することによって、必ずしもTiまたはNbを含有させなくても、780MPa以上の高い引張強度を有しながら、優れた曲げ性、伸びフランジ性および曲げ性をも有する合金化溶融亜鉛めっき鋼板を得ることができるという新たな知見を得た。
上記の知見に基づき完成された本発明は次のとおりである。
(1)鋼板の表面に合金化溶融亜鉛めっき層を備える合金化溶融亜鉛めっき鋼板であって、
前記鋼板は、
質量%で、C:0.03%以上0.35%以下、Si:0.005%以上2.0%以下、Mn:1.0%以上4.0%以下、P:0.0004%以上0.1%以下、S:0.02%以下、sol.Al:0.0002%以上2.0%以下、およびN:0.01%以下を含有する化学組成を有し、
鋼板の表面から50μmの深さの位置における、圧延方向に展伸したMnおよび/またはSiが濃化した濃化部の圧延直角方向の平均間隔である濃化部平均間隔が1000μm以下であり、
鋼板の表面における深さ3μm以上10μm以下のクラックの数密度が3個/mm以上1000個/mm以下であり、
面積%で、ベイナイト:60%以上、残留オーステナイト:1%以上、マルテンサイト:1%以上、およびフェライト:2%以上20%未満を含有するとともに、マルテンサイトおよび残留オーステナイトの最近接距離の平均値である超硬質相平均間隔が20μm以下である鋼組織を有し、
前記合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、引張強さ(TS)が780MPa以上である機械特性を有することを特徴とする、合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
(2)前記化学組成がBi:0.5質量%以下をさらに含有し、前記濃化部平均間隔が500μm以下である、前記(1)に記載の合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
(3)前記化学組成が、質量%で、Ti:1.0%以下、Nb:1.0%以下、V:1.0%以下、W:1.0%以下、Cr:1.0%以下、Mo:1.0%以下、Cu:1.0%以下、Ni:1.0%、およびB:0.01%以下からなる群から選択される1種または2種以上をさらに含有する前記(1)または(2)に記載の合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
(4)前記化学組成が、質量%で、REM:0.1%以下、Mg:0.05%以下、Ca:0.05%以下、およびZr:0.05%以下からなる群から選択される1種または2種以上をさらに含有する前記(1)〜(3)のいずれかに記載の合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
(5)前記超硬質相平均間隔が10μm以下である、前記(1)〜(4)のいずれかに記載の合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
下記工程(A)〜(E)を有することを特徴とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法:
(A)前記(1)〜(4)のいずれかに記載の化学組成を有する溶鋼を、鋳片表面から10mmの深さの位置における液相線温度から固相線温度までの温度域内の平均冷却速度が10℃/秒以上となる条件で鋳造する鋳造工程;
(B)前記鋳造工程により得られた鋳片を熱間圧延に供し、800℃以上の温度域で熱間圧延を完了し、10℃/秒以上の平均冷却速度で冷却して、300℃以上580℃未満の温度域で巻取って熱延鋼板とする熱間圧延工程;
(C)前記熱間圧延工程により得られた熱延鋼板に下記式(1)を満足する条件下で酸洗処理を施して酸洗鋼板とする酸洗工程;
(D)前記酸洗工程により得られた酸洗鋼板に20%以上の圧下率の冷間圧延を施して冷延鋼板とする冷間圧延工程;および
(E)前記冷間圧延工程により得られた冷延鋼板を750℃以上1000℃以下の温度域に5秒間以上1000秒間以下保持したのち、2℃/秒以上70℃/秒以下の平均冷却速度で300℃以上580℃以下の温度域まで冷却してこの温度域に2秒間以上保持し、次いで溶融亜鉛めっきを施して溶融亜鉛めっき鋼板とし、700℃以下の温度域に120秒間以下保持する合金化処理を施して合金化溶融亜鉛めっき鋼板とする連続溶融亜鉛めっき工程。
5000≦酸濃度(質量%)×酸温度(℃)×酸浸漬時間(秒)≦2000000 (1)
下記工程(a)〜(f)を有することを特徴とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法:
(a)前記(1)〜(4)のいずれかに記載の化学組成を有する溶鋼を、鋳片表面から10mmの深さの位置における液相線温度から固相線温度までの温度域内の平均冷却速度が10℃/秒以上となる条件で鋳造する鋳造工程;
(b)前記鋳造工程により得られた鋳片を熱間圧延に供し、800℃以上の温度域で熱間圧延を完了し、10℃/秒以上の平均冷却速度で冷却して、300℃以上580℃未満の温度域で巻取って熱延鋼板とする熱間圧延工程;
(c)前記熱間圧延工程により得られた熱延鋼板に上記式(1)を満足する条件下で酸洗処理を施して酸洗鋼板とする酸洗工程;
(d)前記酸洗工程により得られた酸洗鋼板に20%以上の圧下率の冷間圧延を施して冷延鋼板とする冷間圧延工程;
(e)前記冷間圧延工程により得られた冷延鋼板に、750℃以上の温度域に5秒間以上保持したのち、2℃/秒以上200℃/秒以下の平均冷却速度で250℃以上580℃以下の温度域まで冷却する前焼鈍を施す前焼鈍工程;および
(f)前記前焼鈍工程により得られた冷延鋼板を750℃以上1000℃以下の温度域に5秒間以上1000秒間以下保持したのち、2℃/秒以上70℃/秒以下の平均冷却速度で300℃以上580℃以下の温度域まで冷却してこの温度域に2秒間以上保持し、次いで溶融亜鉛めっきを施して溶融亜鉛めっき鋼板とし、700℃以下の温度域に120秒間以下保持する合金化処理を施して合金化溶融亜鉛めっき鋼板とする連続溶融亜鉛めっき工程。
ここで、「鋼板の表面」とは、合金化溶融亜鉛めっき鋼板において、めっき基材である鋼板と合金化溶融亜鉛めっき層との界面を意味する。合金化溶融亜鉛めっき鋼板における鋼板の表面は、通常は、走査型電子顕微鏡を用いて合金化溶融亜鉛めっき鋼板の断面を反射電子(BSE像)で観察する際のコントラストの差から判別できる。反射電子(BSE像)でもその界面が不鮮明な場合には、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の断面をEDXにてFeやAl、Zn等、合金化溶融亜鉛めっき層に含まれる元素を面分析し、Fe濃度が70質量%以上である部位を鋼板、Fe濃度が70質量%未満である部位を合金化溶融亜鉛めっき層とすることで合金化溶融亜鉛めっき層と鋼板との界面を判別する。
本発明においては、180°曲げ試験で割れが発生しない内側半径の最小値が2.0t以下(t:板厚)であることを優れた曲げ性の目標特性とし、引張強さ(TS)と穴拡げ率(HER)との積(TS×HER値)が28000(MPa・%)以上であることを優れた伸びフランジ性の目標特性とし、引張強さ(TS)と全伸び(El)との積(TS×El値)が10000(MPa・%)以上であることを優れた延性の目標特性とする。
本発明によれば、TSが780MPa以上という高い強度を有しながら、優れた曲げ性、伸びフランジ性および延性をも備えた合金化溶融亜鉛めっき鋼板が得られる。本発明に係る合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、自動車や各種の産業機械に用いられる構造部材の素材、特に自動車のメンバーや足廻り部品に代表される構造部材の素材として好適である。
1.化学組成
本発明の合金化溶融亜鉛めっき鋼板の化学組成について説明する。化学組成についての「%」は「質量%」を意味する。
(1)C:0.03%以上、0.35%以下
Cは、ベイナイト、マルテンサイト、残留オーステナイトなどの硬質相を生成させ、鋼板の強度を向上させる作用を有する。特に本発明では、鋼組織においてベイナイトの面積率を60%以上とする必要がある。C含有量が0.03%未満ではベイナイトの面積率を60%以上とすることが困難である。したがって、C含有量は0.03%以上とする。好ましくは0.05%以上である。一方、C含有量が0.35%超では、溶接性の低下が著しくなる。したがって、C含有量は0.35%以下とする。好ましくは0.25%以下である。
(2)Si:0.005%以上、2.0%以下
Siは、固溶強化によって鋼板の強度を高める作用を有する。Si含有量が0.005%未満では上記作用による効果を得ることが困難である。したがって、Si含有量は0.005%以上とする。好ましくは0.01%以上である。一方、Si含有量が2.0%超では、溶融亜鉛めっきとのぬれ性が悪化して不めっき部が多く存在するようになり耐食性の劣化が著しくなる。したがって、Siの含有量は2.0%以下とする。好ましくは1.8%以下である。
(3)Mn:1.0%以上、4.0%以下
Mnは、鋼の焼入性を高めることにより鋼板の強度を高める作用を有する。Mn含有量が1.0%未満では上記作用による効果を得ることが困難である。したがって、Mn含有量は1.0%以上とする。好ましくは1.2%以上である。一方、Mn含有量が4.0%超では、焼入性が過剰に高まってマルテンサイトの面積率が過大となり、伸びフランジ加工性や曲げ性の低下が著しくなる。したがって、Mn含有量は4.0%以下とする。好ましくは3.0%以下である。
(4)P:0.0004%以上、0.1%以下
Pは、固溶強化により鋼板の強度を高める作用を有する。P含有量が0.0004%未満では上記作用による効果を得ることが困難である。したがって、P含有量は0.0004%以上とする。好ましくは0.006%以上である。一方、Pは偏析し易い元素であるため多量に含有すると溶接性の低下を招く。P含有量が0.1%超では偏析による溶接性の低下が著しくなる。したがって、P含有量は0.1%以下とする。好ましくは0.08%以下である。
(5)S:0.02%以下
Sは、不純物として含有され、鋼中に硫化物を形成して伸びフランジ加工性や曲げ性を低下させる作用を有する。S含有量が0.02%超では伸びフランジ加工性や曲げ性の低下が著しくなる。したがって、S含有量は0.02%以下とする。好ましくは0.01%以下である。S含有量は低ければ低いほど好ましいので、S含有量の下限は規定する必要はないが、製鋼コストの観点からは0.0002%以上とすることが好ましい。
(6)sol.Al:0.0002%以上、2.0%以下
Alは、鋼を脱酸して鋼板を健全化する作用を有する。sol.Al含有量が0.0002%未満では上記作用による効果を得ることが困難である。したがって、sol.Al含有量は0.0002%以上とする。好ましくは0.0005%以上である。一方、sol.Al含有量が2.0%超では、粗大なアルミナ系介在物が増加して、伸びフランジ加工性や曲げ性およびの低下が著しくなる。したがって、sol.Al含有量は2.0%以下とする。好ましくは1.8%以下である。
(7)N:0.01%以下
Nは、不純物として含有され、鋼中に窒化物を形成して伸びフランジ加工性や曲げ性を低下させる作用を有する。N含有量が0.01%超では曲げ性の低下が著しくなる。したがって、N含有量は0.01%以下とする。好ましくは0.008%以下である。N含有量は低ければ低いほど好ましいので、N含有量の下限は規定する必要はないが、製鋼コストの観点からは0.0002%以上とすることが好ましい。
以下に説明する元素は、場合により鋼中に含有させてもよい任意元素である。
(8)Bi:0.5%以下
Biは、凝固の接種核となり、凝固時のデンドライトアーム間隔を小さくし、凝固組織を細かくする作用を有する。その結果、MnやSi等の偏析が生じ易い元素の偏析を抑制し、鋼板の局所的な強度差を低減し、曲げ性を向上させる作用を有する。したがって、Biを含有させることが好ましい。しかし、Biは鋼中に曲げ加工時の割れの起点となる酸化物を形成するため、Biの含有量が0.5%を超えると曲げ性の劣化が著しくなる。したがって、Biを含有させる場合のBi含有量は0.5%以下とする。好ましくは0.03%以下である。上記作用による効果をより確実に得るにはBi含有量を0.0002%以上とすることが好ましく、このようにすることで、溶融亜鉛めっき層と鋼板との界面から50μmの深さの位置における圧延方向に展伸したMnおよび/またはSiが濃化した濃化部の圧延直角方向の平均間隔(詳細は後述する。)を500μm以下とすることをより確実に行うことができる。
(9)Ti:1.0%以下、Nb:1.0%以下、V:1.0%以下、W:1.0%以下、Cr:1.0%以下、Mo:1.0%以下、Cu:1.0%以下、Ni:1.0%、およびB:0.01%以下からなる群から選択される1種または2種以上
Ti、Nb、V、W、Cr、Mo、Cu、NiおよびBは、Mnと同様に鋼の焼入性を高めることによって鋼板の強度を高める作用を有する。したがって、これらの元素の1種または2種以上を含有させてもよい。しかし、Ti、Nb、V、W、Cr、Mo、CuおよびNiについてはそれぞれ含有量が1.0%を超えると、Bについては含有量が0.01%を超えると、焼入性が過剰に高まってマルテンサイトの面積率が過大となり、伸びフランジ加工性や曲げ性の低下が著しくなる。したがって、含有させる場合のTi、Nb、V、W、Cr、Mo、Cu、NiおよびBの含有量はそれぞれ上記のとおりとする。上記作用による効果をより確実に得るには、Ti、Nb、V、W、Cr、Mo、CuおよびNiのいずれかの元素を0.005%以上とするか、Bの含有量を0.0002%以上とすることが好ましい。Bについては含有量を0.0004%以上とすることがさらに好ましい。
(10)REM:0.1%以下、Mg:0.05%以下、Ca:0.05%以下、およびZr:0.05%以下からなる群から選択される1種または2種以上
REM(希土類元素)、Mg、CaおよびZrは、鋼中に形成される酸化物や硫化物を微細に球状化させて、伸びフランジ加工性や曲げ性を向上させる作用を有する。したがって、これらの元素の1種または2種以上を含有させてもよい。しかし、REMについては含有量が0.1%超えると、Mg、CaおよびZrについてはそれぞれ含有量が0.05%を超えると、鋼中に形成される酸化物や硫化物の数が過剰となり、却って伸びフランジ加工性や曲げ性を劣化させる。したがって、含有させる場合のREM(希土類元素)、Mg、CaおよびZrの含有量はそれぞれ上記のとおりとする。上記作用による効果をより確実に得るには、REM、Mg、CaおよびZrのいずれかの含有量を0.0002%以上とすることが好ましい。
ここで、REMは、Sc、Yおよびランタノイドの合計17元素を指し、上記REMの含有量は、これらの元素の合計含有量を指す。ランタノイドの場合、工業的にはミッシュメタルの形で添加される。
2.鋼板の濃化部、表面形状および鋼組織
本発明の合金化溶融亜鉛めっき鋼板のめっき基材である鋼板の濃化部、表面形状および鋼組織について説明する。
(1)鋼板の表面から50μmの深さの位置における、圧延方向に展伸したMnおよび/またはSiの濃化部の圧延直角方向の平均間隔である濃化部平均間隔:1000μm以下
鋼板の表面から50μmの深さの位置(以下、「深さ位置A」ともいう。)における、圧延方向に展伸した、Mnおよび/またはSiが濃化した濃化部(以下、「Mn・Si濃化部」ともいう。)の、圧延方向と直交する方向、すなわち鋼板の幅方向(本発明においては「圧延直角方向」という。)の平均間隔(本発明においては「濃化部平均間隔」ともいう。)を1000μm以下とすることで、良好な曲げ性を得ることができる。
ここで、Mn・Si濃化部の定義は、MnおよびSiの少なくとも一方の元素の含有量がバルクの含有量(鋼板の平均含有量)に対して1.1倍以上である部位とする。冷延鋼板におけるMn・Si濃化部は、鋳片において偏析したMnおよびSiが熱間圧延時および冷間圧延時に圧延方向に展伸されることで形成される。
濃化部平均間隔の求め方は次のとおりである。まず、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の表面を研削して、深さ位置Aにおける表面を露出させる。露出させた表面について、圧延直角方向にEPMAの線分析を行う。一回の線分析による測定距離は、平均間隔1000μmが測定できるように、3mm以上とすることが好ましい。線分析により求めたSi濃度およびMn濃度のラインプロファイルのそれぞれについて、平均濃度を求め、この濃度をバルクの含有量とする。ラインプロファイルにおけるSi濃度および/またはMn濃度が平均濃度の1.1倍となる領域を求め、これらの領域をMn・Si濃化部とする。得られた濃化部をなす各領域において最大濃度を示す部分を、その領域の中心点とする。隣接する領域同士の中心点間距離を求め、これらをラインプロファイル内で平均し、得られた平均値を濃化部平均間隔とする。
上記濃化部平均間隔が1000μm超では、MnやSiの濃化が不均一に生じているため、鋼板内に成分濃化による局所的な硬度ばらつきが生じる。このような合金化溶融亜鉛めっき鋼板に曲げ加工が施されると、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の表面に加工筋を生じ易い。この加工筋を形成する凹部には応力集中が生じ、曲げ加工による初期亀裂が早期に発生し、曲げ性を劣化させる。したがって、曲げ性を向上させるには、MnやSiの偏析を抑制して均一に分散させることで、加工筋の発生を抑制することが必要である。よって、濃化部平均間隔は1000μm以下とする。好ましくは500μm以下である。
500μm以下という好ましい濃化部平均間隔は、上述したようにBiを含有させることでより確実に達成することができる。濃化部平均間隔は小さいほど好ましいので、その下限は特に規定しないが、通常スラブ厚みである30mm〜350mm程度のスラブを鋳造する場合を考慮すると、液相線温度から固相線温度までの温度域内の平均冷却速度の関係から、濃化部平均間隔は3μm以上とすることが実用上好ましい。
なお、濃化部平均間隔を測定する位置を深さ位置Aとしたのは、加工変質の影響を受けている鋼板の最表層部を排除して、曲げ性に影響を及ぼす鋼板表層部におけるMnやSiの濃化状況を適正に評価するためである。
(2)鋼板の表面における深さ3μm以上、10μm以下のクラックの数密度:3個/mm以上、1000個/mm以下
鋼板表面における深さ3μm以上10μm以下のクラックの数密度(以下、「表面クラック数密度」と略記する。)を3個/mm以上1000個/mm以下とすることにより、良好な曲げ性を得ることができる。
鋼板表面に適度なクラックを形成することにより、曲げ加工における応力を分散させて応力集中を抑制することができるので、良好な曲げ性が得られる。ここで、鋼板表面におけるクラック(以下、「表面クラック」という。)とは、鋼板表面に開口しているクラックを意味する。
表面クラックの深さが3μm未満では上記応力集中を抑制する効果が小さい。一方、表面クラックの深さが10μm超になると、クラック自体が曲げ加工における亀裂の起点となる可能性が高まり、却って曲げ性を劣化させる場合がある。また、この深さ3μm以上10以下の表面クラック数密度が3個/mm未満では上記応力集中を抑制する効果を十分に得られない場合がある。一方、表面クラック数密度が1000個/mm超になると、曲げ加工時にクラック同士の連結が生じ易く、大きなクラックに発展して亀裂の起点となる可能性が高まり、却って曲げ性を劣化させる場合がある。したがって、深さが3μm以上10μm以下の表面クラックの数密度は3個/mm以上1000個/mm以下とする。
このようにすることにより、上述した濃化部平均間隔の規定と相俟って、優れた曲げ性を得ることができる。
なお、表面クラック数密度の測定は、次のようにして行えばよい。すなわち、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の断面観察を行い、深さが3μm以上10μm以下であるクラックを特定する。観察視野において特定されたこれらのクラックの本数を計数する。観察像で線状に観察される界面を直線近似し、その直線の観察視野における長さで、計数されたクラック本数を除して、クラック数密度とする。
(3)ベイナイト:60面積%以上、残留オーステナイト:1面積%以上、マルテンサイト:1面積%以上、フェライト:2面積%以上20面積%未満、マルテンサイトおよび残留オーステナイトの最近接距離の平均値(超硬質相平均間隔):20μm以下
ベイナイト:60面積%以上
ベイナイトは、硬質な組織であり、かつ、硬度分布が均一な組織である。このため、高い強度と良好な強度−伸びフランジ性バランスを確保するのに最も有効な組織である。ベイナイトの面積率が60%未満では、TS:780MPa以上かつTS×HER値:28000MPa・%以上という、高い強度と優れた強度−伸びフランジ性バランスとを確保することが困難である。したがって、ベイナイトの面積率は60%以上とする。好ましくは65%以上である。
残留オーステナイト:1面積%以上
残留オーステナイトは、変態誘起塑性(TRIP)効果により、鋼板の延性を飛躍的に向上させる相である。上述したように、ベイナイトは高い強度と良好な強度−伸びフランジ性バランスを確保するのに最も有効な組織であるが、延性に劣る組織である。このように延性に劣る組織であるベイナイトを60面積%以上も含有させるため、優れた強度−延性バランスを確保するには、残留オーステナイトの変態誘起塑性(TRIP)効果により、鋼板の延性を向上させる必要がある。残留オーステナイトの面積率が1%未満では、十分な変態誘起塑性(TRIP)効果を得ることができず、TS×El値で10000MPa・%以上という優れた強度−延性バランスを確保することが困難となる。したがって、残留オーステナイトの面積率は1%以上とする。好ましくは2%以上である。
マルテンサイト:1面積%以上
マルテンサイトは、非常に硬質な相であり、鋼板の強度を飛躍的に向上させる相である。上述したように、ベイナイトは硬質な組織であるので高い強度を確保するのに有効な組織ではあるが、マルテンサイトに比べれば軟質である。このため、ベイナイトのみによって非常に高い強度を確保することは困難であり、非常に高い強度を確保するには、マルテンサイトを含有させることによって鋼板の強度を向上させる必要がある。マルテンサイトの面積率が1%未満では、TS:780MPa以上という高い強度を確保することが困難である。したがって、マルテンサイトの面積率は1%以上とする。好ましくは2%以上である。
フェライト:2面積%以上、20面積%未満
フェライトは、最も軟質な相であり、鋼板の延性を向上させる相である。上述したように、ベイナイトは高い強度と良好な強度−伸びフランジ性バランスを確保するのに最も有効な組織であるが、延性に劣る組織である。このように延性に劣る組織であるベイナイトを60面積%以上も含有させるため、優れた強度−延性バランスを確保するには、フェライトを含有させて、鋼板の延性を向上させる必要がある。フェライトの面積率が1%未満では、フェライトによる延性向上作用を十分に得ることができず、TS×El値で10000MPa・%以上という優れた強度−延性バランスを確保することが困難となる。したがって、フェライトの面積率は1%以上とする。好ましくは3%以上である。
一方、フェライトは、最も軟質な相であるため、鋼板の強度を向上させることを困難にする相でもある。フェライト面積率が20%以上では、TS:780MPa以上という高い強度を確保することが困難である。したがって、フェライトの面積率は20%未満とする。好ましくは18%以下である。
マルテンサイトおよび残留オーステナイトの最近接距離の平均値(超硬質相平均間隔):20μm以下
上述したように、マルテンサイトは鋼板の強度を向上させる作用を有し、残留オーステナイトは鋼板の延性を向上させる作用を有することから、高い強度と優れた強度−延性バランスとを確保するために、いずれも1面積%以上含有させる。
しかし、これらの相はいずれも伸びフランジ性を低下させる作用を有する。すなわち、鋼板に伸びフランジ成形が施されると、マルテンサイトは非常に硬質であるのに対し、ベイナイトはマルテンサイトに比して軟質であり、フェライトはマルテンサイトの比して著しく軟質である。このため、マルテンサイトとベイナイトとの界面やマルテンサイトとフェライトとの界面には、これらの硬度差に起因して応力集中が生じて早期に亀裂が発生する。また、残留オーステナイトは、鋼板に伸びフランジ成形が施されると、歪誘起変態によりマルテンサイトとなるため、同様にして早期に亀裂が発生する。
したがって、これらの相を単に含有させたのでは、優れた強度−伸びフランジ性バランスを確保することが困難となる。
そこで、マルテンサイトおよび残留オーステナイト(以下、総称して「超硬質相」という場合がある。)を緻密に分散させることにより、伸びフランジ変形時の応力を効果的に分散させ、上記硬度差に起因する応力集中を抑制することで、優れた強度−伸びフランジ性バランスを確保する。
マルテンサイトおよび残留オーステナイトの最近接距離の平均値(超硬質相平均間隔)が20μm超では効果的な応力分散を図ることができず、TS×HER値:28000MPa・%以上という優れた強度−伸びフランジ性バランスを確保することが困難である。したがって、超硬質相平均間隔は20μm以下とする。好ましくは10μm以下である。
ここで、マルテンサイトおよび残留オーステナイトの最近接距離の平均値(超硬質相平均間隔)は次のようにして求めればよい。すなわち、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の圧延方向に平行な断面についてナイタルエッチングを施し、断面観察用の試料を得る。得られた試料について、走査型電子顕微鏡を用いて鋼組織を観察する。測定倍率は1000倍とし、鋼板の両面の表面からそれぞれ板厚の1/4深さの位置(以下、「板厚1/4位置」という。)において各10視野、都合20視野を観察する。得られた20視野の鋼組織画像の全てについて、超硬質相であるマルテンサイトおよび残留オーステナイトを特定する。特定された超硬質相について、最も近接する他の超硬質相との距離(以下、「最近接距離」という。)を計測する。各視野について測定された最近接距離のうち最長のものおよび最短のものを選び出すことにより、20個の最長の最近接距離および20個の最短の最近接距離を求める。これらの都合40個の最近接距離のデータにおける算術平均値をマルテンサイトおよび残留オーステナイトの最近接距離の平均値(超硬質相平均間隔)とする。
なお、ここでいうフェライトは、ポリゴナルフェライト、ベイニティックフェライト等のフェライトと明記されている相である。また、ベイナイトは、下部ベイナイト、上部ベイナイト等のベイナイトと記載されている組織である。各相について上記の面積割合を満足するものであれば、鋼組織は上記以外の相または組織、例えばパーライト等の組織を含んでいてもよい。
3.合金化溶融亜鉛めっき層
鋼板の表面に形成される合金化溶融亜鉛めっき層については特に規定しないが、以下のようにすることが好ましい。合金化溶融亜鉛めっき層は、一般にめっき基材である鋼板の両面に形成される。しかし、本発明は片面のみに形成される場合を包含する。
すなわち、めっき付着量(片面あたり)は、耐食性の観点から3g/m2以上とすることが好ましく、10g/m2以上とすることがさらに好ましい。また、溶接時におけるブローホールなどの欠陥を防止する観点からは200g/m2以下とすることが好ましく、100g/m2以下とすることがさらに好ましい。
めっき層におけるFe濃度は、めっきの密着性とパウダリング性の観点から3質量%以上20質量%以下とすることが好ましい。めっき層におけるFe濃度を3質量%以上とすることで合金化によるめっきの密着性をより高めることができる。また、めっき層におけるFe濃度を20質量%以下とすることにより良好なパウダリング性を確保することができる。めっき層におけるFe濃度は、7質量%以上16質量%以下とすることがさらに好ましい。
なお、合金化溶融亜鉛めっき層には、合金化処理を行う際に、めっき基材である鋼板からSi、Mn、P、S等の合金元素が取り込まれる可能性があるが、通常の条件で溶融めっきおよび合金化処理した際に合金化溶融亜鉛めっき層中にとりこまれる量の範囲内であれば、めっき品質に悪影響を及ぼすことはない。
4.製造方法
次に、本発明の合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法について工程ごとに説明する。
(1)鋳造工程
上記化学組成を有する溶鋼を、鋳片表面から10mmの深さの位置における液相線温度から固相線温度までの温度域内の平均冷却速度を10℃/秒以上となる条件で鋳造する。
上記平均冷却速度はMnおよびSiの偏析に大きく影響する。
上記平均冷却速度が10℃/秒未満では、凝固速度が低すぎるため、鋳片におけるデンドライトアーム間隔が拡がり、鋼板の表面から50μmの深さの位置(深さ位置A)における圧延方向にMnおよび/またはSiが展伸したMn・Si濃化部の圧延直角方向の平均間隔(濃化部平均間隔)を1000μm以下とすることが困難となる。したがって、上記平均冷却速度は10℃/秒以上とする。好ましくは12℃/秒以上である。
上述したように、Biを含有させた場合には、Biによる凝固組織を細かくする作用と相俟って、濃化部平均間隔を500μm以下とすることがより確実に実現可能となる。
(2)熱間圧延工程
上記鋳造工程により得られた鋳片を熱間圧延に供し、800℃以上の温度域で熱間圧延を完了し、10℃/秒以上の平均冷却速度で冷却して、300℃以上580℃未満の温度域で巻取って熱延鋼板とする。
合金化溶融亜鉛めっき鋼板のめっき基材である鋼板を上述した鋼組織とするには、熱延鋼板の鋼組織を60面積%以上のベイナイトを含有するものとすることが重要である。
すなわち、熱延鋼板におけるベイナイトは、その後、冷間圧延されることによりフェライトとセメンタイトに分断される。このため、熱延鋼板におけるベイナイトに由来するセメンタイトは、冷間圧延後において緻密に分散した形態を呈する。この緻密に分散したセメンタイトは、その後、後述する連続溶融亜鉛めっき工程の均熱処理においてオーステナイト化の核となりオーステナイト化が進行し、その後の冷却により、ベイナイト、マルテンサイトおよび残留オーステナイト等になる。ここで、冷却後のマルテンサイトと残留オーステナイトの分布状態はオーステナイト化の核の分布状態の影響を引き摺るため、マルテンサイトおよび残留オーステナイトの最近接距離の平均値である超硬質相平均間隔が20μm以下である鋼組織を得ることができるのである。
そして、熱延鋼板の鋼組織を、60面積%以上のベイナイトを含有するものとするには、熱間圧延完了温度は800℃以上とする必要がある。熱延完了温度が800℃未満では、フェライト変態が早期に進行してしまい、ベイナイトの面積率を60%以上とすることが困難である。したがって、熱間圧延完了温度は800℃以上とする。上記鋼組織を確保する観点からは、熱間圧延完了温度の上限を規定する必要はない。しかし、熱間圧延完了温度が過度に高温になると、スケールが厚く生成して、表面疵を誘発する場合がある。したがって、スケールに起因する表面疵の発生を抑制する観点からは、熱間圧延完了温度を1000℃以下とすることが好ましい。
熱間圧延完了から巻取りまでの冷却における平均冷却速度が10℃/秒未満では、冷却速度が低すぎることに起因してフェライト変態が過度に進行してしまい、ベイナイトの面積率を60%以上とすることが困難となる。したがって、上記平均冷却速度は10℃/秒以上とする。好ましくは15℃/秒以上である。上記鋼組織を確保する観点からは、上記平均冷却速度の上限を規定する必要はない。しかし、上記平均冷却速度が過度に高いと冷却ムラが顕在化し、冷却ムラに起因する強度ムラが顕著となり、冷間圧延時にトラブルを引き起こす場合がある。したがって、良好な冷間圧延性を確保する観点からは、上記平均冷却速度を500℃/秒以下とすることが好ましい。
巻取温度が300℃未満では、熱延鋼板の鋼組織が、マルテンサイトを40面積%以上含有するものになるため、ベイナイト面積率を60%以上にすることができない。したがって、巻取温度は300℃以上とする。好ましくは350℃以上である。一方、巻取温度が580℃以上では、パーライト変態が進行してしまい、熱延鋼板の鋼組織がフェライトとパーライトとからなるものとなってしまい、ベイナイトの面積率を60%以上とすることができない。したがって、巻取温度は580℃未満とする。好ましくは550℃以下である。
(3)酸洗工程
上記熱間圧延工程により得られた熱延鋼板に下記式(1)を満足する条件下で酸洗処理を施して酸洗鋼板とする。
5000≦酸濃度(質量%)×酸温度(℃)×酸浸漬時間(秒)≦2000000 (1)
冷延鋼板の表面クラックは、熱間圧延後の酸洗処理によりフェライトの粒界部が選択的に酸化されることによって形成される。酸濃度(質量%)×酸温度(℃)×酸浸漬時間(秒)の値が5000未満では、フェライトの粒界部の選択的酸化が不十分となり、鋼板の表面(めっき層との界面)における深さ3μm以上10μm以下の表面クラックの数密度を3個/mm以上とすることが困難となる。一方、酸濃度(質量%)×酸温度(℃)×酸浸漬時間(秒)の値が2000000超になると、フェライトの粒界部の選択的酸化が過剰に進行してしまい、鋼板の表面における深さ3μm以上10μm以下の表面クラックの数密度を1000個/mm以下とすることが困難となる。酸濃度(質量%)×酸温度(℃)×酸浸漬時間(秒)の値は好ましくは10000以上1900000未満である。
なお、酸洗工程で用いる酸の種類は特に限定されるものでなく、塩酸や硫酸が例示される。
(4)冷間圧延工程
上記酸洗工程により得られた酸洗鋼板に20%以上の圧下率の冷間圧延を施して冷延鋼板とする。
冷間圧延における圧下率が20%未満では、圧下率が低すぎるため、熱延鋼板で生成したベイナイトが圧延にて、細かいフェライトとセメンタイトに分断せず、その後の連続溶融亜鉛めっき工程後においてめっき基材である鋼板の鋼組織を、マルテンサイトと残留オーステナイトと平均工程間隔を20μm以内にすることができない。したがって、冷間圧延時の圧下率は20%以上とする。好ましくは30%以上である。熱延鋼板のベイナイトを分断する観点からは、冷間圧延における圧下率は、高い程好ましいので、その上限を規定する必要はない。しかし、圧下率が高くなるにつれて、圧延荷重が高くなり、操業が困難となる。したがって、圧延荷重の観点からは、圧下率を90%以下とすることが好ましい。
(5)前焼鈍工程
冷間圧延工程により得られた冷延鋼板を、そのまま次に述べる連続溶融亜鉛めっき工程において溶融亜鉛めっきと合金化熱処理を施すこともできるが、連続溶融亜鉛めっき工程の前工程として、上記冷延鋼板を750℃以上の温度域に5秒間以上保持したのち、2℃/秒以上200℃/秒以下の平均冷却速度で250℃以上580℃以下の温度域まで冷却する前焼鈍を施すことが好ましい。
溶融亜鉛めっき前に上記前焼鈍を施すことにより、熱延鋼板におけるベイナイトを更に緻密な組織とすることが可能となり、これにより、合金化溶融亜鉛めっき鋼板のめっき基材である鋼板の鋼組織について、マルテンサイトおよび残留オーステナイトの最近接距離の平均値を、好ましい値である10μm以下とすることが可能となる。
前焼鈍を施すことによって熱延鋼板におけるベイナイトを更に緻密な組織とするには、前焼鈍工程においても、後述する連続溶融亜鉛めっき工程と同様に、冷延鋼板を高温域に保持する均熱処理を施すことによって、冷延鋼板の鋼組織の一部または全部を一旦オーステナイト化する必要がある。
ここで、均熱処理における均熱温度が750℃未満では、オーステナイト化が不十分であるために、熱延鋼板におけるベイナイトを更に緻密な組織とすることが困難である。したがって、均熱温度は750℃以上とすることが好ましい。均熱温度の上限は特に規定しないが、焼鈍炉内の耐火物の損傷を抑制する観点からは1000℃以下とすることが好ましい。
また、均熱処理における均熱時間が5秒間未満では、オーステナイト化が不十分であるために、熱延鋼板におけるベイナイトを更に緻密な組織とすることが困難である。したがって、均熱時間は5秒間以上とすることが好ましい。より好ましい均熱時間は30秒間以上である。均熱時間の上限は特に規定する必要はないが、生産性の観点からは1000秒間以下とすることが好ましい。
均熱処理後の平均冷却速度が2℃/秒未満では、熱延鋼板におけるベイナイトを更に緻密な組織とすることが困難である。したがって、上記平均冷却速度は2℃/秒以上とすることが好ましい。より好ましくは10℃/秒以上である。一方、上記平均冷却速度が200℃/秒超になると、冷却速度が高すぎるためにマルテンサイトが過剰に生成されてしまい、熱延鋼板におけるベイナイトを更に緻密な組織とすることが困難となる場合がある。したがって、上記平均冷却速度は200℃/秒以下とすることが好ましい。
冷却停止温度が250℃未満では、マルテンサイトが過剰に生成してしまい、熱延鋼板におけるベイナイトを更に緻密な組織とすることが困難となる場合がある。したがって、冷却停止温度は250℃以上とすることが好ましい。さらに好ましくは300℃以上である。一方、冷却停止温度が580℃超では、ベイナイトを生成させることが困難になる場合がある。したがって、冷却停止温度は580℃以下とすることが好ましい。さらに好ましくは550℃以下である。
(6)連続溶融亜鉛めっき工程
上記冷間圧延工程により得られた冷延鋼板または好ましくは上記前焼鈍工程で得られた冷延鋼板を、750℃以上1000℃以下の温度域に5秒間以上1000秒間以下保持したのち、2℃/秒以上70℃/秒以下の平均冷却速度で300℃以上580℃以下の温度域まで冷却し、この温度域で2秒間以上保持し、次いで溶融亜鉛めっきを施して溶融亜鉛めっき鋼板とし、700℃以下の温度域に120秒間以下保持する合金化処理を施して合金化溶融亜鉛めっき鋼板とする。
合金化溶融亜鉛めっき鋼板のめっき基材である鋼板を上記鋼組織とするには、連続溶融亜鉛めっき工程において、冷延鋼板を高温域に保持する均熱処理を施すことによって、冷延鋼板の鋼組織の一部または全部を一旦オーステナイト化する必要がある。
ここで、均熱処理における均熱温度が750℃未満では、フェライト生成が活発となる温度域であるため、フェライトの面積率が20%以上となる。したがって、均熱温度は750℃以上とする。好ましくは780℃以上である。一方、均熱温度が1000℃超では、均熱中でのオーステナイト粒径が大きくなり、フェライトが生成せず、フェライト面積率が2%未満となる。したがって、均熱温度は1000℃以下とする。好ましくは920℃以下である。
また、均熱処理における均熱時間が5秒間未満では、熱間圧延時に生成したパーライトやベイナイトやセメンタイトを十分にオーステナイト化することができず、残留オーステナイトの面積率を1%以上とすることが困難となる。したがって、均熱時間は5秒間以上とする。好ましくは20秒間以上である。一方、均熱時間が1000秒間超では、フェライトの生成が過度に進行してしまい、フェライト面積率を20%未満とすることが困難となる場合がある。したがって、均熱時間は1000秒間以下とする。好ましくは800秒間以下である。
合金化溶融亜鉛めっき鋼板のめっき基材である鋼板を上記鋼組織とするには、次に、冷却して保持することにより、オーステナイトからベイナイト、マルテンサイトおよび残留オーステナイトを生成させる必要がある。
ここで、均熱処理後の冷却の平均冷却速度が2℃/秒未満では、フェライトが過剰に生成してしまい、フェライト面積率を20%未満とすることが困難となる。したがって、上記平均冷却速度は2℃/秒以上とする。好ましくは4℃/秒以上である。一方、上記平均冷却速度が70℃/秒超では、フェライトの生成が不十分となって、フェライト面積率を2%以上とすることが困難となる場合がある。したがって、上記平均冷却速度は70℃/秒以下とする。好ましくは60℃/秒以下である。
冷却終点温度が300℃未満では、マルテンサイトが過剰に生成してしまい、ベイナイトの面積率を60%以上とすることが困難となる。したがって、冷却終点温度は300℃以上とする。好ましくは450℃以上である。一方、冷却終点温度が580℃超では、ベイナイトとマルテンサイトの生成を促すことが困難である一方、フェライトの生成が過度に進行してしまうため、ベイナイトの面積率を60%以上かつマルテンサイトの面積率を1%以上とすることが困難となり、フェライト面積率が20%以上となる場合がある。したがって、冷却終点温度は580℃以下とする。好ましくは560℃以下である。
上記冷却後における300℃以上580℃以下の温度域に保持する時間が2秒間未満では、残留オーステナイトの生成を促すことが困難であり、残留オーステナイトの面積率を1.0%以上とすることが困難である。したがって、上記温度域に保持する時間は2秒間以上とする。好ましくは4秒間以上である。上記温度域に保持する時間の上限は特に規定しないが、生産性の観点からは300秒間以下とすることが好ましい。
これらの処理の後に、溶融亜鉛めっき処理および合金化処理を施すことにより、鋼板の表面に合金化溶融亜鉛めっき層を形成させる。
ここで、合金化処理における保持温度が700℃超では、残留オーステナイトがセメンタイトに分解してしまい、残留オーステナイトの面積率を1.0%以上とすることが困難となる。したがって、合金化処理における保持温度は700℃以下とする。合金化処理における保持温度の下限は特に規定しないが、450℃未満では、Feと亜鉛の拡散が遅く、合金化が速やかに進行しないため、生産性を阻害する。したがって、合金化処理における保持温度は450℃以上とすることが好ましい。
合金化処理における保持時間が120秒間を超えると、残留オーステナイトが分解して、残留オーステナイトの面積率が1%未満となる場合がある。したがって、合金化処理における保持時間は120秒間以下とする。合金化処理における保持時間の下限は、十分な合金化処理が達成される限りにおいては、特に規定する必要はない。
こうして、本発明で規定する鋼組織、表面近傍の濃化部、および表面クラック密度を有する合金化溶融亜鉛めっき鋼板が得られる。この合金化溶融亜鉛めっき鋼板には、所望により、各種の表面処理、例えば、化成処理、特にノンクロム型化成処理、リン酸塩処理、或いは潤滑処理を施すことができる。
本発明を、実施例を参照しながらより具体的に説明する。
表1に示す化学成分を有する鋼を転炉で溶製し、連続鋳造試験機を用いて連続鋳造を実施し、1000mm幅で250mm厚のスラブとした。この際、鋳片の表面から10mmの深さの位置における液相線温度から固相線温度までの温度域内の平均冷却速度の変更は、鋳型の冷却水量を変更することによって行った。
こうして得られたスラブを加熱し、熱間圧延試験機により熱間圧延を施して熱延鋼板とし、その後、塩酸による酸洗処理を施して酸洗鋼板とした。その後、冷間圧延を施して冷延鋼板とした。
こうして得られた冷延鋼板に対して、連続溶融亜鉛めっき試験機を用いて、熱処理、溶融亜鉛めっき処理および合金化処理を施した。一部の供試材においては、連続溶融亜鉛めっき試験機に供する前に、連続焼鈍試験機により前焼鈍を施した。めっき付着量は片面あたり20〜150g/m2の範囲とした。
これらの製造条件を表2(鋳造工程〜冷間圧延工程)および表3(任意の前焼鈍工程〜連続溶融亜鉛めっき工程)に示す。
Figure 2012219342
Figure 2012219342
Figure 2012219342
このようにして得られた合金化溶融亜鉛めっき鋼板およびスラブについて以下の試験を行った。
(1)液相線温度から固相線温度までの温度域内の平均冷却速度
スラブの液相線温度から固相線温度までの温度域内の平均冷却速度は、得られたスラブの断面をピクリン酸にてエッチングし、スラブ表面から深さ方向に10mm位置を鋳込み方向に5mmピッチでデンドライト2次アーム間隔λ(μm)を100点測定し、その値から、次式に基づいてスラブの液相線温度から固相線温度までの温度域内の冷却速度A(℃/秒)を算出し、100点のAの値を算術平均した平均値として、平均冷却速度を求めた。
λ=710×A−0.39
(2)溶融めっき層と鋼板との界面から50μmの深さの位置(深さ位置A)における圧延方向に展伸したMnおよび/またはSiの濃化部の圧延直角方向の平均間隔(濃化部平均間隔)
上記の濃化部平均間隔の測定はEPMAの線分析にて実施した。すなわち、上記界面から50μmの深さの位置まで研削して、EPMAの線分析を実施した。MnおよびSi濃化は、線分析から得られたSiとMnの濃度の波形を読み取り、SiとMnの少なくとも一方の濃度平均値が1.1倍以上である濃度極大値の間隔から求めた。
濃化部平均間隔の測定方法は具体的には次のとおりであった。すなわち、めっき鋼板の表面を研削して深さ位置Aにおける表面を露出させた。露出させた表面について、圧延直角方向にEPMAの線分析を行った。一回の線分析による測定距離は3mm以上とした。線分析により求めたSi濃度およびMn濃度のラインプロファイルのそれぞれについて、平均濃度を求め、この濃度をバルクの含有量とした。ラインプロファイルにおけるSi濃度またはMn濃度が平均濃度の1.1倍となる領域を求め、これらの領域を濃化部とした。得られた濃化部をなす各領域において最大濃度を示す部分を、その領域の中心点とした。隣接する領域同士の中心点間距離を求め、これらをラインプロファイル内で平均し、得られた平均値を濃化部平均間隔とした。
(3)鋼組織の評価
鋼板の圧延方向に平行な断面を観察するための試料を常法に従って研磨とナイタル液を用いたエッチングにより調製し、走査型電子顕微鏡を用いて、フェライト、ベイナイト、マルテンサイトおよび残留オーステナイトの面積率を、画像処理にて求めた。
また、マルテンサイトおよび残留オーステナイトの最近接距離の平均値である超硬質相平均間隔は、同じ鋼板の圧延方向に並行な断面観察用試料を用いて、倍率1000倍の走査型電子顕微鏡により、鋼板の両面の表面からそれぞれ板厚1/4位置で各10視野、都合20視野を観察することにより、次のようにして求めた。すなわち、得られた20視野の鋼組織画像のそれぞれについて、超硬質相であるマルテンサイトおよび残留オーステナイトを特定し、特定された超硬質相について、最も近接する他の超硬質相との距離である最近接距離を計測する。各視野について測定された最近接距離のうち最長のものおよび最短のものを選び出すことにより、20個の最長の最近接距離および20個の最短の最近接距離を求める。これらの都合40個の最近接距離のデータにおける算術平均値をマルテンサイトおよび残留オーステナイトの最近接距離の平均値(超硬質相平均間隔)とする。
(4)クラック数密度
クラック数密度は、鋼組織の評価において用いた鋼板の圧延方向に平行な断面の観察試料を用い、この試料の断面について、走査型電子顕微鏡を用いて、2000倍の倍率にて100視野を観察することにより求めた、鋼板表面からの深さが3μm以上10μm以下の表面クラックの本数を、単位長さ当たりの個数に換算して求めた。具体的には次のとおりであった。
クラック数密度の測定方法は具体的には次のとおりであった。すなわち、めっき鋼板の断面観察(観察倍率:2000倍)を行い、視野内における、鋼板の表面から深さ3μm以上10μm以下の表面クラックを特定した。観察視野において特定されたこれらの表面クラックの本数を計数した。観察像で線状に観察される界面を直線近似し、その直線の観察視野における長さで計数された表面クラック本数を除して、その観察視野におけるクラック数密度とした。この作業を100視野について実施し、求めた観察視野におけるクラック数密度の平均値を測定対象の鋼板におけるクラック数密度とした。
(5)機械特性
得られた鋼板に対して、引張試験および限界曲げ試験を実施した。
A)引張試験
各鋼板の圧延直角方向からJIS 5号引張試験を採取した。試験方法はJIS Z2241に準じた。降伏点(YP)、引張強さ(TS)、全伸び(El)を測定した。
B)曲げ試験
各鋼板の圧延直角方向から、幅40mm長さ200mmの試験片を採取した。試験形状および試験方法はJIS Z2248に準じた。内側半径を、密着、板厚の0.5倍、1.0倍、1.5倍、2.0倍、2.5倍、3.0倍、3.5倍、4.0倍として180°曲げ試験を実施し、割れが発生しない内側半径の最小値を限界曲げ半径とした。
C)穴拡げ試験
日本鉄鋼連盟規格の「JFS T 1001−1996穴拡げ試験方法」に従い、穴拡げ率(HER%)を測定し、伸びフランジ加工性の指標とした。
以上の試験結果を表4に示す。表1〜4において、化学組成、製造条件、鋼組織および機械特性を示す数値に下線が付されたものは、本発明の規定の範囲外であることを示している。
Figure 2012219342
本発明例である供試材No.1〜35は、TS×El値が11500MPa・%以上、TS×HER値が28502MPa・%以上、限界曲げ半径が0.5t〜1.5tであり、曲げ性、伸びフランジ性および延性に優れていた。
特に、Biを含有する供試材No.16〜26は、濃化部平均間隔が500μm以下となり、限界曲げ半径が0.5t〜1.0tであり、特に曲げ性に優れていた。
また、連続溶融亜鉛めっき工程の前に、750℃以上の温度域に5秒間以上保持したのち、2℃/秒以上200℃/秒以下の平均冷却速度で250℃以上580℃以下の温度域まで冷却する前焼鈍を施したNo.27〜29は、マルテンサイトおよび残留オーステナイトの最近接距離の平均値である超硬質相平均間隔が10μm以内となり、TS×HER値が55000MPa・%以上であり、特に伸びフランジ性に優れていた。
一方、比較例をみると、供試材No.36は、鋳造工程において鋳片表面から10mmの深さの位置における液相線温度から固相線温度までの温度域内の平均冷却速度が8℃/秒と低すぎたため、濃化部平均間隔が1050μmと本発明の上限を超えた。そのため、限界曲げ半径が2.5tとなり、曲げ性に劣っていた。
供試材No.37は、熱間圧延工程の熱間圧延完了温度が780℃と低すぎたため、熱延鋼板の鋼組織においてベイナイト面積率が35%と小さくなった。そのため、超硬質相平均間隔が25μmと20μmの上限を超え、TS×HER値が27500MPa・%となり、伸びフランジ性に劣っていた。
供試材No.38は、熱間圧延完了から巻取りまでの平均冷却速度が8℃/秒と低すぎたため、熱延鋼板の鋼組織においてベイナイト面積率が58%と小さくなった。そのため、超硬質相平均間隔が28μmと大きくなって、TS×HER値が26850MPa・%となり、伸びフランジ加工性に劣っていた。
供試材No.39は、熱間圧延工程での巻取温度が600℃と高すぎたため、熱延鋼板での鋼組織においてベイナイト面積率が45%と小さくなった。そのため、超硬質相平均間隔が30μmと大きくなって、TS×HER値が26540MPa・%となり、伸びフランジ性に劣っていた。
供試材No.40は、熱間圧延工程での巻取温度が270℃と低すぎたため、熱延鋼板の鋼組織においてベイナイト面積率が40%と小さくなった。そのため、超硬質平均間隔が28μmと大きく、TS×HER値が25840MPa・%となり、伸びフランジ性に劣っていた。
供試材No.41は、酸洗工程での酸濃度(質量%)×酸温度(℃)×酸浸漬時間(秒)の値が3000と小さすぎて酸洗が不十分となり、クラック数密度が1個/mmと低くなった。そのため、限界曲げ半径が2.5tとなり、曲げ性に劣っていた。
供試材No.42は、酸洗工程での酸濃度(質量%)×酸温度(℃)×酸浸漬時間(秒)の値が2000500と大きすぎて、酸洗が過剰となり、クラック数密度が1050個/mmと過大になった。そのため、限界曲げ半径が2.5tとなり、曲げ性に劣っていた。
供試材No.43は、冷間圧延工程における圧下率が17%と低すぎたため、冷間圧延での圧下が不十分で、熱延鋼板のベイナイトを緻密なフェライトとセメンタイトに分散化することができず、超硬質相平均間隔が26μmと大きくなった。そのため、TS×HER値が27210MPa・%となり、伸びフランジ加工性に劣っていた。
供試材No.44は、連続溶融亜鉛めっき工程における均熱温度が730℃と低すぎたため、フェライト面積率が22%と大きくなった。そのため、TS値が760MPaとなり、780MPa以上の引張強度を確保できなかった。
供試材No.45は、連続溶融亜鉛めっき工程における均熱温度が1020℃と高すぎたため、鋼組織において、フェライト面積率が1%と小さかった。そのため、TS×El値が9860MPa・%となり、延性に劣っていた。
供試材No.46は、連続溶融亜鉛めっき工程における均熱時間が4秒間と短すぎたため、残留オーステナイトの面積率が0%となった。そのため、TS×El値が9450MPa・%となり、延性に劣っていた。
供試材No.47は、連続溶融亜鉛めっき工程における均熱時間が1010秒間と長すぎたため、フェライト面積率26%と大きくなった。そのため、引張強度が775MPaとなり、780MPa以上の引張強度を確保できなかった。
供試材No.48は、連続溶融亜鉛めっき工程における均熱処理後の冷却の平均冷却速度が80℃/秒と速すぎたため、フェライト面積率が0%となった。そのため、TS×El値が9870MPa・%となり、延性に劣っていた。
供試材No.49は、連続溶融亜鉛めっき工程における均熱処理後の冷却の平均冷却速度が1℃/秒と遅すぎたため、フェライト面積率が23%と大きくなった。そのため、引張強度が770MPaとなり、780MPa以上の引張強度を確保できなかった。
供試材No.50は、連続溶融亜鉛めっき工程における均熱処理後の冷却の冷却停止温度が590℃と高すぎたため、ベイナイト面積率が50%、マルテンサイト面積率0%、フェライト面積率47%と、鋼組織が不適切となった。そのため、引張強度が720MPaとなり、780MPa以上の引張強度を確保できなかった。
供試材No.51は、連続溶融亜鉛めっき工程における均熱処理後の冷却の冷却停止温度が280℃と低すぎたため、ベイナイトの面積率が58%と不足した。そのため、TS×HER値が22020MPa・%となり、伸びフランジ加工性に劣っていた。
供試材No.52は、連続溶融亜鉛めっき工程における冷却後の保持時間が1秒と短すぎたため、残留オーステナイトの面積率が0%となった。そのため、TS×El値が9830MPa・%となり、伸びフランジ加工性に劣っていた。
供試材No.53は、合金化処理温度が720℃と高すぎたため、残留オーステナイトの面積率が0%となった。そのため、TS×El値が9760MPa・%となり、伸びフランジ加工性に劣っていた。
供試材No.54は、合金化処理時間が130秒と長すぎたため、残留オーステナイトの面積率が0%となった。そのため、TS×El値が9450MPa・%となり、伸びフランジ加工性に劣っていた。
供試材No.55は、C含有量が0.02%であり、鋼の化学組成が本発明の範囲外であったため、ベイナイトの面積率が30%と低く、引張強度が590MPaであった。

Claims (7)

  1. 鋼板の表面に合金化溶融亜鉛めっき層を備える合金化溶融亜鉛めっき鋼板であって、
    前記鋼板は、
    質量%で、C:0.03%以上0.35%以下、Si:0.005%以上2.0%以下、Mn:1.0%以上4.0%以下、P:0.0004%以上0.1%以下、S:0.02%以下、sol.Al:0.0002%以上2.0%以下、およびN:0.01%以下を含有する化学組成を有し、
    鋼板の表面から50μmの深さの位置における、圧延方向に展伸したMnおよび/またはSiが濃化した濃化部の圧延直角方向の平均間隔である濃化部平均間隔が1000μm以下であり、
    鋼板の表面における深さ3μm以上10μm以下のクラックの数密度が3個/mm以上1000個/mm以下であり、
    面積%で、ベイナイト:60%以上、残留オーステナイト:1%以上、マルテンサイト:1%以上、およびフェライト:2%以上20%未満を含有するとともに、マルテンサイトおよび残留オーステナイトの最近接距離の平均値である超硬質相平均間隔が20μm以下である鋼組織を有し、
    前記合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、引張強さ(TS)が780MPa以上である機械特性を有することを特徴とする、合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
  2. 前記化学組成がBi:0.5質量%以下をさらに含有し、前記濃化部平均間隔が500μm以下である、請求項1に記載の合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
  3. 前記化学組成が、質量%で、Ti:1.0%以下、Nb:1.0%以下、V:1.0%以下、W:1.0%以下、Cr:1.0%以下、Mo:1.0%以下、Cu:1.0%以下、Ni:1.0%、およびB:0.01%以下からなる群から選択される1種または2種以上をさらに含有する、請求項1または請求項2に記載の合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
  4. 前記化学組成が、質量%で、REM:0.1%以下、Mg:0.05%以下、Ca:0.05%以下、およびZr:0.05%以下からなる群から選択される1種または2種以上をさらに含有する請求項1〜請求項3のいずれかに記載の合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
  5. 前記超硬質相平均間隔が10μm以下である、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
  6. 下記工程(A)〜(E)を有することを特徴とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法:
    (A)請求項1〜請求項4のいずれかに記載の化学組成を有する溶鋼を、鋳片表面から10mmの深さの位置における液相線温度から固相線温度までの温度域内の平均冷却速度が10℃/秒以上となる条件で鋳造する鋳造工程;
    (B)前記鋳造工程により得られた鋳片を熱間圧延に供し、800℃以上の温度域で熱間圧延を完了し、10℃/秒以上の平均冷却速度で冷却して、300℃以上580℃未満の温度域で巻取って熱延鋼板とする熱間圧延工程;
    (C)前記熱間圧延工程により得られた熱延鋼板に下記式(1)を満足する条件下で酸洗処理を施して酸洗鋼板とする酸洗工程;
    (D)前記酸洗工程により得られた酸洗鋼板に20%以上の圧下率の冷間圧延を施して冷延鋼板とする冷間圧延工程;および
    (E)前記冷間圧延工程により得られた冷延鋼板を750℃以上1000℃以下の温度域に5秒間以上1000秒間以下保持したのち、2℃/秒以上70℃/秒以下の平均冷却速度で300℃以上580℃以下の温度域まで冷却してこの温度域に2秒間以上保持し、次いで溶融亜鉛めっきを施して溶融亜鉛めっき鋼板とし、700℃以下の温度域に120秒間以下保持する合金化処理を施して合金化溶融亜鉛めっき鋼板とする連続溶融亜鉛めっき工程。
    5000≦酸濃度(質量%)×酸温度(℃)×酸浸漬時間(秒)≦2000000 (1)
  7. 下記工程(a)〜(f)を有することを特徴とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法:
    (a)請求項1〜請求項4のいずれかに記載の化学組成を有する溶鋼を、鋳片表面から10mmの深さの位置における液相線温度から固相線温度までの温度域内の平均冷却速度が10℃/秒以上となる条件で鋳造する鋳造工程;
    (b)前記鋳造工程により得られた鋳片を熱間圧延に供し、800℃以上の温度域で熱間圧延を完了し、10℃/秒以上の平均冷却速度で冷却して、300℃以上580℃未満の温度域で巻取って熱延鋼板とする熱間圧延工程;
    (c)前記熱間圧延工程により得られた熱延鋼板に下記式(1)を満足する条件下で酸洗処理を施して酸洗鋼板とする酸洗工程;
    (d)前記酸洗工程により得られた酸洗鋼板に20%以上の圧下率の冷間圧延を施して冷延鋼板とする冷間圧延工程;
    (e)前記冷間圧延工程により得られた冷延鋼板に、750℃以上の温度域に5秒間以上保持したのち、2℃/秒以上200℃/秒以下の平均冷却速度で250℃以上580℃以下の温度域まで冷却する前焼鈍を施す前焼鈍工程;および
    (f)前記前焼鈍工程により得られた冷延鋼板を750℃以上1000℃以下の温度域に5秒間以上1000秒間以下保持したのち、2℃/秒以上70℃/秒以下の平均冷却速度で300℃以上580℃以下の温度域まで冷却してこの温度域に2秒間以上保持し、次いで溶融亜鉛めっきを施して溶融亜鉛めっき鋼板とし、700℃以下の温度域に120秒間以下保持する合金化処理を施して合金化溶融亜鉛めっき鋼板とする連続溶融亜鉛めっき工程。
    5000≦酸濃度(質量%)×酸温度(℃)×酸浸漬時間(秒)≦2000000 (1)
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