JP2012219135A - 2成分形アクリル樹脂系接着剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】被着体の貼り合わせ部分よりはみ出した部分の表面硬化性が良好で,またA剤とB剤のそれぞれの保存安定性が良好な2成分形アクリル樹脂系接着剤組成物を提供することにある。
【解決手段】重合性(メタ)アクリルモノマーと,有機過酸化物と,3個以上のメルカプト基を有する有機化合物とを含むA剤と,重合性(メタ)アクリルモノマーと,有機過酸化物とレドックス触媒系を形成する還元剤とを含むB剤,とから成ることを特徴とする2成分形アクリル樹脂系接着剤組成物。
【選択図】なし
【解決手段】重合性(メタ)アクリルモノマーと,有機過酸化物と,3個以上のメルカプト基を有する有機化合物とを含むA剤と,重合性(メタ)アクリルモノマーと,有機過酸化物とレドックス触媒系を形成する還元剤とを含むB剤,とから成ることを特徴とする2成分形アクリル樹脂系接着剤組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は,表面硬化性が良好な2成分形アクリル樹脂系接着剤組成物に関する。
従来,室温で空気接触面まで完全に硬化し,木材等に対しても硬化が阻害されることなく優れた接着性を示す二液主剤型アクリル系接着剤が提案されている(特許文献1)。また,金属と,紙,布,コンクリート構造体等の気孔性材料とを強固に接着する接着剤組成物とそれを用いた接合体,接着剤組成物の製造方法が提案されている(特許文献2)。
特許文献1に係る二液主剤型アクリル系接着剤は,重合性(メタ)アクリルモノマーおよび有機過酸化物を主成分とするA剤と,重合性(メタ)アクリルモノマーおよびA剤中の有機過酸化物とレドックス触媒系を形成する還元剤を主成分とするB剤からなる二液主剤型アクリル系接着剤において,A剤中に少なくとも特定の酸性リン化合物の1種または2種以上が含有されており,B剤中の還元剤が可溶性バナジウム化合物であることを特徴としている。
また特許文献2に係る接着剤組成物とそれを用いた接合体,接着剤組成物の製造方法は,(イ)(メタ)アクリル酸エステルモノマーに,(ロ)クメンハイドロパーオキサイド,(ハ)コバルト石鹸,(ニ)含窒素化合物,(ホ)リン酸(メタ)アクリレートからなることを特徴としている。
しかし,特許文献1に係る二液主剤型アクリル系接着剤は,A剤中に少なくとも特定の酸性リン化合物の1種または2種以上を配合し,可溶性バナジウム化合物はこれとは別にB剤中に配合する必要があり,特に特許文献1の比較例15〜16に示される組成ではB剤中に特定の酸性リン化合物と可溶性バナジウム化合物であるバナジルアセチルアセトネートを共存させると,該B剤の保存安定性が十分ではなく二液アクリル系接着剤としては適当ではないという課題があった。
また,A剤とB剤の保存安定性が良好なものは,指触乾燥時間(表面硬化性)が長時間となる傾向にあり,これを解決するために一般的に使用されるパラフィンワックス等を添加しても表面硬化性に対する効果は少ないという課題があった。
一方,特許文献2に係る接着剤組成物とそれを用いた接合体,接着剤組成物の製造方法では,該接着剤組成物中のリン酸(メタ)アクリレートを金属との接着界面に作用させて金属や金属酸化表面に強力に接着させるためには,特許文献2の段落0016に記載のように,含窒素化合物をコバルトイオンに作用させてリン酸アクリレートがコバルトイオンに配位することで失活することを阻止または緩和させる必要が有り,そのためには該特許文献2の請求項7に記載のように,予めコバルト石鹸と含窒素化合物を混合しなければならないという課題があった。このため,仮に配合手順を誤ったり,リン酸アクリレートの失活の阻止または緩和が不十分であると,金属との接着が十分でない場合があるという課題となっていた。
本発明が解決しようとする課題は,被着体の貼り合わせ部分よりはみ出した部分の表面硬化性が良好で,またA剤とB剤のそれぞれの保存安定性が良好な2成分形アクリル樹脂系接着剤組成物を提供することにある。
請求項1記載の発明は,重合性(メタ)アクリルモノマーと,有機過酸化物と,3個以上のメルカプト基を有する有機化合物とを含むA剤と,重合性(メタ)アクリルモノマーと,有機過酸化物とレドックス触媒系を形成する還元剤とを含むB剤とから成ることを特徴とする2成分形アクリル樹脂系接着剤組成物である。
請求項2記載の発明は,請求項1記載の2成分形アクリル樹脂系接着剤組成物において,有機過酸化物とレドックス触媒系を形成する還元剤が有機バナジウム化合物であることを特徴とする2成分形アクリル樹脂系接着剤組成物である。
本発明に係る請求項1記載の2成分形アクリル樹脂系接着剤組成物は,表面硬化性及び保存安定性が良好であるという効果がある。
以下本発明について詳細に説明する。
請求項1記載の発明は,重合性(メタ)アクリルモノマーと,有機過酸化物と,3個以上のメルカプト基を有する有機化合物とを含むA剤と,重合性(メタ)アクリルモノマーと,有機過酸化物とレドックス触媒系を形成する還元剤を含むB剤から成ることを特徴とする2成分形アクリル樹脂系接着剤組成物であり,請求項2記載の発明は,請求項1記載の2成分形アクリル樹脂系接着剤組成物において,有機過酸化物とレドックス触媒系を形成する還元剤が有機バナジウム化合物であることを特徴とする2成分形アクリル樹脂系接着剤組成物である。
重合性(メタ)アクリルモノマー
重合性(メタ)アクリルモノマーは,少なくとも重合性アクリル酸誘導体と重合性メタアクリル酸誘導体のどちらかを含んだアクリルモノマーであり,液状乃至固形状のものを使用することができる。またここでいう重合性(メタ)アクリルモノマーには,特に断らない限り,以下に説明する重合性(メタ)アクリル基を持つリン化合物を含まない。
重合性(メタ)アクリルモノマーは,少なくとも重合性アクリル酸誘導体と重合性メタアクリル酸誘導体のどちらかを含んだアクリルモノマーであり,液状乃至固形状のものを使用することができる。またここでいう重合性(メタ)アクリルモノマーには,特に断らない限り,以下に説明する重合性(メタ)アクリル基を持つリン化合物を含まない。
固形状の重合性(メタ)アクリルモノマーを使用する際には液状の重合性(メタ)アクリルモノマーと併用し,液状の重合性(メタ)アクリルモノマーに溶解して使用する。重合性(メタ)アクリル酸誘導体としては,(メタ)アクリル酸,メチル(メタ)アクリレート,エチル(メタ)アクリレート,プロピル(メタ)アクリレート,ブチル(メタ)アクリレート,2−エチルへキシル(メタ)アクリレート,イソオクチル(メタ)アクリレート,イソオクチル(メタ)アクリレート,イソデシル(メタ)アクリレート,フェニル(メタ)アクリレート,1,6ヘキサンジオール(メタ)アクリレート,ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート,トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等が挙げられ,これらは単独あるいは2種以上を混合して使用する。また,重合性(メタ)アクリルモノマーは上記に記載されるものに限定されるものではなく一般的に市販されている重合性(メタ)アクリルモノマーを使用することが出来る。
有機過酸化物
有機過酸化物はラジカル開始剤であり,有機バナジウム化合物とあわせてレドックス系重合開始剤として作用する。有機過酸化物としては例えば,クメンハイドロパーオキサイド,パラメンタンハイドロパーオキサイド,ターシャリーブチルハイドロパーオキサイド,ジイソプロピルベンゼンジハイドロパーオキサイド,メチルエチルケトンパーオキサイド,ベンゾイルパーオキサイド及びターシャリーブチルパーオキシベンゾエート等が挙げられる。これらの中では,反応性の点で,クメンハイドロパーオキサイドが好ましく,配合量は重合性(メタ)アクリルモノマー及び重合性(メタ)アクリル基を持つ酸性リン化合物との総量に対して0.05重量部以上10重量部未満が好ましい。0.05重量部未満では硬化が不十分であり,10重量部以上では可使時間が短くなり作業性が不良となるが,最終的には必要とする硬化時間及び作業性を考慮して決定することができる。
有機過酸化物はラジカル開始剤であり,有機バナジウム化合物とあわせてレドックス系重合開始剤として作用する。有機過酸化物としては例えば,クメンハイドロパーオキサイド,パラメンタンハイドロパーオキサイド,ターシャリーブチルハイドロパーオキサイド,ジイソプロピルベンゼンジハイドロパーオキサイド,メチルエチルケトンパーオキサイド,ベンゾイルパーオキサイド及びターシャリーブチルパーオキシベンゾエート等が挙げられる。これらの中では,反応性の点で,クメンハイドロパーオキサイドが好ましく,配合量は重合性(メタ)アクリルモノマー及び重合性(メタ)アクリル基を持つ酸性リン化合物との総量に対して0.05重量部以上10重量部未満が好ましい。0.05重量部未満では硬化が不十分であり,10重量部以上では可使時間が短くなり作業性が不良となるが,最終的には必要とする硬化時間及び作業性を考慮して決定することができる。
3個以上のメルカプト基を有する有機化合物
3個以上のメルカプト基を有する有機化合物は,本発明の2成分形アクリル樹脂系接着剤組成物の表面硬化性を改善する。3個以上のメルカプト基を有する化合物としては,例えばトリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート),トリス[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)−エチル]イソシアヌレート,ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)などが挙げられる。配合量は,A剤中の前記重合性(メタ)アクリルモノマー100重量部に対して0.1重量部以上50重量部未満であって,より好ましくは1重量部以上10重量部未満である。0.1重量部未満では十分な表面硬化性が得られず,50重量部以上では保存安定性が低下する。また1重量部未満では表面硬化性が低下する傾向にあり,10重量部以上では保存性が低下する傾向にある。
3個以上のメルカプト基を有する有機化合物は,本発明の2成分形アクリル樹脂系接着剤組成物の表面硬化性を改善する。3個以上のメルカプト基を有する化合物としては,例えばトリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート),トリス[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)−エチル]イソシアヌレート,ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)などが挙げられる。配合量は,A剤中の前記重合性(メタ)アクリルモノマー100重量部に対して0.1重量部以上50重量部未満であって,より好ましくは1重量部以上10重量部未満である。0.1重量部未満では十分な表面硬化性が得られず,50重量部以上では保存安定性が低下する。また1重量部未満では表面硬化性が低下する傾向にあり,10重量部以上では保存性が低下する傾向にある。
有機過酸化物とレドックス触媒系を形成する還元剤
有機過酸化物とレドックス触媒系を形成する還元剤としては,前記有機過酸化物と反応しラジカルを発生する還元剤であれば使用できる。還元剤としては,第3級アミン,チオ尿素誘導体及び金属塩等が挙げられる。第3級アミンとしては,トリエチルアミン,トリプロピルアミン,N,N−ジメチルパラトルイジン等が挙げられる。チオ尿素誘導体としては,2−メルカプトベンズイミダゾール,メチルチオ尿素,ジブチルチオ尿素,テトラメチルチオ尿素及びエチレンチオ尿素等が挙げられる。金属塩としては,ナフテン酸コバルト,ナフテン酸銅及びバナジルアセチルアセトネート等が挙げられる。もちろん,これらの1種または2種以上を使用してもよい。
有機過酸化物とレドックス触媒系を形成する還元剤としては,前記有機過酸化物と反応しラジカルを発生する還元剤であれば使用できる。還元剤としては,第3級アミン,チオ尿素誘導体及び金属塩等が挙げられる。第3級アミンとしては,トリエチルアミン,トリプロピルアミン,N,N−ジメチルパラトルイジン等が挙げられる。チオ尿素誘導体としては,2−メルカプトベンズイミダゾール,メチルチオ尿素,ジブチルチオ尿素,テトラメチルチオ尿素及びエチレンチオ尿素等が挙げられる。金属塩としては,ナフテン酸コバルト,ナフテン酸銅及びバナジルアセチルアセトネート等が挙げられる。もちろん,これらの1種または2種以上を使用してもよい。
有機バナジウム化合物
有機バナジウム化合物は,有機過酸化物のラジカル発生促進剤である。バナジルアセチルアセトネート,バナジルステアレート,バナジウムナフテネート,バナジウムアセチルアセトネート,バナジウムベンゾイルアセトネート,シュウ酸バナジル等が挙げられる。配合量としては,B剤中の重合性(メタ)アクリルモノマー100重量部に対して0.01重量部以上10重量部未満を配合し,より好ましくは1重量部以上5重量部未満である。0.01重量部未満では十分な硬化性が得られず,10重量部以上では貯蔵安定性が低下する。また1重量部未満では硬化性が低下する傾向にあり,5重量部以上では貯蔵安定性が低下する傾向にある。
有機バナジウム化合物は,有機過酸化物のラジカル発生促進剤である。バナジルアセチルアセトネート,バナジルステアレート,バナジウムナフテネート,バナジウムアセチルアセトネート,バナジウムベンゾイルアセトネート,シュウ酸バナジル等が挙げられる。配合量としては,B剤中の重合性(メタ)アクリルモノマー100重量部に対して0.01重量部以上10重量部未満を配合し,より好ましくは1重量部以上5重量部未満である。0.01重量部未満では十分な硬化性が得られず,10重量部以上では貯蔵安定性が低下する。また1重量部未満では硬化性が低下する傾向にあり,5重量部以上では貯蔵安定性が低下する傾向にある。
その他,本発明に係る2成分系アクリル樹脂系接着剤組成物には,上記化合物の他,モノメチルフォスフェート,ジメチルフォスフェートなどの重合性(メタ)アクリル基を持たない酸性リン酸化合物,及び2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−ジヒドロホスフェート,ジ−(2−(メタ)アクリロイルオキシ)ヒドロゲンホスフェート,ジペンタエリストリールペンタ(メタ)アクリロイルオキシジヒドロゲンホスフェート等の重合性(メタ)アクリル基を持つリン化合物を配合することができ,さらには乳酸,酒石酸,リンゴ酸,グリコール酸,クエン酸等のα−ヒドロキシカルボン酸,パラフィンワックスなどを硬化性調整のため配合しても良く,さらにはDOP,DBP,DBE等の可塑剤を配合することもできる。
なお,重合性(メタ)アクリル基を持つリン化合物を配合する場合は,上記重合性(メタ)アクリルモノマー100重量部に対し,0.01重量部以上配合され,好ましくは5重量部以上配合される。配合量の上限は該重合性(メタ)アクリル基を持つリン化合物が広義には前記重合性(メタ)アクリレートモノマーに含まれるため,前記重合性(メタ)アクリレートモノマーと該重合性(メタ)アクリル基を持つリン化合物の硬化によって発現されるところの,目的とする接着剤組成物の物理的強度や伸び等によって決定することができる。重合性(メタ)アクリル基を持つリン化合物を配合することによって金属に対する密着性向上の効果があるが,0.01重量部未満では十分な接着性向上効果が得られない。5重量部以下では接着性の向上効果が低くなる傾向がある。
本発明は,上記のように,請求項1記載の発明は,重合性(メタ)アクリルモノマーと,有機過酸化物と,3個以上のメルカプト基を有する有機化合物とを含むA剤と,重合性(メタ)アクリルモノマーと,有機バナジウム化合物とを含むB剤から成り,請求項2記載の発明は,係る2成分形アクリル樹脂系接着剤組成物において,有機過酸化物とレドックス触媒系を形成する還元剤が有機バナジウム化合物であることを特徴とするが,貯蔵安定性を向上させる目的で,重合禁止剤を配合することができる。重合禁止剤としては,例えばハイドロキノン,ハイドロキノンモノメチルエーテル,2,6−ジターシャリーブチル−p−クレゾール,2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ターシャリーブチルフェノール),トリフェニルホスファイト,フェノチアジン及びN−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン等を挙げることができる。配合量はA剤中またはB剤中の重合性(メタ)アクリルモノマー及び重合性(メタ)アクリル基を持つ酸性リン化合物の合計量に対して0.01重量部以上10重量部未満が好ましく,0.01重量部未満では貯蔵安定性が不十分となり,10重量部以上ではA剤とB剤を混合して使用する際に硬化不良となるが,最終的には必要とする貯蔵安定性と硬化状態を考慮して決定することができる。
以下,実施例及び比較例にて本出願に係る2成分形アクリル樹脂系接着剤組成物について具体的に説明する。
実施例1乃至実施例5及び比較例1乃至比較例3
表1に示すような配合にて,各材料を均一に混合することにより実施例1乃至実施例5及び比較例1乃至比較例3のA剤とB剤を作製した。比較例1及び比較例2はA剤に3個以上のメルカプト基を有する有機化合物を含まず,比較例3は実施例1のトリメチロールプロパントリス(3メルカプトプロピオネート)に代えてパラフィンワックスを配合した。
表1に示すような配合にて,各材料を均一に混合することにより実施例1乃至実施例5及び比較例1乃至比較例3のA剤とB剤を作製した。比較例1及び比較例2はA剤に3個以上のメルカプト基を有する有機化合物を含まず,比較例3は実施例1のトリメチロールプロパントリス(3メルカプトプロピオネート)に代えてパラフィンワックスを配合した。
重合性(メタ)アクリルモノマーXには,NKエステルBPE−500(商品名,新中村化学(株)製,エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート)を,重合性(メタ)アクリルモノマーYには,NKエステル1206PE(商品名,新中村化学(株)製,エトキシ化ポリプロピレングリコールジメタクリレート)を,重合性(メタ)アクリルモノマーZにはサートマーSR9045(商品名,サートマー社製,アルコキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレートモノマー)を,重合性(メタ)アクリル基を持つリン化合物にはカヤマーPM−21(商品名,日本化薬(株)製,エチレンオキサイド変性リン酸ジメタクリレート)を,パラフィンワックスにはWAX−125(商品名,日本精蝋製)を使用した。
評価項目および試験方法
表面硬化性
A剤5g,B剤を5gを混合し,多孔質材料である合板の上に200g/m2塗布する。23℃1時間養生後,表面を指触にて確認し,未硬化成分がなくベタツキがないものを○,未硬化性成分がありベタツキがあるものを×とした。
接着性
A剤5g,B剤を5gを混合し,発泡ポリスチレン板(40mm×40mm×100mm)の40mm×40mm面に100g/m2塗布し,同一形状の発泡ポリスチレン板の同一面を貼り合わせる。23℃24時間養生後,接着面を支点に折り曲げを行う。この際の破壊状態を目視にて確認し,材破率80%以上を○,50%以上〜80%未満を△,50%未満を×とした。
保存性
A剤50g,B剤50gそれぞれをガラス瓶に入れ,30℃雰囲気下7日間保存した。液状を維持していて成分の分離や固形物が確認されないものを○,液状を維持しているが成分の分離があるものを△,樹脂中に熱によって硬化した固形物が確認されるものを×,とした。
A剤5g,B剤を5gを混合し,多孔質材料である合板の上に200g/m2塗布する。23℃1時間養生後,表面を指触にて確認し,未硬化成分がなくベタツキがないものを○,未硬化性成分がありベタツキがあるものを×とした。
接着性
A剤5g,B剤を5gを混合し,発泡ポリスチレン板(40mm×40mm×100mm)の40mm×40mm面に100g/m2塗布し,同一形状の発泡ポリスチレン板の同一面を貼り合わせる。23℃24時間養生後,接着面を支点に折り曲げを行う。この際の破壊状態を目視にて確認し,材破率80%以上を○,50%以上〜80%未満を△,50%未満を×とした。
保存性
A剤50g,B剤50gそれぞれをガラス瓶に入れ,30℃雰囲気下7日間保存した。液状を維持していて成分の分離や固形物が確認されないものを○,液状を維持しているが成分の分離があるものを△,樹脂中に熱によって硬化した固形物が確認されるものを×,とした。
評価結果
評価結果を表2に示す。
評価結果を表2に示す。
総合評価
3個以上のメルカプト基を有する有機化合物を含むA剤を使用した実施例1〜5については良好な表面硬化性を示したのに対し,3個以上のメルカプト基を有する有機化合物を配合しないA剤を使用した比較例1,2については表面硬化性が不十分であった。またパラフィンワックスを使用した比較例3については表面硬化性はやや向上するものの,A剤を23℃にて1時間程度放置するとワックス成分が分離し,且つ表面硬化性も不十分であった。
3個以上のメルカプト基を有する有機化合物を含むA剤を使用した実施例1〜5については良好な表面硬化性を示したのに対し,3個以上のメルカプト基を有する有機化合物を配合しないA剤を使用した比較例1,2については表面硬化性が不十分であった。またパラフィンワックスを使用した比較例3については表面硬化性はやや向上するものの,A剤を23℃にて1時間程度放置するとワックス成分が分離し,且つ表面硬化性も不十分であった。
Claims (2)
- 重合性(メタ)アクリルモノマーと,有機過酸化物と,3個以上のメルカプト基を有する有機化合物とを含むA剤と,重合性(メタ)アクリルモノマーと,有機過酸化物とレドックス触媒系を形成する還元剤とを含むB剤,とから成ることを特徴とする2成分形アクリル樹脂系接着剤組成物。
- 請求項1記載の2成分形アクリル樹脂系接着剤組成物において,有機過酸化物とレドックス触媒系を形成する還元剤が有機バナジウム化合物であることを特徴とする2成分形アクリル樹脂系接着剤組成物。
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