JP2012218594A - 空気入りタイヤとリムとの組立体 - Google Patents

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Abstract

【課題】タイヤ空洞内において、組立体の回転に伴う遠心力により、リムの外周面からタイヤ半径方向に立ち上がり状態を維持し易くし、耐久性を有し、かつ、騒音低減効果のある吸音装置を備えた空気入りタイヤとリムとの組立体を提供する。
【解決手段】空気入りタイヤとリムとの組立体は、空気入りタイヤ10をリム11に装着することにより、空気入りタイヤとリムとの間にタイヤ空洞12を形成する空気入りタイヤとリムとの組立体であって、前記リムに接着され、組立体の回転に伴う遠心力によりタイヤ空洞内においてタイヤ径方向へ立ち上がる1以上の吸音装置13を有しており、前記吸音装置は、ゴム材14とその一端側に設けられた吸音材15とからなり、前記ゴム材は、その他端側がリムに対する接着部であって、該ゴム材は、立ち上がり方向に屈曲した状態を維持し易い構造(蛇腹状)としたことを特徴とする。
【選択図】図6

Description

本発明は、走行中の車両のロードノイズを低減する空気入りタイヤとリムとの組立体に関する。
近年、自動車等の車両の走行時における騒音に対して、さらなる低騒音化、静粛化が望まれている。自動車等の車両の走行時に発生する騒音には様々なものがあるが、中でもタイヤにより発生する騒音については、荒れた路面を走行した際に、50〜400Hzの周波数範囲で「ゴー」といういわゆるロードノイズがあり、このロードノイズは車両内に伝わり、乗員に不快感を与えている。このようなロードノイズには、空気入りタイヤをリムに装着した際に、リム周囲に形成されかつタイヤとリムとが囲む空洞が気柱管を構成して空気が共鳴振動(空洞共鳴)することにより発生するものがある。
そこで、タイヤ内部空洞で発生する共鳴を低減させ、車両内に伝わる騒音を低減させるための技術として、下記特許文献1及び2に示されるように、空洞内に吸音や遮音のための物体を配する方法が提案されている。
下記特許文献1には、空気入りタイヤとリムとの組立体において、組立体の回転に伴う遠心力によりリムの外周面からタイヤ半径方向に立ち上がり、タイヤ内腔を遮る1以上の立ち上がり部を配置し、該立ち上がり部は、少なくとも一部に不織布からなる吸音部を具えた構造が示されている。また、立ち上がり部としては、タイヤ内腔で立ち上がり、かつ、空気を透過しないものであれば、バンド基体を切り込んだ切り込み片より形成されることに限定されることなく種々のものを採用できることが示されている。さらに、バンド基体は伸縮性のある加硫ゴムからなり、厚さはリム装着前において0.5〜3mmにすることが示されている。さらにまた、不織布の厚さは10mm未満にすることが示されている。
下記特許文献2には、両サイドのビードのところでタイヤの内壁に結合され、その他のところ、即ち、サイドウォール及びクラウンのところでは結合されていない気泡層を具えたタイヤが示されている。そして、この気泡層は、大部分がタイヤの内壁に結合されておらず、それにより、この気泡層は、第1空洞モードのピークに対して減衰作用を発揮することが示されている。すなわち、多孔質吸音材をタイヤ空洞内に配置しており、タイヤの断面内方向に音が透過した際に低減効果が得られる構造となっている。
特開2001−347807号公報 特開2008−273517号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の構造では、立ち上がり部が車体の加減速やタイヤ空洞内の空気流れ等の影響を受けると、垂直に立ち上がった状態を保持できない。
また、上記特許文献2に記載の構造では、製造が難しく、コストが高い欠点がある。また、タイヤ空洞内の遮蔽体は体積が大きいほど空洞共鳴が下がることが知られており、そのことからすれば、気泡層により形成される折り畳み部の体積が小さく、折り畳み部により空洞内を遮る領域が小さいために、騒音低減の効果が少ない。
そこで、本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、タイヤ空洞内において、組立体の回転に伴う遠心力により、リムの外周面からタイヤ半径方向に立ち上がるだけでなく、立ち上がり部が車体の加減速やタイヤ空洞内の空気流れ等の影響を受けても、ほぼ垂直に立ち上がった状態を保持し、走行状態にかかわらず、騒音を低減できる吸音装置を備えた空気入りタイヤとリムとの組立体を開発した。
本発明に係る空気入りタイヤとリムとの組立体は、空気入りタイヤをリムに装着することにより、空気入りタイヤとリムとの間にタイヤ空洞を形成する空気入りタイヤとリムとの組立体であって、前記リムに接着され、組立体の回転に伴う遠心力によりタイヤ空洞内においてタイヤ径方向へ立ち上がる1以上の吸音装置を有しており、前記吸音装置は、ゴム材とその一端側に設けられた吸音材とからなり、前記ゴム材は、その他端側がリムに対する接着部であって、該ゴム材は、立ち上がり方向に屈曲し、更にその状態を維持しやすい構造としたことを特徴とする。
上記の構成において、吸音材の材質としては、空気の透過性、吸音性及び重量を考慮して、不織布やフェルトなどの3次元立体繊維構造体を使用することが望ましい。また、ゴム材及び吸音材の形状は、平板状のものに限らず、柱状や円筒状のものでもよい。さらに、平板状のゴム材及び吸音材を使用することを例にとると、ゴム材の厚みは0.5〜3mmが好ましく、吸音材の厚みは2〜30mmが好ましく、ゴム材との接着強度を維持できる程度にゴム材と吸音材の厚みを調整するのが望ましい。ゴム材においては、リムとの接着部を薄くし、吸音材の接着部を厚くするように厚みが変化するものでもよく、吸音材についても、ゴム材との接着部をゴム材の厚みに合わせて薄くし、漸次厚く変化するようなものでもよい。
上記構成において、ゴム材は、少なくとも接着部に近接する非接着部を含む領域において、ゴム材を複層構造とし、立ち上がり方向に屈曲した状態を維持し易い構造としてもよい。
また、上記のゴム材において、立ち上がり方向に屈曲した状態を維持し易い構造としては、ゴム材の上部にリム幅方向の溝を形成してもよい。
さらに、上記のゴム材において、立ち上がり方向に屈曲した状態を維持し易い構造としては、ゴム材の上層部がゴム材の下層部より硬質のゴムか、又は、ゴム材の上層部が温度によるゴムの軟化性が低いゴムよりなる複層構造としてもよい。
さらにまた、上記のゴム材は、形状記憶素材が組み込まれ、温度の上昇により前記形状記憶素材がゴム材を立ち上がらせる方向に屈曲し、その状態を維持するように構成してもよい。
また、上記の各ゴム材は、その接着部がリム面に沿って接着する構成としてもよい。
さらに、上記の各ゴム材は、その接着部が他端側の端面であり、リム面に対して直立する方向に接着する構成としてもよい。
上記のように構成したことにより、タイヤ空洞内の吸音装置による空洞共鳴の影響として、空気の流れが吸音材に当たることにより空気の流れに乱れが生じ、空洞共鳴が低減する。なお、吸音材の体積が大きいほど、空気の流れに大きな乱れが生じる。また、リムとの接着部がゴム材であることにより、吸音材を直接リムに取り付ける場合に比べて、吸音材の曲げ剛性に影響されずに吸音装置を遠心力により立ち上がらせることができる。さらに、タイヤ空洞内の空気と吸音材との音響インピーダンスが相違するため、その異なる界面における音波の反射や吸音材内部への透過により騒音エネルギーが減衰する。また、吸音材の素材内における音響エネルギーが熱に変換されることにより、騒音エネルギーが減衰する。
したがって、本発明に係る空気入りタイヤとリムとの組立体は、タイヤ空洞内において、組立体の回転に伴う遠心力によりリムの外周面からタイヤ半径方向に立ち上がり状態を維持し易くなり、騒音低減の効果をより一層増大させる利点がある。また、ゴム材の一端側に吸音材が設けられ、ゴム材の他端側が接着部であるため、吸音材が繰り返し立ち上がり、また、揺動することに対して吸音装置の耐久性が向上する。
本発明の実施形態に係るタイヤ径方向断面の模式図である。 本発明の実施形態に係るタイヤ幅方向断面の模式図である。 本発明の実施形態に係る吸音装置の模式図である。 本発明の実施形態に係る吸音装置と比較例1における吸音装置との設置状態を示す模式図であり、図中の(a)は実施形態に係る吸音装置であり、図中の(b)は比較例1における吸音装置である。 本発明の実施例1に係る吸音装置の模式図である。 本発明の実施例1に係るタイヤ断面の一部省略斜視図である。 本発明の実施例1に係る吸音装置の立ち上がり状態を示す断面図である。 本発明の実施例1に係る吸音装置を示し、図中の(a)は平面図であり、(b)は側面図である。 本発明の実施例1に係る吸音装置の溝形状の変更例を示す断面模式図であり、図中の(a)は変更例1であり、(b)は変更例2であり、(c)は変更例3であり、(d)は変更例4であり、(e)は変更例5である。 本発明の実施例1と変更例1と変更例2と比較例3とにおける溝形状の比較図であり、図中の(a)は実施例1であり、図中の(b)は変更例1であり、図中の(c)は変更例2であり、図中の(d)は比較例3である。 本発明の実施例2に係る吸音装置の模式図である。 本発明の実施例2に係るタイヤ断面の一部省略斜視図である。 本発明の実施例2に係る吸音装置の立ち上がり状態を示す断面図である。 本発明の実施例2に係る吸音装置の変更例を示す断面模式図である。 本発明の実施例3に係るタイヤ断面の一部省略斜視図である。 本発明の実施例3に係る吸音装置を示し、図中の(a)はタイヤ転動時において吸音装置が直立した状態を示すタイヤ周方向断面図であり、図中の(b)はタイヤ静止時において吸音装置が寝ている状態を示すタイヤ周方向断面図である。
以下、本発明に係る 空気入りタイヤとリムとの組立体の好適な実施の形態を添付の図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、空気入りタイヤAとリムBとが形成するタイヤ空洞Cに吸音装置Dを3箇所設置し、吸音装置Dにおける吸音材Eが立ち上がっている状態を示すタイヤ径方向の断面を表す模式図である。図1に示すように、タイヤ周長に対して等間隔に吸音装置Dを設置するのが空気入りタイヤAとリムBとの組立体のバランスを保つ意味で好ましい。なお、図1においては3箇所であるが、これに限られるものではない。図2は、空気入りタイヤAとリムBとが形成するタイヤ空洞Cに設置した吸音装置Dの吸音材Eが立ち上がっている状態を示すタイヤ幅方向の断面を表す模式図である。図2に示されるように、タイヤ空洞部Cにおいて、吸音材Eは遠心力によりリムBの外周面B1から垂直に立ち上がる。図3は、吸音装置Dにおいてゴム材Fが屈曲して吸音材Eが立ち上がった状態を示す模式図である。本発明にかかる実施形態は、ゴム材FがリムBから立ち上がる方向に屈曲した状態を維持し易くするために、ゴム材Fに下記実施例に詳細に示す構成を付加したものである。
図4は、本発明の実施形態の有効性を比較するために、本発明の実施形態により吸音装置Eが立ち上がっている状態と、特許文献1に示される吸音装置(比較例1)が立ち上がっている状態とを示す模式図である。この実施形態と比較例1と吸音装置を設置しない状態(比較例2)とについて比較テストを行った結果、表1に示す結果となった。
比較テストにおいては、リムサイズが17×7−JJの一般の自動車用ホイールに、サイズ215/55R17のタイヤをリム組みした(空気圧230kPa)。ドラム試験では、アスファルトのように表面に凹凸を設けたドラム(外周5364.5mm)において、速度60km/hでドラムを回転させながら、タイヤにドラム方向に荷重4.4kNをかけて、上下(荷重)方向及び前後方向の軸にかかる力を計測し、空洞共鳴周波数域におけるそれぞれのピークレベルを比較した。なお、500Hz以下の周波数位置の車室内騒音は、構造物(サスペンションからボディまで)を伝わる個体伝播が主であり、タイヤ軸力が車室内騒音と関係している。
Figure 2012218594
以上の結果から、本実施形態による吸音装置Dが騒音低減に有効であることが判る。
図5〜図10は、実施例1に関するものであり、図5〜図8において、10は空気入りタイヤであり、11はリムであり、リム11に空気入りタイヤ10を嵌め込んだ組立体としたときにタイヤ空洞12が形成され、リム11上には、吸音装置13が取り付けられている。該吸音装置13は、ゴム材部分14と吸音材部分15とからなり、ゴム材部分14の一方の端部側に吸音材部分15を突き合わせて、貼着等の接着手段により取り付けられており、ゴム材部分14の他方の端部側はリム11に対する接着部14aであり、リム11の表面に沿って貼着されている。したがって、吸音装置13は、ゴム材部分14の接着部14aのみがリム11に接着しており、それ以外は、リム11に接着されていないので、組立体が回転すると、遠心力によりリム11に接着されていない吸音材部分15を含む吸音装置13の一部がタイヤ空洞12内においてタイヤ径方向に立ち上がる。このゴム材部分14には、前記の接着部14aに近接する非接着部を含む領域において、ゴム材部分14の上層部にリム幅方向の複数の溝16が形成された蛇腹部17となっており、ゴム材部分14はこの蛇腹部17により立ち上がり方向に屈曲した状態を維持しやすくなっている。溝16は、掘り下げ部分の先端部16aが鋭角となっており、頂部16bは細幅(約0.1mm)の平坦部をなす断面形状である。ゴム材部分の厚みは、本実施例においては3mmであるが、1〜3mmの範囲が好ましく、その範囲未満であると溝16を形成したときの強度が不足し、その範囲を超えると質量が大きくなりすぎる。蛇腹部17の幅は、本実施例においては、4.7mmであるが、1〜6mmの範囲が好ましく、その範囲未満であると屈曲しにくくなり、その範囲を超えると立ち上がり方向に屈曲した状態を維持する機構が上手く働かなくなる。また、溝16の数は、本実施例においては4個であるが、3〜6個の範囲が好ましく、その範囲未満であると強度が不足し、その範囲を超えると生産性が悪くなる。
図9は、実施例1の変更例を示すものであり、実施例1における溝16の変形である。変更例1における溝161の掘り下げ部分の先端部161aが鋭角になっており、頂部161bも鋭角をなす断面形状である。変更例2における溝162は、掘り下げ部分が2段階に角度が変化しており、先端部162aは鋭角であり、頂部162bに向かう途中で角度が広くなっており、頂部162bは、細幅の平坦部をなす断面形状である。変更例3における溝163は掘り下げ部分の先端部163aが円形をなしており、屈曲を繰り返すことにより亀裂が生じるのを防止する効果があり、頂部163bは、細幅の平坦部をなす断面形状である。変更例4における溝164は、掘り下げ部分の先端部164aが湾曲したU事情をなし、頂部164bは、細幅の平坦部をなす断面形状である。変更例5における溝165は実施例1と同様であるが、蛇腹部の一方の端部の頂部165bに突出部165cを形成し、ゴム材部分が屈曲したときに、屈曲しすぎないストッパの役割を果たす断面形状である。
次に、実施例1の吸音装置13における蛇腹部について、その耐久性の比較テストを行ったので、これについて説明する。
図10において、(a)は上記において説明した実施例1に係る吸音装置13におけるゴム材部分14の蛇腹部17を示す。(b)は、上記において説明した変更例1の溝161の断面形状を有する蛇腹部である。(c)は、上記において説明した変更例2の溝162の断面形状を有する蛇腹部である。(d)は、蛇腹部を有しない場合であり、これを比較例3とした。その結果を表2に示す。表中の「変形しやすい範囲」に示す角度はタイヤ法線方向を90°として見た角度である。図10(a)及び図10(b)において、「スリット角度1」とは、溝16、161において、両側の溝壁面が交わることで、溝先端16a、161aで形成される角度であり、80°〜100°/スリット数の範囲が望ましい。また、図10(c)において、「スリット角度1」とは、溝162において、両側の溝壁面の延長上の交点で形成される角度θであり、90°〜100°/スリット数の範囲が望ましく、「スリット角度2」とは、溝162において、両側の溝壁面が交わることで、溝先端162aで形成される角度であり、80°〜90°/スリット数の範囲が望ましい。
Figure 2012218594
その結果、実施例1の蛇腹部17及び変更例2の蛇腹部は耐久性が十分あり、変更例1の蛇腹部は標準的な耐久性があり、比較例3のように蛇腹部を形成しない場合はクラックが発生した結果、耐久性に乏しいことが判った。
図11〜図13は実施例2に関するものであり、実施例2は、実施例1に示すゴム材部分14の構造を変更したものであり、実施例2におけるゴム材部分214は、少なくとも接着部214aに近接する非接着部を含む領域において、その上層部216aが下層部216bより硬質のゴムよりなる複層構造としたものである。なお、前記の硬質のゴムとは、ゴム硬度が軟質か硬質かの違いである場合と、温度によるゴムの軟化性が高い場合と低い場合とを含む。それ以外の構成は実施例1と同様である。すなわち、図11〜図13において、210は空気入りタイヤであり、211はリムであり、リム211に空気入りタイヤ210を嵌め込んだ組立体としたときにタイヤ空洞212が形成され、リム211上には、吸音装置213が取り付けられている。該吸音装置213は、ゴム材部分214と吸音材部分215とからなり、ゴム材部分214の一方の端部側に吸音材部分215を突き合わせて、貼着等の接着手段により取り付けられており、ゴム材部分214の他方の端部側はリム211に対する接着部214aである。したがって、吸音装置213は、ゴム材部分214の接着部214aのみがリム211に接着しており、それ以外は、リム211に接着されていないので、組立体が回転すると、遠心力によりリム211に接着されていない吸音材部分215を含む吸音装置213の一部がタイヤ空洞212内においてタイヤ径方向に立ち上がる。
上記のように、ゴム材を2層とすることで、任意の方向に屈曲した状態を維持しやすくすることができるので、実施例2におけるゴム材部分214においては上層部216aを下層部216bより硬質のゴムとしたので、立ち上がり方向に屈曲した状態を維持しやすくなる。
上記の吸音装置213について、その立ち上がり状態の維持しやすさを比較した。その結果を表3及び表4に示す。表3はゴムの硬度の違いを比較したものであり、表4は温度によるゴムの軟化性の違いを比較したものである。各表中において、「状態の維持しやすさ」とは、立ち上がり部が車体の加減速やタイヤ空洞内の空気流れ等の影響を受けても、ほぼ垂直に立ち上がった状態を保持する能力のことである。また、表3において「硬質」とは、ゴムの硬度が、温度23度におけるモジュラス[単位MPa]が8.0〜15.5の範囲にあるものを望ましいものとして採用し、温度23度におけるモジュラス[単位MPa]が11.5〜15.5の範囲にあるものがさらに望ましい。表3において「軟質」とは、ゴムの硬度が、温度23度におけるモジュラス[単位MPa]が0.5〜8.0の範囲にあるものを望ましいものとして採用し、0.5〜4.5の範囲にあるものがさらに望ましい。また、表4において「高い」とは、ゴムの軟化性が、温度上昇に対する弾性率の変化の傾きが負である場合であり、「低い」とは、ゴムの軟化性が、温度上昇に対する弾性率の変化の傾きが正である場合である。
Figure 2012218594
Figure 2012218594
以上の結果から、上層部のゴムの硬度が硬質の場合及び上層部の温度によるゴムの軟化性が低い場合は立ち上がり状態の維持しやすさが良好であり、下層部のゴムの硬度が硬質の場合及び下層部の温度によるゴムの軟化性が低い場合は立ち上がりにくいことが判った。したがって、スリット深さが深すぎると、屈曲により吸音装置が破壊される恐れがあるが、上層部に硬質のゴムもしくは軟化性の低いゴムを使用することで、スリット深さが浅い構成でも、十分な「状態の維持しやすさ」を得ることができる。
なお、実施例2ではゴム材を2層としているが、それ以上の複数構造でも良い。その一例を図14に示す。図14に示すものは、上層部、中層部及び下層部からなる3層構造であるが、形状及び構造はこれに限られるものではない。
図15及び図16は実施例3に関するものであり、実施例3は、ゴム材部分のリム面に対する接着方向を変更したものである。すなわち、実施例3におけるゴム材部分314は、図16に示すように、その接着部314aが、ゴム材部分314の吸音材部分315を取り付けていない反対側である他端側の端面であり、リム311の表面に対して直立する方向に接着したものである。すなわち、図15及び図16において、310は空気入りタイヤであり、311はリムであり、リム311に空気入りタイヤ310を嵌め込んだ組立体としたときにタイヤ空洞312が形成され、リム311上には、吸音装置313が取り付けられている。該吸音装置313は、ゴム材部分314と吸音材部分315とからなり、ゴム材部分314の一方の端部側に吸音材部分315を突き合わせて、貼着等の接着手段により取り付けられており、ゴム材部分314の他方の端部側はリム311に対する接着部314aである。したがって、吸音装置313は、ゴム材部分314の接着部314aのみがリム311に接着しており、それ以外は、リム311に接着されていないので、組立体が回転すると、図16(a)に示すように、遠心力によりリム311に接着されていない吸音材部分315を含む吸音装置313の一部がタイヤ空洞312内においてタイヤ径方向に立ち上がる。
以上のように構成したことにより、タイヤ停止時には、ゴム材部分314の弾力性及び吸音材部分315の重量により、図16(b)に示すように、吸音装置313がリム面上に寝ている状態となるが、タイヤ転動時には、本来的にはゴム材部分314の接着部314aは直立した状態で接着していることから、図16(a)に示すように、直立状態に戻り、リム面から立ち上がり状態を維持しやすくなる。
実施例4は、図示は省略するが、吸音装置におけるゴム材部分に、形状記憶素材が組み込まれ、温度の上昇により前記形状記憶素材がゴム材を立ち上がらせる方向に屈曲し、その状態を維持するように構成したものである。組み込まれる形状記憶素材としては、形状記憶ポリマーが好ましい。形状記憶ポリマーとは、成形加工後に力を加えて変形しても、ある温度以上に加熱すると元の形状に回復するポリマーである。主な形状記憶ポリマーとしては、ポリノルボルネン、トランスポリイソプレン、スチレン-ブタジエン共重合体、ポリウレタン等がある。実施例4における吸音装置のゴム材部分に使用する形状記憶素材として形状記憶ポリマーを使用することが好ましい理由は、価格が安い、形状変化率が高い、軽い、加工しやすい、着色しやすい等の優れた特徴があるためである。
上記のゴム材部分は、これに形状記憶素材を加熱状態において組み込んで直立状態に加工した後、常温においてこれに力を加えてリム面に沿う状態に変形する。前記ゴム材部分を使用した空気入りタイヤとリムとの組立体は、タイヤ転動時においてタイヤ空洞が加熱され、この加熱によりゴム材部分に組み込まれた形状記憶素材が、直立状態に戻ろうとする。その結果、吸音装置がリム面に対して立ち上がることとなる。
なお、本発明に係る空気入りタイヤとリムとの組立体は、上記の実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載の構成を逸脱しない範囲における様々な実施形態が可能である。
A・・・・空気入りタイヤ B・・・・リム
B1・・・リムの外周面 C・・・・タイヤ空洞
D・・・・吸音装置 E・・・・吸音材
F・・・・ゴム材
10・・・空気入りタイヤ 11・・・リム
12・・・タイヤ空洞 13・・・吸音装置
14・・・ゴム材部分 14a・・接着部
15・・・吸音材部分 16・・・溝
16a・・溝の先端部 16b・・溝の頂部
17・・・蛇腹部
161・・溝
161a・溝の先端部 161b・溝の頂部
162・・溝
162a・溝の先端部 162b・溝の頂部
163・・溝
163a・溝の先端部 163b・溝の頂部
164・・溝
164a・溝の先端部 164b・溝の頂部
165・・溝
165b・溝の頂部 165c・突出部
210・・空気入りタイヤ 211・・リム
212・・タイヤ空洞 213・・吸音装置
214・・ゴム材部分 214a・接着部
215・・吸音材部分
216a・上層部 216b・下層部
310・・空気入りタイヤ 311・・リム
312・・タイヤ空洞 313・・吸音装置
314・・ゴム材部分 314a・接着部
315・・吸音材部分

Claims (7)

  1. 空気入りタイヤをリムに装着することにより、空気入りタイヤとリムとの間にタイヤ空洞を形成する空気入りタイヤとリムとの組立体であって、
    前記リムに接着され、組立体の回転に伴う遠心力によりタイヤ空洞内においてタイヤ径方向へ立ち上がる1以上の吸音装置を有しており、
    前記吸音装置は、ゴム材とその一端側に設けられた吸音材とからなり、
    前記ゴム材は、その他端側がリムに対する接着部であって、該ゴム材は、立ち上がり方向に屈曲した状態を維持し易い構造とした
    ことを特徴とする空気入りタイヤとリムとの組立体。
  2. ゴム材は、少なくとも接着部に近接する非接着部を含む領域において、ゴム材の下層部より上層部が立ち上がり方向に屈曲した状態を維持し易い構造としたことを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤとリムとの組立体。
  3. ゴム材は、その上層部にリム幅方向の溝を形成したことを特徴とする請求項2に記載の空気入りタイヤとリムとの組立体。
  4. ゴム材は、その上層部が下層部より軟質か、又は、下層部が上層部より軟質のゴムよりなる複層構造としたことを特徴とする請求項2又は3に記載の空気入りタイヤとリムとの組立体。
  5. ゴム材は、形状記憶素材が組み込まれ、温度の上昇により前記形状記憶素材がゴム材を立ち上がらせる方向に屈曲し、その状態を維持するように構成したことを特徴とする請求項1〜4に記載の空気入りタイヤとリムとの組立体。
  6. ゴム材は、その接着部がリム面に沿って接着したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の空気入りタイヤとリムとの組立体。
  7. ゴム材は、その接着部が他端側の端面であり、リム面に対して直立する方向に接着したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の空気入りタイヤとリムとの組立体。
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