JP2012218272A - 成形方法及び成形装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】あらかじめ合成樹脂で成形された第1成形体に対して、第2成形体を合成樹脂の射出成形により十分な接合強度で接合成形することができるようにすること。
【解決手段】あらかじめ合成樹脂で成形された第1成形体12を成形型17,18内にセットして型閉めする。その状態で、成形型17,18内に熱風供給路24から熱風を供給して第1成形体12の表面を加熱する。その加熱された表面部分に接合するように、成形型17,18内に合成樹脂を射出して第2成形体13を成形する。
【選択図】図6
【解決手段】あらかじめ合成樹脂で成形された第1成形体12を成形型17,18内にセットして型閉めする。その状態で、成形型17,18内に熱風供給路24から熱風を供給して第1成形体12の表面を加熱する。その加熱された表面部分に接合するように、成形型17,18内に合成樹脂を射出して第2成形体13を成形する。
【選択図】図6
Description
この発明は、合成樹脂製品を成形する成形方法に関するものであって、特にあらかじめ合成樹脂で成形された成形体上に、合成樹脂の射出により別の成形体を成形するようにした成形方法に関するものである。
従来、この種の成形方法としては、例えば特許文献1〜特許文献3に開示されるような方法が提案されている。
特許文献1に記載の成形方法においては、あらかじめ湾曲部を有する管状の成形体が合成樹脂のブロー成形により形成される。そして、この成形体が成形型内に中空状中子としてセットされ、その中子の外周表面に被覆接合されるように、成形型内に合成樹脂が射出されて別の成形体が成形される。以上の工程により、中間部に湾曲部を有する管状の合成樹脂製品が成形される。
特許文献1に記載の成形方法においては、あらかじめ湾曲部を有する管状の成形体が合成樹脂のブロー成形により形成される。そして、この成形体が成形型内に中空状中子としてセットされ、その中子の外周表面に被覆接合されるように、成形型内に合成樹脂が射出されて別の成形体が成形される。以上の工程により、中間部に湾曲部を有する管状の合成樹脂製品が成形される。
特許文献2に記載の成形方法においては、あらかじめ屈曲部や異形状を有する半割状の成形体が合成樹脂の射出成形により形成された後、その分割体は相互に接合することにより一体化される。そして、この成形体が成形型内に中空状中子としてセットされ、その中子の外周表面に被覆接合されるように、成形型内に合成樹脂が射出されて成形体が成形される。以上の工程により、中間部に屈曲部や異形状を有する管状の合成樹脂製品が形成される。
特許文献3に記載の成形方法においては、一次成形雌型とコア型との間のキャビティ内に合成樹脂を射出することによって、第一成形体が成形する。型開き後に、第1成形体がコア型とともに二次成形雌型の前に移され、その前面に導入した熱風吹出装置からの熱風により、第1成形体の表面が加熱される。二次成形雌型とコア型とが型閉めされた後、両型間のキャビティ内に合成樹脂が射出されることによって、第1成形体の加熱表面に接合するように第2成形体が成形される。以上の工程により、第1成形体と第2成形体とよりなる二色成形品が形成される。
ところが、前記の従来の成形方法においては、次のような問題があった。
特許文献1及び特許文献2に記載の従来方法では、あらかじめブロー成形または射出成形により形成された硬化状態の成形体を中子として用いて、その成形体の外周表面に、合成樹脂の射出成形により別の成形体が形成される。このため、成形硬化状態の中子の外周表面と、射出成形される成形体の合成樹脂材との接合性が悪くて、中子と成形体との接合強度を十分に確保することができなかった。
特許文献1及び特許文献2に記載の従来方法では、あらかじめブロー成形または射出成形により形成された硬化状態の成形体を中子として用いて、その成形体の外周表面に、合成樹脂の射出成形により別の成形体が形成される。このため、成形硬化状態の中子の外周表面と、射出成形される成形体の合成樹脂材との接合性が悪くて、中子と成形体との接合強度を十分に確保することができなかった。
特に、特許文献1の従来方法においては、中子がブロー成形されたものであるため、肉厚を厚くすることができず、このため、射出時における中子の変形を防止するために、中子の内部に砂等の変形防止材が充填される。従って、この特許文献1の従来方法においては、製造工程が煩雑になる。
これに対して、特許文献3に記載の従来方法では、第1成形体の表面に対する第2成形体の接合成形に先立って、第1成形体の表面を熱風の吹き付けにより加熱して溶融させている。このため、特許文献1及び特許文献2に記載の従来方法に比較して、第1成形体の表面に対する第2成形体の合成樹脂材の接合性が高くなる。しかしながら、この特許文献3に記載の従来方法では、二次成形雌型とコア型との型開き状態で、コア型上の第1成形体に熱風吹出装置を対向配置して、その熱風吹出装置からの熱風により第1成形体の表面が加熱される。このため、第1成形体の表面の加熱効率が悪くて、多くの加熱時間や加熱エネルギを必要とするだけではなく、二次成形雌型とコア型との型閉め及び合成樹脂の射出成形を行うまでに、加熱された第1成形体の表面温度が低下して、合成樹脂材との接合性の低下を招くおそれがあった。このような不具合に対処するため、加熱時間を長くしたり、加熱温度を高くしたりすることも考えられるが、このようにすると、第1成形体が表面のみでなく全体に加熱溶融されて、変形を生じるおそれがあった。
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、あらかじめ合成樹脂で成形された第1成形体に対して、第2成形体を合成樹脂の射出成形により十分な接合強度で接合成形することができる成形方法及び成形装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために、この発明は、あらかじめ合成樹脂で成形された第1成形体を成形型内にセットして型閉めし、その状態で成形型内に熱風を供給して第1成形体の表面を加熱し、その加熱された表面部分に接合するように、成形型内に合成樹脂を射出して第2成形体を成形することを特徴としている。
従って、この発明の成形方法においては、第1成形体が成形型内にセットされるとともに型閉めされた状態で、成形型内に熱風が供給されて第1成形体の表面が加熱される。このため、多くの加熱時間や加熱エネルギを要することなく、第1成形体の表面を短時間に効率よく加熱させることができる。また、成形型の型閉め状態で、第1成形体の表面の加熱に続いて合成樹脂の射出により第2成形体の成形が行われるため、加熱された第1成形体の表面温度が低下するおそれもほとんどない。よって、第1成形体に対して第2成形体を十分な接合強度で接合成形することができる。
前記の成形方法において、前記第1成形体は中空状をなし、その第1成形体を開口端部の内周側から支持して成形型内にセットすることが好ましい。
前記の成形方法において、前記第1成形体は湾曲部または屈曲部を有することが好ましい。
前記の成形方法において、前記第1成形体は湾曲部または屈曲部を有することが好ましい。
前記の成形方法において、前記第1成形体は軸線方向に沿って分割された分割体を結合することにより構成されることが好ましい。
この発明の成形装置は、あらかじめ成形された第1成形体をキャビティ内に保持する保持手段と、前記キャビティ内に熱風を供給するための熱風供給手段と、第2成形体を成形するために第1成形体の外側のキャビティ内に合成樹脂を射出する射出手段とを備えたことを特徴とする。
この発明の成形装置は、あらかじめ成形された第1成形体をキャビティ内に保持する保持手段と、前記キャビティ内に熱風を供給するための熱風供給手段と、第2成形体を成形するために第1成形体の外側のキャビティ内に合成樹脂を射出する射出手段とを備えたことを特徴とする。
前記成形装置において、前記保持手段をキャビティ内に対して出没可能な保持ピンによって構成することが好ましい。
前記成形装置において、前記保持手段を第1成形体の開口内に挿入されて、第1成形体を保持するプランジャによって構成することが好ましい。
前記成形装置において、前記保持手段を第1成形体の開口内に挿入されて、第1成形体を保持するプランジャによって構成することが好ましい。
前記成形装置において、前記熱風供給手段を、キャビティ内に開口する熱風供給路と、その熱風供給路を開閉するとともに、閉鎖時にはキャビティの成形面の一部を構成する開閉弁とにより構成することが好ましい。
前記成形装置において、前記熱風供給手段を、キャビティ内に開口する熱風排出路と、その熱風排出路を開閉するとともに、閉鎖時にはキャビティの成形面の一部を構成する開閉弁とにより構成することが好ましい。
以上のように、この発明によれば、あらかじめ合成樹脂で成形された第1成形体に対して、第2成形体を合成樹脂の射出成形により十分な接合強度で接合成形することができるという効果を発揮する。
以下に、この発明を具体化した成形方法の一実施形態を、図面に従って説明する。まず、この実施形態の成形方法により成形される合成樹脂製品の構成について説明する。
図1及び図2に示すように、この合成樹脂製品11は、中間部に湾曲部11aを有する管状に形成され、内側の第1成形体12と、その第1成形体12を埋設するように成形された外側の第2成形体13とにより構成されている(図3〜図5参照)。第1成形体12は、軸線方向に沿って二分割して成形された分割体12A,12Bを図示しない接着剤や凹凸(突起と孔等)の嵌合関係で結合することにより、長さ方向の中間部に湾曲部12aを有する中空状に構成されている。
図1及び図2に示すように、この合成樹脂製品11は、中間部に湾曲部11aを有する管状に形成され、内側の第1成形体12と、その第1成形体12を埋設するように成形された外側の第2成形体13とにより構成されている(図3〜図5参照)。第1成形体12は、軸線方向に沿って二分割して成形された分割体12A,12Bを図示しない接着剤や凹凸(突起と孔等)の嵌合関係で結合することにより、長さ方向の中間部に湾曲部12aを有する中空状に構成されている。
次に、前記合成樹脂製品11を成形するための成形装置について説明する。図6及び図7に示すように、成形装置16は、開閉可能に対向配置された一対の成形型17,18を備えている。成形型17,18間には、前記第1成形体12の分割体12A,12Bを射出成形するための第1成形部19と、第1成形体12を中空状中子として用いて、その第1成形体12の外周表面上に第2成形体13を射出成形するための第2成形部20とが設けられている。
前記成形装置16の下側の成形型17には、第2成形部20のキャビティ200内に出没可能な保持手段としての複数の保持ピン21が設けられている。そして、図8(a)に示すように、成形型17,18が型開きされるとともに、保持ピン21がセット位置に突出された状態で、あらかじめ成形して結合された第1成形体12が中空状中子として、第2成形部20の保持ピン21上に保持されて、キャビティ200内にそのキャビティ200の成形面から離間した浮き上がった状態でセットされる。また、図9(b)に示すように、第1成形体12の外周表面上への第2成形体13の射出成形後に、成形型17,18が型開きされるとともに、保持ピン21がノックアウト位置に突出されることにより、合成樹脂製品11が第2成形部20のキャビティ200から離型される。
前記第2成形部20に対応して下側の成形型17上には、保持手段としての一対の支持用プランジャ22A,22Bがアクチュエータ23A,23Bにより、第2成形部20に向かって前進後退可能に配置されている。そして、図8(a)に示すように、前記保持ピン21上に第1成形体12がセットされた状態で、支持用プランジャ22A,22Bが前進移動されることにより、図8(b)及び図6に示すように、支持用プランジャ22A,22Bの先端部が第1成形体12の両端開口部内に挿入される。この挿入により、第1成形体12が第2成形部20内のセット状態において両端開口部の内周側から支持される。
前記第2成形部20の一側端部に対応して下側の成形型17には、熱風供給手段としての熱風供給通路24が貫設されている。熱風供給通路24の開口端部には、開閉弁25が設けられている。第2成形部20の他側端部に対応して下側の成形型17には、熱風排出通路26が貫設されている。熱風排出通路26の開口端部には、開閉弁27が設けられている。そして、図8(b)に示すように、第2成形部20のキャビティ200内に第1成形体12がセットされるとともに、成形型17,18が型閉めされた状態で、両開閉弁25,27が開放されて、図示しない熱風供給源から熱風供給通路24を介して第2成形部20に熱風が供給されるとともに、その熱風が熱風排出通路26を介して外部に排出される。この熱風により、第1成形体12の外周表面が加熱される。
前記第2成形部20に対応して上側の成形型18には、射出手段としての複数の樹脂注入口28が貫設されている。そして、図9(a)に示すように、第1成形体12の外周表面が加熱された後、樹脂注入口28から第2成形部20のキャビティ200内に溶融合成樹脂が注入されて、第1成形体12を埋設するように第2成形体13が射出成形される。
次に、前記のように構成された成形装置16により合成樹脂製品11を成形するための成形方法及び成形装置16の作用について説明する。
この成形装置16では、図6に示すように、成形型17,18間の第1成形部19において、第1成形体12が軸線方向に沿って二分割した分割体12A,12Bとして射出成形される。そして、この分割体12A,12Bを接着剤等で結合することにより、中間部に湾曲部12aを有する中空状の第1成形体12があらかじめ形成される。
この成形装置16では、図6に示すように、成形型17,18間の第1成形部19において、第1成形体12が軸線方向に沿って二分割した分割体12A,12Bとして射出成形される。そして、この分割体12A,12Bを接着剤等で結合することにより、中間部に湾曲部12aを有する中空状の第1成形体12があらかじめ形成される。
次いで、図8(a)に示すように、成形型17,18が型開きされた状態で、各保持ピン21が第2成形部20内のセット位置に突出され、その保持ピン21上に第1成形体12が中空状中子としてセットされる。その後、図8(b)及び図6に示すように、両支持用プランジャ22A,22Bがアクチュエータ23A,23Bにより前進移動されて、それらの先端部が第1成形体12の両端開口部内に挿入され、第1成形体12が第2成形部20内において両端開口部の内周側からセット状態に支持される。そして、このセット状態において前記保持ピン21が後退され、第1成形体12は支持用プランジャ22A,22Bによってキャビティ200の内面から離間して浮き上がった状態で支持される。前記保持ピン21の後退状態においては、保持ピン21の先端面がキャビティ200の内面の一部を構成する。
この状態で、図8(b)に示すように、成形型17,18が型閉めされた後、熱風供給通路24及び熱風排出通路26の開閉弁25,27が開放されて、熱風供給通路24から第2成形部20のキャビティ200内に熱風が供給されるとともに、その熱風が熱風排出通路26から外部に排出される。この熱風により、第1成形体12の外周表面及びキャビティ200の内面が加熱される。この加熱においては、第1成形体12の外周表面が軟化あるいは溶融されるようにしても、あるいは外周表面の温度を上昇させるのみでもよい。そして、この場合、成形型17,18が型閉め状態にあるため、第1成形体12の外周表面の加熱が短時間に効率よく行われる一方、第1成形体12の内部にはその両端から支持用プランジャ22A,22Bが挿入されているため、その内部に熱風が供給されることはない。従って、第1成形体12全体が軟化されることはなく、第1成形体12は剛性を保持する。
続いて、図9(a)に示すように、熱風供給通路24及び熱風排出通路26の開閉弁25,27が閉鎖されて、熱風の供給が停止される。このとき、開閉弁25,27の端面は第2成形部20のキャビティ200の内面の一部を構成する。そして、樹脂注入口28から第2成形部20に溶融合成樹脂が注入され、第1成形体12を埋設するように第2成形体13が射出成形される。このとき、支持用プランジャ22A,22Bは中子の役目を果たす。このため、図6及び図7に示すように、湾曲部11aを有する管状の合成樹脂製品11が形成される。この場合、第1成形体12の外周表面が加熱されているため、射出された樹脂が第1成形体12によって冷却されることを抑制できて、第2成形体13が第1成形体12の外周表面に対して強い接合強度で被覆成形される。特に、第1成形体12の外周表面が溶融あるいは軟化されている場合には、さらに強い接合強度で被覆成形される。そして、この射出成形時には、第1成形体12の剛性が保持されているため、第1成形体12の形状に従った変形のない正確な形状の第2成形体13を成形できる。
また、樹脂の射出に先立ってキャビティ200の内面が熱風供給通路24からの熱風によって加熱されるため、キャビティ200内に射出された樹脂は、その流動性が急激に低下することはなく、いわゆる樹脂のまわりが良くなって、キャビティ200の形状に従った高精度な成形が可能となる。
成形後、図9(b)に示すように、成形型17,18が型開きされるとともに、保持ピン21が押出位置に突出される。このため、合成樹脂製品11が第2成形部20から離型される。
一方、第2成形体13の射出成形時には、図6に示すように、成形型17,18間の第1成形部19において、第1成形体12の分割体12A,12Bが同時に射出成形される。この分割体12A,12Bは、第2成形体13の後続の成形において使用される。
従って、この実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1) この実施形態においては、あらかじめ合成樹脂で成形された第1成形体12を成形型17,18内にセットして型閉めした状態で、成形型17,18内に熱風供給通路24から熱風を供給して第1成形体12の表面を加熱している。従って、多くの加熱時間や加熱エネルギを要することなく、また、加熱された第1成形体12の表面温度が低下するおそれもほとんどなく、第1成形体12の表面全体を短時間に満遍なく加熱させることができる。そして、その加熱に続いて合成樹脂の射出により第2成形体13が成形されるため、加熱された第1成形体12の表面温度が低下するおそれもない。よって、第1成形体12上に対して第2成形体13を十分な接合強度で成形することができる。
(1) この実施形態においては、あらかじめ合成樹脂で成形された第1成形体12を成形型17,18内にセットして型閉めした状態で、成形型17,18内に熱風供給通路24から熱風を供給して第1成形体12の表面を加熱している。従って、多くの加熱時間や加熱エネルギを要することなく、また、加熱された第1成形体12の表面温度が低下するおそれもほとんどなく、第1成形体12の表面全体を短時間に満遍なく加熱させることができる。そして、その加熱に続いて合成樹脂の射出により第2成形体13が成形されるため、加熱された第1成形体12の表面温度が低下するおそれもない。よって、第1成形体12上に対して第2成形体13を十分な接合強度で成形することができる。
(2) この実施形態においては、熱風の供給により、キャビティ200の成形面も同時に加熱されるため、射出成形時の合成樹脂の流れが良好になって、高品質の製品11を成形できるとともに、低圧での成形が可能になる。
(3) この実施形態においては、第1成形体12の外周表面全体を加熱し、その第1成形体12を埋設するように第2成形体13を成形している。このため、第1成形体12の外周表面に対して第2成形体13を強い接合強度で被覆成形することができる。
(4) この実施形態においては、中空状中子の役目を果たす第1成形体12の外周表面を加熱する際、第1成形体12の両端開口を支持用プランジャ22A,22Bで塞ぐため、第1成形体12の内側からの加熱を抑制できる。従って、第1成形体12は、剛性を保持できるため、第2成形体13の成形に際して、成形圧力による第1成形体12の変形を防止できる。このため、所要の形状の合成樹脂製品を成形できる。従って、従来の特許文献1とは異なり、中空状中子の内部に、砂等の中子の変形を防止する変形防止材を充填する必要はない。
(5) この実施形態においては、第1成形体12が中空状をなすように構成され、その第1成形体12を支持用プランジャ22A,22Bにより開口端部の内周側から支持した状態で、成形型17,18内にセットするようにしている。このため、管状の合成樹脂製品11を成形する場合に、第1成形体12を中空状中子として用いて、その中空状中子を成形型17,18内に容易にセットすることができる。
(6) この実施形態においては、第1成形体12が軸線方向に沿って二分割された分割体12A,12Bを結合することにより、湾曲部12aまたは屈曲部を有する中空状に構成されている。このため、第1成形体12を中子として用いることにより、湾曲部11aまたは屈曲部を有する管状の合成樹脂製品11を射出成形によって容易に成形することができる。
(7) この実施形態においては、第1成形体12の分割体12A,12Bの射出成形を、第2成形体13の射出成形と同一の成形型17,18を用いて同時に行うようにしている。このため、射出成形型を各別に設ける必要がなく、成形装置を簡略化することができるとともに、成形能率を向上させることができる。
(変更例)
なお、この実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
(変更例)
なお、この実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 図1に鎖線で示すように、第2成形体13の射出成形に際して、その一端外周に取り付け用のフランジ部13aを一体に形成すること。
・ 第1成形体12の分割体12A,12Bの射出成形に際して、その外周面にシボ等の凹凸粗面を形成し、第1成形体12を中空状中子として用いて第2成形体13を射出成形する際に、第1成形体12と第2成形体13との接合性を向上させること。
・ 第1成形体12の分割体12A,12Bの射出成形に際して、その外周面にシボ等の凹凸粗面を形成し、第1成形体12を中空状中子として用いて第2成形体13を射出成形する際に、第1成形体12と第2成形体13との接合性を向上させること。
・ 図1〜図5に示す合成樹脂製品11とは異なった形状、例えば平面形がT字状、Y字状あるいは十字状等の中間部に湾曲部または屈曲部を有する管状の合成樹脂製品を成形することに具体化すること。この場合、第2成形体13はT字状、Y字状あるいは十字状等の形状に成形される。
・ 第1成形体12を支持用プランジャ22A,22Bが挿入される両端部を除いて、中空が形成されていない充実形状にすること。
・ 成形型17の熱風排出通路26を省略すること。このように構成した場合、熱風供給通路24からの熱風は、成形型17,18間のパーティング部から排出される。
・ 成形型17の熱風排出通路26を省略すること。このように構成した場合、熱風供給通路24からの熱風は、成形型17,18間のパーティング部から排出される。
11…合成樹脂製品、12…第1成形体、12A,12B…分割体、12a…湾曲部、13…第2成形体、16…成形装置、17,18…成形型、19…第1成形部、20…第2成形部、22A,22B…支持用プランジャ、24…熱風供給通路、26…熱風排出通路、28…樹脂注入口、200…キャビティ。
Claims (9)
- あらかじめ合成樹脂で成形された第1成形体を成形型内にセットして型閉めし、その状態で成形型内に熱風を供給して第1成形体の表面を加熱し、その加熱された表面部分に接合するように、成形型内に合成樹脂を射出して第2成形体を成形することを特徴とする成形方法。
- 前記第1成形体は中空状をなし、その第1成形体を開口端部の内周側から支持して成形型内にセットすることを特徴とする請求項1に記載の成形方法。
- 前記第1成形体は湾曲部または屈曲部を有することを特徴とする請求項1または2に記載の成形方法。
- 前記第1成形体は軸線方向に沿って分割された分割体を結合することにより構成されることを特徴とする請求項2または3に記載の成形方法。
- あらかじめ成形された第1成形体をキャビティ内に保持する保持手段と、
前記キャビティ内に熱風を供給するための熱風供給手段と、
第2成形体を成形するために第1成形体の外側のキャビティ内に合成樹脂を射出する射出手段と
を備えたことを特徴とする成形装置。 - 前記保持手段をキャビティ内に対して出没可能な保持ピンによって構成したことを特徴とする請求項5に記載の成形装置。
- 前記保持手段を第1成形体の開口内に挿入されて、第1成形体を保持するプランジャによって構成したことを特徴とする請求項5または6に記載の成形装置。
- 前記熱風供給手段を、キャビティ内に開口する熱風供給路と、その熱風供給路を開閉するとともに、閉鎖時にはキャビティの成形面の一部を構成する開閉弁とにより構成したことを特徴とする請求項5〜7のうちのいずれか一項に記載の成形装置。
- 前記熱風供給手段を、キャビティ内に開口する熱風排出路と、その熱風排出路を開閉するとともに、閉鎖時にはキャビティの成形面の一部を構成する開閉弁とにより構成したことを特徴とする請求項8に記載の成形装置。
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JP2011085587A Withdrawn JP2012218272A (ja) | 2011-04-07 | 2011-04-07 | 成形方法及び成形装置 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2012218272A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017024213A (ja) * | 2015-07-17 | 2017-02-02 | ハジメ産業株式会社 | 樹脂成形装置及び樹脂成形方法 |
JP2022003277A (ja) * | 2017-07-27 | 2022-01-11 | 株式会社オンダ製作所 | 樹脂製エルボ継手 |
-
2011
- 2011-04-07 JP JP2011085587A patent/JP2012218272A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2017024213A (ja) * | 2015-07-17 | 2017-02-02 | ハジメ産業株式会社 | 樹脂成形装置及び樹脂成形方法 |
JP2022003277A (ja) * | 2017-07-27 | 2022-01-11 | 株式会社オンダ製作所 | 樹脂製エルボ継手 |
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A621 | Written request for application examination |
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