JP2012214335A - カーボンナノチューブを含む炭素材料及びその製造方法 - Google Patents

カーボンナノチューブを含む炭素材料及びその製造方法 Download PDF

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【課題】サトウキビバガスを出発原料として、簡易かつ安価で工業的に製造されたカーボンナノチューブを含む炭素材料及びその製造方法を提供する。
【解決手段】二酸化ケイ素を含むサトウキビを圧搾処理して得られるサトウキビバガスが炭化炉にて不活性ガス雰囲気下で炭化され、得られた炭化物が不活性ガス雰囲気下で1100℃以上2200℃以下の温度で黒鉛化されることにより製造され、炭素を主成分とする筒状の側壁部と、側壁部の内部空間において側壁部の筒軸方向に順次積層する状態で結晶化した炭化ケイ素を主成分とする積層部とを備えて形成されたカーボンナノチューブを含む炭素材料。
【選択図】図1

Description

本発明は、カーボンナノチューブを含む炭素材料及びその製造方法に関する。
電子系ナノ炭素物質(以下、単に炭素材料という場合がある)は、フラーレンの発見以来、ナノサイエンス、ナノテクノロジーの基本的物質として、大きな注目を集めており、その高強度、高弾性率、高導電性等の優れた特性から各種の複合材料に使用されている。近年のエレクトロニクス技術の発展に伴い、電磁波遮蔽材、静電防止材用の導電性フィラーとして、あるいは、樹脂への静電塗装のためのフィラーや透明導電性樹脂用のフィラーとしての用途が期待されている。また、摺動性、耐磨耗性が高い材料として電気ブラシ、可変抵抗器などの応用にも期待されている。さらに、高導電性、耐熱伝導性、耐エレクトロマイグレーションを有するため、LSI等のデバイスの配線材料としても注目を浴びている。
とりわけ、カーボンナノチューブ(CNT)や一枚のグラファイトシート(グラフェン)が発見され、Dirac型のフェルミ粒子の固体物理の基礎的な問題として、また、電子デバイス/スピンデバイス等の応用技術の側面から大きな関心を呼んでいる。カーボンナノチューブやグラフェンは、天然黒鉛や人造黒鉛とは異なる電子状態を形成し、特異な電子的・磁気的・化学的性質を発現することが、最近の理論や実験から明らかにされつつあり、炭素系分子素子としての発展が期待されている。
カーボンナノチューブの合成方法としては、アーク放電法、レーザーアブレーション法、プラズマ合成法、炭化水素触媒分解法などがあり、アーク放電法、レーザーアブレーション法で合成されたカーボンナノチューブは市販されている(非特許文献1〜4参照)。
Saito Y,Yoshikawa T,Okuda M,Fujimoto N,Sumiyama K,Suzuki K,Kasuya A,Nishina Y,J Phys Chem Solids,1993;54,1849‐60 Thess A,Lee R,Nikolaev P,Dai HJ,Petit P,Robert J,Xu C,Lee YH,Kim SG,Colbert DT,Scuseria G,Tomanek D,Fischer JE,Smalley RE,Crystalline ropes of metallic carbon nanotubes.Science, 1996;273:483‐87 Kataura H,Kimura A,Ohtsuka Y,Suzuki S,Maniwa Y,Hanyu T,Achiba Y,Formation of thin single‐wall carbon nanotubes by laser Vvporization of Rh/Pd‐graphite composite rod.Jpn J Appl Phys 1998;37:L616‐18 Bandow S,Asaka S,Saito Y,Rao AM,Grigorian L,Richter E,Eklund PC,Effect of the growth environment temperature on the diameter of single wall carbon nanotubes.Phys Rev Lett,1998;80:3779‐82
ここで、工業的に、カーボンナノチューブを製造するためには、カーボンナノチューブ製造に適した前駆体構造を有する原料を見出すことが重要である。化石燃料であるコールタールやアスファルトは、人造黒鉛の製造原料として古くから用いられているが、これらを出発原料としてカーボンナノチューブを製造する方法については、報告されていない。炭化の初期段階で、芳香族化合物の積層構造体が形成され、重合反応が開始するため、ナノチューブを直接製造することは困難と考えられる。
一方、こうした原料系に対して、環境面からカーボンニュートラルな植物由来の炭素原料として、バイオマス原料が注目されている。例えば、サトウキビの搾りかすであるサトウキビバガスは、製糖工業副産物として沖縄県で年間20万トン近く生産される大量かつ容易に入手可能なセルロース系バイオマス資源であり、そのほとんどが製糖工場の燃料として使用されているが、このサトウキビバガスを出発原料としてカーボンナノチューブを製造する方法については、報告されていない。
本発明は、上記実情に鑑み、サトウキビバガスを出発原料として、簡易かつ安価で工業的に製造されたカーボンナノチューブを含む炭素材料及びその製造方法を提供することを目的とする。
〔構成〕
上記課題を解決するための本発明のカーボンナノチューブを含む炭素材料の特徴構成は、
二酸化ケイ素を含むサトウキビを圧搾処理して得られるサトウキビバガスが炭化炉にて不活性ガス雰囲気下で炭化され、得られた炭化物が不活性ガス雰囲気下で1100℃以上2200℃以下の温度で黒鉛化されることにより製造され、炭素を主成分とする筒状の側壁部と、前記側壁部の内部空間において前記側壁部の筒軸方向に順次積層する状態で結晶化した炭化ケイ素を主成分とする積層部とを備えて形成されたカーボンナノチューブを含む炭素材料である点にある。
〔作用効果〕
本発明者らは、植物由来の木質系原料であるサトウキビのサトウキビバガスは、セルロース系繊維状組織構造を形成し、細胞壁そのものが繊維状組織で形成されているとともに、細胞内部は液体で満たされているため、骨格を保持したまま炭素化ができれば、カーボンナノチューブが生成する可能性に着目して、今回、本発明を新たに創作したものである。
具体的には、サトウキビバガスが、炭化炉にて不活性ガス雰囲気下で炭化されると、サトウキビバガスに含まれる有機物は炭化し、ヘテロ原子の少ない炭化物に変換される。この炭化物が、不活性ガス雰囲気下で、1100℃以上2200℃以下の温度で黒鉛化されると、黒鉛化された黒鉛構造中には、非晶質炭素組織以外に板状粒子、繊維状粒子及び棒状粒子が生成され、この棒状粒子は、直径が2〜200nm程度、長さが0.01〜10μm程度のカーボンナノチューブであることが、本発明者により確認された。特に、当該カーボンナノチューブには、サトウキビの成長過程において当該サトウキビに取込まれていた土壌中のSi成分(二酸化ケイ素)が、炭化ケイ素(六方晶)の結晶形態で内包されていることが確認された。
説明を加えると、カーボンナノチューブの側壁部には、植物の節に似た構造が存在し、この構造は一定の間隔を保って周期的に存在することから、サトウキビの繊維状組織がもともと持っていた骨格構造を基礎にして、当該カーボンナノチューブが生成されているものと考えられる。このカーボンナノチューブの側壁部は、炭素を主成分とし少量のケイ素を含むグラファイト積層構造から構成されていることが確認された。また、カーボンナノチューブにおける側壁部の内部空間は、側壁部の筒軸方向に順次積層する状態(らせん状或いは平面状(直線状)に積層する状態)で結晶化した炭化ケイ素を主成分とし、少量のアルミニウムを含む積層部が形成されていることが確認された。この積層部を構成する炭化ケイ素は、積層数の異なる複数の多形(2H,4H,6H等)を含んでいる。
また、炭化物の黒鉛化温度が1100℃未満では、サトウキビバガス中のSi成分(二酸化ケイ素)が炭化ケイ素に変化せず、また、2200℃を超えると、カーボンナノチューブ中に生成した炭化ケイ素が分解してしまい、炭素を主成分とする筒状の側壁部と、側壁部の内部空間において側壁部の筒軸方向に順次積層する状態で結晶化した炭化ケイ素を主成分とする積層部とを備えて形成されたカーボンナノチューブを良好に形成することができないことが、確認された。
このような側壁部の内部空間に、筒軸に沿って複数の炭化ケイ素の結晶層が高密度に積層された積層部が形成されたカーボンナノチューブは、上記炭化物や非晶質炭素組織と構造的に異なり従来の炭素材料とは異なる物性を発揮し得るものとして期待でき、例えば、電圧変換器など半導体材料用途への応用が期待される。
よって、二酸化ケイ素を含むサトウキビバガスを出発原料として、これを適切に炭化及び黒鉛化することにより、簡易かつ安価で工業的に製造され、炭化ケイ素を内部空間に内包するカーボンナノチューブを含む炭素材料を得ることができた。
〔構成〕
また、前記炭化物を加熱して黒鉛化する温度範囲が、1800℃以上2000℃以下であることが好ましい。
〔作用効果〕
炭化物を加熱して黒鉛化する温度範囲が1800℃以上2000℃以下であれば、黒鉛化された炭素材料中に、カーボンナノチューブを破壊させない状態で良好に生成させることができるとともに、カーボンナノチューブの内部空間に炭化ケイ素が結晶化して積層した積層部を良好に形成することができる。また、当該温度範囲内で黒鉛化の温度を適切に調整することにより、カーボンナノチューブの内部空間に結晶化する炭化ケイ素の結晶量を適切に調整することができる。
〔構成〕
さらに、前記サトウキビバガスが、前記サトウキビの幹部分において、当該幹部分から芯部分及び実部分を除く部分で構成されることが好ましい。
〔作用効果〕
サトウキビの幹部分において芯部分及び実部分を除く部分をサトウキビバガスとして炭化の対象とすることにより、当該部分の繊維状組織断面の構造に依存した状態で、その繊維状組織を生かして、炭化物を得ることができる。
〔構成〕
上記課題を解決するための本発明のカーボンナノチューブを含む炭素材料の製造方法の特徴構成は、
二酸化ケイ素を含むサトウキビを圧搾処理して得られるサトウキビバガスを、炭化炉にて不活性ガス雰囲気下で炭化する炭化工程の実行後、前記炭化工程により得られた炭化物を不活性ガス雰囲気下で1100℃以上2200℃以下の温度で黒鉛化する黒鉛化工程を実行して、炭素を主成分とする筒状の側壁部と、前記側壁部の内部空間において前記側壁部の筒軸方向に順次積層する状態で結晶化した炭化ケイ素を主成分とする積層部とを備えて形成されたカーボンナノチューブを含む炭素材料を製造する製造方法である点にある。
〔作用効果〕
サトウキビバガスを、炭化炉にて不活性ガス雰囲気下で炭化する炭化工程を実行すると、サトウキビバガスに含まれる有機物は炭化し、ヘテロ原子の少ない炭化物に変換される。この炭化物を、不活性ガス雰囲気下で、1100℃以上2200℃以下の温度で黒鉛化する黒鉛化工程を実行すると、黒鉛化された黒鉛構造中には、非晶質炭素組織以外に板状粒子、繊維状粒子及び棒状粒子が生成され、この棒状粒子は、直径が2〜200nm程度、長さが0.01〜10μm程度のカーボンナノチューブであることが、本発明者により確認された。特に、当該カーボンナノチューブには、サトウキビの成長過程において当該サトウキビに取込まれていた土壌中のSi成分(二酸化ケイ素)が、炭化ケイ素(六方晶)の結晶形態で内包されていることが確認された。
説明を加えると、カーボンナノチューブの側壁部には、植物の節に似た構造が存在し、この構造は一定の間隔を保って周期的に存在することから、サトウキビの繊維状組織がもともと持っていた骨格構造を基礎にして、当該カーボンナノチューブが生成されているものと考えられる。このカーボンナノチューブの側壁部は、炭素を主成分とし少量のケイ素を含むグラファイト積層構造から構成されていることが確認された。また、カーボンナノチューブにおける側壁部の内部空間は、側壁部の筒軸方向に順次積層する状態(らせん状或いは平面状(直線状)に積層する状態)で結晶化した炭化ケイ素を主成分とし、少量のアルミニウムを含む積層部が形成されていることが確認された。この積層部を構成する炭化ケイ素は、積層数の異なる複数の多形(2H,4H,6H等)を含んでいる。
また、黒鉛化工程における炭化物の黒鉛化温度が1100℃未満では、サトウキビバガス中のSi成分(二酸化ケイ素)が炭化ケイ素に変化せず、また、2200℃を超えると、カーボンナノチューブ中に生成した炭化ケイ素が分解してしまい、炭素を主成分とする筒状の側壁部と、側壁部の内部空間において側壁部の筒軸方向に順次積層する状態で結晶化した炭化ケイ素を主成分とする積層部とを備えて形成されたカーボンナノチューブを良好に形成することができないことが、確認された。
このような側壁部の内部空間に、筒軸に沿って複数の炭化ケイ素の結晶層が高密度に積層された積層部が形成されたカーボンナノチューブは、上記炭化物や非晶質炭素組織と構造的に異なり従来の炭素材料とは異なる物性を発揮し得るものとして期待でき、例えば、電圧変換器など半導体材料用途への応用が期待される。
よって、二酸化ケイ素を含むサトウキビバガスを出発原料として、これを適切に炭化及び黒鉛化することにより、簡易かつ安価で工業的に、炭化ケイ素を内部空間に内包するカーボンナノチューブを含む炭素材料を製造することができた。
1800℃でサトウキビバガス(炭化物)を黒鉛化した炭素材料のTEM写真 図1の要部を示す拡大TEM写真 (a)図1の要部を示す拡大TEM写真、(b)STEM‐EDXによる測定点Aの組成分析グラフ図、(c)STEM‐EDXによる測定点Bの組成分析グラフ図 図3の測定点Bの制限視野電子線回折結果を示す図 2000℃でサトウキビバガス(炭化物)を黒鉛化した炭素材料のTEM写真 図5の要部を示す拡大TEM写真 図5の要部を示す拡大TEM写真 図5の要部を示す拡大TEM写真 (a)図5の要部を示す拡大TEM写真、(b)STEM‐EDXによる測定点Cの組成分析グラフ図 図9の測定点Cの制限視野電子線回折結果を示す図 1200℃でサトウキビバガス(炭化物)を黒鉛化した炭素材料のTEM写真 2400℃でサトウキビバガス(炭化物)を黒鉛化した炭素材料のTEM写真 図12の炭素材料の制限視野電子線回折結果を示す図
以下に、本発明のカーボンナノチューブを含む炭素材料及びその製造方法を、図面に基づいて説明するが、まず、出発原料となるサトウキビについて説明する。
尚、以下に好適な実施例を記すが、これら実施例はそれぞれ、本発明をより具体的に例示するために記載されたものであって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々変更が可能であり、本発明は、以下の記載に限定されるものではない。
サトウキビは、その幹部分を横断面方向の構造を、「芯部分」、「実部分」、「皮部分」に分けることができる。ここで、皮部分は、サトウキビの断面で最も外表面側に位置する部位であり、芯部分はサトウキビの断面で中心側に位置する部位である。そして、実部分は、これら皮部分と芯部分との間に位置する部位となる。通常、サトウキビは、この実部分を圧搾することで精糖原料を得る。
これら各部のサトウキビ全体に占める割合(サトウキビの根元近傍及び先端近傍を除く中間の幹部分における、サトウキビ全質量に対する各部の質量割合で、質量パーセントとしたもの)は、皮部分が約21質量%程度(30質量%以下)であり、実部分が約56%質量程度(40質量%〜65質量%)であり、芯部分が約23質量%程度(30質量%以下)である。
本発明では、このようなサトウキビの皮部分(幹部分において、芯部分及び実部分を除いた部分)からなるサトウキビバガス(絞りかす)を用いて、炭化工程及び黒鉛化工程を実行する。また、皮部分以外のサトウキビのサトウキビバガスを用いて、炭化工程及び黒鉛化工程を実行することも可能である。なお、サトウキビバガスには、不溶性、難消化性のセルロースやリグニンが多く含まれている。
〔皮分離工程〕
まず、サトウキビから皮部分を分離する皮分離工程を実行する。
例えば、サトウキビに関して、その皮部分のみを皮剥きの要領で分離することで、所謂、芯部分及び実部分が分離された皮部分を得ることができるが、この場合、最外表面側に位置する皮部分のみを原料とするため、サトウキビ全体の質量に対して、15〜25質量%程度(30質量%以下)となる皮部分のみが分離される。分離に際しては、一対のローラ間に、所定長さに切断されたサトウキビの幹部分を挿入・落下させて皮剥ぎを行う工程を、幹部分の移動方向に複数段備えるとともに、落下物を、その大きさ、重量に従って分類するケーンセパレーターを使用することで、所望の部位の分離を行うことができる。なお、分離された皮部分からなるサトウキビバガスを、100℃で予め乾燥させておき、次に実行される炭化工程に備える。
〔炭化工程〕
乾燥したサトウキビバガスを、炭化炉において所定の乾留状態で炭化処理を施す。この炭化処理における、皮部分を加熱し炭化する加熱温度は、700℃以上1000℃以下であり、且つ、その加熱時間は、5分以上120分以下とする。常温から加熱温度までの昇温時間は、60分程度とし、雰囲気として、無酸素条件である不活性ガス雰囲気を使用する。このような処理を経て、サトウキビバガスの炭化物を得ることができる。なお、不活性ガスとしては、例えば、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス等を例示することができる。
〔黒鉛化工程〕
炭化されたサトウキビバガスの炭化物を、炭化炉において所定の乾留状態で黒鉛化処理を施す。この黒鉛化工程における、当該炭化物を加熱する温度(目標温度)は、1100℃以上2200℃以下であり、且つ、その加熱時間は、30分以上3時間程度とする。雰囲気温度を、2000℃までは500℃/H、2000℃〜2500℃では200℃/H、2500℃以上では50℃/Hで昇温することができる炉を用いる。なお、本発明者らは、黒鉛化工程における昇温速度及び目標温度における保持時間は、得られる炭素材料の構造にはあまり影響を与えないことを実験的に知得している。また、なお、不活性ガスとしては、例えば、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス等を例示することができる。
これにより、直径が2〜200nm程度、長さが0.01〜10μm程度のカーボンナノチューブを含む炭素材料を得ることができ、当該カーボンナノチューブの側壁部が、炭素を主成分とし少量のケイ素を含むグラファイト積層構造から構成されるとともに、当該側壁部の内部空間に、側壁部の筒軸方向に順次積層する状態(らせん状或いは平面状(直線状)に積層する状態)で結晶化した炭化ケイ素を主成分とし、少量のアルミニウムを含む積層部を形成できることがわかった。
以下に、本発明の製造方法のさらに詳細な実施例を示す。
〔実施例〕
100℃で予め乾燥したサトウキビバガス(皮部分)を、炭化炉にてアルゴン雰囲気下900℃で1時間炭化した後、アルゴン雰囲気下種々の温度(1100℃〜2200℃)で1時間黒鉛化を行った。
得られた黒鉛化バガス(炭素材料)を、X線回折測定、TEM(Transmission Electron Microscope)観察により構造解析を行い、STEM‐EDX(Scanning Transmission Electron Microscope‐Energy Dispersive X‐ray Analysis)及び制限視野電子線解析観察により組成解析を行った。これら解析には、(株)リガク製ULTIMA IV、日本電子製電界放出型透過電子顕微鏡JEM‐2010及びJEM‐2100、日本電子製エネルギー分散型X線分析装置JED‐2300Tを用いた。
なお、X線回折測定による構造解析の結果は図示しないが、黒鉛化工程の温度の上昇とともに002回折線及び10回折線の強度が強くなり、また、10回折線の非対称性が明瞭になることから、黒鉛化バガス(炭素材料)の積層構造は、主に乱層積層であると考えられる。
図示しないが、まず、900℃でサトウキビバガスをアルゴン雰囲気下で炭化した炭化物について、説明する。
この900℃で炭化した炭化物は、非晶質構造組織と薄片状組織が混在している。薄片状組織部分を拡大して調べると、薄片が数十層積層した薄層グラファイト構造であることがわかる。一般に、石油系や石炭系の炭素前駆体を900℃で熱処理を行うと、2〜3nm程度のジグザグ網面が数層積層した構造体が観察されるが、上記のような薄層グラファイト構造は観察されず、サトウキビバガス特有の炭素化挙動である。さらに、非常に含有量は少ないが、サトウキビバガスの繊維構造由来と思われるミルド状カーボンナノチューブの存在も確認された。
図1〜図3に、1800℃でサトウキビバガス(炭化物)を黒鉛化した炭素材料のTEM写真を示す。この1800℃で加熱処理(黒鉛化)を施した黒鉛化バガスでは、非晶質炭素組織以外に、板状粒子、繊維状粒子及び棒状粒子の微小要素が観察された。図示しないが、板状粒子は数nm〜50nm程度の粒子径分布を持ち、明視野像において弱い位相コントラストを呈したことから、その厚さは数原子〜十原子層程度であると推察される。繊維状粒子は直径が5nm程度の曲線状あるいは屈曲した直線状であり、凝集体として観察されるものが大半であった。特に、図1に示すように、棒状粒子は直径約50nm、長さ約2μmの直線状で、両端部が閉じた管状構造(筒状構造)を有していた。図2及び図3(a)に示すように、この棒状粒子の内部空間にはらせん状(平面状或いは直線状)のコントラストが観察され、後述する制限視野電子線回折結果(図4参照)より結晶性物質が存在することが判明した。棒状粒子の側壁部(図3(a)の測定点A)及び棒状粒子の内部空間(積層部)における一端部(図3(a)の測定点B)において、STEM‐EDXによる組成分析を実施した結果を図3(b)及び(c)に示す。図3(b)が測定点Aの組成分析結果であり、図3(c)が測定点Bの組成分析結果である。この結果により、棒状粒子の側壁部は少量のケイ素を含む炭素(主として炭素)によって構成されており(図3(b)の実線参照)、内部空間(積層部)は炭素、ケイ素及び少量のアルミニウムから構成されること(図3(c)の実線参照)が判明した。内部空間における炭素とケイ素の比(C/Si比)は1.4であった。サトウキビバガスには、土壌からのSi成分(SiO2)などが取り込まれているため、組成分析の結果に、SI成分が含まれているものと考えられる。なお、図3(b)及び(c)において、破線で示す線(Cu等)は組成分析に用いられる資料ホルダであるため、カーボンナノチューブに由来する組成物を示すものではない。また、図2に示すように、側壁部は厚さ約3〜5nmの湾曲したグラファイト積層構造(図2の上下方向に延びる複数の層)から構成されていた。図4に制限視野電子線回折結果を示す。グラファイト積層構造に由来する002及び004回折斑点(図4では、それぞれ単にCarbonと記載)が観察され、その平均層間隔は0.351nmであった。また、六方晶炭化ケイ素の構造に由来する回折斑点(図4では単に2H‐SiCと記載)及び強度の高い直線状の回折(ストリーク)も観察された。ストリークは、連続的に配列した複数の回折斑点により構成されていることに加えて、明視野像に見られた積層欠陥のトレースに垂直であったことから、高密度に配列した積層欠陥を含む炭化ケイ素(SiC)を内部空間に内包したカーボンナノチューブ(CNT)であると結論できる。ここで、炭化ケイ素(SiC)は積層数の異なる複数の多形(2H、4H、6H等)を含み、積層欠陥がカーボンナノチューブの長軸(筒軸)に対してほぼ垂直に存在することから、主として炭化ケイ素(SiC)からなる積層部(図2の左右方向に延びる複数の層)の成長はカーボンナノチューブの長軸に沿って進行したと推察される。
図5〜図9に、2000℃でサトウキビバガス(炭化物)を黒鉛化した炭素材料のTEM写真を示す。この2000℃で加熱処理(黒鉛化)を施した黒鉛化バガスでは、1800℃で加熱処理した黒鉛化バガスと同様に、非晶質炭素組織以外に、板状粒子、繊維状粒子及び棒状粒子の微小要素が観察された。特に、図5に示すように、直径約100nm、長さ6μm前後で、炭化ケイ素(SiC)の積層部を内部空間に内包する棒状粒子(カーボンナノチューブ)の存在が認められた。また、図5〜図7に示すように、炭化ケイ素はカーボンナノチューブの内部空間において、中央部付近にのみ生成し、筒軸に沿う方向における両端部には中空領域が存在した。ここで、炭化ケイ素の分解温度は約2200℃より高いが、内包されている炭化ケイ素が徐々に分解し、カーボンナノチューブの先端から気化して当該中空領域が形成されたものと考えられる。さらに、図8に示すように、カーボンナノチューブの側壁部の一部に、植物の節に似た構造が観察され、この構造は一定の間隔(100〜200nm)を保って周期的に存在することから、サトウキビバガスが持つ骨格構造を基礎にして生成したものと考えられる。カーボンナノチューブの側壁部の厚さはおよそ10〜15nm程度であった(図8参照)。カーボンナノチューブの内部空間の炭化ケイ素の積層部(図9(a)の測定点C)において、STEM‐EDXによる組成分析を実施した結果を図9(b)に示す。この結果により、カーボンナノチューブの内部空間(積層部)は炭素、ケイ素及び少量のアルミニウムから構成されること(図9(b)の実線参照)が判明した。内部空間における積層部の炭素とケイ素の比(C/Si比)は1.6であった。この比は、1800℃で加熱処理した黒鉛化バガスの場合に比べてやや高い値であるが、カーボンナノチューブの全体積に対する側壁部体積の割合が増大したことがその原因であると考えられる。なお、図9(b)において、破線で示す線(Cu等)は組成分析に用いられる資料ホルダであるため、カーボンナノチューブに由来する組成物を示すものではない。図10に制限視野電子線回折結果を示す。六方晶炭化ケイ素の構造に由来する回折斑点(図10では単に2H‐SiCと記載)及び強度の高い直線状の回折(ストリーク)が、1800℃で加熱処理した黒鉛化バガスに比べて、より明瞭であり、炭化ケイ素の結晶性が高くなっていることがわかる。
図11に、1200℃でサトウキビバガス(炭化物)を黒鉛化した炭素材料のTEM写真を示す。この1200℃で加熱処理された黒鉛化バガスでも、上記1800℃又は2000℃で加熱処理された黒鉛化バガスと同様に、直径約150nm、長さ2μm前後の棒状粒子であるカーボンナノチューブが、その内部空間に炭化ケイ素の結晶が積層した積層部を備えた状態で生成されていることが確認された。
〔比較例〕
100℃で予め乾燥したサトウキビバガス(皮部分)を、炭化炉にてアルゴン雰囲気下900℃で1時間炭化した後、アルゴン雰囲気下種々の温度(1100℃未満、2200℃超(例えば、2400℃))で1時間黒鉛化を行った。
図12に、2400℃でサトウキビバガス(炭化物)を黒鉛化した炭素材料のTEM写真を示す。この2400℃で加熱処理(黒鉛化)を施した黒鉛化バガスでは、非晶質炭素組織以外に、板状粒子、繊維状粒子の微小要素が観察された。当該2400℃で加熱処理した黒鉛化バガスでは、1800℃及び2000℃の黒鉛化バガスと比較して、図示しないが、板状粒子(薄片状粒子)を構成する微小要素の薄片状グラファイトの結晶成長が更に進行し、その大きさが200nmに達する領域が観察された。この領域の結晶子内部には正六角形の原子配列を示す格子像が観察され、この粒子から得た制限視野電子線回折像は、図13に示すように、二次以上の高次の回折斑点を含んでおり、全ての回折斑点はグラファイト構造に基づいた指数付けが可能であった。また、上述のX線回折測定の結果より、サトウキビバガスの黒鉛化バガスは、基本的に乱層積層体であると考えられるが、以上の観察結果は、局所的にAB型積層構造体が生成していることを示している。さらに、図示しないが、繊維状粒子では、直径が10nmを超える粒子が目立つようになり、その内部には層状構造が観察された。特に、1800℃及び2000℃で加熱処理された黒鉛化バガスにおいて観察された内部空間に炭化ケイ素の結晶が内包されたカーボンナノチューブの存在は、2400℃で加熱処理された黒鉛化バガス中では認められなかったが、図12に示すように、炭化ケイ素が分解気化した残渣状の構造の崩れたナノチューブが観察された。すなわち、2400℃の加熱処理を行った黒鉛化バガスには、カーボンナノチューブは生成されておらず、特に、内部空間に炭化ケイ素の結晶が積層したカーボンナノチューブも生成されていないことが確認された。
なお、1100℃未満で加熱処理を行ったとしても、サトウキビバガス(炭化物)に含まれる二酸化ケイ素が炭化ケイ素に変化する温度未満であるので、カーボンナノチューブの内部空間に炭化ケイ素の結晶が積層することはないと考えられる。
よって、出発原料をサトウキビバガスとして炭化を行い、この炭化物を温度範囲が1100℃以上2200℃以下で黒鉛化を行うことで、カーボンナノチューブを含む炭素材料を生成でき、特に、当該カーボンナノチューブの内部空間に炭化ケイ素の結晶を内包した炭素材料を生成することができ、さらに、好ましくは1800℃以上2000℃以下の温度範囲で黒鉛化工程を行うことが好ましいことがわかる。また、1800℃以上2000℃以下の温度範囲において、温度を調整することにより、カーボンナノチューブの内部空間に結晶化した状態で積層する炭化ケイ素の結晶量が調整可能なこともわかる。
本発明は、簡易かつ安価で工業的に製造され、炭化ケイ素を内部空間に内包するカーボンナノチューブを含む炭素材料として、半導体材料用途等への応用が期待される。

Claims (4)

  1. 二酸化ケイ素を含むサトウキビを圧搾処理して得られるサトウキビバガスが炭化炉にて不活性ガス雰囲気下で炭化され、得られた炭化物が不活性ガス雰囲気下で1100℃以上2200℃以下の温度で黒鉛化されることにより製造され、炭素を主成分とする筒状の側壁部と、前記側壁部の内部空間において前記側壁部の筒軸方向に順次積層する状態で結晶化した炭化ケイ素を主成分とする積層部とを備えて形成されたカーボンナノチューブを含む炭素材料。
  2. 前記炭化物を加熱して黒鉛化する温度範囲が、1800℃以上2000℃以下である請求項1に記載のカーボンナノチューブを含む炭素材料。
  3. 前記サトウキビバガスが、前記サトウキビの幹部分において、当該幹部分から芯部分及び実部分を除く部分で構成される請求項2に記載のカーボンナノチューブを含む炭素材料。
  4. 二酸化ケイ素を含むサトウキビを圧搾処理して得られるサトウキビバガスを、炭化炉にて不活性ガス雰囲気下で炭化する炭化工程の実行後、前記炭化工程により得られた炭化物を不活性ガス雰囲気下で1100℃以上2200℃以下の温度で黒鉛化する黒鉛化工程を実行して、炭素を主成分とする筒状の側壁部と、前記側壁部の内部空間において前記側壁部の筒軸方向に順次積層する状態で結晶化した炭化ケイ素を主成分とする積層部とを備えて形成されたカーボンナノチューブを含む炭素材料を製造する製造方法。
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