JP2012211527A - ガスタービン - Google Patents

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Abstract

【課題】分割環の熱負荷の増大を抑制可能なガスタービンを提供する。
【解決手段】タービン動翼33と、タービン静翼32と、タービン動翼33を周方向に囲む分割環52と、タービン静翼32を周方向に囲む外シュラウド51と、分割環52および外シュラウド51の内部に設けられ、燃焼ガスが流通する燃焼ガス流路R1と、を備え、外シュラウド51(51a)は、燃焼ガスのガス流れ方向において、分割環52(52a)の上流側に位置し、分割環52aと外シュラウド51aとの間からは、燃焼ガスよりも温度の低いシールガスが燃焼ガス流路R1へ向けて供給されており、外シュラウド51aは、ガス流れ方向の下流側の内周に設けられ、内部に流通する燃焼ガスを分割環52aの内周面へ向けて案内する案内面61を有し、案内面61は、燃焼ガス流路R1の流路面積が広がるように形成されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、燃焼ガスによって回転するガスタービンに関するものである。
従来、回転軸と、回転軸に対して径方向外側に延びるタービン・ブレードと、タービン・ブレードから径方向外側に離間して設けられたシール・セグメントと、シール・セグメントに隣接するステータ・アセンブリと、を備えたガスタービンが知られている(例えば、特許文献1参照)。ステータ・アセンブリおよびシール・セグメントは、離間して配置されており、ステータ・アセンブリとシール・セグメントとの間には、周方向に延びるキャビティが形成されている。このキャビティは、冷却空気流路を形成している。
特開平7−233735号公報
ところで、従来のガスタービンの構造において、作動流体の流れ方向の上流側に位置する(図1の左側の)ステータ・アセンブリの作動流体の流路を形成する外シュラウドの内周面と、下流側に位置する(図1の中央の)シール・セグメントのシール面とは、その径方向における高さが面一となるように形成されることが好ましい。しかしながら、作動流体の流れ方向における圧力損失、シール・セグメントの熱伸びや寸法公差等を考慮すると、シール・セグメントのシール面は、外シュラウドの内周面に対して、僅かに径方向外側に位置する場合がある。換言すれば、シール・セグメントの内径は、ステータ・アセンブリの外シュラウドの内径に比して大きくなる場合がある。
この場合、外シュラウドの内周面とシール・セグメントのシール面との間には段差が生じる。しかしながら、段差が生じると、外シュラウドおよびシール・セグメント内を流れる作動流体は、段差の下流側で渦を形成して、キャビティから供給されるシールガスと混合し易くなる。作動流体とシールガスとが混合すると、シールガスの温度が上昇し、シール・セグメントの熱負荷が増大する虞がある。
そこで、本発明は、分割環(シール・セグメント)の熱負荷の増大を抑制可能なガスタービンを提供することを課題とする。
本発明のガスタービンは、回転可能なタービン軸に取り付けられたタービン動翼と、タービン動翼に対し軸方向に対向するように固定されたタービン静翼と、タービン動翼を周方向に囲む分割環と、タービン静翼を周方向に囲み、分割環に対し軸方向に対向するように設けられた外シュラウドと、分割環および外シュラウドの内部に設けられ、燃焼ガスが流通する燃焼ガス流路と、を備え、外シュラウドは、燃焼ガスのガス流れ方向において、分割環の上流側に位置し、分割環と外シュラウドとの間からは、燃焼ガスよりも温度の低いシールガスが燃焼ガス流路へ向けて供給されており、外シュラウドは、ガス流れ方向の下流側の内周に設けられ、内部に流通する燃焼ガスを分割環の内周面へ向けて案内する案内面を有し、案内面は、燃焼ガス流路の流路面積が広がるように形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、外シュラウドにおいて燃焼ガス流路を流れる燃焼ガスを、案内面により、分割環の内周面へ向けて案内することができる。このとき、燃焼ガス流路の流路面積が広がるように形成されているため、燃焼ガスは、分割環と外シュラウドとの間から供給されるシールガスとの混合を抑制でき、シールガスを分割環の内周面に沿わせて案内することができる。これにより、シールガスにより分割環を冷却することができるため、分割環の熱負荷の増大を抑制することが可能となる。
この場合、案内面の下流側端部は、案内面の上流側における外シュラウドの内周面に対して径方向外側に位置していることが好ましい。
この構成によれば、案内面は、下流側へ向かうにつれて径方向外側に広がっているため、燃焼ガスを、下流側へ向けて径方向外側に広げながら、分割環の内周面へ向かうように案内することができる。これにより、外シュラウドから分割環へ流入する燃焼ガスの圧力損失を抑制することができる。
この場合、分割環の内周面の上流側端部は、案内面の下流側端部における接線に対して径方向外側に位置していることが好ましい。
この構成によれば、案内面によって案内された燃焼ガスを、分割環の内周面へ向けて好適に案内することができる。
この場合、案内面は、外シュラウドの下流側の内周を切り欠いて形成されていることが好ましい。
この構成によれば、外シュラウドの内周を切り欠くことで案内面を簡単に形成することができる。
この場合、案内面は、外シュラウドの下流側の内周に対して突出して設けられた突起部に形成されていることが好ましい。
この構成によれば、外シュラウドの内周に突起部を設けることで案内面を形成することができる。
この場合、案内面は、曲面に形成されていることが好ましい。
この構成によれば、曲面となる案内面に沿って、燃焼ガスを案内することができるため、燃焼ガスの流通を円滑に行うことができ、案内面に対する熱負荷を軽減することができる。
この場合、タービン軸の軸方向に対する案内面の下流側端部における接線の角度は、10°以上30°以下であることが好ましい。
この構成によれば、案内面に沿って流れる燃焼ガスを、分割環の内周面へ向けて好適に案内することができる。
本発明のガスタービンによれば、外シュラウドのガス流れ方向の下流側の内周に案内面を設けたことにより、燃焼ガスとシールガスとの混合が抑制されるため、分割環への熱負荷の増大を抑制することができる。
図1は、実施例1に係るガスタービンの概略構成図である。 図2は、実施例1に係るガスタービンのタービン周りにおける部分断面図である。 図3は、実施例1に係るガスタービンの第1タービン動翼周りにおける模式図である。 図4は、実施例1に係るガスタービンの第1分割環周りにおける入熱量と、従来に係るガスタービンの第1分割環周りにおける入熱量とを比較したグラフである。 図5は、実施例2に係るガスタービンの第1タービン動翼周りにおける模式図である。
以下、添付した図面を参照して、本発明に係るガスタービンについて説明する。なお、以下の実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
図1に示すように、実施例1のガスタービン1は、圧縮機5と、燃焼器6と、タービン7とにより構成されている。また、圧縮機5、燃焼器6およびタービン7の中心部には、タービン軸8が貫通して配置されている。圧縮機5、燃焼器6およびタービン7は、タービン軸8の軸心Rに沿って、空気または燃焼ガスのガス流れ方向の上流側から下流側に向かって順に並設されている。
圧縮機5は、空気を圧縮して圧縮空気とするものである。圧縮機5は、空気を取り込む空気取入口11を有した圧縮機ケーシング12内に、複数段の圧縮機静翼13および複数段の圧縮機動翼14が設けられている。各段の圧縮機静翼13は、圧縮機ケーシング12に取り付けられて周方向に複数並設され、各段の圧縮機動翼14は、タービン軸8に取り付けられて周方向に複数並設されている。これら複数段の圧縮機静翼13と複数段の圧縮機動翼14とは、軸方向に沿って交互に設けられている。
燃焼器6は、圧縮機5で圧縮された圧縮空気に対して燃料を供給することで、高温・高圧の燃焼ガスを生成するものである。燃焼器6は、燃焼筒として、圧縮空気と燃料を混合して燃焼させる内筒21と、内筒21から燃焼ガスをタービン7に導く尾筒22と、内筒21の外周を覆い、圧縮機5からの圧縮空気を内筒21に導く外筒23とを有している。この燃焼器6は、燃焼器ケーシング24に対し周方向に複数並設されている。
タービン7は、燃焼器6で燃焼された燃焼ガスにより回転動力を生じるものである。タービン7には、外殻となるタービンケーシング31内に、複数段のタービン静翼32および複数段のタービン動翼33が設けられている。各段のタービン静翼32は、タービンケーシング31に取り付けられて周方向に複数並設され、各段のタービン動翼33は、タービン軸8の軸心Rを中心とした円盤状のディスクの外周に固定されて周方向に複数並設されている。これら複数段のタービン静翼32と複数段のタービン動翼33とは、軸方向に沿って複数交互に設けられている。以下、図2を参照して、タービン7について具体的に説明する。
図2に示すように、タービンケーシング31は、外部ケーシング41と、内部ケーシング42とを有している。また、タービンケーシング31の下流側には、タービン7に連続するディフューザ部54を内部に有した排気室34が設けられている(図1参照)。内部ケーシング42は、軸方向に並設された複数の翼環45を有している。複数の翼環45は、ガス流れ方向(軸方向)の上流側から順に、第1翼環45aと、第2翼環45bと、第3翼環45cと、第4翼環45dとを含んで構成されている。この複数の翼環45は、外部ケーシング41の径方向内側に配設されている。
内部ケーシング42には、複数の外シュラウド51と、複数の分割環52とが設けられている。複数の外シュラウド51は、ガス流れ方向の上流側から順に、第1外シュラウド51aと、第2外シュラウド51bと、第3外シュラウド51cと、第4外シュラウド51dとを含んで構成されている。また、複数の分割環52は、ガス流れ方向の上流側から順に、第1分割環52aと、第2分割環52bと、第3分割環52cと、第4分割環52dとを含んで構成されている。
そして、複数の外シュラウド51および複数の分割環52は、ガス流れ方向の上流側から順に、第1外シュラウド51a、第1分割環52a、第2外シュラウド51b、第2分割環52b、第3外シュラウド51c、第3分割環52c、第4外シュラウド51d、第4分割環52dとなるように配置され、それぞれ軸方向に対向するように設けられている。
また、第1外シュラウド51aおよび第1分割環52aは、第1翼環45aの径方向内側に取り付けられている。同様に、第2外シュラウド51bおよび第2分割環52bは、第2翼環45bの径方向内側に取り付けられ、第3外シュラウド51cおよび第3分割環52cは、第3翼環45cの径方向内側に取り付けられ、第4外シュラウド51dおよび第4分割環52dは、第4翼環45dの径方向内側に取り付けられている。
そして、複数の外シュラウド51および複数の分割環52の内周側と、タービン軸8の外周側との間に形成された環状の流路が、燃焼ガス流路R1となり、燃焼ガスは、燃焼ガス流路R1に沿って流れる。
複数段のタービン静翼32は、複数の外シュラウド51に応じてそれぞれ配置され、複数の外シュラウド51の径方向内側に設けられている。各段のタービン静翼32は、各外シュラウド51と一体に設けられており、固定側となっている。複数段のタービン静翼32は、ガス流れ方向の上流側から順に、第1タービン静翼32aと、第2タービン静翼32bと、第3タービン静翼32cと、第4タービン静翼32dとを含んで構成されている。第1タービン静翼32aは、第1外シュラウド51aの径方向内側に設けられている。同様に、第2タービン静翼32b、第3タービン静翼32cおよび第4タービン静翼32dは、第2外シュラウド51b、第3外シュラウド51cおよび第4外シュラウド51dの径方向内側に設けられている。
複数段のタービン動翼33は、複数の分割環52に応じてそれぞれ配置され、複数の分割環52の径方向内側に設けられている。各段のタービン動翼33は、各分割環52に対して離間して設けられており、可動側となっている。複数段のタービン動翼33は、ガス流れ方向の上流側から順に、第1タービン動翼33aと、第2タービン動翼33bと、第3タービン動翼33cと、第4タービン動翼33dとを含んで構成されている。そして、第1タービン動翼33aは、第1分割環52aの径方向内側に設けられている。同様に、第2タービン動翼33b、第3タービン動翼33cおよび第4タービン動翼33dは、第2分割環52b、第3分割環52cおよび第4分割環52dの径方向内側に設けられている。
このため、複数段のタービン静翼32および複数段のタービン動翼33は、ガス流れ方向の上流側から順に、第1タービン静翼32a、第1タービン動翼33a、第2タービン静翼32b、第2タービン動翼33b、第3タービン静翼32c、第3タービン動翼33c、第4タービン静翼32d、第4タービン動翼33dとなるように配置され、それぞれ軸方向に対向するように設けられている。
タービン軸8は、圧縮機5側の端部が軸受部37により支持され、排気室34側の端部が軸受部38により支持されて、軸心Rを中心として回転自在に設けられている。そして、タービン軸8の排気室34側の端部には、発電機(図示せず)の駆動軸が連結されている。
上記のようなガスタービン1において、タービン軸8を回転させると、圧縮機5の空気取入口11から空気が取り込まれる。そして、取り込まれた空気は、複数段の圧縮機静翼13と複数段の圧縮機動翼14とを通過することにより圧縮されることで、高温・高圧の圧縮空気となる。この圧縮空気に対し、燃焼器6から燃料が供給されることで高温・高圧の燃焼ガスが生成され、この燃焼ガスがタービン7の複数段のタービン静翼32と複数段のタービン動翼33とを通過することでタービン軸8が回転駆動する。これにより、タービン軸8に連結された発電機は、回転動力が付与されることで発電を行う。この後、タービン軸8を回転駆動した後の燃焼ガスは、排気室34内のディフューザ部54で静圧に変換されてから大気に放出される。
次に、図3を参照して、タービン7の第1タービン動翼33a周りの構成について説明する。図3は、実施例1に係るガスタービンの第1タービン動翼周りにおける模式図である。各外シュラウド51と各分割環52との間には、キャビティR2がそれぞれ設けられている。キャビティR2は、周方向に亘って設けられ、キャビティR2からは、燃焼ガス流路R1へ向けて、燃焼ガスよりも温度の低い空気等のシールガスが供給される。
図3に示すように、第1分割環52aの内径は、燃焼ガスのガス流れ方向における圧力損失、分割環52の熱伸びや寸法公差等を考慮し、第1外シュラウド51aの内径に比して僅かに大径となっている。ここで、第1外シュラウド51aと第1分割環52aとの間のキャビティR2周りの構成について説明する。
第1外シュラウド51aは、下流側の内周面に形成された案内面61を有している。案内面61は、第1外シュラウド51aの下流側における内周面を切り欠いて形成されており、案内面61に沿って流れる燃焼ガスが第1分割環52aの内周面へ向かうように形成されている。このため、第1外シュラウド51aの案内面61における燃焼ガス流路R1は、その流路面積が広がるように形成される。
案内面61は、ガス流れ方向の上流側から下流側へ向けて径方向外側に傾斜する断面視直線状の傾斜面となっている。案内面61の下流側端部P1は、案内面61の上流側における第1外シュラウド51aの内周面の延長線L1に対して径方向外側に位置している。この延長線L1の延在方向は、タービン軸8の軸方向と同方向となっている。また、タービン軸の軸方向と同方向となる延長線L1と、案内面61の下流側端部P1における接線L2とが為す角度θは、10°以上30°以下となっている。また、第1分割環52aの内周面の上流側端部P2は、接線L2に対して径方向外側に位置している。
従って、第1外シュラウド51aの内周面に沿って流れる燃焼ガスは、案内面61に達すると、案内面61に沿って流れる。これにより、燃焼ガスの一部は、径方向外側に広がって流れると共に、第1分割環52aの内周面へ向けて流れる。一方で、第1外シュラウド51aと第1分割環52aとの間のキャビティR2から供給されるシールガスは、燃焼ガス流路R1へ向けて流れる。燃焼ガス流路R1に流入したシールガスは、燃焼ガスの流れに導かれることで、第1分割環52aの内周面へ向けて流れる。これにより、シールガスは、燃焼ガスと混合することなく、第1分割環52aの内周面に沿って流れ、燃焼ガスは、第1分割環52aの内周面に沿って流れるシールガスに沿って流れる。つまり、第1分割環52aの内周面に沿って流れるシールガスと、シールガスに沿って流れる燃焼ガスとは、層状になって流れる。
続いて、図4を参照し、実施例1に係るガスタービンの第1分割環周りにおける入熱量と、従来に係るガスタービンの第1分割環周りにおける入熱量とについて比較する。図4は、実施例1に係るガスタービンの第1分割環周りにおける入熱量と、従来に係るガスタービンの第1分割環周りにおける入熱量とを比較したグラフである。図4に示すグラフは、その縦軸が入熱量となっており、入熱量は、複数の領域で解析された解析結果となっている。
図3に示すように、複数の領域は、ガス流れ方向の上流側から順に、第1領域E1と、第2領域E2と、第3領域E3と、第4領域E4とがある。第1領域E1は、第1タービン静翼32aの下流側における第1外シュラウド51aの内周面の領域である。第2領域E2は、第1タービン動翼33aの上流側における第1分割環52aの内周面の領域である。第3領域E3は、第1タービン動翼33aがある第1分割環52aの内周面の領域である。第4領域E4は、第1タービン動翼33aの下流側における第1分割環52aの内周面の領域である。
なお、比較対象となる従来の構成は、切り欠いて形成された案内面61を設けない構成である。つまり、従来の第1外シュラウド51aは、その内周面が、ガス流れ方向の上流側から下流側にかけて面一となっている。
ここで、第1領域E1における入熱量は、案内面61を形成した分、従来の構成に比して僅かに減少している。第2領域E2における入熱量は、案内面61を形成したことにより、キャビティR2から供給されるシールガスと燃焼ガスとの混合が抑制されるため、従来の構成に比して除熱の効果を向上させることができる。第3領域E3における入熱量は、シールガスと燃焼ガスとの混合が抑制されることにより、シールガスと燃焼ガスとが層状に流れるため、従来の構成に比して大幅に減少している。第4領域E4における入熱量は、実施例1の構成と従来の構成とで、大きく変わらない。そして、実施例1の構成における、第1領域E1から第4領域E4における全入熱量は、従来の構成に比して減少させることができ、第1分割環52aの熱負荷を抑制することができることが確認された。
以上のように、実施例1の構成によれば、第1外シュラウド51aにおいて燃焼ガス流路R1を流れる燃焼ガスを、案内面61により、第1分割環52aの内周面へ向けて案内することができる。このとき、案内面61は、燃焼ガス流路R1の流路面積が広がるように形成されているため、燃焼ガスは、キャビティR2から供給されるシールガスとの混合が抑制され、シールガスを第1分割環52aの内周面に沿わせて案内することができる。これにより、燃焼ガスおよびシールガスの混合を抑制して、燃焼ガスよりも温度の低いシールガスにより第1分割環52aを冷却することができるため、第1分割環52aの熱負荷の増大を抑制することが可能となる。
また、実施例1の構成によれば、延長線L1に対する接線L2の角度θを、10°以上30°以下にすることができるため、案内面61に沿って流れる燃焼ガスを、第1分割環52aの内周面へ向けて好適に案内することができる。
なお、実施例1では、第1外シュラウド51aの内周面に案内面61を設けたが、これに限らず、他の外シュラウド51の内周面に案内面61を設けてもよい。
また、実施例1では、案内面61を断面視直線状の傾斜面としたが、これに限らず、案内面61を断面視曲線状の曲面としてもよい。この構成によれば、曲面となる案内面に沿って、燃焼ガスを案内することができるため、燃焼ガスの流通を円滑に行うことができ、案内面61に対する熱負荷を軽減することができる。
次に、図5を参照して、実施例2に係るガスタービンについて説明する。図5は、実施例2に係るガスタービンの第1タービン動翼周りにおける模式図である。実施例2では、重複した記載を避けるべく、異なる部分について説明する。実施例1のガスタービン1では、第1外シュラウド51aの内周面を切り欠いて案内面61を形成したが、実施例2のガスタービン101では、第1外シュラウド51aの内周面に突起部102を設けて案内面103を形成している。以下、図5を参照して、第1外シュラウド51aの内周面に設けられた突起部102について説明する。
突起部102は、第1外シュラウド51aの第1タービン静翼32aの下流側における内周面に設けられている。突起部102は、径方向内側に凸となる曲面に形成されており、その上流側における部位に径方向内側へ向けて傾斜する断面視直線状または断面視曲線状の傾斜面が形成されると共に、その下流側における部位に径方向外側へ向けて傾斜する断面視直線状または断面視曲線状の案内面103が形成されている。
従って、第1外シュラウド51aの内周面に沿って流れる燃焼ガスは、突起部102の案内面103に達すると、案内面103に沿って流れる。これにより、燃焼ガスの一部は、径方向外側に広がって流れると共に、第1分割環52aの内周面へ向けて流れる。一方で、第1外シュラウド51aと第1分割環52aとの間のキャビティR2から供給されるシールガスは、燃焼ガス流路R1へ向けて流れる。燃焼ガス流路R1に流入したシールガスは、燃焼ガスの流れに導かれることで、第1分割環52aの内周面へ向けて流れる。これにより、シールガスは、燃焼ガスとの混合が抑制されて、第1分割環52aの内周面に沿って流れ、燃焼ガスは、第1分割環52aの内周面に沿って流れるシールガスに沿って流れる。つまり、第1分割環52aの内周面に沿って流れるシールガスと、シールガスに沿って流れる燃焼ガスとは、層状になって流れる。
以上のように、実施例2の構成においても、第1外シュラウド51aにおいて燃焼ガス流路R1を流れる燃焼ガスを、案内面103により、第1分割環52aの内周面へ向けて案内することができる。このとき、案内面103は、燃焼ガス流路R1の流路面積が広がるように形成されているため、燃焼ガスは、キャビティR2から供給されるシールガスとの混合が抑制され、シールガスを第1分割環52aの内周面に沿わせて案内することができる。これにより、燃焼ガスおよびシールガスの混合を抑制して、燃焼ガスよりも温度の低いシールガスにより第1分割環52aを冷却することができるため、第1分割環52aの熱負荷の増大を抑制することが可能となる。
1 ガスタービン
5 圧縮機
6 燃焼器
7 タービン
8 タービン軸
11 空気取入口
12 圧縮機ケーシング
13 圧縮機静翼
14 圧縮機動翼
21 内筒
22 尾筒
23 外筒
24 燃焼器ケーシング
31 タービンケーシング
32 タービン静翼
33 タービン動翼
41 外部ケーシング
42 内部ケーシング
45 翼環
51 外シュラウド
52 分割環
61 案内面
101 ガスタービン(実施例2)
102 突起部
103 案内面(実施例2)
R1 燃焼ガス流路
R2 キャビティ

Claims (7)

  1. 回転可能なタービン軸に取り付けられたタービン動翼と、
    前記タービン動翼に対し軸方向に対向するように固定されたタービン静翼と、
    前記タービン動翼を周方向に囲む分割環と、
    前記タービン静翼を周方向に囲み、前記分割環に対し軸方向に対向するように設けられた外シュラウドと、
    前記分割環および前記外シュラウドの内部に設けられ、燃焼ガスが流通する燃焼ガス流路と、を備え、
    前記外シュラウドは、前記燃焼ガスのガス流れ方向において、前記分割環の上流側に位置し、
    前記分割環と前記外シュラウドとの間からは、前記燃焼ガスよりも温度の低いシールガスが前記燃焼ガス流路へ向けて供給されており、
    前記外シュラウドは、前記ガス流れ方向の下流側の内周に設けられ、内部に流通する燃焼ガスを前記分割環の内周面へ向けて案内する案内面を有し、
    前記案内面は、前記燃焼ガス流路の流路面積が広がるように形成されていることを特徴とするガスタービン。
  2. 前記案内面の下流側端部は、前記案内面の上流側における前記外シュラウドの内周面に対して径方向外側に位置していることを特徴とする請求項1に記載のガスタービン。
  3. 前記分割環の内周面の上流側端部は、前記案内面の下流側端部における接線に対して径方向外側に位置していることを特徴とする請求項1または2に記載のガスタービン。
  4. 前記案内面は、前記外シュラウドの下流側の内周を切り欠いて形成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のガスタービン。
  5. 前記案内面は、前記外シュラウドの下流側の内周に対して突出して設けられた突起部に形成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のガスタービン。
  6. 前記案内面は、曲面に形成されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のガスタービン。
  7. 前記タービン軸の軸方向に対する前記案内面の下流側端部における接線の角度は、10°以上30°以下であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のガスタービン。
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